説明

リアルタイムバイアス推定器に基づく慣性機器のための自己較正

1つの例示的な慣性測定装置が、自己較正バイアス補正信号を組み込む。第1の慣性機器及び第2の慣性機器が、測定される慣性属性を表す、それぞれの入力信号を生成する。バイアス推定器が、第1のバイアス補正信号及び第2のバイアス補正信号を生成する。第1の加算ノード及び第2の加算ノードが、それぞれの入力信号と、それぞれの第1のバイアス補正信号及び第2のバイアス補正信号とを受信する。第1の加算ノード及び第2の加算ノードは、それぞれの加算された信号を、第1の慣性機器及び第2の慣性機器に提供する。第1の慣性機器及び第2の慣性機器は、それぞれの加算された信号に基づいて、慣性属性の値を表す、それぞれの出力信号を生成する。バイアス推定器が、それぞれの第1の時間間隔中及び第2の時間間隔中に行われる第1の測定及び第2の測定に基づいて、第1のバイアス補正信号及び第2のバイアス補正信号を計算し、第1のバイアス誤差信号及び第2のバイアス誤差信号のうちの一方の符号が、第1の時間間隔中の一方の状態から、第2の時間間隔中の他方の状態に変化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャイロスコープ及び加速度計のような慣性機器に関し、より具体的には、そのような機器のバイアス誤差補正に関する。
【背景技術】
【0002】
慣性機器の性能はバイアスによって劣化し、バイアスは、理想的でない慣性機器によって行われる測定の、完全な、又は理想的な機器によって行われる測定からの偏差の指標である。たとえば、ジャイロスコープのバイアスは、角速度0におけるジャイロスコープの読み値と、完全なジャイロスコープによって測定される0との間の差によって求められる。バイアスドリフトは、時間とともに環境条件等が変化する結果として生じるバイアスの変化率である。
【0003】
慣性機器においてバイアス及び/又はバイアスドリフトを補償する1つの方法は、既知の精度の別の情報源から得られる情報に基づいて、慣性機器のバイアス補正調整を定期的に行うことである。たとえば、慣性機器と同じ場所に配置される全地球測位衛星(GPS)受信機によって処理されるGPS信号を用いて、既知の時間間隔にわたって、一連の位置を求めることができる。このGPS情報を利用して、慣性機器のバイアス誤差補正信号を定期的に較正し直して、その出力をGPSデータに一致させることができる。しかしながら、動作環境によっては、GPS信号を常に受信できるとは限らないので、GPSデータに基づいて慣性機器の出力を補正することに常に頼ることができるとは限らない。それゆえ、GPS情報等から導出されるような正確な位置情報の別個の情報源を必要とすることなく、慣性機器のバイアス及びバイアスドリフトを最小限に抑えることが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的はこのような要求を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの例示的な慣性測定装置は、自己較正バイアス補正信号を組み込んでいる。第1の慣性機器及び第2の慣性機器が、測定される慣性属性(特性)を表す、それぞれの入力信号を生成する。バイアス推定器が、第1のバイアス補正信号及び第2のバイアス補正信号を生成する。第1の加算ノード及び第2の加算ノードが、それぞれの入力信号と、それぞれの第1のバイアス補正信号及び第2のバイアス補正信号とを受信する。第1の加算ノード及び第2の加算ノードは、それぞれの加算された信号を生成し、その信号は、第1の慣性機器及び第2の慣性機器に結合される。第1の慣性機器及び第2の慣性機器は、それぞれの加算された信号に基づいて、慣性属性の値を表す、それぞれの出力信号を生成する。バイアス推定器が、それぞれの第1の時間間隔中及び第2の時間間隔中に行われる第1の測定及び第2の測定に基づいて、第1のバイアス補正信号及び第2のバイアス補正信号を計算し、第1のバイアス誤差信号及び第2のバイアス誤差信号のうちの一方の符号が、第1の時間間隔中の一方の状態から、第2の時間間隔中の他方の状態に変更される。
【0006】
1つの例示的な方法は、例示的な慣性測定装置に関して概括的に上述したようなステップを実施する。
本発明の例示的な実施態様の特徴は、本明細書の説明、特許請求の範囲及び添付の図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の1つの態様は、慣性機器のバイアスの、既知の精度の別の情報源から得られなければならない情報に頼る補償は困難であるということを認識することにある。そのような認識の一部には、慣性機器を備える乗物の動作条件が、多くの場合に、既知の精度の外部情報源から情報を得ることを困難にするか、又は不可能にすることを正しく理解することが含まれる。本発明による例示的な自己較正慣性機器は、そのような課題を克服するために作成された。本明細書において用いられる場合、「自己較正」は、慣性機器装置が、既知の精度の外部情報源に基づく入力を必要とすることなく、自らバイアス補正を実施できる能力を指している。しかしながら、慣性機器の較正を確認又はリセットするために、外部情報源からの不定期の較正を利用できることは理解されよう。
【0008】
図1は、ジャイロスコープA及びBにそれぞれ関連付けられるバイアス信号誤差極性10及び12を示す例示的なグラフである。説明される例示的な実施態様ではジャイロスコープが用いられるが、任意のタイプの慣性機器、たとえば、ジャイロスコープ、加速度計等が、以下の説明から理解されるような改善から利益を得ることは明らかであろう。バイアス誤差信号は、ジャイロスコープにおける誤差補正のための手段を提供し、ジャイロスコープによって受信される入力に基づいて、ジャイロスコープからの出力が、検知される属性をさらに正確に表すようになる。
【0009】
バイアス誤差信号10及び12のそれぞれは2つの状態、すなわち標準状態及び反転状態を有し、それらはジャイロスコープの検知された入力値とバイアス誤差信号との間の符号関係に対応する。たとえば、+関係は、バイアス信号が、検知された入力信号に加算されることを表し、−関係は、バイアス信号が、検知された入力信号から減算されることを表す。「標準」関係は、実施される誤差補正のタイプに応じて、+又は−のいずれかの関係になり得る。「反転」関係は、標準関係とは反対の符号を表す。この例では、標準及び反転はそれぞれ+及び−に対応する。
【0010】
そのグラフは、4つの異なる測定間隔、Meas1〜Meas4を表す。各測定間隔は、バイアス誤差信号10及び12の4つの異なる状態組み合わせのうちの1つを表す。各バイアス誤差信号は2つの状態、標準及び反転を有する。ジャイロスコープA及びBの動作中に、それぞれのバイアス誤差信号10及び12を標準状態と反転状態との間で配列(順序付け)して、4つの異なる測定間隔によって表される4つの異なる状態組み合わせが全て生じるようにすることができる。ジャイロスコープの出力が利用される特定の用途及びサンプリング時間に応じて、配列する速度を調整して、特定の用途を満たすことができる。後にさらに詳細に説明するように、2つの測定間隔中に得られる情報が、自己較正過程の一部として利用され、それゆえ、順序付ける速度(レート)は、新たな較正情報を計算することができる最大速度を規定する。バイアス誤差の対応する計算による、図1に示されるような状態の4つの組み合わせ全てによって配列することが望ましいことがあるが、2つのバイアス信号のうちの一方の符号しか変化しない2つの時間間隔でも、バイアス誤差の計算を行うだけの十分な情報をもたらすであろう。
【0011】
図2は、本発明による、自己較正慣性機器の具体的な一実施形態の例示的なブロック図である。本明細書において用いられる場合、入力線、及びその線によって搬送される入力信号を、同じ参照番号を用いて指示することがあるが、適切な意味は、文脈から明らかになるであろう。慣性機器20及び22は、測定される属性(特性)を表す、それぞれの入力信号28及び34を受信する。この例では、ジャイロスコープによって測定される属性は、度単位で測定される角度位置である。この図は、本発明の一実施形態の動作を説明するのを助けるために与えられており、物理的な構造と全く同一には対応しないことは理解されよう。たとえば、入力24及び26は通常、慣性機器20及び22内にあるデバイスによって生成され、加算ノードも、慣性機器の内部にあり得る。慣性機器20及び22は、互いに、測定される属性に関する共通の軸又は面21を共有するように配向(方向付け)される。それゆえ、慣性機器20及び22が完全であるとすると、それぞれが、検知される属性に関して、同じ配向(方向性)を有する同じ属性を検知するので、同一の出力値を生成することになるであろう。たとえば、慣性機器がジャイロスコープであるとすると、各ジャイロスコープは(それぞれが完全なジャイロスコープであると仮定すると)、度単位の同じ値を有する出力を生成するであろう。
【0012】
入力24は、加算ノード54によって、検知された入力信号28とバイアス信号48(BiasA)とを合成したものである。同様に、入力26は、加算ノード52によって、検知された入力信号34とバイアス信号50(BiasB)とを合成したものである。バイアス信号30及び36を用いて、誤差補正がもたらされ、結果として、慣性機器20及び22によってそれぞれ、より正確な出力40及び42が生成される。バイアス推定器44が、入力24(MeasA)及び26(MeasB)と、出力40及び42とを受信する。バイアス生成器は、誤差補正バイアス信号30及び36を生成する。またバイアス生成器は、計算された出力値46を生成し、その値は、後述するように、出力40、若しくは出力42、又は出力40と42とを合成したものを含むことがある。
【0013】
図2に示される構成要素は、別個の部品として実装される必要はない。たとえば、2つの別個の慣性機器がそれぞれ必要な構成要素の全てを含むことがあり、その場合、必要とされる情報が各慣性機器内に収容されるそれぞれのバイアス推定器間で共有される。別法では、必要とされる機能の全てが、ただ1つの集積デバイス内に収容されることがあり、そのデバイスは、2つの慣性機器及びバイアス推定器の機能を含むことになる。
【0014】
2つの機器、この例示的な実施形態ではジャイロスコープ(ジャイロ)が、検知される属性に関して同じ軸に沿って配置され、説明したように配列(順序付け)される場合には、バイアス誤差は直に観測できることがある。いずれのジャイロとも、測定間隔Meas1〜Meas4のそれぞれにわたって安定して動作している。いずれのジャイロとも、同じ軸を中心とする回転を検知する。それぞれi番目の測定間隔中にジャイロA及びBによって行われる測定MeasA及びMeasBは以下のようになる。
【0015】
【数1】

【0016】
第1の間隔及び第2の間隔について、以下の式が成り立つ。
【0017】
【数2】

【0018】
又は、その式は以下のように表すことができる。
【0019】
【数3】

【0020】
それは以下のような形をとる。
【0021】
【数4】

【0022】
[H]行列は(式9)によって示されるような正則行列である。
【0023】
【数5】

【0024】
それゆえ、4つの変数、Win(1)、Win(2)、BiasA及びBiasBは個別に観測することができる。
【0025】
【数6】

【0026】
これは式11のように展開される。
【0027】
【数7】

【0028】
具体的な実施形態に関して、デジタル形式の実施態様は、2つの並列な機器入力/チャネルWin(A)及びWin(B)からの慣性機器測定の入力及び出力に対応するカウント、すなわち数値を含むであろう。これらの入力は、2つのジャイロ間に存在することがある任意の倍率(スケールファクタ:scale factor)の差を補償されているであろう。バイアス推定器44は、概ねリアルタイムに、必要とされる入力を処理して、出力を生成することが好ましい。バイアス推定器は、上記の説明に従って、自己バイアス機能を支援し、バイアス信号30及び36の値を計算する。バイアス推定器の一部を構成することがあるフィルタを用いて、いくつかのサンプルにわたって平均を計算すること等によって、バイアス信号30及び36の平滑化された値を計算することが好ましい。バイアス補償された測定値Wout(A)及びWout(B)は、システム慣性測定データ/値を含み、それは、他の関数/パラメータを計算する際に用いるために外部デバイスに供給される。またバイアス推定器によって計算されることがある出力Wout(C)が、外部デバイスに供給されることが好ましい。出力Wout(C)は、Wout(A)及びWout(B)の両方が入手できる場合、すなわちいずれも測定間隔間に存在するようなバイアス極性遷移期間内にない場合には、Wout(A)及びWout(B)の平均であり、Wout(A)及びWout(B)のうちの一方がバイアス極性遷移期間内にある場合には、Wout(A)及びWout(B)のうちの他方だけを使用する。
【0029】
ジャイロスコープに関して説明した上記の実施態様は、検知される入力とバイアス誤差とが同じように反転することができる、一対の並列な加速度計にも同じく適用することができる。
【0030】
図3は、1つの例示的なバイアス推定器44のブロック図である。マイクロプロセッサ62が、リードオンリーメモリ(ROM)64及びランダムアクセスメモリ(RAM)66によって支援される。マイクロプロセッサ62は入力/出力モジュール68に接続され、入力/出力モジュール68は、図示されるように、デジタル信号を受信及び送信するのを支援する。マイクロプロセッサ62は、格納されているプログラム制御命令下で動作し、そのプログラム制御命令は最初にROM64内に含まれることが好ましい。動作上の命令及びデータは、マイクロプロセッサ62が処理するためにRAM66に格納される。上述の機能及び計算を実施するために、マイクロプロセッサ62に適した制御命令を与える方法は、当業者には理解されよう。図2及び図3を比較すると、加算点32及び38は、マイクロプロセッサ62上で実行されるソフトウエアによって実現され、図3の「ジャイロA」及び「ジャイロB」はそれぞれ、図2に示されるような、加算点54及び52を含む。別法では、それらの機構及び計算は、特定用途向け集積回路内で、又は他の形態のハードウエア実施態様内で実施することができる。バイアス推定器によって必要とされる機能及び計算に加えて、慣性機器によって必要とされる追加の機能も、単一のデバイスの中に組み込まれることがある。
【0031】
本明細書において、本発明の例示的な実施態様を詳細に図示及び説明したが、本発明の精神から逸脱することなく、種々の変更、追加、置換等を行うことができることは当業者には明らかであろう。たとえば、いくつかの代替形態は上述されている。
【0032】
本発明の範囲は特許請求の範囲において規定される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】2つの例示的なジャイロスコープのバイアス信号の極性を示すグラフである。
【図2】本発明の1つの例示的な実施形態の代表的な図である。
【図3】図2に示される例示的なバイアス推定器のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
慣性測定装置であって、
測定される慣性属性を表す、それぞれの検知信号を生成するように適応されている第1の慣性機器及び第2の慣性機器と、
第1のバイアス誤差信号及び第2のバイアス誤差信号を、それぞれの前記検知信号と合成し、それにより、それぞれの出力信号を生成するように適応されている手段と、
前記出力信号を受信し、前記第1の慣性機器及び前記第2の慣性機器に対応する、それぞれの第1のバイアス補正信号及び第2のバイアス補正信号を生成するように適応されているバイアス推定器と、
を備え、
前記バイアス推定器は、それぞれの第1の時間間隔中及び第2の時間間隔中に行われる第1の測定及び第2の測定に基づいて、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号を計算し、前記第1のバイアス誤差信号及び前記第2のバイアス誤差信号のうちの一方の符号が、前記第1の時間間隔中の一方の状態から、前記第2の時間間隔中の他方の状態に変化し、
前記バイアス推定器は、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号と、それぞれの前記出力信号との合成に基づいて、第1の補正された出力信号及び第2の補正された出力信号を生成するように適応されている、慣性測定装置。
【請求項2】
前記バイアス推定器は、それぞれの前記第1の時間間隔中及び前記第2の時間間隔中に行われる前記第1の測定及び前記第2の測定に基づいて、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号を計算し、該第1のバイアス補正信号及び該第2のバイアス補正信号のうちの他方の符号は、前記第1の時間間隔中及び前記第2の時間間隔中に状態が変化しない、請求項1に記載の慣性測定装置。
【請求項3】
前記バイアス推定器は、式3、式4、式5及び式6に基づいて、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号を計算する、請求項2に記載の慣性測定装置。
【請求項4】
前記第1の慣性機器及び前記第2の慣性機器は、測定される前記慣性属性に対して同じ物理的配向を有し、それにより、前記第1の慣性機器及び前記第2の慣性機器が同じ慣性属性を測定しているようにする、請求項1に記載の慣性測定装置。
【請求項5】
前記バイアス推定器は、前記慣性属性の値を表す第3の補正された出力信号を生成し、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号の前記符号がいずれも変化していない場合には、該第3の出力信号は、前記第1の慣性機器及び前記第2の慣性機器のそれぞれの前記出力信号の平均であり、前記第1の慣性機器及び前記第2の慣性機器のうちの一方が、その符号が状態の変化を受けているそれぞれのバイアス補正信号を有する場合には、前記第3の補正された出力信号は、前記第1の慣性機器及び前記第2の慣性機器のうちの他方の前記慣性属性を表すように選択される、請求項1に記載の慣性測定装置。
【請求項6】
慣性測定装置であって、
測定される慣性属性を表す、それぞれの検知信号を生成するための第1の手段及び第2の手段と、
第1のバイアス誤差信号及び第2のバイアス誤差信号と、それぞれの前記検知信号とを合成して、それによりそれぞれの出力信号を生成するように適応されている手段と、
前記出力信号を受信し、前記第1の手段及び第2の手段に対応する、それぞれの第1のバイアス補正信号及び第2のバイアス補正信号を生成するように適応されているバイアス推定器手段と、
を備え、
前記バイアス推定器手段は、それぞれの第1の時間間隔中及び第2の時間間隔中に行われる第1の測定及び第2の測定に基づいて、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号を計算し、前記第1のバイアス誤差信号及び前記第2のバイアス誤差信号のうちの一方の符号が、前記第1の時間間隔中の一方の状態から、前記第2の時間間隔中の他方の状態に変化し、
前記バイアス推定器手段は、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号と、それぞれの前記出力信号との合成に基づいて、第1の補正された出力信号及び第2の補正された出力信号を生成するように適応されている、慣性測定装置。
【請求項7】
前記バイアス推定器手段は、それぞれの前記第1の時間間隔中及び前記第2の時間間隔中に行われる前記第1の測定及び前記第2の測定に基づいて、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号を計算し、該第1のバイアス補正信号及び該第2のバイアス補正信号のうちの他方の符号は、前記第1の時間間隔中及び前記第2の時間間隔中に状態が変化しない、請求項6に記載の慣性測定装置。
【請求項8】
前記バイアス推定器手段は、式3、式4、式5及び式6に基づいて、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号を計算する、請求項7に記載の慣性測定装置。
【請求項9】
前記第1の手段及び前記第2の手段はそれぞれ、測定される前記慣性属性に対して同じ物理的配向を有する慣性機器を含み、それにより、前記第1の手段及び前記第2の手段が同じ慣性属性を測定しているようにする、請求項6に記載の慣性測定装置。
【請求項10】
前記バイアス推定器手段は、前記慣性属性の値を表す第3の補正された出力信号を生成し、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号の前記符号がいずれも変化していない場合には、該第3の出力信号は、前記第1の手段及び前記第2の手段のそれぞれの前記出力信号の平均であり、前記第1の手段及び前記第2の手段のうちの一方が、その符号が状態の変化を受けているそれぞれのバイアス補正信号を有する場合には、前記第3の補正された出力信号は、前記第1の慣性機器及び前記第2の慣性機器のうちの他方の前記慣性属性を表すように選択される、請求項6に記載の慣性測定装置。
【請求項11】
慣性測定装置において自己較正バイアス信号を利用するための方法であって、
それぞれが決定される同じ慣性属性を表す、第1の検知信号及び第2の検知信号を生成し、該第1の検知信号及び該第2の検知信号はそれぞれ、同じ場所において検知される同じパラメータに基づいて生成され、
第1のバイアス誤差信号及び第2のバイアス誤差信号と、それぞれの前記第1の検知信号及び前記第2の検知信号とを合成して、それぞれの第1の出力信号及び第2の出力信号を生成し、
それぞれの前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号に対応する第1のバイアス補正信号及び第2のバイアス補正信号を生成し、
第1の時間間隔中及び第2の時間間隔中に行われる測定に基づいて、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号を計算し、前記第1のバイアス誤差信号の符号が、前記第1の時間間隔中の一方の状態から、前記第2の時間間隔中の別の状態に変更され、及び
前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号、並びに前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号にそれぞれ基づいて、前記慣性属性の値を表す第1の補正された出力信号及び第2の補正された出力信号を生成する、
ことを含む方法。
【請求項12】
前記計算するステップは、それぞれの前記第1の時間間隔中及び前記第2の時間間隔中に行われる前記第1の測定及び前記第2の測定に基づいて、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号を計算することを含み、前記第2のバイアス補正信号の符号は、前記第1の時間間隔中及び前記第2の時間間隔中に状態が変化しない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記計算するステップは、式3、式4、式5及び式6に基づいて、前記第1のバイアス補正信号を計算することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記慣性属性の値を表す第3の補正された出力信号を生成するステップをさらに含み、前記第1のバイアス補正信号及び前記第2のバイアス補正信号の前記符号がいずれも変化していない場合には、該第3の出力信号は、前記第1の補正された出力信号及び前記第2の補正された出力信号の平均であり、前記第1の補正された出力信号及び前記第2の補正された出力信号のうちの一方が、その符号が状態の変化を受けている対応するバイアス補正信号を有する場合には、前記第3の補正された出力信号は、前記第1の補正された出力信号及び前記第2の補正された出力信号のうちの他方の前記慣性属性を表すように選択される、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−505062(P2009−505062A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525993(P2008−525993)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/021064
【国際公開番号】WO2007/018689
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(503123152)ノースロップ・グラマン・コーポレーション (31)
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN CORPORATION
【Fターム(参考)】