ラボラトリマイクロチューブの開閉機構
【課題】液体サンプルを汚染する危険がなく、使用者が片手で容易に開くことができるカバーを備えたマイクロチューブを提供することにある。
【解決手段】液体サンプルを収容できるラボラトリマイクロチューブを提供する。マイクロチューブは、本体と、カバーと、ヒンジとを有している。本体は、レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備えている。ファスニングカラーは接触面を備えている。カバーは、該カバーの表面から延びているファスニングフックを備えている。ヒンジは、カバーと本体とを連結している。ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合できる。本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成され、これにより、カバーがレセプタクルを覆う閉位置にあるときに、ファスニングフックをファスニングカラーから係合離脱させることができ、かつカバーをヒンジを介して開くことができる。
【解決手段】液体サンプルを収容できるラボラトリマイクロチューブを提供する。マイクロチューブは、本体と、カバーと、ヒンジとを有している。本体は、レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備えている。ファスニングカラーは接触面を備えている。カバーは、該カバーの表面から延びているファスニングフックを備えている。ヒンジは、カバーと本体とを連結している。ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合できる。本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成され、これにより、カバーがレセプタクルを覆う閉位置にあるときに、ファスニングフックをファスニングカラーから係合離脱させることができ、かつカバーをヒンジを介して開くことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本開示の主題は、化学の分野すなわちバイオロジー実験器具の分野に関する。より詳しくは、本開示は合成材料で作られたマイクロチューブ（該マイクロチューブ内には液体サンプルが導入されかつ該マイクロチューブからはピペットを用いて液体サンプルが取出される）に関する。
【背景技術】
【０００２】
ラボラトリマイクロチューブは、一般に、円筒状の外形、より詳しくは、下方部が円錐状で上方部が円筒状の形状を有するレセプタクル（受容器）と、該レセプタクルを閉じるカバーとで構成されている。レセプタクルおよびカバーは同一材料で作られ、このためマイクロチューブは単一ピースとして作られている。このため、カバーは、弾性ヒンジによりレセプタクルに取付けられている。マイクロチューブは、レセプタクルの頂縁部およびカバーの下面を適当な形状にすることによりカバーによりシールされ、使用者が介入しない限り、レセプタクルとカバーとの間の密封接触が確保されて、レセプタクルが閉鎖状態に維持される。このようなマイクロチューブの一例が下記特許文献１に開示されている。
【０００３】
レセプタクルの内部にアクセスするには、使用者は、カバーから延びておりかつ一般にヒンジとは反対側に配置されているタブを垂直に引っ張るか、押込むことにより、カバーとレセプタクルとの間の接触を破壊する。マイクロチューブを使用するとき、使用者は、片手でマイクロチューブのレセプタクルを保持して、他方の手でカバーの開閉を行うことができる。しかしながら、この操作形式は、両手の使用を必要とする。また、使用者は、片手のみを用い、親指でカバーの開閉を行うことができる（他方の手は、例えばピペットを保持する）。しかしながら、この操作方法は、特に小サイズのマイクロチューブについて困難であることが証明されている。なぜならば、使用者がマイクロチューブを開くときに、マイクロチューブを落す虞れがあるからである。また、操作中に、使用者の指がマイクロチューブの頂縁部に触れるのを防止することは困難である。この結果、レセプタクルの内部、従って、レセプタクルが収容している液体サンプルまたはこれから収容しようとする液体サンプルが汚染されてしまう危険がある。
【０００４】
【特許文献１】欧州特許ＥＰ−Ａ−０ １４９ ７９７号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
従って、液体サンプルを汚染する危険がなく、使用者が片手で容易に開くことができるカバーを備えたマイクロチューブが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
一例示実施形態は、使用者が片手のみを用いて、上記欠点なくして迅速かつ容易に開くことができるカバーを備えたラボラトリマイクロチューブの構成を提供する。この目的のため、液体サンプルを収容することを意図したラボラトリマイクロチューブは、カバーおよびレセプタクルを有している。カバーおよびレセプタクルの頂部は、使用者がレセプタクルの頂部近くの壁に加える圧力の作用を受けて開くことができる。圧力は、カバーとの接触領域でレセプタクルの直径を局部的に縮小させ、レセプタクル上にカバーを保持するラッチの係合を離脱させる。弾性ヒンジは、カバーがレセプタクルから係合離脱された後に、カバーがレセプタクルの頂部から離れる方向に移動することを可能にする。これにより、使用者は、レセプタクルの外壁以外にマイクロチューブに触れることなく、レセプタクルの内部に迅速にアクセスできる。
【０００７】
一例示実施形態では、液体サンプルを保持するマイクロチューブは、本体と、カバーと、ヒンジとを有している。本体は、レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備えている。ファスニングカラーは接触面を備えている。カバーは、一表面と、該表面から延びているファスニングフックを備えている。ヒンジは、カバーと本体とを連結している。ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合できる。本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成され、これにより、カバーがレセプタクルを覆う閉位置にあるときに、ファスニングフックをファスニングカラーから係合離脱させることができる。使用者が加える圧力により、ファスニングフックとファスニングカラーとの係合が離脱され、カバーを、ヒンジを介して開くことができる。
【０００８】
他の例示実施形態では、液体サンプルを保持するマイクロチューブを開く方法が提供される。マイクロチューブは、本体と、カバーと、ヒンジとを有している。本体は、レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備えている。ファスニングカラーは接触面を備えている。カバーは、一表面と、該表面から延びているファスニングフックとを備えている。ヒンジが、カバーと本体とを連結している。ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合される。本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成されている。本発明の方法は、マイクロチューブの対向側に圧力を加える段階と、加えられた圧力によりファスニングフックを接触面から係合離脱させる段階と、係合離脱されたカバーを、ヒンジを介して開く段階とを有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
本発明の他の主な特徴および長所は、添付図面、詳細な説明および特許請求の範囲の記載を参照することにより当業者には明らかになるであろう。
以下、添付図面（添付図面では、同じ要素は同じ参照番号で示されている）を参照して、例示実施形態を説明する。
図１に示すように、マイクロチューブ１は、本体２と、カバー（またはストッパ）３と、ヒンジ４とを有している。本体２は、レセプタクルを形成する壁を有している。例示実施形態では、マイクロチューブ１は、単一ピースの材料で形成されている。ヒンジ４は、カバー３の周辺部と本体２の頂縁部５とを連結する弾性および可撓性を有するタブで形成され、カバー３と本体２の周辺部との接触が遮断または弱化されると、カバー３を開くことができる。マイクロチューブ１は、該マイクロチューブ１内に導入されるべき液体に対して化学的に不活性である所望特性を有するポリプロピレンまたはポリエチレン等の可撓性を有する丈夫な合成材料で作ることができる。
【００１０】
図１および図２の例示実施形態では、本体２は、レセプタクルを形成する壁を有している。本体２はまた、円筒状の縦断面形状を有する上方部分６と、円錐状の縦断面形状を有する下方部分７とを有している。しかしながら、本体２は、例えば完全な円筒状または完全な円錐状にするか、下方部分を半球形にすることもできる。現在および将来の当業者には明らかであろうが、本体２は、下方部分７とは反対側の上方部分６の周辺部に、壁の内面に沿うシーリング面８を設けることができる。シーリング面８の表面仕上げおよび幾何学的形状は、カバー３を閉じたときに該カバー３の対応部分とのシールを形成するように設計される。
【００１１】
また、本体２の上方部分６の周辺部には、本体２の壁の外面に形成された肩部であるファスニングカラー９を設けることもできる。図示の例では、ファスニングカラー９は本体２の全周に亘って延びているが、これは本質的なことではない。一般に、ファスニングカラー９は、カバー３と相互作用する領域（単一または複数）に設ける。
カバー３は頂面１０を有し、該頂面１０は、この上に情報を書込むことができるマーキング領域または識別領域およびチューブを識別するラベルまたは他の任意のアイテムを固定できる領域を提供する。一例示実施形態では、頂面１０は平坦である。カバー３には、シーリングスカート１１を設けることもできる。シーリングスカート１１は、頂面１０の内面から延びている面であり、シーリング面８と相互作用する。この目的のため、シーリングスカート１１は、一般に、シーリング面８と接触したときに充分なシールを形成しかつシーリングスカートの側面に圧力が加えられたときに変形できる充分な可撓性を有している。
【００１２】
カバー３はまた、頂面１０の周辺部から延びている下面１４を有している。下面１４の一部からは、複数のファスニングフック１２、１３が延びている。ファスニングフック１２、１３は、頂面１０の対向位置に配置するのが好ましい。例えば、２つのファスニングフック１２、１３を用いる実施形態では、ファスニングフック１２、１３は、ヒンジ４の取付け領域から両側に９０°隔てた位置に配置される。各フック１２、１３の下端部は本体２に形成されたファスニングカラー９と相互作用し、カバー３が閉じられるとフック１２、１３がファスニングカラー９と係合する。この目的のため、ファスニングカラー９およびフック１２、１３の表面が平行傾斜面を呈していて、図１ｃに示すようにカバー３が閉じられるときに、フック１２、１３が撓みかつファスニングカラー９上を摺動することを一層容易にする。一般に、ファスニングフック１２、１３は、ファスニングカラー９上で撓みかつ該ファスニングカラー９と係合することができる充分な弾性を有するべきであるが、マイクロチューブ１を開けようとする使用者の操作が全く行われない場合には、係合位置に確実に保持するのに充分な剛性も有するべきである。係合のクオリティを高めるため、ファスニングカラー９の下方部分に形成された接触面１６に対応するファスニングフック１２、１３の下方係合部分の頂縁部１５には、鋭いコーナを設けることができる。
【００１３】
例示実施形態では、フック１２、１３とファスニングカラー９との接触面は水平であるが、例えばマイクロチューブ１内に収容された液体サンプルが加熱された場合のように、マイクロチューブ１内に周囲大気より高い圧力が発生された場合に、カバー３がひとりでにロックされ、カバー３が自然に開いてしまうことに対する好ましい抵抗を呈することができるように、接触面を傾斜させかつ下方を向かせることもできる。
【００１４】
カバー３を閉じるとき（図２の形態から図１の形態に切換えるとき）は、使用者は、カバー３を本体２に向かって下方に移動させる。ヒンジ４は、カバー３と本体２との間の正しい相互位置決めを容易にする。ファスニングフック１２、１３およびファスニングカラー９が整合されかつカバー３のシーリングスカート１１が本体２のシーリング面８に接触する。ファスニングフック１２、１３の剛性は、ファスニングカラー９の剛性より大きいことが好ましい。使用者により加えられる圧力の作用を受けて、ファスニングフック１２、１３がファスニングカラー９に接触するとき、ファスニングフック１２、１３は、ファスニングカラー９上で押戻される。カバー３に圧力が加えられると、ファスニングフック１２、１３が、ファスニングカラー９の接触面１６の下までスリップする。ファスニングカラー９は、その初期形状に戻る。ファスニングフック１２、１３とファスニングカラー９の接触面１６との接触により、カバー３は本体２に対して閉位置を占める。マイクロチューブ１の種々の部品の寸法および機械的特性は、使用者によりカバー３に加えられる圧力が止められると、カバー３が、係合位置（係合位置では、シーリング面８とシーリングスカート１１との接触により本体２の頂縁部の周辺部がシールされる）に留まるように定められる。閉圧力とは反対方向に、カバー３に加えられる引っ張り操作によっても、過度の力を加えることなくかつマイクロチューブ１にダメージを与えることなくしてカバー３を開けることはできない。
【００１５】
一方、カバー３を開くには、使用者は、両ファスニングフック１２、１３のほぼ下でかつ本体２の頂縁部の近くに置かれた２本の指の間にマイクロチューブ１の本体２を保持する。これらの指を用いて、使用者は、例えば図１ａ、図１ｂおよび図１ｃに示す矢印１７、１８の方向に、本体２の壁に圧力を加える。加えられた圧力により本体２が変形され、ファスニングフック１２、１３と相互作用するファスニングカラー９の２つの対向領域が近付けられる。シーリングスカート１１も、楕円形に変形する充分な変形可能性を呈し、ファスニングカラー９の２つの領域を互いに近付く方向に移動させることができる。この変形により、ファスニングフック１２、１３をファスニングカラー９から係合離脱させることができる。
【００１６】
このようにカバー３が係合離脱されると、ヒンジ４がカバー３を上昇させることを妨げる何物も存在しない。この結果、マイクロチューブ１は、２本の指のみの簡単かつ信頼性のある移動により、かつ使用者の指とマイクロチューブ１の縁部とを全く接触することなくして、図２ａ、図２ｂおよび図２ｃに示すように開位置に置かれる。従って、マイクロチューブ１内に導入されまたはマイクロチューブ１から取出される全ての液体サンプルが汚染される危険は全く存在しない。マイクロチューブ１の開位置において、ピペットをマイクロチューブ１内に導入できる。
【００１７】
マイクロチューブ１についての以下の特性を用いて、数ミリリットルのキャパシティを有するマイクロチューブ１の一例示実施形態を説明する。これらの特性は単なる例示であって、いかなる意味においてもマイクロチューブ１の特性を制限するものではない。マイクロチューブ１は、ポリプロピレンで作られ、マイクロチューブ１が閉じられているときに４１ミリメートル（ｍｍ）の長さを有し、かつ上方部分６の領域において１３．２ｍｍの直径を有している。上方部分６の壁厚は０．５ｍｍより小さく、これにより、壁は、本体２の壁を単に押すだけでカバー３を開くのに必要な可撓性を有している。ファスニングカラー９は、１．３ｍｍの高さを有し、かつその基部で０．７５ｍｍの最大厚さを有する。ファスニングカラー９は、ファスニングフック（単一または複数）１２、１３との係合を容易にするため、約２６°の円錐角を有する円錐形にすることができる。ファスニングフック１２、１３は、充分な剛性をもつように、これらのフック１２、１３の下縁部と、ファスニングカラー９の接触面１６と係合する表面との間のフック１２、１３の厚さは０．７５ｍｍである。ファスニングフック（単一または複数）１２、１３と、ファスニングカラー９の接触面１６の表面との間の能動係合面の幅は０．２５ｍｍである。係合を保証するため、接触面１６は鋭い縁部にすることができるが、これは本質的なことではない。ファスニングカラー６とファスニングフック１２、１３との係合をより容易にするため、ファスニングフック１２、１３の形状は、約２６°の円錐角をもつ円錐形にすることができる。必要な変形可能性を得るため、シーリングスカート１１の厚さは、０．４ｍｍより小さくすることができる。
【００１８】
本願に示しかつ説明した発明に変更を加え得ることはもちろんである。より詳しくは、ファスニングフック１２、１３の個数の増減を行うことができる。例えば、単一のフックを使用することもできるが、この場合にはヒンジ４に対向する位置に配置するのが好ましい。また、ファスニングフック１２、１３は、幾つかのフックからなる１つ以上の群にまとめることもできる。使用者の１回の操作により、カバー３が正しくかつ容易に開くことができるようにするため、フック群を、カバー３の対向する角度セクタに集中させることができる。
【００１９】
また、シーリングスカート１１により得られるシーリングが、マイクロチューブ１の意図した使用にとって重要でない場合には、シーリングスカート１１は必ずしも必要ではない。しかしながら、シーリングスカート１１は、カバー３が閉じられた係合位置にあるときに、ファスニングカラー９に力を加えて、ファスニングフック１２、１３を係合位置に維持することを補助する。
【００２０】
本発明の例示実施形態の上記説明は例示および説明を目的とするもので、本発明を、説明に係る正確な形態に限定することを意図するものではなく、上記教示に基いておよび本発明の実施から種々の変更が可能である。実施形態は、本発明の原理を説明するためおよび本発明の実際の適用として当業者が本発明を種々の形態で利用できるようにするために選択されかつ説明されたもので、意図する特定用途に適するように、種々の変更が可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載およびその均等物により定められるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１ａ】本発明の一例示実施形態によるマイクロチューブが閉位置にあるところを正面から見た第一側面図である。
【図１ｂ】図１ａのマイクロチューブを図１ａの位置に対して９０°回転した位置から見た第二側面図である。
【図１ｃ】図１ａのマイクロチューブの断面図である。
【図２ａ】図１ａのマイクロチューブが開位置にあるところを示す第一側面図である。
【図２ｂ】図２ａのマイクロチューブを後方から見た第二側面図である。
【図２ｃ】図２ａのマイクロチューブの断面図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ マイクロチューブ
２ 本体
３ カバー
４ ヒンジ
５ 本体の頂縁部
８ シーリング面
９ ファスニングカラー
１１ シーリングスカート
１２、１３ ファスニングフック
１６ 接触面
【技術分野】
【０００１】
本開示の主題は、化学の分野すなわちバイオロジー実験器具の分野に関する。より詳しくは、本開示は合成材料で作られたマイクロチューブ（該マイクロチューブ内には液体サンプルが導入されかつ該マイクロチューブからはピペットを用いて液体サンプルが取出される）に関する。
【背景技術】
【０００２】
ラボラトリマイクロチューブは、一般に、円筒状の外形、より詳しくは、下方部が円錐状で上方部が円筒状の形状を有するレセプタクル（受容器）と、該レセプタクルを閉じるカバーとで構成されている。レセプタクルおよびカバーは同一材料で作られ、このためマイクロチューブは単一ピースとして作られている。このため、カバーは、弾性ヒンジによりレセプタクルに取付けられている。マイクロチューブは、レセプタクルの頂縁部およびカバーの下面を適当な形状にすることによりカバーによりシールされ、使用者が介入しない限り、レセプタクルとカバーとの間の密封接触が確保されて、レセプタクルが閉鎖状態に維持される。このようなマイクロチューブの一例が下記特許文献１に開示されている。
【０００３】
レセプタクルの内部にアクセスするには、使用者は、カバーから延びておりかつ一般にヒンジとは反対側に配置されているタブを垂直に引っ張るか、押込むことにより、カバーとレセプタクルとの間の接触を破壊する。マイクロチューブを使用するとき、使用者は、片手でマイクロチューブのレセプタクルを保持して、他方の手でカバーの開閉を行うことができる。しかしながら、この操作形式は、両手の使用を必要とする。また、使用者は、片手のみを用い、親指でカバーの開閉を行うことができる（他方の手は、例えばピペットを保持する）。しかしながら、この操作方法は、特に小サイズのマイクロチューブについて困難であることが証明されている。なぜならば、使用者がマイクロチューブを開くときに、マイクロチューブを落す虞れがあるからである。また、操作中に、使用者の指がマイクロチューブの頂縁部に触れるのを防止することは困難である。この結果、レセプタクルの内部、従って、レセプタクルが収容している液体サンプルまたはこれから収容しようとする液体サンプルが汚染されてしまう危険がある。
【０００４】
【特許文献１】欧州特許ＥＰ−Ａ−０ １４９ ７９７号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
従って、液体サンプルを汚染する危険がなく、使用者が片手で容易に開くことができるカバーを備えたマイクロチューブが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
一例示実施形態は、使用者が片手のみを用いて、上記欠点なくして迅速かつ容易に開くことができるカバーを備えたラボラトリマイクロチューブの構成を提供する。この目的のため、液体サンプルを収容することを意図したラボラトリマイクロチューブは、カバーおよびレセプタクルを有している。カバーおよびレセプタクルの頂部は、使用者がレセプタクルの頂部近くの壁に加える圧力の作用を受けて開くことができる。圧力は、カバーとの接触領域でレセプタクルの直径を局部的に縮小させ、レセプタクル上にカバーを保持するラッチの係合を離脱させる。弾性ヒンジは、カバーがレセプタクルから係合離脱された後に、カバーがレセプタクルの頂部から離れる方向に移動することを可能にする。これにより、使用者は、レセプタクルの外壁以外にマイクロチューブに触れることなく、レセプタクルの内部に迅速にアクセスできる。
【０００７】
一例示実施形態では、液体サンプルを保持するマイクロチューブは、本体と、カバーと、ヒンジとを有している。本体は、レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備えている。ファスニングカラーは接触面を備えている。カバーは、一表面と、該表面から延びているファスニングフックを備えている。ヒンジは、カバーと本体とを連結している。ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合できる。本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成され、これにより、カバーがレセプタクルを覆う閉位置にあるときに、ファスニングフックをファスニングカラーから係合離脱させることができる。使用者が加える圧力により、ファスニングフックとファスニングカラーとの係合が離脱され、カバーを、ヒンジを介して開くことができる。
【０００８】
他の例示実施形態では、液体サンプルを保持するマイクロチューブを開く方法が提供される。マイクロチューブは、本体と、カバーと、ヒンジとを有している。本体は、レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備えている。ファスニングカラーは接触面を備えている。カバーは、一表面と、該表面から延びているファスニングフックとを備えている。ヒンジが、カバーと本体とを連結している。ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合される。本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成されている。本発明の方法は、マイクロチューブの対向側に圧力を加える段階と、加えられた圧力によりファスニングフックを接触面から係合離脱させる段階と、係合離脱されたカバーを、ヒンジを介して開く段階とを有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
本発明の他の主な特徴および長所は、添付図面、詳細な説明および特許請求の範囲の記載を参照することにより当業者には明らかになるであろう。
以下、添付図面（添付図面では、同じ要素は同じ参照番号で示されている）を参照して、例示実施形態を説明する。
図１に示すように、マイクロチューブ１は、本体２と、カバー（またはストッパ）３と、ヒンジ４とを有している。本体２は、レセプタクルを形成する壁を有している。例示実施形態では、マイクロチューブ１は、単一ピースの材料で形成されている。ヒンジ４は、カバー３の周辺部と本体２の頂縁部５とを連結する弾性および可撓性を有するタブで形成され、カバー３と本体２の周辺部との接触が遮断または弱化されると、カバー３を開くことができる。マイクロチューブ１は、該マイクロチューブ１内に導入されるべき液体に対して化学的に不活性である所望特性を有するポリプロピレンまたはポリエチレン等の可撓性を有する丈夫な合成材料で作ることができる。
【００１０】
図１および図２の例示実施形態では、本体２は、レセプタクルを形成する壁を有している。本体２はまた、円筒状の縦断面形状を有する上方部分６と、円錐状の縦断面形状を有する下方部分７とを有している。しかしながら、本体２は、例えば完全な円筒状または完全な円錐状にするか、下方部分を半球形にすることもできる。現在および将来の当業者には明らかであろうが、本体２は、下方部分７とは反対側の上方部分６の周辺部に、壁の内面に沿うシーリング面８を設けることができる。シーリング面８の表面仕上げおよび幾何学的形状は、カバー３を閉じたときに該カバー３の対応部分とのシールを形成するように設計される。
【００１１】
また、本体２の上方部分６の周辺部には、本体２の壁の外面に形成された肩部であるファスニングカラー９を設けることもできる。図示の例では、ファスニングカラー９は本体２の全周に亘って延びているが、これは本質的なことではない。一般に、ファスニングカラー９は、カバー３と相互作用する領域（単一または複数）に設ける。
カバー３は頂面１０を有し、該頂面１０は、この上に情報を書込むことができるマーキング領域または識別領域およびチューブを識別するラベルまたは他の任意のアイテムを固定できる領域を提供する。一例示実施形態では、頂面１０は平坦である。カバー３には、シーリングスカート１１を設けることもできる。シーリングスカート１１は、頂面１０の内面から延びている面であり、シーリング面８と相互作用する。この目的のため、シーリングスカート１１は、一般に、シーリング面８と接触したときに充分なシールを形成しかつシーリングスカートの側面に圧力が加えられたときに変形できる充分な可撓性を有している。
【００１２】
カバー３はまた、頂面１０の周辺部から延びている下面１４を有している。下面１４の一部からは、複数のファスニングフック１２、１３が延びている。ファスニングフック１２、１３は、頂面１０の対向位置に配置するのが好ましい。例えば、２つのファスニングフック１２、１３を用いる実施形態では、ファスニングフック１２、１３は、ヒンジ４の取付け領域から両側に９０°隔てた位置に配置される。各フック１２、１３の下端部は本体２に形成されたファスニングカラー９と相互作用し、カバー３が閉じられるとフック１２、１３がファスニングカラー９と係合する。この目的のため、ファスニングカラー９およびフック１２、１３の表面が平行傾斜面を呈していて、図１ｃに示すようにカバー３が閉じられるときに、フック１２、１３が撓みかつファスニングカラー９上を摺動することを一層容易にする。一般に、ファスニングフック１２、１３は、ファスニングカラー９上で撓みかつ該ファスニングカラー９と係合することができる充分な弾性を有するべきであるが、マイクロチューブ１を開けようとする使用者の操作が全く行われない場合には、係合位置に確実に保持するのに充分な剛性も有するべきである。係合のクオリティを高めるため、ファスニングカラー９の下方部分に形成された接触面１６に対応するファスニングフック１２、１３の下方係合部分の頂縁部１５には、鋭いコーナを設けることができる。
【００１３】
例示実施形態では、フック１２、１３とファスニングカラー９との接触面は水平であるが、例えばマイクロチューブ１内に収容された液体サンプルが加熱された場合のように、マイクロチューブ１内に周囲大気より高い圧力が発生された場合に、カバー３がひとりでにロックされ、カバー３が自然に開いてしまうことに対する好ましい抵抗を呈することができるように、接触面を傾斜させかつ下方を向かせることもできる。
【００１４】
カバー３を閉じるとき（図２の形態から図１の形態に切換えるとき）は、使用者は、カバー３を本体２に向かって下方に移動させる。ヒンジ４は、カバー３と本体２との間の正しい相互位置決めを容易にする。ファスニングフック１２、１３およびファスニングカラー９が整合されかつカバー３のシーリングスカート１１が本体２のシーリング面８に接触する。ファスニングフック１２、１３の剛性は、ファスニングカラー９の剛性より大きいことが好ましい。使用者により加えられる圧力の作用を受けて、ファスニングフック１２、１３がファスニングカラー９に接触するとき、ファスニングフック１２、１３は、ファスニングカラー９上で押戻される。カバー３に圧力が加えられると、ファスニングフック１２、１３が、ファスニングカラー９の接触面１６の下までスリップする。ファスニングカラー９は、その初期形状に戻る。ファスニングフック１２、１３とファスニングカラー９の接触面１６との接触により、カバー３は本体２に対して閉位置を占める。マイクロチューブ１の種々の部品の寸法および機械的特性は、使用者によりカバー３に加えられる圧力が止められると、カバー３が、係合位置（係合位置では、シーリング面８とシーリングスカート１１との接触により本体２の頂縁部の周辺部がシールされる）に留まるように定められる。閉圧力とは反対方向に、カバー３に加えられる引っ張り操作によっても、過度の力を加えることなくかつマイクロチューブ１にダメージを与えることなくしてカバー３を開けることはできない。
【００１５】
一方、カバー３を開くには、使用者は、両ファスニングフック１２、１３のほぼ下でかつ本体２の頂縁部の近くに置かれた２本の指の間にマイクロチューブ１の本体２を保持する。これらの指を用いて、使用者は、例えば図１ａ、図１ｂおよび図１ｃに示す矢印１７、１８の方向に、本体２の壁に圧力を加える。加えられた圧力により本体２が変形され、ファスニングフック１２、１３と相互作用するファスニングカラー９の２つの対向領域が近付けられる。シーリングスカート１１も、楕円形に変形する充分な変形可能性を呈し、ファスニングカラー９の２つの領域を互いに近付く方向に移動させることができる。この変形により、ファスニングフック１２、１３をファスニングカラー９から係合離脱させることができる。
【００１６】
このようにカバー３が係合離脱されると、ヒンジ４がカバー３を上昇させることを妨げる何物も存在しない。この結果、マイクロチューブ１は、２本の指のみの簡単かつ信頼性のある移動により、かつ使用者の指とマイクロチューブ１の縁部とを全く接触することなくして、図２ａ、図２ｂおよび図２ｃに示すように開位置に置かれる。従って、マイクロチューブ１内に導入されまたはマイクロチューブ１から取出される全ての液体サンプルが汚染される危険は全く存在しない。マイクロチューブ１の開位置において、ピペットをマイクロチューブ１内に導入できる。
【００１７】
マイクロチューブ１についての以下の特性を用いて、数ミリリットルのキャパシティを有するマイクロチューブ１の一例示実施形態を説明する。これらの特性は単なる例示であって、いかなる意味においてもマイクロチューブ１の特性を制限するものではない。マイクロチューブ１は、ポリプロピレンで作られ、マイクロチューブ１が閉じられているときに４１ミリメートル（ｍｍ）の長さを有し、かつ上方部分６の領域において１３．２ｍｍの直径を有している。上方部分６の壁厚は０．５ｍｍより小さく、これにより、壁は、本体２の壁を単に押すだけでカバー３を開くのに必要な可撓性を有している。ファスニングカラー９は、１．３ｍｍの高さを有し、かつその基部で０．７５ｍｍの最大厚さを有する。ファスニングカラー９は、ファスニングフック（単一または複数）１２、１３との係合を容易にするため、約２６°の円錐角を有する円錐形にすることができる。ファスニングフック１２、１３は、充分な剛性をもつように、これらのフック１２、１３の下縁部と、ファスニングカラー９の接触面１６と係合する表面との間のフック１２、１３の厚さは０．７５ｍｍである。ファスニングフック（単一または複数）１２、１３と、ファスニングカラー９の接触面１６の表面との間の能動係合面の幅は０．２５ｍｍである。係合を保証するため、接触面１６は鋭い縁部にすることができるが、これは本質的なことではない。ファスニングカラー６とファスニングフック１２、１３との係合をより容易にするため、ファスニングフック１２、１３の形状は、約２６°の円錐角をもつ円錐形にすることができる。必要な変形可能性を得るため、シーリングスカート１１の厚さは、０．４ｍｍより小さくすることができる。
【００１８】
本願に示しかつ説明した発明に変更を加え得ることはもちろんである。より詳しくは、ファスニングフック１２、１３の個数の増減を行うことができる。例えば、単一のフックを使用することもできるが、この場合にはヒンジ４に対向する位置に配置するのが好ましい。また、ファスニングフック１２、１３は、幾つかのフックからなる１つ以上の群にまとめることもできる。使用者の１回の操作により、カバー３が正しくかつ容易に開くことができるようにするため、フック群を、カバー３の対向する角度セクタに集中させることができる。
【００１９】
また、シーリングスカート１１により得られるシーリングが、マイクロチューブ１の意図した使用にとって重要でない場合には、シーリングスカート１１は必ずしも必要ではない。しかしながら、シーリングスカート１１は、カバー３が閉じられた係合位置にあるときに、ファスニングカラー９に力を加えて、ファスニングフック１２、１３を係合位置に維持することを補助する。
【００２０】
本発明の例示実施形態の上記説明は例示および説明を目的とするもので、本発明を、説明に係る正確な形態に限定することを意図するものではなく、上記教示に基いておよび本発明の実施から種々の変更が可能である。実施形態は、本発明の原理を説明するためおよび本発明の実際の適用として当業者が本発明を種々の形態で利用できるようにするために選択されかつ説明されたもので、意図する特定用途に適するように、種々の変更が可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載およびその均等物により定められるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１ａ】本発明の一例示実施形態によるマイクロチューブが閉位置にあるところを正面から見た第一側面図である。
【図１ｂ】図１ａのマイクロチューブを図１ａの位置に対して９０°回転した位置から見た第二側面図である。
【図１ｃ】図１ａのマイクロチューブの断面図である。
【図２ａ】図１ａのマイクロチューブが開位置にあるところを示す第一側面図である。
【図２ｂ】図２ａのマイクロチューブを後方から見た第二側面図である。
【図２ｃ】図２ａのマイクロチューブの断面図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ マイクロチューブ
２ 本体
３ カバー
４ ヒンジ
５ 本体の頂縁部
８ シーリング面
９ ファスニングカラー
１１ シーリングスカート
１２、１３ ファスニングフック
１６ 接触面
【特許請求の範囲】
【請求項１】
液体サンプルを保持するマイクロチューブにおいて、
レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備えた本体を有し、ファスニングカラーは接触面を備え、
カバーを有し、該カバーは、一表面と、該表面から延びているファスニングフックとを備え、
カバーと本体とを連結するヒンジを更に有し、
ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合でき、
本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成され、これにより、カバーがレセプタクルを覆う閉位置にあるときに、ファスニングフックをファスニングカラーから係合離脱させることができかつカバーをヒンジを介して開くことができることを特徴とするマイクロチューブ。
【請求項２】
前記カバーの内面に連結されたシーリングスカートを更に有することを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項３】
前記壁の内面上のシーリング面を更に有し、該シーリング面はシーリングスカートと相互作用して、カバーがレセプタクルを覆う閉位置にあるときに、カバーと本体との間にシールを形成し、前記シーリング面は、使用者が変形させることができることを特徴とする請求項２記載のマイクロチューブ。
【請求項４】
前記ファスニングフックは、ヒンジに対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項５】
複数のファスニングフックを更に有していることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項６】
前記複数のファスニングフックは、カバーの表面の対向位置に形成されていることを特徴とする請求項５記載のマイクロチューブ。
【請求項７】
前記複数のファスニングフックは、群として形成されていることを特徴とする請求項５記載のマイクロチューブ。
【請求項８】
第二ファスニングフックを更に有し、前記ファスニングフックおよび第二ファスニングフックはヒンジの両側に約９０°隔てた位置に形成されていることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項９】
前記ファスニングフックは第一傾斜面を備え、ファスニングカラーは第二傾斜面を備え、第一傾斜面および第二傾斜面は互いに平行であることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項１０】
前記ヒンジは弾性材料で形成されていることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項１１】
前記本体、カバーおよびヒンジは、単一ピースとして形成されていることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項１２】
前記本体、カバーおよびヒンジは、同じ材料で形成されていることを特徴とする請求項１１記載のマイクロチューブ。
【請求項１３】
液体サンプルを保持するマイクロチューブを開く方法において、
マイクロチューブの両側に圧力を加える段階を有し、マイクロチューブは、
本体を有し、該本体は、レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備え、ファスニングカラーは接触面を備え、
カバーを有し、該カバーは、一表面と、該表面から延びているファスニングフックとを備え、
カバーと本体とを連結するヒンジを更に有し、
ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合され、
本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成され、
加えられた圧力により、接触面からファスニングフックの係合を離脱させる段階と、
係合離脱されたカバーを、ヒンジを介して開く段階とを更に有することを特徴とする方法。
【請求項１】
液体サンプルを保持するマイクロチューブにおいて、
レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備えた本体を有し、ファスニングカラーは接触面を備え、
カバーを有し、該カバーは、一表面と、該表面から延びているファスニングフックとを備え、
カバーと本体とを連結するヒンジを更に有し、
ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合でき、
本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成され、これにより、カバーがレセプタクルを覆う閉位置にあるときに、ファスニングフックをファスニングカラーから係合離脱させることができかつカバーをヒンジを介して開くことができることを特徴とするマイクロチューブ。
【請求項２】
前記カバーの内面に連結されたシーリングスカートを更に有することを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項３】
前記壁の内面上のシーリング面を更に有し、該シーリング面はシーリングスカートと相互作用して、カバーがレセプタクルを覆う閉位置にあるときに、カバーと本体との間にシールを形成し、前記シーリング面は、使用者が変形させることができることを特徴とする請求項２記載のマイクロチューブ。
【請求項４】
前記ファスニングフックは、ヒンジに対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項５】
複数のファスニングフックを更に有していることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項６】
前記複数のファスニングフックは、カバーの表面の対向位置に形成されていることを特徴とする請求項５記載のマイクロチューブ。
【請求項７】
前記複数のファスニングフックは、群として形成されていることを特徴とする請求項５記載のマイクロチューブ。
【請求項８】
第二ファスニングフックを更に有し、前記ファスニングフックおよび第二ファスニングフックはヒンジの両側に約９０°隔てた位置に形成されていることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項９】
前記ファスニングフックは第一傾斜面を備え、ファスニングカラーは第二傾斜面を備え、第一傾斜面および第二傾斜面は互いに平行であることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項１０】
前記ヒンジは弾性材料で形成されていることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項１１】
前記本体、カバーおよびヒンジは、単一ピースとして形成されていることを特徴とする請求項１記載のマイクロチューブ。
【請求項１２】
前記本体、カバーおよびヒンジは、同じ材料で形成されていることを特徴とする請求項１１記載のマイクロチューブ。
【請求項１３】
液体サンプルを保持するマイクロチューブを開く方法において、
マイクロチューブの両側に圧力を加える段階を有し、マイクロチューブは、
本体を有し、該本体は、レセプタクルを形成する壁と、該壁の頂縁部の少なくとも一部に形成されたファスニングカラーとを備え、ファスニングカラーは接触面を備え、
カバーを有し、該カバーは、一表面と、該表面から延びているファスニングフックとを備え、
カバーと本体とを連結するヒンジを更に有し、
ファスニングフックは、ファスニングカラーの接触面と係合され、
本体の壁は、使用者により加えられる圧力により変形できる材料で形成され、
加えられた圧力により、接触面からファスニングフックの係合を離脱させる段階と、
係合離脱されたカバーを、ヒンジを介して開く段階とを更に有することを特徴とする方法。
【図１ａ】
【図１ｂ】
【図１ｃ】
【図２ａ】
【図２ｂ】
【図２ｃ】
【図１ｂ】
【図１ｃ】
【図２ａ】
【図２ｂ】
【図２ｃ】
【公表番号】特表２００９−５１４７４２（Ｐ２００９−５１４７４２Ａ）
【公表日】平成２１年４月９日（２００９．４．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−５２４６１５（Ｐ２００８−５２４６１５）
【出願日】平成１８年８月３日（２００６．８．３）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＩＢ２００６／００２１２８
【国際公開番号】ＷＯ２００７／０１５１６０
【国際公開日】平成１９年２月８日（２００７．２．８）
【出願人】（５０３２８５７６０）
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２１年４月９日（２００９．４．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年８月３日（２００６．８．３）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＩＢ２００６／００２１２８
【国際公開番号】ＷＯ２００７／０１５１６０
【国際公開日】平成１９年２月８日（２００７．２．８）
【出願人】（５０３２８５７６０）
【Ｆターム（参考）】
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