説明

リバースジオコーディング

ロケーション供給源からロケーション情報を得るための、コンピュータプログラムプロダクトを含む、方法及び装置。ロケーション情報(504)の正確度に基づいて、地理的基準点(506)が決定される。該地理的基準点はロケーション結果(502)内に組み込まれる。
【参考図】 図5

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来のリバースジオコーディングは、典型的に、モバイル装置(例えば、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、腕時計、犯罪者足首ブレスレット又はその他の適宜の装置)の経度及び緯度位置座標を最も近くの道路セグメントと関連付けるために街路網モデルを解析することが関与する場合がある。近くの道路セグメントは人間が認識可能な住所の形式で一般的にリターンされる。貧弱な信号カバレッジ、衛星読取のための開いた空に対する制限された露呈、及びモバイル装置の移動量等のファクタのために、該モバイル装置の座標に関連して許容不可能なレベルの不確実性(即ち、エラートリランス)が存在する場合がある。例えば、「子供探索」アプリケーションを使用する親は、実際には、リバースジオコーディングプロセスにおいて使用されるオリジナルの座標情報と関連して±800ヤードの不正確性が存在する場合に子供が特定の住所にいることが該アプリケーションにより告げられる場合がある。
【0002】
典型的なセルラーネットワークオペレータは、使用可能な情報に依存してモバイル装置のロケーションを決定するための種々のアプローチを使用することが可能である。1つの高精度のアプローチは、ある時刻におけるモバイル装置の妥当的に精密なロケーションを展開するために該モバイル装置における全地球測位システム(GPS)受信器を動作させる。低い精度の別のアプローチは、モバイル装置が使用している(例えば、信号強度に基づいて)セルラータワー(cellular tower)を地理的地域に対してマップさせる。中間のアプローチは、推定された軌跡に基づいてモバイル装置のロケーションを決定するための1つ又はそれ以上の最後に知られていたGPSロケーションを使用する。
【背景技術】
【0003】
図1aは従来技術におけるロケーション情報を得且つ供給することを記載しているフローチャートである。ロケーション供給源(例えば、ネットワークオペレータ、ウエブサービス又はロケーション情報のその他の適切な供給源)がモバイル装置のロケーションに対する要求を受取る(ステップ101)。例えば、該ロケーション供給源は、オープンモビリティアライアンス(OMA)モバイルロケーションプロトコル(MLP)を使用してアクセスすることが可能である。MLPはハイパーテキストトランスポートプロトコル(HTTP)を介して拡張可能マークアップ言語(XML)としてロケーション情報を受取るためにシステムがロケーション供給源と相互作用を行うことを可能とする。
【0004】
ロケーション情報は上述した如くに決定され(ステップ103)且つロケーション情報の正確度に関して決定がなされる(ステップ105)。次いでそのロケーション情報は要求者へ供給される(ステップ107)。該ロケーション情報はモバイル装置が存在することのある地理的地域を定義する形状を組込むことが可能である。
【0005】
例えば、図1bは携帯電話タワー102のロケーション及びモバイル装置104の実際のロケーションを示すマップ100を示している。該モバイル装置は、例えば、上述したようなアプローチを使用して携帯電話ネットワークによって探し出すことが可能である。モバイル装置のロケーションが正確に知られているか又は高い度合いの正確性で知られている場合には、それは明確な住所として要求者へ供給することが可能である。例えば、
【0006】
【表1a】

【0007】
然しながら、モバイル装置のロケーションを正確に決定することができない場合、例えばモバイル装置のロケーションがセルラータワー102を取囲む2マイル半径(即ち、1つの形状)内のどこかである場合には、ステップ107において要求者へ供給されるロケーション情報は不明確である。例えば、該ロケーション情報はロケーション要求時にモバイル装置を取扱う無線ネットワークセルラータワー102に最も近い所在地住所である場合がある。
【0008】
【表2a】

【0009】
然しながら、このロケーションはモバイル装置が実際に位置している建物から約1マイル街の反対側にある。顕著で且つ認識可能なランドマーク(即ち、ショッピングモール106)が該形状内にあるという事実が与えられると、「Northgate Mall,San Rafael,CAの3マイル以内」のようなより関連性のあるロケーションを与えることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
1つの一般的な側面においては、本技術はロケーション供給源からロケーション情報を得ることを特徴としている。地理的基準点はロケーション情報の正確度に基づいて決定される。該地理的基準点はロケーション結果内に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は以下の有益的な特徴のうちの1つ又はそれ以上を包含して実現することが可能である。ロケーション情報が地理的地域に対応する形状を組込んでいる。該形状は該形状内の地理的位置を特定するロケーションと関連している。該地理的基準点は該ロケーションに近接しているか又はそれを取り囲んでいる。該地理的基準点は都市住所、道路交差点又は興味のある点のうちの1つである。地理的基準点を決定することは、道路セグメントに対する該ロケーションの近接度を決定することを包含している。ロケーション結果は地理的基準点とロケーションとの間の距離の表示を包含している。そのロケーションはその区域の中心である。興味のある点は、ランドマーク、ショッピングセンター、事業所、公園、スポーツ施設、自然環境保全区域、リクレーショナル区域、又は地理的区域である。該正確度は該形状の寸法に逆比例している。
【0012】
別の一般的な側面においては、本技術はロケーション供給源からロケーション情報を得ることを特徴としている。該ロケーション情報は地理的区域に対応する形状を組込む。該形状は該形状内の地理的位置を特定するロケーションと関連している。該形状の寸法及び地理的基準点に対する該ロケーションの近接度に基づいて複数個のロケーション結果から1つのロケーション結果が選択される。該地理的基準点は都市住所、道路交差点又は興味のある点のうちの1つである。
【0013】
本発明は、以下の有益な特徴のうちの1つ又はそれ以上を包含すべく実現することが可能である。地理的基準点はロケーション結果内に組み込まれる。該地理的基準点は、該寸法が第一スレッシュホールド未満である場合には、都市住所又は興味のある点である。該地理的基準点は、該寸法が第二スレッシュホールド未満である場合には道路交差点であり、該第二スレッシュホールドは該第一スレッシュホールドよりも一層大きい。該地理的基準点は、該近接度が第一スレッシュホールド未満である場合には、都市住所である。該地理的基準点は、該近接度が第二スレッシュホールド未満である場合には道路交差点であり、該第二スレッシュホールドは該第一スレッシュホールドよりも一層大きい。該地理的基準点は、該近接度が該第二スレッシュホールドより一層大きい場合には、興味のある点である。該地理的基準点と該ロケーションとの間の距離の表示を該ロケーション結果内に組込む。
【0014】
本発明の特定の実施例は以下の利点のうちの1つ又はそれ以上を実現するために実現することが可能である。ロケーション情報は正確度情報を組み込んでいる。ロケーション情報は、地理的基準点を1つのロケーションと関連付けることによりユーザにとって一層関連性のあるものとさせることが可能である。ロケーション結果は、グラフィカルユーザインターフェース、テキスト・スピーチインターフェース、平文テキスト及びショートメッセージサービスでユーザへ提示することが可能である。ロケーション結果はナビゲーションシステムのような装置内へ組込むことが可能である。有名な交差点及び興味のある点を基準点として使用することが可能である。ロケーション結果は地理的基準点からの距離を組込むことが可能である。ロケーション結果は、ロケーション情報の正確度及び道路セグメントへの近接度に基づいて代替物を採点することにより選択することが可能である。ロケーション結果は、ロケーション情報の正確度、道路セグメントへの近接度、及び興味のある点への近接度に基づいて代替物を採点することにより選択することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ロケーション供給源からのロケーション情報は、形状(例えば、円、楕円、多角形、これらの組み合わせ、又はその他の適宜の形状)、及び、オプションとして、1つのロケーションを組込んでいる。形状は、その中にモバイル装置が位置していると考えられる地理的区域を定義する。ロケーションは、モバイル装置が位置している場合のある形状における地理的位置に関する最善の推測を表わす場合がある。該区域又は該形状の寸法が小さければ小さい程、ロケーション情報の正確度は一層高い。例えば、該形状の区域が非常に小さい(又は存在しない)場合には、そのロケーションはモバイル装置の真のロケーションに対応する場合がある。1つの実現例においては、該ロケーションは該形状の中心に対応する。別の実現例においては、ロケーション情報は1つのロケーションではなく1つの形状を組み込んでいる。
【0016】
【表1】

【0017】
ロケーション情報及び道路セグメント、交差点又は興味のある点等の地理的基準点に対する該ロケーションの近接度等の1つ又はそれ以上の付加的なファクタに基づいてロケーション結果の決定を案内するために規則又はヒューリスティックを使用することが可能である。(街路網モデルにおける道路セグメント及び興味のある点は1つ又はそれ以上のデータベース又はその他の永久的な格納部内に維持し且つ必要に応じてアクセスことが可能である。)例えば、表1に示されているような採点方法をロケーション結果のフォーマットを決定するために使用することが可能であるが、その他の方法及びロケーション結果も可能である。規則の採点インパクトによって決定される最高の採点を発生する表1における規則がどのロケーション結果が選択されるかを決定する。ロケーション結果の例は表2に与えてある。
【0018】
ロケーション情報の正確度が高、中間又は低のいずれかとして特性付けられるかに基づいて規則をトリガすることが可能である。例えば、各正確度レベルは該形状の区域があるスレッシュホールド未満であることを要求する場合がある。高い正確度レベルはその区域が値N以下であることを必要とする場合があり、且つ中間の正確度レベルは該区域が値M以下であることを必要とする場合があり、尚N<Mである。その区域がM以下でない場合には、その正確度レベルは低であると考えられる。より少ない又はより大きな正確度レベル、及び正確度レベルを決定するその他の方法も可能である。
【0019】
道路セグメントに対するあるロケーションの近接度が非常に近い、中間範囲、又は遠いのいずれかと考えられることに基づいて規則をトリガすることも可能である。例えば、各近接度レベルは、該ロケーションと道路セグメントとの間の距離があるスレッシュホールド未満であることを必要とする場合がある。例えば、「非常に近い」の近接度は「中間範囲」よりもより短い距離である場合があり、且つ「中間範囲」は「遠い」より短い距離である場合がある。より少ない又はより大きな近接度レベルも可能である。
【0020】
ロケーション情報の正確度が高であり且つそのロケーションが道路セグメントに非常に近い場合には、規則R1が適用される。規則R1の採点は、道路セグメントに対するそのロケーションの近接度が増加するに従い増加する。そのロケーションが1つを超える道路セグメントに対して非常に近い場合には、最も高い採点を発生する道路セグメントをそのロケーション結果において使用することが可能である。
【0021】
該ロケーション情報の正確度が中間乃至低であり、且つそのロケーションの道路セグメントに対する近接度が中間範囲である場合には、規則R2が適用される。規則R2の採点は、そのロケーションが交差点に対する近接度において増加するに従い増加し、且つその交差点が該形状内にある場合には更に増加する。その交差点が有名なものであると考えられる場合には(例えば、交差点の寸法、交通量、歴史的情報、又はその他の適宜の情報に基づいて)、その採点は更に増加される場合がある。そのロケーションが1つを超える交差点から中間範囲の距離内にある場合には、最も高い採点を発生する交差点をそのロケーション結果において使用することが可能である。
【0022】
そのロケーションが興味のある点(POI)内にあり且つ道路セグメントから遠い場合には、規則R3が適用される。POIは(制限無しで)ランドマーク、ショッピングセンター、事業所、公園、スポーツ施設、自然環境保全地域、リクレーショナル地域、又は地理的地域とすることが可能である。規則R3の採点は、該形状の区域が減少するに従い増加する。そのロケーションが1つを超えるPOIから遠い場合には、最も高い採点を発生するPOIをそのロケーション結果において使用することが可能である。そのPOIが有名なものと考えられる場合には(例えば、POIの寸法、POIに近接した交通量、歴史的情報、又はその他の適宜の情報に基づいて)、その採点は更に増加される場合がある。そのロケーションが1つを超える交差点から中間範囲の距離内にある場合には、最も高い採点を発生する交差点をそのロケーション結果において使用することが可能である。
【0023】
最後に、そのロケーション情報の正確度が低であると考えられる場合には、規則R4がデフォルトにより適用される。規則R4の採点は、POIがその形状内にあり且つそのロケーションに近い場合には増加する。その採点は、そのPOIが有名なものであると考えられる場合には更に増加される。再度、1つを超えるPOIが存在する場合には、最も高い採点を有するPOIをそのロケーション結果に対して選択することが可能である。
【0024】
表1は4つの例示的な規則を提示しているが、より少ない規則及びより多くの規則も可能である。更に、1つを超える規則に対して与えられたロケーション結果を使用することが可能である。
【0025】
【表2】

【0026】
表2は道路網及び高精度ロケーション形状206,208及び210を包含するマップ200を示している。形状は点線で示してある。説明の便宜上、ロケーションは図2−4に対する形状の中心にあるものと仮定される。形状206及び208は道路セグメント(Main St.)上に存在しており、従って規則R1のロケーション規則が選択される。規則R3のロケーション結果が形状210に適用される。何故ならば、形状210はPOI204に位置されているからである。
【0027】
図3は道路網及び中間正確度ロケーション形状302及び304を包含するマップを示している。これらは中間正確度の形状であるので、規則R2及びR3が蓋然的に適用される。形状304は交差点(Main St.及びBaker Rd.)を取囲んでいるが、POI204からある距離離れている。この場合には、規則R2のロケーション結果が選択される蓋然性が最も高い。形状302は部分的にPOI204を取囲んでいるが、Embarcadero Rd.、Noe St.、交差点308、更に遠くのPOI202によって取囲まれている。交差点308に対する形状302と関連しているロケーションの近接度が中間範囲であると考えられる場合には、例えば規則R3ではなく規則R2が選択される。然しながら、形状302と関連しているロケーションが道路セグメントから遠い場合には、R3が選択され且つPOI204がロケーション結果において使用される基準点である。何故ならば、そのロケーションはPOI202よりもPOI204により近いからである。
【0028】
図4は道路網及び低い正確度のロケーション形状402,404,406を包含するマップを示している。形状402はPOI204を部分的に取囲んでおり且つEmbarcadero Rd.、Noe St.、交差点308、POI202によって取囲まれている。形状402と関連しているロケーションがこれらの道路から遠いものであるとは考えられないものと仮定すると、規則R2が適用される。そうでない場合には、規則R3が適用される。その正確度は低いのでデフォルトにより規則R4を適用することが可能である。
【0029】
形状404はPOI204及び202によって取囲まれており、且つEmbarcadero Rd.及びNoe St.とオーバーラップしている。形状404と関連しているロケーションが交差点308から中間範囲の距離である場合には、規則R2が適用される。R3が適用されることはない。何故ならば、取囲んでいるPOIは存在しないからである。再度、デフォルトにより規則R4が適用される。
【0030】
形状406は2つの道路セグメント、即ちMain St.及びBaker Rd.を取囲んでおり、それはどのようにして近接度が定義されるかに依存して形状406を具備するロケーションから中間範囲又は遠い距離と考えることが可能である。そのロケーションが道路セグメントから中間範囲の距離にあると考えられる場合には、規則R2が適用され且つそのロケーション結果は交差点408を包含する。取囲んでいるPOIは存在しないので、規則R3が適用されることはない。規則R4はデフォルトによって適用され且つ最も近いPOI(204)に対するそのロケーションの近接度に依存する採点を有している。
【0031】
図5はロケーション結果を組込んだグラフィカルユーザインターフェース(GUI)500の例示である。ユーザインターフェース500は道路網及びPOI508(Highland Park)を包含するマップを示している。GUI500はパソコン、ポータブルコンピュータ、パーソナル又は自動車ナビゲーションシステム、又はモバイル装置等へ結合されているディスプレイ装置上に供給することが可能である。1つの実現例においては、GUIが子供探索アプリケーション等のユーザがモバイル装置(及びそれらのユーザ)を見つけ出すことを可能とするアプリケーション内に組み込まれている。その他のユーザインターフェースも可能であり、制限無しで、平文テキスト及びショートメッセージサービス(SMS)を包含する。
【0032】
モバイル装置(又は該モバイル装置と関連している人)のロケーションを提供する要求に応答して、ロケーション情報が得られ且つ表示すべき適宜のロケーション結果を選択するために上述したように規則が適用される。ロケーション結果が選択されると、それはコールアウトウインドウ502等のGUI500内に提示される。更に、形状504もロケーション506(存在する場合)と共に表示することが可能である(表示されるロケーション結果502のフォーマットに基づいて、規則R4が選択されている)。このように、ユーザは、どこにモバイル装置が見つけられたかを視覚的に確かめることが可能である。
【0033】
別の実現例においては、GUI500は付随するマップ及び形状無しでロケーション結果を表示することが必要であるに過ぎない。更に別の実施例においては、そのロケーション結果はグラフィック的にではなく会話として供給される。
【0034】
図6はロケーション結果を供給するシステム600の模式図である。ロケーション供給源608はランカー(ranker)コンポーネント612に対してロケーション情報を供給する。該ランカーコンポーネントは上述したような規則を使用して、前述した如く、上述した如く、そのロケーション情報に対して適用可能な全ての可能なロケーション結果に対する採点を決定する(即ち、そのロケーションの正確度、及び、ある場合には、近くの道路への近接度に基づいて)。ランカーコンポーネント612は異なる地理的領域に対する興味のある点を包含する興味のある点のマップデータベース602、異なる地理的領域に対する道路セグメントを包含する街路網モデルデータベース604、及び上述した如く、規則を包含する規則データベース606を使用するか、又はこのようなデータを受取ることが可能である。1つの実現例においては、ランカーコンポーネント612は近くの道路及びPOIに対するロケーションの近接度を決定するためにネットワークモデル又は興味のある点のマップの一部の上に重ねられたロケーション形状の点及び多角形サーチを実施することが可能である。
【0035】
ランク付けされた結果から、ロケーション結果セレクターコンポーネント614によって1つのロケーション結果が選択される。結果セレクター614はそのロケーション情報を上の表2に示したようなロケーション結果内に組込み、且つ、オプションとして、そのロケーション結果をクライエントプロセス616へ供給する。クライエントプロセスはインターネットへ接続されているパソコン、モバイル装置、又はパーソナル又は自動車ナビゲーションシステム又はその他の装置上で実行するプロセスとすることが可能である。
【0036】
システム600はより多くの又はより少ないコンポーネントで実現することが可能である。更に、コンポーネントは2つ又はそれ以上のコンピューティング装置上に分配させることが可能である。1つの実現例においては、ロケーション結果セレクター614及びランカーコンポーネント612はミドルウエアコンポーネント610を形成することが可能であり、そのサービスは、例えば、サーバーシステム上に供給することが可能である。クライエント616、ロケーションサービス608、データベース602,604,606を包含する全てのコンポーネントは、インターネット等の1つ又はそれ以上の有線又は無線公衆又は専用ネットワークを介して互いに通信することが可能である。
【0037】
図7はロケーション結果の作成を記述するフローチャートである。ロケーション情報はロケーション供給源から得られる(例えば608;ステップ702)。ロケーション情報は地理的地域に対応する形状を組込んでいる。該形状は該形状内の地理的位置を特定するロケーションと関連している。地理的基準点はそのロケーション情報の正確度に基づいて決定されるロケーションに近接しているか又はそれを取囲んでいる。(例えば、612;ステップ704)。1つの実現例においては、地理的基準点は都市住所、道路交差点又は興味のある点のうちの1つである。地理的基準点はロケーション結果内に組み込まれる(例えば、614:ステップ706)。
【0038】
図8はロケーション結果の作成を記述する別のフローチャートである。ロケーション情報はロケーション供給源から得られる(例えば、608;ステップ802)。ロケーション情報は地理的区域に対応する形状を組込む。該形状は該形状内の地理的位置を特定するロケーションと関連している。ロケーション結果は、該形状の寸法及び地理的基準点に対する該ロケーションの近接度に基づいて複数個のロケーション結果から選択され、該地理的基準点は都市住所、道路交差点又は興味のある点のうちの1つである(例えば、614;ステップ804)。
【0039】
本発明の実施例及びこの明細書において記載されている機能的動作の全ては、本明細書において開示した構造及びそれらの構造的均等物、又はそれらの組合わせを包含して、デジタル電子回路において、又はコンピュータソフトウエア、ファームウエア又はハードウエアにおいて実現することが可能である。本発明の実施例は1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムプロダクト、即ちデータ処理装置による実行のため又はその動作の制御のためにコンピュータによって読取可能な媒体上にエンコードされているコンピュータプログラム命令からなる1つ又はそれ以上のモジュールとして実現することが可能である。該コンピュータによって読取可能な媒体は、例えば機械読取可能な格納装置、格納媒体、又はメモリ装置、又はそれらの多重物等の機械読取可能な装置とすることが可能であり、又はそれはタンジブルな機械読取可能な伝搬される信号とすることが可能である。「データ処理装置」という用語はデータを処理するための全ての装置、デバイス、及びマシンを含むものであり、例えば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、又はマルチプルプロセッサ又はコンピュータを包含するものである。該装置は、ハードウエアに加えて、問題のコンピュータプログラムに対する実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウエア、プロトコルスタック、データベースマネージメントシステム、オペレーティングシステム、又はそれらの組合わせを構成するコードを包含することが可能である。伝搬される信号は人工的に発生される信号であって、例えばマシンによって発生される電気的、光学的又は電磁的信号であって、適宜の受信器装置へ送信するために情報をエンコードするために発生されるものである。
【0040】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウエア、ソフトウエアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られている)は、コンパイル型又はインタプリタ型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことが可能であり且つそれはスタンドアローンプログラムとして又はモジュールとして、コンポーネント、サブルーチン、又はコンピューティング環境において使用するためのその他の適宜のユニットを含む任意の形態でデプロイさせることが可能である。コンピュータプログラムは必ずしもファイルシステムにおけるファイルに対応するものではない。プログラムは、その他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語文書内に格納される1つ又はそれ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部において、問題のプログラムに専用の単一のファイルにおいて、又は複数の強調されたファイル(例えば、1つ又はそれ以上のモジュール、サブプログラム、又は高度の部分を格納する複数のファイル)において格納することが可能である。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上において、又は1つのサイトに位置されているか又は複数個のサイトにわたって分布されており且つ通信ネットワークにより相互接続されている複数のコンピュータ上で実行されるべきデプロイさせることが可能である。
【0041】
本明細書において記載したプロセス及び論理の流れは、入力データに関して動作し且つ出力を発生することにより機能を実施するために1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ又はそれ以上のプログラム可能なプロセッサによって実施することが可能である。該プロセス及び論理の流れは、又は特別論理回路、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(応用特定集積回路)によって実施することが可能であり、且つそのようなものとして装置を実現することも可能である。
【0042】
コンピュータプログラムの実行に適切なプロセッサは、例示として、汎用及び特別目的の両方のマイクロプロセッサ、及び任意の種類のデジタルコンピュータのいずれか1つ又はそれ以上のプロセッサを包含している。通常、プロセッサはリードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ又は両方から命令とデータとを受取る。コンピュータの基本的な要素は、命令を実行するためのプロセッサと命令とデータとを格納するための1つ又はそれ以上のメモリ装置である。通常、コンピュータは、又、磁気、磁気・光学ディスク又は光学ディスク等のデータを格納するための1つ又はそれ以上の大量格納装置を包含するか、又はそれからデータを受取り、且つそれへデータを転送するために動作結合されている。更に、コンピュータは、例えば、モバイル電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、モバイルオーディオプレイヤ、全地球測位システム(GPS)受信器等の別の装置内に埋め込むことが可能である。コンピュータプログラム命令とデータとを格納するのに適した情報担体は、例としてEPROM、EEPROM等の半導体メモリ装置、フラッシュメモリ装置を包含する全ての形態の非揮発性メモリ、例えば内部ハードディスク又は着脱自在なディスク等の磁気ディスク、磁気・光学ディスク、及びCD−ROM及びDVD−ROMディスクを包含している。該プロセッサ及び命令は、特別目的論理回路によって補充されるか又はその中に組込むことが可能である。
【0043】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本発明の実施例は、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ等のユーザに対して情報を表示するためのディスプレイ装置とそれによりユーザがコンピュータへ入力を与えることが可能な例えばマウス又はトラックボール等のポインティング装置及びキーボードとを具備するコンピュータ上で実現することが可能である。その他の種類の装置はユーザとのインタラクションを与えるために使用することが可能であり、例えば、ユーザへ与えられるフィードバックは任意の形態の感覚的フィードバックとすることが可能であり、例えば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、又は触覚的フィードバックとすることが可能であり、且つユーザからの入力は音響的、会話的、又は触覚的入力を含む任意の形態で受取ることが可能である。
【0044】
本発明の実施例は、例えばデータサーバーとしてバックエンドコンポーネントを含むか、又は例えばアプリケーションサーバー等のミドルウエアコンポーネントを含むか、又は例えばグラフィカルユーザインターフェース又はそれを介してユーザが本発明の実現例と相互作用することが可能なウエブブラウザを具備するクライエントコンピュータ等フロントエンドコンポーネントを含むか、又はこのようなバックエンド、ミドルウエア、又はフロントエンドコンポーネントの任意の結合であるコンピューティングシステムにおいて実現することが可能である。該システムのコンポーネントは例えば通信ネットワーク等の任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信によって相互接続することが可能である。通信ネットワークの例はローカルエリアネットワーク(LAN)及びインターネット等のワイドエリアネットワーク(WAN)を包含している。
【0045】
該コンピューティングシステムはクライエントとサーバーとを包含することが可能である。クライエント及びサーバーは、通常、互いに離隔しており且つ典型的に通信ネットワークを介して相互作用する。クライエント及びサーバーの関係は夫々のコンピュータ上で稼動しており且つ互いにクライエント・サーバー関係を具備しているコンピュータプログラムによって生じるものである。
【0046】
本発明の特定の実施例について説明した。その他の実施例も特許請求の範囲内のものである。例えば、特許請求の範囲において記載した動作は異なる順番で実施することが可能であり尚且つ所望の結果を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1a】従来技術においてロケーション情報を得ること及び供給することを示したフローチャート。
【図1b】携帯電話タワーのロケーションとモバイル装置の実際のロケーションを示したマップの概略図。
【図2】道路網及び高精度ロケーション形状を含むマップの概略図。
【図3】道路網と中間精度のロケーション形状を含むマップの概略図。
【図4】道路網と低精度のロケーション形状を含むマップの概略図。
【図5】ロケーション結果を組込んだグラフィカルユーザインターフェースの概略図。
【図6】ロケーション結果を供給するシステムの概略図。
【図7】ロケーション結果の作成を説明するフローチャート。
【図8】ロケーション結果の作成を説明する別のフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実現される方法において、
ロケーション供給源からロケーション情報を得、
該ロケーション情報の正確度に基づいて地理的基準点を決定し、
該地理的基準点をロケーション結果内に組込む、
ことを包含している方法。
【請求項2】
請求項1において、
該ロケーション情報が地理的地域に対応する形状を組込み、該形状が該形状内の地理的位置を特定する1つのロケーションと関連している方法。
【請求項3】
請求項1において、該地理的基準点が該ロケーションと近接しているか又はそれを取囲んでいる方法。
【請求項4】
請求項1において、該地理的基準点が都市住所、道路交差点又は興味のある点のうちの1つである方法。
【請求項5】
請求項2において、更に、
該地理的基準点を決定することが道路セグメントに対する該ロケーションの近接度を決定することを包含している方法。
【請求項6】
請求項2において、該ロケーション結果が、該地理的基準点と該ロケーションとの間の距離の表示を包含している方法。
【請求項7】
請求項2において、該ロケーションが該地域の中心である方法。
【請求項8】
請求項4において、該興味のある点がランドマーク、ショッピングセンター、事業所、公園、スポーツ施設、自然環境保全地域、リクレーショナル地域、又は地理的地域である方法。
【請求項9】
請求項2において、該正確度が該形状の寸法に逆比例している方法。
【請求項10】
コンピュータによって実現される方法において、
ロケーション供給源からロケーション情報を得、該ロケーション情報は地理的地域に対応する形状を組込み、該形状は該形状内の地理的位置を特定するロケーションと関連しており、
該形状の寸法及び地理的基準点に対する該ロケーションの近接度に基づいて複数個のロケーション結果から1つのロケーション結果を選択し、該地理的基準点は都市住所、道路交差点又は興味のある点のうちの1つである、
方法。
【請求項11】
請求項10において、該地理的基準点を該ロケーション結果内に組込む方法。
【請求項12】
請求項10において、該寸法が第一スレッシュホールド未満である場合には、該地理的基準点が都市住所又は興味のある点である方法。
【請求項13】
請求項12において、該寸法が該第一スレッシュホールドより一層大きな第二スレッシュホールド未満である場合には、該地理的基準点が道路交差点である方法。
【請求項14】
請求項10において、該近接度が第一スレッシュホールド未満である場合には、該地理的基準点が都市住所である方法。
【請求項15】
請求項14において、該近接度が該第一スレッシュホールドより一層大きな第二スレッシュホールド未満である場合には、該地理的基準点が道路交差点である方法。
【請求項16】
請求項15において、該近接度が該第二スレッシュホールドより一層大きい場合には、該地理的基準点が興味のある点である方法。
【請求項17】
請求項10において、更に、
該地理的基準点と該ロケーションとの間の距離の表示を該ロケーション結果内に組込む、
ことを包含している方法。
【請求項18】
情報担体上にエンコードされているコンピュータプログラムプロダクトにおいて、
データ処理装置をして、
ロケーション供給源からロケーション情報を得、
該ロケーション情報の正確度に基づいて地理的基準点を決定し、且つ
該地理的基準点をロケーション結果内に組込む、
ことを実施させるべく動作可能な命令を有しているコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項19】
請求項18において、該ロケーション情報が地理的地域に対応する形状を組込んでおり、該形状が該形状内の地理的位置を特定するロケーションと関連しているコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項20】
情報担体上にエンコードされるコンピュータプログラムプロダクトにおいて、データ処理装置をして、
ロケーション供給源からロケーション情報を得、該ロケーション情報は地理的地域に対応する形状を組込み、該形状は該形状内の地理的位置を特定するロケーションと関連しており、且つ
該形状の寸法及び地理的基準点に対する該ロケーションの近接度に基づいて複数個のロケーション結果から1つのロケーション結果を選択し、該地理的基準点が都市住所、道路交差点又は興味のある点のうちの1つである、
ことを実施させるべく動作可能な命令を有しているコンピュータプログラムプロダクト。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−526502(P2009−526502A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554528(P2008−554528)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/061945
【国際公開番号】WO2007/095472
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(500280087)オートデスク,インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】