説明

ラベルプリンタ

【課題】簡単な構造で小型化可能なラベルプリンタを提供する。
【解決手段】帯状台紙Dに仮着されたラベルRに印刷を行うラベルプリンタであって、本体部にラベルRに印刷するためのプラテンローラ31及び剥離バー35が設けられており、用紙ロール収納蓋を閉じる際に、用紙ロール収納蓋に設けられている印刷ヘッド32及び剥離ローラ33は、プラテンローラ31と接触し、ラベルRに印刷を行う際には、帯状台紙Dは、印刷ヘッド32とプラテンローラ31の間を通過し、剥離バー35を回り込んだ後、剥離ローラ33とプラテンローラ31の間を通過するものであって、ラベルRは剥離バー35により前記帯状台紙Dを屈曲させることにより剥離させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルを作成するためのラベルプリンタとして、帯状台紙に仮着されたラベルに印字を行い、ラベル剥離機構によって作成後のラベルを帯状台紙から剥離し、帯状台紙及びラベルを別個の経路で排出する構成のものが知られている。ラベル剥離機構としては、一般的に、ラベルが仮着された状態(張り付いた状態)の帯状台紙を90度以下に屈曲させた状態で搬送することにより、ラベルの腰の強さ(面外剛性)を利用して、帯状台紙からラベルを剥離する構成の装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、帯状台紙に仮着させたラベルに印字した後に、帯状台紙に仮着したままの状態で発行する場合と、帯状台紙から剥離した状態でラベルを発行する場合とに切換えて操作を行うことが可能な装置が知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−213002号公報
【特許文献2】特開2006−150867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ラベルプリンタは携帯して利用する場合が多く、また、低コスト化の観点から、より軽量で小型の構成のものが望まれている。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で小型化可能なラベルプリンタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、帯状台紙に仮着されたラベルに印刷を行うラベルプリンタであって、前記ラベルプリンタの本体部に設けられた前記ラベルが仮着されたロール状の帯状台紙を収納する収納部と、前記ロール状の帯状台紙を収納する際に閉じられる前記用紙ロール収納蓋と、を有し、前記本体部には、前記ラベルに印刷するためのプラテンローラ及び剥離バーが設けられており、前記用紙ロール収納蓋には、印刷ヘッド及び剥離ローラが設けられており、前記用紙ロール収納蓋を閉じる際に、前記剥離ローラは、前記本体部に接触することにより押され、前記用紙ロール収納蓋に形成された溝に沿って移動し、前記プラテンローラと接触し、前記ラベルに印刷を行う際には、前記帯状台紙は、前記印刷ヘッドとプラテンローラの間を通過し、剥離バーを回り込んだ後、剥離ローラとプラテンローラの間を通過するものであって、前記ラベルは前記剥離バーにより前記帯状台紙を屈曲させることにより剥離させるものであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記用紙ロール収納蓋には、前記剥離ローラに接続されたバネを有しており、前記用紙ロール収納蓋を開いた際には、前記バネにより前記用紙ロール収納蓋に設けられた溝を介し、前記剥離ローラが移動することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記用紙ロール収納蓋を開いている状態では、前記剥離ローラは前記用紙ロール収納蓋に接続されることなく、前記用紙ロール収納蓋に設けられた溝内を自由に移動可能であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、帯状台紙に仮着されたラベルに印刷を行うラベルプリンタであって、前記ラベルプリンタの本体部に設けられた前記ラベルが仮着されたロール状の帯状台紙を収納する収納部と、前記ロール状の帯状台紙を収納する際に閉じられる前記用紙ロール収納蓋と、を有し、前記本体部には、前記ラベルに印刷するための印刷ヘッド、剥離ローラ、前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態で、前記剥離ローラをプラテンローラ側に加圧するためのバネを有しており、前記用紙ロール収納蓋には、プラテンローラ、剥離バー及び前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態で、前記プラテンローラを前記印刷ヘッド側に加圧するためのバネを有しており、前記ラベルに印刷を行う際には、前記帯状台紙は、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間を通過し、前記剥離バーを回り込んだ後、前記剥離ローラと前記プラテンローラの間を通過するものであって、前記ラベルは、前記剥離バーにより前記帯状台紙を屈曲させることにより剥離させるものであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態では、前記剥離ローラは、前記プラテンローラよりも外側に配置されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記剥離ローラは剥離ローラ収納カバーに納められており、前記収納カバーは前記本体部に垂直な軸を中心に回転可能であって、前記印刷されたラベルを前記帯状台紙より剥離する際には、前記剥離ローラと前記プラテンローラとが接触するよう配置し、前記印刷されたラベルを前記帯状台紙より剥離しない場合には、前記剥離ローラと前記プラテンローラとは前記軸を介し反対方向に配置することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、帯状台紙に仮着されたラベルに印刷を行うラベルプリンタであって、前記ラベルプリンタの本体部に設けられた前記ラベルが仮着されたロール状の帯状台紙を収納する収納部と、前記ロール状の帯状台紙を収納する際に閉じられる前記用紙ロール収納蓋と、を有し、前記本体部には、前記ラベルに印刷するための印刷ヘッド、剥離ローラ、前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態で、前記剥離ローラをプラテンローラ上部に配置するための加圧するためのバネを有しており、前記用紙ロール収納蓋には、プラテンローラ、剥離バーを有しており、前記ラベルに印刷を行う際には、前記帯状台紙は、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間を通過し、前記剥離バーを回り込んだ後、前記剥離ローラと前記プラテンローラの間を通過するものであって、前記ラベルは、前記剥離バーにより前記帯状台紙を屈曲させることにより剥離させるものであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、帯状台紙に仮着されたラベルに印刷を行うラベルプリンタであって、前記ラベルプリンタの本体部に設けられた前記ラベルが仮着されたロール状の帯状台紙を収納する収納部と、前記ロール状の帯状台紙を収納する際に閉じられる前記用紙ロール収納蓋と、を有し、前記本体部には、前記ラベルに印刷するための印刷ヘッドを有しており、前記用紙ロール収納蓋には、プラテンローラ、剥離バー、剥離ローラ及び前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態で、前記剥離ローラを前記プラテンローラに接触させるためのバネを有しており、前記ラベルに印刷を行う際には、前記帯状台紙は、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間を通過し、前記剥離バーを回り込んだ後、前記剥離ローラと前記プラテンローラの間を通過するものであって、前記ラベルは、前記剥離バーにより前記帯状台紙を屈曲させることにより剥離させるものであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記剥離ローラは、回転軸と前記回転軸に接続された2枚のリンク板と前記リンク板に接続された分断された2つのローラにより構成されており、前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態では、前記回転軸を中心に回転し、前記2つのローラが前記プラテンローラに接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構造で小型化可能なラベルプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態となるラベルプリンタの斜視図(1)
【図2】本発明の一実施の形態となるラベルプリンタの斜視図(2)
【図3】第1の実施の形態に係るラベルプリンタの要部構成図(1)
【図4】第1の実施の形態に係るラベルプリンタの要部構成図(2)
【図5】第1の実施の形態に係るラベルプリンタの要部構成図(3)
【図6】第1の実施の形態に係るラベルプリンタの要部斜視図
【図7】第1の実施の形態に係る別の構成のラベルプリンタの要部斜視図
【図8】第2の実施の形態に係るラベルプリンタの構成図(1)
【図9】第2の実施の形態に係るラベルプリンタの構成図(2)
【図10】第2の実施の形態に係るラベルプリンタの要部拡大図
【図11】第3の実施の形態に係るラベルプリンタの構成図(1)
【図12】第3の実施の形態に係るラベルプリンタの構成図(2)
【図13】第3の実施の形態に係るラベルプリンタの要部構成図
【図14】第4の実施の形態に係るラベルプリンタの構成図(1)
【図15】第4の実施の形態に係るラベルプリンタの構成図(2)
【図16】第4の実施の形態に係るラベルプリンタの要部構成図
【図17】第5の実施の形態に係るラベルプリンタの要部構成図(1)
【図18】第5の実施の形態に係るラベルプリンタの要部構成図(2)
【図19】第5の実施の形態に係るラベルプリンタの要部拡大図(1)
【図20】第5の実施の形態に係るラベルプリンタの要部拡大図(2)
【図21】剥離ローラの変形例の説明図
【図22】剥離ローラの変形例の斜視図(1)
【図23】剥離ローラの変形例の斜視図(2)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
【0019】
〔第1の実施の形態〕
第1の形態について、図1及び図2に基づき説明する。図1は、本実施の形態におけるラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋及びバッテリ収納蓋が閉じた状態の斜視図であり、図2は、本実施の形態におけるラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋及びバッテリ収納蓋が開いた状態の斜視図である。
【0020】
本実施の形態におけるラベルプリンタは、略直方体の形状であり、本体部12と用紙ロール収納蓋13とバッテリ収納蓋14を有している。用紙ロール収納蓋13は、本実施の形態におけるラベルプリンタの上面部の一部を構成するものであり、用紙ロール収納部16に用紙ロールSRを入れた後、用紙ロール収納蓋13を閉じることにより用紙ロールSRを収納するものである。用紙ロール収納蓋13には、操作ノブ17が設けられており、操作ノブ17をスライドさせることにより、ロックレバー18a及び18bが動き、本体部12より用紙ロール収納蓋13を開くことができるような構造となっている。また、用紙ロール収納蓋13の表面には、操作ボタン19が設けられており、ラベルの印字出力等の操作が行われる。
【0021】
一方、バッテリ収納蓋14は、本体部12の側面部に設けられており、バッテリ収納部20にバッテリBを入れてバッテリ収納蓋14を閉じることによりバッテリBを収納することができ、操作ノブ21の操作により、バッテリ収納蓋14を開閉することが可能である。尚、用紙ロールSRは用紙Sをロール状にしたものであり、後述するように、用紙Sは帯状台紙の表面にラベルが仮着されたものである。
【0022】
図3、図4、図5及び図6に示すように、本実施の形態におけるラベルプリンタを示す。図3は、本実施の形態のラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋13が開いた状態の要部構成を示す図であり、図5は、本実施の形態のラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋13が閉じた状態の要部構成を示す図であり、図4は、本実施の形態のラベルプリンタにおいて、図3に示す開いた状態から図5に示す閉じた状態になるまでの途中の状態を示すものであり、図6は、用紙ロール収納蓋13の構成を示すものである。
【0023】
本実施の形態におけるラベルプリンタは、本体部12にプラテンローラ31が設けられており、用紙ロール収納蓋13に印刷ヘッド32及び剥離ローラ33が設けられた構成のものである。剥離ローラ33は、用紙ロール収納蓋13に設けられた溝34を移動することが可能であり、剥離ローラ33の軸33aが溝34に沿って移動することが可能である。また、プラテンローラ31の近傍には、剥離バー35が設けられている。
【0024】
用紙ロール収納蓋13が開いた状態では、剥離ローラ33は溝34の端部であるAの位置にあり、用紙ロール収納蓋13を閉じることにより、本体部12の一部と接触し、剥離ローラ33は用紙ロール収納蓋13に設けられた溝34に沿って移動し、溝34の他方の端部であるBの位置へと移動する。剥離ローラ33にはバネ36により荷重が加えられており、用紙ロール収納蓋13を開いた場合には、剥離ローラ33は溝34に沿ってBの位置からAの位置に元に戻るように移動する。
【0025】
即ち、剥離ローラ33が搭載された用紙ロール収納蓋13を閉じると、本体部12に設けられた斜面を有した不図示の凸部に剥離ローラ33に設けられたバネ36の先端が接触し、剥離ローラ33自体がスライドすることにより移動し、完全に移動しきった状態で、用紙ロール収納蓋13を閉じることにより、バネ36の先端が本体部12により押され剥離ローラ33がプラテンローラ31と接する位置に移動し、プラテンローラ31を押下し剥離可能な状態となる。
【0026】
尚、バネ36を設けない構成とすることにより、部品点数を削減することができコストダウンを図ることができる。
【0027】
用紙ロール収納蓋13が閉じた状態において、用紙ロール収納部16に納められている用紙Sは、印刷ヘッド32とプラテンローラ31との間を通過する際に印字が行われ、その後、プラテンローラ31の近傍に設けられた三角柱状の剥離バー35を回り込み、プラテンローラ31と剥離ローラ33との間を通る。用紙Sは、剥離バー35において、90度以下の角度に屈曲し帯状台紙DよりラベルRが剥離され排出される。
【0028】
図7には、本実施の形態において用紙ロール収納蓋13に設けられた溝34の形状が異なる場合を示す。溝34の形状をよりなめらかにすることにより、軸33aはA1の位置からB1の位置になめらかに移動し、溝34に沿って移動する剥離ローラ33の動きをなめらかにすることが可能となる。
【0029】
尚、帯状台紙DよりラベルRを剥離しない場合には、不図示の機構により剥離ローラ33は用紙ロール収納蓋13が閉じた状態であっても、図3から図6におけるAの位置からBの位置及び図7におけるA1の位置からB1の位置に移動することはないように設定することが可能である。この場合、用紙Sが90度以下の角度で屈曲することがないため、帯状台紙DよりラベルRが剥離されることはなく、帯状台紙Dに仮着された状態の印刷されたラベルRが排出される。
【0030】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0031】
図8、図9及び図10に基づき本実施の形態におけるラベルプリンタについて説明する。図8は、本実施の形態におけるラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋13が開いている状態の断面図であり、図9は、本実施の形態におけるラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋13が閉じている状態の断面図であり、図10は、図8における剥離ローラ43が形成されている領域の拡大図である。
【0032】
本実施の形態は、用紙ロール収納蓋13にプラテンローラ41及び剥離バー45が設けられており、本体部12の内側に印刷ヘッド42が設けられており、本体部12の外側に用紙ロール収納部13を閉じる際に接触する部分に剥離ローラ43が設けられた構成のものである。
【0033】
剥離ローラ43には、外部を覆う剥離ローラカバー44が設けられており、用紙ロール収納蓋13を閉じる際に、プラテンローラ41が用紙ロール収納蓋13の内部方向に押される。用紙ロール収納蓋13には、プラテンローラ41を外側に押すバネ46が設けられており、用紙ロール収納蓋13が閉じた状態では、プラテンローラ41が押され印刷ヘッド42と接する。また、剥離ローラカバー44には、剥離ローラ43を下方向に荷重を加えるバネ47が設けられており、紙ロール収納蓋13を閉じた状態では、下方向、即ち、プラテンローラ41と剥離ローラ43とが接するように荷重が加わり、プラテンローラ41と剥離ローラ43とが接する。
【0034】
用紙Sは、印刷ヘッド42とプラテンローラ41との間を通過する際に印刷された後、プラテンローラ41の近傍に設けられた剥離バー45を回り込み、プラテンローラ41と剥離ローラ43の間を通過する。その後、剥離バー45において、90度以下の角度に屈曲し、帯状台紙DよりラベルRを剥離して排出することができる。
【0035】
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、第2の実施の形態におけるラベルプリンタにおいて、用紙Sにおいて帯状台紙DよりラベルRを剥離しない機構を設けた構成のものである。
【0036】
図11、図12及び図13に基づき、本実施の形態におけるラベルプリンタについて説明する。図11は、帯状台紙DよりラベルRを剥離する場合の状態を示すものであり、図12は、帯状台紙DよりラベルRを剥離しない場合の状態を示すものである。図13に示すように、剥離ローラ43及び剥離ローラカバー44は回転軸51を中心に回転可能な状態で構成されている。帯状台紙DよりラベルRを剥離する場合には、プラテンローラ41と剥離ローラ43とが接する位置に、回転軸51を中心に剥離ローラカバー44を回転し移動させる。これにより、第2の実施の形態において説明したように、帯状台紙DよりラベルRを剥離して排出することができる。また、帯状台紙DよりラベルRを剥離しない場合には、回転軸51を中心に剥離ローラカバー44を回転し、プラテンローラ41が設けられている位置と反対側に剥離ローラ43を移動させる。これにより、剥離ローラ43はプラテンローラ41とは接していないため、印刷ヘッド42において印刷された帯状台紙Dに仮着されたラベルRは、剥離されることなく仮着された状態のままで排出される。
【0037】
これにより、第2の実施の形態において、帯状台紙DよりラベルRを剥離する場合と、剥離しない場合を選択してラベルRに印刷することができる。
【0038】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0039】
図14、図15及び図16に基づき本実施の形態について説明する。図14は、本実施の形態におけるラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋13が開いている状態の断面図であり、図15は、本実施の形態におけるラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋13が閉じている状態の断面図であり、図16は、用紙ロール収納蓋13が開いている状態から閉じる状態までの状態の変化を段階的に示すものである。
【0040】
本実施の形態は、紙ロール収納蓋13にプラテンローラ61が設けられており、本体部12に印刷ヘッド62及び剥離ローラ63が設けられており、剥離ローラ63を右方向に荷重を加えるためのバネ64が設けられている構成のものである。尚、紙ロール収納蓋13のプラテンローラ61の近傍には剥離バー65が設けられている。
【0041】
図16(a)は、紙ロール収納蓋13が開いた状態を示すものである。
【0042】
図16(b)に示すように紙ロール収納蓋13を閉じるに従い、紙ロール収納蓋13に押されて、剥離ローラ63は、図面上左方向に移動する。
【0043】
図16(c)は、剥離ローラ63が最も左側に押された状態であり、この後、図16(d)の状態を経由し、紙ロール収納蓋13が閉じることにより、剥離ローラ63がバネ64により押され、もとの状態に戻ることにより、図16(e)に示すように、プラテンローラ61の上部に位置する。このように、バネ64はプラテンローラ61の上部に剥離ローラ63が接触するように力が働くように機能するものである。
【0044】
用紙Sは、印刷ヘッド62とプラテンローラ61の間を通過する際に印刷された後、剥離バー65を回り込みプラテンローラ61と剥離ローラ63との間を通過する。この後、剥離バー65を回り込む際において90度以下に屈曲し、帯状台紙DよりラベルRを剥離して排出することができる。
【0045】
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。
【0046】
図17は、本実施の形態におけるラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋13が開いている状態の断面図であり、図18は、本実施の形態におけるラベルプリンタにおいて、用紙ロール収納蓋13が閉じている状態の断面図である。また、図19は、用紙ロール収納蓋13が開いている状態の剥離ローラ73近傍における拡大図であり、図20は、用紙ロール収納蓋13が閉じている状態の剥離ローラ73近傍における拡大図である。
【0047】
本実施の形態は、本体部12に、印刷ヘッド72が設けられており、紙ロール収納蓋13にプラテンローラ71と剥離ローラ73が設けられた構成のものである。図19及び図20に示すように、剥離ローラ73は、線バネ74の一方の端と接続されている。用紙ロール収納蓋13を閉じる際に、線バネ74の他方の端が本体部12の一部と接触することにより、力が加わり剥離ローラ73が移動する。即ち、図18に示すように、剥離ローラ73とプラテンローラ71とを接触させるように、図面上、矢印の方向に移動するように力が加わる。
【0048】
用紙Sは、印刷ヘッド72とプラテンローラ71の間を通過する際に印刷された後、剥離バー75を回り込みプラテンローラ71と剥離ローラ73との間を通過する。その後、剥離バー75を回り込む際において屈曲し、帯状台紙DからラベルRを剥離することができる。
【0049】
尚、本実施の形態では、ラベルを剥離しない場合や普通紙に印刷を行う場合には、用紙Sは、印刷ヘッド72とプラテンローラ71の間を通過する際に印刷された後、剥離バー75を回り込むことなく排出される。
【0050】
また、図21及び図22に示すように本実施の形態における剥離ローラは、円柱の棒状の形状のものではなく、用紙Sの両端において円柱状の形状のものを2つ設けた構成ものであってもよい。このような構成であっても同様の効果を得ることができるからである。具体的には、回転軸81にリンク部82a及び82bが設けられており、リンク部82a及び82bの内側側面に分割剥離ローラ83a及び83bを設けた構成のものである。尚、リンク部82a及び82bは、二つのバネ84a及び84bにより加重されている。このような構成とすることにより、剥離ローラを円柱状の棒状で形成する場合に比べて、材料費を安く抑えることができるとともに、軽量化することが可能となる。
【0051】
また、図23には、同様の構造のものを1つのバネにより構成した場合を示す。この構成のものでは、回転軸91にリンク部92a及び92bが設けられており、リンク部92a及び92bの内側側面に分割剥離ローラ93a及び93bを設けた構成ものであり、回転軸91を直接バネ94により加重するものである。これにより、バネ94を1つにすることができ、より低コストで軽量化を図ることができる。
【0052】
また、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0053】
12 本体部
13 用紙ロール収納蓋
14 バッテリ収納蓋
16 用紙ロール収納部
17 操作ノブ
18a、18b ロックレバー
19 操作ボタン
20 バッテリ収納部
21 操作ノブ
31 プラテンローラ
32 印刷ヘッド
33 剥離ローラ
33a 軸
34 溝
35 剥離バー
36 バネ
B バッテリ
D 帯状台紙
R ラベル
S 用紙
SR 用紙ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状台紙に仮着されたラベルに印刷を行うラベルプリンタであって、前記ラベルプリンタの本体部に設けられた前記ラベルが仮着されたロール状の帯状台紙を収納する収納部と、前記ロール状の帯状台紙を収納する際に閉じられる前記用紙ロール収納蓋と、を有し、
前記本体部には、前記ラベルに印刷するためのプラテンローラ及び剥離バーが設けられており、
前記用紙ロール収納蓋には、印刷ヘッド及び剥離ローラが設けられており、
前記用紙ロール収納蓋を閉じる際に、前記剥離ローラは、前記本体部に接触することにより押され、前記用紙ロール収納蓋に形成された溝に沿って移動し、前記プラテンローラと接触し、
前記ラベルに印刷を行う際には、前記帯状台紙は、前記印刷ヘッドとプラテンローラの間を通過し、剥離バーを回り込んだ後、剥離ローラとプラテンローラの間を通過するものであって、前記ラベルは前記剥離バーにより前記帯状台紙を屈曲させることにより剥離させるものであることを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項2】
前記用紙ロール収納蓋には、前記剥離ローラに接続されたバネを有しており、
前記用紙ロール収納蓋を開いた際には、前記バネにより前記用紙ロール収納蓋に設けられた溝を介し、前記剥離ローラが移動することを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
前記用紙ロール収納蓋を開いている状態では、前記剥離ローラは前記用紙ロール収納蓋に接続されることなく、前記用紙ロール収納蓋に設けられた溝内を自由に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項4】
帯状台紙に仮着されたラベルに印刷を行うラベルプリンタであって、前記ラベルプリンタの本体部に設けられた前記ラベルが仮着されたロール状の帯状台紙を収納する収納部と、前記ロール状の帯状台紙を収納する際に閉じられる前記用紙ロール収納蓋と、を有し、
前記本体部には、前記ラベルに印刷するための印刷ヘッド、剥離ローラ、前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態で、前記剥離ローラをプラテンローラ側に加圧するためのバネを有しており、
前記用紙ロール収納蓋には、プラテンローラ、剥離バー及び前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態で、前記プラテンローラを前記印刷ヘッド側に加圧するためのバネを有しており、
前記ラベルに印刷を行う際には、前記帯状台紙は、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間を通過し、前記剥離バーを回り込んだ後、前記剥離ローラと前記プラテンローラの間を通過するものであって、前記ラベルは、前記剥離バーにより前記帯状台紙を屈曲させることにより剥離させるものであることを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項5】
前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態では、前記剥離ローラは、前記プラテンローラよりも外側に配置されることを特徴とする請求項4に記載のラベルプリンタ。
【請求項6】
前記剥離ローラは剥離ローラ収納カバーに納められており、前記収納カバーは前記本体部に垂直な軸を中心に回転可能であって、
前記印刷されたラベルを前記帯状台紙より剥離する際には、前記剥離ローラと前記プラテンローラとが接触するよう配置し、
前記印刷されたラベルを前記帯状台紙より剥離しない場合には、前記剥離ローラと前記プラテンローラとは前記軸を介し反対方向に配置することを特徴とする請求項4または5に記載のラベルプリンタ。
【請求項7】
帯状台紙に仮着されたラベルに印刷を行うラベルプリンタであって、前記ラベルプリンタの本体部に設けられた前記ラベルが仮着されたロール状の帯状台紙を収納する収納部と、前記ロール状の帯状台紙を収納する際に閉じられる前記用紙ロール収納蓋と、を有し、
前記本体部には、前記ラベルに印刷するための印刷ヘッド、剥離ローラ、前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態で、前記剥離ローラをプラテンローラ上部に配置するための加圧するためのバネを有しており、
前記用紙ロール収納蓋には、プラテンローラ、剥離バーを有しており、
前記ラベルに印刷を行う際には、前記帯状台紙は、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間を通過し、前記剥離バーを回り込んだ後、前記剥離ローラと前記プラテンローラの間を通過するものであって、前記ラベルは、前記剥離バーにより前記帯状台紙を屈曲させることにより剥離させるものであることを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項8】
帯状台紙に仮着されたラベルに印刷を行うラベルプリンタであって、前記ラベルプリンタの本体部に設けられた前記ラベルが仮着されたロール状の帯状台紙を収納する収納部と、前記ロール状の帯状台紙を収納する際に閉じられる前記用紙ロール収納蓋と、を有し、
前記本体部には、前記ラベルに印刷するための印刷ヘッドを有しており、
前記用紙ロール収納蓋には、プラテンローラ、剥離バー、剥離ローラ及び前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態で、前記剥離ローラを前記プラテンローラに接触させるためのバネを有しており、
前記ラベルに印刷を行う際には、前記帯状台紙は、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間を通過し、前記剥離バーを回り込んだ後、前記剥離ローラと前記プラテンローラの間を通過するものであって、前記ラベルは、前記剥離バーにより前記帯状台紙を屈曲させることにより剥離させるものであることを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項9】
前記剥離ローラは、回転軸と前記回転軸に接続された2枚のリンク板と前記リンク板に接続された分断された2つのローラにより構成されており、
前記用紙ロール収納蓋を閉じた状態では、前記回転軸を中心に回転し、前記2つのローラが前記プラテンローラに接することを特徴とする請求項8に記載のラベルプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−222114(P2010−222114A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72696(P2009−72696)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】