説明

リコフェロンのコリンおよびトロメタミン塩

本発明はリコフェロンのコリン塩およびトロメタミン塩に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リコフェロンの塩基付加塩、それらの製造方法、そのような塩を含んでいる医薬製剤、およびそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
リコフェロンは、シクロオキシゲナーゼおよび5−リポオキシゲナーゼの有望な阻害剤のINN名である。リコフェロンはリュウマチ病の処置、および例えばDrugs of the Future 1995,20(10):1007−1009に見られるアレルギーに誘発された疾患の予防処置に適している。さらにリコフェロンは軟骨保護(WO−A 03/020267)、胃保護(WO−A 03/097041)および抗新生物性(WO−A 08/012110)を持っている。
【0003】
これら文献のどれもリコフェロンの塩を記載していない。単に、一般式
【化3】

で表される環状ピロール化合物は塩基付加塩、例えば水酸化ナトリウムまたはカリウムのような無機塩基との塩、またはモノ−,ジ−またはトリエタノールアミン等のような有機塩基との塩を形成し得ることを述べている。
【0004】
リコフェロンの溶解度およびそのためバイオアベイラビリティはむしろ低い。また、リコフェロンは数週間にわたって上昇温度で貯蔵される時分解を受ける。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、溶解度に関して改良されたリコフェロンの他の形を提供する目的に基づいている。さらなる目的は、安定性に関しても改良されたリコフェロンの形を提供することである。
【0006】
今や驚くべきことに、これらの目的はリコフェロンのコリン塩、そして特にトロメタミン塩によって達成されることが発見された。
【0007】
それ故本発明は、
(i)式Iの6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸コリン塩;
【化1】

および、
(ii)式IIの6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸トロメタミン塩に関する。
【化2】

【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】実施例1Aにおいて製造したコリン塩の粉末X線回折図である。
【図1B】実施例1Bにおいて製造したコリン塩の粉末X線回折図である。
【図2】実施例1Bにおいて製造したコリン塩の赤外スペクトルである。
【図3】実施例2において製造したトロメタミン塩の粉末X線回折図である。
【図4】実施例2において製造したトロメタミン塩の赤外スペクトルである。
【図5A】上昇温度において4週間貯蔵後のリコフェロン、リコフェロンコリン塩(実施例1Bにおいて製造)およびリコフェロントロメタミン塩(実施例2において製造)中の既知および未知不純物の合計量である。
【図5B】上昇温度において8週間貯蔵後のリコフェロン、リコフェロンコリン塩およびリコフェロントロメタミン塩中の既知および未知不純物の合計量である。
【詳細な説明】
【0009】
本発明のコリン塩は、それらのX線回折図(粉末回折図)によって特徴付けることができる。一具体例によると、本発明はコリン塩の二つの結晶形a)およびb)に関し、それらのX線回折図は、モノクロマチックCuKal放射線とVantacデテクターを用い、Bruker−AXS D8 Advance粉末X線回折計(Bruker−AXS,カールスルーエ、ドイツ)で測定する時、以下の特徴的2θ(±0.2)値を持っている。
a)8.7,12,3,13.8,14.2,14.5,15.5,18.6,21.5;または
b)9.0,9.4,12.5,15.4,16.2,17.1,20.0,20.3,21.6
【0010】
特定の具体例によれば、本発明は図1Aまたは図1Bに示すX線回折図を有するコリン塩に関する。
【0011】
本発明のコリン塩は、それらの赤外スペクトルによっても特徴付けることができる。一具体例によれば、本発明は赤外スペクトルにおいて1580±0.5cm−1および1358±0.5cm−1にピークを有するコリン塩に関する。特定の具体例によれば、本発明は図2に示した赤外スペクトルを有するコリン塩に関する。
【0012】
コリン塩は、リコフェロンを50℃において無水エタノールに溶解し、65℃へ加熱下溶解したリコフェロンへメタノール中のコリン溶液を加え、混合物が冷却するのを許容しながら溶媒の一部を蒸発し、ジエチルエーテルを加え、そして沈澱物を回収することによって製造することができる。
【0013】
代ってコリン塩は、リコフェロンを75℃において無水エタノールに溶解し、温度を75℃に保ちながらコリンの水溶液を溶解したリコフェロンへ加え、還流下攪拌し、混合物が35℃へ冷えるのを許容し、温度を35℃に保ちながらジエチルエーテルの第1の部分を15分間に加え、温度を35℃に保ちながらジエチルエーテルの第2の部分を30分間に加え、懸濁液を2時間で23℃へ冷却し、この温度で約15時間攪拌し、懸濁液を2時間で−13℃へさらに冷却し、この温度で約2時間攪拌し、そして沈澱物を回収することによって製造することができる。
【0014】
本発明のトロメタミン塩は、それらのX線回折図(粉末回折)によって特徴付けることができる。一具体例によれば、本発明はモノクロマチックCuKal放射線とVantacデテクターを用い、Bruker−AXS D8 Advance粉末X線回折計(Bruker−AXS,カールスルーエ、ドイツ)で測定し、以下の特徴的2θ(±0.2)値を有する。8.5,9.1,9.8,11.0,12.8,17.5,17.9,21.3,22.0,23.3,24.0および31.6
【0015】
特定の具体例によれば、本発明は図3に示したX線回折図を有するトロメタミン塩に関する。
【0016】
トロメタミン塩は、それらの赤外スペクトルによっても特徴付けることができる。一具体例によれば、本発明は赤外スペクトルにおいて165±0.5cm−1および1379±0.5cm−1にピークを有するトロメタミン塩に関する。特定の具体例によれば、本発明は図4に示した赤外スペクトルを有するトロメタミン塩に関する。
【0017】
トロメタミン塩は、リコフェロンを無水エタノールに溶解し、47℃において溶解したリコフェロンへトロメタミンを加え、この濃度で約1時間攪拌し、温度を47℃に保ちながらジイソプロピルエーテルを加え、懸濁液を3時間で27℃へ冷却し、この温度で約1時間攪拌し、懸濁液を1時間で−13℃へさらに冷却し、この温度で約2時間攪拌し、そして沈澱物を回収することによって製造することができる。
【0018】
本発明のトロメタミン塩は、遊離酸と比較する時改善された溶解度を示す。リコフェロントロメタミン塩は、上昇温度において数週間貯蔵する時、遊離酸およびコリン塩よりも一層安定である。
【0019】
本発明のリコフェロン塩は、強力なシクロオキシゲナーゼおよび/またはリポオキシゲナーゼ阻害剤であることが証明されている。強い鎮痛効果と、酵素シクロオキシゲナーゼ(CO)およびリポオキシゲナーゼに対する似た阻害効果(IC50LO/IC50CO=約1)が注目される。それ故それらはアラキドン酸代謝の変化に関連した疾病の処置に使用することができる。特に、リュウマチ病およびアレルギーで誘発される病気の予防が挙げられる。本発明のリコフェロン塩はこのため効果的な抗炎症剤、鎮痛剤、解熱剤および抗アレルギー剤を代表し、そして抗気管支収縮活性を有し、そして血栓症およびアナフィラキシーおよび敗血症ショックの予防に、そして乾癬、じんま疹、アレルギー性および非アレルギー性急性および慢性発疹のような皮膚病の処置のために使用することができる。加えてそれらを高コレステロール血症の処置に使用することができる。
【0020】
本発明のリコフェロン塩は、単一の治療活性成分として、または他の治療活性成分との混合物として投与することができる。それらはそのままで投与することができるが、しかしそれらは一般に薬剤組成物として、すなわち活性成分と一以上の薬学的に許容し得る補助剤、特に担体、希釈剤および/または添加剤との混合物として投与される。化合物または組成物は、例えば経腸的に、例えば経口または経直腸的に、または非経口的、例えば皮下、静脈内または筋肉内的に投与することができるが、しかし経口投与形で投与することが好ましい。
【0021】
薬剤組成物および薬剤的担体または希釈剤の性格は所望の投与モードに依存する。経口組成物は、例えば錠剤またはカプセルの形であることができ、そして結合剤(例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガントまたはポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば乳糖、糖、メイズデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたは二酸化ケイ素)、崩壊剤(例えばデンプン)、または湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)のような慣用の補助剤を含むことができる。経口液剤は、水性または油性の懸濁液、溶液、エマルション、シロップ、エリキサーまたはスプレー等の形であることができ、または水もしくは他の適当な担体で再構築するための乾燥粉末の形でよい。そのような液剤は慣用の添加剤、例えば懸濁剤、矯味剤、希釈剤、または乳化剤を含んでもよい。慣用の薬剤担体との溶液または懸濁液を非経口投与に使用することができる。
【0022】
本発明のリコフェロン塩は、非経口投与用のリコフェロンの溶液の調製に特に適している。例えば、塩は投与前に適当な溶剤に溶解される粉末として提供しても良い。適当な溶剤は良く知られており、例えば10%エタノール添加0.9%食塩水を含む。加えて、溶液は非経口処方に普通に用いられる補助剤、例えば糖アルコール糖をさらに含むことができる。
【0023】
リコフェロンでの処置は、通常薬学的プラクティスに従って処方されたリコフェロンの有効量を処置すべき個体、好ましくは哺乳類と、特にヒトへ投与することによって行われる。そのような処置が指示されるかどうか、およびそれらが行われる形は個々のケースに依存し、そして徴候、症状および/または存在する機能不全と、そして特定の徴候、症状および/または機能不全の発展と、そしてさらなる要因を考慮に入れた医学的評価(診断)に従う。
【0024】
通常処置は、約10mgないし約2000mg、そして特に10mgないし約1000mgの1日当りの投与量が処置すべき個体へ供給されるように、場合により他の活性成分もしくは活性成分含有製品と一所にまたは交代に、単一または複数日投与によって行われる。
【0025】
以下の実施例は本発明を限定なしで例証する。
【0026】
X線粉末回折像はBruker−AXS D8 AdvanceX線回折計(Bruker−AXS,カールスルーエ ドイツ)上に記録された。サンプルホルダーは測定の間その表面に平行な平面において20rpmに回転された。測定条件は以下のとおりである。放射線:CuKa,電源40kV/4mA,分岐スリット0.6mm,抗散乱スリット5.59mm,デテクタースリット10.28mm,スタート角2°,終了角55°,ステップ0.016°2T,粗データはプログラムEVA(Bruker−AXS,カールスルーエ、ドイツ)を用いて評価された。
【0027】
赤外スペクトルは、直接測定のためのスマートエンジュレンスDiamond ATRユニットを備えたThermo Nicolet Avatar 330 FR−IR上で記録された(測定モード:範囲4000.0−500.0cm−1,検出限界(絶対値)0.075,感度50)。
【0028】
〔実施例1〕
A.6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸コリン塩の製造
リコフェロン0.25mol(94.97g)を50℃においてエタノール1050mlに溶かした。メタノール中のコリン45%溶液74.02ml(コリン0.2625molに相当)を加え、そして混合物を65℃へ加熱し、この温度に30分間保った。その後油浴を除去し、溶媒約950mlを蒸発して除去した。ジエチルエーテル500mlを加え、白色沈澱を濾過し、ジエチルエーテル200mlで洗い、真空中30℃で乾燥した。
収量97.9g(=81%)、化学的純度(HPLC):99.7%(含水量2.2%)
このコリン塩のX線回折図は図1Aに示されている。
【0029】
B.6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸コリン塩の製造
リコフェロン(2.45kg)をエタノール(6.6L)中にスラリー化した。このスラリーを75℃へ加熱し、温度を75℃を保って50%コリン水溶液(1.65kg)を導入し、ラインをエタノール(3.2L)で洗った。生成した溶液を30分間還流下(77℃)に攪拌し、0.3μmカートリッジフィルターで濾過し、フィルターを温エタノール(2.5L)で洗った。溶液を35℃へ冷却し、温度を35℃に保ってジエチルエーテル(30.9L)を30分間で加えた。懸濁液を2時間で23℃へ冷却し、この温度で約15時間攪拌し、さらに1時間で−13℃へ冷却し、この温度で2時間攪拌した。生成物を遠心分離し、ケーキを冷ジエチルエーテル(7.7L)で洗った。湿ったケーキを約30℃で72時間乾燥した。
収量2.7kg(=87%)、化学的純度(HPLC)99.84%(含水量3.5%)
このコリン塩のX線回折図および赤外スペクトルをそれぞれ図1Bおよび図2に示す。
【0030】
〔実施例2〕
6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸トロメタミン塩の製造
リコフェロン(2.25kg)をエタノール(59.2L)中にスラリー化した。このスラリーを溶解するまで47℃へ加熱した。温度を47℃に保ってトリメタミン(0.79kg)を導入し、生成するスラリーを47℃で1時間攪拌した。温度を47℃に保ってジイソプロピルエーテル(14.8L)を15分間に加えた。懸濁液を3時間で27℃へ冷却し、この温度で約1時間攪拌し、さらに1時間で−13℃へ冷却し、この温度で2時間攪拌した。生成物を遠心分離し、ケーキを冷ジイソプロピルエーテル(7.1L)で洗った。湿ったケーキは約80℃で15時間乾燥した。
収量2.73kg(=92%)、化学的純度(HPLC)>99.9%(含水量0.1%)
トロメタミン塩のX線回折図および赤外スペクトルをそれぞれ図3および図4に示す。
【0031】
〔実施例3〕
6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸コリン塩を含む薬剤組成物
以下の成分を含んでいる錠剤を慣用の方法で製造した。
リコフェロンコリン塩 127.2mg
(リコフェロン遊離酸100mgに相当)
カルボキシメチルセルロースNa塩 20mg
微結晶セルロース 90mg
Sepistab 116mg
コリドン 16mg
タルク 5mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
【0032】
以下の成分を含んでいる錠剤を慣用の方法で製造した。
リコフェロンコリン塩 63.6mg
(リコフェロン遊離酸50mgに相当)
コリドンVA64 8mg
Pharmaburst 120mg
コリドンCL 25mg
マンニトール 290mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0033】
〔実施例4〕
6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸トロメタミン塩を含む薬剤組成物
以下の成分を含んでいる錠剤を慣用の方法で製造した。
リコフェロントロメタミン塩 131.9mg
(リコフェロン遊離酸100mgに相当)
カルボキシメチルセルコースNa塩 20mg
微結晶セルロース 88mg
Sepitab 100mg
コリドン 16mg
タルク 5mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
【0034】
以下の成分を含んでいる錠剤を慣用の方法で製造した。
ML3000コリン塩 65.95mg
(リコフェロン遊離酸50mgに相当)
コリドンVA64 8mg
Phamaburst 120mg
コリドンCL 25mg
マンニトール 290mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0035】
〔実施例5〕
6−(4−クロロフェニル)−2.2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸と比較した、6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸コリン塩および6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸トロメタミン塩の溶解度
【0036】
5.1 2−ピロリドン中の溶解度
リコフェロン(遊離酸)および対応する塩(実施例1Aおよび2)の約500mgを2−ピロリドン1mlに懸濁し、30分間混合した。温度は25℃に保った。遠心後上清中のリコフェロンの濃度をHPLCとUV検出によって決定した。結果を表1に要約する。
【0037】
【表1】

【0038】
5.2 促進状態をシミュレートした腸液(FaSSIF)中の溶解度
FaSSIFは、文献(例えばMarques M.Dissolution Technologies,May 2004)に従って調製した。ブランクFaSSIFは水5L中にNaOHペレット1.74gと、NaHPO4・HO19.77gと、そしてNaCl30.93gを溶解することによって調製した。pH値は1N NaOHを用いて6.5に調節した。使用可能FaSSIFは、ブランクFaSSIF500ml中にタウロコール酸ナトリウム3.3gを溶解することによって調製した。次に、ジクロロメタン中レシチン100mg/mlの溶液11.8mlを加え、その後溶媒ジクロロメタンを真空下40℃で除去した。その後透明溶液を目盛つき2Lフラスコへ移し、ブランクFaSSIFで容積とした。
【0039】
溶解度研究はリコフェロン(遊離酸)、リコフェロントロメタミン塩(実施例2)、およびリコフェロンコリン塩(実施例1A)について実施された。テスト品をビーカーに入れ、FaSSIFとマグネチック攪拌棒を加え、混合物をマグネチックスターラーを用いて攪拌した。15分後サンプルを採取し、濾過し、透明な濾液をHPLCにより分析し、リコフェロンの濃度を決定した。
【0040】
溶解試験は、FaSSIF100mlとFaSSIF30ml中で実施された。低い容積は薬物と腸液容積の間の生理的比率をシミュレートするために選択された。
【0041】
【表2】

【0042】
〔実施例6〕
6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸と比較した、6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸コリン塩および6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸トロメタミン塩の安定性
原料(a)リコフェロン、(b)リコフェロンコリン塩(実施例1A)、および(c)リコフェロントロメタミン塩(実施例2)を40、50、60および70℃において開放容器中で、また40℃および75%相対湿度において貯蔵した。サンプルを4週および8週の貯蔵期間後分析した。5種の既知不純物と未知不純物の定量のため確認された方法が使用された。結果は図5Aおよび5Bに示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリシン−5−イル酢酸コリン塩。
【化1】

【請求項2】
式IIで表される6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−5−イル酢酸トロメタミン塩。
【化2】

【請求項3】
請求項1または2の塩と、一以上の薬学的に許容し得る補助剤とを含んでいる医薬組成物。
【請求項4】
リュウマチ病の処置のための医薬品の製造のための請求項1または2の塩の使用。
【請求項5】
リュウマチ病の処置に使用するための請求項1または2の塩。
【請求項6】
リュウマチ病の処置方法であって、そのような処置を必要とする対象へ請求項1または2の塩の治療有効量を投与することよりなる方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2012−506899(P2012−506899A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533741(P2011−533741)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064390
【国際公開番号】WO2010/049525
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511107245)ツェー・アー・イー・エルバイオサイエンスシーズ、ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】