説明

ランプ、回路ユニット及び光源ユニット

【課題】ランプが不点灯になった場合に、固体発光素子又は点灯回路のいずれが故障した方をだけをユーザーが容易に交換できるランプを提供する。
【解決手段】光源としての固体発光素子112と、当該固体発光素子112を点灯させる点灯回路210と、当該点灯回路210の故障を検知する検知手段220と、当該検知結果に基づき前記点灯回路210の故障を告知するインジケータ170とを備え、少なくとも前記固体発光素子112を含む光源ユニット101が、少なくとも前記点灯回路210を含む回路ユニット102に対して着脱自在であり、装着動作において、回路ユニット側の第1給電端子144と光源ユニット側の第1受電端子154との電気的接続、及び、回路ユニット側の第2給電端子146と光源ユニット側の第2受電端子157との電気的接続がなされることを特徴とするランプ100とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源として固体発光素子を用いたランプ、並びに、当該ランプを構成する回路ユニット及び光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ランプの光源として、発光ダイオード(LED)、半導体レーザーダイオード(LD)、電界発光素子(EL)等の固体発光素子を用いることが行われている。固体発光素子は、水銀や鉛といった有害物質を含まないため、環境に優しい光源である。固体発光素子を光源とするランプの中でも、白熱電球と同じE形の口金を備え、白熱電球と同じ外観形状を有するランプは、白熱電球の代替品として利用可能である(特許文献1〜4)。
【特許文献1】特開2005−276467号公報
【特許文献2】特開2006−156187号公報
【特許文献3】特開2006−313717号公報
【特許文献4】特開2008−91140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記ランプは、固体発光素子の故障、或いは、固体発光素子を点灯させる点灯回路の故障によって不点灯に至る。固体発光素子と点灯回路の両方が故障したわけではなく、いずれか一方のみが故障している場合は、故障した方だけを交換すれば故障していない方は再利用することができ省資源化の観点から好ましい。
しかしながら、従来のランプでは固体発光素子と点灯回路とが1つのケースに同包されており、固体発光素子又は点灯回路の一方だけを交換することは容易ではない。また、例え無理に固体発光素子又は点灯回路の一方だけを交換しようとしても、固体発光素子と点灯回路のどちらの故障が原因でランプが不点灯になったのかを見極めるのは容易ではない。したがって、故障した方だけを交換するといった作業はユーザーにとっては容易ではない。
【0004】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、ランプが不点灯になった場合に、固体発光素子又は点灯回路のいずれが故障した方をだけをユーザーが容易に交換できるランプを提供することを目的とする。本発明の他の目的は、前記交換の際に使用される光源ユニット及び回路ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るランプは、光源としての固体発光素子と、当該固体発光素子を点灯させる点灯回路と、当該点灯回路の故障を検知する検知手段と、当該検知結果に基づき前記点灯回路の故障を告知するインジケータとを備え、少なくとも前記固体発光素子を含む光源ユニットが、少なくとも前記点灯回路を含む回路ユニットに対して着脱自在であり、装着動作において、回路ユニット側の第1給電端子と光源ユニット側の第1受電端子との電気的接続、及び、回路ユニット側の第2給電端子と光源ユニット側の第2受電端子との電気的接続がなされることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る回路ユニットは、光源となる固体発光素子を備えた光源ユニットを着脱自在であり、前記光源ユニットが装着された状態において当該光源ユニットとでランプを構成する回路ユニットであって、前記固体発光素子を点灯させる点灯回路と、当該点灯回路の故障を検知する検知手段と、当該検知結果に基づき前記点灯回路の故障を告知するインジケータとを備え、前記発光ユニットを装着する装着動作において、回路ユニット側の第1給電端子と光源ユニット側の第1受電端子との電気的接続、及び、回路ユニット側の第2給電端子と光源ユニット側の第2受電端子との電気的接続がなされることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る光源ユニットは、点灯回路及び当該点灯回路の故障を検知する検知手段を備えた回路ユニットに着脱自在であり、前記回路ユニットに装着された状態において前記回路ユニットとでランプを構成する光源ユニットであって、前記点灯回路によって点灯される固体発光素子と、前記検知手段による検知結果に基づき前記点灯回路の故障を告知するインジケータとを備え、前記回路ユニットへ装着する装着動作において、回路ユニット側の第1給電端子と光源ユニット側の第1受電端子との電気的接続、及び、回路ユニット側の第2給電端子と光源ユニット側の第2受電端子との電気的接続がなされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るランプは、点灯回路の故障を検知する検知手段と、当該検知結果に基づき前記点灯回路の故障を告知するインジケータとを備えるため、ランプが不点灯になった場合において、インジケータが点灯回路の故障を告知している場合はそれが点灯回路の故障に因るものであると分かり、インジケータが点灯回路の故障を告知していない場合はそれが点灯回路の故障に因るものでない、すなわち固体発光素子の故障に因るものであると分かる。また、少なくとも前記固体発光素子を含む光源ユニットと、少なくとも前記点灯回路を含む回路ユニットとが着脱自在であるため、固体発光素子又は点灯回路のうち故障している方のみを容易に交換可能である。
【0009】
本発明に係る回路ユニットは、固体発光素子を点灯させる点灯回路と、当該点灯回路の故障を検知する検知手段と、当該検知結果に基づき前記点灯回路の故障を告知するインジケータとを備えるため、光源となる固体発光素子を備えた光源ユニットとで構成するランプが不点灯になった場合に、それが点灯回路の故障に因るものであるか否かが容易に分かり、点灯回路の故障に因るものであった場合は回路ユニットだけを容易に交換できる。
【0010】
本発明に係る光源ユニットは、光源となる固体発光素子と、検知手段の検知結果に基づき点灯回路の故障を告知するインジケータとを備えるため、固体発光素子を点灯させる点灯回路と、当該点灯回路の故障を検知する検知手段とを備えた回路ユニットとで構成するランプが不点灯になった場合に、それが固体発光素子の故障に因るものであるか否かが容易に分かり、固体発光素子の故障に因るものであった場合は光源ユニットだけを容易に交換できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係るランプ、光源ユニット及び回路ユニットの一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施の形態]
<ランプの構成>
図1は、第1の実施形態に係るランプを示す斜視図であり、図2は、第1の実施形態に係るランプを示す縦断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るランプ100は、LEDモジュール110、基台120、グローブ130、ホルダ140、ケース150、点灯装置160、インジケータ170及び口金180を備え、一般照明用電球の規格寸法に準じた外観形状を有し、図2に示すように、例えば、口金180のねじ込み軸方向(図2に示すX軸方向)の寸法L1が19〜25mm、ねじ込み軸方向と直交する方向(図2に示すY軸方向)の最大寸法L2が12〜39mmである。なお、一般照明用電球とは、JIS C 7501に定義されている電球であって、例えば定格電力が40W、60W又は100Wの白熱電球である。ランプ100の形状及び寸法が上記のようであるため、既存の白熱電球用のソケットに取り付けることができ白熱電球の代替品として使用できる。
【0012】
LEDモジュール110は、ランプ100の光源であって、例えば、基板111と、当該基板111上にマトリクス状に9個実装された固体発光素子としてのLED素子112と、それらLED素子112を封止する波長変換部材113とを備え、主としてX軸+方向(口金180のねじ込み方向とは反対方向)に白色光を出射する。なお、本実施の形態に係るランプ100はLEDモジュール110を1個だけ備えているが、1つのランプが複数個のLEDモジュールを備える構成であっても良い。
【0013】
基板111は、例えば、縦20〜65mm、横20〜65mm、厚み1〜5mmの直方体形状であって、絶縁性アルミナ等のセラミック基板等からなる絶縁層とアルミ板等からなる金属層との2層構造を有する。基板111の実装領域には、当該領域に実装されるLED素子112と電気的に接続される配線パターン(不図示)が形成されており、当該配線パターンは、例えば、10μm程度の銅箔をエッチングによりパターン形成してなる。
【0014】
各LED素子112は、例えば、縦0.1〜20mm、横0.1〜20mm、厚み0.01〜2mmの直方体形状であって、上面にP型電極とN型電極との両極を備える片面電極型であり、基板111の前記実装領域の所定箇所にボンディングされ、ワイヤ(不図示)を介して前記配線パターンと接続されている。LED素子112は、例えば9個が3行3列のマトリクス状に配置されており、LED素子112間のピッチ(LED素子112の中心同士の間隔)は例えば1〜5mmである。
【0015】
波長変換部材113は、例えば、縦15〜60mm、横15〜60mm、厚み1〜5mmの直方体形状であって、LED素子112からの出力光を所望の光色に変換する蛍光体粒子が混入された樹脂かならなり、1つの波長変換部材113に9個のLED素子112がまとめて封止されている。なお、LEDモジュール110は、複数のLED素子112が1つの波長変換部材113にまとめて封止されている構成に限定されず、例えば、各LED素子112が異なる波長変換部材113によってそれぞれ別々に封止されている構造であっても良い。なお、波長変換部材113の樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド等が考えられる。
【0016】
LEDモジュール110の白色光は、例えば、発光色が青色のInGaN系のLED素子112と黄緑色発光の蛍光体とを用いて、LED素子112から発せられた青色光の一部が蛍光体によって黄緑色に色変換され、青色と黄緑色との混色により生じる。
基台120は、直径が35〜95mm、厚みが1〜10mmの円板形状であって、X軸+側の面121には配線パターン(不図示)が形成されておりLEDモジュール110を実装する実装面となっている。基台120には、一対の貫通孔122,123が形成されており、前記配線パターンに電気的に接続された一対の導線114,115がそれぞれ貫通孔122,123を介して基台120のX軸−側に導出されている。
【0017】
基台120は、アルミニウムやアルミニウム合金等の放熱性に優れた材料からなり、ヒートシンクとしての役割を果たす。したがって、点灯中のLEDモジュール110を低温に保つことができ、これによりLEDモジュール110の光出力を向上させることができる。なお、基台120の材料にグラファイトを使用することで、ヒートシンクとしての役割を維持しつつ軽量化を図ることもできる。
【0018】
グローブ130は、透光性樹脂又はガラス等の透光性の材料からなるドーム形状であって、LEDモジュール110の基台120とは反対側を覆うように配置されており、X軸−側の端面131が基台120のX軸+側の面121に接着剤、ネジ等の公知の方法により固定されている。
グローブ130の外表面には梨地処理が施されており、LEDモジュール110の出力光がグローブ130で拡散され白熱電球に近い配光パターンとなっている。また、グローブ130と基台120とで形成される内部空間132は気密性が高く、LEDモジュール110が水分等を含んだ外気に晒され難くなっている。なお、グローブ130は、基台120ではなくホルダ140に固定されていても良い。
【0019】
ホルダ140は、有底筒状であって、開口を有する側の端面141に基台120のX軸−側の面124を接着剤、ネジ等の公知の方法により固定することにより、前記基台120を保持している。また、ホルダ140の開口を有する側とは反対側の面142には、X軸−側に膨出する凸部143が形成されており、当該凸部143の外周面には金属製でリング状の雄ねじ144が取り付けられている。
【0020】
雄ねじ144は導電性を有しており、凸部143の外周面の一箇所に形成された貫通孔145を介してLEDモジュール110の一方の導線114と電気的に接続されている。さらに、凸部143の中央には1本のピン端子146がX軸−側に向けて突設されており、当該ピン端子146にLEDモジュール110の他方の導線115が電気的に接続されている。
【0021】
ケース150は、有底筒状であって、内部に点灯装置160及びインジケータ170が格納され、開口を有する側の端部151に口金180が取り付けられている。ケース150の開口を有する側とは反対側の面152には、ホルダ140の凸部143を嵌め込むための凹部153が形成されており、その凹部153の内周面には金属製でリング状の雌ねじ154が取り付けられている。
【0022】
雌ねじ154は導電性を有しており、凹部153の内周面の一箇所に形成された貫通孔155を介して点灯装置160から導出された一方の導線161と電気的に接続されている。さらに、凹部153の中央にはピン端子146が差し込まれる穴部156が形成されており、当該穴部156内に点灯装置160の他方の導線162と電気的に接続されたピン受け端子157が設けられている。
【0023】
点灯装置160は、基板163と、当該基板163に実装されたダイオードブリッジ、電解コンデンサ、差動アンプ及びマイコン等の複数の電子部品164とを備え、LED素子112を点灯させる点灯回路210と、当該点灯回路210の故障を検知する検知手段としてのインジケータ制御回路220とを構成している。なお、点灯回路210及びインジケータ制御回路220についての詳細は後述する。
【0024】
インジケータ170は、例えば、基板171と、当該基板171上に1個実装されたLED素子172と、LED素子172を封止する波長変換部材173とを備えたLEDモジュールであって、インジケータ制御回路220が点灯回路210の故障を検知した場合に点灯してユーザーにその故障を告知する。基板171、LED素子172及び波長変換部材173のその他の構成は、寸法を除いてLEDモジュール110の基板111、LED素子112及び波長変換部材113の構成と略同様であるため説明を省略する。
【0025】
インジケータ170は、ケース150の外周面の一箇所に設けられた透光性の窓部158に相当する位置に配置されており、ユーザーは窓部158を介してケース150の外側からインジケータ170が点灯したことを目視できる。
口金180は、白熱電球用のソケットに適合可能なJIS C 7709で規格されるねじ込みタイプの口金であり、例えば、E26関連で3種類(E26/25、E26/27、E26/30)、E27関連で2種類(E27/25、E27/27)、E39関連で2種類(E39/41、E39/46)挙げられる。口金180の先端部分181とねじ形成部182にはそれぞれ点灯装置160の導線(不図示)が接続されており、2点接点で商業電源からの交流電力の入力を受ける。口金180は、ケース150に接着剤、カシメ等の公知の方法により取り付けられている。
【0026】
<光源ユニット及び回路ユニットの着脱構造>
図3は、第1の実施形態に係る光源ユニット及び回路ユニットを示す斜視図であり、図4は、第1の実施形態に係る光源ユニット及び回路ユニットを示す縦断面図である。図3及び図4に示すように、ランプ100は、LEDモジュール110、基台120、ホルダ140及びグローブ130からなる光源ユニット101が、点灯装置160、インジケータ170、ケース150及び口金180からなる回路ユニット102に対して着脱自在である。
【0027】
図2に示すように、ホルダ140の雄ねじ144をケース150の雌ねじ154に螺合させることにより、ホルダ140の凸部143はケースの150の凹部153に嵌まり込み、ホルダ140のピン端子146がケース150の穴部156に差し込まれる。このようにして、光源ユニット101が回路ユニット102に装着される装着動作において、雄ねじ144と雌ねじ154との電気的接続がなされ、ピン端子146とピン受け端子157との電気的接続がなされることにより点灯装置160からLEDモジュール110への給電路が確保される。
【0028】
なお、雌ねじ154のねじ溝は、口金180と同じ方向にねじ切られている。すなわち、光源ユニット101を回路ユニット102に装着するときにケース150の雌ねじ154にホルダ140の雄ねじ146をねじ込む方向と、ランプ100を灯具(不図示)に取り付けるときに口金180を灯具のソケット(不図示)にねじ込む方向とが同じである。このような構成であるため、ランプ100を灯具に取り付ける際に光源ユニット101と回路ユニット102とが分離することがない。
【0029】
図4に示すように、光源ユニット101と回路ユニット102とを分離させるためには、光源ユニット101を回路ユニット102に対して回転させ、ホルダ140の雄ねじ144とケース150の雌ねじ154との螺合を解除する。これにより、雄ねじ144と雌ねじ154との電気的接続、及び、ピン端子146とピン受け端子157との電気的接続が断たれ、点灯装置160からLEDモジュール110への給電路も断たれる。
【0030】
<点灯回路及びインジケータ制御回路>
図5は、第1の実施形態に係る点灯回路及びインジケータ制御回路を示す回路図である。図5に示すように、点灯回路210は、例えば、整流・平滑回路211と定電流回路212とを含む。
整流・平滑回路211は、商業電源から供給された交流電力を直流電力に整流するダイオードブリッジ213、当該ダイオードブリッジ213により整流された直流電力の電流値を調整する電解コンデンサ214等を有する。
【0031】
定電流回路212は、抵抗215〜217、差動アンプ218及びトランジスタ219等を有し、整流・平滑回路211からから出力される定電圧を定電流に変換してLED素子112に印加する。抵抗215,216は、整流・平滑回路211の直流出力側両端に接続されており、それら抵抗215,216の接続点が差動アンプ218の正極側入力端に接続されている。整流・平滑回路211の出力電圧Vinは抵抗215,216からなる分圧回路により分圧され、基準電圧Vrefが得られる。一方、整流・平滑回路211とLED素子112の陰極端子との間に接続された抵抗217のLED素子112側接続端が差動アンプ218の負極側入力端に接続されており、LED素子112の陰極端子の電圧Vが得られる。
【0032】
差動アンプ218では、基準電圧Vrefと電圧Vとを比較し、前者が後者より大きい場合に“High”レベル、小さい場合に“Low”レベルの信号電圧Vを出力する。差動アンプ218の出力端子はトランジスタ219のゲートと後述するマイコン221に接続されており、トランジスタ219のゲートに加えられた信号電圧Vの電圧レベルに応じてトランジスタ219がオン、オフされ、オンの期間には出力電圧VinがLED素子112に印加される。このように差動アンプ218がトランジスタ219を介して整流・平滑回路211からの出力電流値を制御するため、LED素子112の陰極側端子の電圧Vと基準電圧Vrefとが等しくなり、LED素子112に定電流が供給される。
【0033】
検知手段としてのインジケータ制御回路220は、マイコン221、当該マイコン221に制御されるトランジスタ222、及び、抵抗223等を有する。マイコン221は、差動アンプ218から出力される信号電圧Vに基づいてトランジスタ222を制御しており、信号電圧Vがマイコン221に印加されていればトランジスタ222をオフにし、信号電圧Vがマイコン221に印加されなくなればトランジスタ222をオンにしインジケータ170を点灯させる。すなわち、マイコン221は差動アンプ218からの信号電圧Vが途絶えるとトランジスタ222を介してインジケータ170を点灯させる。
【0034】
本実施の形態では、差動アンプ218からの信号電圧Vが途絶えた場合に、点灯回路が故障したとみなす。差動アンプ218からの信号電圧Vが途絶える場合としては、例えば、電解コンデンサ214が故障し当該電解コンデンサ214から出力される電気エネルギーのうち入力サージなどがそのまま下流の電子部品に入力され差動アンプ218が破壊されたり、或いはその他の原因により差動アンプ218が破壊されたりした場合を挙げることができる。また、点灯回路210全体に起こり得る半田の接続不良等によっても差動アンプ218からの信号が途切れ得る。なお、点灯回路の故障ではないが、マイコン221が故障した場合もインジケータ170は点灯する。
【0035】
<光源ユニット又は回路ユニットの交換の態様>
上記のように、ランプ100が光源ユニット101が回路ユニット102に対して着脱自在であるため、一方のユニットが故障した場合はそのユニットだけを交換することができる。したがって、いずれか一方のユニットだけが故障した場合に、その故障したユニットだけを新しい物に取り替え、他方をそのまま流用してランプ100を構成することができる。
【0036】
図6は、光源ユニット又は回路ユニットの交換の態様を説明する工程図である。図6に示すように、ランプ100を使用していて、当該ランプ100が点灯しなくなった場合は(ステップS1で「NO」)、ユーザーはインジケータ170が点灯しているか否かを確認する(ステップS2)。インジケータ170が点灯していなければ、それは点灯回路210が故障していないことになるため、光源が点灯しなくなった原因はLEDモジュール110であると推測し、光源ユニット101を交換する(ステップS3)。
【0037】
一方、ステップS2において、インジケータ170が点灯していれば、点灯回路210が故障していることになるため、回路ユニット102を交換する(ステップS4)。回路ユニット102を交換してもランプ100が点灯しない場合は(ステップS5で「NO」)、LEDモジュール110も壊れていたと推測されるため、さらに光源ユニット101を交換する(ステップS3)。
【0038】
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態に係るランプを示す斜視図であり、図8は、第2の実施形態に係るランプを示す縦断面図である。図7及び図8に示すように、第2の実施形態に係るランプ300は、回路ユニット302に対する光源ユニット301の着脱の態様、すなわちホルダ340及びケース350の構造が、第1の実施形態に係るランプ100のホルダ140及びケース150の構造とは異なる。以下では、第1の実施形態と異なるホルダ340及びケース350の構造について重点的に説明し、第1の実施形態と同様の点ついては重複を避けるため説明を省略する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素については同符号を付する。
【0039】
ホルダ340は、有底筒状であって、開口を有する側の端面341には基台120のX軸−側の面124が接着剤、ネジ等の公知の方法により固定されている。ホルダ340の開口を有する側とは反対側の端面342には、その中央をX軸−側に膨出させてなる凸部343が形成されており、その凸部343の外周面には等間隔を空けて4箇所に係合突起344が設けられている。
【0040】
係合突起344は、一端部344aが半球状であって凸部343の外周面から突出しており、他端部344bが凸部343の外周面に形成された空洞部345に埋め込まれており、空洞部345内に配置されたスプリング346によって一端部344aが凸部343の外周面からより突出しようとする方向に付勢されている。ただし、他端部344bの径が空洞部345の入口の径よりも太くなっており、他端部344bは空洞部345から出ないようになっている。
【0041】
凸部343の中央にはY軸−側に向けて一対のピン端子347,348が突設されており、それらピン端子347,348にはLEDモジュール110の導線114,115がそれぞれ接続されている。
ケース350は、有底筒状であって、内部には点灯装置160及びインジケータ170が収容され、開口を有する側の端部351には口金180が取り付けられている。また、ケース350の外周面の一箇所には、インジケータ170の位置に合わせて透光性の窓部357が設けられており、ユーザーは窓部357を介してケース350の外側からインジケータ170が点灯したことを目視できる。
【0042】
ケース150の開口を有する側とは反対側の端面352には、その中央をX軸−側に凹入させてなる凹部353が形成されており、その凹部353の内周面に、係合突起344の一端部344aが丁度嵌まり込む大きさの係合穴354が内周面に沿って等間隔に4箇所設けられている。また、凹部353の中央には一対のピン端子347,348が差し込まれる穴部355,356が形成されており、当該穴部355,356内に点灯装置160の導線161,162とそれぞれ接続されたピン受け端子357,358がそれぞれ設けられている。
【0043】
光源ユニット301を回路ユニット302に装着する場合は、ホルダ340の凸部343をケース350の凹部353に嵌め込み、ピン端子347,348を穴部355,356内に差し込み、係合凸部344と係合穴354とを係合させる。これによりピン端子347,348とピン受け端子357,358とが電気的に接続され、点灯装置160からLEDモジュール110への給電路が確保される。
【0044】
一方、光源ユニット101と回路ユニット102とを分離する場合は、ピン端子347,348を穴部355,356から引き抜き、ホルダ340の凸部343をケース350の凹部353から取り出し、係合凸部344と係合穴354との係合を解除する。これによりピン端子347,348とピン受け端子357,358とが電気的接続が断たれ、点灯装置160からLEDモジュール110への給電路も断たれる。
【0045】
[変形例]
以上、本発明に係るランプ、光源ユニット及び回路ユニットを実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係るランプ、光源ユニット及び回路ユニットは、上記の実施の形態に限定されない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
<インジケータ>
本発明に係るインジケータは、必ずしも回路ユニット側に設けられる必要はなく、光源ユニット側に設けられても良い。例えば、ホルダの外周面に透光性の窓部を設けてホルダ内の当該窓部に相当する位置にインジケータを設けることが考えられる。また、グローブの内部空間における例えば基台のX軸+側の面上に設けることも考えられる。これらの場合、ホルダ及びケースのいずれにも、光源ユニット側のインジケータと回路ユニット側の点灯装置との電気的接続の接点となる接続端子を設けることが考えられる。
【0046】
また、本発明に係るインジケータは、LEDモジュールに限定されず、半導体レーザーダイオードや電界発光素子等の固体発光素子を用いたモジュール等であっても良い。さらに、固体発光素子を用いたモジュール等に限定されず、小型電球など光によりユーザーに故障を告知可能な発光装置を用いても良い。さらに、光により故障を告知可能な発光装置に限定されず、警告音を発するスピーカ等のような光以外の手段により故障を告知可能な装置であっても良い。さらに、インジケータの発光色は白色に限定されず、赤や緑や青等のようなLEDモジュールの発光色と異なる、識別し易い色にしても良い。
【0047】
また、本発明に係るインジケータは、1個のLEDモジュールで構成される場合に限定されず、例えば、ケースの外周面にその周方向に沿って複数個のLEDモジュールが例えば等間隔で設けられる構成であっても良い。このような構成とすることで、ランプを灯具に取り付けた際に、ユーザーがインジケータの点灯をより確実に目視することができる。
<検知手段>
本発明に係る検知手段は、点灯回路が正常な時はインジケータを消灯させておき、点灯回路が故障した場合にインジケータを点灯させる制御を行うものに限定されず、点灯回路が正常な時はインジケータを点灯させておき、点灯回路が故障した場合にインジケータを消灯させる制御を行うものであっても良い。
【0048】
また、本発明に係る検知手段は、回路ユニット側ではなく光源ユニット側に設けられていても良い。例えば、インジケータが光源ユニット側に設けられる場合等は、このような構成とすることが考えられる。このような場合は、ホルダ及びケースのいずれにも、光源ユニットのインジケータ制御回路と回路ユニットの点灯回路210との電気的接続の接点となる接続端子を設けることが考えられる。
【0049】
また、本発明に係る検知手段は、差動アンプからの信号電圧が途絶えた場合に、点灯回路が故障したとみなす構成に限定されず、固体発光素子が点灯しなくなるような点灯回路の故障により発生する現象を検知して、点灯回路が故障したとみなすものであれば良い。
<ホルダとケースの着脱構造>
本発明に係るホルダとケースの着脱構造は、第1及び第2の実施形態に係る構造に限定されず、発光ユニットと光源ユニットとを一体化させた場合に固体発光素子と点灯装置とが電気的に接続される構成であればよい。
【0050】
<固体発光素子>
本発明に係る固体発光素子は、LED素子に限定されず、半導体レーザーダイオードや電界発光素子等であっても良い。また、固体発光素子等の光源の発光色は白色に限定されず、任意の発光色を採用することが可能である。
<点灯回路>
本発明に係る点灯回路は、定電流制御を行う回路に限定されず、定電圧制御を行う回路であっても良い。
【0051】
<その他>
また、本発明に係るランプ、光源ユニット及び回路ユニットは、上記実施の形態及び変形例に係る構成の一部を組み合わせた構成であってもよい。
また、本発明に係るランプ、光源ユニット及び回路ユニットは、さらに、固体発光素子の故障を検知する第2の検知手段と、当該検知結果に基づき前記固体発光素子の故障を告知する第2のインジケータとを備える構成としても良い。例えば、第2の検知手段としては光源としてのLEDモジュールの光量を測定する光学センサが考えられ、当該光学センサによる測定値が所定の値以下になった場合に、固体発光素子が光源としての役割を果たせなくなった、すなわち固体発光素子が故障したとみなして第2のインジケータを点灯させる構成であっても良い。また、別の例として、第2の検知手段としては光源としてのLEDモジュールの電流値を測定する測定手段が考えられ、当該測定手段による測定値が所定の値以下になった場合に、固体発光素子が故障したとみなして第2のインジケータを点灯させる構成であっても良い。なお、第2のインジケータを設ける場合は、点灯回路の故障を告知するインジケータとの識別を容易にするために、点灯回路の故障を告知するインジケータとは異なる色に点灯させたり、第2のインジケータ用の透光性の窓部の色を、点灯回路の故障を告知するインジケータ用の窓部の色と異なる色にしたりすることが考えられる。さらに、ケースの外周面における窓部の周辺に、どこの部分の故障を告知しているのかを示す表示(例えば「光源」、「回路」等)を設けることが考えられる。
【0052】
また、本発明に係るランプは、一般照明用電球の規格に準じた外観形状を有するものに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係るランプ、光源ユニット及び回路ユニットは、照明用途全般に広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】第1の実施形態に係るランプを示す斜視図
【図2】第1の実施形態に係るランプを示す縦断面図
【図3】第1の実施形態に係る光源ユニット及び回路ユニットを示す斜視図
【図4】第1の実施形態に係る光源ユニット及び回路ユニットを示す縦断面図
【図5】第1の実施形態に係る点灯回路及びインジケータ制御回路を示す回路図
【図6】光源ユニット又は回路ユニットの交換の態様を説明する工程図
【図7】第2の実施形態に係るランプを示す斜視図
【図8】第2の実施形態に係るランプを示す縦断面図
【符号の説明】
【0055】
100,300 ランプ
101 光源ユニット
102 回路ユニット
112 固体発光素子
120 基台
130 グローブ
140,340 ホルダ
144 雄ねじ(受電端子)
146,347,348 ピン端子(受電端子)
150,350 ケース
154 雌ねじ(給電端子)
157,357,358 ピン受け端子(給電端子)
170 インジケータ
180 E形口金
210 点灯回路
218 差動アンプ
220 検知手段
221 マイコン
222 トランジスタ
344 係合突起
354 係合穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源としての固体発光素子と、当該固体発光素子を点灯させる点灯回路と、当該点灯回路の故障を検知する検知手段と、当該検知結果に基づき前記点灯回路の故障を告知するインジケータとを備え、
少なくとも前記固体発光素子を含む光源ユニットが、少なくとも前記点灯回路を含む回路ユニットに対して着脱自在であり、装着動作において、回路ユニット側の第1給電端子と光源ユニット側の第1受電端子との電気的接続、及び、回路ユニット側の第2給電端子と光源ユニット側の第2受電端子との電気的接続がなされることを特徴とするランプ。
【請求項2】
前記光源ユニットは、前記固体発光素子が実装される基台と、当該基台を保持するホルダと、前記固体発光素子を覆うグローブとを備え、
前記回路ユニットは、前記点灯回路に電気的に接続されたE形口金と、前記点灯回路及び検知手段が収容され前記インジケータ及びE形口金が取り付けられたケースとを備え、
前記光源ユニットが回路ユニットに装着された状態において一般照明用電球の規格に準じた外観形状を有することを特徴とする請求項1記載のランプ。
【請求項3】
前記第1給電端子及び第1受電端子は、いずれか一方が金属製の雄ねじであり他方が金属製の雌ねじであって、前記第2給電端子及び第2受電端子は、いずれか一方がピン端子であり他方がピン受け端子であって、
前記雄ねじを前記雌ねじに螺合させることにより前記光源ユニットが前記回路ユニットに装着される装着動作において、前記雄ねじと雌ねじとの電気的接続がなされ、前記ピン端子とピン受け端子との電気的接続がなされることにより前記点灯回路から前記固体発光素子への給電路が確保されることを特徴とする請求項2に記載のランプ。
【請求項4】
前記第1給電端子及び第1受電端子は、いずれか一方が第1ピン端子であり他方が第2ピン受け端子であって、前記第2給電端子及び第2受電端子は、いずれか一方が第2ピン端子であり他方が第2ピン受け端子であって、
前記ホルダ及びケースのいずれか一方に設けられた係合突起を他方に設けられた係合穴に係合させることにより前記光源ユニットが前記回路ユニットに装着される装着動作において、前記第1ピン端子と第1ピン受け端子との電気的接続がなされ、前記第2ピン端子と第2ピン受け端子との電気的接続がなされることにより前記点灯回路から前記固体発光素子への給電路が確保されることを特徴とする請求項2に記載のランプ。
【請求項5】
前記インジケータは、複数のLED素子で構成されており、それらLED素子が前記ケースの外周面に沿って間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のランプ。
【請求項6】
前記点灯回路は、定電流制御のための差動アンプを備え、前記検知手段は、前記インジケータに印加される電圧のオン、オフを行うトランジスタと、前記差動アンプから印加される電圧に基づいて前記トランジスタのオン、オフを制御するマイコンとを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のランプ。
【請求項7】
さらに、前記固体発光素子の故障を検知する検知手段と、当該検知結果に基づき前記発光素子の故障を告知するインジケータとを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のランプ。
【請求項8】
光源となる固体発光素子を備えた光源ユニットを着脱自在であり、前記光源ユニットが装着された状態において当該光源ユニットとでランプを構成する回路ユニットであって、
前記固体発光素子を点灯させる点灯回路と、当該点灯回路の故障を検知する検知手段と、当該検知結果に基づき前記点灯回路の故障を告知するインジケータとを備え、
前記発光ユニットを装着する装着動作において、回路ユニット側の第1給電端子と光源ユニット側の第1受電端子との電気的接続、及び、回路ユニット側の第2給電端子と光源ユニット側の第2受電端子との電気的接続がなされることを特徴とする回路ユニット。
【請求項9】
点灯回路及び当該点灯回路の故障を検知する検知手段を備えた回路ユニットに着脱自在であり、前記回路ユニットに装着された状態において前記回路ユニットとでランプを構成する光源ユニットであって、
前記点灯回路によって点灯される固体発光素子と、前記検知手段による検知結果に基づき前記点灯回路の故障を告知するインジケータとを備え、
前記回路ユニットへ装着する装着動作において、回路ユニット側の第1給電端子と光源ユニット側の第1受電端子との電気的接続、及び、回路ユニット側の第2給電端子と光源ユニット側の第2受電端子との電気的接続がなされることを特徴とする光源ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−61852(P2010−61852A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223621(P2008−223621)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】