説明

ラック搬送装置

【課題】 搬送路を用いて円滑に検体ラックを搬送することができるラック搬送装置を提供する。
【解決手段】
ラック搬送ユニット3aは、検体ラックを測定ユニット51に搬送する測定ライン3aMと、測定ユニット51を経由せずに、測定ライン3aMの搬送方向と同じ方向に検体ラックを搬送する搬送ライン3aFと、搬送ライン3aFの搬送方向とは反対の方向に検体ラックを搬送する帰還ライン3aRと、搬送ライン3aFから、検体ラックを保持可能な分析前ラック保持部33を経由して、測定ライン3aMに検体ラックを移送する第1ラック移送機構と、測定ライン3aMから、検体ラックを保持可能な分析後ラック保持部34を経由して、搬送ライン3aF又は帰還ライン3aRに検体ラックを移送する第2ラック移送機構と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を保持した検体ラックを搬送するラック搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体を処理する検体処理部に検体ラックを搬送する搬送装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、一列に配列された複数の分析ユニットの配列方向に沿って配置された搬送装置であって、ラック発送部から発送された検体ラックを分析ユニットによる検体吸引位置に搬送し、その後、分析ユニットに対してラック発送部と同一側に配置されたラック回収部に検体ラックを帰還させる搬送装置が開示されている。この搬送装置は、緊急検体用の検体ラック及び割り込み検体用の検体ラックを搬送する追い越しレーンと、一般検体用の検体ラックを搬送する通常レーンと、検体が吸引された検体ラックを回収部へ帰還させる戻りレーンとを備えており、通常レーン上には上記各分析ユニットの各検体吸引位置が設定されている。また、搬送装置は、検体ラックを搬送するレーンを変更するレーンチェンジャを有する。このレーンチェンジャは、検体ラックの搬送方向と直交する方向にスライド可能であり、追い越しレーンから通常レーンに、通常レーンから戻りレーンに検体ラックを移すことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−32652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の搬送装置では、他の検体ラックの存在などによって通常レーンに検体ラックを移送できない場合には、レーンチェンジャによって追い越しレーン上の検体ラックを通常レーンに移送できる状態になるまで、追い越しレーン上に検体ラックが載置されたままとなる。また、他の検体ラックの存在などによって戻りレーンに検体ラックを移送できない場合には、レーンチェンジャによって通常レーン上の検体ラックを戻りレーンに移送できる状態になるまで、通常レーン上に検体ラックが載置されたままとなる。そのため、これらの場合においては、追い越しレーン又は通常レーンを用いて後続のラックを移送しようとするときには、追い越しレーン又は通常レーンによる後続の検体ラックの搬送が中断され、追い越しレーン又は通常レーンを用いて後続の検体ラックを円滑に移送できない。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、搬送路を用いて円滑に検体ラックを搬送することができるラック搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様のラック搬送装置は、検体を処理する検体処理部に検体ラックを搬送するラック搬送装置であって、検体を保持する検体ラックを前記検体処理部に搬送する第1搬送路と、前記検体処理部を経由せずに、前記第1搬送路の搬送方向と同じ方向に検体ラックを搬送する第2搬送路と、前記第1搬送路及び前記第2搬送路の搬送方向とは反対の方向に検体ラックを搬送する第3搬送路と、前記第2搬送路から、検体ラックを保持可能な第1保持領域を経由して、前記第1搬送路に検体ラックを移送する第1ラック移送機構と、前記第1搬送路から、検体ラックを保持可能な第2保持領域を経由して、前記第2搬送路又は前記第3搬送路に検体ラックを移送する第2ラック移送機構と、を備える。
【0008】
この態様においては、前記第1及び第2保持領域のそれぞれが、複数の検体ラックを保持可能に構成されていることが好ましい。
【0009】
また、上記態様においては、前記第1搬送路が、複数の検体ラックを載置可能に構成されていることが好ましい。
【0010】
また、上記態様においては、前記第1ラック移送機構が、前記第2搬送路上の検体ラックを前記第1保持領域へ送出する送出部と、前記第1保持領域に保持された検体ラックを前記第1搬送路へ送り込む送り込み部とを具備することが好ましい。
【0011】
また、上記態様においては、前記第1搬送路と前記第2搬送路とが互いに並行に設けられており、前記第1ラック移送機構が、前記第1搬送路による検体ラックの搬送方向と直交する方向に検体ラックを移送するように構成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記態様においては、前記第1ラック移送機構が、前記第2搬送路の上面から前記第1保持領域を介して前記第1搬送路の上面に至る実質的に均一な高さに形成された平面上において、検体ラックをスライドさせるように構成されていることが好ましい。
【0013】
また、上記態様においては、前記第1ラック移送機構が、前記第2搬送路側から前記第1搬送路に向かって検体ラックを押動することにより検体ラックをスライドさせるように構成されていることが好ましい。
【0014】
また、上記態様においては、前記第2ラック移送機構が、前記第1搬送路上の検体ラックを前記第2保持領域へ送出する第2送出部と、前記第2保持領域に保持された検体ラックを前記第2搬送路又は前記第3搬送路へ送り込む第2送り込み部とを具備することが好ましい。
【0015】
また、上記態様においては、前記第1搬送路、前記第2搬送路及び前記第3搬送路が、互いに並行に設けられており、前記第2ラック移送機構が、前記第1搬送路による検体ラックの搬送方向と直交する方向に検体ラックを移送するように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、上記態様においては、前記第2ラック移送機構が、前記第1搬送路の上面から前記第2保持領域を介して前記第2搬送路の上面及び前記第3搬送路の上面に至る実質的に均一な高さに形成された平面上において、検体ラックをスライドさせるように構成されていることが好ましい。
【0017】
また、上記態様においては、前前記第2ラック移送機構が、前記第1搬送路側から前記第2搬送路及び前記第3搬送路に向かって検体ラックを押動することにより検体ラックをスライドさせるように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るラック搬送装置によれば、搬送路を用いて円滑に検体ラックを搬送することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る検体処理装置の全体構成を示す概略平面図。
【図2】検体容器の外観を示す斜視図。
【図3】検体ラックの外観を示す斜視図。
【図4】実施の形態に係る血液分析装置用の検体搬送ユニットの構成を示す平面図。
【図5】実施の形態に係る塗抹標本作製装置用の検体搬送ユニットの構成を示す平面図。
【図6】実施の形態に係る血液分析装置が備える測定ユニットの構成を示すブロック図。
【図7】実施の形態に係る血液分析装置が備える情報処理ユニットの構成を示すブロック図。
【図8】実施の形態に係る塗抹標本作製装置の概略構成を示すブロック図。
【図9】実施の形態に係るシステム制御装置の構成を示すブロック図。
【図10】実施の形態に係る血液分析装置用の検体搬送ユニットの第1搬送動作の流れを示すフローチャート。
【図11】実施の形態に係る血液分析装置による測定ラインへの検体ラック送り込み動作の流れを示すフローチャート。
【図12】実施の形態に係る血液分析装置による測定ラインからの検体ラック搬出動作の流れを示すフローチャート。
【図13】実施の形態に係る血液分析装置用の検体搬送ユニットの第2搬送動作の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0021】
[検体処理装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る搬送装置を備えた検体処理装置の全体構成を示す概略平面図である。図1に示すように、検体処理装置1は、検体投入回収装置2と、検体搬送装置3と、血球分析装置5と、塗抹標本作製装置6と、システム制御装置8とを備えている。また、本実施の形態に係る検体処理装置1は、通信ネットワークを介して検査情報管理装置9と通信可能に接続されている。
【0022】
検体搬送装置3は、検体搬送ユニット3a,3b,3c及び4を有し、これらの検体搬送ユニット3a,3b,3c及び4は図中横方向に延びるように互いに直列的に接続されている。血液分析装置5は、3つの測定ユニット51,52,53と情報処理ユニット54を具備しており、検体搬送ユニット3aの後方には測定ユニット51が、検体搬送ユニット3bの後方には測定ユニット52が、検体搬送ユニット3cの後方には測定ユニット53が配置されている。また、検体搬送ユニット4の後方には塗抹標本作製装置6が配置されている。
【0023】
検体搬送ユニット3a,3b,3c及び4のそれぞれには、測定ユニット51,52,53及び塗抹標本作製装置6へ検体を供給するために検体ラックLを搬送する測定ライン3aM,3bM,3cM,及び処理ライン4M(第1搬送路)が左右方向に延設されている。また、検体搬送装置3は、検体搬送ユニット3a,3b,3c及び4のそれぞれにおいて横方向に直線的に設けられ、複数の検体を保持した検体ラックを図中左方向へ搬送する搬送ライン3aF,3bF,3cF,及び4F(第2搬送路)と、搬送ライン3aF,3bF,3cF,及び4Fに並行に設けられ、検体ラックを図中右方向へ搬送する帰還ライン3aR,3bR,3cR,及び4R(第3搬送路)とを具備している。搬送ライン3aF,3bF,3cF,及び4Fと各測定ライン3aM,3bM,3cM,及び処理ライン4Mとの間には、搬送ラインから測定ライン(処理ライン)の起点へ検体ラックを移送するための移送路であって、また検体ラックを保持する領域である分析前ラック保持部33,43(第1保持領域)と、測定ライン(処理ライン)の終点から搬送ライン又は帰還ラインへ検体ラックを移送するための移送路であって、また検体ラックを保持する領域である分析後ラック保持部34,44(第2保持領域)が設けられている。
【0024】
検体ラックを投入可能な検体投入回収装置2は、検体搬送装置3の右端に接続されており、当該検体投入回収装置2から搬出された検体ラックは検体搬送装置3の搬送ライン3aF,3bF,3cF,又は4Fにより搬送される。検体ラックは搬送ライン3aF,3bF,3cF,又は4Fから搬送先の測定ユニット51,52,53又は塗抹標本作製装置6に対応する検体搬送ユニット3a,3b,3c又は4における分析前ラック保持部33又は処理前ラック保持部43を経由して測定ライン3aM,3bM,3cM,又は処理ライン4Mに移送され、測定ライン又は処理ライン上を搬送されて、搬送先である測定ユニット51,52,53又は塗抹標本作製装置6へ供給される。検体が測定ユニット51,52,53又は塗抹標本作製装置6に供給された後、検体ラックLは測定ライン3aM,3bM,3cM,又は処理ライン4Mから分析後ラック保持部34又は処理後ラック保持部44を経由して帰還ライン3aR,3bR,3cR,又は4Rへ移送され、帰還ラインにより右方向へ搬送されて、検体投入回収装置2に回収される。以下、かかる検体処理装置1の構成について詳細に説明する。
【0025】
図2は、検体容器の外観を示す斜視図であり、図3は、検体ラックの外観を示す斜視図である。図2に示すように、検体容器Tは、管状をなしており、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tは、透光性を有するガラス又は合成樹脂により構成されており、内部の血液検体が視認可能となっている。また、検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。このバーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコード(検体バーコード)が印刷されている。検体ラックLは、10本の検体容器Tを並べて保持することが可能である。検体ラックLでは、各検体容器Tが垂直状態(立位状態)で保持される。また、検体ラックLの側面には、バーコードラベルBL2が貼付されている。このバーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコード(ラックバーコード)が印刷されている。
【0026】
<検体投入回収装置2の構成>
図1に示すように、検体投入回収装置2は、検体投入ユニット21と、前処理ユニット22と、検体回収ユニット23を備えている。当該検体投入回収装置2は、複数の検体容器が収納された検体ラックを載置することができる。
【0027】
検体投入ユニット21は、ユーザによって投入された検体ラックLを載置可能に構成されている。また、検体投入ユニット21は、ユーザに投入された検体ラックLを検体投入ユニット21の最も奥側(Y1方向)へ移送し、検体投入ユニット21の左側(前処理ユニット22側)に検体ラックLを送出することが可能に構成されている。
【0028】
前処理ユニット22は、検体投入ユニット21の左側に接続されており、検体投入ユニット21から送出された検体ラックLを受け入れることが可能に構成されている。前処理ユニット22はバーコード読取部22bを備えており、バーコード読取部22bは、検体ラックLに収容されている検体容器TのバーコードラベルBL1から検体IDを読み出すことが可能であるとともに、検体ラックLのラックバーコードラベルBL2からラックIDを読み出すことが可能である。また、前処理ユニット22は、バーコード読取部22bによってバーコードの読み出し動作が行われた検体ラックLを前処理ユニット22の前方(Y2方向)へ移送した後、前処理ユニット22の左側(検体搬送ユニット3a側)に検体ラックLを送出することが可能に構成されている。前処理ユニット22から検体搬送ユニット3aへのラック送出位置の近傍には、検体ラックLのラックバーコード読み取り専用のバーコードリーダ222aが設けられている。前処理ユニット22から送出された検体ラックLは検体搬送装置3の搬送ライン3aFに導入される。かかる構成の前処理ユニット22は、CPU及びメモリ等からなる制御部22aを備えている。この制御部22aにより前処理ユニット22の機構が制御される。
【0029】
検体回収ユニット23は、検体投入ユニット21の右側に設けられており、検体投入ユニット21と同様の構成とされている。また、検体回収ユニット23は、帰還ライン3aR、回収ライン223,217,237によって搬入された検体ラックLを回収するように構成されている。
【0030】
<検体搬送装置3の構成>
次に、検体搬送装置3の構成について説明する。図1に示すように、検体処理装置1は、4つの検体搬送ユニット3a,3b,3c及び4からなる検体搬送装置3を備えている。血球分析装置5の3つの測定ユニット51,52,53の前方には、各別に検体搬送ユニット3a,3b,3cが配置されている。検体搬送ユニット3a,3b,3cのうちの隣り合う2つは互いに接続されており、検体ラックLを受渡しすることが可能である。また、最も右側の検体搬送ユニット3aは、上述した検体投入回収装置2に接続されており、検体投入回収装置2から搬出された検体ラックLを導入し、また検体投入回収装置2へ検体ラックLを送出することが可能となっている。
【0031】
図4は、検体搬送ユニット3aの構成を示す平面図である。ここでは、測定ユニット51の前側に配置されている検体搬送ユニット3aについて説明するが、測定ユニット52,53の前側に配置されている検体搬送ユニット3b,3cも同様の構成となっている。図4に示すように、検体搬送ユニット3aは、検体を搬送する搬送機構31と、搬送機構31を制御する制御部32とを備えている。搬送機構31は、分析前ラック保持部33と、分析後ラック保持部34と、検体を測定ユニット51に供給するために、検体ラックLを図中矢印X方向へ水平に直線移動させ、分析前ラック保持部33から受け取った検体ラックLを分析後ラック保持部34へ搬送する測定ライン3aM(第1搬送路)と、搬送上流側の装置(検体投入回収装置2)から検体ラックLを搬入し、この検体ラックLに収容された検体を測定ユニット51に供給せずに、搬送下流側の装置(検体搬送ユニット3b)へと検体ラックLを搬出する搬送ライン3aF(第2搬送路)と、搬送下流側の装置(検体搬送ユニット3b)から検体ラックLを搬入し、この検体ラックLに収容された検体を測定ユニット51に供給せずに、搬送上流側の装置(検体投入回収装置2)へと検体ラックLを搬出する帰還ライン3aR(第3搬送路)とを備えている。
【0032】
搬送ライン3aFは、環状のベルト321a及びステッピングモータ321bを有しており、ステッピングモータ321bの駆動力によってベルト321aを矢印X1方向へ回転させるように構成されている。これにより、ベルト321aの上に載置された検体ラックLをX1方向へ移動可能である。検体搬送ユニット3a,3b,3cのそれぞれの搬送ライン3aF,3bF,3cF及び後述する検体搬送ユニット4の搬送ライン4Fによって検体ラックLが搬送可能とされる。
【0033】
搬送ライン3aFから所定距離隔てた前方には、搬送ライン3aFと平行な帰還ライン3aRが設けられている。帰還ライン3aRは、環状のベルト331a及びステッピングモータ331bを有しており、ステッピングモータ331bの駆動力によってベルト331aを矢印X2方向へ回転させるように構成されている。これにより、ベルト331aの上に載置された検体ラックLをX2方向へ移動可能である。検体搬送ユニット3a,3b,3cのそれぞれの帰還ライン3aR,3bR,3cR及び後述する検体搬送ユニット4の帰還ライン4Rによって検体ラックLが搬送可能とされる。
【0034】
また、分析前ラック保持部33の前側には、搬送ライン3aF及び帰還ライン3aRに挟まれて分析前ラック保持部33に対向するようにラック送出部322が配置されている。かかるラック送出部322は、ステッピングモータ322aの駆動力により矢印Y1方向(後方)に水平に直線移動するように構成されている。これにより、搬送方向上流側の装置から搬送ライン3aFによって検体ラックLが搬入され、分析前ラック保持部33とラック送出部322との間の搬送ライン3aF上の位置323(以下、「分析前ラック送出位置」という。)に検体ラックLが到達した場合に、ラック送出部322を分析前ラック保持部33側に移動することによって、検体ラックLを押動させて分析前ラック保持部33内に移動することが可能である。なお、検体搬送ユニット3aには、分析前ラック送出位置323に到達した検体ラックLを検出するラックセンサ373が設けられている。ラックセンサ373は発光部373aと受光部373bとを備えている。
【0035】
分析前ラック保持部33は、平面視において四角形をなしており、横方向の長さは検体ラックLの長さより若干大きくなっている。また、分析前ラック保持部33の幅(前後方向の長さ)は、検体ラックLの2つ分の幅よりも若干大きくなっている。この分析前ラック保持部33は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析前の検体ラックLが載置される。つまり、分析前ラック保持部33は2つの検体ラックLを同時に保持可能である。分析前ラック保持部33は、搬送ライン3aFに連なっており、ラック送出部322によって、搬送ライン3aFから検体ラックLが送り込まれるようになっている。この分析前ラック保持部33の近傍には、ラックセンサ371が取り付けられており、分析前ラック保持部33に配置された検体ラックLはラックセンサ371によって検出される。ラックセンサ371は、光学式センサであり、発光部371aと受光部371bとを備えている。発光部371aは、分析前ラック保持部33の側方に設けられており、受光部371bは、発光部371aから分析前ラック保持部33を斜め前方へ横切る直線上に設けられている。発光部371aは、斜め前方へ向けて光を発するように配置されており、受光部371bはこの光を受けるように配置されている。したがって、搬送ライン3aFから送り込まれた検体ラックLは、分析前ラック保持部33に位置し、発光部371aから発せられた光が当該検体ラックLによって遮られ、受光部371bの受光レベルが下がる。これにより、当該検体ラックLがラックセンサ371により検出される。また、分析前ラック保持部33の両側面からは、内側へ向けてラック送込部33bが突出している。ラックセンサ371により検体ラックLが検出されたときに、このラック送込部33bが後方(測定ライン3aMに近接する方向)へ移動することにより、ラック送込部33bが検体ラックLと係合し、検体ラックLが後方へと移送される。かかるラック送込部33bは、分析前ラック保持部33の下方に設けられたステッピングモータ33cによって駆動可能に構成されている。
【0036】
測定ライン3aMによる検体ラックLの搬送経路上には、検体容器センサ38によって検体容器が検出される検体容器検出位置35a、及び血球分析装置5の測定ユニット51へ検体を供給するための検体供給位置35cが存在する。測定ライン3aMは、検体容器検出位置35aを経由して、検体供給位置35cに検体が搬送されるように検体ラックLを搬送可能に構成されている。検体供給位置35cは、検体容器検出位置35aから検体1つ分だけ搬送方向下流側の位置であり、測定ライン3aMにより検体供給位置35cに検体が搬送された場合には、後述する血球分析装置5の測定ユニット51のハンド部が当該検体の検体容器Tを把持し、検体ラックLから検体容器Tを取り出し、検体容器Tから検体の吸引を行うことによって、検体が測定ユニット51に供給される。測定ライン3aMは、かかる検体供給位置35cに検体容器を搬送した後、検体の供給が完了し、当該検体容器Tが検体ラックLへ戻されるまでの間、検体ラックLの搬送を待機する。
【0037】
また、測定ライン3aMは、それぞれ独立して動作可能な第1ベルト351及び第2ベルト352、並びに、第1ベルト351を駆動するステッピングモータ351e及び第2ベルト352を駆動するステッピングモータ352eを有している。
【0038】
測定ライン3aMを挟んで後述する分析後ラック保持部34に対向するようにラック送出部39が配置されている。かかるラック送出部39は、ステッピングモータ39aの駆動力により矢印Y方向に水平に直線移動するように構成されている。これにより、分析後ラック保持部34とラック送出部39との間の位置391(以下、「分析後ラック送出位置」という。)に検体ラックLが搬送された場合に、ラック送出部39を分析後ラック保持部34側に移動することによって、検体ラックLを押動させて分析後ラック保持部34内に移動することが可能である。このようにして、分析が完了した検体ラックLが、測定ライン3aMから分析後ラック保持部34へ送出される。なお、検体搬送ユニット3aには、分析後ラック送出位置391に到達した検体ラックを検出するラックセンサ374が設けられている。ラックセンサ374は発光部374aと受光部374bとを備えている。
【0039】
分析後ラック保持部34は、平面視において四角形をなしており、その横方向の長さは検体ラックLの長さより若干大きくなっている。また、分析後ラック保持部34の幅(前後方向の長さ)は、検体ラックLの2つ分の幅よりも若干大きくなっている。この分析後ラック保持部34は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析が完了した検体ラックLが載置される。つまり、分析後ラック保持部34は2つの検体ラックLを同時に保持可能である。分析後ラック保持部34は、上記の測定ライン3aMに連なっており、上述したように、ラック送出部39によって、測定ライン3aMから検体ラックLが送り込まれるようになっている。この分析後ラック保持部34の近傍には、ラックセンサ372が取り付けられており、分析後ラック保持部34に配置された検体ラックLはラックセンサ372によって検出される。ラックセンサ372は、光学式センサであり、発光部372aと受光部372bとを備えている。発光部372aは、分析後ラック保持部34の側方に設けられており、受光部372bは、発光部372aから分析後ラック保持部34を斜め前方へ横切る直線上に設けられている。発光部372aは、斜め前方へ向けて光を発するように配置されており、受光部372bはこの光を受けるように配置されている。したがって、ラック送出部39から送り込まれた検体ラックLは、分析後ラック保持部34に位置し、発光部372aから発せられた光が当該検体ラックLによって遮られ、受光部372bの受光レベルが下がる。これにより、当該検体ラックLがラックセンサ372により検出される。分析後ラック保持部34の両側面からは、内側へ向けてラック送込部34bが突設されている。ラックセンサ372により検体ラックLが検出されたときに、このラック送込部34bが前方(搬送ライン3aF及び帰還ライン3aRに近接する方向)へ移動することにより、ラック送込部34bが検体ラックLと係合し、検体ラックLが前方へと移送される。かかるラック送込部34bは、分析後ラック保持部34の下方に設けられたステッピングモータ34cによって駆動可能に構成されている。また、分析後ラック保持部34は、搬送ライン3aF及び帰還ライン3aRと連なっており、ラック送込部34bは分析後ラック保持部34に配置された検体ラックLを搬送ライン3aF及び帰還ライン3aRの何れかへ移送することができる。
【0040】
上記のような構成の搬送機構31は、主として制御部32によって制御される。制御部32は、CPU、ROM、及びRAM等(図示せず)から構成されており、ROMに格納された搬送機構31の制御プログラムをCPUで実行することが可能である。また、かかる制御部32は、Ethernet(登録商標)インタフェースを備えており、LANを介して情報処理ユニット54及びシステム制御装置8にそれぞれ通信可能に接続されている。
【0041】
搬送機構31のうち、ラック送込部33b、測定ライン3aM及びラック送出部39は、血液分析装置5の情報処理ユニット54により制御される。搬送機構31のその他の部分は、制御部32により制御される。
【0042】
上記のような構成とすることにより、検体搬送ユニット3a(3b,3c)は、検体投入回収装置2から搬送された検体ラックLを、搬送ライン3aFにより分析前ラック送出位置323へ搬送し、ラック送出部322により分析前ラック保持部33へ移送し、この検体ラックLを分析前ラック保持部33から測定ライン3aMへと送出し、さらに測定ライン3aM上によって搬送することにより、検体を血球分析装置5の対応する測定ユニット51(52,53)へと供給することができる。また、吸引が完了した検体を収容する検体ラックLは、測定ライン3aMにより、分析後ラック送出位置391へと移送され、ラック送出部39により分析後ラック保持部34へ送出される。分析後ラック保持部34に保持された検体ラックLは、帰還ライン3aRへと移送され、帰還ライン3aRにより、前段(搬送方向上流側)の装置(検体投入回収装置2)へ搬出される。また、搬送下流側の測定ユニット52,53又は塗抹標本作製装置6にて処理する検体を収容する検体ラックLを前段の装置から検体搬送ユニット3が受け入れた場合は、搬送ライン3aFによってこの検体ラックLが矢印X1方向へと搬送され、後段の検体搬送ユニット3bへそのまま搬出される。検体投入回収装置2によって回収される検体ラックLを後段の検体搬送ユニット3bから検体搬送ユニット3aが受け入れた場合は、検体搬送ユニット3aの帰還ライン3aRによってこの検体ラックLが矢印X2方向へと搬送され、前段の検体投入回収装置2へそのまま搬出される。
【0043】
図1に示すように、塗抹標本作製装置6の前側には、検体搬送ユニット4が配置されている。この検体搬送ユニット4は、その右側端が、3つの検体搬送ユニット3a,3b,3cの内、最も搬送下流側(図中左側)に位置する検体搬送ユニット3cと接続されている。
【0044】
図5は、検体搬送ユニット4の構成を示す平面図である。検体搬送ユニット4は、検体を搬送する搬送機構41と、搬送機構41を制御する制御部42とを備えている。搬送機構41は、塗抹標本の作製が行われる前の検体を収容する検体容器Tを保持する検体ラックLを一時的に保持することが可能な処理前ラック保持部43と、塗抹標本作製装置6によって検体が吸引された検体容器Tを保持する検体ラックLを一時的に保持することが可能な処理後ラック保持部44と、検体を塗抹標本作製装置6に供給するために、検体ラックLをX1方向へ水平に直線移動させ、処理前ラック保持部43から受け取った検体ラックLを処理後ラック保持部44へ搬送する処理ライン4Mと、搬送上流側の検体搬送ユニット3cから検体ラックLを搬入し、当該検体ラックLをX1方向へ搬送する搬送ライン4Fと、検体の塗抹標本の作製が完了した検体ラックLを検体投入回収装置2に回収させるために、搬送上流側の検体搬送ユニット3cへと当該検体ラックLを搬出する帰還ライン4Rとを備えている。なお、検体搬送装置4は、構成部品の大きさ、形状及び位置が検体搬送ユニット3a,3b,3cと異なっているが、機能は同様であるので、その構成についての説明を省略する。
【0045】
検体搬送ユニット4は、上流側の検体搬送ユニット3cから搬出された検体ラックLを、搬送ライン4Fにより導入し、図示しないラック送出部により処理前ラック保持部43へ移送し、この検体ラックLを処理前ラック保持部43から処理ライン4Mへと送出し、さらに処理ライン4Mによって搬送することにより、検体を塗抹標本作製装置6へと供給することができる。また、吸引が完了した検体を収容する検体ラックLは、処理ライン4Mにより搬送され、図示しないラック送出部により処理後ラック保持部44へ送出される。処理後ラック保持部44に保持された検体ラックLは、帰還ライン4Rへと移送され、帰還ライン4Rにより、前段(搬送方向上流側)の検体搬送ユニット3cへ搬出される。
【0046】
<血球分析装置5の構成>
血球分析装置5は、光学式フローサイトメトリー方式の多項目血球分析装置であり、血液検体に含まれる血球に関して側方散乱光強度、蛍光強度等を取得し、これらに基づいて検体中に含まれる血球を分類し、且つ、種類毎に血球数を計数し、このように分類された血球が種類毎に色分けされたスキャッタグラムを作成し、これを表示する。かかる血球分析装置5は、血液検体を測定する測定ユニット51,52,53と、測定ユニット51,52,53から出力された測定データを処理し、血液検体の分析結果を表示する情報処理ユニット54とを備えている。
【0047】
血球分析装置5は、図1に示すように、3つの測定ユニット51,52,53と、1つの情報処理ユニット54とを備えている。情報処理ユニット54は、3つの測定ユニット51,52,53と通信可能に接続されており、これらの3つの測定ユニット51,52,53の動作をそれぞれ制御可能である。また、情報処理ユニット54は、3つの測定ユニット51,52,53の前側にそれぞれ配置された3つの検体搬送ユニット3a,3b,3cとも通信可能に接続されている。
【0048】
図6は、測定ユニット51の構成を示すブロック図である。図6に示すように、測定ユニット51は、検体である血液を検体容器(採血管)Tから吸引する検体吸引部511と、検体吸引部511により吸引した血液から測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部512と、試料調製部512により調製された測定試料から血球を検出する検出部513とを有している。また、測定ユニット51は、検体搬送ユニット3aの測定ライン3aMによって搬送された検体ラックLに収容された検体容器Tを測定ユニット51の内部に取り込むための取込口(図示せず)と、検体ラックLから検体容器Tを測定ユニット51の内部に取り込み、検体吸引部511による吸引位置まで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部515とをさらに有している。
【0049】
検出部513は、RBC(赤血球)検出及びPLT(血小板)検出をシースフローDC検出法により行うことが可能である。また、検出部513は、HGB(ヘモグロビン)検出をSLS−ヘモグロビン法により行うことが可能であり、WBC(白血球)の検出を、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うことが可能であるように構成されている。RBC、PLT、HGB、及びWBCは、測定項目CBC(complete blood count)が指定されたときに測定される。
【0050】
検体容器搬送部515は、検体容器Tを把持可能なハンド部515aを備えている。検体容器搬送部515は、ハンド部515aを上下方向及び前後方向(Y方向)に移動させることができ、検体ラックLに収容され、供給位置35cに位置した検体容器Tをハンド部515aにより抜き出し、抜き出した検体容器Tを検体容器セット部515bの穴部にセットする。かかる検体容器セット部515bは、吸引位置へ移動される。
【0051】
測定ユニット52及び53は、測定ユニット51と同様の構成であり、検体吸引部、試料調製部、検出部、及び検体容器搬送部を備えているが、測定ユニット52の検出部は測定ユニット51の検出部513と異なり、CBCだけでなく、白血球の5分類(測定項目DIFF)が可能である。さらに詳しくは、測定ユニット52の検出部は、WBC(白血球)、NEUT(好中球)、LYMPH(リンパ球)、EO(好酸球)、BASO(好塩基球)、及びMONO(単球)の検出を、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うことが可能であるように構成されている。
【0052】
測定ユニット53の検出部は、測定ユニット51及び52の検出部と異なり、CBC及びDIFFに加え、網状赤血球(RET)の測定が可能である。RETの測定は、RET測定用の試薬と検体とを混合して測定試料を調製し、検出部のWBC/DIFF(白血球5分類)検出用の光学検出部に前記測定試料を供給することで行われる。
【0053】
次に、情報処理ユニット54の構成について説明する。情報処理ユニット54は、コンピュータにより構成されている。図7は、情報処理ユニット54の構成を示すブロック図である。情報処理ユニット54は、コンピュータ54aによって実現される。図7に示すように、コンピュータ54aは、本体541と、画像表示部542と、入力部543とを備えている。本体541は、CPU541a、ROM541b、RAM541c、ハードディスク541d、読出装置541e、入出力インタフェース541f、通信インタフェース541g、及び画像出力インタフェース541hを備えており、CPU541a、ROM541b、RAM541c、ハードディスク541d、読出装置541e、入出力インタフェース541f、通信インタフェース541g、及び画像出力インタフェース541hは、バス541jによって接続されている。
【0054】
読出装置541eは、コンピュータを情報処理ユニット54として機能させるためのコンピュータプログラム544aを可搬型記録媒体544から読み出し、当該コンピュータプログラム544aをハードディスク541dにインストールすることが可能である。
【0055】
<塗抹標本作製装置6の構成>
塗抹標本作製装置6は、血液検体を吸引し、スライドガラス上に滴下して、その血液検体をスライドガラス上で薄く引き延ばし、乾燥させた上で、当該スライドガラスに染色液を供給してスライドガラス上の血液を染色することにより、塗抹標本を作製する。
【0056】
図8は、塗抹標本作製装置6の概略構成を示すブロック図である。図8に示すように、塗抹標本作製装置6は、検体分注部61と、塗抹部62と、スライドガラス搬送部63と、染色部64と、制御部65とを備えている。
【0057】
検体分注部61は、吸引管(図示せず)を備えており、この吸引管を検体搬送ユニット4の処理ライン4M上を搬送された検体ラックLの検体容器Tの蓋部CPに突き刺して、この検体容器Tから血液検体を吸引する。また、検体分注部61は、吸引した血液検体をスライドガラス上に滴下するように構成されている。塗抹部62は、スライドガラス上に滴下された血液検体を塗抹して乾燥させ、さらに、スライドガラスに印字するように構成されている。
【0058】
スライドガラス搬送部63は、塗抹部62によって血液検体が塗抹されたスライドガラスを図示しないカセットに収容させ、さらにそのカセットを搬送するために設けられている。染色部64は、スライドガラス搬送部63によって染色位置まで搬送されたカセット内のスライドガラスに対して、染色液を供給する。制御部65は、検体搬送装置3から与えられた標本作製指示にしたがって、検体分注部61、塗抹部62、スライドガラス搬送部63、及び染色部64を制御し、上記の塗抹標本作製動作を実行させる。
【0059】
<システム制御装置8の構成>
システム制御装置8は、コンピュータにより構成されており、検体処理装置1の全体を制御する。このシステム制御装置8は、検体投入回収装置2から検体ラックLの番号を受け付け、その検体ラックLの搬送先を決定し、搬送先を示す搬送指示データを検体搬送装置3へ送信する。
【0060】
図9は、本実施の形態に係るシステム制御装置8の構成を示すブロック図である。システム制御装置8は、コンピュータ8aによって実現される。図9に示すように、コンピュータ8aは、本体81と、画像表示部82と、入力部83とを備えている。本体81は、CPU81a、ROM81b、RAM81c、ハードディスク81d、読出装置81e、入出力インタフェース81f、通信インタフェース81g、及び画像出力インタフェース81hを備えており、CPU81a、ROM81b、RAM81c、ハードディスク81d、読出装置81e、入出力インタフェース81f、通信インタフェース81g、及び画像出力インタフェース81hは、バス81jによって接続されている。
【0061】
読出装置81eは、コンピュータをシステム制御装置8として機能させるためのシステム制御プログラム84aを可搬型記録媒体84から読み出し、当該システム制御プログラム84aをハードディスク81dにインストールすることが可能である。
【0062】
<検査情報管理装置9の構成>
検査情報管理装置9は、施設内における検査に関する情報を管理する装置、所謂LIS(Laboratory Information System)であり、血液分析装置5だけでなく、他の臨床検体検査装置にも接続されている。かかる検査情報管理装置9は、操作者から入力されたり、電子カルテシステム等の他の装置から送信された測定オーダを受け付け、測定オーダを記憶、管理する。さらに、検査情報管理装置9は、システム制御装置8からのオーダ要求を受け付け、要求された測定オーダをシステム制御装置8へ送信し、また、血液分析装置5から分析結果を受信し、この分析結果を記憶、管理する。
【0063】
検査情報管理装置9は、コンピュータにより構成されており、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、通信インタフェース等を備えている。通信インタフェースは、上述したLANに接続されており、システム制御装置8、及び血球分析装置5の情報処理ユニット54と通信することが可能である。また、ハードディスクには、測定オーダが格納されている。測定オーダには、検体ID及び実施対象の測定項目の情報が含まれている。検査情報管理装置9は、他の装置から検体IDを含む測定オーダの要求データを受信したときには、この検体IDに対応する測定データをハードディスクから読み出し、要求元の装置へ送信するように構成されている。その他、検査情報管理装置9の構成は、上述した他のコンピュータの構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0064】
次に、検体搬送装置3の検体搬送ユニット3a,3b,3cによる検体ラックの搬送動作の流れについて説明する。ここでは検体搬送ユニット3aによる検体ラックの搬送動作の流れについて説明するが、検体搬送ユニット3b,3cによる搬送動作についても同様である。検体搬送ユニット3aの搬送動作は、検体搬送ユニット3aの制御部32により制御される第1搬送動作及び第2搬送動作と、血液分析装置5の情報処理ユニット54により制御される、測定ラインへの検体ラック送り込み動作及び測定ラインからの検体ラック搬出動作との4つの搬送動作から成り立っている。
【0065】
<検体搬送ユニット3aの第1搬送動作>
図10は、検体搬送ユニット3aの第1搬送動作の流れを示すフローチャートである。検体搬送ユニット3aの制御部32は、前処理ユニット22から搬出された検体ラックLが分析前ラック送出位置323に到達したことがラックセンサ373により検出され(ステップS131)、その検体ラックLの搬送指示データ(検体ラックLの搬送先、ラックID,検体ラックLに保持されている全検体の保持位置、検体ID,測定オーダを含むデータ)をシステム制御装置8から受信すると(ステップS132)、ステップS133の処理を実行する。
【0066】
ステップS133において、制御部32は、搬送指示データに基づき、当該検体ラックLの搬送先が測定ユニット51であるか否かを判定する。なお、搬送方向上流側から2番目の検体搬送装置3bの場合は、検体搬送装置3bの制御部32は、搬送先が測定ユニット52であるか否かを判定する。搬送先が測定ユニット51である場合には(ステップS133においてYES)、制御部32は、搬送機構31を駆動制御し、搬送ライン3aFによって検体ラックLを搬入し、ラック送出部322を前側に移動させて分析前ラック送出位置323に位置した検体ラックLを分析前ラック保持部33に移動させる(ステップS134)。その後、処理を終了する。
【0067】
一方、ステップS133において、搬送先が測定ユニット51でない場合には(ステップS133においてNO)、制御部32は、搬送機構31を駆動制御し、搬送ライン3aFによって検体ラックLを搬入し、そのまま後段の検体搬送ユニット3bへ検体ラックLを搬出し(ステップS135)、処理を終了する。
【0068】
<血液分析装置5による測定ラインへの検体ラック送り込み動作>
図11は、血液分析装置5による測定ラインへの検体ラック送り込み動作の流れを示すフローチャートである。血液分析装置5の情報処理ユニット54のCPU541aは、検体搬送ユニット3aに設けられているラックセンサ371により分析前ラック保持部33において検体ラックLを検出すると(ステップS151)、ステップS152の処理を実行する。
【0069】
ステップS152において、CPU541aは、検体搬送ユニット3aにおける測定ライン3aMに検体ラックLを移送可能か否かを判定する(ステップS152)。測定ライン3aMでは、最大2つの検体ラックLを搬送可能である。検体ラックLに保持された検体は、搬送方向下流側(左側)のものから搬送方向上流側(右側)に向けて順番に処理(測定)される。検体搬送ユニット3aは、先に測定ライン3aMに移送された検体ラックLのうち、最も搬送方向下流側の保持位置から6番目の保持位置(保持位置1〜6)までの検体を測定している最中は後続の検体ラックLを測定ライン3aMに移送することはできないが、搬送方向下流側から7番目〜10番目の保持位置(保持位置7〜10)に保持されている検体が測定されているときには、後続の検体ラックLを測定ライン3aMに移送することができる。したがって、ステップS152の処理では、CPU541aは、その時点において測定している検体が保持位置7〜10のものであるか否かを判定することにより、測定ライン3aMに検体ラックLを搬送可能か否かを判定する。なお、ステップS152の処理では、測定ライン3aMに検体ラックLが載置されているか否かについても判断し、測定ライン3aMに検体ラックLが載置されていない場合には、測定ライン3aMに検体ラックLを搬送可能と判定する。
【0070】
測定ライン3aMに検体ラックLを移送不可能な場合には(ステップS152においてNO)、CPU541aはステップS152の判定処理を測定ライン3aMに検体ラックLを移送可能になるまで繰り返し、測定ライン3aMへの検体ラックLの移送を待機する。測定ライン3aMに検体ラックLを移送可能な場合には(ステップS152においてYES)、CPU541aは、ラック送込部33bを後方へ移動させ、検体ラックLを測定ライン3aMに移送する(ステップS153)。その後、CPU541aは処理を終了する。
【0071】
<血液分析装置5による測定ラインからの検体ラック搬出動作>
図12は、血液分析装置5による測定ラインからの検体ラック搬出動作の流れを示すフローチャートである。CPU541aは、ステップS161において、検体ラックLに保持されている全ての検体容器Tの取り込みが完了したか否かを判断する。全ての検体容器Tの取り込みが完了している場合には(ステップS161においてYES)、CPU541aは、測定ライン3aMを駆動制御し、検体ラックLを分析後ラック送出位置391に至るまで搬送する。全ての検体容器Tの取り込みが完了していない場合には、次の検体容器Tが検体供給位置35cに位置するよう検体ラックLを搬送し(ステップS162)、処理をステップS161へと戻す。次に、CPU541aは、分析後ラック送出位置391に検体ラックが到達したことをラックセンサ374により検出すると(ステップS163でYES)、さらにラック送出部39を駆動制御し、検体ラックLを分析後ラック保持部34へ搬出し(ステップS164)、処理を終了する。
【0072】
<検体搬送ユニット3aの第2搬送動作>
図13は、検体搬送ユニット3aの制御部32による第2搬送動作の流れを示すフローチャートである。上述したように、検体ラックLが検体搬送ユニット3aのラック送出部39によって分析後ラック保持部34に移送されると、制御部32は、ラックセンサ372によって当該検体ラックLを検出する(ステップS211)。また、検体ラックLが検体搬送ユニット3aのラック送出部39によって分析後ラック保持部34に移送された後、制御部32がシステム制御装置8から上記検体ラックLの搬送指示データ(上記検体ラックLの搬送先を示すデータ)を受信する(ステップS212)。次に、制御部32は、当該搬送指示データにおいて示される搬送先が後段の測定ユニット又は塗抹標本作製装置6であるか否かを判定する(ステップS213)。搬送指示データにおいて示される搬送先が後段の測定ユニット又は塗抹標本作製装置6である場合には(ステップS213においてYES)、制御部32は、搬送ライン3aFに検体ラックLを移送可能であるか否かを判断する(ステップS214)。搬送ライン3aFに検体ラックLを移送可能である場合には、制御部32は、搬送機構31を駆動制御し、ラック送込部34bによって検体ラックLを搬送ライン3aFへ移送し、その後搬送ライン3aFによって検体ラックLを搬送方向下流側へ搬出し(ステップS215)、処理を終了する。一方、上記搬送指示データにおいて示される搬送先が後段の測定ユニット又は塗抹標本作製装置6でない場合には(ステップS213においてNO)、制御部32は、帰還ライン3aRに検体ラックLを移送可能であるか否かを判断する(ステップS216)。帰還ライン3aRに検体ラックLを移送可能である場合には、制御部32は、搬送機構31を駆動制御し、ラック送込部34bによって検体ラックLを帰還ライン3aRへ移送し、その後帰還ライン3aRによって検体ラックLを搬送方向上流側へ搬出し(ステップS217)、処理を終了する。
【0073】
搬送方向最上流側以外の検体搬送ユニット3b,3c又は4の帰還ライン3bR,3cR又は4Rからこれより搬送方向上流側の検体搬送ユニット3a,3b,又は3cへ検体ラックLが搬出された場合には、検体ラックLを搬入した検体搬送ユニット3a,3b,又は3cの制御部32が帰還ライン3aRを駆動して検体ラックLを搬送方向上流側(X2方向)へ搬送し、さらに上流側の装置(検体搬送装置3a,3b又は前処理ユニット22)へ検体ラックLを搬出する。
【0074】
検体搬送ユニット3aの帰還ライン3aRから前処理ユニット22に搬入された検体ラックLは、回収ライン223,217,237を経由して検体回収ユニット23へ回収される。
【0075】
上述のように、検体搬送ユニット3aは、検体ラックLを保持可能な分析前ラック保持部33を経由して、搬送ライン3aFから測定ライン3aMへ検体ラックLを移送するように構成されている。そのため、先行して投入された検体ラックLの保持位置1〜6において保持された検体が測定ユニット51により測定されている最中には、分析前ラック保持部33に後続の検体ラックLを待機させておくことができる。したがって、後続の検体ラックLを搬送ライン3aFにおいて待機させる必要がなく、搬送ライン3aFにおける検体ラックLの滞留を抑制することができ、新たな後続の検体ラックLを搬送ライン3aFにより搬送することが可能となる。そのため、搬送ライン3aFを用いて、後続の検体ラックLを従来に比して円滑に下流側の測定ユニット52,53又は塗抹標本作成装置6へ搬送することができる。また、上述のように、検体搬送ユニット3aは、検体ラックLを保持可能な分析後ラック保持部34を経由して、測定ライン3aMから搬送ライン3aF及び帰還ライン3aRへ検体ラックLを移送するように構成されている。そのため、全ての検体容器Tの取り込みが完了した検体ラックLを測定ライン3aMから分析後ラック保持部34に一旦搬出し、その検体ラックLを搬送ライン3aFに搬出する必要がある場合には、搬送ライン3aFに検体ラックLが移送可能な状態になるまで検体ラックLを分析後ラック保持部34に待機させておくことができ、検体ラックLを帰還ライン3aRに搬出する必要がある場合には、帰還ライン3aRに検体ラックLが移送可能な状態になるまで検体ラックLを分析後ラック保持部34に待機させておくことができる。したがって、検体ラックLを測定ライン3aM上に待機させておく必要がなく、測定ライン3aMにおける検体ラックLの滞留を抑制することが可能となる。これにより、測定ライン3aMを用いて検体ラックLを円滑に搬送することができる。
【0076】
また、搬送ライン3aFの分析前ラック送出位置にある検体ラックLを分析前ラック保持部33へ送出するラック送出部322と、分析前ラック保持部33に保持されている検体ラックLを測定ライン3aMへ送り込むラック送込部33bとを別々に設けたため、ラック送込部33bが分析前ラック保持部33に保持されている検体ラックLを測定ライン3aMへ送り込んでいる間に、ラック送出部322により分析前ラック送出位置にある検体ラックLを分析前ラック保持部33へ送出することが可能であり、搬送ライン3aFにおける検体ラックLの滞留をより一層抑制することができる。
【0077】
また、分析前ラック保持部33に複数(本実施の形態においては2つ)の検体ラックLを同時に保持することができるため、分析前ラック保持部33において同時に複数(本実施の形態においては2つまで)の検体ラックLを待機させておくことができ、より一層搬送ライン3aFにおける検体ラックLの滞留をより一層抑制することができる。
【0078】
また、保持する検体の測定が完了し、分析後ラック保持部34に保持されている検体ラックLを、後段の検体搬送ユニット3b,3c,又は4へ搬出することなく、帰還ライン3aRにより検体投入回収装置2へ即座に搬送するため、搬送ライン3bF,3cF及び4Fにおいて搬送する検体ラックLを少なくすることができ、より一層搬送ライン3aF,3bF,3cF及び4Fにおける検体ラックLの滞留を抑制することができる。
【0079】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、測定ライン3aM,3bM,3cMの検体供給位置35cにある検体容器Tを測定ユニット51,52,53内に取り込み、かかる検体容器Tから検体が吸引される構成について述べたが、測定ライン3aM,3bM,3cMにある検体ラックLだけでなく、搬送ライン3aF,3bF,3cFにある検体ラックLに保持されている検体容器Tから測定ユニット51,52,53が検体を吸引可能な構成としてもよい。
【0080】
また、測定ユニット51,52,53が、測定ライン3aM,3bM,3cM上の検体ラックLに保持されたままの検体容器Tから直接検体を吸引する構成としてもよい。
【0081】
また、上述した実施の形態においては、検体搬送装置3がそれぞれ独立した検体搬送ユニット3a,3b,3c,4によって構成されているものについて説明したが、これに限定されるものではない。一体不可分な構成の検体搬送装置が測定ユニット51,52,53及び塗抹標本作製装置6の前側に配置され、これによって各測定ユニット51,52,53及び塗抹標本作製装置6へ検体ラックLが搬送される構成としてもよい。この場合、1つの搬送ラインと1つの測定ラインとが並行に設けられ、搬送ラインから移送された検体ラックLを保持する分析前(処理前)ラック保持部が各測定ユニット51,52,53及び塗抹標本作製装置6のそれぞれに対応して複数(4つ)設けられる。
【0082】
また、上述した実施の形態においては、検体処理装置1が、検体に含まれる血球を分類し、また血球種毎に血球を計数する血球分析装置5を備える構成について述べたが、これに限定されるものではない。検体処理装置が、免疫分析装置、血液凝固測定装置、生化学分析装置、尿分析装置等の血球分析装置以外の検体分析装置を備え、かかる検体分析装置の測定ユニットへ血液検体又は尿検体を搬送する構成としてもよい。
【0083】
また、上述した実施の形態においては、血液分析装置5が3つの測定ユニット51,52,53及び情報処理ユニット54を備えた構成について述べたが、これに限定されるものではない。測定ユニットは1つでも複数でもよく、測定ユニットと情報処理ユニットとが一体的に構成されていてもよい。また、情報処理ユニット54によって測定ユニット51,52,53の機構の制御を行うのではなく、それぞれの測定ユニットがCPU及びメモリ等からなる制御部を備え、これらの制御部によって各測定ユニットの制御が行われ、それぞれの測定ユニットによって得られた測定データを情報処理ユニットが処理して検体の分析結果を生成する構成であってもよい。
【0084】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ8a,80aによりコンピュータプログラム84a,840aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述したコンピュータプログラム84a,840aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明のラック搬送装置は、検体を保持した検体ラックを搬送するラック搬送装置として有用である。
【符号の説明】
【0086】
1 検体処理装置
2 検体投入回収装置
21 検体投入ユニット
22 前処理ユニット
23,24,25 検体回収ユニット
22a,24a,25a 制御部
216,236,246,256 第1搬送ライン
217,223,237 回収ライン
22b バーコード読取部
222a バーコードリーダ
3 検体搬送装置
3a,3b,3c,4 検体搬送ユニット
3aF,3bF,3cF,4F 搬送ライン
3aR,3bR,3cR,4R 帰還ライン
3aM,3bM,3cM,4M 測定ライン
31 搬送機構
32 制御部
33 分析前ラック保持部
34 分析後ラック保持部
35c 検体供給位置
5 血液分析装置
51,52,53 測定ユニット
511 検体吸引部
512 試料調製部
513 検出部
54 情報処理ユニット
541a CPU
541c RAM
541d ハードディスク
544a コンピュータプログラム
544 記録媒体
6 塗抹標本作製装置
8 システム制御装置
81a CPU
81c RAM
81d ハードディスク
84 記録媒体
84a システム制御プログラム
9 検査情報管理装置
L 検体ラック
T 検体容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を処理する検体処理部に検体ラックを搬送するラック搬送装置であって、
検体を保持する検体ラックを前記検体処理部に搬送する第1搬送路と、
前記検体処理部を経由せずに、前記第1搬送路の搬送方向と同じ方向に検体ラックを搬送する第2搬送路と、
前記第1搬送路及び前記第2搬送路の搬送方向とは反対の方向に検体ラックを搬送する第3搬送路と、
前記第2搬送路から、検体ラックを保持可能な第1保持領域を経由して、前記第1搬送路に検体ラックを移送する第1ラック移送機構と、
前記第1搬送路から、検体ラックを保持可能な第2保持領域を経由して、前記第2搬送路又は前記第3搬送路に検体ラックを移送する第2ラック移送機構と、
を備えるラック搬送装置。
【請求項2】
前記第1及び第2保持領域のそれぞれは、複数の検体ラックを保持可能に構成されている、請求項1に記載のラック搬送装置。
【請求項3】
前記第1搬送路は、複数の検体ラックを載置可能に構成されている、請求項1又は2に記載のラック搬送装置。
【請求項4】
前記第1ラック移送機構は、
前記第2搬送路上の検体ラックを前記第1保持領域へ送出する送出部と、
前記第1保持領域に保持された検体ラックを前記第1搬送路へ送り込む送り込み部とを具備する、請求項1乃至3の何れかに記載のラック搬送装置。
【請求項5】
前記第1搬送路と前記第2搬送路とは互いに並行に設けられており、
前記第1ラック移送機構は、前記第1搬送路による検体ラックの搬送方向と直交する方向に検体ラックを移送するように構成されている、請求項1乃至4の何れかに記載のラック搬送装置。
【請求項6】
前記第1ラック移送機構は、前記第2搬送路の上面から前記第1保持領域を介して前記第1搬送路の上面に至る実質的に均一な高さに形成された平面上において、検体ラックをスライドさせるように構成されている、請求項5に記載のラック搬送装置。
【請求項7】
前記第1ラック移送機構は、前記第2搬送路側から前記第1搬送路に向かって検体ラックを押動することにより検体ラックをスライドさせるように構成されている、請求項6に記載のラック搬送装置。
【請求項8】
前記第2ラック移送機構は、
前記第1搬送路上の検体ラックを前記第2保持領域へ送出する第2送出部と、
前記第2保持領域に保持された検体ラックを前記第2搬送路又は前記第3搬送路へ送り込む第2送り込み部とを具備する、請求項1乃至7の何れかに記載のラック搬送装置。
【請求項9】
前記第1搬送路、前記第2搬送路及び前記第3搬送路は、互いに並行に設けられており、
前記第2ラック移送機構は、前記第1搬送路による検体ラックの搬送方向と直交する方向に検体ラックを移送するように構成されている、請求項1乃至8の何れかに記載のラック搬送装置。
【請求項10】
前記第2ラック移送機構は、前記第1搬送路の上面から前記第2保持領域を介して前記第2搬送路の上面及び前記第3搬送路の上面に至る実質的に均一な高さに形成された平面上において、検体ラックをスライドさせるように構成されている、請求項9に記載のラック搬送装置。
【請求項11】
前記第2ラック移送機構は、前記第1搬送路側から前記第2搬送路及び前記第3搬送路に向かって検体ラックを押動することにより検体ラックをスライドさせるように構成されている、請求項10に記載のラック搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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