説明

リチウムイオン電池のための新たなケイ素を基礎とする電極調合物、及び該調合物を得るための方法

カルボキシメチルセルロース(CMC)バインダー材料、及びSiO2又はケイ素亜酸化物SiOx(0<x≦2)が提供され、該ケイ素粉末の酸素含有率が、3〜18質量%であるケイ素粉末を含有する電極組成物が提供される集電装置を含む、充電式Liイオン電池のための電極アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池のための新たな電極調合物に関する。今日、リチウムイオン電池は、携帯電子デバイスにおいて広く使用されている。他の充電式セル、例えばニッケル−カドミウム及びニッケル金属水酸化物と比較して、Liイオンセルは、より高いエネルギー密度、より高い操作電圧、より低い自己放電、及びより低い整備要目を有する。これらの特性は、Liイオンセルを最も高い実行が可能な二次電池にする。
【0002】
世界中のエネルギー需要の増加は、リチウムイオン電池界に、高いエネルギー密度を有する新たな世代の電極材料を探求させる。アプローチの1つは、従来のカーボングラファイト陰極材料を例えばケイ素(Si)、スズ(Sn)及び/又はアルミニウム(Al)を基礎とした金属又は金属合金によって置き換えることである。これらの材料は、グラファイトよりも非常に高い比容量及び容積を提供することができる。
【0003】
Liイオン電池の電極は、通常、標準の調合物及び慣例の加工条件で製造される。多くの研究が、調合物、形態学及び加工ルーチンの、複合電極の電気化学的性能に対する影響を報告している。しかしながら、複合電極の調合物及び加工は、実験パラメータ及び技術パラメータ、例えば材料の物理的及び化学的特徴、材料源の混合順序、時間、温度、電極の厚さ等によって強く影響を受ける。前記パラメータは、複合電極の安定性及びその電気化学的性能を高めるために最適化されるべきである。
【0004】
種々のポリマーは、陰/陽複合電極のためのバインダーの添加剤として、及びリチウムイオン電池のための電解液ホストとして研究されている。最も研究されているポリマーの1つは、ポリ−(酸化エチレン)である。しかしながら、このポリマーは、いくつかの制限、例えばその比較的高い操作温度(−80℃)及びその電気化学な不安定性(Li+/Liに対して約4V)を有する。
【0005】
従って、高い電気化学安定性を有するポリマー、例えばPTEF、PVdF及びPVdF−HFPコポリマーは、リチウムイオン電池における複合電極のためのバインダーとして広く適用されている。注目すべき改良は、PLIon(登録商標)技術におけるPVdF−HFPコポリマーの使用からもたらされる。このコポリマーは、液体電解液の高い吸収量を可能にし、かつ良好な機械選択性を提供する、非晶質ドメイン及び結晶質ドメインの良好な分布を有する。しかしながら、乏しい化学特性(結合作用)、環境問題、及び新たな陰極材料での安全面によって、前記バインダーは、新たなバインダーのタイプ、例えばシリカ、ゼラチン、ポリ−(アクリロニトリル−メチルメタクリレート)(PAMMA)、ポリ−(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリピロール、芳香族ポリアミド、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びスチレンブタジエンゴム(SBR)によって置き換えられる。安全、費用及び環境問題が日常的に生じるために、有機溶剤を使用する有機的方法からの切り換えが義務となる。近年、多くの試みが、非水性から水性方法へ切り換えられている。
【0006】
Siを基礎とした陰極材料は、市販のリチウムイオン電池のエネルギー密度を著しく高めることができた。ケイ素は、次の反応:15Li+4Si→Li15Si4に対応する最も大きい理論的重量容量(3579mAh/g)、及び大きい体積容量(2200mAh/cm3)を有する。残念なことに、それは、乏しい容量保持力を呈する。この乏しいサイクル寿命は、粒子粉砕として、サイクリングにわたる巨大な体積膨張(+310%)にもより、非接触になる。いくつかの研究は、Siを基礎とした電極の容量フェージングを低減するために行われている。それにもかかわらず、バインダーは、Siを基礎とした電極の容量保持力の安定化における重要な役割を果たすことが見出されている。Chen et al. (Z. Chen, L. Christensen, and J.R. Dahn; Journal of Electrochemical Society; (150) 1073, 2003において)は、Siを基礎とした電極のサイクリング安定性が、弾性バインダー材料の使用から得られてよいことを示唆している。エラストマーバインダーは、一般にPVdFよりも高い弾性モジュールを有する。これは、複合電極を、より容易に膨張及び収縮し、かつ粒子間に作用する力を低減することを可能にする。Li et al. (J. Li, R.B. Lewis, and J.R. Dahn; Electrochemical Solid State Letters; (10); 17 (2007)において)は、バインダーとしてNa−CMCを使用したSiを基礎とした電極が、良好なサイクリング性能を示すが、しかしNa−CMCが弾性ではなく、かつ低い伸長を有し破壊することを示している。
【0007】
本発明の目的は、リチウムイオン電池において使用される電極組成物の性能をさらに改良することである。
【0008】
第一の観点から、本発明は、カルボキシメチルセルロース(CMC)バインダー材料、及びSiO2又は亜酸化ケイ素SiOx(その際0<x≦2である)の層で提供されるケイ素粉末を含有する電極組成物で提供される集電装置を含む電極アセンブリを提供することができ、その際前記ケイ素の酸素含有率は3〜18質量%である。一実施態様において、電極組成物は、0.01〜1.0Vのサイクルである場合に、2600mAh/g(ケイ素)より大きい容量を有することができる。他の実施態様において、この容量は、5回目の充電で達せられうる。
【0009】
さらなる実施態様において、ケイ素粉末の酸素含有率は、1≦x≦2に関して3〜10質量%であってよい。一実施態様において、電極組成物は、0.01〜1.0Vのサイクルである場合に、3300mAh/g(ケイ素)より大きい容量を有することができる。他の実施態様において、この容量は、5回目の充電で達せられる。さらなる実施態様において、本発明は、520mAh/gより大きい容量を有する電極組成物を提供することができる。一実施態様において、電極組成物は、660mAh/gより大きい容量を有する。
【0010】
他の実施態様において、ケイ素粉末は、0.01〜1μmの平均粒子サイズを有することができる。ここで、平均粒子サイズ(dav)は、次の式
【数1】

[式中、ρは粉末の理論的密度を言い、かつBETはBrunauer−Emmett−TellerのN2吸収方法によって測定されたような比表面積(m2/g)を言う]に従って、同サイズの球状粒子であることを前提として、比表面積から算出された平均球状粒子サイズとして定義される。1mより大きい粒子は、Liイオン拡散が非常に遅く、かつそれらの粒子の体積膨張が非常に大きいことから、好ましくない。10nmより小さい粒子に関して、比表面積及び従って電極との反応性は、非常に高く、早い電解液分解を生じる。
【0011】
一実施態様において、電極は、さらに、バインダー材料としてスチレンブタジエンゴムを含有する。他の実施態様において、電極組成物は、ケイ素又はケイ素合金20〜80質量%、バインダー材料5〜40質量%からなり、その際残りは炭素からなる化合物である。これは、充電/放電中に電極粒子間の電気的接触を維持すること、及び過剰な膨張を避けることができる。さらなる実施態様において、電極組成物は、ケイ素又はケイ素合金20〜60質量%、バインダー材料20〜40質量%、及び炭素からなる化合物少なくとも3質量%からなる。一実施態様において、炭素化合物は、アセチレンブラック粉末からなる。他の実施態様において、電極は、ケイ素50質量%、バインダー材料25質量%、及びアセチレンブラック粉末25質量%からなる。その完全な理論的容量に対するケイ素の連続した極度のサイクリングを避けるために、リチウムに対する陰極の電圧は、例えば70mVまで制限されうる。これを補うために、電極におけるケイ素含有率を増加することができ、かつ/又はケイ素に関する酸素含有率を低くすることができる。
【0012】
第二の観点から、本発明は、以下の工程
− CMC塩を水中で溶解してバインダー材料の水溶液を得る工程、かつ
− ケイ素粉末を最初にCMC溶液に、そしてさらに炭素化合物に添加する工程、又は
− 炭素化合物を最初にCMC溶液に、そしてさらにケイ素粉末に添加する工程
を含む、前記の電極アセンブリを製造するための方法も提供しうる。双方の場合において、スラリーが得られる。前記工程は、その後
− 該スラリーを集電装置、例えば銅箔上に塗布し、そして
− 該スラリーを含む電極アセンブリを125〜175℃の温度で硬化する。
【0013】
双方の代わりの製造方法において、ケイ素及び/又は炭素は、共に一工程で混合した場合よりも良好に塗布される。双方の代わりの製造方法における一実施態様において、バインダー材料の水溶液は、ケイ素粉末又は炭素化合物の分散前に、撹拌下で少なくとも5時間エージングされうる。溶液をエージングすることは、CMC塩の溶解を完全にするための実施工程である。
【0014】
一実施態様において、バインダーは、Na−CMCであり、かつバインダー材料の水溶液は、Na−CMCの2〜10質量%の濃度を有する。他の実施態様において、該濃度は2〜4質量%である。
【0015】
いくつかの適用において、より高い又は制御された酸素含有率は、ケイ素粒子を、電池における構成材料、例えば電極との副反応から遮蔽又は保護することに関心がある。ケイ素ナノ粒子の酸素含有率を増加するための可能な方法は、化学的エージング、水性媒体中での酸化等を含む。制御方法におけるケイ素粒子の酸素含有率を変動するための方法の一例は、CMC塩の溶液のpH値を適応することにより、及び溶液のエージング後の一実施態様における。これは、電極アセンブリを硬化する場合に、高温で除去されうる酸、例えばギ酸を添加することによって行うことができる。3〜18質量%の酸素含有率を得るために、懸濁液のpHを、pH3〜pH8に調整することができる。
【0016】
電極アセンブリを製造するため方法の他の例は、次の工程:
− CMC塩を水中で溶解して、バインダー材料の水溶液を得る工程、
− ケイ素粉末をpH3〜8を有する水溶液中で溶解して、ケイ素懸濁液を得る工程、
− 該水性バインダー溶液と該ケイ素懸濁液とを混合して、水性CMC−ケイ素懸濁液を得る工程、
− 炭素化合物を該CMC−ケイ素懸濁液中で分散し、それによってスラリーを得る工程、
− 該スラリーを集電装置、例えば銅箔上に塗布する工程、そして
− 該スラリーを含有する電極アセンブリを125〜175℃の温度で硬化する工程
を含む。
【0017】
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。表1は、種々の実施例において使用されたケイ素を基礎とする粉末をまとめたものである。
【0018】
実施例1
Na−CMC溶液を、2質量%のNa−CMCの含有率で製造し、そして12時間撹拌下でエージングする。水を基礎とする懸濁液も、pH8で製造し、そして比表面積20m2/g及び酸素含有率3質量%を有するナノケイ素粉末を添加する。この懸濁液を、15分間、Fritch Pulverisette 6(Fritsch Germany)を使用してボールミル粉砕する。この方法において、酸素レベルを測定し、3質量%に匹敵する。
【0019】
続いて、ペースト又はスラリーを、最初にケイ素懸濁液をNa−CMC溶液に添加することによって製造し、その後アセチレンブラックを得られた混合物に添加する。50/25/25のケイ素/CMC/アセチレンブラック比を有する最終的なペーストを、30分間最終的にボールミル粉砕する。20〜30μmの厚さを有する被覆を、銅箔上にドクターブレードコーティングによって堆積させる。続いて、電極を、真空炉中で150℃で3時間硬化する。最終的に、コイン型の電池を、対電極としてLi箔を使用してグローブボックス中に製造する。
【0020】
電池の試験を、C/20(Cは3572mAh/gの容量として定義される)で0.01〜1.0Vの条件下で電極上で実施する。これは、5回目の充電で3370mAh/g(ケイ素粉末)の容量を生じる(表1を参照)。この値は、3つのコイン電池の平均である。
【0021】
実施例2〜5
種々の水を基礎とした懸濁液を、pHをギ酸(HCOOH)(メルク指数≧90%)を添加することによって3.0〜5.0に調整する方法で適応して製造する。それぞれの懸濁液中に、比表面積20m2/g及び酸素含有率3質量%を有するナノケイ素粉末を添加する。4つの異なる懸濁液を、pHを3、3.5、4.5及び5にして製造する。これらの懸濁液を、15分間、Fritch Pulverisetteを使用してボールミル粉砕する。ケイ素粉末の酸素レベルは、pH5で8質量%から、pH3で18質量%まで変動する。
【0022】
ペーストを、Na−CMC及びアセチレンブラックを実施例1において記載されているように製造したケイ素の懸濁液に添加することによって前記の異なるpHで製造する。50/25/25のケイ素/CMC/アセチレンブラック比を有する最終的なペーストを、30分間ボールミル粉砕する。20〜30μmの厚さを有する被覆を、銅箔上にドクターブレードコーティングによって堆積させる。続いて、電極を、真空炉中で150℃で3時間乾燥する。最終的に、コイン型の電池を、対電極としてLi箔を使用してグローブボックス中に製造する。
【0023】
電池の試験を、実施例1における説明と同様の条件下で実施する。表1は、5回目の充電で得られた容量の概要を提供する。これらの値は、3つのコイン電池の平均である。表1は、3120mAh/g〜3550mAh/gの高い容量値が、pH3〜pH5で得られることを示している。
【0024】
実施例6
水を基礎とした懸濁液を、アセチレンブラックを、pH8を有するエージングした水を基礎としたNa−CMC溶液に添加することによって製造する。この懸濁液を、15分間Fritch Pulverisette 6を使用してボールミル粉砕する。この方法において、酸素レベルを測定し、3質量%に等しい。
【0025】
続いて、ペーストをケイ素粉末をアセチレンブラックに添加することによって製造する(Na−CMC懸濁液)。50/25/25のケイ素/CMC/アセチレンブラック比を有する最終的なペーストを、30分間最終的にボールミル粉砕する。20〜30μmの厚さを有する被覆を、銅箔上にドクターブレードコーティングによって堆積させる。続いて、電極を、真空炉中で150℃で3時間乾燥する。最終的に、コイン型の電池を、対電極としてLi箔を使用してグローブボックス中に製造する。
【0026】
電池の試験を、C/20(Cは3572mAh/gの容量として定義される)で0.01〜1.0Vの条件下で電極上で実施する。これは、実施例1において得られた値よりも明らかに高い5回目の充電での容量をもたらした。
【0027】
比較例7
ケイ素懸濁液を、23質量%の酸素レベルをもたらす、pH2.5で製造する。ペースト及びコイン電池を製造し、そして電池試験を実施例1における記載と同様の方法で実施する。5回目の充電で得られた容量は2600mAh/gに等しい。容量レベルは、低い酸素含有率のために非常に低く、この低い容量は不的確である。
【0028】
比較例8
水を基礎とした懸濁液を、ケイ素粉末及びアセチレンブラックを一工程で、水を基礎としたNa−CMC溶液中にpH8で添加することによって製造する。50/25/25のケイ素/CMC/アセチレンブラック比を有する最終的なペーストを、30分間最終的にボールミル粉砕する。20〜30μmの厚さを有する被覆を、銅箔上にドクターブレードコーティングによって堆積させる。続いて、電極を、真空炉中で150℃で3時間乾燥する。最終的に、コイン型の電池を、対電極としてLi箔を使用してグローブボックス中に製造する。
【0029】
電池の試験を、C/20(Cは3572mAh/gの容量として定義される)で0.01〜1.0Vの条件下で電極上で実施する。これは、実施例1において得られた容量の86%よりも低い、5回目の充電での低い容量をもたらした。
【表1】

【0030】
前記実施例は、本発明において、1つの形で本発明の好ましい実施態様を説明し、かかる実施例は、あらゆる方法で本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素粉末及びカルボキシメチルセルロース(CMC)バインダー材料を含有する電極組成物で提供される集電装置を含む、充電式Liイオン電池のための電極アセンブリであって、該ケイ素粉末は、SiOx層(0<x≦2)で提供され、該ケイ素粉末の酸素含有率が、3〜18質量%である、充電式Liイオン電池のための電極アセンブリ。
【請求項2】
前記電極組成物が、0.01〜1.0Vのサイクルの場合に、2600mAh/gより多い容量を有する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記容量に5回目の充電で達する、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
1≦x≦2であり、該ケイ素粉末の酸素含有率が3〜10質量%である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記電極組成物が、0.01〜1.0Vのサイクルの場合に、3300mAh/gより多い容量を有する、請求項4に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記容量に5回目の充電で達する、請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記電極組成物が、520mAh/g(電極)より多い容量を有する、請求項2から6までのいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記電極組成物が、660mAh/g(電極)より多い容量を有する、請求項5から7までのいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記ケイ素粉末が、平均粒子サイズ0.01〜1μmを有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記電極組成物が、さらにバインダー材料としてスチレンブタジエンゴムを含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記電極組成物が、ケイ素20〜80質量%、バインダー材料5〜40質量%からなり、残りは、炭素からなる化合物である、請求項1から10までのいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記電極組成物が、ケイ素20〜60質量%、バインダー材料20〜40質量%、及び炭素からなる化合物少なくとも3質量%からなる、請求項11に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記炭素化合物が、アセチレンブラック粉末からなる、請求項11又は12に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
前記電極組成物が、ケイ素50質量%、バインダー材料25質量%、及びアセチレンブラック粉末25質量%からなる、請求項13に記載の電極アセンブリ。
【請求項15】
以下、
− CMC塩を水中で溶解して、バインダー材料の水溶液を得る工程、
− 前記炭素化合物を該水溶液中で分散する工程、そしてその後、
− 前記ケイ素粉末を該水溶液中で分散して、それによってスラリーを得る工程、
− 該スラリーを集電装置、例えば銅箔上に塗布する工程、そして
− 該スラリーを有する電極アセンブリを125〜175℃の温度で硬化する工程
を含む、請求項11から14までのいずれか1項に記載の充電式Liイオン電池のための電極アセンブリの製造方法。
【請求項16】
以下、
− CMC塩を水中で溶解して、バインダー材料の水溶液を得る工程、
− 前記ケイ素粉末を該水溶液中で分散する工程、そしてその後、
− 前記炭素化合物を該水溶液中で分散して、それによってスラリーを得る工程、
− 該スラリーを集電装置、例えば銅箔上に塗布する工程、そして
− 該スラリーを有する電極アセンブリを125〜175℃の温度で硬化する工程
を含む、請求項11から14までのいずれか1項に記載の充電式Liイオン電池のための電極アセンブリの製造方法。
【請求項17】
以下、
− CMC塩を水中で溶解して、バインダー材料の水溶液を得る工程、
− 前記ケイ素粉末をpH3〜8を有する水溶液中で溶解して、ケイ素懸濁液を得る工程、
− 該水性バインダー溶液と該ケイ素懸濁液を混合して、水性CMC−ケイ素懸濁液を得る工程、
− 前記炭素化合物を該CMC−ケイ素懸濁液中で分散し、それによってスラリーを得る工程、
− 該スラリーを集電装置、例えば銅箔上に塗布する工程、そして
− 該スラリーを含有する電極アセンブリを125〜175℃の温度で硬化する工程
を含む、請求項11から14までのいずれか1項に記載の充電式Liイオン電池のための電極アセンブリの製造方法。
【請求項18】
前記バインダー材料の水溶液を、前記ケイ素粉末又は炭素化合物を前記水性バインダー溶液中で分散する前に、少なくとも5時間撹拌下でエージングする、請求項15又は16に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項19】
前記エージング後に、前記ケイ素粉末又は炭素化合物を前記水性バインダー溶液中で分散する前に、バインダー材料の水溶液のpHを3〜8の値に調整する、請求項18に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項20】
前記pHの調整を、ギ酸の添加によって得る、請求項19に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項21】
前記CMC塩がNa−CMCであり、前記バインダー材料の水溶液が、Na−CMCの2〜10質量%の濃度を有する、請求項15から20までのいずれか1項に記載の電極アセンブリの製造方法。

【公表番号】特表2013−505547(P2013−505547A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530157(P2012−530157)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005748
【国際公開番号】WO2011/035876
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(509126003)ユミコア ソシエテ アノニム (23)
【氏名又は名称原語表記】Umicore S.A.
【住所又は居所原語表記】Rue du Marais 31, B−1000 Brussels, Belgium
【Fターム(参考)】