説明

ラミネートパルプ容器およびその製造方法

【課題】パルプ層とプラスチック層との密着性が良好であって外観不良が発生しないようにするとともに、フランジ部の強度を増大するラミネートパルプ容器を提供する。
【解決手段】ラミネートパルプ容器1は、通気性を有するパルプ層2とプラスチック層3とがホットメルト接着層4を介して熱融着された積層体からなる。ラミネートパルプ容器1は、被収容物を収容するための凹部が底壁1aと周側壁1bとで形成されており、前記凹部の開口端である周側壁1bの上端にフランジ部5が連設されている。また、フランジ部5には、前記凹部の反底面側へ向かって半円弧状に湾曲して突出する突出部5aが環状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐水性、耐油性、適度な剛性等が要求される食品等の包装用容器に適したパルプ層とプラスチック層との積層体からなるラミネートパルプ容器およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
耐水性、耐油性、適度な剛性等が要求される食品等の包装用容器に適したパルプ製容器が特許文献1(特開2002−96813号公報)に開示されている。
【0003】
図6は特許文献1(特開2002−96813号公報)に開示されたパルプ製容器を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う部分断面図である。パルプ製容器101は、パルプ層102にプラスチックフィルム層103が熱融着または接着剤によって接合された積層体からなり、収納部である凹部の開口部外周縁にフランジ部104が連設されている。
【0004】
パルプ層102とプラスチックフィルム層103とは、容器として使用中は剥離しないが、使用後はフランジ部104の角隅部に設けられたつまみ片106を引っ張ると、切り込み線105の部分から容易に剥離し、パルプ層102とプラスチックフィルム層103とを分離回収することができる。
【0005】
また、特許文献2(特開2003−34334号公報)には、紙トレイの凹部側の表面にプラスチックフィルムを剥離可能にラミネートした紙包装容器の製造方法において、紙トレイを上金型および下金型からなるラミネート用金型の下金型内にセットしたのち、紙トレイの上方にプラスチックフィルムを配置してヒーティングプレートにより加熱し、ついでプラスチックフィルムと紙トレイとの間および紙トレイと下金型との間の真空引きを行ったのち、プラスチックフィルムに圧搾空気圧力を加えて紙トレイの凹部側の表面に押し付けて熱融着することを特徴とする製造方法が開示されている。
【特許文献1】特開2002−96813号公報
【特許文献2】特開2003−34334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたパルプ製容器は、パルプ層の剛性、防水性を向上させるために、パルプ層を厚肉にしたり、樹脂または澱粉等の糊剤を添加しているのでパルプ層に通気性がない。そのため、パルプ層にプラスチックフィルム層を積層する際に、パルプ層とプラスチック層との間に接合不十分な密着していない部分が生じ、外観不良になるおそれがある。
【0007】
特許文献2に開示されたパルプ製容器の製造方法は、パルプ層とプラスチックフィルム層とを熱融着または接着剤による接合する際に、パルプ層とプラスチックフィルム層との間を真空吸引する吸引手段と、パルプ層と下金型の間を真空吸引する吸引手段とが必要となる。そのため、工程および装置が複雑化し、真空吸引の効率も良好でないため、外観不良になる場合がある。
【0008】
本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、パルプ層とプラスチック層との密着性が良好で外観不良が発生しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、第一の発明に係るラミネートパルプ容器は、通気性を有するパルプ層とプラスチック層とをホットメルト接着層を介して積層した積層体からなるラミネートパルプ容器であって、被収容物を収容するための凹部の開口端にフランジ部が連設されており、前記フランジ部には、前記凹部の反底面側へ向かって半円弧状に湾曲して突出する突出部が環状に形成されていること、を特徴とする。
【0010】
また、第二の発明に係るラミネートパルプ容器は、パルプ層は、実質的にパルプ層の通気性を阻害する樹脂および糊料の添加剤を含有しない植物繊維を抄造した後、平均肉厚が300〜500μmに圧縮して形成したものであって、被収容物を収容するための凹部および前記凹部の開口端にフランジ部が連設されており、被収容物の収容側である凹部およびフランジ部には、基材であるプラスチック層と接着のためのホットメルト接着層からなるフィルムが、パルプ層の外側よりパルプ層の収容側の空気をパルプ層を介して吸引することにより、ホットメルト接着層をパルプ層に密着させて接合されていること、を特徴とする。
【0011】
本発明に係るラミネートパルプ容器の製造方法は、請求項1または3記載のラミネートパルプ容器を製造する方法において、パルプ層中間成形体を抄造するための抄造凹部を有する抄造用型に、水にパルプ繊維を添加して混合・分散させた原料液を供給して前記パルプ層中間成形体を抄造する抄造工程と、前記パルプ層中間成形体を加熱乾燥させる加熱乾燥工程と、前記加熱乾燥工程ののち、前記パルプ層の凹部外面側を規制するキャビティ面を有する雌型および前記パルプ層の凹部内面側を規制するキャビティ面を有する雄型により、前記パルプ層中間成形体を圧縮して前記パルプ層を圧縮成形する圧縮工程と、前記パルプ層を積層台上に載置し、前記パルプ層上にホットメルト接着層を積層したプラスチック層を加熱して配置し、ついで、前記パルプ層の凹部外面側より真空吸引を行って、前記パルプ層の凹部内面側面に前記ホットメルト接着層を介して前記プラスチック層を全面に密着させて接合する積層工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上述のとおり構成されているので次に記載するような効果を奏する。
【0013】
パルプ層は抄造成形された通気性を有するものであるので、パルプ層を通してパルプ層とプラスチック層との間を真空吸引して減圧することができる。その結果、プラスチック層とパルプ層とがホットメルト接着層を介して密着する。また、フランジ部の強度が増大し、加えて、開口部にフィルムをヒートシールした場合にイージーピールが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係るラミネートパルプ容器の一実施の形態を図面に基いて説明する。
【0015】
図1は一実施の形態によるラミネートパルプ容器を示し、(a)は模式上面図、(b)は(a)のA−A線に沿う模式部分断面図である。
【0016】
ラミネートパルプ容器1は、通気性を有するパルプ層2とプラスチック層3とがホットメルト接着層4を介して熱融着された積層体からなる。ラミネートパルプ容器1は、被収容物を収容するための凹部が底壁1aと周側壁1bとで形成されており、周側壁1bの上端である凹部の開口端にフランジ部5が連設されている。また、前記凹部の内面および外面にそれぞれ別個の凹凸模様P1 、P2 が形成されている。
【0017】
ラミネートパルプ容器1は、底壁1aと、底壁1aの外周縁部から上方へ向かって屈曲し、上方へ行くにつれて径が拡大する周側壁1bと、周側壁1bの上端周縁部から径方向外側へ向けて屈曲したフランジ部5とを有し、フランジ部5の径方向略中間部には、図示上方(凹部の反底面側)へ向かって半円弧状に湾曲して突出する突出部5aが環状に形成されている。
【0018】
フランジ部5に突出部5aを環状に形成することにより、フランジ部5の強度が増大し、また、開口部全体にフィルムをヒートシールした場合にシール部の面積が小さくなり、イージーピールが可能になる。
【0019】
パルプ層2は、パルプ繊維を含む原料液より後述する抄造成形によって抄造された通気性を有するものである。このため、パルプ層2にプラスチック層3をホットメルト接着層4を介して熱融着する際に、パルプ層2の反プラスチック層側(凹部の外面側)より真空吸引を行ってプラスチック層3をパルプ層2の凹部の内面側面にならう形状に変形できる。その結果、パルプ層2の凹部内面側面とプラスチック層3とがホットメルト接着層4を介して完全に密着し、両者の間に接合不十分な空隙部が発生して外観不良となるおそれがない。
【0020】
また、ラミネートパルプ容器において、フィルムの基材層としてポリエチレンテレフタレートを使用することにより、電子レンジにて加熱するグラタン等の調理済食品の容器として使用が可能となる。
【0021】
さらに、ラミネートパルプ容器において、前記プラスチック層がポリエチレンテレフタレートフィルムからなり、前記ホットメルト接着層は、エチレン・メチルメタアクリレート、エチレン・エチルアクリレート、エチレン・メチルアクリレートから選ばれた不飽和カルボン酸のエステル化合物からなる融点が70〜120℃のフィルムであること、を特徴とするものでもよい。
【0022】
ポリエチレンテレフタレートの厚さが8μm未満であると真空吸引時にピンホールが発生し易くなり、40μmを越えると真空吸引時の立体形状再現性に劣る。
【0023】
エチレン・メチルメタアクリレート、エチレン・エチルアクリレート、エチレン・メチルアクリレートから選ばれた不飽和カルボン酸のエステル化合物からなり、融点が70〜120℃のフィルムであるホットメルト接着剤は、フランジ付容器、特にフランジ部の円周上に突条部を有する容器に好適である。すなわち、低融点で密着性に優れることから、真空吸引時、まずフランジ部にフィルムが密着し、吸引の際、気体がフィルムとパルプ層の重なる外周端面から漏れることなく良好に接合することが可能となる。
【0024】
請求項3記載のラミネートパルプ容器において、パルプ層は特許文献1のような通気性を阻害する成分を実質的に含んでいない。従って、特許文献2のような大型で複雑な真空吸引装置を使用することなく、細かい立体形状であっても再現性に優れる。
【0025】
また、パルプ繊維を抄造した後圧縮すると薄肉で剛性を有するパルプ層が得られる。
【0026】
本発明者は、ラミネートパルプ容器の試作・実験を行った結果、パルプ層の平均肉厚が300μm未満であると、グラタン等の被収容物を収容した状態で充填・包装工程を経る際、フランジ部分を保持できる程度の形状維持性が失われる。
【0027】
一方、パルプ層の平均肉厚が500μmを越えると、フィルムを収容側に載置し、パルプ層の収容側の空気を直接パルプ層を介して吸引しても、コーナー部および細かな立体形状まで良好な密着が得られないことが判明した。
【0028】
さらに、ラミネートパルプ容器1において、凹部には、文字または図柄を凸状のパルプ層からなる立体表示部を形成し、前記立体表示部がプラスチック層とホットメルト接着層からなるフィルムにてラミネートされたものとする。
【0029】
続いて、本発明に係るラミネートパルプ容器の製造方法の一実施の形態について説明する。
【0030】
本発明に係るラミネートパルプ容器の製造方法は、上述した一実施の形態によるラミネートパルプ容器を製造する方法において、パルプ層中間成形体2aを抄造する抄造工程と、抄造されたパルプ層中間成形体2aを圧縮してパルプ層2を圧縮成形すると同時に凹部の内面および外面にそれぞれ別個の凹凸模様を形成する圧縮成形工程と、凹凸模様が形成されたパルプ層2の凹部の内面側面にホットメルト接着層4を介してプラスチック層3を接合する積層工程とを有する。
【0031】
前記抄造工程において使用する抄造装置は、図2に示すように、多数の通液孔(不図示)を有する抄造用型11が抄造槽12の深さ方向略中間部位に配設されている。抄造用型11はパルプ層2の予備成形品であるパルプ層中間成形体2aを抄造するための凹部外面側を規制する形状の抄造凹部11aを備えている。抄造用型11の上方に水にパルプ繊維を添加して混合・分散させた原料液14を投入すると、抄造凹部11a上にパルプ繊維が残ってパルプ層中間成形体2a(図2参照)が抄造され、水のみが前記複数の通液孔を通して排液室12a内へ落下して排出口13より外部へ排出されるように構成されている。
【0032】
前記圧縮工程に用いられる圧縮装置は、図3に示すように、パルプ層2の凹部の外面側を規制する形状のキャビティ面21aを有する雌型21と、雌型21のキャビティ面21aに対応するパルプ層2の凹部内面側を規制する形状のキャビティ面22aを有する雄型22とを有し、図示しない流体圧シリンダ等のアクチュエータにより互いに接近および離間できるように構成されている。
【0033】
雌型21のキャビティ面21aと雄型22のキャビティ面22aには、それぞれ別個の凹凸模様P1 、P2 を形成するための溝部21b、22bが形成されている。また、図5に示すように、積層台31にはキャビティ面31aから真空吸引室へ貫通する複数の真空吸引孔31bが設けられており、排気口33に接続された図示しない真空ポンプ等の真空発生源によって真空吸引することができるように構成されている。
【0034】
(1)抄造槽12の抄造用型11の上方に原料液14を投入し、原料液中のパルプ繊維を抄造用型11の抄造凹部11a上に残し、水のみを排液室12aに落下させて排出口13を通して外部へ排出することにより、抄造凹部11a上にパルプ層中間成形体2aを抄造する。
【0035】
(2)上記(1)ののち、パルプ層中間成形体2aを抄造用型11より離型して、図示しない乾燥炉において加熱乾燥する。
【0036】
(3)上記(2)ののち、図3に示すように、乾燥済のパルプ層中間成形体2aを圧縮装置の雌型21のキャビティ面21a上に載置し、図示しないアクチュエータを起動して図4に示すように、雌型21と雄型22とを接近させてパルス層中間成形体2aを挟圧してパルプ層2を圧縮成形すると同時に、雌型21および雄型22にそれぞれ設けられた溝部21b、22bからなる別個の凹凸模様をパルプ層2の底壁1aの外面および内面にそれぞれ転写させて、パルプ層2の底壁1aの内面および外面に別個の凹凸模様P1 、P2 を形成する。
【0037】
(4)上記(3)ののち、図5の(a)に示すように、積層台31のキャビティ面31aにパルプ層2を載置する。
【0038】
(5)上記(4)ののち、ホットメルト接着層4を積層したプラスチック層3を上下一対の保持部材34a、34bで保持し、加熱してパルプ層2の上に載置する。ついで、排気口33に接続した真空ポンプ(不図示)を起動して真空吸引室を減圧し、複数の真空吸引孔31bよりキャビティ面31aとパルプ層2の間を真空吸引することにより、パルプ層2を通してプラスチック層3をパルプ層2の凹部内面側面に沿う形状に真空成形する。
【0039】
本工程において、パルプ層2の凹部内面側面にホットメルト接着層4を介してプラスチック層3が熱融着される。これと同時にパルプ層2の凹部の内面に形成された凹凸模様P1 にならってプラスチック層3が密着して凹凸模様P(図1参照)が転写される。
【0040】
(6)上記(5)ののち、上記雌型21よりラミネートパルプ容器1を離型する。
【0041】
本発明におけるパルプ層は、非木材系または木材系パルプ原料で構成される。非木材系パルプ原料としては、自生している草木類(葦、竹、エスパルト、雑草等)、繊維作物、(ケナフ、コットンリンター、アカバ、サイザル、ジュート、亜麻、こうぞ、みつまた等)、農作物廃棄物(サトウキビ、麦わら、稲わら、パーム椰子、バナナ等)である。また、木材系パルプ原料としては、闊葉樹(カシ等)、針葉樹(杉、ヒノキ等)である。
【0042】
プラスチック層としては、プロピレンホモポリマー、プロピレンブロックポリマー、ポリプロピレンランダムポリマー等のポリプロピレン系樹脂を用いる。低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂を用いる。さらに、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂を用いる。
【0043】
ホットメルト接着層としては、エチレン系三元共重合体(例えば、エチレン・アクリル酸エステル、無水マレイン酸三元共重合体)、エチレン系共重合体(例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー)、酸変性ポリプロピレン(例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】一実施の形態によるラミネートパルプ容器を示し、(a)は模式平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う模式部分断面図である。
【図2】一実施の形態によるラミネートパルプ容器の製造方法における抄造工程に用いる抄造装置の模式断面図である。
【図3】一実施の形態によるラミネートパルプ容器の製造方法において、パルプ層の圧縮成形工程におけるパルプ層を雌型に配置した状態を示す模式断面図である。
【図4】図3に続いてパルプ層を圧縮成形した状態を示す模式断面図である。
【図5】一実施の形態によるラミネートパルプ容器の製造方法における一工程を示し、(a)はプラスチック層をパルプ層上に配置した状態を示す模式断面図、(b)はプラスチック層をパルプ層を通して真空吸引することにより、プラスチック層をホットメルト接着層を介して熱融着した状態を示す模式断面図である。
【図6】一従来例のパルプ容器を示し、(a)は模式斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う模式部分断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ラミネートパルプ容器
2 パルプ層
2a パルプ層中間成形体
3 プラスチック層
4 ホットメルト接着層
5 フランジ部
5a 突出部
11 抄造用型
12 抄造槽
12a 排液室
13 排出口
14 原料液
21 雌型
21a、22a、31a キャビティ面
22 雄型
31 積層台
31b 真空吸引孔
33 排気口
34a、34b 保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性を有するパルプ層とプラスチック層とをホットメルト接着層を介して積層した積層体からなるラミネートパルプ容器であって、
被収容物を収容するための凹部の開口端にフランジ部が連設されており、
前記フランジ部には、前記凹部の反底面側へ向かって半円弧状に湾曲して突出する突出部が環状に形成されていること、を特徴とするラミネートパルプ容器。
【請求項2】
前記プラスチック層がポリエチレンテレフタレートフィルムからなり、前記ホットメルト接着層は、エチレン・メチルメタアクリレート、エチレン・エチルアクリレート、エチレン・メチルアクリレートから選ばれた不飽和カルボン酸のエステル化合物からなる融点が70〜120℃のフィルムであること、を特徴とする請求項1記載のラミネートパルプ容器。
【請求項3】
パルプ層は、実質的にパルプ層の通気性を阻害する樹脂および糊料の添加剤を含有しない植物繊維を抄造した後、平均肉厚が300〜500μmに圧縮して形成したものであって、被収容物を収容するための凹部および前記凹部の開口端にフランジ部が連設されており、
被収容物の収容側である凹部およびフランジ部には、基材であるプラスチック層と接着のためのホットメルト接着層からなるフィルムが、パルプ層の外側よりパルプ層の収容側の空気をパルプ層を介して吸引することにより、ホットメルト接着層をパルプ層に密着させて接合されていること、を特徴とするラミネートパルプ容器。
【請求項4】
凹部には、文字または図柄を凸状のパルプ層からなる立体表示部を形成し、前記立体表示部がプラスチック層とホットメルト接着層からなるフィルムにてラミネートされてなる請求項1ないし3いずれか1項記載のラミネートパルプ容器。
【請求項5】
請求項1または3記載のラミネートパルプ容器を製造する方法において、
パルプ層中間成形体を抄造するための抄造凹部を有する抄造用型に、水にパルプ繊維を添加して混合・分散させた原料液を供給して前記パルプ層中間成形体を抄造する抄造工程と、
前記パルプ層中間成形体を加熱乾燥させる加熱乾燥工程と、
前記加熱乾燥工程ののち、前記パルプ層の凹部外面側を規制するキャビティ面を有する雌型および前記パルプ層の凹部内面側を規制するキャビティ面を有する雄型により、前記パルプ層中間成形体を圧縮して前記パルプ層を圧縮成形する圧縮工程と、
前記パルプ層を積層台上に載置し、前記パルプ層上にホットメルト接着層を積層したプラスチック層を加熱して配置し、ついで、前記パルプ層の凹部外面側より真空吸引を行って、前記パルプ層の凹部内面側面に前記ホットメルト接着層を介して前記プラスチック層を全面に密着させて接合する積層工程と、を有することを特徴とするラミネートパルプ容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−30925(P2007−30925A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216324(P2005−216324)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000104674)キョーラク株式会社 (292)
【Fターム(参考)】