説明

リアルタイムクロック補正回路及びリアルタイムクロック補正方法

【課題】スタンドアローンで使用した場合であってもリアルタイムクロックの日時を高精度に保つ。
【解決手段】第1の時計を有する情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路において、前記各時計の内の何れか2つの時計の値を比較し、値の差分が予め定めてある許容値以内である場合は、前記比較した2つの時計の値の平均値を補正値として前記3つの時計全てに書き戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイムクロック(以下、適宜「RTC」と呼ぶ。)の時間の補正に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なコンピュータには、基本的にRTCが搭載されている。そして、コンピュータは、リアルタイムクロックから日時を取得し、利用する。そのため、リアルタイムクロックには高い精度が求められる。もっとも、リアルタイムクロックは、発振器の精度等の要因により、次第に日時がズレてきてしまう。よって、リアルタイムクロックの日時を正確なものとするためには、日時を適宜補正する必要がある。
【0003】
このような日時の補正に関する技術が例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の技術では、センサーネットワークシステムにおいて、基準時刻で発信した無線信号に対し、時刻同期対象の各装置が受信した時刻情報と、送信装置300と各受信装置100、200d、200eの距離を無線伝播速度で除した無線伝播時間に発信時刻を加えた時刻の差から、時刻同期対象の各装置の基準時刻からのずれを計算する。そして、この同期信号の伝播にかかる時間を考慮に入れた時刻同期を行うので、高精度な時刻同期が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−234425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含めた一般的な技術では、以下のような問題があった。
【0006】
まず、スタンドアローンで使用した場合、コントローラ内蔵のRTCの日時に誤差が生じると、日時の補正をする手段が無いという問題である。例えば、上述した特許文献1に記載の技術では、基準時刻を生成する装置及び各装置間で同期をとっており、スタンドアローンで使用した場合には適用できない。
【0007】
更に、インターネットに接続している場合においても、インターネットタイムサーバとの同期に失敗して日時に誤差が生じると、日時の補正をする事が出来なかった。
【0008】
加えて、日時に誤差が生じてしまっても、実際に時計を確認するまで日時の誤差に気がつく手段が無かった。
【0009】
その他電波時計や時報に同期させて、RTCを補正する手段も考えられるが、その場合複雑な同期回路が必要となりシステムの低コスト化及び小型化が難しくなる。
【0010】
そこで、本発明は、スタンドアローンで使用した場合であってもリアルタイムクロックの日時を高精度に保つことが可能な、リアルタイムクロック補正回路及びリアルタイムクロック補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点によれば、第1の時計を有する情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路において、前記各時計の内の何れか2つの時計の値を比較し、値の差分が予め定めてある許容値以内である場合は、前記比較した2つの時計の値の平均値を補正値として前記3つの時計全てに書き戻すことを特徴とする補正回路が提供される。
【0012】
本発明の第2の観点によれば、第1の時計を有する情報処理装置と、前記情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路と、を備える補正処理対応情報装置において、前記補正回路が上記の本発明の第1の観点により提供される補正回路であることを特徴とする補正処理対応情報装置が提供される。
【0013】
本発明の第3の観点によれば、第1の時計を有する情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路が行う補正方法において、前記各時計の内の何れか2つの時計の値を比較し、値の差分が予め定めてある許容値以内である場合は、前記比較した2つの時計の値の平均値を補正値として前記3つの時計全てに書き戻すことを特徴とする補正方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コントローラ内蔵の1st−RTCの日時に誤差が生じた場合でも、時間の補正を実現するために、2nd−RTCと3rd−RTCとその制御部を設けたことから、スタンドアローンで使用した場合であってもリアルタイムクロックの日時を高精度に保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図2】本発明の実施形態の基本的動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、本発明の実施形態の概略を説明する。
【0017】
本実施形態では、一般的なリアルタイムクロックを持つ情報処理装置に対して、2nd−RTCと3rd−RTCとその制御部を追加する事によって、1st−RTCの時間に誤差が生じた場合でも、2nd−RTCと3rd−RTCの比較で時間を補正し、外部からの補正手段を用いること無く、高精度にRTCを保持する事ができる事を特徴としている。
【0018】
更に、本実施形態では共通の電源ノイズの影響を軽減し、個別のバッテリーロスによる時間消失を回避する為に、2nd−RTCと3rd−RTCには専用のバッテリーを設けた。又、万が一全てのRTCの時間に誤差が生じて、補正が出来なかった場合、外部にエラーとして通知する手段を設けた。
【0019】
以上が本願発明の実施形態の概略である。
【0020】
次に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1を参照すると、RTC対応情報処理装置100は、主電源110、RTC内蔵I/Oコントローラ120及びRTC補正回路130を含んでいる。RTC対応情報処理装置100は具体的にはどのような装置であってもよい。例えば、パーソナルコンピュータによりRTC対応情報処理装置100を実現することが可能である。また、パーソナルコンピュータに限らず任意の用途の装置に実装することが可能である。
【0022】
また、RTC補正回路130は、RTC制御部132と2nd−RTC133と3rd−RTC136を含んでいる。更に、RTC制御部132はPCI−Expressコントローラ131を含んでおり、PCI−Expressバス160でRTC内蔵I/Oコントローラ120と接続されている。
【0023】
RTC制御部132は、RTC内蔵I/Oコントローラ120に内蔵されている1st−RTC123に、PCI−Expressポート121と、PCIバスブリッジ122を介して、直接アクセスできる。なお、本実施形態ではRTC内蔵I/Oコントローラ120とRTC補正回路130が、一例としてPCI−Expressに準拠した接続をしているが、他の規格に準拠して接続するようにしてもよい。
【0024】
1st−RTC123、2nd−RTC133及び3rd−RTC136にはそれぞれ専用の振動子として、1st−RTC用振動子150、2nd−RTC用振動子134及び3rd−RTC用振動子137を有している。更に、それぞれ専用のバッテリーとして、1st−RTC用バッテリー140、2nd−RTC用バッテリー135及び3rd−RTC用バッテリー138を有している。なお、本実施形態の要旨は日時の補正であるため各RTCや各振動子、各バッテリーに特に制限はなく、任意の種別のRTC、振動子及びバッテリーを用いることが可能である。
【0025】
1st−RTC123と2nd−RTC133と3rd−RTC136は、AC−ONされると主電源110からのスタンバイ電源ライン111より電力の供給を受ける。そして、AC−OFFの状態になると、それぞれ専用のバッテリーである、1st−RTC用バッテリー140、2nd−RTC用バッテリー135及び3rd−RTC用バッテリー138より電力の供給を受ける。
【0026】
次に、図1の回路の動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
前提として、RTC対応情報処理装置100は、外部よりマニュアルもしくはインターネットタイムサーバとの同期がとられて、時計の外部補正が入った場合、BIOS(Basic Input/Output System)によりRTC内蔵I/Oコントローラ120のCMOS(Complementary Metal-Oxide Semicondutor)エリア(図示を省略する)の任意の箇所に、外部補正識別フラグとして1をライトするものとする。
【0028】
また、RTC制御部132は、DC−ON状態になるとPCI−Expressバス160とPCI−Expressポート121とPCI−BUSブリッジ122を介して、決められた一定のタイミングで定期的に1st−RTC123の値をリードするものとする。
【0029】
まず、RTC制御部132は、1st−RTC123をポーリング開始する(図2のステップS1)。
【0030】
次に、CMOSエリアの外部補正識別フラグの状態をチェックする(図2のステップS2)。
【0031】
そこで外部補正識別フラグが1の場合(図2のステップS2において1)、RTC制御部132は1st−RTC123が外部より補正されたと認識して、図2のステップS3に移行する。そして、図2のステップS3では、1st−RTC123の値を2nd−RTC133と3rd−RTC136に書き戻す処理を実行して、外部補正識別フラグを0クリアし、RTCアラーム信号無効化の処理を実行する。これにより時計の外部補正が実行されたこととなる。そしてその後、図2のステップS2に戻る。
【0032】
一方、外部補正識別フラグが0の場合は(図2のステップS2において0)、外部補正は入っていないと判断でき、そのまま図2のステップS4に移行する。
【0033】
図2のステップS4では、RTC制御部132はRTCアラーム信号の状態をチェックする。
【0034】
RTCアラーム信号が有効な場合(図2のステップS4において有効)は、既に内部での補正が不可能と判断されている状態なので、何も処理を実行せずに図2のステップS2に戻る。すなわち、外部補正が入り、外部補正識別フラグとして1がライトされるまで待機することとなる。
【0035】
一方、RTCアラーム信号が無効な場合(図2のステップS4において無効)は、図2のステップS5に移行する。
【0036】
図2のステップS5にてRTC制御部132は1st−RTC123の値をリードすると、リードした1st−RTC123の値を2nd−RTC133の値と比較する。
【0037】
比較値が一定の許容値以内であった場合(図2のステップS4において許容値内)は、RTC制御部132は補正不要と判断して、図2のステップS2に戻る。
【0038】
一方、比較値がある一定の許容値を超える差分が生じた場合(図2のステップS4において許容値外)、RTC制御部132は補正必要と判断して図2のステップS6に移行する。
【0039】
なお、このステップS5並びに後述のステップS6及びステップS8における許容値は予め任意の値を定めておくものとする。
【0040】
続いて、図2のステップS6にて、RTC制御部132は2nd−RTC133と3rd−RTC136の値を比較する。
【0041】
そして、2nd−RTC133と3rd−RTC136の比較値がある一定の許容値以内で有った場合(図2のステップS6において許容値内)、RTC制御部132は1st−RTC123の時間に誤差が生じたと判断する。そして、図2のステップS7に移行して2nd−RTC133と3rd−RTC136の平均値を計算して、その計算値を補正値として全てのRTCに書き戻し、図2のステップS2に戻る。
【0042】
一方、図2のステップS6にて2nd−RTC133と3rd−RTC136の値を比較した時に、ある一定の許容値を超える差分が生じた場合(図2のステップS6において許容値外)、RTC制御部132は処理を図2のステップS8に移行する。
【0043】
図2のステップS8にて、RTC制御部132は1st−RTC123と3rd−RTC136の値を比較する。
【0044】
そして、1st−RTC123と3rd−RTC136の比較値がある一定の許容値以内で有った場合(図2のステップS8において許容値内)、RTC制御部132は2nd−RTC133の時間に誤差が生じたと判断する。そして、図2のステップS9に移行して1st−RTC123と3rd−RTC136の平均値を計算して、その計算値を補正値として全てのRTCに書き戻し、図2のステップS2に戻る。
【0045】
一方、図2のステップS8にて、1st−RTC123と3rd−RTC136の比較値がある一定の許容値を超える差分が生じた場合(図2のステップS8において許容値外)、RTC制御部132は、内部での補正が不可能と判断して、RTCアラーム信号を有効にする(図2のステップS10)そして、図2のステップS2に戻る。
【0046】
以上説明した本発明の実施形態は、以下に示すような多くの効果を奏する。
【0047】
第1の効果は外部からの補正が無くても、内部比較により時計の補正ができることである。また、これによりスタンドアローンで運用した場合にも、時計を高精度に保つ事ができることである。
【0048】
その理由は、コントローラ内蔵の1st−RTCの日時に誤差が生じた場合でも、時間の補正を実現するために、2nd−RTCと3rd−RTCとその制御部を設けたからである。
【0049】
第2の効果は外部からの補正が入った場合、それを確認する手段を持ち、全てのRTCに補正値を書き戻す事ができることである。
【0050】
その理由は、外部からの補正が入った場合、外部補正識別フラグとして1をライトし、この外部補正識別フラグに基づいて、1st−RTCの値を2nd−RTCと3rd−RTCに書き戻すからである。
【0051】
第3の効果は万が一内部で補正が出来なかった場合でも、外部に通知する手段を持ち速やかに上位S/W等との連携により、時計を補正できることである。
【0052】
その理由は、各RTCの全ての組合せにおいて、RTCの値の差分が許容値を超えた場合はRTCアラーム信号を有効にするためである。
【0053】
第4の効果は、ソフトウェアタイマのチェック(例えばインターネットタイムサーバによるチェック)に頼らなくても、精度を保つことが可能なことである。
【0054】
その理由は、電源投入時に異常判定をするだけではなく、その後も定期的に内部で補正動作を行い、ソフトウェアタイマのチェックに頼っていないからである。
【0055】
第5の効果は、高精度な比較が可能なことである。
【0056】
例えば、複数の時計を用意しておき予め決められた一方の時計の時刻を、他方の時刻に補正するような構成も考えられるが、このようにした場合、何れの時刻が正しいのかは不明確である。しかし、本実施形態では高精度比較の為、内蔵時計を3つ以上備えており、多数決方式により基準となる時計を2つ決定して、平均値を補正値とする事を特徴としているため、より高精度な比較が可能となる。
【0057】
第6の効果は、異常を検出した場合に、外部に通知を行うことなく補正が可能な点である。
【0058】
その理由は、内部にて補正が可能な場合はRTCアラーム信号を有効にすることなく自動で補正を行うからである。
【0059】
なお、以上説明した本実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0060】
以上説明した本実施形態に変更を施した変形例として以下の三つの変形例を例示する。
【0061】
第1の変形例として、各RTC用のバッテリーを共通化することが考えられる。これによりRTC補正回路130の構成を簡略化できるという効果を奏する。具体的には、RTC補正回路130内の2nd−RTC用バッテリー135及び3rd−RTC用バッテリー138を共通化して、単一のバッテリーとすることが考えられる。更に、適切に接続が可能であれば、2nd−RTC用バッテリー135及び3rd−RTC用バッテリー138に加えて1st−RTC用バッテリー140も共通化し、全てのRTC用のバッテリーを単一のバッテリーにより実現することも可能である。
【0062】
次に、第2の変形例として、RTCの数を3個よりも更に増加させることが考えられる。本実施形態ではRTCの数に制限はなくn個(nは3以上の任意の自然数)のRTCを設けるようにすることが可能である。例えば、4つめのRTC(4th−RTC)を設けた場合、図2のステップS6やステップS8において許容値外の場合に更に各RTCの値と4th−RTCの値との比較を行い、或るRTCの値と4th−RTCの値の差分が許容値内であれば、この或るRTCの値と4th−RTCの値の平均値を用いて各RTCに対して補正を行うことが可能となる。
【0063】
すなわち、第2の変形例では、RTC対応情報処理装置100内部で補正を処理できる可能性を上げることが可能となる。
【0064】
第3の変形例として、RTC内蔵I/Oコントローラ120とRTC制御部132の接続を、PCI−Expressバス等の汎用バスでなく専用バスで接続することも可能である。
【0065】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0066】
(付記1) 第1の時計を有する情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路において、
前記各時計の内の何れか2つの時計の値を比較し、値の差分が予め定めてある許容値以内である場合は、前記比較した2つの時計の値の平均値を補正値として前記3つの時計全てに書き戻すことを特徴とする補正回路。
【0067】
(付記2) 付記1に記載の補正回路において、
前記各時計の内の何れか2つの時計の値を比較し、当該値の差分が予め定めてある許容値を超えていた場合は、比較する時計の組合せを新たなものとして再度比較を行い、当該再度の比較において値の差分が予め定めてある許容値以内である場合は、当該再度比較した2つの時計の値の平均値を補正値として前記3つの時計全てに書き戻すことを特徴とする補正回路。
【0068】
(付記3) 付記1又は2に記載の補正回路において、
前記各時計を全ての組合せで比較した場合に、全ての比較において値の差分が予め定めてある許容値を超えていた場合は、アラーム信号を有効とし、前記情報処理装置内部では補正ができない状態である旨を通知することを特徴とする補正回路。
【0069】
(付記4) 付記1乃至3の何れか1に記載の補正回路において、
前記情報処理装置外部から、前記第1の時計の外部補正を受け付けた場合は、前記各比較を行わずに、前記外部補正された第1の時計の値を補正値として当該第1の時計以外の全ての時計に書き戻すことを特徴とする補正回路。
【0070】
(付記5) 付記1乃至4の何れか1に記載の補正回路において、
前記3つの時計以外に更に任意の個数の時計を有しており、当該任意の個数の時計も前記各比較の対象とすることを特徴とする補正回路。
【0071】
(付記6) 付記1乃至5の何れか1に記載の補正回路において、
前記各時計は、前記情報処理装置が有する主電源が起動中は当該主電源より電力の供給を受け、前記主電源が起動していない際は前記各時計のそれぞれが異なるバッテリーより電力の供給を受けることを特徴とする補正回路。
【0072】
(付記7) 付記1乃至5の何れか1に記載の補正回路において、
前記各時計は、前記情報処理装置が有する主電源が起動中は当該主電源より電力の供給を受け、前記主電源が起動していない際は前記各時計の全てが同一のバッテリーより電力の供給を受けることを特徴とする補正回路。
【0073】
(付記8) 第1の時計を有する情報処理装置と、前記情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路と、を備える補正処理対応情報装置において、
前記補正回路が付記1乃至7の何れか1に記載の補正回路であることを特徴とする補正処理対応情報装置。
【0074】
(付記9) 第1の時計を有する情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路が行う補正方法において、
前記各時計の内の何れか2つの時計の値を比較し、値の差分が予め定めてある許容値以内である場合は、前記比較した2つの時計の値の平均値を補正値として前記3つの時計全てに書き戻すことを特徴とする補正方法。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本願発明は、映像放送分野や航空監視システム分野等といった時計精度の高いシステムに好適である。更に本願発明は、スタンドアローンにおいても高い精度を保つ事が可能なため、一般ユーザ向けシステムにおいても、有効利用が考えられる。
【符号の説明】
【0076】
100 RTC対応情報処理装置
110 主電源
111 スタンバイ電源ライン
120 RTC内蔵I/Oコントローラ
121 PCI−Expressポート
122 PCI−BUSブリッジ
123 1st−RTC
130 RTC補正同路
131 PCI−Expressコントローラ
132 RTC制御部
133 2nd−RTC
134 2nd−RTC用振動子
135 2nd−RTC用バッテリー
136 3rd−RTC
137 3rd−RTC用振動子
138 3rd−RTC用バッテリー
140 1st−RTC用バッテリー
150 1st−RTC用振動子
160 PCI−Expressバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時計を有する情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路において、
前記各時計の内の何れか2つの時計の値を比較し、値の差分が予め定めてある許容値以内である場合は、前記比較した2つの時計の値の平均値を補正値として前記3つの時計全てに書き戻すことを特徴とする補正回路。
【請求項2】
請求項1に記載の補正回路において、
前記各時計の内の何れか2つの時計の値を比較し、当該値の差分が予め定めてある許容値を超えていた場合は、比較する時計の組合せを新たなものとして再度比較を行い、当該再度の比較において値の差分が予め定めてある許容値以内である場合は、当該再度比較した2つの時計の値の平均値を補正値として前記3つの時計全てに書き戻すことを特徴とする補正回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の補正回路において、
前記各時計を全ての組合せで比較した場合に、全ての比較において値の差分が予め定めてある許容値を超えていた場合は、アラーム信号を有効とし、前記情報処理装置内部では補正ができない状態である旨を通知することを特徴とする補正回路。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の補正回路において、
前記情報処理装置外部から、前記第1の時計の外部補正を受け付けた場合は、前記各比較を行わずに、前記外部補正された第1の時計の値を補正値として当該第1の時計以外の全ての時計に書き戻すことを特徴とする補正回路。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の補正回路において、
前記3つの時計以外に更に任意の個数の時計を有しており、当該任意の個数の時計も前記各比較の対象とすることを特徴とする補正回路。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の補正回路において、
前記各時計は、前記情報処理装置が有する主電源が起動中は当該主電源より電力の供給を受け、前記主電源が起動していない際は前記各時計のそれぞれが異なるバッテリーより電力の供給を受けることを特徴とする補正回路。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の補正回路において、
前記各時計は、前記情報処理装置が有する主電源が起動中は当該主電源より電力の供給を受け、前記主電源が起動していない際は前記各時計の全てが同一のバッテリーより電力の供給を受けることを特徴とする補正回路。
【請求項8】
第1の時計を有する情報処理装置と、前記情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路と、を備える補正処理対応情報装置において、
前記補正回路が請求項1乃至7の何れか1項に記載の補正回路であることを特徴とする補正処理対応情報装置。
【請求項9】
第1の時計を有する情報処理装置に接続され、少なくとも第2の時計及び第3の時計、並びにRTC制御部を有する補正回路が行う補正方法において、
前記各時計の内の何れか2つの時計の値を比較し、値の差分が予め定めてある許容値以内である場合は、前記比較した2つの時計の値の平均値を補正値として前記3つの時計全てに書き戻すことを特徴とする補正方法。

【図1】
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【図2】
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