説明

リファラジル製剤

本発明は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む薬学的組成物ならびにそれらを使用する方法を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
本発明は抗菌治療の分野に関する。
【0002】
アンサマイシンクラスの抗生物質であるリファラジルは、抗菌活性が開示されている米国特許第4,983,602号に記載されている。
【0003】
リファラジルの微小顆粒(microgranulated)製剤は米国特許第5,547,683号に開示されている。この微小顆粒リファラジルは、ビーグルに経口投与した各製剤について作製した相対的AUCによって判定する場合、リファラジル結晶、乳鉢粉砕結晶および乳鉢粉砕結晶の懸濁液と比較して、経口バイオアベイラビリティーが改善されていることを示した。リファラジルの第I相臨床試験は米国特許第6,566,354号および同第6,316,433号に記載されている。
【0004】
被験者においてより一貫した薬物動態および高い程度のバイオアベイラビリティーを生じるリファラジルの経口投与製剤が望ましい。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
リファラジルを十分な量のミセル形成賦形剤と共に製剤化すると、リファラジルの経口バイオアベイラビリティーを驚くべき程度まで増加することができ、薬物動態学的パラメーター(例えば、CmaxおよびAUC)の変動係数を驚くべき程度まで低下することができることを本発明者らは発見した。
【0006】
従って、一局面において、本発明は、リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、Cmaxの変動係数が60%未満となるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形の経口投与のための薬学的組成物を特徴とする。望ましくは、Cmaxの変動係数は55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満または場合によっては20%未満である。
【0007】
本発明はまた、リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、AUCの変動係数が40%未満となるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形の経口投与のための薬学的組成物も特徴とする。望ましくは、AUCの変動係数は35%未満、30%未満、25%未満または場合によっては20%未満である。
【0008】
本発明は、リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、平均バイオアベイラビリティーが30%より大きくなるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形の経口投与のための薬学的組成物を特徴とする。望ましくは、平均バイオアベイラビリティーは35%より大きい、40%より大きい、45%より大きいまたは場合によっては50%より大きい。
【0009】
本発明は、さらに、リファラジルおよび1種または複数種のミセル形成賦形剤を含有する、ヒトに経口投与するのに好適な液体充填カプセルの形態の薬学的組成物を特徴とする。
【0010】
液体充填カプセルは硬カプセルまたは軟カプセルであってもよい。望ましくは、カプセルは、20%(w/w)、30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)または90%(w/w)を超えるミセル形成賦形剤を有する液体を含む。
【0011】
液体充填カプセルは、投与後のリファラジルの放出を促進するために親水性ポリマーを含んでもよい。使用することができる親水性ポリマーの例には、ポリオキシエチレンおよびヒアルロン酸が挙げられるが、それに限定されるわけではない。望ましくは、親水性ポリマーは、PEG 300、PEG 400、PEG 600またはその組み合わせなどのポリオキシエチレンである。
【0012】
リファラジルの液体充填カプセルは、粘度を高めるためにゲル化剤を含んでもよい。望ましくは、ゲル化剤はポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーである。これらのゲル化剤は、Synperonic PEシリーズ(ICI)、Pluronic(登録商標)シリーズ(BASF)、Lutrol(BASF)、Supronic、Monolan、PluracareおよびPlurodacの1つまたは複数を含む種々の商品名で入手可能である。これらのコポリマーの一般名は「ポロキサマー」(CAS 9003-11-6)である。これらのポリマーは式(I):
HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)aH
(I)
(式中、「a」および「b」は、それぞれ、ポリオキシエチレン単位およびポリオキシプロピレン単位の数を示す)
を有する。これらのコポリマーは、分子量1000〜15000ダルトンの範囲およびエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド比が重量により0.1〜0.8で入手可能である。本発明によるリファラジルの製剤は、上記のポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーの1つまたは複数を含んでもよい。望ましくは、ゲル化剤はPluronic(登録商標)F68である。
【0013】
リファラジルの液体充填カプセルは、カプセルの脱水を防ぐために水を含んでもよい。望ましくは、リファラジルの液体充填カプセルは0.5%(w/w)〜10%(w/w)、0.5%(w/w)〜8%(w/w)、0.5%(w/w)〜7%(w/w)、0.5%(w/w)〜6%(w/w)、0.5%(w/w)〜5%(w/w)、1%(w/w)〜7%(w/w)、2%(w/w)〜7%(w/w)、3%(w/w)〜7%(w/w)または4%(w/w)〜6%(w/w)の水を含む。
【0014】
一態様において、液体充填カプセルは65%(w/w)〜85%(w/w)のPEG-35ヒマシ油および8%〜25%のPEG 400を含有する。液体充填カプセルは、さらに、4%(w/w)〜6%(w/w)の水および任意で0.2%〜1.5%のPluronic(登録商標) F68を含有してもよい。
【0015】
本明細書に記載する製剤に使用することができる特定のミセル形成賦形剤には、ポリエトキシル化脂肪酸、PEG-脂肪酸ジエステル、PEG-脂肪酸のモノエステル混合物およびジエステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、アルコール-オイルエステル交換反応生成物、ポリグリセリン脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステルとグリセロールエステルの混合物、モノグリセリドおよびジグリセリド、ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステルおよびイオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書に記載する任意のミセル形成賦形剤を本発明のリファラジル製剤に使用することができる。望ましくは、リファラジルの液体充填カプセルは、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシル-40ステアレート、PEG-3ヒマシ油、PEG-5ヒマシ油、PEG-9ヒマシ油、PEG-16ヒマシ油、PEG-20ヒマシ油、PEG-23ヒマシ油、PEG-30ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-38ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-50ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-100ヒマシ油、PEG-200ヒマシ油、PEG-5水素化ヒマシ油、PEG-7水素化ヒマシ油、PEG-10水素化ヒマシ油、PEG-20水素化ヒマシ油、PEG-25水素化ヒマシ油、PEG-30水素化ヒマシ油、PEG-40水素化ヒマシ油、PEG-45水素化ヒマシ油、PEG-50水素化ヒマシ油、PEG-60水素化ヒマシ油、PEG-80水素化ヒマシ油およびPEG-100水素化ヒマシ油から選択される1種または複数種のミセル形成賦形剤を含む。
【0016】
上記の薬学的組成物のいずれかについて、組成物は0.01〜100 mg、0.1〜100 mg、0.1〜50 mg、0.1〜25 mg、0.1〜20 mg、0.1〜15 mg、0.1〜10 mg、0.1〜5 mgまたは0.2〜20 mgのリファラジルを含んでもよい。望ましくは、薬学的組成物は約0.25 mg、0.5 mg、0.75 mg、1.0 mg、1.5 mg、2.0 mg、2.5 mg、3.0 mg、3.5 mg、4.0 mg、4.5 mg、5.0 mg、5.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、20 mg、25 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mgまたは50 mgのリファラジルを含有する。
【0017】
上記の薬学的組成物のいずれかについて、組成物は20%(w/w)〜90%(w/w)、30%(w/w)〜90%(w/w)、40%(w/w)〜90%(w/w)、50%(w/w)〜90%(w/w)、60%(w/w)〜90%(w/w)または場合によっては70%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含んでもよい。
【0018】
本発明は、さらに、患者の細菌感染症を治療する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、Cmaxの変動係数が60%未満となるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形を投与する段階を含み、リファラジルが感染症を治療するのに有効な量で投与される。望ましくは、Cmaxの変動係数は55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満または場合によっては20%未満である。
【0019】
本発明はまた、リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、AUCの変動係数が40%未満となるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形を投与する段階を含み、リファラジルが感染症を治療するのに有効な量で投与される、患者の細菌感染症を治療する方法を特徴とする。望ましくは、AUCの変動係数は35%未満、30%未満、25%未満または場合によっては20%未満である。
【0020】
本発明は、さらに、リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、平均経口バイオアベイラビリティーが30%より大きくなるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形を投与する段階を含み、リファラジルが感染症を治療するのに有効な量で投与される、患者の細菌感染症を治療する方法を特徴とする。望ましくは、平均バイオアベイラビリティーは35%より大きい、40%より大きい、45%より大きいまたは場合によっては50%より大きい。
【0021】
本発明は、よりさらに、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル形態の単位剤形を患者に投与する段階を含み、リファラジルが感染症を治療するのに有効な量で投与される、患者の細菌感染症を治療する方法を特徴とする。
【0022】
上記の方法のいずれかにおいて、感染症は、市中肺炎、上気道および下気道感染症、皮膚および軟部組織感染症、院内肺感染症、骨および関節感染症、気道感染症、急性細菌性中耳炎、細菌性肺炎、尿路感染症、複雑性感染症、非複雑性感染症、腎盂腎炎、腹腔内感染症、深部膿瘍、細菌性敗血症、中枢神経系の感染症、菌血症、創傷感染、腹膜炎、髄膜炎、火傷の後の感染症、尿生殖路感染症、消化管感染症、骨盤炎症性疾病、心内膜炎および他の血管内感染症から選択される。本明細書に記載する細菌感染症を治療する方法はまた、グラム陽性静菌による感染症を治療する際にも有用である。望ましくは、本発明の方法はグラム陽性球菌または薬剤耐性グラム陽性球菌による感染症を治療するために使用される。望ましくは、グラム陽性球菌は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)、肺炎レンサ球菌(S. pneumoniae)、化膿レンサ球菌(S. pyogenes)、M. カタラーリス(M. catarrhalis)、H. インフルエンゼ(H. influenzae)およびエンテロコッカス spp.(Enterococcus spp.)から選択される。
【0023】
本発明の方法は、外科的手技または人工装置の植え込みを受けた患者の術後感染症の発生率を低下するまたは術後感染症を排除するために使用することができる。
【0024】
本発明は、さらに、患者の多剤耐性細菌による感染症を治療する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物を患者に投与する段階を含み、リファラジルは多剤耐性感染症を治療するのに有効な量で投与される。細菌の耐性株には、ペニシリン耐性、メチシリン耐性、キノロン耐性、マクロライド耐性および/またはバンコマイシン耐性の細菌が挙げられる。本発明の方法を使用して治療される多剤耐性細菌感染症には、例えば、ペニシリン耐性、メチシリン耐性、マクロライド耐性、バンコマイシン耐性および/またはキノロン耐性の肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae);ペニシリン耐性、メチシリン耐性、マクロライド耐性、バンコマイシン耐性および/またはキノロン耐性の黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus);ペニシリン耐性、メチシリン耐性、マクロライド耐性、バンコマイシン耐性および/またはキノロン耐性の化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes);およびペニシリン耐性、メチシリン耐性、マクロライド耐性、バンコマイシン耐性および/またはキノロン耐性の腸球菌による感染症が挙げられる。
【0025】
本発明はまた、患者のアテローム性動脈硬化症関連疾病を治療するまたはその発症を予防する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物を患者に投与する段階を含み、リファラジルは患者のアテローム性動脈硬化症関連疾病を治療するまたはその発症を予防するのに有効な量で投与される。患者は、典型的には、液体充填リファラジルカプセルを投与する前に、アテローム性動脈硬化症関連疾病を有する(もしくはその疾病を発症するリスクが高い)またはマクロファージもしくは泡沫細胞にC.ニューモニエ(C. pneumoniae)が感染していると診断されている。
【0026】
本発明はまた、必要としている患者のC-反応性タンパク質レベルを低下する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物を患者に投与する段階を含み、リファラジルは患者のC-反応性タンパク質のレベルを低下するのに有効な量で投与される。一態様において、患者は細菌感染症であると診断されていない。別の態様において、患者は、マクロファージまたは泡沫細胞にC.ニューモニエ(C. pneumoniae)が感染していると診断されている。
【0027】
本発明はまた、必要としている患者のマクロファージまたは泡沫細胞におけるC.ニューモニエ(C. pneumoniae)の複製を低下する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物を患者に投与する段階を含み、リファラジルは患者のマクロファージまたは泡沫細胞におけるC.ニューモニエ(C. pneumoniae)の複製を低下するのに有効な量で投与される。
【0028】
本発明はまた、患者のマクロファージまたは泡沫細胞における持続的C.ニューモニエ(C. pneumoniae)感染を治療する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物を患者に投与する段階を含み、リファラジルは患者のマクロファージまたは泡沫細胞におけるC.ニューモニエ(C. pneumoniae)感染を治療するのに有効な量で投与される。
【0029】
本発明はまた、C.ニューモニエ(C. pneumoniae)の感染に関連する慢性疾病を治療する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物を患者に投与する段階を含み、リファラジルは感染を治療するのに有効な量で投与される。
【0030】
本発明は、(i)リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物;および(ii)細菌の増殖型に有効な第2の抗生物質を患者の投与することによって増殖型および非増殖型を有する細菌が感染していると診断された患者を治療する方法であって、2つの抗生物質は、一体として感染症を治療するのに有効な量で、有効な期間にわたって投与される方法を特徴とする。
【0031】
上記の方法を実施する好ましい一方法において、細菌の増殖型に有効な抗生物質は、患者の細菌数を約106生物/mL未満に低下するのに有効な量で、有効な期間にわたって投与される。これは、典型的には、数時間〜1日、2日または3日かかるが、1週間かかることもある。これが達成されたら、次いで、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを患者に投与し、リファラジルは患者の治療を完了するのに有効な量で、有効な期間にわたって投与される。細菌の増殖型に有効な抗生物質には、本明細書に記載する抗生物質のいずれかが挙げられる。
【0032】
本発明はまた、潜在期を確立することができる細菌によって生じる細菌感染に関連する慢性疾病を有すると診断された患者を治療する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物を患者に投与する段階を含み、リファラジルは患者を治療するのに有効な量で投与される。
【0033】
本発明は、細菌感染の潜在期を治療する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物を患者に投与する段階を含む。投与する段階は、細菌感染の潜在期を治療するのに有効な期間にわたり、有効な量である。
【0034】
本発明は、(a)増殖型を治療するのに十分な時間にわたって、十分な量の抗生物質を患者に投与し、(b)リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルまたは本発明の任意の他の薬学的組成物を投与することによって細菌の非増殖型を治療することによって患者の細菌感染を治療する方法を特徴とし、投与する段階は、細菌感染の潜在期を治療するのに有効な期間にわたり、有効な量である。
【0035】
好ましくは、細菌感染は、以下:クラミジア spp.(Chlamydia spp.)(例えば、C.トラコマチス(C. trachomatis)、C.ニューモニエ(C. pneumoniae)、C. シッタシ(C. psittaci)、C. スイス(C. suis)、C. ペコルム(C. pecorum)、C. アボータス(C. abortus)、C. カビア(C. caviae)、C. フェリス(C. felis)、C. ムリダラム(C. muridarum))、N. ハルトマネラエ(N. hartmannellae)、W. コンドロフィラ(W. chondrophila)、S. ネゲベンシス(S. negevensis)またはP. アカンタメーバ(P. acanthamoeba)の1つによって生じる。
【0036】
細菌の潜在期または他の非増殖型を治療するのに有効な時間は、1日から1年の範囲である。ある例において、治療は数週間もしくは数ヶ月であっても、または場合によっては適宜、個々の患者の生涯まで延長されてもよい。例えば、治療期間は少なくとも30日、少なくとも45日、少なくとも90日または少なくとも180日である。最終的には、非増殖型が検出されないような期間に治療を延長することが最も望ましい。
【0037】
本発明はまた、抗生物質起因性細菌性下痢もしくはC. ディフィシレ(C. difficile)感染が見られる患者を治療する、または患者の疾病もしくは感染を予防する方法を特徴とする。本発明の方法は、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル、または本発明の任意の他の薬学的組成物を患者に投与する段階を含み、リファラジルは感染症を治療するのに有効な量で投与される。本発明の方法は、抗生物質起因性細菌性下痢もしくはC. ディフィシレ(C. difficile)感染が見られるまたは抗生物質起因性細菌性下痢もしくはC. ディフィシレ(C. difficile)感染症を発症するリスクのある患者の初期治療として使用しても、または(例えば、メトロニダゾールまたはバンコマイシンによる)初期治療が抗生物質起因性細菌性下痢もしくはC. ディフィシレ(C. difficile)感染の完全な治療に失敗した患者を治療するために使用してもよい。本発明の方法は、例えば、メトロニダゾール、バンコマイシンおよびリファンピシンの1つまたは複数に耐性であるC. ディフィシレ(C. difficile)生物が患者に合併している場合に使用してもよい。
【0038】
本明細書に記載する方法のいずれかについて、リファラジルは、抗炎症剤(例えば、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID;例えば、デトプロフェン(detoprofen)、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナメエート(mechlofenameate)、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメオン(nabumeone)、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダック、トルメチン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン、サリチル酸コリン、サルサルテ(salsalte)、ならびにサリチル酸ナトリウムおよびサリチル酸マグネシウム)およびステロイド(例えば、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、))、抗菌剤(例えば、アミノグリコシド、アムフェニコール、アンサマイシン、β-ラクタム、カルバペネム、セファロスポリン、セファマイシン、リンコサミド、マクロライド、ポリペプチド、テトラサイクリン、2,4-ジアミノピリミジン、ニトロフラン、キノロン、スルホンアミド、リポペプチド、オキサゾリドン、ケトライドまたはスルホン)などの1つまたは複数の追加の薬剤と併用投与することができる。例示的な抗生物質には、例示的な抗生物質には、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、テトラサイクリン、バンコマイシン、テイコプラニン、アジスロマシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、アモキシリンおよびメトロニダゾール)、血小板凝集阻害剤(例えば、アブシキシマブ、アスピリン、シロスタゾール、クロピドグレル、ジピリダモール、エプチフィバチド、チクロピジンまたはチロフィバン)、抗凝固剤(例えば、ダルテパリン、ダナパロイド、エノキサパリン、ヘパリン、チンザパリンまたはワーファリン)、解熱剤(例えば、アセトアミノフェン)または脂質低下剤(例えば、コレスチラミン、コレスチポール、ニコチン酸、ゲムフィブロジル、プロブコール、エゼチミベ、またはアトロバスタチン、ロスバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチンおよびフルバスタチンなどのスタチン)が挙げられる。これらの追加の薬剤は、液体充填リファラジルカプセル投与の14日以内、7日以内、1日以内、12時間以内もしくは1時間以内またはそれと同時に投与することができる。追加の治療薬は、液体充填リファラジルカプセルと同じまたは異なる薬学的組成物に存在してもよい。異なる薬学的組成物に存在する場合には、異なる投与経路を使用してもよい。例えば、第2の薬剤は経口投与または筋肉内もしくは皮下注射で投与してもよい。リファラジルと併用投与することができる薬剤には、本明細書に記載する薬剤のいずれかが挙げられる。
【0039】
上記方法のいずれかにおいて、リファラジルは、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む単位剤形で投与することができる。ミセル形成賦形剤は、絶食患者に投与する場合に、Cmaxの変動係数が60%未満、AUCの変動係数が40%未満および/または平均バイオアベイラビリティーが30%より大きくなるのに十分な量で存在する。
【0040】
本発明は、患者に投与されるリファラジルによって示される食物の影響を低下する方法を特徴とする。本発明の方法は、(i)リファラジルとミセル形成賦形剤を混合する段階;および(ii)患者に段階(i)の混合物を投与する段階を含み、混合物は20%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含む。望ましくは、混合物は30%(w/w)〜90%(w/w)、40%(w/w)〜90%(w/w)、50%(w/w)〜90%(w/w)、60%(w/w)〜90%(w/w)または場合によっては70%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含む。
【0041】
本発明は、さらに、患者に投与されるリファラジルの経口バイオアベイラビリティーを増加する方法を特徴とする。本発明の方法は、(i)リファラジルとミセル形成賦形剤を混合する段階;および(ii)患者に段階(i)の混合物を投与する段階を含み、混合物は20%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含む。望ましくは、混合物は30%(w/w)〜90%(w/w)、40%(w/w)〜90%(w/w)、50%(w/w)〜90%(w/w)、60%(w/w)〜90%(w/w)または場合によっては70%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含む。
【0042】
本明細書に記載する方法および組成物はまた、例えば、会社への投資を増加するまたは本発明の方法および/または組成物の消費者需要を増加するのに有用な情報を作成するためにも使用することができる。
【0043】
従って、本発明は、本明細書に記載する薬学的組成物または治療法の消費者需要を増加する方法を特徴とする。本発明の方法は本発明の薬学的組成物または治療法についての情報を普及させる段階を含む。
【0044】
本発明はさらに、本明細書に記載する薬学的組成物または治療法の販売の政府の承認を求める会社への投資を増加する方法を特徴とする。本発明は、i)本発明の薬学的組成物または治療法についての情報を普及させる段階およびii)本発明の薬学的組成物または治療法を市場に出す会社の意図についての情報を普及させる段階を含む。
【0045】
本明細書に記載する薬学的組成物の消費者需要は、状況に応じて本明細書に記載する治療法の一部としての本発明の薬学的組成物を投与する取扱説明書と共に、本発明の薬学的組成物または治療法の有用性、有効性または安全性についての情報を普及させることによって増加させることができる。消費者には、保健維持機構、病院、医師および患者が挙げられる。典型的には、情報は本発明の組成物または治療法の販売の政府承認の前に普及される。
【0046】
状況に応じて本明細書に記載する治療法の一部としての本発明の薬学的組成物を投与する取扱説明書と共に、本明細書に記載する薬学的組成物の販売を計画している会社は、本発明の薬学的組成物の販売の政府承認を求める会社の意図についての情報を普及させることによっておよび本発明の薬学的組成物または治療法についての情報を普及させることによって投資を増加することができる。例えば、会社は、本発明の薬学的組成物または治療法の毒性、有効性または投与の必要性についての情報を含むが、それに限定されるわけではない、会社が実施したまたは計画しているインビボにおける検討についての情報を普及させることによって投資を増加することができる。会社はまた、本発明の薬学的組成物または治療法の政府承認の予測される日時についての情報を普及させることによっても投資を増加することができる。
【0047】
情報は、新聞発表、パブリックプレゼンテーション(例えば、見本市または会議における口頭またはポスタープレゼンテーション)、ウェブサイトへのオンライン投稿および郵送を含むが、それに限定されるわけではない種々の方法のいずれかで普及させることができる。本発明の薬学的組成物または治療法についての情報には、構造、ダイアグラム、図、化学名、一般名、商品名、化学式、リファレンスレーベルまたは本発明の薬学的組成物もしくは治療法のアイデンティティーを人に伝達する任意の他の識別子が挙げられるが、それに限定されるわけではない。
【0048】
「インビボにおける検討」は、例えば、毒性および有効性に関するデータを収集するための非臨床検討ならびに臨床検討を含むが、それに限定されるわけではない、本発明の薬学的組成物または治療法が哺乳類に投与される任意の検討を意味する。
【0049】
「政府承認の予測される日時」は、本発明の薬学的組成物または治療法を例えば、患者、医師または病院に販売するの政府当局の承認を会社が受領する日付の任意の推定を意味する。政府の承認には、例えば、特に、食品医薬品局による薬物申請の承認が挙げられる。
【0050】
本明細書において使用する「バイオアベイラビリティー」は、患者への経口投与後に吸収される薬物の割合をいう。絶食条件下では、本明細書に記載するように製剤化されるリファラジルのバイオアベイラビリティーは少なくとも25%であるが、投与される用量の30%、35%、40%、45%または場合によっては50%を超えてもよい。
【0051】
「変動係数」は、特定の薬物動態パラメーターについて算術的な標準偏差を算術平均で割ったものを意味し、データは12人またはそれ以上の患者を含む薬物動態学的検討から得られる。
【0052】
「Cmax」は、投与後に血中で達成されるリファラジルの最大濃度を意味する。
【0053】
「AUC」は、リファラジルの血漿濃度対時間曲線をt=0〜∞まで積分した面積を意味する。
【0054】
「食物の影響」は、摂食条件下において投与されるリファラジルと比較して、絶食条件下において投与されるリファラジルの平均薬物動態パラメーターCmax、Tmax、AUCおよびバイオアベイラビリティーの差を意味する。
【0055】
本明細書において使用する「食物の影響を低下する」は、差が微小顆粒化(microgranulated)したリファラジルについて観察されるものより小さくなるように、摂食状態において投与されるリファラジルと比較して、絶食状態において投与されるリファラジルのCmax、Tmax、AUCおよびバイオアベイラビリティーのいずれか1つの差を小さくすることをいう。
【0056】
「摂食」または「摂食状態」は、被験者が薬物投与の前の30分以内に食べたことを意味する。
【0057】
「絶食」または「絶食状態」は、被験者が薬物投与の12時間前から4時間後まで食べなかったことを意味する。
【0058】
本明細書において使用する「治療する」という用語は、予防目的および/または治療目的のために薬学的組成物を投与することをいう。「疾病を予防する」ことは、まだ病気ではないが、特定の疾病に罹患しやすいまたは特定の疾病のリスクがある患者の予防的な治療をいう。「疾病を治療する」ことまたは「治療的治療」のための使用は、患者の状態を改善または安定化するために、すでに疾病に罹患している患者に治療を施すことをいう。従って、本発明の特許請求の範囲および態様において、治療することは治療的または予防的目的のために患者に投与することである。
【0059】
「患者」はヒトを意味する。
【0060】
本明細書において使用する「投与」または「投与すること」は、患者にリファラジルを経口投与することをいう。
【0061】
本明細書において使用する「十分な量」は、微小顆粒化リファラジルと比較して、Cmaxの変動係数を低下する、AUCの変動係数を低下する、食物の影響を低下する、またはバイオアベイラビリティーを増加するのに必要なリファラジルの単位剤形製剤中のミセル形成賦形剤の量をいう。本発明を実施するのに使用されるミセル形成賦形剤の十分な量は、単位剤形製剤中のリファラジルの量およびミセル形成賦形剤の性質に応じて変わる。十分な量は、実施例6に記載する薬物動態学的検討を実施することによって設定することができる。
【0062】
「有効な」量は、感染症または感染に関連する疾病を治療または予防するのに必要なリファラジルの量を意味する。微生物感染によって生じるまたは微生物感染に起因する状態の治療的または予防的治療のために本発明を実施するために使用されるリファラジルの有効な量は、投与方法、被験者の年齢、体重および全身の健康状態に応じて変わる。最終的には、担当医が適当な量および投与計画を決定する。このような量は「有効な」量といわれる。
【0063】
「単位剤形」という用語は、各単位が所定の量のリファラジルを含有する、ピル、錠剤、カプレット、硬カプセルまたは軟カプセルなどの単位投与として好適な物理的に別個な単位をいう。本発明の単位剤形はリファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む。
【0064】
本明細書において使用する「ミセル形成賦形剤」は、消化管媒体中に放出されるとミセルを形成することができる賦形剤をいう。ミセルの形成は、特に表面張力測定、水不溶性染料の可溶化、伝導性測定および光散乱を含む、当技術分野において公知のいくつかの標準的な方法のいずれかを使用してモニターすることができる。
【0065】
「硬カプセル」は、薬物および賦形剤の固体または液体ペイロードを搬送することができる2部の、カプセル形状の容器を形成する膜を含むカプセルを意味する。
【0066】
「軟カプセル」は、薬物および賦形剤の液体または半固体ペイロードを搬送する単一の容器に成形されたカプセルを意味する。
【0067】
「細菌感染」は、病原菌による宿主の侵入を意味する。例えば、感染は、通常ヒトの生体内もしくは生体表面に存在する細菌の過剰増殖または通常動物内もしくはヒト表面に存在しない細菌の増殖を含んでもよい。さらに一般的に、細菌感染は、細菌集団の存在が宿主生体に障害となっている任意の状況であってもよい。従って、過剰量の細菌集団がヒトの生体内もしくは動物生体表面に存在する場合、または細菌集団の存在がヒトの細胞もしくは他の組織の障害になっている場合には、ヒトは細菌感染を「受けている」。
【0068】
「アテローム性動脈硬化症」は、動脈の内層に平滑筋細胞、免疫細胞(例えば、リンパ球、マクロファージまたは単球)、脂質産物(例えば、リポタンパク質またはコレステロール)、細胞の老廃物、カルシウムまたは他の物質の蓄積が進行して、血管が狭窄または閉塞し、アテローム性動脈硬化症関連疾病が発症することを意味する。アテローム性動脈硬化症は、典型的には、大型および中型の動脈内に発症し、しばしば動脈内の慢性炎症状態によって特徴づけられる。
【0069】
「アテローム性動脈硬化症関連疾病」は、アテローム性動脈硬化症によって生じるまたはアテローム性動脈硬化症に関連する任意の疾患を意味する。典型的には、冠動脈のアテローム性動脈硬化症は、通常、冠動脈疾病、心筋梗塞、冠動脈血栓症および狭心症を生じる。中枢神経系に供給する動脈のアテローム性動脈硬化症は、卒中および一過的脳虚血を誘発することが多い。抹消循環では、アテローム性動脈硬化症は間欠性跛行および壊疽を生じ、四肢の生存を危うくすることがある。内蔵循環の動脈のアテローム性動脈硬化症は腸間膜虚血を生じることがある。アテローム性動脈硬化症は腎臓に直接影響することもある(例えば、腎動脈狭窄)。
【0070】
アテローム性動脈硬化症関連疾病が治療される患者は、医療担当者がこのような疾病を有すると診断した患者である。診断は任意の好適な手段によってもよい。全身炎症マーカーを測定することによってアテローム性動脈硬化症を診断するための方法は、例えば、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,040,147号に記載されている。診断およびモニタリングは、心電図、胸部X線、心エコー、心臓カテーテル法、超音波(血管壁の厚さを測定するため)またはCPK、CPK-MB、ミオグロブリン、トロポニン、ホモシステインもしくはC-反応性タンパク質の血中レベルの測定を使用してもよい。アテローム性動脈硬化症関連疾病の発症が予防される患者は、このような診断を受けていない患者である。これらの患者に同じ試験(心電図、胸部X線等)を実施してもまたは試験することなく、1つまたは複数のリスクファクター(例えば、家族歴、高血圧、糖尿病、高コレステロールレベル)の存在により高リスクの患者と同定されていてもよいことを当業者は理解している。従って、液体充填リファラジルカプセルの予防的な投与は、アテローム性動脈硬化症関連疾病の発症を予防していると考えられる。
【0071】
疾病の1つまたは複数の試験(例えば、上記のもののいずれか)が、患者の状態が改善されたまたは患者のリスクが低下したことを示す場合には、アテローム性動脈硬化症関連疾病は治療または予防されている。一例において、C-反応性タンパク質の正常レベルへの低下は、アテローム性動脈硬化症関連疾病が治療または予防されたことを示す。
【0072】
治療または予防を評価する別の手段には、C.ニューモニエ(C. pneumoniae)の感染の存在の判定が挙げられる。任意の好適な方法を使用することができる(例えば、血中の単球またはアテローム自体(例えば、脂肪線条に存在するマクロファージまたは泡沫細胞)におけるC.ニューモニエ(C. pneumoniae)の測定、または患者の生物試料中のC.ニューモニエ(C. pneumoniae) DNA、RNAもしくはC.ニューモニエ(C. pneumoniae)に対する抗体の検出)。
【0073】
「抗生物質関連細菌性下痢症」は、抗生物質治療が消化管の微生物叢のバランスを乱し、C.ディフィシレのような病原性生物が繁茂するのを許している状態を意味する。これらの生物が下痢をもたらす。抗生物質関連細菌性下痢症には、C.ディフィシレ関連性下痢症(CDAD)および偽膜性大腸炎のような状態が含まれる。リファラジルをC.ディフィシレ感染症の治療のために液体充填カプセルとして投与する場合、リファラジル有効量は、C.デフィシレを検出する診断テストによって決定される際の、患者からC.デフィシレを根絶するのに必要な量であるか、またはC.デフィレシレ感染症を予防する量である。
【0074】
偽膜性全腸炎または腸炎としても公知の「偽膜性大腸炎」は、偽膜性物質(フィブリン、粘液、壊死上皮細胞および白血球を含む)の形成および便への流入を伴う小腸および大腸の粘膜の炎症を意味する。
【0075】
「下部消化管」という用語は、小腸(回腸)および結腸の下の部分を意味する。
【0076】
「自己免疫病」は、自己抗原および個人自身の組織に対する免疫反応によって生じる疾病を意味する。自己免疫病の例には、全身エリテマトーデス、関節リウマチ、重症筋無力症およびグレーブス病が挙げられるが、それに限定されるわけではない。
【0077】
「細菌」は、通常、細胞分裂によって増殖する単細胞の原核細胞を意味する。
【0078】
「潜伏期を確立することができる細菌」は、ライフサイクルが持続的な非増殖期を含む任意の種を意味する。これらの種には、C.トラコマチス(C. trachomatis)、C.ニューモニエ(C. pneumoniae)、C. シッタシ(C. psittaci)、C. スイス(C. suis)、C. ペコルム(C. pecorum)、C. アボータス(C. abortus)、C. カビア(C. caviae)、C. フェリス(C. felis)、C. ムリダラム(C. muridarum)、N. ハルトマネラエ(N. hartmannellae)、W. コンドロフィラ(W. chondrophila)、S. ネゲベンシス(S. negevensis)およびP. アカンタメーバ(P. acanthamoeba)ならびにEverett et al. (Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 49: 415-440(1999))に記載されている任意の他の種が挙げられるが、それに限定されるわけではない。
【0079】
「慢性疾病」は、迅速に終了する急性疾病とは対照的に、長期継続するまたは徐々に進行する難治性疾病を意味する。慢性疾病は、急激な発症で開始することもあれば、またはゆっくりと潜行的に開始することもあるが、数週間、数ヶ月または数年持続する傾向があり、終わりはあいまいではっきりしない。
【0080】
「潜在期」は、代謝的活動がほとんどまたは全くないことによって特徴づけられる感染の細胞内潜在期または休止期を意味する。非複製潜在期は、しばしば、持続型の細胞内細菌感染の特徴である。
【0081】
「基本小体期」は、基本小体(EB)の存在によって特徴付けられる細菌のライフサイクルの感染期を意味する。EBは、代謝的に不活性で、非複製の小型(300〜400 nm)で感染性の胞子様形態であり、無細胞環境において見られることが最も多い。EBは、酵素分解、超音波処理および浸透圧などの種々の物理的損傷から保護する硬い膜を有する。
【0082】
「免疫無防備状態」は、感染菌、例えば、ウイルス、細菌、真菌および原虫による抗原提示に対する正常な細胞性または液性防御を上昇させる能力の減弱または低下を示す人を意味する。免疫無防備状態であると考えられる人には、栄養失調患者、外科手術および骨髄移植を受けた患者、化学療法または放射線療法を受けた患者、好中球減少患者、HIV感染患者、外傷患者、火傷患者、骨髄異形成症候群によって生じるものなどの慢性または難治性感染症患者ならびに高齢者が挙げられ、それらは全て免疫系が減退している。
【0083】
「炎症性疾病」は、(1)血流の増加を生ずる血管内径の変化、(2)血漿タンパク質および白血球の循環系からの流出を可能にする微小血管の構造的変化、ならびに(3)微小循環からの白血球の遊出および傷害部位への蓄積によって特徴付けられる疾病状態を意味する。急性炎症の典型的な徴候は紅斑、浮腫、圧痛(痛覚過敏)および疼痛である。慢性炎症性疾病は、単核細胞(例えば、マクロファージ、リンパ球および血漿細胞)の浸潤、組織破壊および線維症によって特徴づけられる。炎症性疾病の限定するものではない例には、喘息、冠動脈疾病、関節炎、結膜炎、鼠径リンパ肉芽腫症および卵管炎が挙げられる。
【0084】
「細胞質内封入」は、細胞壁のない複製中の網様体(RB)を意味する。このような封入は、例えば、哺乳類細胞系統のクラミジア試料単離および増殖、次に固定ならびにギムザ染色、ヨウ素染色および免疫蛍光を含む種々の染色方法の1つを使用する染色によって検出することができる。これらの封入は典型的な丸いまたは卵形の外観を有する。
【0085】
「持続的な細菌感染」は、抗生物質を使用する標準的な治療法により完全に根絶されない感染症を意味する。持続的な細菌感染症は、潜在期または細菌の他の非増殖型を確立することができる細菌によって生じ、患者由来の細菌を培養し、抗生物質の存在下においてインビトロにおいて細菌の生存度を証明するまたは患者における抗菌治療の失敗を判定することによって分類することができる。本明細書において使用する患者の持続感染には、抗生物質治療を受けた後の同一種からの感染の2年またはそれ以上の期間における3回またはそれ以上の任意の再発または患者の感染の潜在期の検出が挙げられる。インビボにおける持続感染は、1種または複数種の抗生物質による治療後に細菌感染している細胞における16S rRNA転写物の存在を証明するために逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)の使用により同定することができる(Antimicrob. Agents Chemother. 12: 3288-3297, 2000)。
【0086】
本明細書において使用する「非増殖」期または細菌は、細菌の非増殖期をいう。典型的には、非増殖細菌は標準的な抗菌療法で死滅しない(例えば、Martinez et al., Antimicrob. Agents Chemother. 44: 1771-1777(2000);Riesenfeld et al., Antimicrob. Agents Chemother. 41: 2059-2060(1997);Alonso et al., Microbiology 145: 2857-2862(1999)参照)。
【0087】
「複製期」は、RBの存在によって特徴付けられる細菌の細胞周期の段階を意味する。RBはクラミジアの活発に複製する型である。それは細胞壁がなく、細胞の封入体として検出される。
【0088】
「微生物感染」は、病原性微生物による宿主患者の侵入をいう。これは、通常患者の生体内もしくは生体表面に存在する微生物の過剰増殖を含む。さらに一般的には、微生物感染は、微生物集団の存在が宿主動物に障害となっている任意の状況であってもよい。従って、過剰な数の微生物集団が患者の生体内もしくは患者の生体表面に存在する場合、または微生物集団の存在が患者の細胞もしくは他の組織の障害になっている場合には、患者は微生物感染を「受けている」。
【0089】
ヒトに投与する場合、本明細書に記載するリファラジル製剤は、米国特許第5,547,683号に開示されている微小顆粒化リファラジルの投与と比較して、リファラジルのバイオアベイラビリティーを増加する。リファラジル製剤はまた、微小顆粒化製剤と比較して薬物動態学的パラメーター(例えば、CmaxおよびAUC)の変動係数を低下する。
【0090】
詳細な説明
本発明は、リファラジルの微小顆粒化製剤と比較して、例えば、Cmaxの変動係数を低下することによって、AUCの変動係数を低下することによって、食物の影響を低下することによっておよび/またはリファラジルのバイオアベイラビリティーを増加することによって、リファラジルおよびリファラジルの薬物動態を変更するのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む薬学的製剤を提供する。
【0091】
製剤
本明細書に記載するように、ミセル形成賦形剤を、経口投与のための単位剤形のリファラジルに添加することができる。この賦形剤は、腸におけるリファラジルの溶解を促進すると思われ、吸収を増加し、リファラジルのバイオアベイラビリティーの均一性を増加する。使用される賦形剤は、ヒトにおいて高い安全性を有するものに制限される。
【0092】
参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,365,637号に開示されているものおよび以下のクラスに属する化合物を含む、種々のミセル形成賦形剤をリファラジルの製剤に使用することができる:ポリエトキシル化脂肪酸、PEG-脂肪酸ジエステル、PEG-脂肪酸のモノエステルおよびジエステルの混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、アルコール-オイルエステル交換反応生成物、ポリグリセリン脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステルおよびグリセロールエステルの混合物、モノグリセリドおよびジグリセリド、ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステルおよびイオン性界面活性剤。各クラスの賦形剤の市販の例を以下に提供する。
【0093】
ポリエトキシル化脂肪酸をリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のポリエトキシル化脂肪酸モノエステル界面活性剤の例には:PEG 4-100 モノラウレート(Crodet L シリーズ、Croda)、PEG 4-100モノオレエート(Crodet O シリーズ、Croda)、PEG 4-100 モノステアレート(Crodet S シリーズ、CrodaおよびMyrj シリーズ、Atlas/ICI)、PEG 400ジステアレート (Cithrol 4DS シリーズ、Croda)、PEG 100、200または 300 モノラウレート (Cithrol ML シリーズ、Croda)、PEG 100、200または 300 モノオレエート (Cithrol MO シリーズ、Croda)、PEG 400 ジオレエート (Cithrol 4DO シリーズ、Croda)、PEG 400-1000 モノステアレート (Cithrol MS シリーズ、Croda)、PEG-1 ステアレート (Nikkol MYS-1EX、Nikkoおよび Coster K1、Condea)、PEG-2 ステアレート(Nikkol MYS-2、Nikko)、PEG-2 オレエート (Nikkol MYO-2、Nikko)、PEG-4 ラウレート(Mapeg(登録商標) 200ML、PPG)、PEG-4 オレエート(Mapeg(登録商標))200 MO、PPG)、PEG-4ステアレート(Kessco((登録商標)) PEG 200 MS、Stepan)、PEG-5ステアレート(Nikkol TMGS-5、Nikko)、PEG-5 オレエート(Nikkol TMGO-5、Nikko)、PEG-6オレエート(Algon OL 60、Auschem SpA)、PEG-7オレエート(Algon OL 70、Auschem SpA)、PEG-6ラウレート(Kessco(登録商標)PEG300 ML、Stepan)、PEG-7ラウレート(Lauridac 7、Condea)、PEG-6ステアレート(Kessco(登録商標)PEG300 MS、Stepan)、PEG-8ラウレート(Mapeg(登録商標)400 ML、PPG)、PEG-8オレエート(Mapeg(登録商標))400 MO、PPG)、PEG-8ステアレート(Mapeg(登録商標)400 MS、PPG)、PEG-9オレエート(Emulgante A9、Condea)、PEG-9ステアレート(Cremophor S9、BASF)、PEG-10ラウレート(Nikkol MYL-10、Nikko)、PEG-10オレエート(Nikkol MYO-10、Nikko)、PEG-12ステアレート(Nikkol MYS-10、Nikko)、PEG-12ラウレート(Kessco(登録商標)PEG600 ML、Stepan)、PEG-12オレエート(Kessco(登録商標)PEG600 MO、Stepan)、PEG-12リシノレート(CAS#9004-97-1)、PEG-12ステアレート(Mapeg(登録商標)600 MS、PPG)、PEG-15 ステアレート (Nikkol TMGS-15、Nikko)、PEG-15 オレエート (Nikkol TMGO-15、Nikko)、PEG-20 ラウレート(Kessco(登録商標) PEG 1000 ML、Stepan)、PEG-20 オレエート(Kessco(登録商標) PEG 1000 MO、Stepan)、PEG-20 ステアレート(Mapeg(登録商標) 1000 MS、PPG)、PEG-25 ステアレート (Nikkol MYS-25、Nikko)、PEG-32 ラウレート(Kessco(登録商標) PEG 1540 ML、Stepan)、PEG-32 オレエート(Kessco(登録商標) PEG 1540 MO、Stepan)、PEG-32 ステアレート(Kessco(登録商標)PEG 1540 MS、Stepan)、PEG-30ステアレート(Myrj 51)、PEG-40ラウレート(Crodet L40、Croda)、PEG-40オレエート(Crodet L40、Croda)、PEG-40ステアレート(Emerest(登録商標)2715、Henkel)、PEG-45ステアレート(Nikkol MYS-45、Nikko)、PEG-50ステアレート(Myrj 53)、PEG-55ステアレート(Nikkol MYS-55、Nikko)、PEG-100オレエート(Crodet O-100、Croda)、PEG-100ステアレート(Ariacel 165、ICI)、PEG-200オレエート(Albunol 200 MO、Taiwan Surf.)、PEG-400オレエート(LACTOMUL、Henkel)およびPEG-600オレエート(Albunol 600 MO、Taiwan Surf)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のポリエトキシル化脂肪酸の1つまたは複数を含むことができる。
【0094】
ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルもリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルの例には:PEG-4 ジラウレート(Mapeg(登録商標)200 DL、PPG)、PEG-4 ジオレエート(Mapeg(登録商標) 200 DO、PPG)、PEG-4 ジステアレート(Kessco(登録商標) 200 DS、Stepan)、PEG-6 ジラウレート (Kessco(登録商標)PEG 300 DL、Stepan)、PEG-6 ジオレエート(Kessco(登録商標) PEG 300 DO、Stepan)、PEG-6 ジステアレート(Kessco(登録商標) PEG 300 DS、Stepan)、PEG-8 ジラウレート(Mapeg(登録商標) 400 DL、PPG)、PEG-8 ジオレエート(Mapeg(登録商標) 400 DO、PPG)、PEG-8 ジステアレート(Mapeg(登録商標) 400 DS、PPG)、PEG-10 ジパルミテート (Polyaldo 2PKFG)、PEG-12 ジラウレート (Kessco(登録商標)PEG 600 DL、Stepan)、PEG-12 ジステアレート (Kessco(登録商標) PEG 600 DS、Stepan)、PEG-12 ジオレエート(Mapeg(登録商標) 600 DO、PPG)、PEG-20 ジラウレート(Kessco(登録商標) PEG 1000 DL、Stepan)、PEG-20 ジオレエート PEG 1000 DO、Stepan)、PEG-20 ジステアレート (Kessco(登録商標)PEG 1000 DS、Stepan)、PEG-32 ジラウレート(Kessco(登録商標) PEG 1540 DL、Stepan)、PEG-32 ジオレエート(Kessco(登録商標) PEG 1540 DO、Stepan)、PEG-32 ジステアレート(Kessco(登録商標) PEG 1540 DS、Stepan)、PEG-400 ジオレエート (Cithrol 4DO シリーズ、Croda)および PEG-400 ジステアレート Cithrol 4DS シリーズ、Croda)が挙げられる。本発明のリファラジルの製剤は上記のポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルの1つまたは複数を含むことができる。
【0095】
PEG-脂肪酸のモノエステル混合物およびジエステル混合物をリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のPEG-脂肪酸のモノエステル混合物およびジエステル混合物の例には:PEG 4-150 モノ、ジラウレート(Kessco(登録商標) PEG 200-6000 モノ、ジラウレート、Stepan)、PEG 4-150 モノ、ジオレエート(Kessco(登録商標) 200-6000 モノ、ジオレエート、Stepan)、および PEG 4-150 モノ、ジステアレート(Kessco(登録商標) 200-6000 モノ、ジステアレート、Stepan)が挙げられる。本発明のリファラジルの製剤は上記のPEG-脂肪酸のモノエステル混合物およびジエステル混合物の1つまたは複数を含むことができる。
【0096】
また、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルはリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルの例には:PEG-20 グリセリルラウレート(Tagat(登録商標) L、Goldschmidt)、PEG-30 グリセリルラウレート(Tagat(登録商標) L2、Goldschmidt)、PEG-15 グリセリルラウレート (Glycerox L シリーズ、Croda)、PEG-40 グリセリルラウレート (Glycerox L シリーズ、Croda)、PEG-20 グリセリルステアレート(Capmul(登録商標) EMG、ABITEC)およびAldo(登録商標) MS-20 KFG、Lonza)、PEG-20 グリセリルオレエート (Tagat(登録商標) O、Goldschmidt)および PEG-30 グリセリルオレエート(Tagat(登録商標) 02、Goldschmidt)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルの1つまたは複数を含むことができる。
【0097】
アルコール-オイルエステル交換反応生成物もリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のアルコール-オイルエステル交換反応生成物の例には:PEG-3 ヒマシ油 (Nikkol CO-3、Nikko)、PEG-5、9および 16 ヒマシ油 (ACCONON CA シリーズ、ABITEC)、PEG-20 ヒマシ油、(Emalex C-20、Nihon Emulsion)、PEG-23 ヒマシ油 (Emulgante EL23)、PEG-30 ヒマシ油 (Incrocas 30、Croda)、PEG-35 ヒマシ油 (Incrocas-35、Croda)、PEG-38 ヒマシ油 (Emulgante EL 65、Condea)、PEG-40 ヒマシ油 (Emalex C-40、Nihon Emulsion)、PEG-50 ヒマシ油 (Emalex C-50、Nihon Emulsion)、PEG-56 ヒマシ油(Eumulgin(登録商標) PRT 56、Pulcra SA)、PEG-60 ヒマシ油 (Nikkol CO-60TX、Nikko)、PEG-100 ヒマシ油、PEG-200 ヒマシ油 (Eumulgin(登録商標)PRT 200、Pulcra SA)、PEG-5 水素化ヒマシ油 (Nikkol HCO-5、Nikko)、PEG-7 水素化ヒマシ油 (Cremophor W07、BASF)、PEG-10 水素化ヒマシ油 (Nikkol HCO-10、Nikko)、PEG-20 水素化ヒマシ油 (Nikkol HCO-20、Nikko)、PEG-25 水素化ヒマシ油 (Simulsol(登録商標)1292、Seppic)、PEG-30 水素化ヒマシ油 (Nikkol HCO-30、Nikko)、PEG-40 水素化ヒマシ油 (Cremophor RH 40、BASF)、PEG-45 水素化ヒマシ油 (Cerex ELS 450、Auschem Spa)、PEG-50 水素化ヒマシ油 (Emalex HC-50、Nihon Emulsion)、PEG-60 水素化 ヒマシ油 (Nikkol HCO-60、Nikko)、PEG-80 水素化 ヒマシ油 (Nikkol HCO-80、Nikko)、PEG-100 水素化ヒマシ油 (Nikkol HCO-100、Nikko)、PEG-6 コーンオイル(Labrafil(登録商標) M 2125 CS、Gattefosse)、PEG-6 アーモンドオイル(Labrafil(登録商標) M 1966 CS、Gattefosse)、PEG-6 杏仁油(Labrafil(登録商標) M 1944 CS、Gattefosse)、PEG-6 オリーブオイル(Labrafil(登録商標) M 1980 CS、Gattefosse)、PEG-6 ピーナッツ オイル(Labrafil(登録商標) M 1969 CS、Gattefosse)、PEG-6 水素化パーム核オイル(Labrafil(登録商標) M 2130 BS、Gattefosse)、PEG-6 パーム核オイル(Labrafil(登録商標) M 2130 CS、Gattefosse)、PEG-6 トリオレイン(Labrafil(登録商標) M 2735 CS、Gattefosse)、PEG-8 コーン オイル(Labrafil(登録商標) WL 2609 BS、Gattefosse)、PEG-20コーングリセリド(Crovol M40、Croda)、PEG-20 アーモンドグリセリド (Crovol A40、Croda)、PEG-25 トリオレエート(TAGAT(登録商標) TO、Goldschmidt)、PEG-40 パーム核オイル (Crovol PK-70)、PEG-60 コーングリセリド (Crovol M70、Croda)、PEG-60 アーモンドグリセリド(Crovol A70、Croda)、PEG-4カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Labrafac(登録商標) Hydro、Gattefosse)、PEG-8 カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Labrasol、Gattefosse)、PEG-6 カプリル酸/カプリン酸グリセリド(SOFTIGEN(登録商標) 767、Huls)、ラウロイルマクロゴール-32 グリセリド (GELUCIRE 44/14、Gattefosse)、ステアロイルマクロゴールグリセリド (GELUCIRE 50/13、Gattefosse)、植物油およびソルビトールのモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル(SorbitoGlyceride、Gattefosse)、ペンタエリスリチルテトライソステアレート (Crodamol PTIS、Croda)、ペンタエリスリチルジステアレート (Albunol DS、Taiwan Surf.)、ペンタエリスリチルテトラオレエート (Liponate PO-4、Lipo Chem.)、ペンタエリスリチルテトラステアレート (Liponate PS-4、Lipo Chem. )、ペンタエリスリチルテトラカプリレート テトラカプレート (Liponate PE-810、Lipo Chem. )およびペンタエリスリチルテトラオクタノエート(Nikkol Pentarate 408、Nikko)が挙げられる。ビタミンA、D、E、K等などの脂溶性ビタミンもこのカテゴリーの界面活性剤のオイルとして含まれる。従って、トコフェリルPEG-1000スクシネート(TPGS、Eastman社製)などのこれらのビタミンの誘導体も好適な界面活性剤である。本発明によるリファラジルの製剤は、上記のアルコール-オイルエステル交換反応生成物の1つまたは複数を含むことができる。
【0098】
ポリグリセリン脂肪酸もリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のポリグリセリン脂肪酸の例には:ポリグリセリル-2 ステアレート (Nikkol DGMS、Nikko)、ポリグリセリル-2 オレエート (Nikkol DGMO、Nikko)、ポリグリセリル-2 イソステアレート (Nikkol DGMIS、Nikko)、ポリグリセリル-3 オレエート(Caprol(登録商標) 3GO、ABITEC)、ポリグリセリル-4 オレエート (Nikkol Tetraglyn 1-O Nikko)、ポリグリセリル-4 ステアレート (Nikkol Tetraglyn 1-S、Nikko)、ポリグリセリル-6 オレエート (Drewpol 6-1-O、Stepan)、ポリグリセリル-10 ラウレート (Nikkol Decaglyn 1-L、Nikko)、ポリグリセリル-10オレエート (Nikkol Decaglyn 1-O、Nikko)、ポリグリセリル-10 ステアレート (Nikkol Decaglyn 1-S、Nikko)、ポリグリセリル-6 リシノレート (Nikkol Hexaglyn PR-15、Nikko)、ポリグリセリル-10 リノレート (Nikkol Decaglyn 1-LN、Nikko)、ポリグリセリル-6 ペンタオレエート (Nikkol Hexaglyn 5-O、Nikko)、ポリグリセリル-3 ジオレエート (Cremophor GO32、BASF)、ポリグリセリル-3 ジステアレート (Cremophor GS32、BASF)、ポリグリセリル-4 ペンタオレエート (Nikkol Tetraglyn Nikko)、ポリグリセリル-6 ジオレエート(Caprol(登録商標) 6G20、ABITEC)、ポリグリセリル-2 ジオレエート (Nikkol DGDO、Nikko)、ポリグリセリル-10 トリオレエート (Nikkol Decaglyn 3-O、Nikko)、ポリグリセリル-10 ペンタオレエート (Nikkol Decaglyn 5-O、Nikko)、ポリグリセリル-10 セプタオレエート (Nikkol Decaglyn 7-O、Nikko)、ポリグリセリル-10 テトラオレエート(Caprol(登録商標) 10G4O、ABITEC)、ポリグリセリル-10 デカイソステアレート (Nikkol Decaglyn 10-IS、Nikko)、ポリグリセリル-101 デカオレエート (Drewpol 10-10-O Stepan)、ポリグリセリル-10 モノ、ジオレエート(Caprol(登録商標) PGE 860、ABITEC) および ポリグリセリルポリリシノレート (Polymuls、Henkel)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は、上記のポリグリセリン脂肪酸の1つまたは複数を含むことができる。
【0099】
また、プロピレングリコール脂肪酸エステルをリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のプロピレングリコール脂肪酸エステルの例には:プロピレングリコールモノカプリレート (Capryol 90、Gattefosse)、プロピレングリコールモノラウレート (Lauroglycol 90、Gattefosse)、プロピレングリコールオレエート (Lutrol OP2000、BASF)、プロピレングリコールミリステート (Mirpyl)、プロピレングリコールモノステアレート (LIPO PGMS、Lipo Chem.)、プロピレングリコールヒドロキシステアレート、プロピレングリコールリシノレート(PROPYMULS、Henkel)、プロピレングリコールイソステアレート、プロピレングリコールモノオレエート (Myverol P-O6、Eastman)、プロピレングリコールジカプリレートジカプレート(Captex(登録商標) 200、ABITEC)、プロピレングリコールジオクタノエート (Captex(登録商標) 800、ABITEC)、プロピレングリコールカプリレートカプレート (LABRAFAC PG、Gattefosse)、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジステアレート(Kessco(登録商標) PGDS、Stepan)、プロピレングリコールジカプリレート (Nikkol Sefsol 228、Nikko)およびプロピレングリコールジカプレート (Nikkol PDD、Nikko)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のプロピレングリコール脂肪酸エステルの1つまたは複数を含むことができる。
【0100】
プロピレングリコールエステルとグリセロールエステルの混合物もリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。好ましい一混合物はプロピレングリコールおよびグリセロールのオレイン酸エステル(Arlacel 186)を含む。このような界面活性剤の例には:オレイル(ATMOS 300、ARLACEL 186、ICI)およびステアリル(ATMOS 150)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のプロピレングリコールエステルとグリセロールエステルの混合物の1つまたは複数を含むことができる。
【0101】
さらに、モノグリセリドおよびジグリセリドをリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のモノグリセリドおよびジグリセリドの例には:モノパルミトレイン (C16 : 1) (Larodan)、モノエライジン(C18 : 1)(Larodan)、モノカプロイン (C6) (Larodan)、モノカプリリン (Larodan)、モノカプリン (Larodan)、モノラウリン (Larodan)、グリセリルモノミリステート (C14) (Nikkol MGM、Nikko)、グリセリルモノオレエート (C18 : 1) (PECEOL、Gattefosse)、グリセリルモノオレエート (Myverol、Eastman)、グリセロールモノオレエート/リノレート (OLICINE、Gattefosse)、グリセロールモノリノレート (Maisine、Gattefosse)、グリセリルリシノレート (Softigen(登録商標) 701、Huls)、グリセリルモノラウレート (ALDO(登録商標)MLD、Lonza)、グリセロールモノパルミテート (Emalex GMS-P、Nihon)、グリセロールモノステアレート(Capmul(登録商標) GMS、ABITEC)、グリセリルモノオレエートおよびグリセリルジオレエート(Capmul(登録商標) GMO-K、ABITEC)、グリセリルパルミチン/ステアリン(palmitic/stearic) (CUTINA MD-A、ESTAGEL-G18)、グリセリルアセテート(Lamegin(登録商標) EE、Grunau GmbH)、グリセリルラウレート(Imwitor(登録商標) 312、Huls)、グリセリルシトレート/ラクテート/オレエート/リノレート(Imwitor(登録商標) 375、Huls)、グリセリルカプリレート (Imwitor(登録商標)308、Huls)、グリセリルカプリレート/カプレート(Capmul(登録商標) MCM、ABITEC)、カプリル酸モノグリセリドおよびカプリル酸ジグリセリド(Imwitor(登録商標) 988、Huls)、カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Imwitor(登録商標)742、Huls)、モノアセチル化モノグリセリドおよびジアセチル化モノグリセリド(Myvacet(登録商標)9-45、Eastman)、グリセリルモノステアレート(Aldo(登録商標) MS、Arlacel 129、ICI)、モノおよびジグリセリドの乳酸エステル (LAMEGIN GLP、Henkel)、ジカプロイン (C6) (Larodan)、ジカプリン(C10) (Larodan)、ジオクタノイン(C8) (Larodan)、ジミリスチン(C14) (Larodan)、ジパルミチン (C16) (Larodan)、ジステアリン(Larodan)、グリセリルジラウレート(C12) (Capmul(登録商標)GDL、ABITEC)、グリセリルジオレエート(Capmul(登録商標) GDO、ABITEC)、脂肪酸のグリセロールエステル(GELUCIRE 39/01、Gattefosse)、ジパルミトレイン (C16 : 1) (Larodan)、1,2 および 1,3-ジオレイン (C18 : 1) (Larodan)、ジエライジン(C18 : 1) (Larodan)ならびにジリノレイン(C18 : 2) (Larodan)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のモノグリセリドおよびジグリセリドの1つまたは複数を含むことができる。
【0102】
ステロールおよびステロール誘導体もリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のステロールおよびステロール誘導体の例には:コレステロール、シトステロール、ラノステロール、PEG-24 コレステロールエーテル (Solulan C-24、Amerchol)、PEG-30 コレステロール (Phytosterol GENEROL シリーズ、Henkel)、PEG-25 フィトステロール (Nikkol BPSH-25、Nikko)、PEG-5 ソヤステロール (Nikkol BPS-5、Nikko)、PEG-10 ソヤステロール (Nikkol BPS-10、Nikko)、PEG-20 ソヤステロール (Nikkol BPS-20、Nikko)およびPEG-30ソヤステロール (Nikkol BPS-30、Nikko)が挙げられる。本発明によるリファラジル製剤は上記のステロールおよびステロール誘導体の1つまたは複数を含んでもよい。
【0103】
ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルもリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルの例には:PEG-10 ソルビタンラウレート (Liposorb L-10、Lipo Chem. )、PEG-20 ソルビタンモノラウレート (Tween (登録商標) 20、Atlas/ICI)、PEG-4 ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)21、Atlas/ICI)、PEG-80 ソルビタンモノラウレート (Hodag PSML-80、Calgene)、PEG-6 ソルビタンモノラウレート (Nikkol TO-106、Nikko)、PEG-20 ソルビタンモノパルミテート (Tween(登録商標) 40、Atlas/ICI)、PEG-20 ソルビタンモノステアレート(Tween(登録商標) 60、Atlas/ICI)、PEG-4 ソルビタンモノステアレート(Tween(登録商標) 61、Atlas/ICI)、PEG-8 ソルビタンモノステアレート (DACOL MSS、Condea)、PEG-6 ソルビタンモノステアレート (Nikkol TS106、Nikko)、PEG-20 ソルビタントリステアレート (Tween(登録商標) 65、Atlas/ICI)、PEG-6 ソルビタンテトラステアレート (Nikkol GS-6、Nikko)、PEG-60 ソルビタンテトラステアレート (Nikkol GS-460、Nikko)、PEG-5 ソルビタンモノオレエート (Tween(登録商標) 81、Atlas/ICI)、PEG-6 ソルビタンモノオレエート (Nikkol TO-106、Nikko)、PEG-20ソルビタン モノオレエート (Tween(登録商標)80、Atlas/ICI)、PEG-40 ソルビタンオレエート (Emalex ET 8040、Nihon Emulsion)、PEG-20 ソルビタン トリオレエート(Tween(登録商標) 85、Atlas/ICI)、PEG-6 ソルビタンテトラオレエート (Nikkol GO-4、Nikko)、PEG-30 ソルビタンテトラオレエート (Nikkol GO-430、Nikko)、PEG-40 ソルビタンテトラオレエート (Nikkol GO-440、Nikko)、PEG-20 ソルビタンモノイソステアレート (Tween(登録商標) 120、Atlas/ICI)、PEG ソルビトールヘキサノエート (Atlas G-1086、ICI)、ポリソルベート 80 (Tween(登録商標) 80、Pharma)、ポリソルベート 85 (Tween (登録商標)85、Pharma)、ポリソルベート 20(Tween(登録商標) 20、Pharma)、ポリソルベート 40 (Tween(登録商標)40、Pharma)、ポリソルベート 60 (Tween(登録商標)60、Pharma)およびPEG-6ソルビトールヘキサステアレート (Nikkol GS-6、Nikko)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルの1つまたは複数を含むことができる。
【0104】
また、ポリエチレングリコールアルキルエーテルをリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のポリエチレングリコールアルキルエーテルの例には:PEG-2 オレイルエーテル、オレス-2 (Brij 92/93、Atlas/ICI)、PEG-3 オレイルエーテル、オレス-3 (Volpo 3、Croda)、PEG-5 オレイルエーテル、オレス-5 (Volpo 5、Croda)、PEG-10 オレイルエーテル、オレス-10 (Volpo 10、Croda)、PEG-20 オレイルエーテル、オレス-20 (Volpo 20、Croda)、PEG-4 ラウリルエーテル、ラウレス-4 (Brij 30、Atlas/ICI)、PEG-9 ラウリルエーテル、PEG-23 ラウリルエーテル、ラウレス-23 (Brij 35、Atlas/ICI)、PEG-2 セチル エーテル (Brij 52、ICI)、PEG-10 セチルエーテル (Brij 56、ICI)、PEG-20 セチルエーテル (BriJ 58、ICI)、PEG-2 ステアリルエーテル (Brij 72、ICI)、PEG-10 ステアリルエーテル (Brij 76、ICI)、PEG-20 ステアリルエーテル (Brij 78、ICI)および PEG-100 ステアリルエーテル (Brij 700、ICI)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のポリエチレングリコールアルキルエーテルの1つまたは複数を含むことができる。
【0105】
糖エステルもリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販の糖エステルの例には:スクロースジステアレート (SUCRO ESTER 7、Gattefosse)、スクロースジステアレート/モノステアレート (SUCRO ESTER 11、Gattefosse)、スクロースジパルミテート、スクロースモノステアレート (Crodesta F-160、Croda)、スクロースモノパルミテート (SUCRO ESTER 15、Gattefosse)およびスクロースモノラウレート(サッカロースモノラウレート 1695、Mitsubisbi-Kasei)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記の糖エステルの1つまたは複数を含むことができる。
【0106】
ポリエチレングリコールアルキルフェノールもリファラジルの製剤の賦形剤として有用である。市販のポリエチレングリコールアルキルフェノールの例には:PEG-10-100 ノニルフェノールシリーズ (Triton X シリーズ、Rohm & Haas)およびPEG-15-100 オクチルフェノールエーテルシリーズ(Triton N-シリーズ、Rohm & Haas)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のポリエチレングリコールアルキルフェノールの1つまたは複数を含むことができる。
【0107】
ソルビタン脂肪酸エステルもリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。市販のソルビタン脂肪酸エステルの例には:ソルビタンモノラウレート(Span-20、Atlas/ICI)、ソルビタンモノパルミテート(Span-40、Atlas/ICI)、ソルビタンモノオレエート (Span-80、Atlas/ICI)、ソルビタンモノステアレート (Span-60、Atlas/ICI、ソルビタントリオレエート(Span-85、Atlas/ICI)、ソルビタンセスキオレエート(Arlacel-C、ICI)、ソルビタントリステアレート(Span-65、Atlas/ICI)、ソルビタンモノイソステアレート(Crill 6、Croda)およびソルビタンセスキステアレート(Nikkol SS-15、Nikko)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のソルビタン脂肪酸エステルの1つまたは複数を含むことができる。
【0108】
低級アルコール(C2〜C4)と脂肪酸(C8〜C18)のエステルは本発明に使用するのに好適な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例には:エチルオレエート (Crodamol EO、Croda)、イソプロピルミリステート (Crodamol IPM、Croda)、イソプロピルパルミテート(Crodamol IPP、Croda)、エチルリノレート(Nikkol VF-E、Nikko)およびイソプロピルリノレート(Nikkol VF-IP、Nikko)が挙げられる。本発明によるリファラジルの製剤は上記の低級アルコール脂肪酸エステルの1つまたは複数を含むことができる。
【0109】
また、イオン性界面活性剤をリファラジルの製剤の賦形剤として使用することができる。有用なイオン性界面活性剤の例には:カプリル酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリストレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミトレイン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム、リノール酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル)、テトラデシル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ジオクチルジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、ウルソデオキシコール酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸ナトリウム、タウロケノデオキシコール酸ナトリウム、グリコケノデオキシコール酸ナトリウム、コリルサルコシン酸(cholylsarcosinate)ナトリウム、N-メチルタウロコール酸ナトリウム、卵黄リン脂質、硬化大豆レシチン、ジミリストイルレシチン、レシチン、硬化レシチン、リゾホスファチジルコリン、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ジエタノールアミン、リン脂質、ポリオキシエチレン-10オレイルエーテルホスフェート、脂肪アルコールまたは脂肪アルコールエトキシレートのリン酸または無水リン酸によるエステル化生成物、エーテルカルボキシレート(脂肪アルコールエトキシレートの末端OH基の酸化による)、スクシニル化モノグリセリド、ステアリルフマル酸ナトリウム、コハク酸水素ステアロイルプロピレングリコール、モノグリセリドおよびジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノグリセリド、ジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のグリセリル-ラクトエステル、ラクチル酸アシル、脂肪酸のラクチル酸エステル、ステアロイル-2-ラクチル酸ナトリウム、ステアロイルラクチル酸ナトリウム、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、エトキシル化アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン、α-オレフィンスルホネート、アシルイセチオネート、アシルタウレート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ウンデシレンアミド-MEAスルホコハク酸ナトリウム、ヘキサデシルトリアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ジイソブチルフェノキシエトキシジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ベタイン(トリアルキルグリシン)、ラウリルベタイン(N-ラウリル、N,N-ジメチルグリシン)およびエトキシル化アミン(ポリオキシエチレン-15ココナッツアミン)が挙げられる。簡単にするために、典型的な対イオンを上記に提供してある。しかし、任意の生物的に許容される対イオンを使用することができることが当業者に理解されている。例えば、脂肪酸はナトリウム塩として示されているが、例えば、アルカリ金属陽イオンまたはアンモニウムなどの他の陽対イオンも使用することができる。本発明によるリファラジルの製剤は上記のイオン性界面活性剤の1つまたは複数を含むことができる。
【0110】
上記の賦形剤の多くは腸媒体においてミセル形成性である。ミセルの形成は、特に表面張力測定、水不溶性染料の可溶化、伝導性測定および光散乱を含む、当技術分野において公知のいくつかの標準的な方法のいずれかを使用してモニターすることができる。これらの方法の全てにおいて、いくつかの物理化学的特性の突然の変化が、賦形剤の濃度の関数として測定される。突然の変化は、賦形剤の濃度が、ミセルを形成するのに十分である場合に生じる。臨界ミセル濃度(CMC)としても公知のこの濃度を超えると、ミセルは溶液で存在する。
【0111】
経口投与のための製剤を製造する方法は、例えば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」(第20版、A. R. Gennaro編、2000、Lippincott Williams & Wilkins)に見られる。経口投与のための製剤(例えば、錠剤、ピル、カプレット、硬カプセルおよび軟カプセル)は、例えば、上記の賦形剤の任意の1つまたは組み合わせを必要に応じて他の賦形剤と共に含有してもよい。液体充填カプセルは本明細書に記載する賦形剤のいずれかを含むことができる。カプセルは、例えば、0.1〜約100 mgのリファラジルを含有する。液体充填カプセルは、カプセル内のリファラジルの濃度および製剤に使用される賦形剤に応じて、例えば、溶液または懸濁液を含有してもよい。
【0112】
リファラジルは、薬学業界で普通に使用される無毒性酸添加塩または金属錯体などの薬学的に許容される塩として製剤化することができる。酸添加塩の例には、酢酸、乳酸、パモン酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、パルミチン酸、スベリン酸、サリチル酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸またはトリフルオロ酢酸等などの有機酸;タンニン酸、カルボキシメチルセルロース等などのポリマー酸;および塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等などの無機酸が挙げられる。金属錯体には、亜鉛、鉄等が挙げられる。
【0113】
放出速度が治療化合物の代謝速度より勝る放出制御を得るために多数の方法が進められている。例えば、放出制御は、液体充填リファラジルカプセルに存在する親水性ポリマーの量を変更することによってまたは製剤化したカプセルのゲル化剤の量を変更することによって、単回単位または複数回単位カプセル組成を含む製剤パラメーターおよび成分を適当に選択することによって得ることができる。
【0114】
他の治療剤
本明細書に記載するリファラジル製剤は、例えば、別の抗生物質、麻酔薬、抗菌剤、亜鉛塩または抗炎症剤(例えば、非ステロイド性抗炎症剤またはステロイド)を含む第2の治療剤を含んでもよい。
【0115】
液体充填リファラジルカプセル製剤と混合することができる抗生物質には:アミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、フォルチマイシン(fortimicin)、フラジオマイシン、ゲンタマイシン、イスパマイシン(ispamicin)、カナマイシン、ミクロノマイシン、ネオマイシン、ネオマイシンウンデシレン酸塩、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、ストレプトニコジド(streptonicozid)およびトブラマイシンなどのアミノグリコシド;アジダムフェニコール(azidamfenicol)、クロラムフェニコール、クロラムフェニコールパルミレート(palmirate)、パントテン酸クロラムフェニコール、フロルフェニコールおよびチアムフェニコール(thiamphenicol)などのアンフェニコール;リファンピシン、リファブチン、リファペンチンおよびリファキシミンなどのアンサマイシン;アミジノシリン(amidinocillin)、アムジノシリン(amdinocillin)、ピボキシル、アモキシリン、アンピシリン、アスポキシリン、アジドシリン(azidocillin)、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリン、カルベニシリン、カルフェシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、ジフェニシリン、エピシリン(epicillin)、フェンベニシリン(fenbenicillin)、フロキシリン(floxicillin)、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペナメシリン(penamecillin)、ペネタメートヒドロイオダイド(hydriodide)、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザシン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラガミン(hydragamine)、ペニシリンGカリウム、ペニシリンG、プロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザシン、ペニシリンVヒドラバミン(hydrabamine)、ペニメピサイクリン(penimepicycline)、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバピシリン(pivapicillin)、プロピシリン、キナシリン(quinacillin)、スルベニシリン、タランピシリン、テモシリンおよびチカルシリンなどのβ-ラクタム;イミペネムなどのカルバペネム;1-カルバー(デシア)セファロスポリン、セファクトール(cefactor)、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン(cefazedone)、セファゾリン、セフィキシム、セフメノキシム、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォチアム、セフピミゾール、セフピリミド(cefpirimide)、セフポドキシムプロキセチル、セフロキサジン、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファセトリルナトリウム、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロスポリン、セファロシン、セファピリンナトリウム、セフラジン、ピブセファレキシン(pivcefalexin)、セファロシン、セファクロール、セフォテタン、セフプロジル、ロラカルベフ、セフェタメットおよびセフェピムなどのセファロスポリン;セフブペラゾン、セフメタゾール、セフミノクス、セフェタン(cefetan)およびセフォキシチンなどのセファマイシン;アズトレオナム、カルモナムおよびチゲモナン(tigemonan) などのモノバクタム;フロモキセフおよびモキソラクタムなどのオキサセフェム;クリンダマイシンおよびリンコマイシンなどのリンコサミド;アジスロマイシン、カルボマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよび誘導体、ジョサマイシン、ロイコマイシン、ミデカマイシン、ミオカマイシン、オレアンドマイシン、プリマイシン(primycin)、ロキタマイシン、ロサラマイシン(rosaramicin)、ロキシスロマイシン、スピラマイシンおよびトロレアンドマイシンなどのマクロライド;アンフォマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンデュラシジン(enduracidin)、エニロマイシン(enylomycin)、フサファンギン、グラミシジン、グラミシジンS、ミカマイシン、ポリミキシン、ポリミキシンβ-メタンスルホン酸、プリスチナマイシン、リストセチン、テイコプラニン、チオストレプトン、ツベラクチノマイシン、チロシジン、チロスリシン(tyrothricin)、バンコマイシン、ビオマイシン、バージニアマイシンおよび亜鉛バシトラシンなどのポリペプチド;スピサイクリン(spicyclin)、クロロテトラサイクリン、クロモサイクリン(clomocycline)、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、グアメサイクリン(guamecycline)、ライムサイクリン、メクロサイクリン(meclocycline)、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ペニメピサイクリン(penimepicycline)、ピパサイクリン(pipacycline)、ロリテトラサイクリン、サンサイクリン(sancycline)、セノサイクリン(senociclin)およびテトラサイクリンなどのテトラサイクリン;ブロジモプリム、テトロキソプリムおよびトリメトプリムなどの2,4-ジアミノピリミジン;フラルタドン、フラゾリウム、ニフラデン、ニフラテル、ニフルホリン、ニフルピリノール、ニフルプラジン、ニフルトイノールおよびニトロフラントインなどのニトロフラン;アミフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、ジフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、フルメキン、ロメフロキサシン、ミロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オキソリン酸、パーフロキサシン(perfloxacin)、ピペミド酸、ピロミド酸、ロソキサシン、テマフロキサシンおよびトスフロキサシンなどのキノロン;アセチルスルファメトキシピラジン、アセチルスルフィソキサゾール、アゾスルファミド、ベンジルスルファミド、クロラミン-β、クロラミン-T、ジクロラミン-T、フォルモスルファチアゾール(formosulfathiazole)、N2-ホルミル-スルフィソミジン、N4-β-D-グルコシルスルファニラミド、マフェニド、4'-(メチル-スルファモイル)スルファニラニリド、p-ニトロスルファチアゾール、ノプリルスルファミド(noprylsulfamide)、フタリルスルファセタミド(phthalylsulfacetamide)、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンズアミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン(sulfachlorpyridazine)、スルファクリソイジン、スルファシチン、スルファジアジン、スルファジクラミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメータ、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン(sulfamidochrysoidine)、スルファモキソール、スルファニルアミド、スルファニルアミドメタンスルホン酸トリエタノールアミン塩、4-スルファニルアミドサリチル酸、N4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリルウレア、N-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオウレア、スルファトラミド、スルフィソミジンおよびスルフィソキサゾールなどのスルホンアミド;アセダプソン、アセジアスルホン、アセトスルホン(acetosulfone)、ダプソン、ジアシモスルホン(diathymosulfone)、グルコスルホン、ソラスルホン、スクシスルホン、スルファニル酸、p-スルファニルベンジルアミン、p,p'-スルホニルジアミン-N,N'ジガラクトシド、スルホキソンおよびチアゾールスルホンなどのスルホン;ダプトマイシンなどのリポペプチド;リネゾリドなどのオキサリドン;テリスロマイシンなどのケトリド;クロフォクトル(clofoctol)、ヘキセジン、マガイニン、メテナミン、メテナミンアンヒドロメチレン-シトレート、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、スルホサリチル酸メテナミン、ニトロキソリン、スクアラミン、キシボルノール、シクロセリン、ムピロシンおよびツベリンなどの種々の抗生物質が挙げられる。
【0116】
好ましい非ステロイド性抗炎症剤には、例えば、デトプロフェン(detoprofen)、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナメエート(mechlofenameate)、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメオン(nabumeone)、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダック、トルメチン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、サリチル酸コリン、サルセート(salsate)、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸マグネシウム、アスピリン、イブプロフェン、パラセタモール、アセトアミノフェンおよびシュードエフェドリンが挙げられ、好ましいステロイドには、例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、フルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、フルランドレノロン(flurandrenolone)アセトニドおよびフルオロメトロンが挙げられる。
【0117】
好ましい麻酔薬には、例えば、ベンゾカイン、ブタンベン(butamben)ピクレート、テトラカイン、ジブカイン、プリロカイン、エチドカイン、メピバカイン、ブピビカイン(bupivicaine)およびリドカインが挙げられる。
【0118】
好ましい亜鉛塩には、例えば、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、臭化亜鉛、硝酸亜鉛、グリセロリン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛、二酢酸亜鉛(zinc diacetate)三水和物、酸化亜鉛、過酸化亜鉛、サリチル酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、タンニン酸亜鉛、チタン酸亜鉛、テトラフルオロホウ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛およびグリシン酸亜鉛が挙げられる。
【0119】
本発明の薬学的組成物に使用する全ての治療薬はこれらの薬剤について現在公知で、使用されている用量範囲で使用することができる。患者の臨床状態、治療目標(治療または予防)、予想される期間および液体充填リファラジルカプセルを投与する感染症または疾病の重症度に応じて、異なる濃度を使用することができる。用量選択においてさらに考慮されるべきことには、感染症の種類、患者の年齢(例えば、小児、成人または高齢者)、全身の健康状態および合併症が挙げられる。使用濃度の設定は、液体充填リファラジルカプセルを他の治療薬と併用して製剤化する薬剤師、医薬品化学者または医療担当者の技術の範囲内である。
【0120】
治療
本明細書に記載する薬学的組成物は、細菌感染症および細菌感染に関連する疾病を治療または予防するために使用することができる。
【0121】
細菌感染に関連する疾病には、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、炎症性大腸炎(IBD)、間質性膀胱炎(IC)、線維筋痛(FM)、自律神経機能障害(AND、神経媒介性低血圧);壊疽性膿皮症(PG)、慢性疲労(CF)および慢性疲労症候群(CFS)が挙げられるが、それに限定されるわけではない。
【0122】
いくつかの証拠により、細菌感染と広域的な炎症性疾病、自己免疫疾病および免疫不全疾病との関連が確立されている。従って、本発明は、本明細書に記載するリファラジル製剤またはこのようなリファラジル製剤を増殖中の細菌に有効な抗生物質と併用して投与することによって、必要としている患者の非増殖型の感染症を治療することによって、自己免疫疾病、炎症性疾病および免疫無防備状態の患者に生じる疾病などの持続的な感染に関連する慢性疾病を治療する方法を記載する。治療の進行は、細菌の有無を判定するための当技術分野において公知の診断試験を使用して評価することができる。治療される疾病に典型的に関連する状態および症状の身体的な改善も評価することができる。これらの評価因子に基づいて、医師は抗菌治療を維持または変更することができる。
【0123】
細菌感染であると証明される場合には、本明細書に記載する療法を慢性免疫疾病および自己免疫病の治療に使用することができる。これらの疾病には、慢性肝炎、全身性エリテマトーデス、関節炎、甲状腺炎(thyroidosis)、強皮症、糖尿病、グレーブス病、ベーチェット(Beschet's)病および移植片対宿主病(移植片拒絶)が挙げられるが、それに限定されるわけではない。本発明の療法はまた、細菌感染が因子または補因子である任意の疾患を治療するためにも使用することができる。
【0124】
従って、本発明は、本明細書に記載する検出方法によってクラミジア感染に関連することが証明される場合には、上記の免疫および自己免疫疾病以外の所定の範囲の疾患を治療するために使用することができる。例えば、多くが、敗血症症候群、悪液質、急性または慢性細菌感染によって生ずる循環虚脱およびショックを含むが、それに限定されるわけではない一次または二次症状として炎症を生ずる種々の感染症、HIVなどの細菌、ウイルスまたは真菌源による急性および慢性寄生虫病および/または感染病、AIDS(悪液質、自己免疫疾患、AIDSによる認知症および感染症)を治療することができる。
【0125】
種々の炎症性疾病には、炎症過程を特徴づけると一般に認められているある特徴がある。これらには、微小血管系の開窓、血液要素の間質空間への漏洩および白血球の炎症部位への遊走が挙げられる。肉眼レベルでは、これは、通常、紅斑、浮腫、圧痛(痛覚過敏)および疼痛という良く知られている臨床徴候を伴う。動脈瘤、痔核、サルコイドーシス、慢性炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病などの慢性炎症性病状ならびに播種性血管内凝固症候群、アテローム性動脈硬化症および川崎病などであるが、それに限定されるわけではない血管炎症性病状を含む慢性炎症性病状および血管炎症性病状などの炎症性疾病も本明細書に記載する方法による治療に好適である。本発明はまた、細菌感染に病原性的に関連があると証明された場合に冠動脈疾患、高血圧、卒中、喘息、慢性肝炎、多発性硬化症、抹消神経障害、慢性または再発性咽頭炎、喉頭炎、気管気管支炎、慢性血管性頭痛(偏頭痛、群発性頭痛および緊張性頭痛を含む)および肺炎などの炎症性疾病を治療するためにも使用することができる。
【0126】
細菌感染に関連する場合の治療可能な疾患には、多発性硬化症および急性横断性脊髄炎などの脱髄性疾患を含むが、それに限定されるわけではない神経変性性疾患;皮質脊髄系の病変などの錐体外路および小脳疾患;基底核疾患または小脳疾患;ハンチントン舞踏病および老人性舞踏病などの運動過剰疾患;CNSドーパミン受容体を遮断する薬剤によって誘発されるものなどのなどの薬剤性運動疾患;パーキンソン病などの運動低下疾患;進行性核上(supranucleo)麻痺;小脳の無構造性(astructural)病変などの小脳疾患および脊髄小脳疾患;脊髄小脳変性症(脊髄性運動失調症、フリードライヒ失調症、小脳皮質変性症、多系統変性症(Mencel、Dejerine-Thomas、Shi-DragerおよびMachado Joseph));および全身性疾患(レフサム病、無βリポタンパク質血症、運動失調、毛細血管拡張症およびミトコンドリア多系統疾患);多発性硬化症、急性横断性脊髄炎などの脱髄性コア疾患;神経原性筋萎縮症などの運動単位の疾患(筋萎縮性側索硬化症、乳児脊髄性筋萎縮症および若年性脊髄性筋萎縮症などの前角細胞変性);アルツハイマー病;中年のダウン症候群;びまん性レビー小体病;レビー小体型の老年性認知症;ウェルニッケ-コルサコフ症候群;慢性アルコール依存症;クロイツフェルト-ヤコブ病;亜急性硬化性全脳炎、ハレロルデン-スパッツ(Hallerrorden-Spatz)病;ならびにボクサー認知症も挙げられるが、それに限定されるわけではない。
【0127】
悪性病状は、白血病(急性、慢性骨髄球性、慢性リンパ球性および/または骨髄異形成 (myelodyspastic)症候群);リンパ腫(悪性リンパ腫(バーキットリンパ腫または菌状息肉腫)などのホジキンおよび非ホジキンリンパ腫);癌(結腸癌など)およびそれらの転移癌;癌関連血管形成;乳児血管腫;ならびにアルコール性肝炎などであるが、それに限定されるわけではない腫瘍または他の悪性病変に関係することも認識されている。本明細書に記載する診断手法によって細菌感染に関連すると証明される場合には、眼血管新生、乾癬、十二指腸潰瘍、女性生殖管の血管形成も治療することができる。
【0128】
以下の実施例は、本明細書において主張する方法および化合物を実施、製造および評価する方法についての完全な開示および説明を当業者に提供するために記載されており、本発明を単に例示する意図のものであり、限定することを意図していない。
【0129】
実施例1:1 mgのリファラジルを含有する液体充填カプセルの製造
PEG-35ヒマシ油(3,102 g)、Pluronic(登録商標)F68(44 g)、PEG 400(1,034 g)、水(220 g)およびリファラジル(6.149 g)を混合し、容量4.058 L、リファラジル濃度0.66 ml/mgとした。カプセル(充填重量0.66 g、充填容量0.68 mL)に液体を充填して、各々1 mgのリファラジルを含有する液体充填カプセルを製造した。
【0130】
実施例2:2.5 mgのリファラジルを含有する液体充填カプセルの製造
PEG-35ヒマシ油(3,102 g)、Pluronic(登録商標)F68(44 g)、PEG 400(1,034 g)、水(220 g)およびリファラジル(15.371 g)を混合し、容量4.058 L、リファラジル濃度0.264 mL/mgとした。カプセル(充填重量0.66 g、充填容量0.68 mL)に液体を充填して、各々2.5mgのリファラジルを含有する液体充填カプセルを製造した。
【0131】
実施例3:5 mgのリファラジルを含有する液体充填カプセルの製造
PEG-35ヒマシ油(3,102 g)、Pluronic(登録商標)F68(44 g)、PEG 400(1,034 g)、水(220 g)およびリファラジル(30.743 g)を混合し、容量4.058 L、リファラジル濃度0.132 mL/mgとした。カプセル(充填重量0.66 g、充填容量0.68 mL)に液体を充填して、各々5 mgのリファラジルを含有する液体充填カプセルを製造した。
【0132】
実施例4:12.5 mgのリファラジルを含有する液体充填カプセルの製造
PEG-35ヒマシ油(3,740 g)、Pluronic(登録商標)F68(44 g)、PEG 400(396 g)、水(220 g)およびリファラジル(77.519 g)を混合し、容量4.093 L、リファラジル濃度0.0528 mL/mgとした。カプセル(充填重量0.66 g、充填容量0.68 mL)に液体を充填して、各々12.5 mgのリファラジルを含有する液体充填カプセルを製造した。
【0133】
実施例5:種々の媒体における溶解速度
液体充填カプセル中のリファラジルの溶解速度(3回の測定値の平均)を異なる媒体:酸性媒体、人工腸媒体および水においてモニターした。得られたデータを図1に提供する。腸媒体および水における溶解は、カプセルのシェルの溶解によって生じる遅延を明らかに示す。この遅延は、ゼラチンの溶解における酸の作用により、硬ゼラチンカプセルを使用する場合、酸性媒体では生じない。しかし、リファラジルを溶解する酸性媒体においても、微小粒子粉末充填硬ゼラチンカプセルを使用するリファラジルの放出速度は液体充填カプセルと比較してはるかに遅い(図1と2を比較)。
【0134】
実施例6:摂食条件下および絶食条件下における液体充填カプセルの薬物動態
健康な雄ビーグル犬に5 mgのリファラジルを単回経口投与後薬物動態パラメーターを求めた。リファラジルは、実施例3の液体充填カプセルまたは米国特許第5,547,683号に記載されている微小顆粒化リファラジルを含有する粉末充填カプセルとして製剤化した。
【0135】
両方の製剤を摂食条件下および絶食条件下において投与した。動物は全て投与前の夜から終夜絶食させた。「摂食」と指定された動物は、ドッグチャウと水を1:3の比(例えば、チャウ250 gと水750 g)のブレンドした組み合わせを、投与前の約30分以内に投与容量20 mL/kgで経口胃管を介して投与し、食餌は投与の約4時間後に随時提供した。「絶食」群の動物は投与前には食餌を与えず、食事は投与の約4時間後まで与えなかった。
【0136】
血漿中のリファラジル濃度を求めるための血漿試料(EDTAチューブに5.0 mL)を0:時間経過時(投与前)ならびにどちらかの剤形のリファラジルの投与後の1.0時間、2.0時間、3.0時間、4.0時間、6.0時間、8.0時間、10.0時間、12.0時間、24時間、36時間、48時間、72時間、96時間、168時間、216時間(10日目)、336時間(15日目)、420時間および504時間経過時(21日目)に得た。リファラジルの液体充填カプセルまたは粉末充填カプセルの投与(PO)時の、摂食条件下または絶食条件下のイヌにおける平均血漿リファラジル濃度を図3に示す。
【0137】
薬物動態学的エンドポイントおよびパラメーターは、WinNonlin(登録商標)を使用する非コンパートメント解析(NCA)を使用して算出した。
【0138】
薬物動態パラメーターTmax、Cmax、AUCt、AUC、T1/2(排泄)およびF(バイオアベイラビリティー)ならびに各々の変動係数(CV)を算出した。結果を表1に提供する。100%バイオアベイラビリティーは、静脈内投与したリファラジルについて観察された薬物動態プロファイルと比較することによって求めた。
【0139】
【表1】

【0140】
リファラジルの液体充填カプセルは、微小顆粒化リファラジルと比較して、摂食条件下(1.8倍増加)および絶食条件下(3.5倍増加)においてCmaxの驚くべき増加を示し、摂食条件下(1.7倍増加)および絶食条件下(2.0倍増加)においてAUCの増加を示す。
【0141】
リファラジルの液体充填カプセルはまた、微小顆粒化リファラジルと比較して、摂食条件下(1.7倍増加)および絶食条件下(2.0倍増加)においてバイオアベイラビリティーの驚くべき増加を示す。
【0142】
液体充填カプセル製剤について得られた摂食条件下および絶食条件下におけるデータの比較、すなわちAUC(1400対1420)およびCmax(96.5対95.8)はPK挙動の変化を示さない、例えば、「食物の影響」がない。一方、微小顆粒化リファラジルは、摂食条件下および絶食条件下においてAUC(685対830)およびCmax(27.2対52.8)の差によって証明する場合、大きな食物の影響を示す。
【0143】
摂食(1.6倍低下)および絶食(4.8倍低下)動物におけるCmaxの変動係数の低下ならびに摂食(2.7倍増加)および絶食(2.7倍増加)におけるAUCの変動係数の増加が、微小顆粒化製剤と比較して液体充填カプセルで観察される。
【0144】
製剤の変更はリファラジルの排泄半減期(T1/2)に影響を与えなかった。
【0145】
他の態様
本明細書に記載する全ての刊行物、特許出願および特許は参照により本明細書に組み入れられる。
【0146】
本発明は具体的な態様に関連して記載されているが、本発明はさらに改良することができることが理解される。従って、本願は、一般に、当技術分野における公知または慣習的な実施の範囲である本発明の開示からの逸脱を含む、本発明の原則に従う本発明の任意の変化、使用または適合を含むことが意図されている。
【0147】
他の態様は特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】酸性媒体、人工腸媒体および水における液体充填硬カプセルからのリファラジルの溶解速度を図示するグラフである。
【図2】酸性媒体における微小顆粒粉末充填硬カプセルからのリファラジルの溶解速度を図示するグラフである。
【図3】リファラジルの液体充填カプセルまたは微小顆粒化充填カプセルの投与(PO)時の摂食状態または絶食状態のイヌにおけるリファラジルの平均血漿濃度を図示するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、Cmaxの変動係数が60%未満となるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形の経口投与のための薬学的組成物。
【請求項2】
リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、AUCの変動係数が40%未満となるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形の経口投与のための薬学的組成物。
【請求項3】
リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、平均経口バイオアベイラビリティーが30%より大きくなるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形の経口投与のための薬学的組成物。
【請求項4】
リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む、液体充填カプセルの形態の薬学的組成物。
【請求項5】
ミセル形成賦形剤が、ポリエトキシル化脂肪酸、PEG-脂肪酸ジエステル、PEG-脂肪酸モノエステルおよびジエステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、アルコール-オイルエステル交換反応生成物、ポリグリセリン脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル-グリセロールエステルの混合物、モノグリセリドおよびジグリセリド、ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステルおよびイオン性界面活性剤から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
ミセル形成賦形剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシル-40ステアレート、PEG-3ヒマシ油、PEG-5,9および16ヒマシ油、PEG-20ヒマシ油、PEG-23ヒマシ油、PEG-30ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-38ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-50ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-100ヒマシ油、PEG-200ヒマシ油、PEG-5水素化ヒマシ油、PEG-7水素化ヒマシ油、PEG-10水素化ヒマシ油、PEG-20水素化ヒマシ油、PEG-25水素化ヒマシ油、PEG-30水素化ヒマシ油、PEG-40水素化ヒマシ油、PEG-45水素化ヒマシ油、PEG-50水素化ヒマシ油、PEG-60水素化ヒマシ油、PEG-80水素化ヒマシ油およびPEG-100水素化ヒマシ油から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
ミセル形成賦形剤がPEG-35ヒマシ油である、請求項4記載のカプセル。
【請求項8】
親水性ポリマーをさらに含む、請求項4記載のカプセル。
【請求項9】
親水性ポリマーがPEG300、PEG400およびPEG600から選択される、請求項8記載のカプセル。
【請求項10】
ゲル化剤をさらに含む、請求項4記載のカプセル。
【請求項11】
ゲル化剤がポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーである、請求項10記載のカプセル。
【請求項12】
0.5%(w/w)〜105(w/w)の水をさらに含む、請求項4記載のカプセル。
【請求項13】
65%(w/w)〜85%(w/w)のPEG-35ヒマシ油、8%(w/w)〜25%(w/w)のPEG-400、4%(w/w)〜6%(w/w)の水および0.2%(w/w)〜1.5%(w/w)のPluronic(登録商標)F68である液体を含む、請求項4記載のカプセル。
【請求項14】
硬カプセルまたは軟カプセルである、請求項4記載のカプセル。
【請求項15】
0.1〜100 mgのリファラジルを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
0.1〜50 mgのリファラジルを含む、請求項15記載の薬学的組成物。
【請求項17】
0.1〜25 mgのリファラジルを含む、請求項16記載の薬学的組成物。
【請求項18】
約0.5 mg、1.0 mg、2.5 mg、5.0 mgまたは12.5 mgの量のリファラジルを含む、請求項17記載の薬学的組成物。
【請求項19】
20%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
30%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含む、請求項19記載の薬学的組成物。
【請求項21】
40%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含む、請求項20記載の薬学的組成物。
【請求項22】
患者の細菌感染症を治療する方法であって、リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、Cmaxの変動係数が60%未満となるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形を投与する段階を含み、該リファラジルが該感染症を治療するのに有効な量で投与される方法。
【請求項23】
患者の細菌感染症を治療する方法であって、リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、AUCの変動係数が40%未満となるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形を投与する段階を含み、該リファラジルが該感染症を治療するのに有効な量で投与される方法。
【請求項24】
患者の細菌感染症を治療する方法であって、リファラジルおよび絶食患者に投与する場合に、平均経口バイオアベイラビリティーが30%より大きくなるのに十分な量のミセル形成賦形剤を含む単位剤形を患者に投与する段階を含み、該リファラジルが該感染症を治療するのに有効な量で投与される方法。
【請求項25】
患者の細菌感染症を治療する方法であって、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む単位剤形を液体充填カプセルの形態で患者に投与する段階を含み、該リファラジルが該感染症を治療するのに有効な量で投与される方法。
【請求項26】
感染症が、市中肺炎、上気道および下気道感染症、皮膚および軟部組織感染症、骨および関節感染症、院内肺感染症、急性細菌性中耳炎、細菌性肺炎、複雑性感染症、非複雑性感染症、腎盂腎炎、腹腔内感染症、深部膿瘍、細菌性敗血症、中枢神経系の感染症、菌血症、創傷感染、腹膜炎、髄膜炎、火傷の後の感染症、尿生殖路感染症、消化管感染症、骨盤炎症性疾病、心内膜炎および血管内感染症から選択される、請求項22〜25記載の方法。
【請求項27】
リファラジルが、外科的手技または人工装置の植え込みによって生じる感染症の予防のために投与される、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
感染症がグラム陽性細菌による、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
細菌がグラム陽性球菌である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
グラム陽性球菌が薬剤耐性である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
感染症が、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)、肺炎レンサ球菌(S.pneumoniae)、化膿レンサ球菌(S. pyogenes)、エンテロコッカスspp.(Enterococcus spp.)、M.カタラーリス(M. catarrhalis)およびH.インフルエンゼ(H.influenzae)からなる群から選択される細菌による、請求項30記載の方法。
【請求項32】
患者の多剤耐性細菌による感染症を治療する方法であって、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを該患者に投与する段階を含み、該リファラジルが該感染症を治療するのに有効な量で投与される方法。
【請求項33】
多剤耐性菌がペニシリン耐性細菌、メチシリン耐性細菌、キノロン耐性細菌、マクロライド耐性細菌またはバンコマイシン耐性細菌である、請求項32記載の方法。
【請求項34】
細菌が、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)およびエンテロコッカス spp.(Enterococcus spp.)から選択される、請求項33記載の方法。
【請求項35】
患者のアテローム性動脈硬化症関連疾病を治療するまたはその発症を予防する方法であって、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを該患者に投与する段階を含み、該リファラジルが該患者の該アテローム性動脈硬化症関連疾病を治療するまたはその発症を予防するのに有効な量で投与される方法。
【請求項36】
抗炎症剤、抗菌剤、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤、解熱剤または脂質低下剤を患者に投与する段階をさらに含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
患者に抗炎症剤を投与する、請求項36記載の方法。
【請求項38】
抗炎症剤がイブプロフェン、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン、デキサメサゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロンまたはプレドニゾンである、請求項37記載の方法。
【請求項39】
患者に抗菌剤を投与する、請求項36記載の方法。
【請求項40】
抗菌剤がアジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、アモキシリンまたはメトロニダゾールである、請求項39記載の方法。
【請求項41】
脂質低下剤がスタチンである、請求項36記載の方法。
【請求項42】
スタチンがアトロバスタチン、ロスバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチンまたはフルバスタチンである、請求項41記載の方法。
【請求項43】
アテローム性動脈硬化症関連疾病が冠動脈病、心筋梗塞、狭心症、卒中、脳虚血、間欠性跛行、壊疽、腸間膜虚血、側頭動脈炎または腎動脈狭窄症である、請求項35記載の方法。
【請求項44】
リファラジルの投与する前に、患者がアテローム性動脈硬化関連疾病を有すると診断されている、請求項35記載の方法。
【請求項45】
C-反応性タンパク質のレベルが増加していると同定された患者のC-反応性タンパク質レベルを低下する方法であって、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを該患者に投与する段階を含み、該リファラジルが該患者のC-反応性タンパク質レベルを低下するのに有効な量で投与される方法。
【請求項46】
リファラジルの投与後に患者のC-反応性タンパク質レベルを定期的にモニターする段階をさらに含む、請求項45記載の方法。
【請求項47】
患者のマクロファージまたは泡沫細胞のクラミジア ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)複製を低下する方法であって、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを該患者に投与する段階を含み、該リファラジルが、該患者のマクロファージまたは泡沫細胞のクラミジア ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)複製を低下するのに有効な量で投与される方法。
【請求項48】
患者のマクロファージまたは泡沫細胞の持続的クラミジア ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)感染症を治療する方法であって、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを該患者に投与する段階を含み、該リファラジルが、該患者のマクロファージまたは泡沫細胞のクラミジア ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)感染症を治療するのに有効な量で投与される方法。
【請求項49】
増殖型および非増殖型を有する細菌の感染症を治療する方法であって、(i)リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセル;および(ii)該細菌の増殖型に有効な第2の抗生物質を患者の投与する段階を含み、該リファラジルが該細菌の非増殖型を治療するのに有効な量で、該細菌の非増殖型を治療するのに有効な期間にわたって投与され、かつ第2の抗生物質が該細菌の該増殖型を治療するのに有効な量で、該細菌の増殖型を治療するのに有効な期間にわたって投与される方法。
【請求項50】
増殖型の細菌に有効な抗生物質が、患者における該細菌の存在を約106生物/mL未満に低下するための量で患者における該細菌の存在を約106生物/mL未満に低下するためのび期間にわたって投与され;かつ、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを該患者に投与し、該リファラジルが、感染症が治療されたことを示すレベルまたはそれ以下まで該細菌の存在を低下するのに有効な量で、該細菌の存在を低下するのに有効な期間にわたって投与される、請求項49記載の方法。
【請求項51】
第1の抗生物質による治療後に患者において根絶されていない非増殖細菌を根絶する方法であって、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを該患者に投与する段階を含み、該リファラジルが、該患者の該非増殖細菌を根絶するのに有効な量で、該非増殖細菌を根絶するのに有効な期間にわたって投与される方法。
【請求項52】
非増殖型相を確立することができる細菌によって生じる細菌感染に関連する慢性疾病を有すると診断された患者を治療する方法であって、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを該患者に投与する段階を含み、該リファラジルが、該患者を治療するのに有効な量で、該患者を治療するのに有効な期間にわたって投与される方法。
【請求項53】
細菌感染の潜在期を治療する方法であって、リファラジルおよびミセル形成賦形剤を含む液体充填カプセルを患者に投与する段階を含み、該リファラジルが、該細菌感染の該潜在期を治療するのに有効な量で、該細菌感染の潜在期を治療するのに有効な期間にわたって投与される方法。
【請求項54】
患者に投与されるリファラジルによって示される食物の影響を低下する方法であって:
(i)リファラジルとミセル形成賦形剤を混合する段階;および
(ii)該患者に段階(i)の混合物を投与する段階
を含み、
該混合物が20%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含む方法。
【請求項55】
患者に投与されるリファラジルの経口バイオアベイラビリティーを増加する方法であって:
(i)リファラジルとミセル形成賦形剤を混合する段階;および
(ii)該患者に段階(i)の混合物を投与する段階
を含み、
該混合物が20%(w/w)〜90%(w/w)のミセル形成賦形剤を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−506782(P2007−506782A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528274(P2006−528274)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/031542
【国際公開番号】WO2005/030142
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(505220848)アクティブバイオティクス インコーポレイティッド (4)
【Fターム(参考)】