ラベル付き包装体、及び巻付けラベル
【課題】 本発明は、印刷領域に印刷された表示が鮮明な状態のままで、この印刷領域を含むオーバーラップ領域をラベルから切り取りながら商品から剥離できるラベル付き包装体を提供する。
【解決手段】 本発明のラベル付き包装体は、所望の表示が印刷された印刷領域Aを有する第1側部領域31、中間領域33、及び透光部を有する第2側部領域32が連設された基材3と、基材3の裏面に設けられた粘着部4と、を有するラベル1と、第1側部領域31の表面に第2側部領域32を重ね合わせたオーバーラップ領域11を形成するようにラベル1が巻き付けられた商品と、を有し、第1側部領域31の縁部に、商品に非接着な摘み代部5が設けられ、オーバーラップ領域11をラベル1から切り取るため、一対の切取用補助線61,62が形成されており、印刷領域Aの一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部31nが設けられている。
【解決手段】 本発明のラベル付き包装体は、所望の表示が印刷された印刷領域Aを有する第1側部領域31、中間領域33、及び透光部を有する第2側部領域32が連設された基材3と、基材3の裏面に設けられた粘着部4と、を有するラベル1と、第1側部領域31の表面に第2側部領域32を重ね合わせたオーバーラップ領域11を形成するようにラベル1が巻き付けられた商品と、を有し、第1側部領域31の縁部に、商品に非接着な摘み代部5が設けられ、オーバーラップ領域11をラベル1から切り取るため、一対の切取用補助線61,62が形成されており、印刷領域Aの一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部31nが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品にラベルが巻き付けられたラベル付き包装体、及び巻付けラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、バイアル瓶、プレフィルドシリンジなどの医療用容器の周囲に、ラベルが巻き付けられたラベル付き包装体が広く用いられている。
巻付けラベルは、商品名、薬効成分、製造者名などの既定情報表示が予め印刷された基材を有し、該基材の裏面には、商品に貼付するための粘着剤が塗工されている。また、基材の表面には、ラベルを商品に巻き付ける直前に所望の表示を印刷するため、印刷領域が設けられている。前記所望の表示としては、製造年月日、消費期限、製造ロット、製造場所などのように、商品の製造時又は製造場所に応じて個々に決定される商品の固有情報表示などが挙げられる。固有情報表示を印刷した巻付けラベルを医療用容器に装着することにより、医薬品のトレーサビリティが可能となる。
【0003】
特許文献1には、基材の第1側部領域に印刷領域が設けられ且つ基材の第2側部領域に透光部が設けられた巻付けラベルの、前記印刷領域に固有情報表示などの所望の表示を印刷した後、第1側部領域の表面に第2側部領域がオーバーラップするように巻付けラベルを容器に巻き付けたラベル付き包装体が開示されている。
この包装体のラベルの使用方法として、前記所望の表示が施された第1側部領域又は該第1側部領域と第2側部領域とからなるオーバーラップ領域を切り離し、これを別途保管することが行われる。例えば、医療用容器については、前記固有情報表示を含む所望の表示が施された第1側部領域を切り離してこれをカルテに貼付しておくと、カルテに投薬履歴を簡単に記録できる。また、医薬品に起因する疾病が数年乃至数十年後に明らかになった場合でも、カルテに貼付した固有情報表示から医薬品のトレーサビリティを行うことが可能となる。
【0004】
この点、引用文献1には、ラベル付き包装体から、所望の表示が印刷された第1側部領域又は第1側部領域を含むオーバーラップ領域を切り離して再使用することは積極的に開示されていない。
そこで、引用文献1のラベル付き包装体からオーバーラップ領域などを切り離す方法として、カッターのような切断具を用いて切り取ることも考えられるが、一般には、ラベルの基材に切取用補助線を形成しておけば、前記切断具を用いずにオーバーラップ領域を切り離すことができる。なお、切取用補助線としては、代表的には、ミシン目線が挙げられる。
【0005】
特許文献2には、第1側部領域に第2側部領域がオーバーラップするように巻付けラベルを容器に巻き付け、その第1側部領域と第2側部領域の間にRFIDが介装されたラベル付き包装体が開示されている。さらに、この巻付けラベルには、第1側部領域の上縁部に摘み代部が延設されている。そして、第1側部領域の両側及び第2側部領域の両側にそれぞれ左右一対のミシン目線が形成されており、この各領域の一対のミシン目線がそれぞれ重なるように、第1側部領域と第2側部領域をオーバーラップすることにより、引用文献2のラベル付き容器は構成されている。
特許文献2のラベル付き容器は、摘み代部を指で摘んで引き出すことにより、一対のミシン目線において切断できるので、第1側部領域と第2側部領域からなるオーバーラップ領域をラベルから切り離しながら商品から剥離することができる。
この特許文献2に開示された摘み代部やミシン目線を、特許文献1のラベル付き包装体に適用すれば、カッターなどの切断具を用いずに、所望の表示が印刷された第1側部領域を含むオーバーラップ領域を切り離し且つ剥離できるようになる。
【0006】
しかしながら、摘み代部を摘み、所望の表示が印刷された第1側部領域を含むオーバーラップ領域を商品から剥離すると、前記所望の表示が不鮮明になるという問題点がある。前記所望の表示の表示形態が2次元コードなどの光学的読取り表示である場合、これが不鮮明になると、リーダーでその情報を正確に読み取ることができないことがある。
さらに、引用文献2においては、第1側部領域に形成されたミシン目線と第2側部領域に形成されたミシン目線が重なるように位置合わせしている。このように第1及び第2側部領域の各ミシン目線が上下に重なっている場合、そのミシン目線に沿って基材が綺麗に切れないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−229926号公報
【特許文献2】特開2010−91614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、所望の表示が不鮮明にならないように、所望の表示が印刷されたオーバーラップ領域をラベルから切り取りながら商品から剥離できるラベル付き包装体及び巻付けラベルを提供することを第1の課題とする。
さらに、所望の表示が印刷されたオーバーラップ領域を、切取用補助線に沿って容易に且つ確実に切り取ることができるラベル付き包装体及び巻付けラベルを提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、オーバーラップ領域を剥離した後、それに印刷された所望の表示が不鮮明になる原因について鋭意研究した。
具体的には、オーバーラップ領域の裏面は、粘着剤を介して商品に貼付されているので、摘み代部を摘んでオーバーラップ領域を引き出すと、摘み代部の近傍に、この領域の粘着剤の面と容器とが剥がれ始める剥離点(実際には、剥離点は線状に延びている)が生じる。この剥離点がオーバーラップ領域の剥離方向に進行していくことによって、前記領域の剥離が進んでいく。この剥離進行中において、オーバーラップ領域の基材は、外側へ引っ張られている一方で粘着剤によって商品に貼り付いているので、剥離点において僅かに伸張する。この剥離点が進行すると、前記僅かに伸張した部分が元に戻る。このように剥離点の進行に伴い、前記基材の伸張と復元が繰り返されていく。所望の表示は、基材上に固着された所定色の薄いインキ固化層で構成されているため、インキ固化層も前記基材に追従して、僅かな伸張と復元を繰り返す。伸張したインキ固化層が復元する過程で、その一部が脱落し、その結果、所望の表示が不鮮明になると推定される。また、所望の表示は、2層以上のインキ固化層で構成される場合もあり、その場合には、外側のインキ固化層の一部が内側のインキ固化層の中に埋没したり、或いは、内側のインキ固化層の色素成分の一部が外側のインキ固化層に混じり、その結果、所望の表示が不鮮明になると推定される。
かかる知見の下、本発明者は、下記の手段によって上記課題を解決することを見出した。
【0010】
本発明のラベル付き包装体は、所望の表示が印刷された印刷領域を有する第1側部領域、中間領域、及び透光部を有する第2側部領域がこの順で一体的に連設された基材と、前記基材の裏面に設けられた粘着部と、を有するラベルと、前記印刷領域の表面を前記透光部にて覆い、前記第1側部領域の表面に第2側部領域を重ね合わせたオーバーラップ領域を形成するように前記ラベルが巻き付けられた商品と、を有し、前記第1側部領域の縁部に摘み代部が設けられ、前記摘み代部の裏面は、商品に対して接着しない摘み代非接着部とされており、前記オーバーラップ領域をラベルから切り取るため、前記摘み代部を挟んで一対の切取用補助線が形成されており、前記第1側部領域の裏面のうち印刷領域の一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部が設けられているラベル付き包装体を提供する。
【0011】
上記ラベル付き包装体は、摘み代部を摘んで引き出すと、第1切取用補助線及び第2切取用補助線において基材が切れていき、オーバーラップ領域をラベルから切り取り、容器から剥がすことができる。
前記第1側部領域のうち、容器に接着していない第1側部非接着部が設けられた範囲は、摘み代部を引張る力によって殆ど伸張せず、容器から簡単に離れる。従って、剥離が進行する過程で、第1側部非接着部が設けられた範囲は、伸張と復元を繰り返さず、オーバーラップ領域を切取り且つ剥離するときに、第1側部非接着部に対応する印刷領域に印刷された表示が不鮮明になることを防止できる。
【0012】
本発明の好ましいラベル付き包装体は、前記第1側部非接着部が、前記摘み代非接着部に連設されており、前記第1側部非接着部が、前記摘み代非接着部から離れるに従ってその面積が小さくなる部分を有する。
この好ましいラベル付き包装体は、第1側部非接着部が摘み代非接着部に連設されているので、摘み代部を摘んで引き出す当初における剥離抵抗が小さくなり、オーバーラップ領域を容器から剥離できる。
更に摘み代部を引き出していくと、第1側部領域と容器の剥離点が、摘み代部から離れる方向に進んでいく。上記好ましいラベル付き包装体は、第1側部非接着部が摘み代非接着部から離れるに従ってその面積が小さくなる部分を有するので、第1側部非接着部と粘着部の境界線が前記剥離点の進行方向に対して略直交せず、その境界線において急激に剥離し難くなることを防止できる。
【0013】
本発明の好ましいラベル付き包装体は、前記一対の切取用補助線のうちの一方が、前記第1側部領域と中間領域の間に形成された第1切取用補助線であり、且つ、前記一対の切取用補助線のうちの他方が、前記第2側部領域と中間領域の間に形成された第2切取用補助線であり、前記第2側部領域の側縁が、前記第1切取用補助線に一致又はその近傍に位置し、且つ、前記第1側部領域の側縁が、前記第2切取用補助線に一致又はその近傍に位置している。
上記好ましいラベル付き包装体は、第1切取用補助線及び第2切取用補助線に沿ってオーバーラップ領域をラベルから確実に切り取ることができ、さらに、第1切取用補助線及び第2切取用補助線に沿ってオーバーラップ領域をラベルから容易に切り取ることができる。
【0014】
本発明の別の局面によれば、巻付けラベルを提供する。
この巻付けラベルは、印刷領域を有する第1側部領域、中間領域、及び透光部を有する第2側部領域がこの順で一体的に連設された基材と、前記基材の裏面に設けられた粘着部と、を有し、前記基材には、前記第1側部領域と中間領域の間に第1切取用補助線が形成され且つ前記第2側部領域と中間領域の間に第2切取用補助線が形成されており、前記第1側部領域の縁部に摘み代部が設けられ、前記摘み代部の裏面は、商品に対して接着しない摘み代非接着部とされており、前記第1側部領域の裏面のうち印刷領域の一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部が設けられている。
好ましくは、前記第1側部領域の裏面のうち前記第1側部非接着部以外に、粘着部が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明のラベル付き包装体は、所望の表示が印刷されたオーバーラップ領域をラベルから切り取り且つ商品から剥離できる。オーバーラップ領域を剥離した後、その印刷領域に印刷された所望の表示は不鮮明にならず、人的及び機械的にその表示を読み取ることができる。
また、本発明の巻付けラベルは、上記ラベル付き包装体を構成するラベルとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のラベル付き包装体の正面図。
【図2】同左側面図。
【図3】図1のIII−III線で水平に切断した要部拡大断面図。
【図4】図1のIV−IV線で水平に切断した要部拡大断面図。
【図5】本発明の巻付けラベルの表面側から見た平面図。
【図6】同巻付けラベルの裏面側から見た背面図。
【図7】図5のVII−VII線断面図。
【図8】巻付けラベルの粘着部及び非接着部の形成方法の変形例を示す図5のVII−VII線と同様な箇所で切断した断面図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る巻付けラベルの平面図。
【図10】本発明の更なる他の実施形態に係る巻付けラベルの平面図。
【図11】本発明の他の実施形態に係るラベル付き包装体の断面図であって、図1のIV−IV線と同様な箇所で切断した断面図。
【図12】本発明の更なる他の実施形態に係る巻付けラベルの背面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、各図において、外部から見えなくなった部分を示すための隠れ線を細い破線で表し、この隠れ線と見分けるようにするため、切取用補助線を短い点線で表し、外部から見えなくたった切取用補助線を示すための隠れ線を細く且つ短い点線で表している。さらに、特定印刷領域を含む印刷領域が設けられた範囲を一点鎖線で表している。
なお、各領域に印刷された又は印刷され得る所望の表示及び既定の表示は、図示しない。
また、巻付けラベルの背面図において、粘着部が設けられた範囲を便宜上無数の点集合で表している。
【0018】
図1乃至図4に於いて、10は、商品2と、この商品2の周囲に巻き付けられた巻付けラベル1と、を有するラベル付き包装体を示す。
この巻付けラベル1は、その第1側部領域31の上に第2側部領域32を重ね合わして商品2に巻き付けられている。第1側部領域31と第2側部領域32が重ね合わされた2重部分をオーバーラップ領域11という。
オーバーラップ領域11において、第1側部領域31に設けられた印刷領域Aに印刷された所望の表示は、第2側部領域32に設けられた透光部によって覆われている。
以下、各構成部材について具体的に説明する。
【0019】
<商品について>
本発明のラベル付き包装体10は、任意の商品に巻き付けてラベル1を装着することにより得られる。
商品は、巻付けラベル1を装着できるものであれば特に限定されない。商品としては、医療品容器、化粧品容器、お菓子などの食品容器、飲料容器などの所望の物を入れた容器などが挙げられる。特に、商品の製造年月日、消費期限及び製造場所から選ばれる少なくとも1つの情報についての表示義務がある商品に本発明を適用することが好ましい。もっとも、前記製造年月日などの情報についての表示義務のない商品に本発明を適用してもよい。
【0020】
ここで、本明細書において、所望の表示とは、商品の製造時又は製造場所などに応じて変化する情報を含む表示をいう。所望の表示としては、例えば、製造年月日、消費期限、製造ロット、製造場所、商品名などのように、製造される商品の固有情報を含む表示などが挙げられる。所望の表示は、商品の製造年月日、消費期限及び製造場所から選ばれる少なくとも1つの情報を含む表示を含むことが好ましい。
所望の表示を印刷した巻付けラベル1を商品に装着することにより、その商品のトレーサビリティが可能となる。
【0021】
この所望の表示の表示形態は、その内容を人間が理解できるような文字や記号からなる人的読取り表示、及び、その内容を機械(リーダー)のみが光学的に読み取ることができる光学的読取り表示、の少なくとも何れか一方の表示形態を含む。光学的読取り表示は、代表的には、バーコードや2次元コードが挙げられる。
既定の表示とは、商品名、薬効成分、製造者名などの既定情報表示などが挙げられる。なお、実際の使用例にあっては、所望の表示と既定の表示の内容は、一部が一致する場合もある。例えば、既定の表示として印刷された商品名や製造者名等が、所望の表示として印刷領域Aに印刷される場合がある。
【0022】
商品が内容物を入れた容器である場合、容器2は、一般的に、載置するための底部21と、底部21の上方に一体的に形成された胴部22と、胴部22の上方に一体的に形成され且つ胴部22の外形よりも小径な外形を有する首部23と、首部23の上端部によって囲われた部分である開口部(図示せず)と、この開口部を開閉するための蓋部24と、を有する。以下、巻付けラベル1が装着される商品として容器2を用いた場合を中心に説明するが、本発明のラベル付き包装体の商品は、容器に限定されない。
なお、用いられる容器は、底部が載置できないような形状に形成されている容器、首部を有しない容器、蓋部が開閉可能に取り付けられていない容器などでもよい。
容器2が医療用容器である場合、その具体例としては、例えば、バイアル瓶、プレフィルドシリンジ、真空採血管、アンプルなどが挙げられる。なお、図示例は、バイアル瓶である。
【0023】
バイアル瓶のような容器は、略平坦状の(又はその中央部が上方に凹んだ底上げ型の)底部と、底部の上方に一体的に形成された略円筒状の胴部と、胴部の上方に一体的に形成され且つ胴部の直径よりも小さい直径の略円筒状であって上方に向かうに従って徐々に縮径している部分を有する首部と、首部の上端部によって囲われた部分である開口部と、この開口部を閉塞するために嵌着された蓋部と、を有する。バイアル瓶の収納部内には、内容物として医薬品が封入されている。
【0024】
容器2は、例えば、合成樹脂、ガラスなどで形成されている。医療用容器は、封入された医薬品を外部から透視できるようにすることが好ましいことから、透光性を有する材質で形成されている。もっとも、光劣化しうる医薬品を封入する場合には、医療用容器は、遮光性を有する材質で形成されていることが好ましい。
【0025】
<巻付けラベルについて>
図4乃至図7に示すように、巻付けラベル1は、大略して、ラベル1を構成する基材3と、その基材3の裏面に設けられた粘着部4と、を有する。
基材3は、印刷領域Aを有する第1側部領域31と、中間領域33と、透光部を有する第2側部領域32と、を有し、これらがこの順で一体的に連設されている。透光部は、透光性を有する部分である。
また、第1側部領域31の縁部には、上方に突出する舌状の摘み代部5が延設されている。この摘み代部5は、第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されており、摘み代部5の一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aに一致している。
なお、図示においては、摘み代部5は、第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されているが、これと反対に、摘み代部5は、第1側部領域31の下縁部31Lから下方に延設されていてもよい。摘み代部5が、第1側部領域31の下縁部31Lから下方に延設されている場合、それに応じて後述する第1側部非接着部31nも上下反対に設けられる。
【0026】
基材3の形状は特に限定されないが、通常、平面視略矩形状に形成される。基材3の横方向(巻き付けた際に容器の周方向)及び縦方向(前記横方向と基材の面内で直交する方向)の長さは、装着される容器2の形状に応じて適宜設計される。
本発明の巻付けラベル1は、容器2に巻き付けた際に、ラベル1の第1側部領域31の表面に第2側部領域32を重ね合わせて貼り付けるオーバーラップタイプのラベルである。このため、基材3の横方向の長さは、ラベル1を容器2の周囲に巻き付けた際に、第1側部領域31の印刷領域Aの表面を第2側部領域32の透光部にて覆い、且つ、第1側部領域31の表面に第2側部領域32が重なるような長さに設計する必要がある。好ましくは、基材3の横方向の長さは、ラベル1を容器2の周囲に巻き付けた際に、前記第1側部領域31の側縁31aが後述する第2切取用補助線62に一致若しくはその近傍に位置する、又は、第2側部領域32の側縁32aが後述する第1切取用補助線61に一致若しくはその近傍に位置するような長さに設定される。より好ましくは、基材3の横方向の長さは、ラベル1を容器2の周囲に巻き付けた際に、第1側部領域31の側縁31aが後述する第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し且つ第2側部領域32の側縁32aが後述する第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置するような長さに設定される。
【0027】
従って、基材3の横方向の長さは、容器2の胴部22の周長よりも長い。もっとも、余りに長いと、ラベル1が容器2に2重以上に巻き付く事態も生じるので、好ましくは、基材3の横方向の長さは、容器2の周長の1.1倍〜2.0倍程度、好ましくは同1.1倍〜1.5倍程度に設計される。
なお、基材3の横方向の長さは、第1側部領域31の側縁31aから第2側部領域32の側縁32aまでの長さをいう。
【0028】
基材3の材質は特に限定されないが、少なくとも第2側部領域32に透光部を設ける必要性があることから、透光性を有する合成樹脂シートを含むシートが好ましい。本実施形態では、基材3として、透光性を有する1枚の合成樹脂シートが用いられている。但し、基材3を2種のシートで構成することもできる。例えば、第2側部領域32の透光部を透光性を有する合成樹脂シートで構成し、基材3の他の領域を、紙、合成紙などの非透光性シートで構成することもできる。
【0029】
ここで、本明細書において透光性とは、光を通すことができる性質を言うが、特に、透光部における透光性とは、第2側部領域32の透光部の上から、少なくとも印刷領域Aに印刷された所望の表示を人及びリーダーが読み取ることができるように光を透過させることができる性質をいう。
透光部を構成する部材(例えば、上記透光性を有するシートなど)は、無色透明でもよいし、有色透明でもよいが、好ましくは無色透明である。透光部を構成する部材には、ラベル1を構成する基材3や粘着剤などが含まれる。無色透明な部材は、全可視光を透過させるものをいい、有色透明な部材は、可視光の一部の波長の光を吸収するものをいう。無色透明又は有色透明の何れの場合でも、部材の表面側から見て部材の裏面側に存する所望の表示を認識できる。
【0030】
透光性を有する合成樹脂シートの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、及び混合ポリマーなどが挙げられる。合成樹脂シートは、1層構造でもよいし、2層以上の積層構造でもよい。また、透光性を損ねない範囲で、合成樹脂シートに艶消し処理が施されていてもよい。艶消し処理としては、マット印刷が挙げられる。艶消し処理が施された合成樹脂シートは、その表面において光が散乱するので、印刷領域Aに光学的読取り表示を印刷した場合には、その表示をリーダーが誤って読み取ることを防止できる。
透光部又は透光性のシートからなる基材3の透光性の度合いは、好ましくはヘイズ値30%以下である。なお、ヘイズ値は、JIS K 7105に準じた方法で測定できる。
【0031】
基材3の裏面には、摘み代部5の裏面及び後述する第1側部非接着部31nを除いて、粘着部4が設けられている。従って、摘み代部5の裏面及び第1側部非接着部31nは、容器2に対して接着しない非接着部とされている。本明細書において、摘み代部5の非接着部を、摘み代非接着部5nという。
【0032】
粘着部4は、その表面において容器2に対して剥離可能に接着する部分である。
粘着部4及び非接着部5n,31nの形成方法は、従来公知の方法を採用できる。
1つの方法は、例えば、図7に示すように、摘み代部5の裏面及び第1側部非接着部31nの形成予定部分を除いて、基材3の裏面に粘着剤41を塗布する方法である。この方法によれば、粘着剤41の塗布部分が粘着部4となり、粘着剤41の非塗布部分が摘み代非接着部5n及び第1側部非接着部31nとなる。
他の方法は、例えば、図8に示すように、摘み代部5を含む基材3の裏面全体に粘着剤41を塗布し、摘み代部5の裏面及び第1側部非接着部31nの形成予定部分のみに、前記粘着剤41の粘着力を隠蔽するマスキング層42を積層する方法である。この方法によれば、粘着剤41の露出が粘着部4となり、マスキング層42が設けられた部分が摘み代非接着部5n及び第1側部非接着部31nとなる。
一般的には、後者の方法が採用される場合が多いが、図3及び図4においては、層構成の描写が簡易であるという理由から、前者の方法で粘着部4及び非接着部5n,31nを形成した場合を表している。
【0033】
上記粘着剤は、粘着力を以て物に貼付でき、物に貼付した後にその物と粘着剤の界面で剥離でき且つ再貼付可能なものであれば特に限定されない。粘着剤としては、感圧型粘着剤、感熱性粘着剤などが挙げられる。感圧型粘着剤は、常温で粘着性を示し且つその粘着力が持続するものであり、体表的には、剥離可能で且つ再貼付可能な粘着テープに用いられている粘着剤が例示できる。感熱性粘着剤は、常温で粘着性を示さず、所定温度(例えば、70℃〜120℃程度)に加熱することで粘着性を発現し、その粘着力が持続するものである。
第2側部領域32を第1側部領域31に重ね合わせた際に、第1側部領域31の印刷領域Aに施された所望の表示を透視できるようにするために、透光部としての透光性を有する粘着剤が用いられ、好ましくは、無色透明の粘着剤が用いられる。
【0034】
基材3の中間領域33は、容器2に直接に貼付される。この中間領域33には、既定の表示が印刷されている。この既定の表示は、ラベル1の製造時に中間領域33などに予め印刷されているものであり、例えば、フレキソ印刷、凸版輪転印刷、グラビア印刷法などの従来公知の印刷法によって印刷されている。
【0035】
第1側部領域31には、印刷領域Aが設けられている。この印刷領域Aは、文字や記号などの所望の表示を印刷できる部分である。この所望の表示は、巻付けラベル1の製造時には印刷されておらず、その製造後でラベル1を容器2に巻き付ける前に印刷領域Aに印刷される。従って、ラベル1の製造時には、印刷領域Aには所望の表示が印刷されていないが、所望の表示を印刷するための部分を残して印刷領域Aに既定の表示が印刷されていてもよい。
印刷領域Aの位置や面積は、適宜設計される。印刷領域Aは、第1側部領域31の略全体に設けられていてもよいし、その一部の範囲に設けられていてもよい。好ましくは印刷領域Aは、第1側部領域31の縁部(摘み代部5が延設された縁部)を含んだ範囲に設けられ、より好ましくは印刷領域Aは、第1側部領域31の略全体に設けられる。
【0036】
所望の表示を際立たせる又は良好にインキを塗着させるため、印刷領域Aを設ける範囲に対応する基材3の表面には、図7に示すように、下地層34が設けられていることが好ましい。下地層34としては、例えば、塗工料をベタ状に塗工したコート層;白色インキをベタ状に塗工した白色のインキ固化層、銀色インキをベタ状に塗工した銀色のインキ固化層などの単一色のインキ固化層;などが挙げられる。特に、所望の表示が光学的読取り表示を含む場合、この下地層が設けられていることによって、リーダーによる読み取りミスを防止できる。
もっとも、基材3の材質に応じて、所望の表示は、基材3の表面に直接印刷することもできる。それ故、第1側部領域31の表面に上記下地層34を設けずに、第1側部領域31の表面をそのまま印刷領域Aとすることもできる。
【0037】
第1側部領域31の裏面のうち、印刷領域Aの一部に対応する裏面には、粘着剤41が塗布されていない(又は塗布された粘着剤41の粘着力を隠蔽するマスキング層42が形成されている)。従って、印刷領域Aの一部に対応する裏面は、容器2に対して接着しない非接着部とされている。本明細書において、この非接着部を第1側部非接着部31nという。
【0038】
第1側部非接着部31nは、第1側部領域31の裏面全体には設けられておらず、第1側部領域31の裏面の一部分に設けられている。第1側部領域31の裏面全体が非接着部とされていると、巻付けラベル1を容器2に巻き付ける当初に、第1側部領域31を容器2に貼付できず、ラベル1の容器2に対する装着が極めて困難となる。
従って、第1側部領域31の裏面のうち印刷領域Aの一部に対応する裏面に、第1側部非接着部31nが設けられている。以下、第1側部非接着部31nが設けられた範囲に対応する印刷領域(つまり、前述の印刷領域Aの一部)を、特定印刷領域Bという場合がある。
【0039】
具体的には、上記第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nに連なって設けられており、摘み代部5の延出方向(本実施形態では上方)と反対方向(同下方)に拡がっている。また、第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nから離れるに従って第1側部非接着部31nの面積が小さくなっていく部分を有する。
より具体的には、第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nに連設されていると共に、摘み代部5の幅と略同幅で且つ第1側部領域31の側縁31aの上方部を含んで摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がる平面視略矩形状範囲Cと、この略矩形状範囲に連設され且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に向かうに従って小さくなる平面視略三角形状範囲Dと、からなる(図4参照)。
【0040】
第2側部領域32には、透光性を有する透光部が設けられている。透光部は、ラベル1を容器2に巻き付けた際、上記印刷領域Aに印刷された所望の表示を覆う部分である。巻付けラベル1は、第1側部領域31の表面に第2側部領域32が重なるように商品に巻き付けた際に、印刷領域Aの表面を透光部によって覆うことができるものである。
本実施形態では、基材3として透光性を有する合成樹脂シートを用いているので、第2側部領域32の全体が透光性を有する。透光部には、透光性を阻害するような文字や絵柄などの印刷が実質的に施されていないことが好ましい。
【0041】
さらに、基材3の面内には、基材3の上縁部31Tから下縁部31Lに延びる切取用補助線61,62が一対形成されている。切取用補助線61,62は、基材3を切り取り易くするため、基材3を分断する方向に延びる線であり、基材3を完全に切断した線ではない。
本実施形態では、第1側部領域31と中間領域33の間において縦方向に延び、好ましくは縦方向に平行に延びる切取用補助線61が形成されている。また、第2側部領域32と中間領域33の間において縦方向に平行に延び、好ましくは縦方向に平行に延びる切取用補助線62が形成されている。以下、第1側部領域31と中間領域33の間の切取用補助線を、第1切取用補助線61といい、第2側部領域32と中間領域33の間の切取用補助線を、第2切取用補助線62という。
【0042】
第1及び第2切取用補助線61,62としては、ミシン目線、ハーフカット線などが挙げられるが、切取用補助線に沿って基材3が切れやすいことから、ミシン目線が好ましい。
ミシン目線とは、ミシン針の縫い跡の如く基材3の表裏面に貫通する貫通孔部が一方向に断続的に形成された線を意味する。かかるミシン目線は、隣接する貫通孔部の間に、非貫通部(貫通処理のなされていない部分)が存在する。1つの貫通孔部の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(円形孔又は楕円形孔)などが挙げられる。前記ミシン目線の貫通孔部の長さは、例えば、0.3mm〜1.5mmであり、ミシン目線の非貫通部の長さは、例えば、0.3mm〜1.5mmである。
【0043】
<ラベル付き包装体及びその作製方法について>
上記巻付けラベル1を商品に装着してラベル付き包装体10を得る工程は、特開2008−229926号と略同じであるので、詳しくはその公報を参照されたい。
もっとも、本発明のラベル1と前記公報に開示のラベルとは異なっているため、本発明の巻付けラベル1に特有な事項を中心に、以下、本発明のラベル付き包装体10の作製方法を簡単に説明する。
【0044】
本発明の巻付けラベル1を製造した後、これを容器2の胴部に巻き付ける。本発明の巻付けラベル1も、上記公報に開示と同様に、通常、複数の巻付けラベル1が繋がり且つそれが長尺状の離型紙上に仮貼付されたラベル連続体の態様で提供される。この複数の巻付けラベル1は、印刷領域Aが未印刷な第1側部領域31と、既定の表示印刷済みの中間領域と、透光部を有する第2側部領域32と、を有する。
そして、巻付けラベル1を容器2に巻き付ける前に、第1側部領域31の印刷領域Aに、所望の表示を印刷する。印刷による表示は、通常、インキを印刷領域Aに固定することによって、その領域に形成されたインキ固化層から構成される。
【0045】
印刷領域Aに印刷される所望の表示の内容は、特に限定されないが、上述のように商品の製造年月日、消費期限及び製造場所から選ばれる少なくとも1つの情報を含む表示を含むことが好ましい。特に、特定印刷領域Bに印刷される表示の表示形態は、光学的読取り表示を含むことが好ましい。例えば、特定印刷領域Bに少なくとも光学的読取り表示を印刷し、特定印刷領域以外の印刷領域Aに人的読取り表示を印刷する。
光学的読取り表示は、情報内容をリーダーを用いて機械的に読み取ることができる表示であって、例えば、バーコードや2次元コードなどが挙げられる。2次元コードとしては、例えば、RSSコードなどのスタック式コード、QRコードなどのマトリックス式コードなどが挙げられる。
【0046】
本発明によれば、オーバーラップ領域11を剥離したときに、第1側部非接着部31nに対応する特定印刷領域Bに印刷された表示が不鮮明になることを防止できる。このため、この特定印刷領域Bに光学的読取り表示を印刷しておくことにより、リーダーがその表示を読み取ることができない又はその表示を誤って読み取ることを防止できる。
【0047】
印刷領域Aへの印刷方式は、商品の小ロット単位の製造にオンデマンド的に対応でき、且つ鮮明に印刷できることから、インクジェット式プリンター、熱転写型インクリボン式プリンター、レーザープリンターなどを用いることが好ましい。
【0048】
所望の表示は、商品の製造時又は製造場所などに応じて変化する情報を含むので、その印刷は、ラベル1を容器2に巻き付ける直前に行われることが好ましい。この直前とは、通常、機械的製造によって商品が製造される過程に於いて、ラベルの製造後で且つラベル1が巻き付けられる前の何れかの時点を意味する。例えば、(a)ラベル1の印刷領域Aに所望の表示を印刷したラベル1をラベラーに装填しておき、その後、内容物を封入して商品を製造し、この商品に前記印刷済みのラベル1を巻き付けてもよいし、(b)ラベル1をラベラーに装填し、印刷領域Aに所望の表示を印刷する工程と同時並行的に内容物を封入して商品を製造し、この商品に前記印刷済みのラベル1を巻き付けてもよいし、或いは、(c)内容物を封入して商品を製造した後、その製造ラインの下流側に設けられたラベラーを用いてラベル1の印刷領域Aに所望の表示を印刷し、それを商品に巻き付けてもよい。
【0049】
印刷済みの巻付けラベル1は、通常、ラベラーを用いて容器2に装着される。
まず、巻付けラベル1の第1側部領域31の裏面の一部分に設けられた粘着部4を、容器2の胴部に貼り付け、その容器2をその周方向に回転させる。これによって、巻付けラベル1の中間領域33が容器2の胴部に貼り付き、さらに、第2側部領域32の裏面全体に設けられた粘着部4が第1側部領域31の表面に貼り付く。
【0050】
得られたラベル付き包装体10は、図1乃至図4に示すように、容器2の胴部の周囲に、第1側部領域31及び中間領域33が粘着部4を介して直接貼り付けられ、この第1側部領域31の表面全体を覆って第2側部領域32が粘着部4を介して貼り付けられている。従って、ラベル付き包装体10には、第1側部領域31に第2側部領域32が重なった二重基材部分であるオーバーラップ領域11が形成されている。ただし、第1側部領域31の裏面のうち第1側部非接着部31nは容器2に接着していない。
【0051】
また、第2側部領域32の全体が粘着部4を介して第1側部領域31に貼付されているので、第1側部領域31の印刷領域Aに印刷された表示を、第2側部領域32によって保護できる。さらに、第2側部領域32の透光部が第1側部領域31の印刷領域Aの表面に重なっているので、印刷領域Aに印刷された表示を人間が視認でき、又、リーダーを用いてこの表示を読み取ることができる。
【0052】
上記ラベル付き包装体10においては、第1側部領域31の上縁部31Tに延設された摘み代部5が、重ねられた第2側部領域32によって覆われておらず、又、摘み代非接着部5nが設けられているので、摘み代部5は容器2に接着していない。また、摘み代部5は、容器2の首部23に対向して配置されている。従って、摘み代部5の端部と容器2の首部23の間には隙間が存在するので、摘み代部5を簡単に摘むことができる。
【0053】
上記ラベル付き包装体10においては、摘み代部5を挟んだ位置であってオーバーラップ領域11の両側に、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62がほぼ位置している。そして、第1側部領域31の側縁31aが、前記第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し、且つ、第2側部領域32の側縁32aが、前記第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置して、第1側部領域31と第2側部領域32が重ねられている。
【0054】
この第1側部領域31の側縁31aが、第2切取用補助線62の近傍に位置する場合とは、(a)第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62の近傍に位置し且つ第2切取用補助線62がオーバーラップ領域11に含まれていない場合、又は、(b)第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62の近傍に位置し且つ第2切取用補助線62がオーバーラップ領域11に含まれている場合の何れかであるが、その何れでもよい。前記(b)の場合には、第2切取用補助線62に第1側部領域31が僅かに重なるが、僅かに重なっていてもオーバーラップ領域11の切り取りにとって支障はない。
もっとも、前記(a)のように、第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62の近傍に位置し且つ第2切取用補助線62がオーバーラップ領域11に含まれていないことが好ましい。
【0055】
同様に、第2側部領域32の側縁32aが、前記第1切取用補助線61の近傍に位置する場合とは、(c)第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61の近傍に位置し且つ第1切取用補助線61がオーバーラップ領域11に含まれていない場合、又は、(d)第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61の近傍に位置し且つ第1切取用補助線61がオーバーラップ領域11に含まれている場合の何れかであるが、その何れでもよい。前記(d)の場合には、第1切取用補助線61に第2側部領域32が僅かに重なるが、僅かに重なっていてもオーバーラップ領域11の切り取りに支障はない。
もっとも、前記(c)のように、第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61の近傍に位置し且つ第1切取用補助線61がオーバーラップ領域11に含まれていないことが好ましい。
なお、前記近傍とは、例えば、第1側部領域31の側縁31aと第2切取用補助線62の間隔及び第2側部領域32の側縁32aと第1切取用補助線61の間隔が、2mm以下であり、好ましくは1mm以下である。
【0056】
本発明のラベル付き包装体10は、摘み代部5を摘んで引き出すと、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62において基材3が切れていき、オーバーラップ領域11をラベル1から切り取り、容器2から剥がすことができる。
第1側部領域31には容器2に接着していない第1側部非接着部31nが設けられている。このため、摘み代部5を引き出すと、第1側部領域31のうち、容器2に接着していない第1側部非接着部31nが設けられた範囲は、摘み代部5を引張る力と容器2との間で殆ど伸張せず、容器2から簡単に離れる。従って、剥離が進行する過程で、第1側部非接着部31nが設けられた範囲は、伸張と復元を繰り返さないので、第1側部非接着部31nに対応する印刷領域Aに印刷された表示が不鮮明にならない。
【0057】
また、第1側部非接着部31nは摘み代非接着部5nに連設されているので、摘み代部5を摘んで引き出す当初における剥離抵抗が小さく、容易にオーバーラップ領域11を容器2から剥離できる。
そして、摘み代部5を引き出していくと、第1側部領域31と容器2の剥離点が、摘み代部5から離れる方向(延出されている摘み代部5の場合には、この延出方向と反対方向)に進んでいく。その剥離点が、第1側部領域31の裏面のうち第1側部非接着部31nと粘着部4の境界線に至ると、粘着部4が容器2に貼り付いていることから、急激に剥離し難くなる。この点、第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nから離れるに従ってその面積が小さくなる部分を有するので、第1側部非接着部31nと粘着部4の境界線が前記剥離点の進行方向に対して略直交せず、その境界線において急激に剥離し難くなることを防止できる。
【0058】
また、上記ラベル付き包装体10においては、第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し且つ第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置しているので、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62に沿ってオーバーラップ領域11を中間領域33から確実に切り取ることができる。さらに、第1切取用補助線61上に第2側部領域32が重なっておらず且つ第1側部領域31の面内に第2切取用補助線62が重なっていないので、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62に沿ってオーバーラップ領域11を中間領域33から容易に切り取ることができる。
【0059】
<本発明の他の実施形態>
次に、本発明のラベル付き包装体又は巻付けラベルの他の実施形態を説明する。ただし、下記他の実施形態の説明に於いて、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記実施形態と同様の構成などについては、その説明を省略し、用語及び符号を援用する。
【0060】
上記実施形態の巻付けラベル1においては、摘み代部5の一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aに一致しているが、図9に示すように、摘み代部5が、第1側部領域31の側縁31aと第1切取用補助線61の中間における第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されていてもよい。この場合、第1側部非接着部31nは、図9に示すように、摘み代非接着部5nに連設されていると共に、摘み代部5の幅と略同幅で且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がるように設けられていることが好ましい。このように第1側部非接着部31nを設けることにより、第1側部領域31の側縁31aを含む側部31bの裏面には、上縁部31Tから下縁部31Lに亘って帯状の粘着部4が形成されるので、巻付けラベル1を容器2に巻き付ける当初に第1側部領域31の側部31bの全体を容器2に貼り付けることができる。
もっとも、第1側部非接着部31nは、第1側部領域31の側縁31aから摘み代部5の他方縁5bまでの幅と略同幅で且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がるように設けられていてもよい。
【0061】
また、図10に示すように、摘み代部5は、その一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aと第1切取用補助線61の間に位置し且つその他方縁5bが第1切取用補助線61に略一致するように、第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されていてもよい。この場合も、図9に示した第1側部非接着部31nと同様の理由から、第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nに連設されていると共に、摘み代部5の幅と略同幅で且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がるように設けられていることが好ましい。
【0062】
その他、摘み代部5の一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aと略一致し且つその他方縁5bが第1切取用補助線61に略一致するように、摘み代部5が第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されていてもよい。
また、第1側部非接着部31nが、第1側部領域31の側縁31aから第1切取用補助線61までの長さと略同幅で且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がるように設けられていてもよい。このような第1側部非接着部31nが設けられる場合であっても、摘み代部5は、その一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aと略一致し且つその他方縁5bが第1切取用補助線61に略一致するように延設されていてもよいし、或いは、図5、図9又は図10のように延設されていてもよい。
【0063】
さらに、上記実施形態のラベル付き包装体10は、第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し且つ第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置して、第2側部領域32が第1側部領域31に重ねられているが、これに限定されない。
例えば、図11に示すように、第2側部領域32の側部32bが第1切取用補助線61上を覆い且つ第2切取用補助線62が第1側部領域31の側部31b上に位置するように、第2側部領域32が第1側部領域31に重ねられていてもよい。この場合、第2側部領域32の側部の面内に、第1切取用補助線61上に一致する第3切取用補助線63を形成しておくことが好ましく、同様に、第1側部領域31の側部の面内に、第2切取用補助線62に一致する第4切取用補助線64を形成しておくことが好ましい。
【0064】
また、第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し且つ第2側部領域32の側部32bが第1切取用補助線61上を覆うように、第2側部領域32が第1側部領域31に重ねられていてもよい。或いは、第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置し且つ第2切取用補助線62が第1側部領域31の側部31b上に位置するように、第2側部領域32が第1側部領域31に重ねられていてもよい。
【0065】
また、上記実施形態の巻付けラベル1においては、中間領域33の裏面全体に粘着部4が設けられているが、例えば、図12に示すように、中間領域33の裏面のうち中央部を除いた裏面に、粘着部4が設けられていてもよい。中間領域33の粘着部4は、オーバーラップ領域11を切り取った後に、中間領域33が容器2から外れないような範囲に設けられていればよい。もっとも、摘み代部5を引き出したときに、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62に沿って切れ易くするため、中間領域33の粘着部4は、図12に示すように、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62を含む上下方向に延びる帯状範囲に少なくとも設けられていることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のラベル付き包装体は、医薬品、食品、化粧品類などの様々な商品の包装に利用できる。
【符号の説明】
【0067】
1…巻付けラベル、2…容器(商品)、3…基材、31…第1側部領域、31a…第1側部領域の側縁、31n…第1側部非接着部、32…第2側部領域、32a…第2側部領域の側縁、33…中間領域、4…粘着部、5…摘み代部、5n…摘み代非接着部、61…第1切取用補助線、62…第2切取用補助線、A…印刷領域、B…特定印刷領域、10…ラベル付き包装体
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品にラベルが巻き付けられたラベル付き包装体、及び巻付けラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、バイアル瓶、プレフィルドシリンジなどの医療用容器の周囲に、ラベルが巻き付けられたラベル付き包装体が広く用いられている。
巻付けラベルは、商品名、薬効成分、製造者名などの既定情報表示が予め印刷された基材を有し、該基材の裏面には、商品に貼付するための粘着剤が塗工されている。また、基材の表面には、ラベルを商品に巻き付ける直前に所望の表示を印刷するため、印刷領域が設けられている。前記所望の表示としては、製造年月日、消費期限、製造ロット、製造場所などのように、商品の製造時又は製造場所に応じて個々に決定される商品の固有情報表示などが挙げられる。固有情報表示を印刷した巻付けラベルを医療用容器に装着することにより、医薬品のトレーサビリティが可能となる。
【0003】
特許文献1には、基材の第1側部領域に印刷領域が設けられ且つ基材の第2側部領域に透光部が設けられた巻付けラベルの、前記印刷領域に固有情報表示などの所望の表示を印刷した後、第1側部領域の表面に第2側部領域がオーバーラップするように巻付けラベルを容器に巻き付けたラベル付き包装体が開示されている。
この包装体のラベルの使用方法として、前記所望の表示が施された第1側部領域又は該第1側部領域と第2側部領域とからなるオーバーラップ領域を切り離し、これを別途保管することが行われる。例えば、医療用容器については、前記固有情報表示を含む所望の表示が施された第1側部領域を切り離してこれをカルテに貼付しておくと、カルテに投薬履歴を簡単に記録できる。また、医薬品に起因する疾病が数年乃至数十年後に明らかになった場合でも、カルテに貼付した固有情報表示から医薬品のトレーサビリティを行うことが可能となる。
【0004】
この点、引用文献1には、ラベル付き包装体から、所望の表示が印刷された第1側部領域又は第1側部領域を含むオーバーラップ領域を切り離して再使用することは積極的に開示されていない。
そこで、引用文献1のラベル付き包装体からオーバーラップ領域などを切り離す方法として、カッターのような切断具を用いて切り取ることも考えられるが、一般には、ラベルの基材に切取用補助線を形成しておけば、前記切断具を用いずにオーバーラップ領域を切り離すことができる。なお、切取用補助線としては、代表的には、ミシン目線が挙げられる。
【0005】
特許文献2には、第1側部領域に第2側部領域がオーバーラップするように巻付けラベルを容器に巻き付け、その第1側部領域と第2側部領域の間にRFIDが介装されたラベル付き包装体が開示されている。さらに、この巻付けラベルには、第1側部領域の上縁部に摘み代部が延設されている。そして、第1側部領域の両側及び第2側部領域の両側にそれぞれ左右一対のミシン目線が形成されており、この各領域の一対のミシン目線がそれぞれ重なるように、第1側部領域と第2側部領域をオーバーラップすることにより、引用文献2のラベル付き容器は構成されている。
特許文献2のラベル付き容器は、摘み代部を指で摘んで引き出すことにより、一対のミシン目線において切断できるので、第1側部領域と第2側部領域からなるオーバーラップ領域をラベルから切り離しながら商品から剥離することができる。
この特許文献2に開示された摘み代部やミシン目線を、特許文献1のラベル付き包装体に適用すれば、カッターなどの切断具を用いずに、所望の表示が印刷された第1側部領域を含むオーバーラップ領域を切り離し且つ剥離できるようになる。
【0006】
しかしながら、摘み代部を摘み、所望の表示が印刷された第1側部領域を含むオーバーラップ領域を商品から剥離すると、前記所望の表示が不鮮明になるという問題点がある。前記所望の表示の表示形態が2次元コードなどの光学的読取り表示である場合、これが不鮮明になると、リーダーでその情報を正確に読み取ることができないことがある。
さらに、引用文献2においては、第1側部領域に形成されたミシン目線と第2側部領域に形成されたミシン目線が重なるように位置合わせしている。このように第1及び第2側部領域の各ミシン目線が上下に重なっている場合、そのミシン目線に沿って基材が綺麗に切れないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−229926号公報
【特許文献2】特開2010−91614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、所望の表示が不鮮明にならないように、所望の表示が印刷されたオーバーラップ領域をラベルから切り取りながら商品から剥離できるラベル付き包装体及び巻付けラベルを提供することを第1の課題とする。
さらに、所望の表示が印刷されたオーバーラップ領域を、切取用補助線に沿って容易に且つ確実に切り取ることができるラベル付き包装体及び巻付けラベルを提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、オーバーラップ領域を剥離した後、それに印刷された所望の表示が不鮮明になる原因について鋭意研究した。
具体的には、オーバーラップ領域の裏面は、粘着剤を介して商品に貼付されているので、摘み代部を摘んでオーバーラップ領域を引き出すと、摘み代部の近傍に、この領域の粘着剤の面と容器とが剥がれ始める剥離点(実際には、剥離点は線状に延びている)が生じる。この剥離点がオーバーラップ領域の剥離方向に進行していくことによって、前記領域の剥離が進んでいく。この剥離進行中において、オーバーラップ領域の基材は、外側へ引っ張られている一方で粘着剤によって商品に貼り付いているので、剥離点において僅かに伸張する。この剥離点が進行すると、前記僅かに伸張した部分が元に戻る。このように剥離点の進行に伴い、前記基材の伸張と復元が繰り返されていく。所望の表示は、基材上に固着された所定色の薄いインキ固化層で構成されているため、インキ固化層も前記基材に追従して、僅かな伸張と復元を繰り返す。伸張したインキ固化層が復元する過程で、その一部が脱落し、その結果、所望の表示が不鮮明になると推定される。また、所望の表示は、2層以上のインキ固化層で構成される場合もあり、その場合には、外側のインキ固化層の一部が内側のインキ固化層の中に埋没したり、或いは、内側のインキ固化層の色素成分の一部が外側のインキ固化層に混じり、その結果、所望の表示が不鮮明になると推定される。
かかる知見の下、本発明者は、下記の手段によって上記課題を解決することを見出した。
【0010】
本発明のラベル付き包装体は、所望の表示が印刷された印刷領域を有する第1側部領域、中間領域、及び透光部を有する第2側部領域がこの順で一体的に連設された基材と、前記基材の裏面に設けられた粘着部と、を有するラベルと、前記印刷領域の表面を前記透光部にて覆い、前記第1側部領域の表面に第2側部領域を重ね合わせたオーバーラップ領域を形成するように前記ラベルが巻き付けられた商品と、を有し、前記第1側部領域の縁部に摘み代部が設けられ、前記摘み代部の裏面は、商品に対して接着しない摘み代非接着部とされており、前記オーバーラップ領域をラベルから切り取るため、前記摘み代部を挟んで一対の切取用補助線が形成されており、前記第1側部領域の裏面のうち印刷領域の一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部が設けられているラベル付き包装体を提供する。
【0011】
上記ラベル付き包装体は、摘み代部を摘んで引き出すと、第1切取用補助線及び第2切取用補助線において基材が切れていき、オーバーラップ領域をラベルから切り取り、容器から剥がすことができる。
前記第1側部領域のうち、容器に接着していない第1側部非接着部が設けられた範囲は、摘み代部を引張る力によって殆ど伸張せず、容器から簡単に離れる。従って、剥離が進行する過程で、第1側部非接着部が設けられた範囲は、伸張と復元を繰り返さず、オーバーラップ領域を切取り且つ剥離するときに、第1側部非接着部に対応する印刷領域に印刷された表示が不鮮明になることを防止できる。
【0012】
本発明の好ましいラベル付き包装体は、前記第1側部非接着部が、前記摘み代非接着部に連設されており、前記第1側部非接着部が、前記摘み代非接着部から離れるに従ってその面積が小さくなる部分を有する。
この好ましいラベル付き包装体は、第1側部非接着部が摘み代非接着部に連設されているので、摘み代部を摘んで引き出す当初における剥離抵抗が小さくなり、オーバーラップ領域を容器から剥離できる。
更に摘み代部を引き出していくと、第1側部領域と容器の剥離点が、摘み代部から離れる方向に進んでいく。上記好ましいラベル付き包装体は、第1側部非接着部が摘み代非接着部から離れるに従ってその面積が小さくなる部分を有するので、第1側部非接着部と粘着部の境界線が前記剥離点の進行方向に対して略直交せず、その境界線において急激に剥離し難くなることを防止できる。
【0013】
本発明の好ましいラベル付き包装体は、前記一対の切取用補助線のうちの一方が、前記第1側部領域と中間領域の間に形成された第1切取用補助線であり、且つ、前記一対の切取用補助線のうちの他方が、前記第2側部領域と中間領域の間に形成された第2切取用補助線であり、前記第2側部領域の側縁が、前記第1切取用補助線に一致又はその近傍に位置し、且つ、前記第1側部領域の側縁が、前記第2切取用補助線に一致又はその近傍に位置している。
上記好ましいラベル付き包装体は、第1切取用補助線及び第2切取用補助線に沿ってオーバーラップ領域をラベルから確実に切り取ることができ、さらに、第1切取用補助線及び第2切取用補助線に沿ってオーバーラップ領域をラベルから容易に切り取ることができる。
【0014】
本発明の別の局面によれば、巻付けラベルを提供する。
この巻付けラベルは、印刷領域を有する第1側部領域、中間領域、及び透光部を有する第2側部領域がこの順で一体的に連設された基材と、前記基材の裏面に設けられた粘着部と、を有し、前記基材には、前記第1側部領域と中間領域の間に第1切取用補助線が形成され且つ前記第2側部領域と中間領域の間に第2切取用補助線が形成されており、前記第1側部領域の縁部に摘み代部が設けられ、前記摘み代部の裏面は、商品に対して接着しない摘み代非接着部とされており、前記第1側部領域の裏面のうち印刷領域の一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部が設けられている。
好ましくは、前記第1側部領域の裏面のうち前記第1側部非接着部以外に、粘着部が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明のラベル付き包装体は、所望の表示が印刷されたオーバーラップ領域をラベルから切り取り且つ商品から剥離できる。オーバーラップ領域を剥離した後、その印刷領域に印刷された所望の表示は不鮮明にならず、人的及び機械的にその表示を読み取ることができる。
また、本発明の巻付けラベルは、上記ラベル付き包装体を構成するラベルとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のラベル付き包装体の正面図。
【図2】同左側面図。
【図3】図1のIII−III線で水平に切断した要部拡大断面図。
【図4】図1のIV−IV線で水平に切断した要部拡大断面図。
【図5】本発明の巻付けラベルの表面側から見た平面図。
【図6】同巻付けラベルの裏面側から見た背面図。
【図7】図5のVII−VII線断面図。
【図8】巻付けラベルの粘着部及び非接着部の形成方法の変形例を示す図5のVII−VII線と同様な箇所で切断した断面図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る巻付けラベルの平面図。
【図10】本発明の更なる他の実施形態に係る巻付けラベルの平面図。
【図11】本発明の他の実施形態に係るラベル付き包装体の断面図であって、図1のIV−IV線と同様な箇所で切断した断面図。
【図12】本発明の更なる他の実施形態に係る巻付けラベルの背面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、各図において、外部から見えなくなった部分を示すための隠れ線を細い破線で表し、この隠れ線と見分けるようにするため、切取用補助線を短い点線で表し、外部から見えなくたった切取用補助線を示すための隠れ線を細く且つ短い点線で表している。さらに、特定印刷領域を含む印刷領域が設けられた範囲を一点鎖線で表している。
なお、各領域に印刷された又は印刷され得る所望の表示及び既定の表示は、図示しない。
また、巻付けラベルの背面図において、粘着部が設けられた範囲を便宜上無数の点集合で表している。
【0018】
図1乃至図4に於いて、10は、商品2と、この商品2の周囲に巻き付けられた巻付けラベル1と、を有するラベル付き包装体を示す。
この巻付けラベル1は、その第1側部領域31の上に第2側部領域32を重ね合わして商品2に巻き付けられている。第1側部領域31と第2側部領域32が重ね合わされた2重部分をオーバーラップ領域11という。
オーバーラップ領域11において、第1側部領域31に設けられた印刷領域Aに印刷された所望の表示は、第2側部領域32に設けられた透光部によって覆われている。
以下、各構成部材について具体的に説明する。
【0019】
<商品について>
本発明のラベル付き包装体10は、任意の商品に巻き付けてラベル1を装着することにより得られる。
商品は、巻付けラベル1を装着できるものであれば特に限定されない。商品としては、医療品容器、化粧品容器、お菓子などの食品容器、飲料容器などの所望の物を入れた容器などが挙げられる。特に、商品の製造年月日、消費期限及び製造場所から選ばれる少なくとも1つの情報についての表示義務がある商品に本発明を適用することが好ましい。もっとも、前記製造年月日などの情報についての表示義務のない商品に本発明を適用してもよい。
【0020】
ここで、本明細書において、所望の表示とは、商品の製造時又は製造場所などに応じて変化する情報を含む表示をいう。所望の表示としては、例えば、製造年月日、消費期限、製造ロット、製造場所、商品名などのように、製造される商品の固有情報を含む表示などが挙げられる。所望の表示は、商品の製造年月日、消費期限及び製造場所から選ばれる少なくとも1つの情報を含む表示を含むことが好ましい。
所望の表示を印刷した巻付けラベル1を商品に装着することにより、その商品のトレーサビリティが可能となる。
【0021】
この所望の表示の表示形態は、その内容を人間が理解できるような文字や記号からなる人的読取り表示、及び、その内容を機械(リーダー)のみが光学的に読み取ることができる光学的読取り表示、の少なくとも何れか一方の表示形態を含む。光学的読取り表示は、代表的には、バーコードや2次元コードが挙げられる。
既定の表示とは、商品名、薬効成分、製造者名などの既定情報表示などが挙げられる。なお、実際の使用例にあっては、所望の表示と既定の表示の内容は、一部が一致する場合もある。例えば、既定の表示として印刷された商品名や製造者名等が、所望の表示として印刷領域Aに印刷される場合がある。
【0022】
商品が内容物を入れた容器である場合、容器2は、一般的に、載置するための底部21と、底部21の上方に一体的に形成された胴部22と、胴部22の上方に一体的に形成され且つ胴部22の外形よりも小径な外形を有する首部23と、首部23の上端部によって囲われた部分である開口部(図示せず)と、この開口部を開閉するための蓋部24と、を有する。以下、巻付けラベル1が装着される商品として容器2を用いた場合を中心に説明するが、本発明のラベル付き包装体の商品は、容器に限定されない。
なお、用いられる容器は、底部が載置できないような形状に形成されている容器、首部を有しない容器、蓋部が開閉可能に取り付けられていない容器などでもよい。
容器2が医療用容器である場合、その具体例としては、例えば、バイアル瓶、プレフィルドシリンジ、真空採血管、アンプルなどが挙げられる。なお、図示例は、バイアル瓶である。
【0023】
バイアル瓶のような容器は、略平坦状の(又はその中央部が上方に凹んだ底上げ型の)底部と、底部の上方に一体的に形成された略円筒状の胴部と、胴部の上方に一体的に形成され且つ胴部の直径よりも小さい直径の略円筒状であって上方に向かうに従って徐々に縮径している部分を有する首部と、首部の上端部によって囲われた部分である開口部と、この開口部を閉塞するために嵌着された蓋部と、を有する。バイアル瓶の収納部内には、内容物として医薬品が封入されている。
【0024】
容器2は、例えば、合成樹脂、ガラスなどで形成されている。医療用容器は、封入された医薬品を外部から透視できるようにすることが好ましいことから、透光性を有する材質で形成されている。もっとも、光劣化しうる医薬品を封入する場合には、医療用容器は、遮光性を有する材質で形成されていることが好ましい。
【0025】
<巻付けラベルについて>
図4乃至図7に示すように、巻付けラベル1は、大略して、ラベル1を構成する基材3と、その基材3の裏面に設けられた粘着部4と、を有する。
基材3は、印刷領域Aを有する第1側部領域31と、中間領域33と、透光部を有する第2側部領域32と、を有し、これらがこの順で一体的に連設されている。透光部は、透光性を有する部分である。
また、第1側部領域31の縁部には、上方に突出する舌状の摘み代部5が延設されている。この摘み代部5は、第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されており、摘み代部5の一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aに一致している。
なお、図示においては、摘み代部5は、第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されているが、これと反対に、摘み代部5は、第1側部領域31の下縁部31Lから下方に延設されていてもよい。摘み代部5が、第1側部領域31の下縁部31Lから下方に延設されている場合、それに応じて後述する第1側部非接着部31nも上下反対に設けられる。
【0026】
基材3の形状は特に限定されないが、通常、平面視略矩形状に形成される。基材3の横方向(巻き付けた際に容器の周方向)及び縦方向(前記横方向と基材の面内で直交する方向)の長さは、装着される容器2の形状に応じて適宜設計される。
本発明の巻付けラベル1は、容器2に巻き付けた際に、ラベル1の第1側部領域31の表面に第2側部領域32を重ね合わせて貼り付けるオーバーラップタイプのラベルである。このため、基材3の横方向の長さは、ラベル1を容器2の周囲に巻き付けた際に、第1側部領域31の印刷領域Aの表面を第2側部領域32の透光部にて覆い、且つ、第1側部領域31の表面に第2側部領域32が重なるような長さに設計する必要がある。好ましくは、基材3の横方向の長さは、ラベル1を容器2の周囲に巻き付けた際に、前記第1側部領域31の側縁31aが後述する第2切取用補助線62に一致若しくはその近傍に位置する、又は、第2側部領域32の側縁32aが後述する第1切取用補助線61に一致若しくはその近傍に位置するような長さに設定される。より好ましくは、基材3の横方向の長さは、ラベル1を容器2の周囲に巻き付けた際に、第1側部領域31の側縁31aが後述する第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し且つ第2側部領域32の側縁32aが後述する第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置するような長さに設定される。
【0027】
従って、基材3の横方向の長さは、容器2の胴部22の周長よりも長い。もっとも、余りに長いと、ラベル1が容器2に2重以上に巻き付く事態も生じるので、好ましくは、基材3の横方向の長さは、容器2の周長の1.1倍〜2.0倍程度、好ましくは同1.1倍〜1.5倍程度に設計される。
なお、基材3の横方向の長さは、第1側部領域31の側縁31aから第2側部領域32の側縁32aまでの長さをいう。
【0028】
基材3の材質は特に限定されないが、少なくとも第2側部領域32に透光部を設ける必要性があることから、透光性を有する合成樹脂シートを含むシートが好ましい。本実施形態では、基材3として、透光性を有する1枚の合成樹脂シートが用いられている。但し、基材3を2種のシートで構成することもできる。例えば、第2側部領域32の透光部を透光性を有する合成樹脂シートで構成し、基材3の他の領域を、紙、合成紙などの非透光性シートで構成することもできる。
【0029】
ここで、本明細書において透光性とは、光を通すことができる性質を言うが、特に、透光部における透光性とは、第2側部領域32の透光部の上から、少なくとも印刷領域Aに印刷された所望の表示を人及びリーダーが読み取ることができるように光を透過させることができる性質をいう。
透光部を構成する部材(例えば、上記透光性を有するシートなど)は、無色透明でもよいし、有色透明でもよいが、好ましくは無色透明である。透光部を構成する部材には、ラベル1を構成する基材3や粘着剤などが含まれる。無色透明な部材は、全可視光を透過させるものをいい、有色透明な部材は、可視光の一部の波長の光を吸収するものをいう。無色透明又は有色透明の何れの場合でも、部材の表面側から見て部材の裏面側に存する所望の表示を認識できる。
【0030】
透光性を有する合成樹脂シートの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、及び混合ポリマーなどが挙げられる。合成樹脂シートは、1層構造でもよいし、2層以上の積層構造でもよい。また、透光性を損ねない範囲で、合成樹脂シートに艶消し処理が施されていてもよい。艶消し処理としては、マット印刷が挙げられる。艶消し処理が施された合成樹脂シートは、その表面において光が散乱するので、印刷領域Aに光学的読取り表示を印刷した場合には、その表示をリーダーが誤って読み取ることを防止できる。
透光部又は透光性のシートからなる基材3の透光性の度合いは、好ましくはヘイズ値30%以下である。なお、ヘイズ値は、JIS K 7105に準じた方法で測定できる。
【0031】
基材3の裏面には、摘み代部5の裏面及び後述する第1側部非接着部31nを除いて、粘着部4が設けられている。従って、摘み代部5の裏面及び第1側部非接着部31nは、容器2に対して接着しない非接着部とされている。本明細書において、摘み代部5の非接着部を、摘み代非接着部5nという。
【0032】
粘着部4は、その表面において容器2に対して剥離可能に接着する部分である。
粘着部4及び非接着部5n,31nの形成方法は、従来公知の方法を採用できる。
1つの方法は、例えば、図7に示すように、摘み代部5の裏面及び第1側部非接着部31nの形成予定部分を除いて、基材3の裏面に粘着剤41を塗布する方法である。この方法によれば、粘着剤41の塗布部分が粘着部4となり、粘着剤41の非塗布部分が摘み代非接着部5n及び第1側部非接着部31nとなる。
他の方法は、例えば、図8に示すように、摘み代部5を含む基材3の裏面全体に粘着剤41を塗布し、摘み代部5の裏面及び第1側部非接着部31nの形成予定部分のみに、前記粘着剤41の粘着力を隠蔽するマスキング層42を積層する方法である。この方法によれば、粘着剤41の露出が粘着部4となり、マスキング層42が設けられた部分が摘み代非接着部5n及び第1側部非接着部31nとなる。
一般的には、後者の方法が採用される場合が多いが、図3及び図4においては、層構成の描写が簡易であるという理由から、前者の方法で粘着部4及び非接着部5n,31nを形成した場合を表している。
【0033】
上記粘着剤は、粘着力を以て物に貼付でき、物に貼付した後にその物と粘着剤の界面で剥離でき且つ再貼付可能なものであれば特に限定されない。粘着剤としては、感圧型粘着剤、感熱性粘着剤などが挙げられる。感圧型粘着剤は、常温で粘着性を示し且つその粘着力が持続するものであり、体表的には、剥離可能で且つ再貼付可能な粘着テープに用いられている粘着剤が例示できる。感熱性粘着剤は、常温で粘着性を示さず、所定温度(例えば、70℃〜120℃程度)に加熱することで粘着性を発現し、その粘着力が持続するものである。
第2側部領域32を第1側部領域31に重ね合わせた際に、第1側部領域31の印刷領域Aに施された所望の表示を透視できるようにするために、透光部としての透光性を有する粘着剤が用いられ、好ましくは、無色透明の粘着剤が用いられる。
【0034】
基材3の中間領域33は、容器2に直接に貼付される。この中間領域33には、既定の表示が印刷されている。この既定の表示は、ラベル1の製造時に中間領域33などに予め印刷されているものであり、例えば、フレキソ印刷、凸版輪転印刷、グラビア印刷法などの従来公知の印刷法によって印刷されている。
【0035】
第1側部領域31には、印刷領域Aが設けられている。この印刷領域Aは、文字や記号などの所望の表示を印刷できる部分である。この所望の表示は、巻付けラベル1の製造時には印刷されておらず、その製造後でラベル1を容器2に巻き付ける前に印刷領域Aに印刷される。従って、ラベル1の製造時には、印刷領域Aには所望の表示が印刷されていないが、所望の表示を印刷するための部分を残して印刷領域Aに既定の表示が印刷されていてもよい。
印刷領域Aの位置や面積は、適宜設計される。印刷領域Aは、第1側部領域31の略全体に設けられていてもよいし、その一部の範囲に設けられていてもよい。好ましくは印刷領域Aは、第1側部領域31の縁部(摘み代部5が延設された縁部)を含んだ範囲に設けられ、より好ましくは印刷領域Aは、第1側部領域31の略全体に設けられる。
【0036】
所望の表示を際立たせる又は良好にインキを塗着させるため、印刷領域Aを設ける範囲に対応する基材3の表面には、図7に示すように、下地層34が設けられていることが好ましい。下地層34としては、例えば、塗工料をベタ状に塗工したコート層;白色インキをベタ状に塗工した白色のインキ固化層、銀色インキをベタ状に塗工した銀色のインキ固化層などの単一色のインキ固化層;などが挙げられる。特に、所望の表示が光学的読取り表示を含む場合、この下地層が設けられていることによって、リーダーによる読み取りミスを防止できる。
もっとも、基材3の材質に応じて、所望の表示は、基材3の表面に直接印刷することもできる。それ故、第1側部領域31の表面に上記下地層34を設けずに、第1側部領域31の表面をそのまま印刷領域Aとすることもできる。
【0037】
第1側部領域31の裏面のうち、印刷領域Aの一部に対応する裏面には、粘着剤41が塗布されていない(又は塗布された粘着剤41の粘着力を隠蔽するマスキング層42が形成されている)。従って、印刷領域Aの一部に対応する裏面は、容器2に対して接着しない非接着部とされている。本明細書において、この非接着部を第1側部非接着部31nという。
【0038】
第1側部非接着部31nは、第1側部領域31の裏面全体には設けられておらず、第1側部領域31の裏面の一部分に設けられている。第1側部領域31の裏面全体が非接着部とされていると、巻付けラベル1を容器2に巻き付ける当初に、第1側部領域31を容器2に貼付できず、ラベル1の容器2に対する装着が極めて困難となる。
従って、第1側部領域31の裏面のうち印刷領域Aの一部に対応する裏面に、第1側部非接着部31nが設けられている。以下、第1側部非接着部31nが設けられた範囲に対応する印刷領域(つまり、前述の印刷領域Aの一部)を、特定印刷領域Bという場合がある。
【0039】
具体的には、上記第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nに連なって設けられており、摘み代部5の延出方向(本実施形態では上方)と反対方向(同下方)に拡がっている。また、第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nから離れるに従って第1側部非接着部31nの面積が小さくなっていく部分を有する。
より具体的には、第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nに連設されていると共に、摘み代部5の幅と略同幅で且つ第1側部領域31の側縁31aの上方部を含んで摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がる平面視略矩形状範囲Cと、この略矩形状範囲に連設され且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に向かうに従って小さくなる平面視略三角形状範囲Dと、からなる(図4参照)。
【0040】
第2側部領域32には、透光性を有する透光部が設けられている。透光部は、ラベル1を容器2に巻き付けた際、上記印刷領域Aに印刷された所望の表示を覆う部分である。巻付けラベル1は、第1側部領域31の表面に第2側部領域32が重なるように商品に巻き付けた際に、印刷領域Aの表面を透光部によって覆うことができるものである。
本実施形態では、基材3として透光性を有する合成樹脂シートを用いているので、第2側部領域32の全体が透光性を有する。透光部には、透光性を阻害するような文字や絵柄などの印刷が実質的に施されていないことが好ましい。
【0041】
さらに、基材3の面内には、基材3の上縁部31Tから下縁部31Lに延びる切取用補助線61,62が一対形成されている。切取用補助線61,62は、基材3を切り取り易くするため、基材3を分断する方向に延びる線であり、基材3を完全に切断した線ではない。
本実施形態では、第1側部領域31と中間領域33の間において縦方向に延び、好ましくは縦方向に平行に延びる切取用補助線61が形成されている。また、第2側部領域32と中間領域33の間において縦方向に平行に延び、好ましくは縦方向に平行に延びる切取用補助線62が形成されている。以下、第1側部領域31と中間領域33の間の切取用補助線を、第1切取用補助線61といい、第2側部領域32と中間領域33の間の切取用補助線を、第2切取用補助線62という。
【0042】
第1及び第2切取用補助線61,62としては、ミシン目線、ハーフカット線などが挙げられるが、切取用補助線に沿って基材3が切れやすいことから、ミシン目線が好ましい。
ミシン目線とは、ミシン針の縫い跡の如く基材3の表裏面に貫通する貫通孔部が一方向に断続的に形成された線を意味する。かかるミシン目線は、隣接する貫通孔部の間に、非貫通部(貫通処理のなされていない部分)が存在する。1つの貫通孔部の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(円形孔又は楕円形孔)などが挙げられる。前記ミシン目線の貫通孔部の長さは、例えば、0.3mm〜1.5mmであり、ミシン目線の非貫通部の長さは、例えば、0.3mm〜1.5mmである。
【0043】
<ラベル付き包装体及びその作製方法について>
上記巻付けラベル1を商品に装着してラベル付き包装体10を得る工程は、特開2008−229926号と略同じであるので、詳しくはその公報を参照されたい。
もっとも、本発明のラベル1と前記公報に開示のラベルとは異なっているため、本発明の巻付けラベル1に特有な事項を中心に、以下、本発明のラベル付き包装体10の作製方法を簡単に説明する。
【0044】
本発明の巻付けラベル1を製造した後、これを容器2の胴部に巻き付ける。本発明の巻付けラベル1も、上記公報に開示と同様に、通常、複数の巻付けラベル1が繋がり且つそれが長尺状の離型紙上に仮貼付されたラベル連続体の態様で提供される。この複数の巻付けラベル1は、印刷領域Aが未印刷な第1側部領域31と、既定の表示印刷済みの中間領域と、透光部を有する第2側部領域32と、を有する。
そして、巻付けラベル1を容器2に巻き付ける前に、第1側部領域31の印刷領域Aに、所望の表示を印刷する。印刷による表示は、通常、インキを印刷領域Aに固定することによって、その領域に形成されたインキ固化層から構成される。
【0045】
印刷領域Aに印刷される所望の表示の内容は、特に限定されないが、上述のように商品の製造年月日、消費期限及び製造場所から選ばれる少なくとも1つの情報を含む表示を含むことが好ましい。特に、特定印刷領域Bに印刷される表示の表示形態は、光学的読取り表示を含むことが好ましい。例えば、特定印刷領域Bに少なくとも光学的読取り表示を印刷し、特定印刷領域以外の印刷領域Aに人的読取り表示を印刷する。
光学的読取り表示は、情報内容をリーダーを用いて機械的に読み取ることができる表示であって、例えば、バーコードや2次元コードなどが挙げられる。2次元コードとしては、例えば、RSSコードなどのスタック式コード、QRコードなどのマトリックス式コードなどが挙げられる。
【0046】
本発明によれば、オーバーラップ領域11を剥離したときに、第1側部非接着部31nに対応する特定印刷領域Bに印刷された表示が不鮮明になることを防止できる。このため、この特定印刷領域Bに光学的読取り表示を印刷しておくことにより、リーダーがその表示を読み取ることができない又はその表示を誤って読み取ることを防止できる。
【0047】
印刷領域Aへの印刷方式は、商品の小ロット単位の製造にオンデマンド的に対応でき、且つ鮮明に印刷できることから、インクジェット式プリンター、熱転写型インクリボン式プリンター、レーザープリンターなどを用いることが好ましい。
【0048】
所望の表示は、商品の製造時又は製造場所などに応じて変化する情報を含むので、その印刷は、ラベル1を容器2に巻き付ける直前に行われることが好ましい。この直前とは、通常、機械的製造によって商品が製造される過程に於いて、ラベルの製造後で且つラベル1が巻き付けられる前の何れかの時点を意味する。例えば、(a)ラベル1の印刷領域Aに所望の表示を印刷したラベル1をラベラーに装填しておき、その後、内容物を封入して商品を製造し、この商品に前記印刷済みのラベル1を巻き付けてもよいし、(b)ラベル1をラベラーに装填し、印刷領域Aに所望の表示を印刷する工程と同時並行的に内容物を封入して商品を製造し、この商品に前記印刷済みのラベル1を巻き付けてもよいし、或いは、(c)内容物を封入して商品を製造した後、その製造ラインの下流側に設けられたラベラーを用いてラベル1の印刷領域Aに所望の表示を印刷し、それを商品に巻き付けてもよい。
【0049】
印刷済みの巻付けラベル1は、通常、ラベラーを用いて容器2に装着される。
まず、巻付けラベル1の第1側部領域31の裏面の一部分に設けられた粘着部4を、容器2の胴部に貼り付け、その容器2をその周方向に回転させる。これによって、巻付けラベル1の中間領域33が容器2の胴部に貼り付き、さらに、第2側部領域32の裏面全体に設けられた粘着部4が第1側部領域31の表面に貼り付く。
【0050】
得られたラベル付き包装体10は、図1乃至図4に示すように、容器2の胴部の周囲に、第1側部領域31及び中間領域33が粘着部4を介して直接貼り付けられ、この第1側部領域31の表面全体を覆って第2側部領域32が粘着部4を介して貼り付けられている。従って、ラベル付き包装体10には、第1側部領域31に第2側部領域32が重なった二重基材部分であるオーバーラップ領域11が形成されている。ただし、第1側部領域31の裏面のうち第1側部非接着部31nは容器2に接着していない。
【0051】
また、第2側部領域32の全体が粘着部4を介して第1側部領域31に貼付されているので、第1側部領域31の印刷領域Aに印刷された表示を、第2側部領域32によって保護できる。さらに、第2側部領域32の透光部が第1側部領域31の印刷領域Aの表面に重なっているので、印刷領域Aに印刷された表示を人間が視認でき、又、リーダーを用いてこの表示を読み取ることができる。
【0052】
上記ラベル付き包装体10においては、第1側部領域31の上縁部31Tに延設された摘み代部5が、重ねられた第2側部領域32によって覆われておらず、又、摘み代非接着部5nが設けられているので、摘み代部5は容器2に接着していない。また、摘み代部5は、容器2の首部23に対向して配置されている。従って、摘み代部5の端部と容器2の首部23の間には隙間が存在するので、摘み代部5を簡単に摘むことができる。
【0053】
上記ラベル付き包装体10においては、摘み代部5を挟んだ位置であってオーバーラップ領域11の両側に、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62がほぼ位置している。そして、第1側部領域31の側縁31aが、前記第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し、且つ、第2側部領域32の側縁32aが、前記第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置して、第1側部領域31と第2側部領域32が重ねられている。
【0054】
この第1側部領域31の側縁31aが、第2切取用補助線62の近傍に位置する場合とは、(a)第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62の近傍に位置し且つ第2切取用補助線62がオーバーラップ領域11に含まれていない場合、又は、(b)第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62の近傍に位置し且つ第2切取用補助線62がオーバーラップ領域11に含まれている場合の何れかであるが、その何れでもよい。前記(b)の場合には、第2切取用補助線62に第1側部領域31が僅かに重なるが、僅かに重なっていてもオーバーラップ領域11の切り取りにとって支障はない。
もっとも、前記(a)のように、第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62の近傍に位置し且つ第2切取用補助線62がオーバーラップ領域11に含まれていないことが好ましい。
【0055】
同様に、第2側部領域32の側縁32aが、前記第1切取用補助線61の近傍に位置する場合とは、(c)第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61の近傍に位置し且つ第1切取用補助線61がオーバーラップ領域11に含まれていない場合、又は、(d)第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61の近傍に位置し且つ第1切取用補助線61がオーバーラップ領域11に含まれている場合の何れかであるが、その何れでもよい。前記(d)の場合には、第1切取用補助線61に第2側部領域32が僅かに重なるが、僅かに重なっていてもオーバーラップ領域11の切り取りに支障はない。
もっとも、前記(c)のように、第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61の近傍に位置し且つ第1切取用補助線61がオーバーラップ領域11に含まれていないことが好ましい。
なお、前記近傍とは、例えば、第1側部領域31の側縁31aと第2切取用補助線62の間隔及び第2側部領域32の側縁32aと第1切取用補助線61の間隔が、2mm以下であり、好ましくは1mm以下である。
【0056】
本発明のラベル付き包装体10は、摘み代部5を摘んで引き出すと、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62において基材3が切れていき、オーバーラップ領域11をラベル1から切り取り、容器2から剥がすことができる。
第1側部領域31には容器2に接着していない第1側部非接着部31nが設けられている。このため、摘み代部5を引き出すと、第1側部領域31のうち、容器2に接着していない第1側部非接着部31nが設けられた範囲は、摘み代部5を引張る力と容器2との間で殆ど伸張せず、容器2から簡単に離れる。従って、剥離が進行する過程で、第1側部非接着部31nが設けられた範囲は、伸張と復元を繰り返さないので、第1側部非接着部31nに対応する印刷領域Aに印刷された表示が不鮮明にならない。
【0057】
また、第1側部非接着部31nは摘み代非接着部5nに連設されているので、摘み代部5を摘んで引き出す当初における剥離抵抗が小さく、容易にオーバーラップ領域11を容器2から剥離できる。
そして、摘み代部5を引き出していくと、第1側部領域31と容器2の剥離点が、摘み代部5から離れる方向(延出されている摘み代部5の場合には、この延出方向と反対方向)に進んでいく。その剥離点が、第1側部領域31の裏面のうち第1側部非接着部31nと粘着部4の境界線に至ると、粘着部4が容器2に貼り付いていることから、急激に剥離し難くなる。この点、第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nから離れるに従ってその面積が小さくなる部分を有するので、第1側部非接着部31nと粘着部4の境界線が前記剥離点の進行方向に対して略直交せず、その境界線において急激に剥離し難くなることを防止できる。
【0058】
また、上記ラベル付き包装体10においては、第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し且つ第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置しているので、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62に沿ってオーバーラップ領域11を中間領域33から確実に切り取ることができる。さらに、第1切取用補助線61上に第2側部領域32が重なっておらず且つ第1側部領域31の面内に第2切取用補助線62が重なっていないので、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62に沿ってオーバーラップ領域11を中間領域33から容易に切り取ることができる。
【0059】
<本発明の他の実施形態>
次に、本発明のラベル付き包装体又は巻付けラベルの他の実施形態を説明する。ただし、下記他の実施形態の説明に於いて、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記実施形態と同様の構成などについては、その説明を省略し、用語及び符号を援用する。
【0060】
上記実施形態の巻付けラベル1においては、摘み代部5の一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aに一致しているが、図9に示すように、摘み代部5が、第1側部領域31の側縁31aと第1切取用補助線61の中間における第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されていてもよい。この場合、第1側部非接着部31nは、図9に示すように、摘み代非接着部5nに連設されていると共に、摘み代部5の幅と略同幅で且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がるように設けられていることが好ましい。このように第1側部非接着部31nを設けることにより、第1側部領域31の側縁31aを含む側部31bの裏面には、上縁部31Tから下縁部31Lに亘って帯状の粘着部4が形成されるので、巻付けラベル1を容器2に巻き付ける当初に第1側部領域31の側部31bの全体を容器2に貼り付けることができる。
もっとも、第1側部非接着部31nは、第1側部領域31の側縁31aから摘み代部5の他方縁5bまでの幅と略同幅で且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がるように設けられていてもよい。
【0061】
また、図10に示すように、摘み代部5は、その一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aと第1切取用補助線61の間に位置し且つその他方縁5bが第1切取用補助線61に略一致するように、第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されていてもよい。この場合も、図9に示した第1側部非接着部31nと同様の理由から、第1側部非接着部31nは、摘み代非接着部5nに連設されていると共に、摘み代部5の幅と略同幅で且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がるように設けられていることが好ましい。
【0062】
その他、摘み代部5の一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aと略一致し且つその他方縁5bが第1切取用補助線61に略一致するように、摘み代部5が第1側部領域31の上縁部31Tから上方に延設されていてもよい。
また、第1側部非接着部31nが、第1側部領域31の側縁31aから第1切取用補助線61までの長さと略同幅で且つ摘み代部5の延出方向と反対方向に拡がるように設けられていてもよい。このような第1側部非接着部31nが設けられる場合であっても、摘み代部5は、その一方縁5aが第1側部領域31の側縁31aと略一致し且つその他方縁5bが第1切取用補助線61に略一致するように延設されていてもよいし、或いは、図5、図9又は図10のように延設されていてもよい。
【0063】
さらに、上記実施形態のラベル付き包装体10は、第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し且つ第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置して、第2側部領域32が第1側部領域31に重ねられているが、これに限定されない。
例えば、図11に示すように、第2側部領域32の側部32bが第1切取用補助線61上を覆い且つ第2切取用補助線62が第1側部領域31の側部31b上に位置するように、第2側部領域32が第1側部領域31に重ねられていてもよい。この場合、第2側部領域32の側部の面内に、第1切取用補助線61上に一致する第3切取用補助線63を形成しておくことが好ましく、同様に、第1側部領域31の側部の面内に、第2切取用補助線62に一致する第4切取用補助線64を形成しておくことが好ましい。
【0064】
また、第1側部領域31の側縁31aが第2切取用補助線62に一致又はその近傍に位置し且つ第2側部領域32の側部32bが第1切取用補助線61上を覆うように、第2側部領域32が第1側部領域31に重ねられていてもよい。或いは、第2側部領域32の側縁32aが第1切取用補助線61に一致又はその近傍に位置し且つ第2切取用補助線62が第1側部領域31の側部31b上に位置するように、第2側部領域32が第1側部領域31に重ねられていてもよい。
【0065】
また、上記実施形態の巻付けラベル1においては、中間領域33の裏面全体に粘着部4が設けられているが、例えば、図12に示すように、中間領域33の裏面のうち中央部を除いた裏面に、粘着部4が設けられていてもよい。中間領域33の粘着部4は、オーバーラップ領域11を切り取った後に、中間領域33が容器2から外れないような範囲に設けられていればよい。もっとも、摘み代部5を引き出したときに、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62に沿って切れ易くするため、中間領域33の粘着部4は、図12に示すように、第1切取用補助線61及び第2切取用補助線62を含む上下方向に延びる帯状範囲に少なくとも設けられていることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のラベル付き包装体は、医薬品、食品、化粧品類などの様々な商品の包装に利用できる。
【符号の説明】
【0067】
1…巻付けラベル、2…容器(商品)、3…基材、31…第1側部領域、31a…第1側部領域の側縁、31n…第1側部非接着部、32…第2側部領域、32a…第2側部領域の側縁、33…中間領域、4…粘着部、5…摘み代部、5n…摘み代非接着部、61…第1切取用補助線、62…第2切取用補助線、A…印刷領域、B…特定印刷領域、10…ラベル付き包装体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の表示が印刷された印刷領域を有する第1側部領域、中間領域、及び透光部を有する第2側部領域がこの順で一体的に連設された基材と、前記基材の裏面に設けられた粘着部と、を有するラベルと、
前記印刷領域の表面を前記透光部にて覆い、前記第1側部領域の表面に第2側部領域を重ね合わせたオーバーラップ領域を形成するように前記ラベルが巻き付けられた商品と、を有し、
前記第1側部領域の縁部に摘み代部が設けられ、前記摘み代部の裏面は、商品に対して接着しない摘み代非接着部とされており、
前記オーバーラップ領域をラベルから切り取るため、前記摘み代部を挟んで一対の切取用補助線が形成されているラベル付き包装体であって、
前記第1側部領域の裏面のうち印刷領域の一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部が設けられていることを特徴とするラベル付き包装体。
【請求項2】
前記第1側部非接着部が、前記摘み代非接着部に連設されており、前記第1側部非接着部が、前記摘み代非接着部から離れるに従ってその面積が小さくなる部分を有する請求項1に記載のラベル付き包装体。
【請求項3】
前記一対の切取用補助線のうちの一方が、前記第1側部領域と中間領域の間に形成された第1切取用補助線であり、且つ、前記一対の切取用補助線のうちの他方が、前記第2側部領域と中間領域の間に形成された第2切取用補助線であり、前記第2側部領域の側縁が、前記第1切取用補助線に一致又はその近傍に位置し、且つ、前記第1側部領域の側縁が、前記第2切取用補助線に一致又はその近傍に位置している請求項1または2に記載のラベル付き包装体。
【請求項4】
印刷領域を有する第1側部領域、中間領域、及び透光部を有する第2側部領域がこの順で一体的に連設された基材と、前記基材の裏面に設けられた粘着部と、を有し、
前記基材には、前記第1側部領域と中間領域の間に第1切取用補助線が形成され且つ前記第2側部領域と中間領域の間に第2切取用補助線が形成されており、
前記第1側部領域の縁部に摘み代部が設けられ、前記摘み代部の裏面は、商品に対して接着しない摘み代非接着部とされており、
前記第1側部領域の裏面のうち印刷領域の一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部が設けられていることを特徴とする巻付けラベル。
【請求項1】
所望の表示が印刷された印刷領域を有する第1側部領域、中間領域、及び透光部を有する第2側部領域がこの順で一体的に連設された基材と、前記基材の裏面に設けられた粘着部と、を有するラベルと、
前記印刷領域の表面を前記透光部にて覆い、前記第1側部領域の表面に第2側部領域を重ね合わせたオーバーラップ領域を形成するように前記ラベルが巻き付けられた商品と、を有し、
前記第1側部領域の縁部に摘み代部が設けられ、前記摘み代部の裏面は、商品に対して接着しない摘み代非接着部とされており、
前記オーバーラップ領域をラベルから切り取るため、前記摘み代部を挟んで一対の切取用補助線が形成されているラベル付き包装体であって、
前記第1側部領域の裏面のうち印刷領域の一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部が設けられていることを特徴とするラベル付き包装体。
【請求項2】
前記第1側部非接着部が、前記摘み代非接着部に連設されており、前記第1側部非接着部が、前記摘み代非接着部から離れるに従ってその面積が小さくなる部分を有する請求項1に記載のラベル付き包装体。
【請求項3】
前記一対の切取用補助線のうちの一方が、前記第1側部領域と中間領域の間に形成された第1切取用補助線であり、且つ、前記一対の切取用補助線のうちの他方が、前記第2側部領域と中間領域の間に形成された第2切取用補助線であり、前記第2側部領域の側縁が、前記第1切取用補助線に一致又はその近傍に位置し、且つ、前記第1側部領域の側縁が、前記第2切取用補助線に一致又はその近傍に位置している請求項1または2に記載のラベル付き包装体。
【請求項4】
印刷領域を有する第1側部領域、中間領域、及び透光部を有する第2側部領域がこの順で一体的に連設された基材と、前記基材の裏面に設けられた粘着部と、を有し、
前記基材には、前記第1側部領域と中間領域の間に第1切取用補助線が形成され且つ前記第2側部領域と中間領域の間に第2切取用補助線が形成されており、
前記第1側部領域の縁部に摘み代部が設けられ、前記摘み代部の裏面は、商品に対して接着しない摘み代非接着部とされており、
前記第1側部領域の裏面のうち印刷領域の一部に対応する裏面には、商品に対して接着しない第1側部非接着部が設けられていることを特徴とする巻付けラベル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−93502(P2012−93502A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239656(P2010−239656)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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