説明

リザーバ及びネブライザ

ネブライザ(1)のためのリザーバ(3)、ネブライザ(1)及びリザーバ(3)の充填方法が提案される。望ましくない圧力上昇を回避するため、リザーバ(3)の流体チャンバ(4)をあらかじめ潰しておいてからこれに、流体チャンバ(4)の最大容積よりも少ない初期量の流体(2)を充填する。好ましくは、充填前に、流体チャンバ(4)を流体チャンバ(4)の最大容積よりも少ない規定された容積までガスによって圧縮すると共に/或いは拡張させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載されたリザーバ、請求項19の前提部に記載されたネブライザ及び請求項20又は21の前提部に記載されたリザーバに流体を充填する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第96/06011(A1)号パンフレット、同第00/49988(A2)号パンフレット及び同第99/43571(A1)号パンフレットから、ネブライザ又は吸入器のためのリザーバ又は容器が知られている。容器は、剛性ケーシング及びこの中に入れられた袋を有する。袋は、医薬製剤を含み、医薬製剤が取り出されると、潰れる。従来、特に袋の中に入っているガスを押し退けるため、袋に液体薬剤を実質的に完全に充填する技術的努力が行われている。しかしながら、実際には、これは、残留ガス又は気泡が完全に除かれるようには実施できない。容器の貯蔵中、相当大きな圧力が医薬製剤の入っている袋内に生じる場合がある。容器を特に穿通によって最初に開封すると、これにより、医薬製剤の望ましくない逃げ出し又は損失が生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第96/06011(A1)号パンフレット
【特許文献2】国際公開第00/49988(A2)号パンフレット
【特許文献3】国際公開第99/43571(A1)号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばエタノール系医薬製剤が用いられる場合、通常は周囲圧力よりも実質的に低い空気分圧が流体チャンバ内に生じる。この分圧の差により、空気は、袋中にゆっくりと拡散する。これにより、袋内に圧力の望ましくない増大が生じる。温度に応じてかなりばらつきのあるエタノールの蒸気圧によっても、圧力の望ましくない増大又は変化が生じる。さらに、圧力の増大は、流体チャンバ内の液体の温度に起因する膨張の結果として生じる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、流体、特に医薬製剤を収容するリザーバ、リザーバを有するネブライザ及びリザーバに流体を充填する方法を提供することにより、かかる発明において、流体チャンバ内において流体に作用する圧力の望ましくない上昇を阻止することができ少なくとも最小限に抑えることができる。
【0006】
上述の目的は、請求項1記載のリザーバ、請求項19記載のネブライザ又は請求項20若しくは請求項21に記載の方法によって達成される。有利な別の特徴は、従属形式の請求項の内容である。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、流体が充填される流体チャンバを変形させ、折り畳み、しわくちゃにし、巻き、少なくとも部分的に圧縮すると共に/或いはあらかじめ潰して(事前圧潰して)おく。代替的に又は追加的に、流体チャンバの最大容積は、流体の充填量(初期又は最大充填量)よりも大きい。この「充填不足」により、特に依然として密封されているリザーバが長期間にわたって貯蔵される場合であっても、流体チャンバ内における圧力の望ましくない上昇を簡単であるが効果的な方法によって阻止することができる。
【0008】
本発明の別の態様によれば、流体チャンバに流体を充填し又は流体チャンバを減圧下で密封すると共に/或いは充填前に流体チャンバを好ましくは流体チャンバの最大容積よりも少ない規定された容積まで拡張させる。代替的に又は追加的に、流体チャンバを流体の充填中又は充填前に、最大容積よりも少ない容積にあらかじめ潰すと共に/或いは加圧して外部に配置すると共に/或いはその空間膨張を制限する。この場合も又、このように、流体チャンバの充填不足を達成することができ、依然として密封されているリザーバを長期間にわたって貯蔵する場合であっても流体チャンバ内の圧力の望ましくない上昇を阻止することができ又は少なくとも最小限に抑えることができる。
【0009】
本発明の別の態様によれば、流体チャンバを保護ガス雰囲気下で、例えば二酸化炭素、ヘリウム等の雰囲気下において充填する。必要ならば、対応の気泡を流体チャンバ内に形成するのが良い。好ましくは、保護ガスは、次にゆっくりと拡散して流体チャンバから出て行くと共に/或いは流体、例えば特に水性流体中の二酸化炭素により再吸収され又は溶解する。したがって、気泡を特に充填中、流体の溶剤の蒸気から成る蒸気により生じさせることができる。
【0010】
本発明の別の態様によれば、流体チャンバに少なくとも実質的に残留ガス及び/又は気泡がない仕方で流体を充填する。好ましくは柔軟性、変形性及び/又は圧潰性の流体チャンバの充填不足又は不完全な充填と関連して残留ガス又は気泡を回避することにより、依然として密封されたリザーバの長期間にわたる貯蔵中であっても且つ/或いは極めて変化する周囲条件(温度、湿度、圧力等)下においても、流体チャンバ内における望ましくない圧力の上昇が特に安全且つ効果的に回避される。
【0011】
別の態様によれば、容器に高温状態の流体を充填することも可能であり、即ち、加熱流体の流体を特に流体チャンバ内に移送することも可能である。好ましくは、流体チャンバ又はリザーバの密封後に流体が冷却されるに過ぎず(又は自動的に冷えるに過ぎず)、その結果、所望の事前圧潰又は充填不足を気泡のない状態で少なくとも部分的に完了させることができると共に/或いは実施することができる。
【0012】
本発明の別の態様では、流体チャンバを先ず最初に最大レベルまで充填する。これにより、流体チャンバを特に最大まで拡張させることができ、その結果、事前拡張をなしで済ますことができる。次に、加えられた流体のうちの幾分かを、特に吸引によって再び取り出すのが良く、それにより僅かに部分的な充填又は充填不足が達成される。
【0013】
上述の本発明の特徴及び態様、並びに本発明の別の特徴及び態様は、任意所望の組み合わせの状態で互いに独立して具体化できる。
【0014】
本発明の別の利点、特徴、特性及び態様は、図面を参照して行われる好ましい実施形態についての以下の説明及び特許請求の範囲の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】非引っ張り操作状態における、提案されたネブライザの概略断面図である。
【図2】第1の実施形態としてのリザーバを備えた引っ張り状態にあるネブライザの、図1と比較して90°回転させた状態の概略断面図である。
【図3】第2の実施形態としての提案されたリザーバの図である。
【図4】器具が事前圧潰のために伸長された状態の図3のリザーバを示す図である。
【図5】図3のリザーバの概略断面図である。
【図6】第3の実施形態としての提案されたリザーバの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図中、同一の参照符号は、同一又は類似のコンポーネントを示すために用いられており、この場合、特に、対応の又は同等の特性及び利点は、関連の説明が繰り返されない場合であっても得られる。
【0017】
図1及び図2は、流体2、特に流体又は医薬製剤を噴霧化する提案されたネブライザ1を非引っ張り状態(図1)及び引っ張り状態(図2)で概略的に示している。ネブライザ1は、特に携帯型吸入器として構成されると共に/或いは好ましくは推進ガスなしで動作する。
【0018】
流体2又は医薬製剤の噴霧化は、好ましくは、肺(図1)行きのエーロゾル14を形成し、このエーロゾルは、ユーザ又は患者(図示せず)により取り込まれ、特に吸息され又は吸入されるのが良い。通常、製剤は、特に患者の病訴に応じて、好ましくは一定間隔で1日に少なくとも1回、特に1日に数回吸入される。
【0019】
ネブライザ1は、図1及び図2に示されているように流体2の入った好ましくは挿入可能な、オプションとして交換可能なリザーバ3を有する。好ましくは、リザーバ3は、多くの噴霧化又は適用を可能にするよう多くの投与分、100回以上の投与分について十分な量(代表的には2〜10又は2〜15ml)の流体2又は有効物質を収容する。
【0020】
リザーバ3は、好ましくは実質的に円筒形であり又はカートリッジの形をしており且つ/或いは特に剛性容器として構成されると共に/或いは例えばネブライザを開いた後、ネブライザ1内に下から挿入でき、オプションとして、交換可能である。
【0021】
図3は、流体2を収容した流体チャンバ4を有し、この流体チャンバは、好ましくは、袋39として構成され又は袋39によって形成される。流体チャンバ4又は流体チャンバ4を境界づける壁(この場合、袋の壁)は、好ましくは、少なくとも部分的に構成が柔軟性であり、変形性であり且つ/或いは圧潰性である。
【0022】
ネブライザ1は、好ましくは、所定の、オプションとして調節可能な計量された量で流体2を運搬すると共に/或いは噴霧化する運搬器具、特に圧力発生器5を有する。
【0023】
ネブライザ1又は圧力発生器5は、特に、リザーバ3のためのホルダ6、部分的にしか示されておらず、好ましくは手動でロック解除可能な関連のロック要素8を備えた関連の駆動ばね7、好ましくは毛管の形態の運搬要素又は運搬管9、オプションとしての弁、特に逆止弁10、圧力チャンバ11及び/又は特にマウスピース13又は他の端部品の領域に設けられた放出ノズル12を有している。
【0024】
リザーバ3は、ホルダ6により、特に、クランプ又はラッチ止め作用によりネブライザ1内に固定され、運搬要素は、流体チャンバ4内に延びると共に/或いはこれに流体結合されるようになっている。ホルダ6は、リザーバ3が交換可能であるように構成されているのが良い。
【0025】
駆動ばね7を軸方向に引っ張ると、ホルダ6は、リザーバ3及び運搬要素と共に、図中下方に動かされ、流体2―より正確に言えば、次の投与分―がリザーバ3から吸い出され、逆止弁10を通って圧力発生器5の圧力チャンバ11内に吸い込まれる。流体チャンバ4(袋)は、流体2の取り出しに応じて潰れる。
【0026】
ロック要素8の作動後における駆動ばね7の次の弛緩中、圧力チャンバ11内の流体2は、逆止弁10が閉鎖された状態で、運搬要素が好ましくは駆動ばね7の力により上方に動かされることによって加圧され、運搬要素は、圧力ラムとして働く。この圧力により、流体2は、放出ノズル12中に送り込まれ、次に、図1に示されているように好ましくは肺に行くエーロゾル14の状態に噴霧化される。
【0027】
ユーザ又は患者(図示せず)は、エーロゾル14を吸入することができ、その間、供給空気が少なくとも1つの空気供給開口部15を通ってマウスピース13内に吸い込まれる。
【0028】
噴霧化プロセス又はストローク中、リザーバ3を駆動ばね7によってその元の位置に戻す。リザーバ3は、好ましくは、引っ張り操作プロセス中及び噴霧化プロセス中、持ち上がり運動を行う。
【0029】
圧力発生器5及び/又は駆動ばね7に代えて、他の手段及び/又は器具を用いることも可能である。
【0030】
ネブライザ1は、特に第1のハウジング部品(上側部品)16及びこの上側部品に対して回転可能であり(図2)、上側部分17a及び下側部分17b(図1)を備えた内側部品17を有し、特に手動で動作でき又は回転可能な第2のハウジング部品(下側部品)18が好ましくは安全ロック又は保持要素19によって内側部品17に解除可能に取り付けられ、特にこれに押圧状態で嵌められている。特に、安全ロック又は保持要素19は、ネブライザ1を偶発的に開放し又は第2のハウジング部品18を引き離す恐れが生じないよう設計されている。具体的に説明すると、第2のハウジング部品18を解除するためには、保持要素19をばねの力に抗して押し込まなければならない。リザーバ3の挿入及び/又は交換のため、第2のハウジング部品18をアトマイザ又はネブライザ1から取り外すことができる。第2のハウジング部品18は、好ましくは、キャップ状下側ハウジング部品を形成すると共に/或いはリザーバ3の下側自由端部の周りに嵌まり又はこれに被さる。
【0031】
第2のハウジング部品18を内側部品17を同伴した状態で第1のハウジング部品16に対して回転させることができる。その結果、駆動ばね7は、ホルダ6に作用する歯車(詳細には示さず)によって軸方向に引っ張られる。引っ張り操作が起こると、リザーバ3は、軸方向下方に動かされ又はその端部分と共に第2のハウジング部品18中に(更に)又はその端面に向かって動かされ、ついには、リザーバ3が図2に示されている端位置を取るようになる。この位置では、駆動ばね7には張力が加えられている。
【0032】
ネブライザ1は、好ましくは、リザーバ3を強制的にガス抜きする手段、特に、リザーバ3のオプションとしての外側ケーシング23を有する。
【0033】
最初の引っ張り操作中、外側ケーシング23はそのベースが必要に応じて又はオプションとして穿通され又は開放される。特に、ハウジング部分18内に配置された軸方向に作用するばね20がベース21に当接し、このばねは、穿通要素22を用い、この穿通要素が先ず最初に当接すると、ガス抜きのために外側ケーシング23又は底部シール、特に気密シールを穿通する。
【0034】
強制ガス抜き器具は、この場合、穿通要素22で形成され、この穿通要素は、ばね20により保持され又は形成される。しかしながら、他の設計上の解決策の採用も又可能である。
【0035】
注目されるべきこととして、ガス抜き目的のための穿通の際、リザーバ3の外側ケーシング23のみが開放される。流体2の入った流体チャンバ4(袋)は、非損傷状態のままである。
【0036】
運搬要素を通って流体2を取り出すと、柔軟性又は変形性袋又は流体チャンバ4は潰れる。均圧化のため、周囲空気がガス抜き又は穿通開口部を通ってリザーバ3又は外側ケーシング23内に流入することができる。
【0037】
強制ガス抜き手段は、純粋にオプションとして提供される。具体的に説明すると、例えばリザーバ3の外側ケーシング23が構成上、既に実質的に気密である場合及び/又は他のガス抜き手段、例えば弁が設けられている場合、強制ガス抜き手段を全く省いても良い。
【0038】
ネブライザ1を使用するため、先ず最初に、リザーバ3を挿入しなければならない。これは、好ましくは、第2のハウジング部品18を取り外すことにより又は引き外すことにより行われる。次に、リザーバ3を内側部品17内に軸方向に挿入し又は押し込む。次に、リザーバ3をヘッド端部のところで開放し又は取り付ける。これは、運搬要素、即ち運搬管9によって行われ、この運搬要素は、好ましくは特に端部又はヘッドのところに設けられたリザーバ3のシールを穿通すると共に/或いは次に特にヘッド端部のところに好ましくは隔壁を備えたクロージャ24を通ってリザーバ3又は流体チャンバ4の内部に挿入される。このように、リザーバ3と―又はより正確に言えばリザーバ3の流体チャンバ4と―圧力発生器5又は圧力チャンバ11との間に運搬管10を介して流体結合が作られる。
【0039】
次に、第2のハウジング部品18を元に戻し又は押し戻す。次に、先ず最初にネブライザ1を引っ張り操作するのが良い。好ましくは、次に、リザーバ3を上述したように穿通要素22によりその底部のところで穿通し、即ち強制的にガス抜きする。
【0040】
先ず最初に用いられる前に、リザーバ3を挿入し又は流体結合した後、ネブライザ1を好ましくは数回引っ張り操作すると共に作動させる。このいわゆるプライミング(primming)は、運搬要素及び/又は圧力発生器5内に放出ノズル12まで存在する空気を流体2から強制的に追い出す。すると、ネブライザ1は、いつでも投与又は吸入可能な状態になる。
【0041】
流体チャンバ4又はその壁は、上述したように少なくとも実質的に又は部分的に変形可能であり、圧縮可能であり且つ/或いは圧潰可能であるように構成されている。流体チャンバ4は、好ましくは、柔軟性又は軟質であり、変形性であり且つ/或いは圧潰性の材料により少なくとも実質的に又は部分的に形成され或いは作られ若しくは境界づけられる。
【0042】
流体チャンバ4又はその壁は、好ましくは、袋39又は管等により実質的に又は部分的に若しくはこれのみにより形成され、或いは、そのように構成される。
【0043】
好ましくは、流体チャンバ4に用いられる柔軟性壁材料は、特に多層フィルム等である。しかしながら、金属層、特にアルミニウム層又は箔を含む多層フィルムであっても、完全に気密シールを達成することは従来可能ではなかった。その結果、ガスは、流体チャンバ4の箔又は壁を通って拡散することができる。
【0044】
例えばエタノール系流体2が用いられる場合、周囲圧力よりも実質的に低い空気分圧が通常、流体チャンバ4内に生じる。この分圧差により、空気は、流体チャンバ4の壁のフィルムを通ってゆっくりと流体チャンバ中に拡散することができる。その結果生じる流体チャンバ4内の空気の濃度により、流体チャンバ4内の圧力及び流体2に作用する圧力の望ましくない増大が生じる場合がある。
【0045】
先行技術においては、従来、流体チャンバ4にできるだけ完全に流体2を充填する試みがなされた。しかしながら、実際には、これは、完全に行おうとしても、必ず残留ガス又は気泡が生じた。通常、流体2の充填後、流体チャンバ4内には僅かではあるが、それにもかかわらず残留気泡が存在する。例えば、エタノール系流体2が用いられる場合、エタノールの比較的低い沸点及びそれ故にエタノールの蒸気圧は、温度に応じてかなりばらつきがあり、それにより、流体チャンバ4内の圧力及び流体2に作用する圧力の望ましくない変化、特に望ましくない増大が生じる場合がある。
【0046】
先ず最初にリザーバ3又は流体チャンバ4を開放し(図示の実施形態では、リザーバ3をネブライザ1内に挿入することにより又はリザーバ3/流体チャンバ4を穿通することにより)、増大した又は高い圧力が流体チャンバ4に生じている場合、流体2は、場合によっては、直接―即ち、ネブライザ1の先の作動なしに―例えば放出ノズル12を通って逃げ出る場合がある。これは、望ましくない。
【0047】
さらに、運搬要素を流体チャンバ4内に挿入することにより、特に流体チャンバ4が破裂するほど満杯である場合、望ましくない圧力の増大が生じる場合がある。
【0048】
本発明の第1の態様によれば、流体チャンバ4内における望ましくない圧力上昇を回避し又は最小限に抑えるため、流体チャンバ4をこれに流体2を充填する場合変形させ、折り畳み、しわくちゃにし、巻き、少なくとも部分的に圧縮すると共に/或いはあらかじめ潰しておくべきであり(流体2の充填前及び/又は中におけるこの状態は、図2に流体チャンバ4の点線によって概略的に示されている)且つ/或いは流体チャンバ4の最大容積は、流体2の充填(初期充填)量よりも多い。この疑似不完全充填は、一般に、略して「充填不足」とも呼ばれる。
【0049】
充填不足の作用効果は、密封状態のリザーバ3の貯蔵中に流体チャンバ4内に拡散し又は長期間にわたる貯蔵後であっても流体チャンバ4中に拡散する空気(代表的には、流体チャンバ4中への空気の拡散量は、40℃において1日当たり約2.5マイクロリットルであり、20℃においては1日当たり0.35マイクロリットルである)が流体チャンバ4内の流体2に作用する圧力の増大(目立つほどの増大)を招かないということにある。
【0050】
したがって、例えば流体2からの溶剤の蒸発の結果として生じる流体チャンバ4内における他の潜在的な圧力変動は、流体チャンバ4の充填不足又はそれ以上の拡張可能性によって補償され又は阻止される。
【0051】
具体的に説明すると、流体チャンバ4をサイズに関して増大させることができると共に/或いは流体2の初期充填量を超えて拡張させることができる。流体チャンバの容積の増大(例えば、流体チャンバ4内の空気の拡散及び/又は流体2の成分の蒸発又は気化によって引き起こされる)を補償することができる。
【0052】
特に好ましくは、最大又は初期充填量(ガスで部分的に満たされている場合又は流体チャンバ4内に残留ガスが存在する場合、通常、通常圧力状態で最初に得られる全充填量)は、流体チャンバ4の最大容積の95%未満、好ましくは90%未満、より具体的に言えば約85%以下である。
【0053】
流体チャンバ4の全容積又は最大容積は、好ましくは、約2〜10ml又は2〜15ml、特に、約3〜5mlである。しかしながら、他の容積の採用も又可能である。
流体チャンバ4の最大容積と流体2の最大又は初期充填量の差は、好ましくは、約0.2〜1.0ml、特に約0.4〜0.8mlである。
【0054】
実験及びシミュレーション結果の示すところによれば、本発明の提案により、依然として密封されているリザーバ3又は流体チャンバ4を望ましくない条件(例えば、高温及び/又は高い流体チャンバ4内への空気拡散量)下であっても、流体チャンバ4内の圧力の増加が測定できないほど又は無視できるほどの状態で非常に長期間にわたり(具体的には、2〜3年以上にわたり)貯蔵することができる。
【0055】
特に好ましくは、流体チャンバ4は、残留ガス又は気泡がないように少なくとも実質的に充填される。充填中、避けられない場合の多い流体チャンバ4内の気泡は、好ましくはできるだけ僅かに保たれる。この場合、流体2の量だけを考えるのではなく、通常の圧力状態における気泡の量を初期充填流量の決定の際に更に考慮に入れるのが良い。
【0056】
以下に更に説明する変形実施形態によれば、少なくとも実質的に完全に残留ガス又は気泡のない充填が特に達成される。
【0057】
別個独立に達成することも可能である本発明の第2の態様によれば、好ましくは柔軟性の流体チャンバ4に好ましくは減圧下で流体2を充填する。これは又、流体チャンバ4内の圧力の望ましくない上昇を阻止し又は最小限に抑えるのに役立つ。というのは、流体チャンバ4内への気泡28の入り込み及び/又は形成を回避でき又は最小限に抑えることができるからである。減圧下における充填は、特に、上述の充填不足と関連して実施される。
【0058】
上述したように、リザーバ3は、好ましくは、オプションとしての外側ケーシング23を有している。しかしながら、初期設計とは対照的に、好ましくは、柔軟性であり、変形性であり又は圧潰性である流体チャンバ4、特にこの流体チャンバ4を形成する袋等の周りには硬質の気密シールが設けられない。
【0059】
外側ケーシング23を硬質形態で用いる場合、この外側ケーシングは、好ましくは、気密封止されず又は気密状態に密封されず、或いは、外側ケーシングは好ましくは、流体チャンバ4の流体的開放又は取り付けの前に、例えば、その底部を上述したように又は他の何らかの必要な仕方で(例えば、リザーバ3を包装材等(この場合図示せず)から取り出すとき)穿通することにより開放される。
【0060】
変形例として、外側ケーシング23それ自体が特に流体チャンバ4と同様柔軟性があり、変形可能であり且つ/或いは圧潰可能な設計のものであっても良い。この場合、外側ケーシング23は、気密封止され又は構成が気密であるのが良く且つ/或いは一部が又はその表面全体にわたり流体チャンバ4を形成する壁に連結されるのが良く、或いは、これと複合体をなして形成されても良い。
【0061】
上述したように、図示の実施形態における流体チャンバ4は、好ましくは、袋又は袋状の壁等で形成される。しかしながら、他の設計上の解決策の採用も又可能である。
【0062】
リザーバ3は、好ましくは、無菌又は滅菌可能な構成のものであるのが良い。特に好ましくは、密封リザーバ3は、これに対応して耐熱構成のものである。さらに、クロージャ24は、好ましくは、リザーバ3を無菌状態に密封する。
【0063】
一般的に言って、提案されるネブライザ1では、リザーバ3は、好ましくはネブライザ内に挿入可能で、即ちこの中に配置されることが指摘される必要がある。したがって、リザーバ3は、好ましくは、別個のコンポーネントである。しかしながら、リザーバ3は、理論的には、ネブライザ1又はその一部によって直接形成されても良く、或いは、ネブライザ1に組み込まれても良い。
【0064】
自立型の器具等とは対照的に、提案されるネブライザ1は、好ましくは、携帯可能であるよう設計され、特に、持ち運び可能な手持ち形器具である。
【0065】
特に好ましくは、ネブライザ1は、特に薬物エーロゾル療法のための吸入器として構成される。しかしながら、変形例として、ネブライザ1は、他の目的のために設計されても良い。
【0066】
別個独立に実現可能である本発明の幾つかの追加の実施形態及び態様を以下に詳細に説明するが、原理的に、差異又は追加の態様についてのみ説明する。上述の実施形態、説明、特徴及び利点は、依然として対応して又は補完的に当てはまる。
【0067】
図3〜図5は、提案されるリザーバ3の第2の実施形態を非取り付け状態で、即ち、リザーバ3を用いることができるネブライザ1が示されていない状態で示している。図3は、流体チャンバ4をあらかじめ潰す器具32と共にリザーバ3を斜視図で示している。図4は、器具32が離脱し又は取り外された状態でリザーバ3を同様な斜視図で示している。図5は、概略断面図でリザーバ3を包装状態で示している。先ず最初に、図5について詳細に説明する。
【0068】
第2の実施形態としてのリザーバ3は、第1の実施形態の場合と同様、好ましくは、クロージャ24を有する。クロージャは、好ましくは、特に挿入可能な運搬要素又は運搬管9のための隣接の隔壁26を構成し又は形成する第1のクロージャ部材25を有する。しかしながら、隔壁26は、別のコンポーネントによって形成されても良い。さらに、隔壁26は、オプションに過ぎず、即ち、隔壁は、必ずしも設けられる必要はない。
【0069】
図示の実施形態では、クロージャ24は、好ましくは、第2のクロージャ部材27を有する。第2のクロージャ部材27は、特に溶接により気密状態で第1のクロージャ部材25に連結されている。しかしながら、他の設計上の解決策の採用も又可能である。必要ならば、2つのクロージャ部材25,27は、単一の共通コンポーネントによって形成されても良い。
【0070】
クロージャ24又はリザーバ3は、好ましくは、シール28を有し、シール28は、好ましくは、ヒートシール性フィルム等で形成され、かかるシールは、特に第1のクロージャ部材25又はその隔壁26を通る流体チャンバ4内への空気の拡散を阻止し又は少なくとも最小限に抑えるよう気密又は実質的に気密クロージャを提供するのに役立つ。
【0071】
クロージャ24は、好ましくは、外側ケーシング23に連結され又はこれによって支持される。図示の実施形態では、クロージャ24又は第2のクロージャ部材27は、好ましくは、この目的のため、外側ケーシング23に連結可能な特に環状の又は円筒形の連結部分29を有する。
【0072】
外側ケーシング23は、特にクランプ又はラッチ止め作用によりクロージャ24又は連結部分29に連結されるのが良い。図示の実施形態では、外側ケーシング23の内部に設けられた突出部又はビード、特に環状ビード30が、連結部分29の後ろに係合するのが良く、それにより外側ケーシング23とクロージャ24を軸方向に互いに押すことによりこれらの十分に堅固であり且つ/或いはインターロック状態で係合する連結を可能にする。しかしながら、他の設計上の解決策の採用も又可能である。代替的に又は追加的に、コンポーネントは、互いに溶接され又は接着されても良く且つ/或いは任意他の適当な手段により互いに取り付けられても良い。
【0073】
クロージャ24、特にその第2のクロージャ部材27は、流体チャンバ4を形成する壁又は流体チャンバ4を形成し又は画定する袋39等に特に連結領域31を介して流体密状態に、特に気密状態に連結される。特に好ましくは、クロージャ24又はその第2のクロージャ部材27又は連結領域31は、流体チャンバ4又はその壁を支持する。しかしながら、他の設計上の解決策の採用も又可能である。
【0074】
図示の実施形態では、流体チャンバ4を形成する壁又は袋39は、好ましくは、クロージャ24又は連結領域31に溶接されると共に/或いは接着される。しかしながら、他の設計上の解決策の採用も又可能である。
【0075】
流体チャンバ4の壁は、好ましくは、柔軟性であり且つ/或いは好ましくは容易に変形可能である(弾性的に且つ/或いは非弾性的に)或いは実質的に力を加えないで変形可能である材料で作られる。シート材料及び/又は複合フィルム構造体が、特に好ましくは、この目的に用いられる。壁材料を以下略して「フィルム」という。
【0076】
上述したように、フィルムは、実質的に不透過性であり、特に気密性であり、したがって、従来慣例である好ましくは金属製の外側ケーシング23を用いて追加の気密シールを提供する必要はない。これとは異なり、図示の実施形態における外側ケーシング23は、特にプラスチック等で作られるのが良く且つ/或いは上述すると共に以下に詳細に説明するように開放構造のものであるのが良い。
【0077】
フィルムは、好ましくは、構造が多層であり且つ/或いは好ましくは金属層、特にアルミニウム層等で有する。特に好ましくは、金属層は、好ましくは少なくとも内側がラッカー及び/又はプラスチックの層で被覆される。特に好ましくは、フィルムの内側層は、例えばポリエチレンのような材料から成り、この材料は、好ましくは溶接によりクロージャ24又は内側若しくは第2のクロージャ部材27に直接取り付けられるのが良い。
【0078】
しかしながら、フィルムは、ガスに対して完全に不透過性ではない場合が多く、その結果、上述した流体チャンバ4内への空気の考えられる拡散を依然として密封状態のリザーバ3又は流体チャンバ4が長期間にわたって貯蔵される場合、厳密に考慮に入れなければならない。
【0079】
好ましくは、流体チャンバ4は、流体2の充填前又は充填中、流体チャンバ4の最大容積よりも小さい容積まであらかじめ潰される。上述の流体2による充填不足状態を非常に容易に達成することができる。
【0080】
特に好ましくは、事前圧潰、即ち実際に可能であるレベルから流体チャンバ4の最大容積よりも少ない容積への流体チャンバ4の充填容積の減少又は制限は、流体2の充填前及び充填中に起こる。しかしながら、理論的には、流体チャンバ4の圧潰が流体チャンバに流体2を充填しているときにのみ又は例えば減圧の適用により及び/又は他の適当な方法、例えば圧縮等により流体チャンバに流体2を充填した後であっても、起こることが可能である。
【0081】
特に好ましくは、流体チャンバ4は、外部が加圧されると共に/或いは外部が流体2の充填前又は充填中、その空間的膨張に関して制限される。これは、所望の事前圧潰及び/又は充填不足を達成する極めて簡単な方法である。
【0082】
事前圧潰のため、気体、液体及び/又は固体の媒質又は作用剤が、充填チャンバ又はその壁、図示の実施形態ではフィルムに外部から作用するのが良く、その目的は、特に、流体チャンバ4のサイズをその最大容積と比較して減少させることにある。
【0083】
また、流体チャンバ4を形成する袋39、管等を完全レベル未満の状態に拡張し或いは流体2の充填前又は充填中、これを依然としてしわくちゃにし、丸め又は折り畳み若しくは圧縮した状態に保つことも可能である。
【0084】
好ましい事前圧潰は、図示の実施形態を参照することにより以下に説明するように、特に機械的に実施される。
【0085】
第2の実施形態では、器具32は、好ましくは、流体チャンバ4をあらかじめ潰すために用いられる。器具32は、オプションとして、図示の実施形態では取っ手33又はホルダを有すると共に好ましくは図3〜図5に示されているように少なくとも1つの操作又は当接要素34、特に好ましくは2つの当接要素34を有する。以下の説明は、全ての場合について、2つの当接要素34又は複数個の当接要素34に関する。しかしながら、たった1つの当接要素34又は他の操作要素等を提供しても良い。以下の説明は、それに応じて当てはまる。
【0086】
当接要素34は、好ましくは、図示の実施形態では細長く、ロッド状であり且つ/或いはピン状であるが、オプションとして、トング又は万力の形態をしていて良い。
【0087】
当接要素34は、好ましくは、図示の実施形態では剛性構造のものであるが、可撓性又は弾性変形可能な構造のものであっても良い。例えば、当接要素34は、個々に又は一緒になって、ばねにより保持され、付勢され又は形成されても良い。
【0088】
当接要素34は、好ましくは、流体チャンバ4の壁に当接する丸形の又は丸みが付けられた当接面及び/又は縁部を有する。特に、当接要素34の自由端部は、丸みが付けられている。
【0089】
当接要素34は、好ましくは、取っ手33又は他のホルダに形成され或いはこれによって形成される。
【0090】
器具32又はその当接要素34は、好ましくは、リザーバ3又はその外側ケーシング23に適合するようになっており、したがって、一方において流体チャンバ4の壁又は袋39と他方において外側ケーシング23とを係合させることが可能であり且つ/或いは流体チャンバ4を軸方向に且つ/半径方向に且つ/反対側を圧縮し又はあらかじめ潰すことができる。
【0091】
当接要素34によって、流体チャンバ4又はより正確に言えば流体チャンバ4又は袋39を形成する壁、流体チャンバ4を形成する管等は、変形し、押し込まれ、少なくとも部分的に圧縮されると共に/或いはあらかじめ潰される。図示の実施形態では、これは、特に、器具32又は当接要素34をリザーバ3又はその外側ケーシング23上に置くことにより或いは器具32又は当接要素34を図3及び図5に示されているようにリザーバ3又はその外側ケーシング23内に押し込むことにより達成される。しかしながら、当接要素34は又、外側ケーシング23とは別個独立に、流体チャンバ4の壁の外部に作用しても良い。例えば、製造プロセス中、リザーバ3の組み立て又は外側ケーシング23への連結前に、望ましい事前圧潰は、当接要素34の作用により又は流体2の充填中、別の方法によって実施できる。
【0092】
流体チャンバ4の壁に対する当接要素34の外部からの配置又はその変形の結果として、流体2の充填中に利用できる流体チャンバ4の実際の容積が減少し、即ち、この容積は、流体チャンバ4の最大容積よりも少ない。この結果、所望の事前圧潰が行われる。
【0093】
注目されるべきこととして、特に少なくとも1つの当接要素34の外部配置又はこのようにして生じた流体チャンバ4の拡張の一時的減少による流体チャンバ4の変形又は事前圧潰は、特に好ましくは、流体チャンバ4への流体2の充填中に起こる。しかしながら、変形実施形態によれば、これは、流体チャンバ4に流体2を充填する前にのみ起こり、即ち、少なくとも1つの当接要素34は、充填作業前に取り外され又は引っ込められなければならない。これは、特に流体チャンバ4への流体2の充填が非常に低い圧力で又は場合によっては実質的に圧力なしで行われると共に/或いは流体チャンバ4の壁又は袋39、管等がこの場合も又流体2の充填時に、外部からの制約なしに拡張することがないということによって達成され又は可能になり、その理由は、流体2の充填中に生じる力がこの目的を達成するには十分ではないからである。これは、したがって、事前圧潰が少なくとも1つの当接要素34の機械的配置によってではなく、他の何らかの方法により実施される場合に当てはまる。
【0094】
流体チャンバ4は、好ましくは、図示の実施形態では当接要素34により、流体2の充填前又は充填中、外部が加圧されると共に/或いは外部がその空間的拡張に関して制限される。しかしながら、内部又は他の制限を提供することも理論的には可能である。例えば、流体チャンバ4又はその壁は又、他の何らかの仕方で変形し、折り畳まれ、しわくちゃにされ、丸められ、押し込まれると共に/或いは少なくとも部分的に圧縮されても良い。この事前圧潰方法は、外部当接又は当接要素34の作用効果に加えて又はこれに代えて実施できる。
【0095】
具体的に説明すると、事前圧潰は、流体チャンバ4の最大容積の95%未満、好ましくは90%未満、特に約85%以下まで実施される。流体チャンバ4は、好ましくは、流体2の充填前又は充填中、その最大容積よりも少ない容積まであらかじめ潰される。
【0096】
流体チャンバ4の事前圧潰の結果として、流体2の充填(初期充填)量は、好ましくは、所望の充填不足を達成するよう強制的に制限される。
【0097】
図示の実施形態では、リザーバ3又はその外側ケーシング23は好ましくは、図4に示されているように当接要素34を受け入れる少なくとも1つの開口部35、この場合2つの特に軸方向開口部35を有する。しかしながら、他の設計上の解決策の採用も又可能である。
【0098】
図4に点線で示されている変形実施形態によれば、流体チャンバ4の事前圧潰は、少なくとも1つの当接要素34を例えば流体チャンバ4の壁に又は袋39に側方に又は半径方向に当接させることにより且つ/或いはリザーバ3又はその外側ケーシング23に例えば点線で示されているに過ぎない側方開口部35、例えばスロット又は互いに反対側の側方開口部35を通って側方に又は半径方向に係合し或いは作用することにより代替的に又は追加的に実施できる。
【0099】
図示していない変形実施形態によれば、リザーバ3又は外側ケーシング23は、少なくとも部分的に開放可能であり又は変形可能な外壁を形成し又は構成しても良く、この外壁は、特に流体チャンバ4を特に内方に潰すための器具32又は少なくとも1つの当接要素34によって変形可能であり又は圧縮可能である。変形例として、リザーバ3又は外側ケーシング23は、流体チャンバ4をあらかじめ潰すために長さ又は他の何らかの寸法方向が可変であり又は調節可能であり、例えば入れ子式に又は蛇腹状に可変であり又は調節可能であっても良い。
【0100】
例えば、当接要素34は、クリップ止めされて閉鎖され、クランプされ且つ/或いは自動維持性であるよう設計されても良い。
【0101】
図5の断面は、器具32又は当接要素34の影響下で既に流体2で満たされた事前圧潰流体チャンバ4を示している。器具32又は当接要素34の離脱又は取り外し後、流体チャンバ4を特にこの中への空気又は或る特定のガスの拡散、流体チャンバ4内における流体2の成分の蒸発、流体チャンバ内に入っている気泡38の膨張及び/又は他の作用効果により再び拡大させ又は拡張させることができる(オプションとして、大きなその最大容量まで)。
【0102】
流体チャンバ4の充填後、器具32又は当接要素34をすぐに取り外し又は逆にするのが良い。しかしながら、これが、リザーバ3をその包装材から取り外したとき及び/又はリザーバ3をネブライザ1内に配置したときにのみ起こることも又可能である。
【0103】
流体チャンバ4又は袋39を平坦なシーム、特に図5に概略的に示されているような好ましくは溶接シーム又は他の何らかの特に平坦な端部によってクロージャ24から見て遠くに位置するその端部45のところで閉鎖する。流体チャンバ4若しくはその外壁又は袋39、管等は、好ましくは、少なくとも部分的に端部45の付近では非回転対称又は非円形に構成されるが、この箇所では異なる又は平坦な断面を有する。当接要素34は、好ましくは、この末広がりの又は平坦な断面形状又は外側輪郭の付近で流体チャンバ4の壁又は袋39に係合する。図示の実施形態では、当接要素34は、好ましくは、特に平坦な端部の互いに反対側の側部に作用し、平坦な溶接シームがこれら相互間に延び又はこれらの間に受け入れられるようになっている。しかしながら、互いに異なる向きの採用も又可能である。
【0104】
本発明の好ましい態様によれば、特に流体チャンバ4又は袋39等に対する当接要素34の上述の又は所望の向きを達成するため、流体チャンバ4又は袋39を備えたクロージャ24は、好ましくは、外側ケーシング23又は少なくとも1つの開口部35に対して規定された回転位置を有する。この規定された回転位置は、好ましくは、図示の実施形態では、特に図3に概略的に示されている外側ケーシング23とクロージャ24との間の回転を止める規定された係合又は保護により達成される。図示の実施形態では、クロージャ24又は一方においてその第2のクロージャ部材27及び他方において外側ケーシング23は、好ましくは、規定された回転位置を保証するよう互いに軸方向に且つ/或いは半径方向に嵌合する(例えば、対応の歯、ラッチ止め、舌状突出部等によって)。
【0105】
図示の実施形態では、充填且つ密閉状態のリザーバ3は、器具32と一緒に、例えば接合包装材36内に収容される。包装材36は、好ましくは、包装材36を開くと、器具32がリザーバ3から外されるよう構成されている。これは、包装材36が少なくとも1つの脆弱な箇所37等を有すると共に/或いは包装材36が主としてリザーバ3からのみ外されるが開口部32からは外されない場合に達成できる。しかしながら、他の設計上の解決策の採用も又可能である。
【0106】
包装材36を開き、リザーバ3をその包装材から取り外した後、器具32から分離したリザーバ3を上述したようにネブライザ1内に挿入する。リザーバ3のこの状態では、流体チャンバ4は、流体2の初期充填量を超えて特に、当接要素34により押し込められ、解除された領域中に拡張し又は拡大することができ、リザーバ3又は流体チャンバ4がこれに流体結合されると、流体チャンバ4内には望ましくない過剰の圧力が存在せず、したがって、流体2等の望ましくない逃げを阻止することができるようになっている。
【0107】
流体チャンバ4の提案される充填不足又は拡張可能性は、代替的に又は追加的に、運搬要素又は運搬管9を流体チャンバ4内に挿入すると、この場合も又、流体チャンバ4内の望ましくない圧力の上昇及びそれ故に、特に運搬要素を通る又は他の何らかの仕方による流体2の時期尚早な流出を回避することができるという利点を有する。というのは、この場合も又、流体チャンバ4が拡張することができるので流体チャンバ4内の圧力の上昇(有意味な上昇)が生じないからである。
【0108】
注目されるべきこととして、流体チャンバ4に流体2を充填した直後に、事前圧潰のための器具32を取り外し、離脱させ又は引き離すことができる。特に、器具32は、リザーバ3とは完全に別体であり、例えば、充填器具等と関連した器具であるのが良い。特に、空間的膨張の制限及び/又は流体チャンバ4又はその壁に対する外圧の作用を流体2の充填直後に停止させるのが良い。
【0109】
特に好ましくは、流体チャンバ4若しくはその壁又は袋39、管等を流体チャンバ4の充填前に拡張させる。以下に用いられる「拡張」という用語は、常に、流体2による充填前の拡張を意味している。
【0110】
流体チャンバ4の拡張は、充填不足及び/又は事前圧潰とは別個独立に実施されるのが良い。
【0111】
流体チャンバ4の拡張は、好ましくは、流体チャンバ4の最大容積よりも少ない規定された容積まで実施される。
【0112】
好ましくは、拡張は、事前圧潰と関連して行われる。拡張は、特に、流体チャンバ4を事前圧潰により規定される容積までいわば「インフレートさせる」よう利用される。流体チャンバ4の特に規定された容積は、次の流体2による充填中に達成できる。
【0113】
流体チャンバ4の拡張は、好ましくは、以下拡張ガスと称するガスを用いて実施される。用いられる拡張ガスは、好ましくは、不活性ガス、例えば二酸化炭素若しくはヘリウム又は単に空気である。
【0114】
変形実施形態によれば、流体チャンバ4に減圧下で流体2を充填しても良い。この減圧下による充填は又、好ましい事前圧潰又は充填不足とは別個独立に実施できる。しかしながら、好ましくは、減圧下の充填は、事前圧潰又は充填不足と関連して行われる。減圧状態での充填の結果として、残留ガス又は気泡が少なくとも実質的にない充填を達成することが可能である。「減圧下での又は減圧状態での充填」という用語は、充填それ自体が減圧下で行われなかった場合であっても、減圧下における充填状態の流体チャンバ4の密封を含む。
【0115】
減圧状態での充填とは関係なく、流体チャンバ4に好ましくは、少なくとも実質的に残留ガス又は気泡が生じない状態で流体2を充填する。しかしながら、図5に概略的に示されているようにガス又は気泡38を含む充填は又、理論的には可能である。気泡38の慎重な生成を含むこの充填は又、一般に、事前圧潰及び/又は充填不足とは別個独立に利用できる。
【0116】
本発明の方法の好ましい変形実施形態によれば、用いられるのは空気ではなく、気泡38を形成するために用いられる成分、別の組成物又は異なるガス、特に流体チャンバ4の壁を比較的容易に通ると共に/或いはクロージャ24を通って外方に拡散することができると共に/或いは流体2により比較的容易に吸収可能なガスである。かかるガスとしては、特に、純粋酸素、二酸化炭素、ヘリウム、(他の)不活性又は保護ガス及び/又は場合によっては他のガスとのこれらの混合物が挙げられる。
【0117】
気泡38を生じさせるガスを流体チャンバ4への流体2の充填後に適当なフラッシングによって導入するのが良い。代替的に又は追加的に、流体2による流体チャンバ4の充填は又、所望のガス雰囲気下で直接行われる。代替的に又は追加的に、ガス、特に二酸化炭素を最初に、流体チャンバ4への流入時に、流体2中に少なくとも部分的に又は完全に溶解させてその段階で気泡38を生じさせても良い。
【0118】
本発明の方法の変形実施形態によれば、気泡38を形成するための所望のガスは、流体チャンバ4をあらかじめ膨張させるための膨張ガスとして直接使用できる。
【0119】
図示の実施形態では、流体チャンバ4又はその壁は、好ましくは、図5に示されているように袋39により形成される。しかしながら、好ましい柔軟性、変形性及び/又は圧潰性を達成するために他の設計上の解決策の採用も又可能である。
【0120】
また、追加の実施形態又は変形実施形態によれば、流体チャンバ4に当初、流体2を完全に又は最大レベルまで充填しても良い。その結果、最大容積への流体チャンバ4の上述の拡張は、例えば、別個の拡張ステップ、例えば前もってガスを充填する必要がないよう実施できる。次に、流体2のうちの幾分かを例えば吸引及び/又は流体4の外部からの圧潰により再び流体チャンバ4から取り出して流体チャンバ4の次の閉鎖中、流体チャンバ4の所望の事前圧潰及び/又は充填不足を達成する。
【0121】
追加的に又は代替的に具体化できる別の変形実施形態によれば、流体2を高温で、オプションとして更に増圧下で流体チャンバ4中に注ぎ込む。次に、流体2が依然として温かい又は高温の状態でチャンバ4を好ましくは密封する。次の冷却中、容積が減少し、それにより、流体チャンバ4の所望の事前圧潰を達成することができる。充填が増圧下で実施される場合、これにより、低沸点物質の沸点が上昇することにある。代替的に又は追加的に、これは、流体チャンバ4の圧力抵抗を試験するために使用できる。
【0122】
図示していない変形実施形態によれば、器具32又は少なくとも1つの当接要素34は又、外側ケーシング23に連結されるのが良く又は連結可能であり(解除可能であり又は解除不能である)且つ/或いはこれにより形成されても良い。特に、この場合、器具32を備え又はあらかじめ潰された流体チャンバ4に流体2をいったん充填すると器具32に連結される外側ケーシング23を取り外すと共に/或いはこれに代えて器具32又は当接要素34を備えていない別の外側ケーシング23を用いることも可能である。
【0123】
図示していない変形実施形態によれば、外側ケーシング23は―又、他の変形実施形態と組み合わせて―他部品構成のものであって良く、特に2つの部品をなしたものであるのが良く、最も好ましくは2つの特に互いに同一のシェル半部の形態をしているのが良く、その結果、ケーシングの部品又はシェルの部品は、組み立てられると共に/或いは半径方向且つ/或いは軸方向に分解可能である。
【0124】
一般的に言って、袋又は流体チャンバ4は又、あらかじめ成形され、折り畳まれ、しわくちゃにされ又は丸められ若しくは外側ケーシング23内に挿入されても良く、その結果、器具32又は他の手段、例えば気体、液体等による次の変形が助けられ又は可能になる。
【0125】
図6は、提案されるリザーバ3の第3の実施形態を示している。流体チャンバ4は、特に管40、特に無端管で形成され又は構成されている。これにより、特に管状流体チャンバ4が作られる。
【0126】
第3の実施形態では、流体チャンバ4は、好ましくは、溶接シーム41,42,43によって分離可能であり又は分離されている。理論的には、管40を用いて流体チャンバ4を形成することにより、気泡が生じない状態で流体2により充填が容易になる。例えば、充填後、溶接を実施して流体チャンバ4内に気泡38が残存しないようにするのが良い(例えば、流体2中の袋の溶接又は流体2を収容した袋の溶接)。特に、当初、2つの外部溶接シーム41,43によって流体チャンバ4を画定し、次に、図6に示されているように他の溶接シーム41,43相互間には位置されるべき追加の溶接シーム42によって依然として残存している気泡38を分離することが可能である。しかしながら、他の手順の採用も又可能である。
【0127】
好ましくは、流体2を収容した幾つかの別々の又は分離可能な流体チャンバ4又はリザーバ3は、無端管から形成される。
【0128】
リザーバ3又は流体チャンバ4が上述の第2及び第3の実施形態におけるオプションとしての変形例として説明したように気泡38を含む場合、気泡38のサイズを測定することが賢明であり又は必要である。これは、好ましくは、上述の測定プロセスを用いて実施され、この測定プロセスは、別個独立に利用できる。
【0129】
気泡38を収容したリザーバ3又は変形可能な流体チャンバ4を密閉圧力チャンバ内に配置する。チャンバは、非圧縮性液体で完全に満たされている。チャンバ内の非圧縮性液体をピストン又は他の手段を用いて加圧する。圧力に応じて、気泡38及び柔軟性、圧縮性又は圧潰性の流体チャンバ4も又圧縮する。非圧縮性液体は、体積の対応の変化を示す。体積の変化は、ピストンにより押し退けられた体積を測定することにより、特にピストンの押し退け量を測定し又は他の手段によって求めることができる。気泡38のサイズを圧力に依存する体積の変化、即ち圧力パターンによって求めることができる。
【0130】
上述の測定プロセスは、圧潰性流体チャンバ4内における気泡38のサイズの測定及び更に他の目的に好適である。
【0131】
上述の実施形態の個々の特徴、態様及び/又は原理並びに別の特徴は、所望に応じて互いに別個独立に使用できると共に互いに組み合わせて使用でき、更に、図1及び図2のネブライザに使用できるだけでなく、他の又は類似のネブライザ及び吸入器にも使用できる。
【0132】
特に、提案されるリザーバ3及び本発明は、一般に、以下に列記する特許文献に記載され又はこれらの原理に基づくネブライザ又は吸入器に利用でき、特許文献としては、米国特許出願公開第2003/0127538号明細書、国際公開第03/041774号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0034723号明細書、同第2005/0268911号明細書、同第2004/0163646号明細書、米国特許第5,915,378号明細書、米国特許出願公開第2002/0153006号明細書、国際公開第2004/078244号パンフレット、日本国特開第2004‐283244号公報、同第2004‐0283245号公報、米国特許出願公開第2005/0133029号明細書、国際公開第2004/022128号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0172957号明細書、同第2003/0100964号明細書、欧州特許第1236517号明細書、同第1604701号明細書、日本国特開第2004‐249208号公報、米国特許出願公開第2005/0224076号明細書、国際公開第2004/039442号パンフレット、欧州特許第1561484号、同第1562094号明細書、日本国特開第2005‐058421号公報が挙げられる。
【0133】
好ましくは、流体2は、上述したように液体であり、特に、水性又はエタノール系調合薬である。しかしながら、これは、これとは異なる調合薬、懸濁液等又は粒子又は粉末であっても良い。
【0134】
好ましくは医療用の流体2の幾つかの好ましい成分、化合物及び/又は調合物は、以下に列記されている。上述したように、これらは、水性又は非水性溶液、混合物、エタノール含有又は溶剤を含まない調合物等であるのが良い。流体2は、特に好ましくは以下のものを含む。
【0135】
以下に列記する化合物をこれら自体で又は組合せ状態で本発明の器具に用いることができる。以下に記載する化合物に関し、Wは、薬理学的に有効な物質であり、ベータミメティック(Betamimetic)、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、LTD4−拮抗薬、EGFR−阻害薬、ドーパミン作用薬、H1−抗ヒスタミン薬、PAF−拮抗薬及びPI3−キナーゼ阻害薬の中から(例示として)選択される。さらに、Wの2つの組合せ又は3つの組合せを組み合わせて本発明の器具に用いることができる。Wの組合せは、例えば次のようなものが考えられる。
‐Wは、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わされるベータミメティックを意味する。
‐Wは、ベータミメティック、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わされる抗コリン作用薬を意味する。
‐Wは、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わされるコルチコステロイドを意味する。
‐Wは、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わされるPDE4−阻害薬を意味する。
‐Wは、LTD4−拮抗薬と組み合わされるEGFR−阻害薬を意味する。
【0136】
ベータミメティックとして用いられる化合物は、好ましくは、アルブテロール、アルフォルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロクサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモル、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルチプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモル、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール、ジンテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、及び
‐3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンジル−スルホナミド、
‐5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
‐4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、
‐1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
‐1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
‐1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
‐1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
‐1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
‐1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾル−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、
‐5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、
‐1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−t−ブチルアミノ)エタノール、
‐6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
‐6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(エチル4−フェノキシ−アセテート)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
‐6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
‐8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
‐6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
‐6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
‐8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
‐8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
‐4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、
‐8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
‐1−(4−エトキシ−カルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(t−ブチルアミノ)エタノール、
‐2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−ベンズアルデヒド、
‐N−[2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド、
‐8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
‐8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−(6−フェネチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
‐5−[2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
‐[3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−ウレア、
‐4−(2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキソ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
‐3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジルスルホンアミド、
‐3−(3−{7−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンジルスルホンアミド、
‐4−(2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
‐N−アダマンタン−2−イル−2−(3−{2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−アセトアミドの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸塩)、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0137】
用いられる抗コリン作用薬は、好ましくは、チオトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、オキシトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、フルトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、イプラトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、グリコピロニウム塩、好ましくはブロミド塩、トロスピウム塩、好ましくはクロリド塩、トルテロジンの中から選択された化合物である。上述の塩に関し、陽イオンは、薬理学的に有効な成分である。陰イオンとして、上述の塩は、好ましくは、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートを含むのが良く、クロリド、ブロミド、イオジド、スルヘート、メタンスルホネート、又はp−トルエンスルホネートが対イオンとして好ましい。全ての塩のうちで、クロリド、ブロミド、イオジド及びメタンスルホネートが特に好ましい。
【0138】
他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC−1、即ち、
【化1】

の塩の中から選択され、この化学式において、X-は、単一の負の電荷を備えた陰イオン、好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、好ましくは、単一の負の電荷を備えた陰イオン、特に好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、メタンスルホネート及びp−トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、特に好ましくはブロミドを意味し、オプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンチオマー又は水和物を意味している。次の化学式AC−1−en、即ち、
【化2】

のエナンチオマーを含む薬理学的な組合せが特に重要であり、この化学式において、X-は、上述の意味を有するのが良い。他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC−2、即ち、
【化3】

の塩から選択され、この化学式において、Rは、メチルかエチルかのいずれかを表し、X-は、上述の意味を有するのが良い。変形実施形態では、化学式AC−2の化合物は、次の自由塩基AC−2−base、即ち、
【化4】

の形態で存在しても良い。
【0139】
他の指定される化合物は、次の通りである。
‐トロペノール2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
‐スコピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
‐スコピン2,2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
‐トロペノール2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
‐トロペノール3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
‐スコピン3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
‐トロペノール4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐スコピン4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐トロペノール3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐スコピン3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐トロペノール9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピンメチル4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐トロペノール9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9−エチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド。
【0140】
上述の化合物は、本発明の範囲内で塩としても使用でき、この場合、メトブロミドに代えて、メト−X塩が用いられ、この場合、Xは、X-について上述した意味を有するのが良い。
【0141】
コルチコステロイドとして、ベクロメタソン(beclomethasone)、ベータメタソン(betamethasone)、ブデソニド(budesonide)、ブチキソコルト(butixocorte)、シクレソニド(ciclesonide)、デフラザコルト(deflazacorte)、デキサメタソン(dexamethasone)、エチプレドノル(etiprednole)、フルニソリド(flunisolide)、フルチカソン(fluticasone)、ロテプレドノル(loteprednole)、モメタソン(mometasone)、プレドニソロン(prednisolone)、プレドニソン(prednisone)、ロフレポニド(rofleponide)、トリアムシノロン(triamcinolone)、RPR−106541、NS−126、ST−26、及び
‐(S)−フルオロメチル 6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
‐(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
‐シアオメチル 6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸シアノメチルエステルの中から選択された化合物を用いることが好ましく、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる塩及びその誘導体、溶媒化合物及び(又は)水和物が用いられる。ステロイドと言った場合、これは、存在し得るステロイドの塩又はその誘導体、水和物又は溶媒化合物を含む。考えられるステロイドの塩及びその誘導体の例は、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートである。
【0142】
使用できるPDE4−阻害薬は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト(tofimilaste)、プマフェントリン(pumafentrine)、リリミラスト(lirimilaste)、アロフィリン(arofylline)、アチゾラム(atizorame)、D−4418、ベイ(Bay)−198004、BY343、CP−325.366、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、NCS−613、CDP−840、D−4418、PD−168787、T−440、T2585、V−11294A、C1−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370及び、
‐N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンザミド、
‐(−)p−[(4aR*,10bS*)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンザミド、
‐(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、
‐3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N′−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、
‐シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]、
‐2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、
‐シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オル]、
‐(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
‐(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
‐9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、
‐9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(t−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0143】
用いられるLTD4−拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、L−733321、及び
‐1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、
‐1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチレチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸、
‐[2−[[2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸の中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。LTD4−拮抗薬がオプションとして形成できる塩又はその誘導体は、例えば、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートを意味している。
【0144】
使用できるEGFR−阻害薬は、好ましくは、セツキシマブ(cetuximab )、トラスツズマブ(trastuzumab )、ABX−EGF、マブ(Mab)ICR−62、及び
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
‐4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス(−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−(N−シクロプロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルロキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−モルフォリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[ビニルカルボニル)アミノ]キナゾリン、
‐4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
‐3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、
‐4−{[(3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)キナゾリン、
‐4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(t−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロフラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニルメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−エトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−4−フェニル)アミノ]−6−[1−(t−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(4−メチル−ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(シス−2,6−ジメチル−モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ]カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
‐4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0145】
用いられるドーパミン作用薬は、好ましくは、ブロモクリプチン(bromocriptine)、カベルゴリン(cabergoline)、アルファ−ジヒドロエルゴクリプチン(alpha-dihydroergocryptine)、リスリド(lisuride)、ペルゴリド(pergolide)、プラミペクソール(pramipexole)、ロキシンドール(roxindole)、ロピニロール(ropinirole)、タリペクソール(talipexole)、テルグリド(terguride)、ビオザン(viozane)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0146】
使用できるH1−抗ヒスタミン薬は、好ましくは、エピナスチン(epinastine)、セチリジン(cetirizine)、アゼラスチン(azelastine)、フェクソフェンダジン(fexofenadine)、レボカバスチン(levocabastine)、ロラタジン(loratadine)、ミゾラスチン(mizolastine)、ケトチフェン(ketotifene)、エメダスチン(emedastine)、ジメチンデン(dimetindene)、クレマスチン(clemastine)、バミピン(bamipine)、セクスクロルフェニラミン(cexchlorpheniramine)、フェニラミン(pheniramine)、ドキシルアミン(doxylamine)、クロロフェノキサミン(chlorophenoxamine )、ジメンヒドリネート(dimenhydrinate)、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)、プロメタジン(promethazine)、エバスチン(ebastine)、デスロラチジン(desloratidine)、メクロジン(meclozine)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0147】
また、欧州特許出願公開第1003478(A1)号明細書又はカナダ国特許出願公開第2297174(A1)号明細書に開示されている吸入可能な高分子を使用することが可能である。
【0148】
さらに、化合物は、バッカク(麦角)アルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP−拮抗薬、ホスホジエストラーゼ−V阻害薬から成る群に由来するものであるのが良く、オプションとしてこれら化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。
【0149】
バッカクアルカロイド誘導体の例は、ジヒドロエルゴタミン及びエルゴタミンである。
【符号の説明】
【0150】
1 ネブライザ
2 流体
3 リザーバ
4 流体チャンバ
5 圧力発生器
6 ホルダ
7 駆動ばね
8 ロック要素
9 運搬管
10 逆止弁
11 圧力チャンバ
12 放出ノズル
13 マウスピース
14 エーロゾル
15 供給空気開口部
16 上側ハウジング部品
17 内側部品
17a 内側部品の上側部分
17b 内側部品の下側部分
18 ハウジング部品(下側部品)
19 保持要素
20 ばね(下側ハウジング部品のばね)
21 リザーバベース
22 穿通要素
23 外側ケーシング
24 クロージャ
25 第1のクロージャ部品
26 隔壁
27 第2のクロージャ部品
28 シール
29 連結部分
30 環状ビード
31 連結領域
32 器具
33 取っ手
34 当接要素
35 開口部
36 包装材
37 脆弱な箇所
38 気泡
39 袋
40 管
41 溶接シーム
42 溶接シーム
43 溶接シーム
44 回転防止保護部
45 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にネブライザ(1)のためのリザーバ(3)であって、流体(2)を収容した好ましくは変形可能な流体チャンバ(4)を有するリザーバにおいて、
前記流体チャンバ(4)は前記流体(2)の充填時、変形し、折り畳まれ、しわくちゃにされ、巻かれ、少なくとも部分的に圧縮されていると共に/或いはあらかじめ潰されており、且つ/或いは、
前記流体チャンバ(4)の最大容積は、前記流体(2)の初期充填量よりも多い、
ことを特徴とするリザーバ。
【請求項2】
前記流体チャンバ(4)は、前記流体(2)の除去に応じて潰れる、
請求項1記載のリザーバ。
【請求項3】
前記流体チャンバ(4)は、少なくとも実質的に又は部分的に変形可能であり、圧縮可能であり且つ/或いは圧潰可能であるように構成されている、
請求項1又は2記載のリザーバ。
【請求項4】
前記流体チャンバ(4)は、柔軟性且つ/或いは変形性の材料で少なくとも実質的に又は部分的に構成され又は形成されている、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項5】
前記流体チャンバ(4)は、袋(39)又は管(40)で少なくとも実質的に又は部分的に形成され或いは袋(39)又は管(40)によってのみ形成されている、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項6】
前記流体チャンバ(4)は、残留ガス及び/又は気泡が少なくとも実質的にないように前記流体(2)で満たされている、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項7】
前記流体チャンバ(4)を前記流体(2)の初期充填量を超えて増容させることができると共に/或いは拡張させることができる、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項8】
前記初期充填量は、前記流体チャンバ(4)の前記最大容積の95%未満、好ましくは90%未満、特に約85%以下である、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項9】
前記リザーバ(3)は、好ましくは剛性の外側ケーシング(23)を有し、前記外側ケーシングは、前記流体チャンバ(4)又は前記流体チャンバを形成する袋(39)若しくは管(40)を包囲している、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項10】
前記リザーバ(3)は、前記流体チャンバ(4)と関連したクロージャ(24)を有し、特に、前記クロージャ(24)は、好ましくは、前記流体(2)を前記リザーバ(3)から取り出す運搬要素、例えば運搬管(9)の取り付け又は挿入によって開放可能である、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項11】
前記クロージャ(24)は、規定された回転位置で前記外側ケーシング(23)に連結されると共に/或いは回転防止保護部(44)により前記外側ケーシングに対して回転しないよう固定され、特に、前記クロージャ(24)は、前記流体チャンバ(4)を形成する袋(39)に固定的に連結され、前記外側ケーシング(24)及び/又は前記ベース(21)は、前記袋(39)に係合し、前記袋(39)を機械的に潰し又は圧縮するための開口部(35)を有する、
請求項9又は10記載のリザーバ。
【請求項12】
前記リザーバ(3)は、前記流体(2)の充填中、前記流体チャンバ(4)をあらかじめ潰す好ましくは解除可能又は分離可能な器具(32)と関連し、或いは、前記リザーバ(3)は、前記器具(32)を備えている、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項13】
前記リザーバ(3)は、包装材(36)内に収容され、前記リザーバ(3)を前記包装材から取り出すと、前記器具(32)が前記リザーバ(3)から外され、特に前記リザーバから引き出されるようになっており、或いは、前記流体チャンバ(4)に前記流体(2)を充填した後、前記器具(32)は、特に前記リザーバ(3)の包装前に、再び取り外され、分離され又は取り去られる、
請求項12記載のリザーバ。
【請求項14】
前記器具(32)は、前記流体チャンバ(4)又はその壁を機械的作用によりあらかじめ潰し又は変形させる、
請求項12又は13記載のリザーバ。
【請求項15】
前記器具(32)は、少なくとも1つの好ましくは剛性の当接要素(34)を有し、前記当接要素は、前記流体チャンバ(4)又はその壁に作用して前記流体チャンバをあらかじめ潰す、
請求項12ないし14のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項16】
前記器具(32)又は当接要素(34)は、前記リザーバ(3)、特にその前記外側ケーシング(23)に軸方向に係合し又はこれに押し込まれ、或いは、前記リザーバ(3)、前記外側ケーシング(23)、前記流体チャンバ(4)及び/又はその壁に作用する、
請求項12ないし15のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項17】
前記器具(32)又は当接要素(34)は、前記リザーバ(3)、特にその外側ケーシング(23)内に半径方向又は側方に嵌まり込み、或いは、前記リザーバ(3)、前記外側ケーシング(23)、前記流体チャンバ(4)及び/又はその壁に作用する、
請求項12ないし16のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項18】
前記リザーバ(3)は、前記流体(2)として、特に薬物エーロゾル療法のための調合薬を収容している、
請求項1ないし17のいずれか1項に記載のリザーバ。
【請求項19】
流体(2)のためのネブライザ(1)であって、前記流体(2)を収容した特に変形可能な流体チャンバ(4)を備えたリザーバ(3)を有する、ネブライザにおいて、
前記リザーバ(3)は、請求項1ないし18のうちいずれか一の記載に従って構成されていることを特徴とするネブライザ。
【請求項20】
特にネブライザ(1)のためのリザーバ(3)を製作する方法であって、好ましくは変形可能な流体チャンバ(4)に流体(2)を充填する方法において、
前記流体チャンバ(4)に前記流体(2)を充填すると共に/或いは前記流体チャンバを保護ガス又は蒸気下で密封する一方で、保護ガス又は蒸気の気泡(38)を前記流体チャンバ(4)内で生じさせ、
前記流体チャンバ(4)に前記流体(2)を充填すると共に/或いは前記流体チャンバを気泡がない状態で密封し、
前記流体チャンバ(4)に加熱状態の流体(2)を充填すると共に/或いは前記流体チャンバを高い温度状態で密封し、
前記流体チャンバ(4)に当初、前記流体(2)を完全に充填し、次に、幾分かの流体(2)を特に吸引により再び前記流体チャンバ(4)から取り出し、その後に前記流体チャンバ(4)を密封し、
特に前記流体チャンバ(4)をあらかじめ潰すために前記流体チャンバ(4)を好ましくは前記流体(2)の充填前にその最大容積よりも少ない規定された容積に拡張させると共に/或いは充填中、気泡(38)を前記流体(2)中に少なくとも部分的に又は完全に溶解しているガスから前記流体チャンバ(4)内に生じさせる、
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
特にネブライザ(1)のためのリザーバ(3)を製作する方法であって、好ましくは変形可能な流体チャンバ(4)に流体(2)を充填する、好ましくは請求項20記載の方法において、
前記流体チャンバ(4)を前記流体(2)の充填前又は充填中、その最大容積よりも少ない容積まであらかじめ潰すと共に/或いは、
前記流体チャンバ(4)を前記流体(2)の充填前又は充填中に、加圧して外部に配置すると共に/或いはその空間広がりを制限する、
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記初期又は最大充填量は、前記流体チャンバ(4)の前記最大容積の95%未満、好ましくは90%未満、特に約85%以下である、
請求項20又は21記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−515132(P2011−515132A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500068(P2011−500068)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001619
【国際公開番号】WO2009/115200
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】