説明

ラミネート装置

【課題】被記録媒体のラミネート処理後に少なくとも両端側の端縁処理を行うことなく、被記録媒体に対するラミネート処理をきれいに仕上げることのできるラミネート装置を提供する。
【解決手段】被記録媒体よりも大きなサイズのラミネート材を該被記録媒体を覆うように重ねて加熱圧着するとともに、被記録媒体の記録面と反対面側に配置される被転写手段に被記録媒体からはみ出る分のラミネート層を転写させて、被記録媒体の記録面上にラミネート層を形成するラミネート装置において、少なくともラミネート材及び被記録媒体を重ねた積層体を少なくとも前記被記録媒体の幅方向両端縁位置において間に挟み込む一対のローラを備え、該一対のローラのうち前記ラミネート材側の一方のローラは、少なくとも前記被記録媒体の幅方向端縁に対応する部位が他方のローラよりも軟質に構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が記録された被記録媒体の記録面上にラミネート層を形成するラミネート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式や熱転写記録方式といった記録方式は、その記録装置(プリンタ)や被記録媒体に対して様々な改良が加えられてきた結果、銀塩カラー写真に匹敵する画質が得られるようになり、近年、デジタルカメラ、デジタルビデオ、スキャナ等で取り込んだ画像情報あるいはコンピュータにおける電子的な画像情報をハードコピーする技術として多用されている。
【0003】
加えて、これらの記録方式においては、被記録媒体の記録面を保護して永続的な耐久性を付与すること、並びに記録面の光沢度や平滑度を上げる等して画像品位をさらに向上させることを目的として、画像記録後にラミネート層を被記録媒体の記録面上にラミネートする技術も広く知られている。
【0004】
記録面へのラミネートに用いる装置としては、被記録媒体よりも大きなサイズを有するラミネート材を、該被記録媒体を覆うように重ねて加熱圧着するとともに、被記録媒体の記録面と反対面側に配置されるアンダーフィルム等の被転写手段に被記録媒体からはみ出る分のラミネート層を転写させる圧着部を備えるラミネート装置が存在する(例えば、特許文献1)。具体的には、前記圧着部は、一対のローラを用いて構成され、前記ラミネート材と被記録媒体とアンダーフィルムとを重ねた積層体は、該一対のローラの間に挟み込まれる態様で加熱圧着される。
【0005】
そして、被記録媒体を完成品として仕上げるには、アンダーフィルム等の被転写手段を被記録媒体の記録面と反対面側に離間させて引張力を作用させ、ラミネート層が記録面に密着したラミネート部分(後述する図6のAa)とラミネート層が被記録媒体からはみ出る非ラミネート部分(後述する図6のAb)とが分離される。被転写手段として長尺なアンダーフィルムが用いられる場合には、圧着部の下流側に分離部を配置し、該分離部において上記アンダーフィルムを離間させる動作が行われる。
【0006】
ここで、ラミネート材と被記録媒体とアンダーフィルムとが加熱圧着された積層体は、断面が図6のようになっている。即ち、ラミネート層A1が被記録媒体Pに密着する部分が上述のラミネート部分Aaであり、ラミネート層A1が被記録媒体Pからはみ出る部分が非ラミネート部分Abである。ここで、被記録媒体Pからはみ出るラミネート層A1は、殆どの部分がアンダーフィルムBに密着して密着部Ab1となるのであるが、被記録媒体Pが所定の厚みを有するものであることから、被記録媒体Pの端縁に沿う極小幅領域においては、ラミネート層A1がアンダーフィルムBに密着せず、アンダーフィルムBから浮いた状態の非密着部Ab2が存在する。なお、図6のラミネート材Aは、ラミネート層A1と該ラミネート層A1上に剥離可能に積層された基材A2とで構成されており、該基材A2は、前記圧着部の下流側に配置される剥離部において剥離される。
【0007】
ところで、上記分離の際、被記録媒体Pの先端側では、前記ラミネート材A(ラミネート層A1)が端縁に沿ってきれいに切断される。その理由の一つとしては、次のようなことが考えられる。即ち、前記積層体(A+P+B)は、被記録媒体Pが存在しない部分と存在する部分とで厚みが異なるものであり、かかる前記積層体(A+P+B)が一対のローラを通過する際には、厚みが変化する部位、即ち、端縁に対応する部位のラミネート材Aがローラに衝撃的に当接することとなる。従って、局所的な力が作用して、該部位においてラミネート材A(ラミネート層A1)が弱くなるなどするために、アンダーフィルムBを被記録媒体Pの記録面と反対面(ベース面)側に離間させる力が加えられた際に、その部位、即ち、端縁に対応する部位でラミネート材A(ラミネート層A1)が切断されやすい状態となることが考えられる。
【0008】
【特許文献1】特開2005−280157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、被記録媒体Pが存在する部分では厚みが当然に一定であることから、被記録媒体Pの両端側は、一対のローラ間を通過する間に先端側ほど大きな力が作用しない。このため、アンダーフィルムBを被記録媒体Pの記録面と反対面側に離間させても、引張力を必ずしも被記録媒体Pの端縁に沿って集中的に作用させることができず、箇所によってはラミネート部分Aaと非ラミネート部分Abとの境界において切断されたり、非ラミネート部分Abにおける密着部Ab1と非密着部Ab2との境界において引きちぎられたりすることで、所々ラミネート層A1の端縁が被記録媒体Pの端縁からはみ出したような不均一な形状になってしまうといった問題があり、ラミネート処理済みの被記録媒体Pの端縁処理が余儀なくされていた。
【0010】
なお、被転写手段としてアンダーフィルムBを用いる以外にも、圧着部における被記録媒体Pの記録面と反対面側にあるローラを被転写手段とし、被記録媒体からはみ出たラミネート層A1をローラ表面に転写させるようにしたものもある。かかるラミネート装置は、圧着部のローラが回転することで、そのローラ表面と被記録媒体Pのベース面とが離間する結果、ローラ表面に転写したラミネート層A1と被記録媒体Pに転写したラミネート層A1とが切り離されるようになっている。この場合にも、被記録媒体Pの端縁に沿う極小幅領域においてラミネート材Aがローラ表面から浮いた非密着部Ab2が存在し、アンダーフィルムBを用いる場合と同様の問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述のような問題を解決するものであり、被記録媒体のラミネート処理後に少なくとも両端側の端縁処理を行うことなく、被記録媒体に対するラミネート処理をきれいに仕上げることのできるラミネート装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るラミネート装置は、被記録媒体よりも大きなサイズのラミネート材を該被記録媒体を覆うように重ねて加熱圧着するとともに、被記録媒体の記録面と反対面側に配置される被転写手段に被記録媒体からはみ出る分のラミネート層を転写させて、被記録媒体の記録面上にラミネート層を形成するラミネート装置において、少なくともラミネート材及び被記録媒体を重ねた積層体を少なくとも前記被記録媒体の幅方向両端縁位置において間に挟み込む一対のローラを備え、該一対のローラのうち前記ラミネート材側の一方のローラは、少なくとも前記被記録媒体の幅方向端縁に対応する部位が他方のローラよりも軟質に構成されることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、前記積層体は、少なくとも前記被記録媒体の幅方向両端縁位置において一対のローラの間に挟み込まれるのであるが、一方のローラが他方のローラよりも軟質であるために弾性変形しやすい(即ち、一方のローラが他方のローラよりも弾性変形量が大きい)ことから、挟み込まれた積層体は、他方のローラよりも一方のローラの方により多く埋没する態様となる。
【0014】
この場合、ラミネート材が何らかの部材(例えば、被記録媒体など)に接触している部分においては、一方のローラからの押圧力(若しくは、弾性変形していた状態から復元しようとする際の復元力)がラミネート材を介して該部材に受け止められる。一方、上述のようにラミネート材が浮いた状態の部分では、前記押圧力を受け止めるものが反対側に存在しないために、一方のローラが復元するのに従ってラミネート材が変形することとなる。このため、ラミネート材は、被記録媒体の両端側における端縁に食い込む(若しくは端面側に回り込む)ように押し付けられる状態となり、引っ張りに弱い部分が端縁に沿って形成される。従って、上記分離の際には、その部分に引張力が局所的に作用することとなる。なお、前記引っ張りに弱い部分が形成される例としては、端縁に沿って癖若しくは筋目が形成されることや、端縁に沿う部分のラミネート材の厚みが薄くなることが考えられる。
【0015】
また、前記一対のローラは、前記積層体を被記録媒体の幅寸法よりも長い領域に亘って挟み込むとともに、前記一方のローラは、前記領域に亘って他方のローラよりも軟質に構成されるものであることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、両端側だけでなく後端側の端縁の全幅に亘っても、引っ張りに弱い部分がラミネート材に形成され、分離の際には、その部分に引張力を局所的に作用させることができる。ここで、被記録媒体は、先端側から一対のローラを通過するため、その後端側は、ラミネート材が変形させられる向きとは反対向きに積層体がローラから遠ざかる態様(即ち、端縁がローラからいわば逃げるような態様)となり、先端側や両端側に比べれば一方のローラからの押圧力を作用させにくいものの、一方のローラが弾性変形していた状態から復元することで端縁の下流側への移動に追従でき、押圧を行うことが可能となる。
【0017】
さらに、前記被転写手段は、被記録媒体よりも大きなサイズの長尺なアンダーフィルムであり、前記ラミネート材、被記録媒体及びアンダーフィルムに対して前記加熱圧着及び転写を行う圧着部を備えるとともに、前記ラミネート材、被記録媒体及びアンダーフィルムが加熱圧着された積層体を、ラミネート層が記録面に密着したラミネート部分とラミネート層が被記録媒体からはみ出る非ラミネート部分とに分離すべく、アンダーフィルムを被記録媒体の記録面と反対面側に離間させる分離部をさらに備え、前記一対のローラは、前記圧着部と分離部との間に配置されるものであることが好ましい。
【0018】
このようにすれば、圧着部において加熱圧着された積層体が分離部の前段階で押圧されるため、前記ラミネート部分と非ラミネート部分との分離を好適に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明のラミネート装置によれば、被記録媒体のラミネート処理後に少なくとも両端側の端縁処理を行うことなく、被記録媒体に対するラミネート処理をきれいに仕上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係るラミネート装置について、添付図面を参照しつつ説明することとする。
【0021】
本実施形態に係るラミネート装置は、図1に示す如く、被記録媒体Pに対して印刷を行うプリンタ装置1と一体的に構成されており、該プリンタ装置1で印刷の施された被記録媒体Pに対して連続的にラミネート処理を行えるようになっている。なお、図において、境界線Lを境にして右側がプリンタ装置1、左側がラミネート装置2となっている。
【0022】
前記プリンタ装置1は、長尺な被記録媒体Pを巻回したロールを収容するロール収容部10と、ロール収容部10から引き出された被記録媒体Pを長手方向に搬送する搬送系11と、ロール収容部10から供給された被記録媒体Pに印刷を行うプリント部12と、該プリント部12で印刷された被記録媒体Pを枚葉状に切断するカッター装置13とを備えている。
【0023】
ロール収容部10は、ロールを軸支可能に構成されたロールホルダー(採番しない)を着脱できるように構成されており、ロールホルダーと共にロールの交換を行えるように構成されている。ロールホルダーは、ロール収容部10内に設けられた駆動機構から駆動を受け、軸支したロールを回転させて被記録媒体Pを長手方向に送り出せるようになっている。
【0024】
搬送系11は、被記録媒体Pの搬送方向に間隔をおいて配設された複数のローラ対(採番しない)等で構成されており、該複数のローラ対で被記録媒体Pを間欠的に圧着搬送するように構成されている。
【0025】
前記プリント部12は、前記搬送系11によって搬送されてくる被記録媒体Pの一方の面(画像を描画する記録面とは反対側のベース面)を支持しつつ案内する印刷台130と、該印刷台130と対向するように配設されたプリントヘッド131とを備えている。
【0026】
印刷台130は、被記録媒体Pの搬送方向に延びる案内面が形成されており、該案内面に対してプリントヘッド131が対向するように配設されている。本実施形態に係るプリントヘッド131は、微小なインク滴を被記録媒体Pに向けて吐出させる、いわゆる、インクジェット方式のものが採用されている。該プリントヘッド131は、被記録媒体Pの搬送方向と直交する方向に往復動するように構成され、間欠搬送される被記録媒体Pの停止状態において、移動しつつインク滴を吐出させてライン状の描画を行うようになっている。これにより、該プリント部12は、被記録媒体Pの間欠搬送とプリントヘッド131のライン状の描画とを繰り返すことで、被記録媒体Pの記録面に対して面方向に広がる描画を行うようになっている。
【0027】
本実施形態に係るプリンタ装置1は、プリントヘッド131にインクジェット方式のものが採用されているため、上記構成に加え、プリントヘッド131をクリーニングするためのクリーナーユニット132や、プリントヘッド131に対してインクを供給するためのインク供給手段(図示しない)、不要なインクを回収するための廃インクタンク133等を備えている。また、本実施形態に係るプリンタ装置1は、被記録媒体Pのベース面に各種情報(いわゆる、コレクションバリュー)を印字するドットインパクトプリンタユニット134や、被記録媒体Pがプリンタ装置1とラミネート装置2とに跨るような長尺の場合に、プリンタ装置1とラミネート装置2の各処理速度差を吸収するべく一時的に撓ませた被記録媒体P(いわゆる、ループ)を収容するための中継タンク135等も備えている。
【0028】
ラミネート装置2は、プリンタ装置1から送り込まれた被記録媒体Pを受入口50を介して受け入れるように構成されており、受け入れた被記録媒体Pにラミネート処理を行うラミネート処理部3を備えている。本実施形態に係るラミネート装置2は、被記録媒体Pに対してラミネート処理を行う場合とラミネート処理を行わない場合との搬送経路を切り換えが可能になっている。即ち、該ラミネート装置2は、送り込まれた被記録媒体Pをラミネートすることなく排出する第一経路R1と、送り込まれた被記録媒体Pをラミネート処理するための第二経路R2とに被記録媒体Pの搬送経路を切り換える振分機構4を備えている。
【0029】
該振分機構4は、複数のローラ4a,4b…で構成されており、ローラ4a,4b…の駆動方向の切り換えや、ローラ4a,4b…の許容される回転方向の切り換え、ローラの配置の変更等の組合せによって、被記録媒体Pの搬送経路を第一経路R1と第二経路R2とに切り換えるようになっている。これにより、被記録媒体Pの搬送経路が第一経路R1に設定された場合に、被記録媒体Pはラミネート処理が行われることなくそのまま外部に設けられた第一トレイT1に排出され、被記録媒体Pの搬送経路が第二経路R2に設定された場合に、被記録媒体Pはラミネート処理部3に送り込まれ、ラミネート処理された後に外部に設けられた第二トレイT2上に排出されるようになっている。
【0030】
前記ラミネート処理部3について具体的に説明する前に、該ラミネート装置2に用いられるラミネート材A、及び被転写手段としてのアンダーフィルムBについて概略説明すると、ラミネート材Aは、図2に示す如く、被記録媒体Pの記録面をラミネートするためのラミネート層A1と、該ラミネート層A1に対して剥離可能に積層されたシート状の基材A2とで構成された長尺なシートで、ラミネート層A1がラミネート処理の対象となる被記録媒体Pの平面領域(記録面)よりも広い領域で形成されている。即ち、該ラミネート層A1は、被記録媒体Pの略平行な一対の側端間よりも幅広に形成され、被記録媒体Pに重ね合わされた状態で被記録媒体Pの両側からはみ出るサイズ(幅)に設定されている。なお、該ラミネート材Aは、このラミネート層A1の幅と直交する方向に長尺に形成されており、被記録媒体Pに重ね合わされた状態で、一対の側端と直交する一対の端縁からもラミネート層A1がはみ出るようになっている。
【0031】
そして、本実施形態において、加熱圧着により被記録媒体Pの記録面に対してラミネート層A1を転写させるべく、ラミネート層A1は、所定温度にまで加熱された状態で粘性或いは接着性を発揮する熱可塑性の樹脂によって構成され、基材A2は、ラミネート層A1よりも軟化温度の高い樹脂フィルムが採用されている。これにより、加熱圧着時に基材A2がラミネート層A1の保護するようになっている。かかるラミネート材Aは、上述の如く長尺に形成された上でロールにされ、該ロールから長手方向に引き出して使用される。
【0032】
アンダーフィルムBは、ラミネート材Aとは異なり、単層の樹脂シートで構成されている。そして、該アンダーフィルムBは、ラミネート層A1と同様に、ラミネート処理の対象となる被記録媒体Pと重ね合わせた状態で該被記録媒体Pからはみ出るサイズに設定されており、本実施形態においては、ラミネート材Aを同じサイズのものが採用されている。そして、該アンダーフィルムBについても、ラミネート材Aと同様、長尺に形成された上でロールにされ、該ロールから長手方向に引き出して使用される。
【0033】
前記ラミネート処理部3は、上記構成のラミネート材A及びアンダーフィルムBを用いることを前提に、図3に示す如く、振分機構4以降の搬送経路としての第二経路R2上で搬送される被記録媒体Pの記録面側(図中の左側)からラミネート材Aを長手方向に供給するラミネート材供給部30と、被記録媒体Pの記録面とは反対側のベース面側(図中の右側)からアンダーフィルムBを長手方向に供給するアンダーフィルム供給部31と、供給されてくるラミネート材Aと被記録媒体PとアンダーフィルムBとを重ねた積層体(A+P+B)を加熱圧着しつつ下流側に送り出す圧着部32と、該圧着部32から送り出された積層体(A+P+B)を挟み込む挟圧部33と、アンダーフィルムBを積層体(A+P+B)から分離する分離部34と、分離したアンダーフィルムBを回収するアンダーフィルム回収部35と、圧着部32から送り出された積層体(A+P+B)上の基材A2の移動方向を該積層体(A+P+B)の移動方向とは異なる方向に切り換えて、ラミネート層A1から基材A2を剥離させる剥離部36と、剥離された基材A2を回収する基材回収部37とを備えている。
【0034】
ラミネート材供給部30は、ラミネート材Aのロールを保持しつつ軸支する第一ホルダー300を備え、第一ホルダー300に保持されたロールからラミネート材Aを連続シートとして供給できるようになっている。該ラミネート材供給部30は、第二経路R2上の被記録媒体Pの記録面にラミネート層A1が対向するようにラミネート材Aが引き出されるようになっている。
【0035】
前記アンダーフィルム供給部31は、アンダーフィルムBのロールを保持しつつ軸支する第二ホルダー310を備え、第二ホルダー310に保持されたロールからアンダーフィルムBを連続シートとして供給できるようになっている。本実施形態に係るアンダーフィルム供給部31は、第二経路R2上の被記録媒体Pのベース面に対向するようにアンダーフィルムBが引き出されるようになっている。
【0036】
前記圧着部32は、駆動ローラ320と圧着ローラ321とを備える。駆動ローラ320は、被記録媒体Pのベース面側に配置され、圧着ローラ321は、被記録媒体Pの記録面側に配置されている。両ローラ320,321間において、ラミネート材A、被記録媒体P、アンダーフィルムBの順でこれらが加熱圧着される。
【0037】
両ローラ320,321は、軸芯部にヒータが内装されて加熱ローラとなっている。ローラ320,321の表面における加熱温度は、駆動ローラ320では、60〜130℃の範囲内で設定され、圧着ローラ321では、80〜130℃の範囲内で設定される。尚、圧着部32におけるアンダーフィルムB側のローラ(駆動ローラ320)も、加熱ローラとし且つラミネート材A側のローラ(圧着ローラ321)のローラ表面での加熱温度より低く設定するのは、アンダーフィルムBに対する熱影響を抑えつつ、ラミネート層A1及びアンダーフィルムB間の熱溶着性を活性化させるためである。
【0038】
剥離部36は、第二経路R2に対向して配置された剥離ローラ360と、該剥離ローラ360の上流側近傍に配置され、剥離ローラ360への基材A2の巻き付け角度を大きくするための段差ローラ361とを備える。剥離ローラ360は、圧着部32から下流側に距離を十分に離した位置に配置され、圧着部32で加熱圧着されることで活性化(粘性等を発揮)したラミネート層A1が通常の平衡状態(接着力が強くなった状態)になってからラミネート材A(ラミネート層A1)に外力を作用させるようにしている。
【0039】
図3に戻り、基材回収部37は、ラミネート層A1から剥離させた連続シート状の基材A2をロール状に巻き取って回収する第三ホルダー370を備える。第三ホルダー370は、その巻き取り面が剥離ローラ360よりも第二経路R2の上流側となるように配置されることにより、剥離される基材A2を剥離ローラ360に巻き付かせ、併せて第二経路R2に対する基材A2の剥離角度を決定している。
【0040】
分離部34は、第二経路R2に対向して配置された分離ローラ340を備える。分離ローラ340は、剥離ローラ360と同様、圧着部32から下流側に距離を十分に離した位置に配置され、圧着部32で加熱圧着されることで活性化(粘性等を発揮)したラミネート層A1が通常の平衡状態(接着力が強くなった状態)になってからラミネート材A(ラミネート層A1)に外力を作用させるようになっている。
【0041】
アンダーフィルム回収部35は、余分なラミネート層A1を転写させた連続シート状のアンダーフィルムBをロール状に巻き取って回収する第四ホルダー350を備える。第四ホルダー350は、その巻き取り面が分離ローラ340よりも第二経路R2の上流側となるように配置されることにより、積層体(A1+P+B)から分離されるアンダーフィルムBを分離ローラ340に巻き付かせ、併せて第二経路R2に対するアンダーフィルムBの分離角度を決定する。
【0042】
そして、前記挟圧部33は、第二経路R2を挟んで互いに対向する状態で配置される一対のローラ330,331を備える。以下では、一対のローラ330,331のうち、前記ラミネート材A側に配置される一方のローラを第一挟圧ローラ330とし、被記録媒体Pの被記録面と反対面(ベース面)側に配置される他方のローラを第二挟圧ローラ331とする。前記一対のローラ330,331は、前記積層体(A+P+B)を少なくとも前記被記録媒体Pの幅方向両端縁位置において間に挟み込む。また、前記第一挟圧ローラ330は、少なくとも前記被記録媒体Pの幅方向端縁に対応する部位が第二挟圧ローラ331よりも軟質に構成される。
【0043】
また、前記挟圧部33は、圧着部32の下流側に設けられ、圧着部32で加熱されたラミネート材Aが依然として加熱状態(常温より温度が高い状態)にあるうちにラミネート材Aに対して押圧力を作用させるようになっている。好ましくは、圧着部32の下流側近傍位置に設けられ、より高い温度の状態で押圧される。
【0044】
具体的には、前記一対のローラ330,331は、少なくとも前記被記録媒体Pの幅寸法よりもローラの軸方向長さが長く形成され、前記積層体(A+P+B)を被記録媒体Pの幅寸法よりも長い領域に亘って挟み込む。即ち、一対のローラ330,331は、被記録媒体Pの両端縁からはみ出す態様で前記積層体(A+P+B)を挟み込む。より具体的には、前記第一挟圧ローラ330は、前記領域に亘って前記第二挟圧ローラ331よりも軟質に構成される。即ち、前記第一挟圧ローラ330は、前記第二挟圧ローラ331よりも表面が弾性変形しやすく構成される。なお、各ローラ330,331は、それぞれの軸心を結ぶ直線上で互いに接触するか、若しくは、積層体(A+P+B)の厚みよりも小さい距離を有して対向するように配置される。このため、積層体(A+P+B)が各ローラ330,331間に挟み込まれると、各ローラ330,331は表面同士が互いに離間するように圧縮されるとともに、表面同士が互いに近接する方向に復元力を発生させ、積層体(A+P+B)に押圧する。
【0045】
ところで、前記一対のローラ330,331の材質についてであるが、前記第一挟圧ローラ330としては、例えばJIS K 6249による硬度が約70〜80程度の素材(例えばゴムやウレタン)が用いられるのに対し、前記第二挟圧ローラ331としては、例えばJIS K 6249による硬度が約50〜60程度の素材(例えばゴム)が用いられる。なお、前記駆動ローラ320及び圧着ローラ321には、同程度の硬度を有する素材、例えばJIS K 6249による硬度が約50〜60程度のゴムが用いられる。
【0046】
本実施形態に係るラミネート装置2は以上の構成からなり、次に動作について説明すると、図3に示す如く、ラミネート材Aは、予めラミネート材供給部30から引き出され、圧着部32(駆動ローラ320と圧着ローラ321との間)に挿通され、先端部が基材回収部37の第三ホルダー370に巻き付けられる。また、アンダーフィルムBも、アンダーフィルム供給部31から引き出され、圧着部32(駆動ローラ320と圧着ローラ321との間)に挿通され、先端部がアンダーフィルム回収部35の第四ホルダー350に巻き付けられる。この状態では、圧着部32と剥離部36との間における第二経路R2で、ラミネート材AとアンダーフィルムBとが重なり合った状態となっている。
【0047】
そして、圧着部32の駆動ローラ320のみならず、基材回収部37及びアンダーフィルム回収部35の各ホルダー370,350の全てに対し、スプロケット、チェーン、ギアトレイン等の周知の駆動力伝達手段によってモータ(図示しない)の駆動力が同時に伝達される。これらの同期駆動により、ラミネート材供給部30からラミネート材Aが引っ張られて繰り出され、アンダーフィルム供給部31からアンダーフィルムBが引っ張られて繰り出される。
【0048】
この状態で、プリンタ装置1で印刷された被記録媒体Pが受入口50から順次供給される。被記録媒体Pにラミネート処理を行わない場合には、振分機構4が第一経路R1を選択し、被記録媒体Pが第一経路R1を介して第一トレイT1上に排出される。
【0049】
その一方で、被記録媒体Pにラミネート処理を行う場合には、振分機構4が第二経路R2を選択し、受け入れた被記録媒体Pが第二経路R2に向けて搬送されることになる。
【0050】
このようにラミネート材AとアンダーフィルムBとの間に介入された被記録媒体Pは、そのままラミネート材AとアンダーフィルムBとに挟まれた状態で下流側に搬送され、圧着部32でラミネート材Aと被記録媒体PとアンダーフィルムBとを重ねた積層体(A+P+B)が加熱圧着されつつ下流側に搬送される。これにより、ラミネート材Aのラミネート層A1が被記録媒体Pの記録面及びアンダーフィルムBに転写される。即ち、ラミネート層A1は、被記録媒体Pの記録面に転写されるとともに、該記録面からはみ出た部分がアンダーフィルムBに転写されることになる。
【0051】
積層体(A+P+B)は、次に、挟圧部33に搬送され、図4に示すように、挟圧部33を構成する一対のローラ330,331間に挿通されて挟み込まれる。すると、第一挟圧ローラ330は第二挟圧ローラ331よりも軟質であるために弾性変形しやすい(即ち、弾性変形量が大きい)ことから、挟み込まれた積層体(A+P+B)は、第二挟圧ローラ331よりも第一挟圧ローラ330の方により多く(若しくは、深く)埋没する態様となる。(即ち、積層体(A+P+B)は、第二挟圧ローラ331に支持されるとともに、第一挟圧ローラ330に押し付けられる態様となる。)
【0052】
この場合、被記録媒体Pの記録面に対応する部分(ラミネート部分Aa)や、アンダーフィルムBに対応する部分(密着部Ab1)においては、第一挟圧ローラ330からの押圧力(弾性変形していた状態から復元しようとする際の復元力)がラミネート材Aを介して被記録媒体Pの記録面や第二挟圧ローラ331に受け止められる。一方、被記録媒体Pの端縁に沿う極小幅領域におけるラミネート材AがアンダーフィルムBから浮いた非密着部Ab2(被記録媒体Pの端縁からラミネート材AとアンダーフィルムBとの密着境界までの間の部分)では、押圧力を受け止めるものが反対側に存在しないために、第一挟圧ローラ330が復元するのに従ってラミネート材Aが変形することとなる。従って、ラミネート材Aは、被記録媒体Pの端縁に食い込む(若しくは端面側に回り込む)ように押し付けられる状態となり、引っ張りに弱い部分が端縁に沿って形成される。即ち、ラミネート材Aの端縁に沿って癖若しくは筋目が形成される。しかも、ラミネート材Aは、加熱状態にあることから塑性変形しやすくなっており、被記録媒体Pの端縁に沿って薄肉となる。
【0053】
なお、積層体(A+P+B)が挟圧部33を通過する際には、まず、被記録媒体Pの先端側における端縁から一対のローラ330,331に受け入れられて押圧され、次に被記録媒体Pの両端側が押圧され、最後に被記録媒体Pの後端側が押圧されることとなる。先端側は、一対のローラ330,331に最初に当接する部位であるとともに、ラミネート材Aが変形させられる向き(被記録媒体Pの端面及び被転写手段に対して近接する向き)と積層体(A+P+B)が一対のローラ330,331に接近する向きとが互いに対向する状態であるため、最も大きな押圧力が作用する。両端側は、上述のように、第二挟圧ローラ331が弾性変形しつつラミネート材Aを端縁に押し付けることでラミネート材Aが変形する。後端側は、ラミネート材Aが変形させられる向きとは反対向きに積層体(A+P+B)がローラから遠ざかる態様(即ち、端縁が一対のローラ330,331からいわば逃げるような態様)となり、先端側や両端側に比べれば第一挟圧ローラ330からの押圧力を作用させにくいものの、第一挟圧ローラ330が弾性変形していた状態から復元することで端縁の下流側への移動に追従でき、押圧を行うことが可能となる。
【0054】
そして、このように圧着部32で得られる積層体は、剥離部36に搬送され、基材A2がラミネート層A1から剥離される。
【0055】
そして、積層体(A1+P+B)はさらに分離部34に搬送され、アンダーフィルムBが分離される。この際、被記録媒体Pのベース面とアンダーフィルムBとが離間するように、被記録媒体P及びアンダーフィルムBは、相対移動することになる。即ち、積層体(A1+P+B)は、第二経路R2を更に下流側に向けて移動しようとするのに対し、アンダーフィルムBは、積層体(A1+P+B)の移動方向とは異なる方向(被記録媒体Pのベース面から離間する方向)に引っ張られることになる。そのため、基材A2が剥離されたラミネート層A1もアンダーフィルムBと同方向に移動しようとするため、前記引っ張りに弱い部分(即ち、ラミネート部分Aaと非密着部Ab2との境界)において引張力が集中的に作用することになる。そうすると、非密着部Ab2が密着部Ab1側に残る状態で、非ラミネート部分Abがラミネート部分Aaから切り離される。従って、ラミネート部分Aaの端縁は被記録媒体Pの端縁に沿ったきれいなものとなる。なお、ラミネート部分Aaから切り離された非ラミネート部分Abのラミネート層A1は、アンダーフィルムBと共にアンダーフィルム回収部35に回収されることとなる。
【0056】
その結果、被記録媒体Pの端縁に沿ったきれいな端縁を有し、且つ被記録媒体Pとの間に空気等が介在することなく記録面に密着したラミネート層A1でラミネートされた被記録媒体Pが第二トレイT2上に排出されることになる。
【0057】
以上のように、本実施形態に係るラミネート装置2によれば、被記録媒体のラミネート処理後に少なくとも両端側の端縁処理を行うことなく、被記録媒体Pに対するラミネート処理をきれいに仕上げることができる。
【0058】
また、前記一対のローラは、前記積層体を被記録媒体の幅寸法よりも長い領域に亘って挟み込むとともに、前記一方のローラは、前記領域に亘って他方のローラよりも軟質に構成されるため、両端側だけでなく後端側の端縁の全幅に亘っても、引っ張りに弱い部分がラミネート材に形成され、分離の際には、その部分に引張力を局所的に作用させることができる。
【0059】
しかも、前記挟圧部33が圧着部32と分離部34との間で且つ圧着部32の搬送方向下流側近傍に配置されるため、圧着部32において加熱圧着された積層体(A+P+B)が依然として高い温度の状態で押圧され、前記ラミネート部分Aaと非ラミネート部分Abとの分離を好適に行うことができる。
【0060】
さらに、前記挟圧部33が圧着部32とは別に設けられるため、各構成要素を特定の機能に特化させることができ、ラミネート処理を好適に行うことができる。具体的には、例えば圧着部32を挟圧部としても機能させるような場合、即ち、圧着部32を構成する圧着ローラ321を駆動ローラ320よりも軟質に構成した場合には、ラミネート材AとアンダーフィルムBとがずれてしまうといった不都合が発生する状況も考えられ得るが、前記挟圧部33と圧着部32とを別に設けることで、これを回避している。ただし、かかる不都合が発生しないか問題とならない程度において、若しくは、他の手段によって不都合を解決できる場合には、後述するように、圧着部32を挟圧部としても機能させることは可能である。
【0061】
なお、本発明は、上記何れの実施形態にも限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0062】
例えば、上記各実施形態においては、前記一対のローラ330,331は、少なくとも前記被記録媒体Pの幅寸法よりもローラの軸方向長さが長く形成され、前記積層体(A+P+B)を被記録媒体Pの幅寸法よりも長い領域に亘って挟み込むものであるとして説明したが、これに限定されるものではなく、前記積層体(A+P+B)を少なくとも前記被記録媒体Pの幅方向端縁位置において挟み込むものであればよい。
【0063】
従って、一対のローラは、前記被記録媒体Pの幅方向における一端側及び他端側に、それぞれ設けられるものであってもよい。また、他方のローラは前記被記録媒体Pの幅寸法よりも軸方向長さが長く形成されるとともに、一方のローラのみ、前記被記録媒体Pの幅方向における一端側及び他端側に別体で設けられるものであってもよい。
【0064】
また、前記第一挟圧ローラ330は、その全長に亘って前記第二挟圧ローラ331よりも軟質に構成されるものであるとして説明したが、これに限定されるものではなく、一方のローラにおける少なくとも前記被記録媒体Pの幅方向端縁に対応する部位が他方のローラよりも軟質に構成されるものであればよい。
【0065】
従って、前記被記録媒体Pの幅方向端縁に対応する部位以外の部位については、その硬度を問うものではなく、他方のローラと同等若しくはそれ以上に硬質であってもよい。この場合であっても、少なくとも両端側においてラミネート材Aに形成される引っ張りに弱い部分がきっかけとなり、引張力が後端側に作用した際に、後端側でも端縁に沿ってきれいに切断され得る。
【0066】
そして、上記実施形態においては、アンダーフィルムBを被転写手段として機能させているが、アンダーフィルム供給部31、アンダーフィルム回収部35及び分離部34を無くし、その代わりに、図5に示すように、圧着部32のローラ(駆動ローラ320)を被転写手段とし、圧着部32をラミネート部分Aaと非ラミネート部分Abとを分断する分離部として機能させるようにしてもよい。この場合、図5に示すように、駆動ローラ320の外周面がベース面から離間するに際し、被記録媒体Pの記録面上にラミネート層A1が密着したラミネート部分Aaと非密着部Ab2との境界に引っ張りが生じ、非密着部Ab2が密着部Ab1側に残る状態で、非ラミネート部分Abがラミネート部分Aaから切り離される。従って、ラミネート部分Aaの端縁は被記録媒体Pの端縁に沿ったきれいなものとなる。但し、この場合には、被記録媒体Pの周辺からはみ出たラミネート層A1が駆動ローラ41の外周面に密着するため、ラミネート材Aを被記録媒体Pに圧着するポイントよりも上流側で、外周面に付着するラミネート層A1の残滓を掻き落として除去すべく、先端部が駆動ローラ320の外周面に所定圧で接触したスクレーパー(除去手段)60を設けるのが好ましい。
【0067】
また、上記各実施形態においては、圧着部32を構成するローラ320,321とは別に挟圧部33を構成する一対のローラ330,331を設けるものであったが、これに限定されるものではなく、圧着部32を挟圧部としても機能させるものであってもよい。具体的には、圧着ローラ321が駆動ローラ320よりも軟質に構成される。このようにすれば、前記加熱圧着及び転写を行うと同時に前記押圧をも行うことが可能となる。なお、この場合においても、搬送方向下流側に独立した挟圧部をさらに配置するものであってもよい。
【0068】
そして、上記各実施形態においては、ラミネート層A1に対して基材A2が剥離可能に積層されたラミネート材Aを用いるようにしているが、基材A2がないラミネート層A1だけのラミネート材Aを用いるようにしてもよい(剥離部36及び基材回収部37は不要となる)。この場合、圧着部32及び挟圧部33において、ラミネート層A1が直接的に加熱圧着されるとともに押圧されることとなる。
【0069】
また、上記実施形態においては、ラミネート材A及びアンダーフィルムBとして、長尺に形成されたロール状のものを用いたが、これに限定されるものではなく、枚葉状にカットされたフィルム状のラミネート材A及びアンダーフィルムBを用いるものであってもよい。この場合には、人手によってラミネート材Aの基材A2及びアンダーフィルムBを剥離及び分離することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施形態に係るラミネート装置及びプリンタ装置の概略断面図を示す。
【図2】同実施形態に係るラミネート装置に用いられるラミネート材の断面図を示す。
【図3】同実施形態に係るラミネート装置の概略断面図を示す。
【図4】同実施形態に係るラミネート装置の挟圧部によって挟み込まれた状態の積層体を示す図であって、(a)は、積層体の断面図を示し、(b)は、ラミネート部分及び非ラミネート部分における(a)の拡大図を示す。被記録媒体の供給状態と剥離部での基材の剥離状態との関係を説明するための概略部分側面図を示す。
【図5】本発明の他の実施形態に係るラミネート装置の圧着部及び分離部の作動を説明するための概略斜視図を示す。
【図6】ラミネート材と被記録媒体とアンダーフィルムとが加熱圧着された積層体の断面図を示す。
【符号の説明】
【0071】
1…プリンタ装置、2…ラミネート装置、3…ラミネート処理部、4…振分機構、4a,4b…ローラ、10…ロール収容部、11…搬送系、12…プリント部、13…カッター装置、30…ラミネート材供給部、31…アンダーフィルム供給部、32…圧着部、33…挟圧部、34…分離部、35…アンダーフィルム回収部、36…剥離部、37…基材回収部、41…駆動ローラ、50…受入口、130…印刷台、131…プリントヘッド、132…クリーナーユニット、133…廃インクタンク、134…ドットインパクトプリンタユニット、135…中継タンク、300…第一ホルダー、310…第二ホルダー、320…駆動ローラ、321…圧着ローラ、330…第一挟圧ローラ、331…第二挟圧ローラ、340…分離ローラ、350…第四ホルダー、360…剥離ローラ、361…段差ローラ、370…第三ホルダー、A…ラミネート材、A1…ラミネート層、A2…基材、Aa…ラミネート部分、Ab…非ラミネート部分、Ab1…密着部、Ab2…非密着部、B…アンダーフィルム、L…境界線、P…被記録媒体、R1…第一経路、R2…第二経路、T1…第一トレイ、T2…第二トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体よりも大きなサイズのラミネート材を該被記録媒体を覆うように重ねて加熱圧着するとともに、被記録媒体の記録面と反対面側に配置される被転写手段に被記録媒体からはみ出る分のラミネート層を転写させて、被記録媒体の記録面上にラミネート層を形成するラミネート装置において、
少なくともラミネート材及び被記録媒体を重ねた積層体を少なくとも前記被記録媒体の幅方向両端縁位置において間に挟み込む一対のローラを備え、
該一対のローラのうち前記ラミネート材側の一方のローラは、少なくとも前記被記録媒体の幅方向端縁に対応する部位が他方のローラよりも軟質に構成されることを特徴とするラミネート装置。
【請求項2】
前記一対のローラは、前記積層体を被記録媒体の幅寸法よりも長い領域に亘って挟み込むとともに、
前記一方のローラは、前記領域に亘って他方のローラよりも軟質に構成されることを特徴とする請求項1記載のラミネート装置。
【請求項3】
前記被転写手段は、被記録媒体よりも大きなサイズの長尺なアンダーフィルムであり、
前記ラミネート材、被記録媒体及びアンダーフィルムに対して前記加熱圧着及び転写を行う圧着部を備えるとともに、
前記ラミネート材、被記録媒体及びアンダーフィルムが加熱圧着された積層体を、ラミネート層が記録面に密着したラミネート部分とラミネート層が被記録媒体からはみ出る非ラミネート部分とに分離すべく、アンダーフィルムを被記録媒体の記録面と反対面側に離間させる分離部をさらに備え、
前記一対のローラは、前記圧着部と分離部との間に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載のラミネート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−307787(P2007−307787A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−138865(P2006−138865)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】