説明

リチウム資源の回収方法と装置、その回収リチウム資源から製造したリチウムセラミックス材料

【課題】核融合ブランケットトリチウム増殖材のリチウムセラミックスの稀少で高価なリチウム資源のリサイクルを図るための方法と装置、さらに回収リチウム資源により成形したリチウムセラミックス材料を提供する。
【解決手段】使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解し、その中の不純物を除去し、セラミックス成分元素を添加して成分調整した後、ゾルゲル法あるいは溶融液滴凝固法でリチウムセラミックス微小球を製造することによって、再利用可能な核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核融合の燃料であるトリチウムの増殖材として核融合ブランケットに使われるリチウムセラミックスあるいはリチウム電池などで使われているリチウム資源のリサイクルに関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料に依存しないエネルギー源としての核融合技術は、現在実用化向けた開発が国際的に進められている。核融合エネルギーを取出すためには、核融合反応を起すために重水素や三重水素(トリチウム)などの水素同位体を原料としてプラズマ状態を作る必要がある。この核融合反応により発生する熱エネルギーを熱交換器や蒸気発生器などで取出す目的、さらにその燃料となるトリチウムをリチウム同位体6Li(リチウム6)の式1の核反応によって得る目的、これら2つの理由により核融合プラズマの周囲(核融合ブランケット)にリチウム化合物を配する。
式1 6Li + n(中性子)→トリチウム(3H)+ 4He + 4.8 MeV
【0003】
核融合ブランケットに装荷されるトリチウム増殖材料としては、天然同位体比の下記参考データ1よりも6Liを濃縮したリチウム化合物を用いる。核融合ブランケットに装荷されるリチウム化合物(一般に酸化物セラミックス)としては、酸化リチウム(Li2O), チタン酸リチウム(Li2TiO3), 酸化物(CaO)添加チタン酸リチウム(CaO doped Li2TiO3), チタン酸シリケート(Li4SiO4), アルミン酸リチウム(LiAlO2), ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などが主なものである。
参考データ1:天然同位体比;6Li 7.59%, 7Li 92.41%
【0004】
核融合ブランケットに装荷するリチウム化合物としては、希少で高価な6Liを濃縮し含有する前記0003欄に示すリチウムセラミックスを微小球に加工したものを用いるため、資源の有効利用及び低コスト化の観点から、核融合炉で使用済みのリチウムセラミックス微小球をリサイクルして、リチウム資源を回収しリチウムセラミックス微小球を再製造できる製造方法を開発することは大きな意義がある。リチウム資源のリサイクル法としてこれまで検討された方式としては、リチウムセラミックス微小球を溶解し、その溶液中のリチウム資源を炭酸塩沈殿法で回収する方法(間接湿式法)があった。
【非特許文献1】Kunihiko Tsuchiya, Hiroshi Kawamura, Katsuhiro Fuchinoue, Hiroshi Sawada, Kazutoshi Watarumi, “Fabrication development and preliminary characterization of Li2TiO3 pebbles by wet process”, Journal of Nuclear Materials 258-263 (1998) 1985-1990.
【非特許文献2】Kunihiko Tsuchiya, Hiroshi Kawamura, “Development of wet process with substitution reaction for the mass production of Li2TiO3 pebbles”, Journal of Nuclear Materials 283-287 (2000) 1380-1384.
【特許文献1】特開2006−21984
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の0004欄に示した従来の方法によれば、リチウムの炭酸塩の溶解度がやや高いためにリチウム資源を効率的に回収すること、リチウム資源回収のためのリチウムセラミックスの溶解液中の不純物元素や放射化不純物の除去が行われないためにリチウム資源の再利用が出来ない、しかもリチウムセラミックスの種類によっては必要となるリチウムセラミックス溶解液中の成分調整が行われていない、さらにリチウム資源リサイクルプロセスが複雑であるなどの課題があった。
【0006】
また、回収したリチウム資源を核融合ブランケット用リチウムセラミックス微小球に再度造粒する際、従来法はリチウムの回収形態が炭酸塩のため複雑な再造粒プロセスを必要とするなどの課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来法は、前記の課題を解決するために、第一発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材であるリチウムセラミックスのリチウム資源の再利用を図るため、その使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセス、そのリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製プロセス、その精製リチウム溶液中の化学成分を調整するプロセス、そのリチウム調整溶液からリチウムセラミックスを製造するプロセス、その製造されたリチウムセラミックスを核融合ブランケットトリチウム増殖材として使用するプロセス、以上の5つのプロセスから構成されることを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスのリチウム資源のリサイクル方法である。
【0008】
また、第二発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、該使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセスにおいて、水、酸、過酸化水素、クエン酸などの単独あるいは混合溶液を用いて該リチウムセラミックスを溶解することを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスの溶解方法である。この第二発明によるこのリチウム成分の選択的溶解処理により、次の工程となるリチウム溶解液中に含まれる不純物元素や放射化不純物の除去が可能となる。
【0009】
第三発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記第一発明及び第二発明による使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製するプロセスにおいて、キレート化剤としてヒドロキシキノキノールをモレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭などへ担持させたキレート化剤担持吸着剤を用いてリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製することを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスの溶解液中の放射化不純物の除去方法である。
【0010】
第四発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記第一発明〜第三発明による使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去してリチウム溶液を精製させ、さらにその後その精製リチウム溶液中の成分を調整する方法として、核融合反応に伴って減損したリチウム6(6Li)さらにTi, Ca, Si成分などを添加して、6Li/7Li比、Li/Ti比、Ca/Ti比、Li/Si比、Li/Al比、Li/Zr比などを調整する方法として、トリチウム生成核反応によって減損した6Li量を補うために高濃縮6Liを添加して7Liとの比を調整する、次にLi/Ti比はLi(6Li+7Li)量に対しTi化合物としてTiO2やTiCl3~4, Tiアルコキシドなどのチタン酸塩を添加する、同様にCa, Si, Al, Zrなどの場合は例えばCa(OH)2, CaO, SiO2, SiCl4, Al2O3, Al(OH)3, AlCl3, ZrO2, ZrCl3~4, あるいはCa, Si, Al, Zrのアルコキシド化合物などを添加してそれぞれのセラミックス成分元素の構成比を調整することを特徴とする核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックス製造のための成分調整方法である。
【0011】
なお、本発明のリチウム資源リサイクルにおいては、前記の式1に示した6Liが原料となる核融合反応に伴うリチウムセラミックスのトリチウム生成反応によって6Li成分が減損するため、これを補充する必要がある。そのため、第四発明の成分調整プロセスにおいて、同時に6Liを補充する。その際、6Li/7Li成分比を下記の参考データ2の如く制御することが必要となる。
参考データ2:核融合ブランケットに用いられる6Li濃縮度は一般に30%程度
【0012】
第五発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記第一発明〜第四発明による使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去してリチウム溶液を精製させ、さらにその後その精製リチウム溶液中の成分を調整しそのリチウム調整溶液からリチウムセラミックスを製造するプロセスとして、該精製リチウム溶液の成分を調整したリチウム調整溶液を用いて、ゾルゲル反応あるいは液滴凝固法などの造粒方法によってリチウムセラミックスを成形させることを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスの造粒方法である。
【0013】
第六発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記第二発明による使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセスにおいて、水、酸、過酸化水素、クエン酸などの単独あるいは混合溶液を用いて該リチウムセラミックスを溶解することを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスを溶解させる装置である。
【0014】
第七発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記第三発明による使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製するプロセスにおいて、キレート化剤としてヒドロキシキノキノールをモレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭などへ担持させたキレート化剤担持吸着剤を用いてリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製する方法として、それらキレート化剤担持吸着剤を粉末あるいは粒状でリチウム溶解液中に投ずる、あるいはそれらキレート化剤担持吸着剤の粒状体をカラムに充填してその中にリチウム溶液を通液することによって精製することを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックス中の放射化不純物除去装置である。
【0015】
第八発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記第四発明による使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去してリチウム溶液を精製させ、さらにその後その精製リチウム溶液中の成分を調整する方法として、核融合反応に伴って減損したリチウム6(6Li)さらにTi, Ca, Si成分などを添加して、6Li/7Li比、Li/Ti比、Ca/Ti比、Li/Si比、Li/Al比、Li/Zr比などを調整する方法として、トリチウム生成核反応によって減損した6Li量を補うために高濃縮6Liを添加して7Liとの比を調整する、次にLi/Ti比はLi(6Li+7Li)量に対しTi化合物としてTiO2やTiCl3~4, Tiアルコキシドなどのチタン酸塩を添加する、同様にCa, Si, Al, Zrなどの場合は例えばCa(OH)2, CaO, SiO2, SiCl4, Al2O3, Al(OH)3, AlCl3, ZrO2, ZrCl3~4, あるいはCa, Si, Al, Zrのアルコキシド化合物などを添加してそれぞれのセラミックス成分元素の構成比を調整することを特徴とする核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックス製造のための成分調整装置である。
【0016】
第九発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などの使用済み体をリサイクルするプロセスとして、前記第五発明による使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去してリチウム溶液を精製させ、さらにその後その精製リチウム溶液中の成分を調整しそのリチウム調整溶液からリチウムセラミックスを製造するプロセスとして、該精製リチウム溶液の成分を調整したリチウム調整溶液を用いて、ゾルゲル反応あるいは液滴凝固法などの造粒方法によってリチウムセラミックスを成形させることを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスの造粒装置である。
【0017】
第十発明は、核融合ブランケットトリチウム増殖材であるリチウムセラミックスのリチウム資源の再利用を図るため、その使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセス、そのリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製プロセス、その精製リチウム溶液中の化学成分を調整するプロセス、そのリチウム調整溶液からリチウムセラミックスを製造するプロセス、その製造されたリチウムセラミックスを核融合ブランケットトリチウム増殖材として使用するプロセス、以上の5つのプロセスから構成される前記第一発明〜第九発明による使用済み核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスのリサイクル方法と装置によって再生され成形されたことを特徴とする核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックス材料である。
【発明の効果】
【0018】
第一発明によれば、対象とするリチウムセラミックスとして対象となる酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)に含まれるリチウム資源を、まず選択的に溶解し回収し、次にリチウム溶解液中の不純物元素や放射化不純物を除去し、さらに該リチウムセラミックス構成元素成分を補充してから微小球を造粒する。このプロセスによって得られたリチウムセラミックス微小球を核融合ブランケットに装荷することによって、トリチウム増殖材として使用できる。以上の5つのプロセスによって、核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスの希少で高価なリチウム資源をリサイクルできる。
【0019】
また、第二発明ならびに第三発明によれば、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、ジルコン酸リチウム(Li2ZrO3)などの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、該使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセスにおいて、水、酸、過酸化水素、クエン酸などの単独あるいは混合溶液を用いて該リチウムセラミックスを溶解することによるリチウム成分の選択的溶解処理を行うことにより、次の工程のレート化剤としてヒドロキシキノキノールをモレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭などへ担持させたキレート化剤担持吸着剤を用いてリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製できる。以上から、核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスのリチウム資源リサイクルのための、リチウムセラミックスの溶解とその溶解液中の放射化不純物の除去が可能となる。
【0020】
第四発明ならびに第五発明によれば、核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスのリチウム資源リサイクルのための前記第二発明〜第三発明による使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去して精製したリチウム溶液中の成分を調整する方法として、核融合反応に伴って減損したリチウム6(6Li)さらにTi, Ca, Si成分などを添加して、6Li/7Li比、Li/Ti比、Ca/Ti比、Li/Si比、Li/Al比、Li/Zr比などを調整する方法として、トリチウム生成核反応によって減損した6Li量を補うために高濃縮6Liを添加して7Liとの比を調整する、次にLi/Ti比はLi(6Li+7Li)量に対しTi化合物としてTiO2やTiCl3~4, Tiアルコキシドなどのチタン酸塩を添加する、同様にCa, Si, Al, Zrなどの場合は例えばCa(OH)2, CaO, SiO2, SiCl4, Al2O3, Al(OH)3, AlCl3, ZrO2, ZrCl3~4, あるいはCa, Si, Al, Zrのアルコキシド化合物などを添加してそれぞれのセラミックス成分元素の構成比を調整する。さらにその精製リチウム溶液の成分を調整したリチウム調整溶液を、ゾルゲル反応あるいは液滴凝固法などの造粒方法によってリチウムセラミックスを成形させることによって、核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスを造粒できる。
【0021】
第六発明ならびに第七発明によれば、核融合ブランケットトリチウム増殖材の使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセスにおいて、水、酸、過酸化水素、クエン酸などの単独あるいは混合溶液を用いて該リチウムセラミックスを溶解するための、使用済みリチウムセラミックス投入ホッパ、溶解液供給タンク、溶解槽、撹拌機、さらに使用済みリチウムセラミックスに含まれる三重水素(トリチウム)がセラミックス溶解時に揮散するためそれを回収するためのトリチウムコンデンサ、それら溶解装置の後段に放射化不純物除去のためのpH調整槽とヒドロキシキノキノールをモレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭などへ担持させたキレート化剤担持吸着剤を充填した不純物除去カラム、以上から構成されるリチウムセラミックスの溶解と不純物除去のための装置により、リチウム資源を安全にしかも効率的に溶解回収しさらに精製できる。
【0022】
第八発明によれば、核融合ブランケットトリチウム増殖材として使用済みのリチウムセラミックスを、前記第六発明と第七発明により化学的に湿式溶解した後でそのリチウム溶液を精製させた後、その精製リチウム溶液中の成分を調整するため、トリチウム生成核反応によって減損した6Li量を補うために高濃縮6Liを添加して7Liとの比を調整する、次にLi/Ti比はLi(6Li+7Li)量に対しTi化合物としてTiO2やTiCl3~4, Tiアルコキシドなどのチタン酸塩を添加する、同様にCa, Si, Al, Zrなどの場合は例えばCa(OH)2, CaO, SiO2, SiCl4, Al2O3, Al(OH)3, AlCl3, ZrO2, ZrCl3~4, あるいはCa, Si, Al, Zrのアルコキシド化合物などを添加してそれぞれのセラミックス成分元素の構成比を調整するためのそれら成分を投入し溶解するため、それら原料投入ホッパあるいはそれら溶解液注入タンク、さらに撹拌機を有する成分調整槽である。
【0023】
第九発明によれば、前記第六発明〜第八発明の装置により生成した成分調整した精製リチウム溶液を、ゾルゲル反応あるいは液滴凝固法などの造粒方法によってリチウムセラミックス微小球を成形させる装置である。これらの装置により、核融合ブランケットトリチウム増殖材として再使用可能な粒径が制御されたリチウムセラミックス微小球を量産することが可能である。
【0024】
第十発明によれば、前記第一発明〜第九発明による使用済み核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスのリサイクル方法と装置によって再生され微小球に成形された核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスとしてリチウム資源がリサイクルされた材料であり、このリサイクルシステムによって稀少で高価なリチウム資源の再利用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明によるリチウムリサイクルの概念システムを図1に示す。これは、核融合ブランケットで使用された使用済トリチウム増殖材であるリチウムセラミックス微小球の溶解工程、そのリチウム溶解液中の放射化不純物の除去工程、次にLi同位体比(6Li/7Li)の調整とLi以外の成分の調整、その後微小球の再生産を行い、再び核融合ブランケットに装荷し再使用するシステムである。これをプロセスとして示したものが、図2である。
【0026】
核融合ブランケットの代表的なリチウムセラミックスとして、酸化リチウム(Li2O)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)、酸化物(CaO)添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)、ケイ酸リチウム(Li4SiO4)を用いてそれぞれのリチウム成分を溶解回収する検討を行った方法と条件を図3〜4に示す。この結果、表1に示すように、それぞれのリチウムセラミックスのリチウム成分を91%〜100%溶解し回収できる。
【0027】
酸化リチウム(Li2O)については、常温にて希硝酸・超音波溶解を行うことにより、酸化リチウム(Li2O)が溶解液と激しく反応し、速やかに完全溶解して無色透明な溶液となった。
チタン酸リチウム(Li2TiO3)、については、常温にてH2O2+硝酸・超音波溶解を行うことにより、溶解初期においてオレンジ色をした不溶解残渣を含む液相不透明な溶液が1晩静置すると黄白色沈殿物を有する液相透明な溶液となった。また他の溶解方法としてH2O2+クエン酸・80℃加温攪拌溶解を行うことにより、溶解初期において赤色であった溶液が加温停止時にはオレンジ色に退色した。完全には溶解しないで残渣が沈殿した。このクエン酸溶解法では、チタン酸リチウム(Li2TiO3)の1gに対してクエン酸を17g(3倍モル当量)必要とした。
酸化物(CaO)添加チタン酸リチウム(CaO-Li2TiO3)については、常温にてH2O2+硝酸・超音波溶解を行うことにより、溶解初期においてオレンジ色をした不溶解残渣を含む溶液が1晩静置すると微細な黄白色沈殿物が多量発生し、液相透明の溶液となった。
ケイ酸リチウム(Li4SiO4)については、常温にてH2O2+硝酸・加温(沸騰)溶解を行うことにより、白色沈殿物が僅かに存在する液相が透明な溶解液となった。
【0028】
次に、リチウムセラミックスの溶解工程及びそのリチウム溶液中の放射化不純物除去工程、ならびに放射化不純物除去方法としてキレート化剤としてヒドロキシキノキノールをモレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭などへ担持させたキレート化剤担持吸着剤を用いてリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製する原理を図5に示す。不純物除去能力を有するキレート化剤ヒドロキシキノキノールは、除去対象としての重金属イオンを化学的に安定な状態でキレート化し、その状態でヒドロキシキノキノール担持体であるモレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭などに重金属イオンが保持される結果、溶液中から除去される。このヒドロキシキノキノール担持モレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭などは図6のように不純物除去カラム方式で使用できるため、不純物含有リチウム溶解液をそのカラムに通液するだけで、表1に示すように代表的な放射化不純物である放射性コバルト(60Co)を高効率で除去できる。
【0029】
【表1】

【0030】
以上のプロセスにより精製リチウム溶液が回収でき、さらにリチウムセラミックスの造粒に先立ってリチウムに共存すべき他の主成分元素類(Ti, Ca, Si, Al, Zrなど)をそれぞれの適した塩あるいは溶液として添加する。この成分調整としては、トリチウム生成核反応によって減損した6Li量を補うために高濃縮6Liを添加して7Liとの比を調整する、次にLi/Ti比はLi(6Li+7Li)量に対しTi化合物としてTiO2やTiCl3~4, Tiアルコキシドなどのチタン酸塩を添加する、同様にCa, Si, Al, Zrなどの場合は例えばCa(OH)2, CaO, SiO2, SiCl4, Al2O3, Al(OH)3, AlCl3, ZrO2, ZrCl3~4, あるいはCa, Si, Al, Zrのアルコキシド化合物などを添加してそれぞれのセラミックス成分元素の構成比を調整する必要がある。以上の溶解工程、溶解液中の不純物除去工程、さらに成分調整工程の一連のプロセスを図7に示す。
【0031】
また、溶解処理と不純物除去処理を一連で行う装置の例を図8に示す。図8に示すように、この装置は大きく分けて前段の溶解系統と後段の不純物除去系統とを備える。まず、前段の溶解系統において、Liセラミック投入ホッパ1、溶解液供給タンク2、純水供給タンク3、攪拌機4及びトリチウムコンデンサ5を備える溶解槽でLiセラミックを溶解し、沈殿物をロ過塔でろ過し、溶解液を後段の不純物除去系統へ送る。この後段の不純物除去系統では、pH調整液供給タンク6と攪拌機7とを備えるpH調整槽でpH調整を行った後、不純物除去塔で不純物をろ過し、溶解液を成分調整のための上記塩類あるいは溶液類を添加して溶解する溶解液調整工程とさらに造粒を行う造粒工程へと送る。
【0032】
溶解回収後精製したリチウム溶液の成分調整を行い、それを原料としてゾルゲル法によりリチウムセラミックス微小球の造粒を行うための装置の概念を図9に示す。また溶融液滴凝固法により同様に造粒を行うための装置の概念を図10に示す。何れも調整されたLi溶液を造粒し、Li粒子(微小球)を造粒成形する。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明により、核融合ブランケットトリチウム増殖材のリチウムセラミックスの稀少で高価なリチウム資源の回収と再利用が可能となる。リチウム資源の埋蔵量は約2x109kgと見積られ、リチウム1kg当りの核融合エネルギー収量が7.0x1023J/kg(Li)と見積られているため、全エネルギー収量は1.4x1023Jとなり、1992年時点でのエネルギー消費量から計算すると、その利用期間は470年と評価されている。本発明のリチウム資源の再利用システムによって、リチウム資源の再利用率を80%とした場合に、その資源利用期間を5倍(2000年超)に伸ばすことが可能となる。
なお、本発明は、リチウム電池のリチウム資源のリサイクル・再利用としても有効であり、社会貢献性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】リチウムリサイクルシステムを示す概念図である。
【図2】リチウム資源リサイクルのプロセスを示すフロー図である。
【図3】リチウムセラミックス溶解試験結果の一部を示す。
【図4】リチウムセラミックス溶解試験結果の一部を示す。
【図5】リチウムセラミックス溶解液中の放射化不純物の除去原理を示す。
【図6】リチウムセラミックス溶解液中の放射化不純物の除去カラムの使用方法を示す。
【図7】リチウム資源の回収・精製・溶解液調整のプロセスである。
【図8】リチウムセラミックス溶解・不純物除去装置の構成を示す図である。
【図9】リチウムセラミックス微小球のゾルゲル法造粒装置の概念図である。
【図10】リチウムセラミックス微小球の溶融液滴法造粒装置の概念図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核融合ブランケットトリチウム増殖材であるリチウムセラミックスのリチウム資源の再利用を図るため、その使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセス、そのリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製プロセス、その精製リチウム溶液中の化学成分を調整するプロセス、そのリチウム調整溶液からリチウムセラミックスを製造するプロセス、その製造されたリチウムセラミックスを核融合ブランケットトリチウム増殖材として使用するプロセス、以上の5つのプロセスから構成されることを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスのリチウム資源のリサイクル方法。
【請求項2】
核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム、チタン酸リチウム、酸化物添加チタン酸リチウム、ケイ酸リチウム、アルミン酸リチウム、ジルコン酸リチウムの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記請求項1に示す使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセスにおいて、水、酸、過酸化水素、クエン酸の単独あるいは混合溶液を用いて該リチウムセラミックスを溶解することを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスの溶解方法。
【請求項3】
核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム、チタン酸リチウム、酸化物添加チタン酸リチウム、ケイ酸リチウム、アルミン酸リチウム、ジルコン酸リチウムの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記請求項1または2に示す使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製するプロセスにおいて、キレート化剤としてヒドロキシキノキノールをモレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭へ担持させたキレート化剤担持吸着剤を用いてリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製することを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスの溶解液中の放射化不純物の除去方法。
【請求項4】
核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム、チタン酸リチウム、酸化物添加チタン酸リチウム、ケイ酸リチウム、アルミン酸リチウム、ジルコン酸リチウムの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記請求項1〜3に示す使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去してリチウム溶液を精製させ、さらにその後その精製リチウム溶液中の成分を調整する方法として、核融合反応に伴って減損したリチウム6(6Li)さらにTi, Ca, Si成分を添加して、6Li/7Li比、Li/Ti比、Ca/Ti比、Li/Si比、Li/Al比、Li/Zr比を調整する方法として、トリチウム生成核反応によって減損した6Li量を補うために高濃縮6Liを添加して7Liとの比を調整する、次にLi/Ti比はLi(6Li+7Li)量に対しTi化合物としてTiO2やTiCl3~4, Tiアルコキシドのチタン酸塩を添加する、同様にCa, Si, Al, Zrの場合は例えばCa(OH)2, CaO, SiO2, SiCl4, Al2O3, Al(OH)3, AlCl3, ZrO2, ZrCl3~4, あるいはCa, Si, Al, Zrのアルコキシド化合物を添加してそれぞれのセラミックス成分元素の構成比を調整することを特徴とする核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックス製造のための成分調整方法。
【請求項5】
核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム、チタン酸リチウム、酸化物添加チタン酸リチウム、ケイ酸リチウム、アルミン酸リチウム、ジルコン酸リチウムの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記請求項1〜4に示す使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去してリチウム溶液を精製させ、さらにその後その精製リチウム溶液中の成分を調整しそのリチウム調整溶液からリチウムセラミックスを製造するプロセスとして、該精製リチウム溶液の成分を調整したリチウム調整溶液を用いて、ゾルゲル反応あるいは液滴凝固法の造粒方法によってリチウムセラミックスを成形させることを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスの造粒方法。
【請求項6】
核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム、チタン酸リチウム、酸化物添加チタン酸リチウム、ケイ酸リチウム、アルミン酸リチウム、ジルコン酸リチウムの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記請求項2に示す使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセスにおいて、水、酸、過酸化水素、クエン酸の単独あるいは混合溶液を用いて該リチウムセラミックスを溶解することを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスを溶解させる装置。
【請求項7】
核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム、チタン酸リチウム、酸化物添加チタン酸リチウム、ケイ酸リチウム、アルミン酸リチウム、ジルコン酸リチウムの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記請求項3に示す使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製するプロセスにおいて、キレート化剤としてヒドロキシキノキノールをモレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭へ担持させたキレート化剤担持吸着剤を用いてリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製する方法として、それらキレート化剤担持吸着剤を粉末あるいは粒状でリチウム溶解液中に投ずる、あるいはそれらキレート化剤担持吸着剤の粒状体をカラムに充填してその中にリチウム溶液を通液することによって精製することを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックス中の放射化不純物除去装置。
【請求項8】
核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム、チタン酸リチウム、酸化物添加チタン酸リチウム、ケイ酸リチウム、アルミン酸リチウム、ジルコン酸リチウムの使用済みリチウムセラミックスをリサイクルするプロセスとして、前記請求項4に示す使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去してリチウム溶液を精製させ、さらにその後その精製リチウム溶液中の成分を調整する方法として、核融合反応に伴って減損したリチウム6(6Li)さらにTi, Ca, Si成分を添加して、6Li/7Li比、Li/Ti比、Ca/Ti比、Li/Si比、Li/Al比、Li/Zr比を調整する方法として、トリチウム生成核反応によって減損した6Li量を補うために高濃縮6Liを添加して7Liとの比を調整する、次にLi/Ti比はLi(6Li+7Li)量に対しTi化合物としてTiO2やTiCl3~4, Tiアルコキシドのチタン酸塩を添加する、同様にCa, Si, Al, Zrの場合は例えばCa(OH)2, CaO, SiO2, SiCl4, Al2O3, Al(OH)3, AlCl3, ZrO2, ZrCl3~4, あるいはCa, Si, Al, Zrのアルコキシド化合物を添加してそれぞれのセラミックス成分元素の構成比を調整することを特徴とする核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックス製造のための成分調整装置。
【請求項9】
核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスである酸化リチウム、チタン酸リチウム、酸化物添加チタン酸リチウム、ケイ酸リチウムの使用済み体をリサイクルするプロセスとして、前記請求項5に示す使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解した後でリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去してリチウム溶液を精製させ、さらにその後その精製リチウム溶液中の成分を調整しそのリチウム調整溶液からリチウムセラミックスを製造するプロセスとして、該精製リチウム溶液の成分を調整したリチウム調整溶液を用いて、ゾルゲル反応あるいは液滴凝固法の造粒方法によってリチウムセラミックスを成形させることを特徴とする核融合ブランケット使用済みトリチウム増殖材リチウムセラミックスの造粒装置。
【請求項10】
核融合ブランケットトリチウム増殖材であるリチウムセラミックスのリチウム資源の再利用を図るため、その使用済みリチウムセラミックスを化学的に湿式溶解するプロセス、そのリチウム成分溶解液中の放射化不純物を除去するリチウム溶液の精製プロセス、その精製リチウム溶液中の化学成分を調整するプロセス、そのリチウム調整溶液からリチウムセラミックスを製造するプロセス、その製造されたリチウムセラミックスを核融合ブランケットトリチウム増殖材として使用するプロセス、以上の5つのプロセスから構成される前記請求項1〜9の何れかに記載の使用済み核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックスのリサイクル方法と装置によって再生され成形されたことを特徴とする核融合ブランケットトリチウム増殖材リチウムセラミックス材料。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【公開番号】特開2008−224275(P2008−224275A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−59802(P2007−59802)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【出願人】(000140627)株式会社化研 (27)
【Fターム(参考)】