説明

リソース使用率算出装置および応答時間比算出装置およびリソース使用率算出方法およびプログラム

【課題】同一計算機200が複数のソフトウェア201を同時に実行する場合の、単独のソフトウェアを実行する同一計算機200に対する性能変動の程度を定量的に示す。
【解決手段】想定される組合せのソフトウェア201をそれぞれ単独で実行した場合の同一計算機200のリソース使用率を単独リソース使用率取得部101が取得し、取得した単独リソース使用率に基づき、単独リソース使用率の確率密度関数を単独確率密度関数算出部102が算出し、更に、想定される組合せのソフトウェア201を同一計算機200が同時に実行した場合の同時リソース使用率の確率密度関数を同時確率密度関数算出部104が算出し、同時リソース使用率の確率密度関数に基づき、応答時間比算出部105が応答時間比の確率密度関数を算出し、応答時間の変動を統計的に示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のソフトウェアを集約して実行する計算機のリソース使用率および応答時間を算出するリソース使用率算出装置および応答時間比算出装置およびリソース使用率算出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
計算機の性能予測方法として、計算機が実行するプロセス毎の計算機のリソース使用状況を計測し、計測時とは異なる条件下での性能(例えば単位時間当たりの処理件数など)を予測する方法がある。(例えば、特許文献1参照。)
また、計算機のシステムを構成するソフトウェアによるリソース使用量を計測することによって、システム上のボトルネックを抽出し、抽出したボトルネックを改善することで計算機のシステムの性能上の課題を解決する方法も提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−295864号公報
【特許文献2】特開2006−227999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の実施の形態は、例えば、計算機が実行する複数のソフトウェアの組合せを変更した場合の計算機のリソース使用率を算出し、複数のソフトウェアの組合せを変更したことによる計算機の性能変動の程度を定量的に示すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係るリソース使用率算出装置は、
同じ種別のハードウェアリソースである同一ハードウェアリソースを持つ計算機である複数の同一計算機であって、互いに異なる単独のソフトウェアを実行する複数の同一計算機の各同一計算機から、前記同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率であって、前記単独のソフトウェアによるリソース使用率を示す複数の単独リソース使用率を、前記各計算機が実行する前記単独のソフトウェア毎に取得する単独リソース使用率取得部と、
前記単独リソース使用率取得部が前記単独のソフトウェア毎に取得した前記複数の単独リソース使用率に基づき、任意の単独リソース使用率に対し、前記任意の単独リソース使用率の確率密度が定まる単独確率密度関数を前記単独のソフトウェア毎に算出する単独確率密度関数算出部と、
前記単独確率密度関数算出部が算出した前記単独のソフトウェア毎の前記単独確率密度関数に基づいて、前記同一ハードウェアリソースを持つ計算機が前記複数の同一計算機で実行されたそれぞれのソフトウェアを複数同時に実行する場合の前記同一ハードウェアリソースの使用率である同時リソース使用率の任意の前記同時リソース使用率に対し、前記任意の同時リソース使用率の確率密度が定まる同時確率密度関数を算出する同時確率密度関数算出部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明に係るリソース使用率算出装置は、例えば、計算機が実行する複数のソフトウェアの組合せを変更した場合の計算機のリソース使用率を算出し、複数のソフトウェアの組合せを変更したことによる計算機の性能変動の程度を定量的に示すことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1を示す図で、応答時間比算出装置の外観の一例を示す図。
【図2】実施の形態1を示す図で、応答時間比算出装置100のハードウェア資源の一例を示す図。
【図3】実施の形態1を示す図で、実施の形態に係る技術を示す図。
【図4】実施の形態1を示す図で、リソース使用率と応答時間比との関係を示す図。
【図5】実施の形態1を示す図で、応答時間比の概要を示す図。
【図6】実施の形態1を示す図で、応答時間比算出装置100の構成を示す図。
【図7】実施の形態1を示す図で、単独確率密度関数算出部102の動作を示すフローチャート。
【図8】実施の形態1を示す図で、単独リソース使用率と算出対象区間の例を示す図。((a)は、単独リソース使用率の例を示す図、(b)は、算出対象区間の例を示す図。)
【図9】実施の形態1を示す図で、算出対象区間T6の例を示す図。
【図10】実施の形態1を示す図で、ソフトウェア201aの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図。
【図11】実施の形態1を示す図で、ソフトウェア201aの各算出対象区間における単独リソース使用率の平均と標準偏差を示す図。((a)は、各算出対象区間における平均と標準偏差を示す図、(b)はT6における単独確率密度関数を示す図。)
【図12】実施の形態1を示す図で、ソフトウェア201bの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図。
【図13】実施の形態1を示す図で、ソフトウェア201bの各算出対象区間における単独リソース使用率の平均と標準偏差を示す図。((a)は、各算出対象区間における平均と標準偏差を示す図、(b)はT6における単独確率密度関数を示す図。)
【図14】実施の形態1を示す図で、同時確率密度関数算出部104の動作を示すフローチャート。
【図15】実施の形態1を示す図で、算出対象区間T6における同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率の算出方法の第1の例を示す図。((a)は、ソフトウェア201aの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(b)は、ソフトウェア201bの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(c)は、同時リソース使用率の算出結果を示す図。)
【図16】実施の形態1を示す図で、算出対象区間T6における同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率の算出方法の第2の例を示す図。((a)は、ソフトウェア201aの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(b)は、ソフトウェア201bの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(c)は、同時リソース使用率の算出結果を示す図。)
【図17】実施の形態1を示す図で、算出対象区間T6における同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率の算出方法の第3の例を示す図。((a)は、ソフトウェア201aの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(b)は、ソフトウェア201bの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(c)は、同時リソース使用率の算出結果を示す図。)
【図18】実施の形態1を示す図で、同時リソース使用率の起こりうる組合せを示す図。((a)は、同時リソース使用率の起こりうる組合せを示す図、(b)は、同時リソース使用率の起こりうる組合せの分布確率を示す図。)
【図19】実施の形態1を示す図で、算出対象区間T6における同時確率密度関数を示す図。
【図20】実施の形態1を示す図で、各算出対象区間における同時リソース使用率の平均と標準偏差を示す図。
【図21】実施の形態1を示す図で、算出対象区間T6における応答時間比確立密度関数を示す図。
【図22】実施の形態2を示す図で、分離部を含む応答時間比算出装置100の構成を示す図。
【図23】実施の形態2を示す図で、分離可能リソース使用率と、分離可能リソース使用率から分離された複数の単独リソース使用率を示す図。
【図24】実施の形態2を示す図で、応答時間の劣化の補正の概要を示す図。
【図25】実施の形態2を示す図で、分離可能リソース使用率に基づく、補正比を示す図。
【図26】実施の形態3を示す図で、予測算出部を備えた応答時間比算出装置100の構成を示す図。
【図27】実施の形態3を示す図で、時系列予測の概要を示す図。((a)は、リソース使用率の時系列データの例を示す図、(b)は、リソース使用率の時系列データの成分を示す図。)
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
本実施の形態では、互いに異なる単独のソフトウェアを実行する複数の計算機から、それぞれのリソース使用率を取得し、1台の計算機で互いに異なるソフトウェアを複数同時に実行する場合の、リソース使用率と応答時間の比とを算出する応答時間比算出装置の例を説明する。
【0009】
最初に、図1、図2を用いて応答時間比算出装置の概要を説明する。
【0010】
図1は、実施の形態1における応答時間比算出装置の外観の一例を示す図である。
図1において、応答時間比算出装置100は、システムユニット910、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(Key・Board:K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・ Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
システムユニット910は、コンピュータであり、ファクシミリ機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク942(LAN)、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
【0011】
図2は、実施の形態1における応答時間比算出装置100のハードウェア資源の一例を示す図である。
図2において、応答時間比算出装置100は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915、キーボード902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力部、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力部、出力装置の一例である。
【0012】
通信ボード915は、ファクシミリ機932、電話器931、LAN942等に接続されている。通信ボード915は、LAN942に限らず、インターネット940、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。インターネット940或いはISDN等のWANに接続されている場合、ゲートウェイ941は不用となる。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0013】
上記プログラム群923には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」として説明する情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「ファイル」や「データベース」の各項目として記憶されている。「ファイル」や「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示・算出・変換などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示・算出・変換のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disk)等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0014】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「手段」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」、「〜手段」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、以下に述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、以下に述べる「〜部の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0015】
(実施の形態に係る技術の説明)
図3は、実施の形態に係る技術を示す図である。((a)は、互いに異なる単独のソフトウェアを実行する複数の同一計算機を示す図、(b)互いに異なる複数のソフトウェアを同時に実行する同一計算機を示す図。)
同一計算機200aと同一計算機200bとは、同じ種別のハードウェアリソースである同一ハードウェアリソースを持つ計算機である(図3(a)参照)。ここで、ハードウェアリソースとは、例えば、図2に示すCPU911、バス912、ROM913、RAM914、通信ボード915などと同様のもので有る。同一計算機200aと同一計算機200bとは、同じハードウェアリソース(同一ハードウェアリソース)を有する同じ性能の計算機で有る。従って、同一計算機200aと同一計算機200bとは、同一ソフトウェアを実行した場合には、同量のハードウェアリソースのリソース使用率もしくはリソース使用量(リソース消費率もしくはリソース消費量とも称する)を示し、同一の応答時間で処理を行う。
以後、個別に区別が不要な場合は、同一計算機200と表記する。
【0016】
ソフトウェア201aとソフトウェア201bとは、同一計算機200aと同一計算機200bとが実行するソフトウェアである。ここで、以後、個別に区別が不要な場合は、ソフトウェア201と表記する。
ソフトウェア201は、アプリケーション・システムとして機能するソフトウェアであっても良いし、仮想計算機として機能するソフトウェアであっても良い。
例えば、ソフトウェア201が仮想計算機として機能するソフトウェアの場合、ソフトウェア201には、端末計算機203(個別に区別が不要な場合は、端末計算機203と表記する)が接続される。そして、例えば、ソフトウェア201は、仮想計算機として複数のサービスを提供するサーバとして機能する。
【0017】
ログ記憶装置202(個別に区別が不要な場合は、ログ記憶装置202と表記する)は、同一計算機200の同一ハードウェアリソースを対象とするログを記憶する記憶装置である。(例えば図2に示す磁気ディスク装置920と同様の記憶装置である。)ここで、同一ハードウェアリソースを対象とするログとは、例えば、同一計算機200が備えるCPU911の使用率や、I/O(アイオー、インプット/アウトプット)スループットなどの時系列なハードウェアリソースの消費量の統計情報である。
ログ記憶装置202は、例えば、CPU911の使用率や、I/Oスループットを区別して記憶する。
ログ記憶装置202aは、同一計算機200aの一定時刻毎のログを記憶し、ログ記憶装置202bは、同一計算機200bの一定時刻毎のログを記憶する。
【0018】
そして、CPU911を対象としたリソース使用率とは、例えば、同一計算機200が備えるCPU911の使用率である。I/Oスループットを対象としたリソース使用率とは、同一計算機200の最大能力に対するI/Oスループットの比率となる。例えばCPU911を対象としたリソース使用率と、I/Oスループットを対象としたリソース使用率とは本実施の形態の処理において、区別して扱われる。
【0019】
ここで、ソフトウェア201aとソフトウェア201bとは、互いに異なる単独のソフトウェアであるとする。この場合、同一計算機200aと同一計算機200bとの例えばCPU911を対象としたリソース使用率は、異なる値を示す。
【0020】
そして、互いに異なる単独のソフトウェアであるソフトウェア201aとソフトウェア201bとを1台の同一計算機200で同時に実行した場合のリソース使用率を、ログ記憶装置202aとログ記憶装置202bとが記憶しているそれぞれのリソース使用率から算出するのが、本実施の形態のリソース使用率算出装置150である(図3(b)参照)。
ここで、互いに異なる単独のソフトウェアであるソフトウェア201aとソフトウェア201bとを同時に実行する同一計算機200は、同一計算機200aであっても良いし、同一計算機200bであっても良いし、その他の同一計算機200であっても良い。
【0021】
本実施の形態のリソース使用率算出装置150は、複数の同一計算機200でそれぞれ実行していた複数のソフトウェア201を1台の同一計算機200に集約した場合のリソース使用率を算出するとも言える。
【0022】
そして、以降、同一計算機200が単独のソフトウェアを実行する場合の、単独のソフトウェアによるリソース使用率を「単独リソース使用率」と称する。また、同一計算機200が複数のソフトウェアを同時に実行する場合の、同一ハードウェアリソースの使用率を「同時リソース使用率」と称する。
【0023】
本説明では、同一計算機200aと同一計算機200bとの2台の単独リソース使用率から、同時リソース使用率を算出する例を説明したが、同時リソース使用率を算出する対象の同一計算機200は、3台以上であっても良く、台数に制限は無い。
以後の実施の形態においても、同時リソース使用率を算出する対象の同一計算機200の台数に制限は無い。(以後の実施の形態の説明において、同時リソース使用率を算出する対象の同一計算機200の台数制限に関する説明は省略する。)
【0024】
そして、本実施の形態の応答時間比算出装置100は、リソース使用率算出装置150の算出した同時リソース使用率に基づき、複数のソフトウェア201を1台の同一計算機200に集約した場合の同一計算機200の応答時間と、集約前の同一計算機200の応答時間との比を算出する。この複数のソフトウェア201を1台の同一計算機200に集約した場合の同一計算機200の応答時間と、集約前の同一計算機200の応答時間との比を以降「応答時間比」と称する。
なお、応答時間比算出装置100は、応答性能変動推定装置とも言うことが出来る。
【0025】
なお、応答時間比は、互いに異なるソフトウェア201を複数同時に実行する同一計算機200が、互いに異なるソフトウェアの内、単独の所定のソフトウェアの処理に要する応答時間と、所定のソフトウェアを単独で実行する同一計算機200が所定のソフトウェアの処理に要する応答時間との比とも言える。
【0026】
図4は、リソース使用率と応答時間比との関係を示す図である。
図5は、応答時間比の概要を示す図である。
ここで、応答時間比について説明する。
リソース使用率をλ、実処理時間をTs、待ち時間を含む同一計算機200の応答時間をTqとする時、待ち行列理論に基づき、Tq=Ts/(1−Ts×λ)の式が成立する。ここで、実処理時間Tsは、単位時間である「1」を設定する。
そして、応答時間比は、Tq/Tsであり、Tq/Ts=1/(1−λ)により求めることが出来る。この式を以降「応答時間比関数」と称する。応答時間比関数を用いてリソース使用率λに対する応答時間比の関係を示したのが、図4である。図4の横軸はリソース使用率、縦軸は、応答時間比である。
【0027】
応答時間比の概念について図5を用いて具体的に説明する。
まず、同一計算機200aは、ソフトウェア201aを実行した場合に、単独リソース使用率が50%となり、ソフトウェア201aの処理の応答時間が20秒であったとする。一方、同一計算機200bは、ソフトウェア201bを実行した場合に、単独リソース使用率が25%となり、ソフトウェア201bの処理の応答時間が12秒であったとする。
そして、同一計算機200が、ソフトウェア201aとソフトウェア201bとを同時に実行する場合の同時リソース使用率は、それぞれの単独リソース使用率の和となり、75%となる。
リソース使用率(同時リソース使用率)が75%の場合、図4のグラフより、応答時間比は、「4」倍となる。
この4倍という応答時間比は、同一計算機200が単独のソフトウェア201aを実行した場合に比べて、同一計算機200が、ソフトウェア201aとソフトウェア201bとを同時に実行した場合にソフトウェア201aの処理に対する応答時間が4倍になることを意味する。すなわち、ソフトウェア201aとソフトウェア201bとを同時に実行する同一計算機200は、ソフトウェア201aの処理に20秒×4=80秒の応答時間を要することになる。
同様に、ソフトウェア201aとソフトウェア201bとを同時に実行する同一計算機200は、ソフトウェア201bの処理に12秒×4=48秒の応答時間を要することになる。
上記の応答時間比により、ユーザーは、ソフトウェア201を同一計算機200に集約した場合の応答時間の劣化の度合いを定量的に知ることが可能となる。
【0028】
(実施の形態1における応答時間比算出装置100の構成の説明)
図6は、応答時間比算出装置100の構成を示す図である。
同一計算機200、ソフトウェア201、ログ記憶装置202は、図3と同様の為、説明を省略する。
単独リソース使用率取得部101は、各同一計算機200のログ記憶装置202から、各同一計算機200が実行するソフトウェア201毎に単独リソース使用率を取得する。
ここで、CPU911を対象としたリソース使用率の場合、単独リソース使用率取得部101は、そのままログ記憶装置202に記憶された、例えば同一計算機200が備えるCPU911の使用率を単独リソース使用率として取得する。一方、I/Oスループットを対象としたリソース使用率の場合、単独リソース使用率取得部101は、同一計算機200の最大能力に対するI/Oスループットの比率として、ログ記憶装置202に記憶されたI/Oスループットから変換して取得する。なお、同一計算機200の最大能力は、予め、応答時間比算出装置100の例えば、磁気ディスク装置920、ROM913、RAM914などの記憶装置に記憶されている。そして、単独リソース使用率取得部101は、同一計算機200の最大能力の値をこれらの記憶装置から読み込んで、I/Oスループットを対象としたリソース使用率を演算する。
以後、リソース使用率は、CPU911を対象としたリソース使用率である場合について、説明を進める。
【0029】
単独リソース使用率取得部101は、ソフトウェア201a、ソフトウェア201bに対応して、それぞれ単独リソース使用率取得部101a、単独リソース使用率取得部101bと構成されていても良い。また、単独リソース使用率取得部101は、ソフトウェア201a、ソフトウェア201bと複数のソフトウェア201に対して、一つの単独リソース使用率取得部101で構成されていても良い。
【0030】
単独確率密度関数算出部102は、単独リソース使用率取得部101が取得した単独リソース使用率に基づき、平均と標準偏差を求め、単独リソース使用率の分布は例えば正規分布に基づくものとして、単独リソース使用率の確率密度関数を算出する。この単独リソース使用率の確率密度関数を以降「単独確率密度関数」と称する。
【0031】
単独確率密度関数算出部102も、単独リソース使用率取得部101と同様にソフトウェア201a、ソフトウェア201bに対応して、それぞれ単独確率密度関数算出部102a、単独確率密度関数算出部102bと構成されていても良い。また、単独確率密度関数算出部102は、ソフトウェア201a、ソフトウェア201bと複数のソフトウェア201に対して、一つの単独確率密度関数算出部102で構成されていても良い。
【0032】
指定部103は、例えばユーザーの入力により、例えばキーボード902から入力された情報に基づき、同時リソース使用率の算出対象とする複数のソフトウェア201を指定する。すなわち、指定部103は、同一計算機200に集約させる複数のソフトウェア201を指定する。
図6においては、同一計算機200aと同一計算機200bとの2台しか図示されていないが、指定部103は、例えば、同一計算機200a、同一計算機200b、同一計算機200c、同一計算機200d(図示は省略する)の4台の内の2台の組み合わせを指定する。
【0033】
同時確率密度関数算出部104は、指定部103で指定された複数のソフトウェア201毎に対応した複数の単独確率密度関数から、同時リソース使用率の確率密度関数を算出する。この同時リソース使用率の確率密度関数を以降「同時確率密度関数」と称する。
【0034】
そして、複数の単独リソース使用率から同時確率密度関数を算出するまでの部分、すなわち単独リソース使用率取得部101と単独確率密度関数算出部102と指定部103と同時確率密度関数算出部104とを含む部分をリソース使用率算出装置150と称する。
【0035】
応答時間比算出部105は、同時リソース使用率から応答時間比を算出する。
【0036】
算出結果出力部110は、同時確率密度関数算出部104が算出した同時確率密度関数と、応答時間比算出部105が算出した応答時間比とを例えば、表示装置901に出力する。
【0037】
(単独確率密度関数を算出する動作の説明)
図7は、単独確率密度関数算出部102の動作を示すフローチャートである。
図8は、単独リソース使用率と算出対象区間の例を示す図である。((a)は、単独リソース使用率の例を示す図、(b)は、算出対象区間の例を示す図。)
単独確率密度関数を算出するまでの動作の説明にあたって、図8(a)に示すリソース使用率は、図6に示す同一計算機200aがソフトウェア201aを実行する場合の単独リソース使用率であると想定する。
ここで、同一計算機200a(ソフトウェア201a)の単独リソース使用率は、同一計算機200aが備えるCPU911を対象としたリソース使用率と想定する。すなわち、図8(a)に示すリソース使用率は、図6のログ記憶装置202aに記憶されている同一計算機200aが備えるCPU911の使用率のログと同じものである。
【0038】
図8(a)に示す通り、ログ記憶装置202aは、同一計算機200aがソフトウェア201aを実行した場合における、3秒毎の同一計算機200aが備えるCPU911の使用率である単独リソース使用率を複数記憶している。
【0039】
すなわち、複数の単独リソース使用率は、同一計算機200が単独ソフトウェア201を実行する実行時間内における複数の時刻のそれぞれの時刻(図8(a)の例では、3秒、6秒、・・・)に対応付けられている。この複数時刻にそれぞれ対応した複数の単独リソース使用率を以降「単独リソース使用率群」と称する。
まず、単独リソース使用率取得部101は、この図8(a)に示す単独リソース使用率群(単独リソース使用率のログ)をログ記憶装置202aから取得する。
そして、図示は省略するが、単独リソース使用率取得部101は、ログ記憶装置202bからも同一計算機200bが備えるCPU911の使用率である単独リソース使用率群(単独リソース使用率のログ)を取得する。
【0040】
次に、単独確率密度関数算出部102は、図8(b)に示す算出対象区間を設定する(図7のS51)。
ここで、算出対象区間とは、単独確率密度関数の算出対象とする複数の区間である。(図8(b)に示すT1〜T9・・・。なお、T9以降の算出対象区間の図示は省略している。)
【0041】
ここで、単独確率密度関数算出部102が算出対象区間を設定する上で、基準となる一つの算出対象区間の長さは、あらかじめユーザーによって設定される。例えば同一計算機200aがソフトウェア201aを実行すると同時に、同一計算機200bがソフトウェア201bを同時に実行した場合でも、正確に同時にはならず時間的なずれが生じる場合が有り得る。その時間的なずれを想定して、基準となる算出対象区間の長さは、ユーザーによって設定される。ユーザーによって設定された基準となる算出対象区間の長さは、あらかじめ磁気ディスク装置920などの記憶装置に記憶されている。
【0042】
単独確率密度関数算出部102は、その設定された基準となる算出対象区間の長さを読み込む。
そして、単独確率密度関数算出部102は、単独リソース使用率取得部101が取得した単独リソース使用率群に含まれる単独リソース使用率が対応する時刻の間隔の倍数となる基準となる算出対象区間の長さに一番近い値を算出対象区間の長さとして設定する。すなわち、単独確率密度関数算出部102は、算出対象区間に含まれる時刻の個数を設定するとも言える。
図8(b)の例では一つの算出対象区間の長さが24秒間(T6の例では15秒から39秒までの24秒間)となっている。
単独確率密度関数算出部102は、単独リソース使用率取得部101が取得した単独リソース使用率が対応する時刻の間隔毎に、算出対象区間に含まれる時刻をずらした複数の算出対象区間を設定する。
【0043】
図9は、算出対象区間T6の例を示す図である。
単独確率密度関数算出部102は、それぞれの算出対象区間を、時間的に古い時刻から新しい時刻へと連続する所定の個数の時刻から構成する。図8(b)もしくは図9のT6を例に説明すると、算出対象区間は、古い時刻である15秒から新しい時刻である39秒へと連続する9個の時刻(15秒、18秒、・・・39秒)で構成される。
そして、単独確率密度関数算出部102は、それぞれの算出対象区間に、構成要素となる時刻の内、最も過去の時刻を代表時刻として付与する。図8(b)もしくは図9のT6を例に説明すると、T6の算出対象区間は、最も過去の時刻である15秒を代表時刻として付与されている。
そして、単独確率密度関数算出部102は、それぞれの算出対象区間を、いずれも同じ個数の時刻から構成する。すなわち、図8(b)に示すそれぞれの算出対象区間T1〜T9・・・は、いずれも9個の時刻から構成する。
【0044】
図示は、省略するが、単独確率密度関数算出部102は、単独リソース使用率取得部101が取得したソフトウェア201b(同一計算機200b)の単独リソース使用率群に対しても、同様に算出対象区間を設定する。
すなわち、単独確率密度関数算出部102は、代表時刻を互いに異にする複数の算出対象区間を、同一計算機200毎の単独リソース使用率群それぞれに対して各代表時刻を同じくして設定する。
【0045】
そして、単独確率密度関数算出部102は、設定した算出対象区間に含まれる個数の単独リソース使用率を抽出する(図7のS52)。
【0046】
そして、単独確率密度関数算出部102は前述の通り、算出対象区間毎に平均と標準偏差を求める。(図7のS53)
図9の例では、算出対象区間T6における平均は「10.7%」で標準偏差の2倍は「0.3%」である。なお、本実施の形態では標準偏差の2倍である「2σ」をばらつきの指標としている。以降、標準偏差の2倍を単に「標準偏差」と称する。
【0047】
図8(b)の例では、算出対象区間は一定時間(3秒)毎にシフト(移動)しており、単独確率密度関数算出部102が算出する平均と標準偏差とは、移動平均と移動標準偏差とも称することが出来る。
【0048】
図10は、ソフトウェア201aの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図である。
単独確率密度関数算出部102は、算出した平均と標準偏差とを例えば正規分布を表す確率密度関数の式に当てはめて、単独確率密度関数を算出する。ここで、正規分布を表す確率密度関数の式とは、一般的にf(x)=(2πσ−1/2×exp(−(x−μ)2/2σ)と表すことが出来、平均μと標準偏差σとの関数となっている。
なお、単独確率密度関数を算出するにあたり、適用される分布の種類は、正規分布に限定されるものではない。
図10は、単独確率密度関数算出部102が算出した単独確率密度関数を図示したもので、横軸は単独リソース使用率であり、縦軸が分布確率となっている。
【0049】
図11は、ソフトウェア201aの各算出対象区間における単独リソース使用率の平均と標準偏差を示す図である。((a)は、各算出対象区間における平均と標準偏差を示す図、(b)はT6における単独確率密度関数を示す図。)
単独確率密度関数算出部102が、算出対象区間毎に平均と標準偏差を算出した結果が、図11(a)である。
算出対象区間T6における単独確率密度関数は、前述の通り、図10に示したが、図11(a)のグラフ縦軸に揃えて表すと、図11(b)のようになる。
単独確率密度関数算出部102は、算出対象区間T6以外の全ての算出対象区間に関しても、単独確率密度関数を算出する。全ての算出対象区間に関する単独確率密度関数の図示は省略する。
単独確率密度関数算出部102は、全ての算出対象区間に関する単独確率密度関数の算出が完了すると、処理を終了する(図7のS54の「Yes」)。単独確率密度関数算出部102は、全ての算出対象区間に関する単独確率密度関数の算出が完了していない場合は、算出していない区間の処理を継続する(図7のS54の「No」)。
なお、図11(a)のグラフは、単独リソース使用率の分布を表す時系列データとも言える。
【0050】
図12は、ソフトウェア201bの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図である。
図13は、ソフトウェア201bの各算出対象区間における単独リソース使用率の平均と標準偏差を示す図である。((a)は、各算出対象区間における平均と標準偏差を示す図、(b)はT6における単独確率密度関数を示す図。)
単独確率密度関数算出部102は、ソフトウェア201b(同一計算機200b)についても同様に算出対象区間毎に平均と標準偏差、単独確率密度関数を算出する。
【0051】
すなわち、単独確率密度関数算出部102は、設定した複数の算出対象区間のそれぞれが含む時刻のそれぞれに対応する単独リソース使用率に基づいて、複数の算出対象区間毎の単独確率密度関数を単独リソース使用群毎に算出する。
【0052】
(同時確率密度関数を第1の算出方法で算出する動作の説明)
図14は、同時確率密度関数算出部104の動作を示すフローチャートである。
図15は、算出対象区間T6における同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率の算出方法の第1の例を示す図である。((a)は、ソフトウェア201aの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(b)は、ソフトウェア201bの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(c)は、同時リソース使用率の算出結果を示す図。)
図16は、算出対象区間T6における同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率の算出方法の第2の例を示す図である。((a)は、ソフトウェア201aの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(b)は、ソフトウェア201bの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(c)は、同時リソース使用率の算出結果を示す図。)
図17は、算出対象区間T6における同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率の算出方法の第3の例を示す図である。((a)は、ソフトウェア201aの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(b)は、ソフトウェア201bの算出対象区間T6における単独確率密度関数を示す図、(c)は、同時リソース使用率の算出結果を示す図。)
図18は、同時リソース使用率の起こりうる組合せを示す図である。((a)は、同時リソース使用率の起こりうる組合せを示す図、(b)は、同時リソース使用率の起こりうる組合せの分布確率を示す図。)
【0053】
ここで、同時確率密度関数の第1の算出方法について、算出対象区間T6における具体例を用いて説明する。
同時確率密度関数算出部104は、指定部103が指定した複数のソフトウェア201の単独確率密度関数を用いて、同時確率密度関数を算出する。ここでは、指定部103がソフトウェア201aとソフトウェア201bとを指定しているものとする。
【0054】
ここで、同時確率密度関数算出部104は、単独確率密度関数算出部102が算出した単独のソフトウェア毎の単独確率密度関数の内、所定の複数の単独確率密度関数に基づいて同時確率密度関数を算出する。
そして、指定部103は、単独確率密度関数算出部102が算出した単独のソフトウェア201毎の単独確率密度関数の内、同時確率密度関数算出部104が同時確率密度関数の算出の基とする所定の複数の単独確率密度関数を指定する。
【0055】
ここで、算出対象区間T6におけるソフトウェア201aの単独リソース使用率を「C_201a」とし、算出対象区間T6におけるソフトウェア201bの単独リソース使用率を「C_201b」とする。そして、算出対象区間T6におけるソフトウェア201aの単独リソース使用率の分布確率を「P(C_201a)」とし、算出対象区間T6におけるソフトウェア201bの単独リソース使用率の分布確率を「P(C_201b)」と
する。
そして、算出対象区間T6における同時リソース使用率は、「C_201a」+「C_201b」と各単独リソース使用率の和で算出される。
そして、算出対象区間T6における同時リソース使用率の分布確率は、「P(C_201a)」×「P(C_201b)」と各単独リソース使用率の分布確率の積で算出される。
【0056】
ここで、ソフトウェア201aの単独リソース使用率と単独リソース使用率の分布確率として同時確率密度関数算出部104が抽出(サンプリングとも称する)する数を「M」とする。また、ソフトウェア201bの単独リソース使用率と単独リソース使用率の分布確率として同時確率密度関数算出部104が抽出する数を「N」とする。
【0057】
同時確率密度関数算出部104は、まずソフトウェア201aの抽出数「M」と、ソフトウェア201bの抽出数「N」を設定する(図14のS141)。抽出数「M」と「N」は例えばユーザーによって設定され、あらかじめ磁気ディスク装置920などに記憶されており、同時確率密度関数算出部104は、その値を読み込んで設定することが可能である。
本実施の形態の説明においては、図示を簡略化する為に抽出数「M」と「N」はそれぞれ「6」とするが、「M」と「N」の数に制限は無い。
【0058】
そして、同時確率密度関数算出部104は、カウンタを初期化し(図14のS141)、ソフトウェア201aのデータを抽出する際のカウンタである「m」をインクリメントする(図14のS142)。
同時確率密度関数算出部104は、カウンタ「m」が設定された抽出数「M」を超えていなければ(図14のS143の「No」)、ソフトウェア201bのデータを抽出する際のカウンタである「n」をインクリメントする(図14のS144)。
そして、同時確率密度関数算出部104は、カウンタ「n」が設定された抽出数「N」を超えていなければ(図14のS145の「No」)、ソフトウェア201aのm番目の単独リソース使用率と単独リソース使用率の分布確率とを抽出する。更に、同時確率密度関数算出部104は、ソフトウェア201bのn番目の単独リソース使用率と単独リソース使用率の分布確率とを抽出する。そして、同時確率密度関数算出部104は、抽出したデータを用いて演算を行う(図14のS146)。
【0059】
具体的には、図15を用いて説明する。
図15(a)は、図10のソフトウェア201aの算出対象区間T6における単独確率密度関数と同じ図である。また、図15(b)は、図12のソフトウェア201bの算出対象区間T6における単独確率密度関数と同じ図である。
ソフトウェア201aの抽出数「M」は「6」に設定されており、抽出対象となる単独リソース使用率は、図15(a)に示す「10.5」〜「11」の6個である。「10.5」〜「11」の抽出範囲は、同時確率密度関数算出部104が、単独確率密度関数算出部102の算出した平均と標準偏差に基づき、設定する。
同様にソフトウェア201bの抽出数「N」は「6」に設定されており、抽出対象となる単独リソース使用率は、図15(b)に示す「11.3」〜「11.8」の6個である。「11.3」〜「11.8」の抽出範囲は、同時確率密度関数算出部104が、単独確率密度関数算出部102の算出した平均と標準偏差に基づき、設定する。
【0060】
同時確率密度関数算出部104は、カウンタ「m=1」の抽出対象である単独リソース使用率「10.5%」と単独リソース使用率「10.5%」の分布確率「8%」をソフトウェア201aの単独確率密度関数(図15(a))から抽出する。
同様に同時確率密度関数算出部104は、カウンタ「n=1」の抽出対象である単独リソース使用率「11.3%」と単独リソース使用率「11.3%」の分布確率「3%」をソフトウェア201bの単独確率密度関数(図15(b))から抽出する。
そして、同時確率密度関数算出部104は、ソフトウェア201aの単独リソース使用率「10.5%」とソフトウェア201bの単独リソース使用率「11.3%」との和を演算し、同時リソース使用率「21.8%」を算出する(図15(c))。
更に、同時確率密度関数算出部104は、ソフトウェア201aの単独リソース使用率の分布確率「8%」とソフトウェア201bの単独リソース使用率の分布確率「3%」との積を演算し、同時リソース使用率「21.8%」の分布確率「0.25%」を算出する。
ここで、「8%」と「3%」の積は、「0.24%」であるが、「8%」と「3%」の
小数点以下の数字の表記を省略している為に、誤差が生じている。以降の図16と図17においても同様であり、以降の誤差に関する説明は省略する。
【0061】
そして、次に同時確率密度関数算出部104は、カウンタ「n」だけをインクリメントする(図14のS144)。
具体的には、図16を用いて説明する。
同時確率密度関数算出部104は、カウンタ「m=1」の抽出対象である単独リソース使用率「10.5%」と単独リソース使用率「10.5%」の分布確率「8%」をソフトウェア201aの単独確率密度関数(図15(a))から抽出する。
同様に同時確率密度関数算出部104は、カウンタ「n=2」の抽出対象である単独リソース使用率「11.4%」と単独リソース使用率「11.4%」の分布確率「9%」をソフトウェア201bの単独確率密度関数(図15(b))から抽出する。
そして、同時確率密度関数算出部104は、ソフトウェア201aの単独リソース使用率「10.5%」とソフトウェア201bの単独リソース使用率「11.4%」との和を演算し、同時リソース使用率「21.9%」を算出する(図15(c))。
更に、同時確率密度関数算出部104は、ソフトウェア201aの単独リソース使用率の分布確率「8%」とソフトウェア201bの単独リソース使用率の分布確率「9%」との積を演算し、同時リソース使用率「21.9%」の分布確率「0.75%」を算出する。
【0062】
そして、同時確率密度関数算出部104は、更にカウンタ「n」だけをインクリメントし(図13のS144)、カウンタ「n=6」の抽出対象であるソフトウェア201bの単独リソース使用率「11.8%」まで処理を進める(図示は省略する)。
そして、カウンタ「n」が抽出数「N」を超えると(図14のS145の「Yes」)、同時確率密度関数算出部104はカウンタ「n」をリセットし(図14のS148)、カウンタ「m」をインクリメントする(図14のS142)。
【0063】
カウンタ「m=2」で、カウンタ「n=1」の状態について図17を用いて説明する。
同時確率密度関数算出部104は、カウンタ「m=2」の抽出対象である単独リソース使用率「10.6%」と単独リソース使用率「10.6%」の分布確率「14%」をソフトウェア201aの単独確率密度関数(図15(a))から抽出する。
同様に同時確率密度関数算出部104は、カウンタ「n=1」の抽出対象である単独リソース使用率「11.3%」と単独リソース使用率「11.3%」の分布確率「3%」をソフトウェア201bの単独確率密度関数(図15(b))から抽出する。
そして、同時確率密度関数算出部104は、ソフトウェア201aの単独リソース使用率「10.6%」とソフトウェア201bの単独リソース使用率「11.3%」との和を演算し、同時リソース使用率「21.9%」を算出する(図15(c))。
更に、同時確率密度関数算出部104は、ソフトウェア201aの単独リソース使用率の分布確率「14%」とソフトウェア201bの単独リソース使用率の分布確率「3%」との積を演算し、同時リソース使用率「21.9%」の分布確率「0.42%」を算出する。
【0064】
そして、同時確率密度関数算出部104が、「m=1〜6」と「n=1〜6」との全ての組合せについて、同時リソース使用率と、同時リソース使用率の分布確率とを算出した結果が、図18である。
図18(a)は、同時リソース使用率を示し、図18(b)は、同時リソース使用率の分布確率を示す。
例えば、図15を用いて説明した例は、図18(a)の丸で囲んだ同時リソース使用率「21.8%」と、図18(b)の丸で囲んだ同時リソース使用率の分布確率「0.25%」である。
【0065】
そして、同時確率密度関数算出部104は、同じ値を示す同時リソース使用率の分布確率の総和を演算する(図14のS147)。
具体例を説明すると、図16と図17とで説明した例は、図18(a)で示すいずれも同時リソース使用率が「21.9%」となる場合である。
このように同時リソース使用率の同値が存在する場合の同時リソース使用率の分布確率は、同値となるそれぞれの同時リソース使用率の分布確率の和となる。
すなわち、同時リソース使用率「21.9%」の分布確率は、「0.75%+0.42%=1.17%」となる。
【0066】
図19は、算出対象区間T6における同時確率密度関数を示す図である。
同時確率密度関数算出部104は、図14のS141〜S147の処理を例えば、算出対象区間T6において行うことで、同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率との値を得る。
そして、同時確率密度関数算出部104は、同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率との値から、例えば、算出対象区間T6における同時リソース使用率の平均と標準偏差を得る。また、同時確率密度関数算出部104は、同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率との値から、例えば、算出対象区間T6における同時確率密度関数(図19)を得る。
図19において、前述のように同時リソース使用率「21.9%」の分布確率は、「1.17%」となっている。
【0067】
図20は、各算出対象区間における同時リソース使用率の平均と標準偏差を示す図である。
同時確率密度関数算出部104は、各算出対象区間における同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率との値を算出し、各算出対象区間における同時リソース使用率の平均と標準偏差を得る(図20)。
また、同時確率密度関数算出部104は、同時リソース使用率と同時リソース使用率の分布確率との値から、算出対象区間T6以外の全ての算出対象区間に関しても、各算出対象区間における各同時確率密度関数を算出する。ここでは、全ての算出対象区間に関する同時確率密度関数の図示は省略する。
以上の処理により、同時確率密度関数算出部104は、同時リソース使用率の時系列変化を算出するとも言える。
【0068】
(同時確率密度関数を第2の算出方法で算出する動作の説明)
次に、同時確率密度関数の第2の算出方法について説明する。
同時確率密度関数算出部104は、ソフトウェア201aの単独確率密度関数と、ソフトウェア201bの単独確率密度関数との、例えば畳み込み演算を行うことで同時確率密度関数を算出することが可能である。
従って、同時確率密度関数算出部104は、算出対象区間毎のソフトウェア201aの単独確率密度関数と、ソフトウェア201bの単独確率密度関数とから、算出対象区間に例えば畳み込み演算を行うことで算出対象区間毎の同時確率密度関数を算出する。
【0069】
すなわち、同時確率密度関数算出部104は、単独確率密度関数算出部102が単独リソース使用群毎に算出したそれぞれの単独確率密度関数を用いて、複数の算出対象区間毎に同時確率密度関数を算出する。
【0070】
そして、単独リソース使用率取得部101と単独確率密度関数算出部102と指定部103と同時確率密度関数算出部104とによる動作が、リソース使用率算出装置150としての動作となる。
【0071】
算出結果出力部110は、同時確率密度関数算出部104が算出した同時確率密度関数(図19)や、各算出対象区間における同時リソース使用率の平均と標準偏差(図20)を例えば、表示装置901に出力する。
【0072】
(応答時間比を算出する動作の説明)
応答時間比算出部105は、同時確率密度関数算出部104(リソース使用率算出装置150)が算出した同時確率密度関数(同時リソース使用率)を用いて、応答時間比を算出する。
【0073】
リソース使用率算出装置150の動作に、同時確率密度関数算出部104(リソース使用率算出装置150)が算出した同時確率密度関数(同時リソース使用率)を用いて、応答時間比算出部105が応答時間比を算出する動作を加えた動作が、応答時間比算出装置100としての動作となる。
【0074】
応答時間比算出部105は、任意の同時リソース使用率に対して定まる応答時間比関数を用いて、リソース使用率算出装置150が算出した同時確立密度関数における同時リソース使用率を応答時間比に変換する。そして、応答時間比算出部105は、任意の応答時間比に対し、任意の応答時間比の確率密度が定まる応答時間比確立密度関数を算出する。
更に、応答時間比算出部105は、複数の算出対象区間毎の同時確立密度関数における同時リソース使用率を応答時間比に変換して、複数の算出対象区間毎の応答時間比確立密度関数を算出する。
そして、応答時間比算出部105は、待ち行列理論に基づく応答時間比関数(図4)を用いる。
【0075】
図21は、算出対象区間T6における応答時間比確立密度関数を示す図である。
応答時間比算出部105は、例えば算出対象区間T6における同時確率密度関数(図19)における横軸のリソース使用率の値を待ち行列理論に基づく応答時間比関数(図4)を用いて、応答時間比に変換する。
そして、応答時間比算出部105は、変換前のリソース使用率が対応していたリソース使用率の分布確率の値を、そのまま変換後の応答時間比の分布確率の値として対応付ける。
【0076】
具体的には、例えば、図19における同時リソース使用率「21.9%」の分布確率は、「1.17%」である。
そして、応答時間比算出部105は、図4で説明した応答時間比関数Tq/Ts=1/(1−λ)のλに「21.9%」を代入し、応答時間比「1.2804」を算出する。すなわち、応答時間比算出部105は、同時リソース使用率「21.9%」を応答時間比「1.2804」に変換する。
そして、応答時間比算出部105は、応答時間比「1.2804」に分布確率「1.17%」を対応付ける。
【0077】
このような処理により、応答時間比算出部105は、図21に示す応答時間比の分布確率すなわち、応答時間比確立密度関数が算出する。
応答時間比算出部105は、算出対象区間T6以外の全ての算出対象区間に関しても、各算出対象区間における各応答時間比確立密度関数を算出する。ここでは、全ての算出対象区間に関する応答時間比確立密度関数の図示は省略する。
以上の処理により、応答時間比算出部105は、応答時間比の時系列変化を算出するとも言える。
【0078】
算出結果出力部110は、応答時間比算出部105が算出した応答時間比確立密度関数(図21)や、応答時間比の時系列変化を示すグラフ(図示は省略する)を例えば、表示装置901に出力する。
【0079】
なお、応答時間比算出装置100が、単独リソース使用率から応答時間比を算出する動作について、CPU使用率を例に説明したが、I/Oスループットについても同様である。また、同一計算機200がソフトウェア201を実行する際のCPUでの処理時間とI/Oでの処理時間との比率が明らかで有る場合は、単独リソース使用率取得部101は、CPU使用率とI/Oスループットとを合わせた単独リソース使用率を取得することが可能である。そして、応答時間比算出装置100は同様の処理を行って応答時間比を算出する。そして、算出された応答時間比に、明らかとなっているCPUでの処理時間とI/Oでの処理時間との比率を適用することで、CPUとI/Oそれぞれによる応答時間比をユーザーは評価することも出来る。
【0080】
本実施の形態の応答時間比算出装置100により、予め同一計算機200で実行される組合せが想定される複数のソフトウェア201について、応答時間比を算出することで、ユーザーは、予め応答性能の変動を定量的に予測することが可能となる。
【0081】
実施の形態2.
本実施の形態では、同一計算機200が予め複数のソフトウェア201を同時に実行している場合において、同一計算機200が、実行するソフトウェア201の組み合わせを変更する時の応答時間比を算出する応答時間比算出装置100の例を説明する。
【0082】
(実施の形態2における応答時間比算出装置100の構成の説明)
図22は、分離部を含む応答時間比算出装置100の構成を示す図である。
同一計算機200cは、予めソフトウェア201cとソフトウェア201dとの複数のソフトウェア201を同時に実行している。
【0083】
そして、応答時間比算出装置100(リソース使用率算出装置150)は、分離部106を備えている。
分離部106は、複数のソフトウェア201が同時実行された時のリソース使用率から、複数の単独リソース使用率に分離する。
その他の部分は、実施の形態と同様である為、説明を省略する。
例えば、図22と図6とは、同一計算機200の数が異なっているが、実施の形態1と実施の形態2と後述の実施の形態3とにおいて、同一計算機200の数に制限は無く、各実施の形態の動作に影響を与えるものでは無い。また、図22に示す単独リソース使用率取得部101a〜101dと単独確率密度関数算出部102a〜102dについても同様である。
【0084】
(実施の形態2における動作の説明)
同一計算機200cのログ記憶装置202は、同一計算機200cがソフトウェア201cとソフトウェア201dとを同時に実行した場合のリソース使用率を記憶している。
【0085】
このリソース使用率は、同一ハードウェアリソースを備える同一計算機200がソフトウェア201を複数同時に実行する場合の、同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率である。そして、このリソース使用率は、ソフトウェア201毎に同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率が区別され、分離可能である。このリソース使用率を以降、「分離可能リソース使用率」と称する。
【0086】
図23は、分離可能リソース使用率と、分離可能リソース使用率から分離された複数の単独リソース使用率を示す図である。
同一計算機200cのログ記憶装置202は、図22の分離可能リソース使用率D300を記憶している。そして、分離可能リソース使用率D300は、ソフトウェア201cのリソース使用率D310とソフトウェア201dのリソース使用率D320とに分離が可能である。
【0087】
分離部106は、ソフトウェア201を複数同時に実行する同一計算機200から取得し、取得した分離可能リソース使用率を、ソフトウェア201毎に対応した複数の単独リソース使用率として分離する。
具体的には、分離部106は、同一計算機200cのログ記憶装置202から分離可能リソース使用率D300を取得し、ソフトウェア201cの単独リソース使用率D310とソフトウェア201dの単独リソース使用率D320とに分離する。
【0088】
そして、単独リソース使用率取得部101は、実施の形態と同様にソフトウェア201cの単独リソース使用率D310とソフトウェア201dの単独リソース使用率D320とを取得する。
指定部103は、ソフトウェア201bとソフトウェア201cとを指定しているとする。
応答時間比算出装置100は、実施の形態1と同様に、ソフトウェア201bの単独リソース使用率(図示は省略)と、ソフトウェア201cの単独リソース使用率D310(図22)とから応答時間比を算出する。
【0089】
ここで、実施の形態1と異なる点は、同一計算機200cはソフトウェア201cとソフトウェア201dとを同時に実行している為、ソフトウェア201cのみを実行している場合よりも応答時間が劣化している点である。
したがって、応答時間比算出部105は、応答時間比を算出するにあたり、ソフトウェア201を複数実行していることによる応答時間の劣化分を補正しなくてはならない。
【0090】
図24は、応答時間の劣化の補正の概要を示す図である。
応答時間の劣化の補正は、図5で説明の応答時間比の例を逆に考えることで説明が出来る。(ここでは、図19の例から離れ、図5で示したソフトウェア201aとソフトウェア201bとを用いて説明を行う。)
すなわち、ソフトウェア201aとソフトウェア201bとを同時に実行していた同一計算機200は、ソフトウェア201aの処理の応答に80秒要していたとする。そして、同一計算機200がソフトウェア201aのみを実行する場合の応答時間は20秒となり、複数のソフトウェア201を同時に実行していた場合の、1/4となる。
この「1/4」という値は、図5で示した応答時間比の逆数である。この応答時間比の逆数の逆数を以降「補正比」と称する。すなわち、応答時間比関数Tq/Ts=1/(1−λ)のλに分離可能リソース使用率を代入して、応答時間比を求め、更に逆数をとった値を求めれば、応答時間比算出部105は、応答時間の劣化の補正を行うことが出来る。
【0091】
応答時間比算出部105は、応答時間比関数を用いて、分離可能リソース使用率を応答時間比に変換し、変換した応答時間比の逆数である補正比を算出し、算出した補正比を用いて、補正された応答時間比を算出するとも言える。
【0092】
図25は、分離可能リソース使用率に基づく、補正比を示す図である。
図19の例に戻り、説明を進める。
分離部106は、同一計算機200cのログ記憶装置202cが記憶する分離可能リソース使用率D300(図22)を、ソフトウェア201cとソフトウェア201dとに対応付けて、応答時間比算出部105に入力する。
【0093】
応答時間比算出部105は、分離可能リソース使用率D300(図23)に基づき、補正比を算出する(図25)。
そして、例えば、応答時間比算出部105は、ソフトウェア201cに対する応答時間比を算出する場合に、この図25に示す値を乗じて補正を行う。
例えば、算出対象区間T6における応答時間比を算出する場合は、応答時間比算出部105は、算出対象区間T6の代表時刻である「15秒」における補正比「0.77」を補正に用いる。
あるいは、応答時間比算出部105は、単独確率密度関数算出部102が設定した算出対象区間に対応した範囲の補正比の平均を算出し、その平均値を補正に用いることも可能である。あるいは、応答時間比算出部105は、単独確率密度関数算出部102が設定した算出対象区間に対応した範囲の補正比の確率密度関数を算出し、応答時間比確立密度関数と演算を行うことで補正を行うことも可能である。
【0094】
本実施の形態の応答時間比算出装置100により、同一計算機200が予め複数のソフトウェア201を同時に実行している場合において、同一計算機200が、実行するソフトウェア201の組み合わせを変更する時の応答時間比を算出することが可能となる。
【0095】
実施の形態3.
本実施の形態では、単独確率密度関数の時系列データから、未来の時刻における単独確率密度関数を予測して、予測した未来における応答時間比を算出する応答時間比算出装置100の例を説明する。
【0096】
(実施の形態3における応答時間比算出装置100の構成の説明)
図26は、予測算出部を備えた応答時間比算出装置100の構成を示す図である。
応答時間比算出装置100は、予測算出部107と傾向成分操作部108とを備えている。
予測算出部107は、単独確率密度関数(単独リソース使用率)の時系列データから、未来の時刻における単独確率密度関数(単独リソース使用率)を予測する。
傾向成分操作部108は、予測算出部107が予測を行う基となる時系列データに変更を加える。
その他の部分は、実施の形態と同様である為、説明を省略する。
【0097】
(実施の形態3における動作の説明)
予測算出部107は、未来時刻を代表時刻とする算出対象区間における単独確率密度関数を、単独確率密度関数算出部102が算出する複数の算出対象区間毎の単独確率密度関数に基づいて、予測して算出する。ここで、未来時刻とは、単独確率密度関数算出部102が単独確率密度関数の算出対象とする複数の算出対象区間にそれぞれ付与される複数の代表時刻よりも未来の所定の時刻を示す。
【0098】
図27は、時系列予測の概要を示す図である。((a)は、リソース使用率の時系列データの例を示す図、(b)は、リソース使用率の時系列データの成分を示す図。)
具体的に説明を行う。
例えば、単独確率密度関数算出部102が、図27(a)に示すような単独リソース使用率の平均値の時系列データを算出したとする。
そして、予測算出部107は、図27(a)に示すようなデータに対して、例えばARMA(Autoregressive moving average model,自己回帰移動平均モデル)等の処理を行う。
そして、予測算出部107は、「Q(t)=m(t)+s(t)+Y」で表現される式を得る。
ここで、Q(t)はリソース使用率、m(t)は傾向成分、s(t)は周期成分、Yはランダムなノイズである。予測算出部107は、この式によってログ記憶装置202に記録されていない記録範囲外の時刻のリソース消費率が予測出来る。
図27(b)で説明すると、破線が傾向成分m(t)、一点鎖線が周期成分s(t)、実線がランダムなノイズYとなる。
【0099】
更に、例えばユーザーは、将来予測されるリソース使用率の上昇や下降の情報を例えばキーボード902などから入力可能である。
そして、傾向成分操作部108は、入力されたリソース使用率の上昇や下降の情報に基づき、傾向成分m(t)を操作する。
【0100】
同時確率密度関数算出部104は、予測算出部107の予測によって算出された単独確率密度関数に基づき予測される同時確率密度関数を算出する。また、応答時間比算出部105は、予測算出部107の予測によって算出された単独確率密度関数に基づき予測される応答時間比を算出する。
【0101】
本実施の形態の応答時間比算出装置100によって、単独確率密度関数の時系列データから、未来の時刻における単独確率密度関数を予測して、予測した未来における応答時間比を算出することが可能である。
すなわち、時系列予測を行なうことで、将来のリソース使用に対する応答性能の劣化の推定を行なうことが出来ると言える。
また、傾向成分操作部108の操作により、将来予測されるリソース消費の上昇や下降を加味した予測を行うことが出来る。
【0102】
改めて、まとめると、実施の形態1〜3では、
同じ種別のハードウェアリソースである同一ハードウェアリソースを持つ計算機である複数の同一計算機200であって、互いに異なる単独のソフトウェア201を実行する複数の同一計算機200の各同一計算機200から、前記同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率であって、前記単独のソフトウェア201によるリソース使用率を示す複数の単独リソース使用率を、前記各同一計算機200が実行する前記単独のソフトウェア201毎に取得する単独リソース使用率取得部101と、
前記単独リソース使用率取得部101が前記単独のソフトウェア201毎に取得した前記複数の単独リソース使用率に基づき、任意の単独リソース使用率に対し、前記任意の単独リソース使用率の確率密度が定まる単独確率密度関数を前記単独のソフトウェア201毎に算出する単独確率密度関数算出部102と、
前記単独確率密度関数算出部102が算出した前記単独のソフトウェア201毎の前記単独確率密度関数に基づいて、前記同一ハードウェアリソースを持つ同一計算機200が前記複数の同一計算機200で実行されたそれぞれのソフトウェア201を複数同時に実行する場合の前記同一ハードウェアリソースの使用率である同時リソース使用率の任意の前記同時リソース使用率に対し、前記任意の同時リソース使用率の確率密度が定まる同時確率密度関数を算出する同時確率密度関数算出部104と
を備えることを特徴とするリソース使用率算出装置150について説明した。
【0103】
更に、実施の形態1〜3では、
前記単独リソース使用率取得部101は、
前記複数の同一計算機200のそれぞれから、それぞれの前記同一計算機200が前記単独ソフトウェアを実行する実行時間内における複数の時刻のそれぞれの時刻に対応付けられた前記複数の単独リソース使用率で構成される単独リソース使用率群を取得し、
前記単独確率密度関数算出部102は、
前記単独確率密度関数の算出対象とする複数の算出対象区間であって、それぞれの前記算出対象区間は、時間的に古い前記時刻から新しい前記時刻へと連続する所定の個数の前記時刻から構成され、かつ、構成要素となる前記時刻の内、最も過去の前記時刻を代表時刻として付与されていると共に、いずれも同じ個数の前記時刻から構成され、かつ、前記代表時刻を互いに異にする前記複数の算出対象区間を、前記同一計算機200毎の前記単独リソース使用率群それぞれに対して各代表時刻を同じくして設定し、設定した前記複数の算出対象区間のそれぞれが含む前記時刻のそれぞれに対応する前記単独リソース使用率に基づいて、前記複数の算出対象区間毎の前記単独確率密度関数を前記単独リソース使用群毎に算出し、
前記同時確率密度関数算出部104は、
前記単独確率密度関数算出部102が前記単独リソース使用群毎に算出したそれぞれの前記単独確率密度関数を用いて、前記複数の算出対象区間毎に前記同時確率密度関数を算出することを特徴とするリソース使用率算出装置150について説明した。
【0104】
更に、実施の形態1〜3では、
前記同時確率密度関数算出部104は、
前記単独確率密度関数算出部102が算出した前記単独のソフトウェア201ア毎の前記単独確率密度関数の内、所定の複数の前記単独確率密度関数に基づいて、前記同時確率密度関数を算出し、
前記リソース使用率算出装置150は、さらに、
前記単独確率密度関数算出部102が算出した前記単独のソフトウェア毎の前記単独確率密度関数の内、前記同時確率密度関数算出部104が前記同時確率密度関数の算出の基とする前記所定の複数の単独確率密度関数を指定する指定部103を
備えることを特徴とするリソース使用率算出装置150について説明した。
【0105】
更に、実施の形態2では、
分離可能リソース使用率であって、前記同一ハードウェアリソースを備える前記同一計算機200が前記ソフトウェア201を複数同時に実行する場合の、前記同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率であり、前記ソフトウェア201毎に前記同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率が区別され、分離可能な前記分離可能リソース使用率を、前記ソフトウェア201を複数同時に実行する前記同一計算機200から取得し、取得した前記分離可能リソース使用率を、前記ソフトウェア201毎に対応した複数の前記単独リソース使用率として分離する分離部106を
備えることを特徴とするリソース使用率算出装置150について説明した。
【0106】
更に、実施の形態3では、
前記単独確率密度関数算出部102が前記単独確率密度関数の算出対象とする前記複数の算出対象区間にそれぞれ付与される複数の代表時刻よりも未来の所定の時刻である未来時刻であって、前記未来時刻を前記代表時刻とする前記算出対象区間における前記単独確率密度関数を、前記単独確率密度関数算出部102が算出する前記複数の算出対象区間毎の前記単独確率密度関数に基づいて、予測して算出する予測算出部107を
備えることを特徴とするリソース使用率算出装置150について説明した。
【0107】
更に、実施の形態1〜3では、
前記互いに異なるソフトウェア201を複数同時に実行する前記同一計算機200が、前記互いに異なるソフトウェアの内、単独の所定のソフトウェア201の処理に要する応答時間と、前記所定のソフトウェア201を単独で実行する前記同一計算機200が前記所定のソフトウェアの処理に要する応答時間との応答時間比が、任意のリソース使用率に対して定まる応答時間比関数を用いて、前記リソース使用率算出装置150が算出した前記同時確立密度関数における前記同時リソース使用率を前記応答時間比に変換して、前記任意の応答時間比に対し、前記任意の応答時間比の確率密度が定まる応答時間比確立密度関数を算出する応答時間比算出部105を
備えることを特徴とする応答時間比算出装置100について説明した。
【0108】
更に、実施の形態1〜3では、
前記応答時間比算出部105は、
前記複数の算出対象区間毎の前記同時確立密度関数における前記同時リソース使用率を前記応答時間比に変換して、前記複数の算出対象区間毎の前記応答時間比確立密度関数を算出することを特徴とする応答時間比算出装置100について説明した。
【0109】
更に、実施の形態2では、
前記応答時間比算出部105は、
前記応答時間比関数を用いて、前記分離可能リソース使用率を前記応答時間比に変換し、変換した前記応答時間比の逆数である補正比を算出し、算出した補正比を用いて、補正された前記応答時間比を算出することを特徴とする応答時間比算出装置100について説明した。
【0110】
更に、実施の形態1〜3では、
前記応答時間比算出部105は、
待ち行列理論に基づく前記応答時間比関数を用いることを特徴とする応答時間比算出装置100について説明した。
【0111】
更にまとめると、
実施の形態1〜3では、
それぞれ独立して動作していたソフトウェア201(アプリケーション・システム)を集約したときの応答性能の劣化の割合を、消費リソースの総量からリソース確保の待ち行列による時間的劣化を算出することで求めることを特長とした応答時間比算出装置100(応答性能変動推定装置)について説明した。
更に、実施の形態1〜3では、
それぞれ独立して動作していたソフトウェア201(アプリケーション・システム)を集約したときの応答性能の劣化の割合を、それぞれのソフトウェア201(アプリケーション・システム)のリソース消費記録に対し移動平均、移動分散を求めることで事象の同時発生の尤度を確保し、確率的な合成から消費リソースの総量を導出し、リソース確保の待ち行列による時間的劣化を算出することで求めることを特長とした応答時間比算出装置100(応答性能変動推定装置)について説明した。
更に、実施の形態2では、
一つの同一計算機200(計算機)上で混在して動作していたソフトウェア201(アプリケーション・システム)に対し、リソース確保の待ち行列による時間的劣化から単体での動作時の応答性能との比率を導出し、異なる同一計算機200(計算機)上の配置を行った場合の応答性能の劣化の割合を、算出することを特長とした応答時間比算出装置100(応答性能変動推定装置)について説明した。
更に、実施の形態3では、
ソフトウェア201(アプリケーション・システム)を集約したときの応答性能の劣化の割合を、それぞれのソフトウェア201(アプリケーション・システム)のリソース消費記録に対し移動平均、移動分散を求めることで事象の同時発生の尤度を確保し、時系列推定により将来のリソース消費量も加味して、相互の確率的な合成から消費リソースの総量を導出し、リソース確保の待ち行列による時間的劣化を算出することで求めることを特長とした応答時間比算出装置100(応答性能変動推定装置)について説明した。
【0112】
なお、既に、説明したように、本実施の形態1に示す応答時間比算出装置100は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、磁気ディスク等、入力装置たるキーボード、マウス、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード等を備えるコンピュータである。
そして、上記したように「〜部」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。
【符号の説明】
【0113】
100 応答時間比算出装置、101 単独リソース使用率取得部、102 単独確率密度関数算出部、103 指定部、104 同時確率密度関数算出部、105 応答時間比算出部、106 分離部、107 予測算出部、108 傾向成分操作部、110 算出結果出力部、150 リソース使用率算出装置、200 同一計算機、201 ソフトウェア、202 ログ記憶装置、203 端末計算機、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 コンパクトディスク装置、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、910 システムユニット、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 オペレーティングシステム、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 ファクシミリ機、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 ローカルエリアネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ種別のハードウェアリソースである同一ハードウェアリソースを持つ計算機である複数の同一計算機であって、互いに異なる単独のソフトウェアを実行する複数の同一計算機の各同一計算機から、前記同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率であって、前記単独のソフトウェアによるリソース使用率を示す複数の単独リソース使用率を、前記各同一計算機が実行する前記単独のソフトウェア毎に取得する単独リソース使用率取得部と、
前記単独リソース使用率取得部が前記単独のソフトウェア毎に取得した前記複数の単独リソース使用率に基づき、任意の単独リソース使用率に対し、前記任意の単独リソース使用率の確率密度が定まる単独確率密度関数を前記単独のソフトウェア毎に算出する単独確率密度関数算出部と、
前記単独確率密度関数算出部が算出した前記単独のソフトウェア毎の前記単独確率密度関数に基づいて、前記同一ハードウェアリソースを持つ同一計算機が前記複数の同一計算機で実行されたそれぞれのソフトウェアを複数同時に実行する場合の前記同一ハードウェアリソースの使用率である同時リソース使用率の任意の前記同時リソース使用率に対し、前記任意の同時リソース使用率の確率密度が定まる同時確率密度関数を算出する同時確率密度関数算出部と
を備えることを特徴とするリソース使用率算出装置。
【請求項2】
前記単独リソース使用率取得部は、
前記複数の同一計算機のそれぞれから、それぞれの前記同一計算機が前記単独ソフトウェアを実行する実行時間内における複数の時刻のそれぞれの時刻に対応付けられた前記複数の単独リソース使用率で構成される単独リソース使用率群を取得し、
前記単独確率密度関数算出部は、
前記単独確率密度関数の算出対象とする複数の算出対象区間であって、それぞれの前記算出対象区間は、時間的に古い前記時刻から新しい前記時刻へと連続する所定の個数の前記時刻から構成され、かつ、構成要素となる前記時刻の内、最も過去の前記時刻を代表時刻として付与されていると共に、いずれも同じ個数の前記時刻から構成され、かつ、前記代表時刻を互いに異にする前記複数の算出対象区間を、前記同一計算機毎の前記単独リソース使用率群それぞれに対して各代表時刻を同じくして設定し、設定した前記複数の算出対象区間のそれぞれが含む前記時刻のそれぞれに対応する前記単独リソース使用率に基づいて、前記複数の算出対象区間毎の前記単独確率密度関数を前記単独リソース使用群毎に算出し、
前記同時確率密度関数算出部は、
前記単独確率密度関数算出部が前記単独リソース使用群毎に算出したそれぞれの前記単独確率密度関数を用いて、前記複数の算出対象区間毎に前記同時確率密度関数を算出することを特徴とする請求項1記載のリソース使用率算出装置。
【請求項3】
前記同時確率密度関数算出部は、
前記単独確率密度関数算出部が算出した前記単独のソフトウェア毎の前記単独確率密度関数の内、所定の複数の前記単独確率密度関数に基づいて、前記同時確率密度関数を算出し、
前記リソース使用率算出装置は、さらに、
前記単独確率密度関数算出部が算出した前記単独のソフトウェア毎の前記単独確率密度関数の内、前記同時確率密度関数算出部が前記同時確率密度関数の算出の基とする前記所定の複数の単独確率密度関数を指定する指定部を
備えることを特徴とする請求項1又は2記載のリソース使用率算出装置。
【請求項4】
前記リソース使用率算出装置は、さらに、
分離可能リソース使用率であって、前記同一ハードウェアリソースを備える前記同一計算機が前記ソフトウェアを複数同時に実行する場合の、前記同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率であり、前記ソフトウェア毎に前記同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率が区別され、分離可能な前記分離可能リソース使用率を、前記ソフトウェアを複数同時に実行する前記同一計算機から取得し、取得した前記分離可能リソース使用率を、前記ソフトウェア毎に対応した複数の前記単独リソース使用率として分離する分離部を
備えることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のリソース使用率算出装置。
【請求項5】
前記リソース使用率算出装置は、さらに、
前記単独確率密度関数算出部が前記単独確率密度関数の算出対象とする前記複数の算出対象区間にそれぞれ付与される複数の代表時刻よりも未来の所定の時刻である未来時刻であって、前記未来時刻を前記代表時刻とする前記算出対象区間における前記単独確率密度関数を、前記単独確率密度関数算出部が算出する前記複数の算出対象区間毎の前記単独確率密度関数に基づいて、予測して算出する予測算出部を
備えることを特徴とする請求項2〜4いずれか記載のリソース使用率算出装置。
【請求項6】
前記互いに異なるソフトウェアを複数同時に実行する前記同一計算機が、前記互いに異なるソフトウェアの内、単独の所定のソフトウェアの処理に要する応答時間と、前記所定のソフトウェアを単独で実行する前記同一計算機が前記所定のソフトウェアの処理に要する応答時間との応答時間比が、任意のリソース使用率に対して定まる応答時間比関数を用いて、請求項1〜5いずれか記載の前記リソース使用率算出装置が算出した前記同時確立密度関数における前記同時リソース使用率を前記応答時間比に変換して、前記任意の応答時間比に対し、前記任意の応答時間比の確率密度が定まる応答時間比確立密度関数を算出する応答時間比算出部を
備えることを特徴とする応答時間比算出装置。
【請求項7】
前記応答時間比算出部は、
前記複数の算出対象区間毎の前記同時確立密度関数における前記同時リソース使用率を前記応答時間比に変換して、前記複数の算出対象区間毎の前記応答時間比確立密度関数を算出することを特徴とする請求項6記載の応答時間比算出装置。
【請求項8】
前記応答時間比算出部は、
前記応答時間比関数を用いて、前記分離可能リソース使用率を前記応答時間比に変換し、変換した前記応答時間比の逆数である補正比を算出し、算出した補正比を用いて、補正された前記応答時間比を算出することを特徴とする請求項6記載の応答時間比算出装置。
【請求項9】
前記応答時間比算出部は、
待ち行列理論に基づく前記応答時間比関数を用いることを特徴とする請求項6〜8いずれか記載の応答時間比算出装置。
【請求項10】
単独リソース使用率取得部が、同じ種別のハードウェアリソースである同一ハードウェアリソースを持つ計算機である複数の同一計算機であって、互いに異なる単独のソフトウェアを実行する複数の同一計算機の各同一計算機から、前記同一ハードウェアリソースを対象とするリソース使用率であって、前記単独のソフトウェアによるリソース使用率を示す複数の単独リソース使用率を、前記各計算機が実行する前記単独のソフトウェア毎に取得する単独リソース使用率取得ステップと、
単独確率密度関数算出部が、前記単独リソース使用率取得部が前記単独のソフトウェア毎に取得した前記複数の単独リソース使用率に基づき、任意の単独リソース使用率に対し、前記任意の単独リソース使用率の確率密度が定まる単独確率密度関数を前記単独のソフトウェア毎に算出する単独確率密度関数算出ステップと、
同時確率密度関数算出部が、前記単独確率密度関数算出部が算出した前記単独のソフトウェア毎の前記単独確率密度関数に基づいて、前記同一ハードウェアリソースを持つ計算機が前記複数の同一計算機で実行されたそれぞれのソフトウェアを複数同時に実行する場合の前記同一ハードウェアリソースの使用率である同時リソース使用率の任意の前記同時リソース使用率に対し、前記任意の同時リソース使用率の確率密度が定まる同時確率密度関数を算出する同時確率密度関数算出ステップと
を備えることを特徴とするリソース使用率算出方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1〜5いずれか記載のリソース使用率算出装置として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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