説明

ラベルプリンタ及びその制御方法、並びに、コード読取検査システム

【課題】ラベルにバーコード等のコードが正しく印字されているかどうかをチェックでき、かつ、正確に読み取ることのできるコードを付した製品だけを市場に流通させるのに好適なラベルプリンタ及びその制御方法並びにコード読取検査システムを提供する。
【解決手段】ラベルプリンタ2において、ホストコンピュータ3から送信されたバーコードのデータD1をマイコンボード7が受信し、受信したバーコードのデータD1に基づきプリントエンジン8がラベルにバーコードを印字し、そのバーコード印字済みラベルをラベル貼付装置9が搬送装置6上の製品に貼付する。その後、バーコードリーダ10が、その搬送装置6上の製品5に貼付されているバーコード印字済みラベルからバーコードのデータD2を読み取り、この読み取ったバーコードのデータD2と上記ホストコンピュータ3から送信されたバーコードのデータD1とがマイコンボード7において照合されるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード等のコードをラベルに印字するラベルプリンタと、その制御方法、並びにコード読取検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のラベルプリンタとしては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。同文献のラベルプリンタにおいては、ラベル紙(1)の台紙(2)上に貼付さているラベル(3)に対してサーマルヘッド(6)でバーコードを印字し、次に、そのサーマルヘッド(6)とプラテン(4)とによる印字位置の下流側に設けられているスキャナー(21)で、ラベル(3)に印字されたバーコードを読み取り、バーコードが正しく印字されているかどうかを検証し、その検証の結果、良品と判定されたラベル(3)のみを発行し、不良品と判断されたラベル(3)は発行せずに台紙(2)と共に台紙引込部(9)に送られる構成となっている(同文献1の第3頁左欄31行〜41行と図1を参照。上記カッコ内の符号は同文献1のものを引用。以下同様)。
【0003】
しかし、上記のような従来のラベルプリンタによると、ラベル紙(1)の台紙(2)上にラベル(3)が貼付されている段階で、そのラベル(3)に印字されているバーコードの検証を行なう構成、すなわちラベル(3)を製品に貼付る前に検証を行う構成を採っている。このため、良品と判定されたラベルを台紙から剥がして製品に貼り付けたとしても、その良品ラベルの貼り付け状態が悪い場合、例えば、ラベル(3)に皺や気泡が混入して貼付られた場合等、ラベル(3)からバーコードを正確に読み取ることができないという事態が発生しても、これを事前にチェックして排除することはできず、正確に読み取ることのできないバーコードを付した製品が市場に流通し、市場の混乱を招くおそれがある等の問題点を有している。
【0004】
【特許文献1】特許第2633726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ラベルにバーコード等のコードが正しく印字されているかどうかをチェックでき、かつ、正確に読み取ることのできるコードのみを付した製品だけを市場に流通させるのに好適な、ラベルプリンタと、その制御方法、並びにコード読取検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のラベルプリンタは、ホストコンピュータから送信されたコードのデータを受信する受信手段と、上記受信手段で受信したコードのデータを記憶する記憶手段と、上記受信手段で受信したコードのデータに基づきラベルにコードを印字する印字手段と、上記コード印字済みラベルを搬送装置上の製品に貼付する貼付手段と、上記貼付手段が上記搬送装置上の製品にコード印字済みラベルを貼付した後に、その製品に貼付されているコード印字済みラベルからコードを読み取るコードリーダと、上記コードリーダで読み取ったコードのデータと上記記憶手段に記憶されているコードのデータとを照合する照合手段とを有することを特徴とする。
【0007】
上記「コード」には、バーコード、2次元コードその他これらと同様に機能するコードが含まれる。また、上記「コードリーダ」とは当該コードに応じて適宜採択されるものとする。例えば、バーコードの場合はバーコードリーダ、2次元コードの場合は2次元コードリーダが採択される。
【0008】
本発明のラベルプリンタは、ホストコンピュータから送信されたバーコードのデータを受信する受信手段と、上記受信手段で受信したバーコードのデータを記憶する記憶手段と、上記受信手段で受信したバーコードのデータに基づきラベルにバーコードを印字する印字手段と、上記バーコード印字済みラベルを搬送装置上の製品に貼付する貼付手段と、上記貼付手段が上記搬送装置上の製品にバーコード印字済みラベルを貼付した後に、その製品に貼付されているバーコード印字済みラベルからバーコードを読み取るバーコードリーダと、上記バーコードリーダで読み取ったバーコードのデータと上記記憶手段に記憶されているバーコードのデータとを照合する照合手段とを有することを特徴とする。
【0009】
上記本発明のラベルプリンタは、さらに、上記照合手段での照合結果を上記ホストコンピュータと上記搬送装置の制御コンピュータとに送信する送信手段を具備するように構成してもよい。
【0010】
本発明のラベルプリンタ制御方法は、ホストコンピュータから送信されたコードのデータに基づきラベルにコードを印字するラベルプリンタの制御方法であって、上記ラベルプリンタは、マイコンボード、コントローラ、プリントエンジン、ラベル貼付装置およびコードリーダを有し、上記マイコンボードの記憶手段に、上記ホストコンピュータから送信されたコードのデータを記憶し、上記コントローラが上記プリントエンジンにコード印字指令の信号を出力することにより、上記プリントエンジンが、上記ホストコンピュータから送信されてきたコードのデータを基に、ラベルにコードを印字し、上記コントローラが上記ラベル貼付装置にラベル貼付指令の信号を出力することにより、上記ラベル貼付装置が、上記コード印字済みラベルを搬送装置上の製品に貼付する処理と、この貼付が完了したときに上記コントローラに対しラベル貼付完了の信号を出力する処理を実行し、上記ラベル貼付完了の信号が上記コントローラに入力されることにより、上記コントローラが、上記コードリーダに対しコード読取指令の信号を出力し、上記コード読取指令の信号が上記コードリーダに入力されることにより、上記コードリーダが、上記製品に貼付されているコード印字済みラベルからコードを読み取り、上記コードリーダで実際に読み取ったコードのデータは、上記マイコンボードへ送信されるとともに、そのマイコンボードにおいて、該マイコンボードの上記記憶手段に記憶されているコードのデータと照合されることを特徴とする。
【0011】
本発明のラベルプリンタ制御方法は、ホストコンピュータから送信されたバーコードのデータに基づきラベルにバーコードを印字するラベルプリンタの制御方法であって、上記ラベルプリンタは、マイコンボード、コントローラ、プリントエンジン、ラベル貼付装置およびバーコードリーダを有し、上記マイコンボードの記憶手段に、上記ホストコンピュータから送信されたバーコードのデータを記憶し、上記コントローラが上記プリントエンジンにバーコード印字指令の信号を出力することにより、上記プリントエンジンが、上記ホストコンピュータから送信されてきたバーコードのデータを基に、ラベルにバーコードを印字し、上記コントローラが上記ラベル貼付装置にラベル貼付指令の信号を出力することにより、上記ラベル貼付装置が、上記バーコード印字済みラベルを搬送装置上の製品に貼付する処理と、この貼付が完了したときに上記コントローラに対しラベル貼付完了の信号を出力する処理を実行し、上記ラベル貼付完了の信号が上記コントローラに入力されることにより、上記コントローラが、上記バーコードリーダに対しバーコード読取指令の信号を出力し、上記バーコード読取指令の信号が上記バーコードリーダに出力されることにより、上記バーコードリーダが、上記製品に貼付されているバーコード印字済みラベルからバーコードを読み取り、上記バーコードリーダで実際に読み取ったバーコードのデータは、上記マイコンボードへ送信されるとともに、そのマイコンボードにおいて、該マイコンボードの上記記憶手段に記憶されているバーコードのデータと照合されることを特徴とする。
【0012】
上記本発明のラベルプリンタ制御方法において、更に、上記マイコンボードでの照合結果は、上記ホストコンピュータと上記搬送装置の制御コンピュータとに送信されるように構成してもよい。
【0013】
本発明のコード読取検査システムは、ラベルプリンタ、ホストコンピュータ、搬送装置の制御コンピュータを備え、上記ラベルプリンタは、上記ホストコンピュータから送信されたコードのデータを受信する受信手段と、上記受信手段で受信したコードのデータを記憶する記憶手段と、上記受信手段で受信したコードのデータに基づきラベルにコードを印字する印字手段と、上記コード印字済みラベルを上記搬送装置上の製品に貼付する貼付手段と、上記貼付手段が上記搬送装置上の製品にコード印字済みラベルを貼付した後に、その製品に貼付されているコード印字済みラベルからコードを読み取るコードリーダと、上記コードリーダで読み取ったコードのデータと上記記憶手段に記憶されているコードのデータとを照合する照合手段と、上記照合手段での照合結果を上記ホストコンピュータと上記搬送装置の制御コンピュータとに送信する送信手段とを有し、上記ホストコンピュータは、上記照合結果を基に照合管理データを作成し、上記搬送装置の制御コンピュータは、上記照合結果を基に上記搬送装置の振分け装置を制御して、照合不適とされた不良ラベルが貼付されている製品と、照合適合とされたラベルが貼付されている製品との振分けをすることを特徴とする。
【0014】
本発明のコード読取検査システムは、ラベルプリンタ、ホストコンピュータ、搬送装置の制御コンピュータを備え、上記ラベルプリンタは、上記ホストコンピュータから送信されたバーコードのデータを受信する受信手段と、上記受信手段で受信したバーコードのデータを記憶する記憶手段と、上記受信手段で受信したバーコードのデータに基づきラベルにバーコードを印字する印字手段と、上記バーコード印字済みラベルを上記搬送装置上の製品に貼付する貼付手段と、上記貼付手段が上記搬送装置上の製品にバーコード印字済みラベルを貼付した後に、その製品に貼付されているバーコード印字済みラベルからバーコードを読み取るバーコードリーダと、上記バーコードリーダで読み取ったバーコードのデータと上記記憶手段に記憶されているバーコードのデータとを照合する照合手段と、上記照合手段での照合結果を上記ホストコンピュータと上記搬送装置の制御コンピュータとに送信する送信手段とを有し、上記ホストコンピュータは、上記照合結果を基に照合管理データを作成し、上記搬送装置の制御コンピュータは、上記照合結果を基に上記搬送装置の振分け装置を制御して、照合不適とされた不良ラベルが貼付されている製品と、照合適合とされたラベルが貼付されている製品との振分けをすることを特徴とする。
【0015】
上記本発明のラベルプリンタでは、搬送装置上の製品にコード印字済みラベルが貼付された後に、その製品に貼付されているコード印字済みラベルからコードが読み取られ、この読み取られたコードのデータとホストコンピュータから送信されたコードのデータとが照合される。上記本発明のラベルプリンタ制御方法と上記本発明のコード読取検査システムも同様である。
【発明の効果】
【0016】
本発明にあっては、上記の如く、搬送装置上の製品にコード印字済みラベルが貼付された後に、その製品に貼付されているコード印字済みラベルからコードが読み取られ、この読み取られたコードのデータとホストコンピュータから送信されたコードのデータとが照合されるので、台紙上でのコードの印字状態が悪いために当該ラベルからコードを正確に読み取ることができなかった場合だけでなく、ラベルの貼付け後の状態が悪くて当該ラベルからコードを正確に読み取ることができなかった場合にも、照合不適という照合結果が得られることから、コードの誤読が生じるおそれのあるラベルを貼付した製品が市場に出回ることを効果的に防止することができる。
【0017】
更に本発明によると、ラベルプリンタ内でコードの照合処理が行なわれるので、照合処理を行なうための照合専用コンピュータやこれに組み込む照合専用プログラムを必要とせず、それだけ設備導入コストの削減も図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るラベルプリンタを用いたコード読取検査システムの全体構成平面図、図2は、図1のコード読取検査システムの拡大平面図、図3は、図1のシステムに用いられているラベルプリンタのブロック図である。
【0020】
図1のコード読取検査システム1は、ラベルプリンタ2、ホストコンピュータ3および搬送装置の制御コンピュータとしてのPLC(プログラマブルコンピュータ)4を備えるシステム構成になっている。
【0021】
同システム1において、ラベルプリンタ2は、出荷される製品5を搬送する搬送装置6の側方に配置されて、ラベルへのバーコード等の印字から搬送装置6上の製品5へのラベルの貼付までの一連の処理や、バーコードの照合処理等を行なう。また、ホストコンピュータ3は、ラベルプリンタ2へのバーコードのデータD1の送信や、ラベルプリンタ2での照合結果に基づく各種管理処理等を行なう。PLC4は、ラベルプリンタ2での照合結果に基づく搬送装置6等の各種制御を行なう。
【0022】
上記ラベルプリンタ2は、図3のように、マイコンボード7、プリントエンジン8、ラベル貼付装置9、バーコードリーダ10、および、コントローラ11を備えている。
【0023】
マイコンボード7は、CPU7−1、ROM7−2、RAM7−3を搭載し、かつ、通信ポートとして、RS232Cポート7−4を複数備えている。このマイコンボード7は、そのRS232Cポート7−4を経由してホストコンピュータ3からバーコードのデータD1を受信する。そして、このマイコンボード7で受信したバーコードのデータD1は、同マイコンボード7に搭載の記憶手段、具体的にはRAM7−3に記憶し格納される。また、このマイコンボード7で受信したバーコードのデータD1は、RS232Cポート7−4を経由してプリントエンジン8に転送される。
【0024】
プリントエンジン8は、帯状の台紙上に仮着されているラベルにバーコードその他必要な情報を印字する印字手段、その印字手段へ前記ラベルを供給する機構、および、バーコード印字済みラベルを台紙から剥離してラベル貼付装置9へ供給する機構等を有する。尚、印字手段については、例えば、周知のドットプリント形式、インクジェット形式、レーザプリント形式等、各種の印字形式が適用される。また、ラベルの剥離機構や、ラベルの供給機構等についても、その形式は問わず、公知若しくは周知の機構を適用することができる。
【0025】
ラベル貼付装置9は、図2のように、ラベルプリンタ2の外装ケース2−1の側方に一体的に配置されている。このラベル貼付装置9は、プリントエンジン8からバーコード印字済みラベルを受け取って搬送装置6上の製品5に貼付する手段である。本実施形態のラベル貼付装置9は、図2のように、プリントエンジン8から供給されるバーコード印字済みラベルを吸着保持装置9−1の下面で吸着して受け取り、その後、該吸着保持装置9−1が搬送装置6上の製品5に当接することによってバーコード印字済みラベルを製品5に貼付するという方式を採用しているが、これ以外の方式を採用してもよい。
【0026】
バーコードリーダ10は、図2のように、ラベル貼付装置9によるバーコード印字済みラベルの貼付位置P1を十分視認できる場所に配置され、かつ、ラベル貼付装置9が搬送装置6上の製品5にバーコード印字済みラベルを貼付した直後に、その製品5に貼付されているバーコード印字済みラベルからバーコードを読み取る。
【0027】
コントローラ11は、プリントエンジン8、ラベル貼付装置9、バーコードリーダ10等を制御する手段であり、プリントエンジン8、ラベル貼付装置9、バーコードリーダ10に対し、それぞれの処理を実行するための指令を出力する。具体的には、プリントエンジン8に対してはバーコード印字指令の信号S1を、ラベル貼付装置9に対してはラベル貼付指令の信号S2を出力し、またバーコードリーダ10に対してはバーコード読取指令の信号S3を出力する。これら3つの指令信号は、バーコード印字指令、ラベル貼付指令、バーコード読取指令の順に、所定のタイミングで、その指令を受ける側(プリントエンジン、ラベル貼付装置、バーコードリーダ)に個々に出力される。また、コントローラ11は、後述するホストコンピュータ3から送信されたバーコードデータD1と、バーコードリーダ10で読み取ったバーコードのデータD2との照合結果のデータD3を入出力する外部入出力ポート11−1も有する。
【0028】
プリントエンジン8は、バーコード印字指令の信号S1が入力されると、マイコンボード7から転送されてきたバーコードのデータD1、すなわちホストコンピュータ3から送信されてきたバーコードのデータD1を基に、ラベルにバーコードを印字し、かつ、そのバーコード印字済みラベルを台紙から剥離してラベル貼付装置9へ供給する。
【0029】
次に、ラベル貼付装置9は、ラベル貼付指令の信号S2が入力されると、バーコード印字済みラベルをプリントエンジン8から受け取り、この受け取ったバーコード印字済みラベルを搬送装置6上の製品5に貼付する。このとき、コントローラ11は、ラベル貼付完了の信号S4の入力待ちとなっており、この貼付が完了すると、ラベル貼付装置9は、コントローラ11に対して、ラベル貼付完了の信号S4を出力する。そして、ラベル貼付完了の信号S4がコントローラ11に入力されると、同コントローラ11は、バーコードリーダ10に対してバーコード読取指令の信号S3を出力する。これにより、バーコード読取指令の信号S3がバーコードリーダ10に入力され、バーコードリーダ10は、製品5に貼付されているバーコード印字済みラベルからバーコードを読み取る動作を開始する。
【0030】
上記バーコードリーダ10で読み取ったバーコードのデータD2は、マイコンボード7へ送信され、マイコンボード7のRS232Cポート7−4を経由して、同マイコンボード7のRAM7−3に記憶し格納される。また、このバーコードリーダ10で読み取ったバーコードのデータD2は、ホストコンピュータ3から送信されてきたバーコードのデータD1とは別の記憶エリアに別途格納される。従って、マイコンボード7のRAM7−3には、ホストコンピュータ3から送信されてきたバーコードのデータD1と、バーコードリーダ10で読み取ったバーコードのデータD2とが共存して格納されることになる。
【0031】
また、上記のように2つのデータD1、D2がマイコンボード7のRAM7−3内に格納されると、マイコンボード7は、2つのデータD1、D2、すなわちホストコンピュータ3から送信されてきた元のバーコードのデータD1と、実際に読み取ったバーコードのデータD2とを照合する。この照合の処理は、マイコンボード7のCPU7−1が、同マイコンボード7のROM7−2内に格納されている照合プログラムを実行することにより行なわれる。かかる照合プログラムは、RAM7−3から上記2つのデータD1、D2を読み出してきて、両者を比較照合するものである。
【0032】
上記2つのデータD1、D2が一致した場合は、照合適合となるが、それ以外は照合不適となる。例えば、バーコードの印字状態が悪いため、バーコードの誤読が生じ、実際に読み取ったバーコードのデータD2とホストコンピュータから送信された元のバーコードのデータD1とが一致しない場合は、照合不適となる。また、ラベルの貼り付け状態が悪くてバーコードを読み取ることができなかった場合は、読み取られるバーコードのデータD2がないので、照合ができず、この場合も照合不適となる。それ以外の場合は照合適合となる。
【0033】
マイコンボード7での照合結果データD3は、同マイコンボード7のRS232Cポート7−4を経由してホストコンピュータ3へ送信されるとともに、コントローラ11に送信され、当該コントローラ11の外部入出力ポート11−1からPLC4へも出力される。この際、ホストコンピュータ3への照合結果データD3の送信は、実際に読み取ったバーコードのデータに、照合結果として照合適合か照合不適かのフラグを付加したものを送信する形式で行なわれる。一方、外部入出力ポート11−1からPLC4への照合結果データD3の出力については、照合結果データD3中のフラグに基づき、照合適合か照合不適かの2種の信号(以下「照合結果信号S5またはS6」という)を出力する形式で行なわれる。
【0034】
ホストコンピュータ3は、上記マイコンボード7からの照合結果データD3を受信し、その照合結果データD3を基に、照合適合または照合不適の個数や照合日時等の様々な照合管理データを作成する。
【0035】
搬送装置6は、ラベルプリンタ2の下流で、良品搬送ルート6−1と不良品排除ルート6−2とに分岐しており、この分岐点X1には、搬送装置6の横に、PLC4により制御される振分け装置6−3が設けられている。
【0036】
PLC4は、上記照合結果信号S5、S6を基に上記搬送装置6の振分け装置6−3を制御して、照合不適とされた不良ラベルが貼付されている製品と、照合適合とされたラベルが貼付されている製品との振分けを行なう。
【0037】
すなわち、ラベルプリンタ2のマイコンボード7のRS232Cポート7−4から照合結果データD3をコントローラ11に送信し、当該コントローラ11の外部入出力ポート11−1を経由してPLC4に照合結果信号S5(照合不適の信号)が出力されると、PLC4は所定の信号を振分け装置6−3に出力する。この所定の信号は、照合不適とされた不良ラベルが貼付されている製品(照合不適品)を排除するための信号であり、この信号が振分け装置6−3に入力されると、照合不適品が分岐点X1を通過するときに、振分け装置6−3の押出しロッド6−3−1が前進移動して照合不適品を搬送装置6の不良品排除ルート6−2へ押し出す。
【0038】
一方、ラベルプリンタ2のマイコンボード7のRS232Cポート7−4から照合結果データD3をコントローラ11に送信し、当該コントローラ11の外部入出力ポート11−1を経由してPLC4に照合結果信号S6(照合適合の信号)が出力されると、PLC4は所定の信号を振分け装置6−3に出力する。このときの所定の信号は、照合適合とされたラベルが貼付されている製品(照合適合品)を良品搬送ルート6−1下流の出荷先別振分け地点X2、X3へ送るための信号であり、この信号が振分け装置6−3に入力されると、照合適合品が分岐点X1を通過しても、振分け装置6−3の押出しロッド6−3−1は前進動作せず、よって、照合適合品は、そのまま搬送装置6の良品搬送ルート6−1へ移行する。
【0039】
従って、以上の説明したコード読取検査システムによると、ラベルプリンタ2においてラベルにバーコードが正しく印字されているかどうかをチェックすることができるとともに、出荷先別振分け地点X2、X3には照合適合品だけが搬送され、照合不適品は分岐ルート6−2を介して排除されるから、バーコードの誤読が生じるおそれのある製品が市場に出回ることを防止することができる。
【0040】
上記実施形態においては、バーコードのデータをラベルに印字し、ラベルに印字されたバーコードをバーコードリーダで読み取る例について説明したが、これに代えて、バーコード以外のコード、例えば2次元コードのデータをラベルに印字し、そのラベルに印字された2次元コードをコードリーダで読み取るように構成してもよい。この場合、コードリーダは2次元コードリーダが適用される。それ以外の構成の説明は上記実施形態の説明において「バーコード」とあるのを「2次元コード」と読み替えるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係るラベルプリンタを用いたコード読取検査システムの全体構成平面図。
【図2】図1のコード読取検査システムの拡大平面図。
【図3】図1のシステムに用いられているラベルプリンタのブロック図。
【符号の説明】
【0042】
1 コード読取検査システム
2 ラベルプリンタ
2−1 外装ケース
3 ホストコンピュータ
4 PLC(搬送装置の制御コンピュータ)
5 製品
6 搬送装置
6−1 良品搬送ルート
6−2 不良品排除ルート
6−3 振分け装置
6−3−1 押出しロッド
7 マイコンボード
7−1 CPU
7−2 ROM
7−3 RAM
7−4 RS232Cポート
8 プリントエンジン
9 ラベル貼付装置
9−1 吸着保持装置
10 バーコードリーダ
11 コントローラ
11−1 外部入出力ポート
D1 ホストコンピュータからのバーコードデータ
D2 バーコードリーダで読み取ったバーコードデータ
D3 照合結果のデータ
P1 ラベル貼付装置によるラベルの貼付位置
S1 バーコード印字指令の信号
S2 ラベル貼付指令の信号
S3 バーコード読取指令の信号
S4 ラベル貼付完了の信号
S5 照合結果信号(照合不適の信号)
S6 照合結果信号(照合適合の信号)
X1 搬送装置分岐点
X2、X3 出荷先別振分け地点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコンピュータから送信されたコードのデータを受信する受信手段と、
上記受信手段で受信したコードのデータを記憶する記憶手段と、
上記受信手段で受信したコードのデータに基づきラベルにコードを印字する印字手段と、
上記コード印字済みラベルを搬送装置上の製品に貼付する貼付手段と、
上記貼付手段が上記搬送装置上の製品にコード印字済みラベルを貼付した後に、その製品に貼付されているコード印字済みラベルからコードを読み取るコードリーダと、
上記コードリーダで読み取ったコードのデータと上記記憶手段に記憶されているコードのデータとを照合する照合手段とを有する
ことを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項2】
ホストコンピュータから送信されたバーコードのデータを受信する受信手段と、
上記受信手段で受信したバーコードのデータを記憶する記憶手段と、
上記受信手段で受信したバーコードのデータに基づきラベルにバーコードを印字する印字手段と、
上記バーコード印字済みラベルを搬送装置上の製品に貼付する貼付手段と、
上記貼付手段が上記搬送装置上の製品にバーコード印字済みラベルを貼付した後に、その製品に貼付されているバーコード印字済みラベルからバーコードを読み取るバーコードリーダと、
上記バーコードリーダで読み取ったバーコードのデータと上記記憶手段に記憶されているバーコードのデータとを照合する照合手段とを有する
ことを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項3】
上記ラベルプリンタは、さらに、上記照合手段での照合結果を上記ホストコンピュータと上記搬送装置の制御コンピュータとに送信する送信手段を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のラベルプリンタ。
【請求項4】
ホストコンピュータから送信されたコードのデータに基づきラベルにコードを印字するラベルプリンタの制御方法であって、
上記ラベルプリンタは、マイコンボード、コントローラ、プリントエンジン、ラベル貼付装置およびコードリーダを有し、
上記マイコンボードの記憶手段に、上記ホストコンピュータから送信されたコードのデータを記憶し、
上記コントローラが上記プリントエンジンにコード印字指令の信号を出力することにより、上記プリントエンジンが、上記ホストコンピュータから送信されてきたコードのデータを基に、ラベルにコードを印字し、
上記コントローラが上記ラベル貼付装置にラベル貼付指令の信号を出力することにより、上記ラベル貼付装置が、上記コード印字済みラベルを搬送装置上の製品に貼付する処理と、この貼付が完了したときに上記コントローラに対しラベル貼付完了の信号を出力する処理を実行し、
上記ラベル貼付完了の信号が上記コントローラに入力されることにより、上記コントローラが、上記コードリーダに対しコード読取指令の信号を出力し、
上記コード読取指令の信号が上記コードリーダに入力されることにより、上記コードリーダが、上記製品に貼付されているコード印字済みラベルからコードを読み取り、
上記コードリーダで実際に読み取ったコードのデータは、上記マイコンボードへ送信されるとともに、そのマイコンボードにおいて、該マイコンボードの上記記憶手段に記憶されているコードのデータと照合される
ことを特徴とするラベルプリンタの制御方法。
【請求項5】
ホストコンピュータから送信されたバーコードのデータに基づきラベルにバーコードを印字するラベルプリンタの制御方法であって、
上記ラベルプリンタは、マイコンボード、コントローラ、プリントエンジン、ラベル貼付装置およびバーコードリーダを有し、
上記マイコンボードの記憶手段に、上記ホストコンピュータから送信されたバーコードのデータを記憶し、
上記コントローラが上記プリントエンジンにバーコード印字指令の信号を出力することにより、上記プリントエンジンが、上記ホストコンピュータから送信されてきたバーコードのデータを基に、ラベルにバーコードを印字し、
上記コントローラが上記ラベル貼付装置にラベル貼付指令の信号を出力することにより、上記ラベル貼付装置が、上記バーコード印字済みラベルを搬送装置上の製品に貼付する処理と、この貼付が完了したときに上記コントローラに対しラベル貼付完了の信号を出力する処理を実行し、
上記ラベル貼付完了の信号が上記コントローラに入力されることにより、上記コントローラが、上記バーコードリーダに対しバーコード読取指令の信号を出力し、
上記バーコード読取指令の信号が上記バーコードリーダに入力されることにより、上記バーコードリーダが、上記製品に貼付されているバーコード印字済みラベルからバーコードを読み取り、
上記バーコードリーダで実際に読み取ったバーコードのデータは、上記マイコンボードへ送信されるとともに、そのマイコンボードにおいて、該マイコンボードの上記記憶手段に記憶されているバーコードのデータと照合される
ことを特徴とするラベルプリンタの制御方法。
【請求項6】
上記マイコンボードでの照合結果は、上記ホストコンピュータと上記搬送装置の制御コンピュータとに送信されることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載のラベルプリンタの制御方法。
【請求項7】
ラベルプリンタ、ホストコンピュータ、搬送装置の制御コンピュータを備え、
上記ラベルプリンタは、
上記ホストコンピュータから送信されたコードのデータを受信する受信手段と、
上記受信手段で受信したコードのデータを記憶する記憶手段と、
上記受信手段で受信したコードのデータに基づきラベルにコードを印字する印字手段と、
上記コード印字済みラベルを上記搬送装置上の製品に貼付する貼付手段と、
上記貼付手段が上記搬送装置上の製品にコード印字済みラベルを貼付した後に、その製品に貼付されているコード印字済みラベルからコードを読み取るコードリーダと、
上記コードリーダで読み取ったコードのデータと上記記憶手段に記憶されているコードのデータとを照合する照合手段と、
上記照合手段での照合結果を上記ホストコンピュータと上記搬送装置の制御コンピュータとに送信する送信手段とを有し、
上記ホストコンピュータは、
上記照合結果を基に照合管理データを作成し、
上記搬送装置の制御コンピュータは、
上記照合結果を基に上記搬送装置の振分け装置を制御して、照合不適とされた不良ラベルが貼付されている製品と、照合適合とされたラベルが貼付されている製品との振分けをする
ことを特徴とするコード読取検査システム。
【請求項8】
ラベルプリンタ、ホストコンピュータ、搬送装置の制御コンピュータを備え、
上記ラベルプリンタは、
上記ホストコンピュータから送信されたバーコードのデータを受信する受信手段と、
上記受信手段で受信したバーコードのデータを記憶する記憶手段と、
上記受信手段で受信したバーコードのデータに基づきラベルにバーコードを印字する印字手段と、
上記バーコード印字済みラベルを上記搬送装置上の製品に貼付する貼付手段と、
上記貼付手段が上記搬送装置上の製品にバーコード印字済みラベルを貼付した後に、その製品に貼付されているバーコード印字済みラベルからバーコードを読み取るバーコードリーダと、
上記バーコードリーダで読み取ったバーコードのデータと上記記憶手段に記憶されているバーコードのデータとを照合する照合手段と、
上記照合手段での照合結果を上記ホストコンピュータと上記搬送装置の制御コンピュータとに送信する送信手段とを有し、
上記ホストコンピュータは、
上記照合結果を基に照合管理データを作成し、
上記搬送装置の制御コンピュータは、
上記照合結果を基に上記搬送装置の振分け装置を制御して、照合不適とされた不良ラベルが貼付されている製品と、照合適合とされたラベルが貼付されている製品との振分けをする
ことを特徴とするコード読取検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−123920(P2006−123920A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310789(P2004−310789)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】