説明

リフォーム用ファンデーション

【課題】付け位置が容易に判断でき、矯正具としての機能を発揮しつつも、締付力の強すぎることの無い、デザイン的に見栄えのよいリフォーム用ファンファーションを提供すること。
【解決手段】使用者の腹部周辺部に配置される筒状の胴囲部1と使用者の臀部側に配置される後方位置決部6,26と胴囲部1の一方の端部側の胴囲端部2aと他方の端部側の胴囲端部位置決部2bとを有し、胴囲端部位置決部2bと胴囲端部2aとを重なるように折り返すと胴囲部1が使用者の骨盤周辺を矯正できる程度に強い伸縮性となるように構成されているリフォーム用ファンデーション10,20。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフォーム用ファンデーションに関する。
【背景技術】
【0002】
妊娠から出産までの間に、女性の腹部には、胎児の成長に伴って、胎児を保護するため、妊娠脂肪といわれるものがつきやすい。また、出産の直後は、子供の頭の大きさに匹敵する大きさとなる子宮が、短期間の間に鶏卵程度の大きさに収縮する。このため、妊娠直後の(産褥期)の間に腹部を自由にすると、妊娠脂肪の為に、いわゆる妊娠肥満を引き起こす。この妊娠脂肪は、妊娠後6ヶ月以内であれば流動性があり、このため出産直後から腹部を引き締め、妊娠脂肪を散して、子宮の収縮を助け、産後の体形の変化に対応し、体形を整えるものとして、ガードルだけでなく、産褥ニッパー及びウエストニッパー等が用いられている(例えば、特許文献1乃至4)。
【0003】
また、出産後、骨盤の位置がずれたり、緩んだりすることで、腰痛や体形の変化、体形の変化に伴う尿漏れを防止、修正するために、骨盤矯正ベルトが用いられる(例えば、特許文献5)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2605854号公報(図1等)
【特許文献2】特開2005−42226号公報(図8等)
【特許文献3】特開2006−97150号公報(図1等)
【特許文献4】特開2004−300642(図8等)
【特許文献5】特開2007−195687号公報(図4等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような産褥ニッパーやウエストニッパー、骨盤矯正ベルトなどの矯正具は、正しい位置に装着しないとその効果を十分に発揮させることができない。しかし、従来の産褥ニッパーなどは、その正しい付け位置の目安が使用者に不明確であるため、使用者が装着の際、付け位置が、上過ぎたり、下過ぎたりして、正しい位置に装着できず、これらの矯正具の機能が十分に発揮されないという問題があった。
また、これらの矯正具は、通常機能を重視するために大げさなものが多い。そのため、デザイン的に見栄えが良いものや、締付力が強くない矯正具を希望する使用者にとっては、このような若干大げさな矯正具等は、使い勝手の良くないものであることが多い。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解消するため、付け位置が容易に判断でき、矯正具としての機能を発揮しつつも、締付力の強すぎることの無い、デザイン的に見栄えのよいリフォーム用ファンファーションを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、第1の発明によれば、使用者の腹部周辺部に配置されウエスト部分を圧迫してウエスト部分のくびれ部分を矯正するように着用される筒状の胴囲部と、使用者の臀部側に配置される後方位置決部と、を有しており、前記胴囲部は、伸縮性を有する伸縮性編地部からなり、一方の端部側の前記伸縮性編地部が折り返された胴囲端部と、前記胴囲端部を介して前記伸縮性編地部が二重に配置された腹部周囲部と、他方の端部側の二重に配置された前記伸縮性編地部の一方と他方とが着用した際に使用者の骨盤周辺となるような位置で縫合された胴囲端部位置決部と、を有し、前記胴囲端部位置決部と前記胴囲端部とを重なるように前記腹部周囲部が折り返されると、前記胴囲部が使用者の骨盤周辺を矯正できる程度に強い伸縮性となるように構成されていることを特徴とするリフォーム用ファンデーションにより達成される。
【0008】
第1の発明の構成によれば、リフォーム用ファンデーションは、筒状の胴囲部と後方位置決部を有している。そして、胴囲部は、使用者の腹部周辺部に配置されウエスト部分を圧迫してウエスト部分のくびれ部分が矯正されるように配置され、後方位置決部は、使用者の臀部側に配置される。この胴囲部は、伸縮性を有する伸縮性編地部からなっている。
そして、胴囲部は、一方の端部側の前記伸縮性編地部が折り返された胴囲端部と、胴囲端部を介して伸縮性編地部は二重に配置される腹部周囲部と、他方の端部側には二重に配置された伸縮性編地部の一方と他方とが使用者の骨盤周辺となるような位置で縫合された胴囲端部位置決部とを有している。
また、この胴囲部は、一方の端部側の胴囲端部と他方の端部側の胴囲端部位置決部とを重ねるように腹部周囲部を折り返すと骨盤周辺を圧迫できる程度に強い伸縮性となるように構成されている。
【0009】
このため、使用者がこのリフォーム用ファンデーションを装着する際には、使用者は後方位置決部を目安に装着することができる。従がって、使用者は装着位置を迷うことがなく、胴囲部は使用者の腹部周辺に配置され、ウエスト部分のくびれ部分を矯正するように着用されるので、確実に矯正したい場所に配置することができる。
【0010】
また、胴囲部は、二重に配置されて伸縮性編地部となっており、この胴囲部の端部側は、胴囲端部位置決部を有しており、もう一方の端部側の胴囲端部と胴囲端部位置決部とを重ねるように腹部周囲部を折り返すと、胴囲部は使用者の骨盤周辺を矯正できる程度に強い伸縮性となる。
このように、胴囲端部位置決部を有しているので、使用者は、骨盤周辺を矯正したい場合には、この胴囲端部位置決部を目安に腹部周囲部を折り返すことで容易に骨盤周辺の位置を矯正できる。また、使用者は、このようなリフォーム用ファンデーションの胴囲部を折り返して使用したり、そのまま折り返さずに使用することで締付力の強さを容易に調整できる。
また、胴囲部が二重に配置された伸縮性編地部となっているので、リフォーム用ファンデーションは、全体としてデザイン的にすぐれ、見栄えの良いものとなる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記胴囲部と前記後方位置決部とは、一枚の前記伸縮性編地部で形成されていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、胴囲部と後方位置決部とは、一枚の伸縮性編地部で形成されていので、リフォーム用ファンデーションは全体に薄いものとすることができる。このため、リフォーム用ファンデーションは、デザイン的にも見栄えのよいものとなる。また、使用者は、締付力の調製を容易に行うことができる。
【0012】
第3の発明は、第1または第2のいずれかの発明の構成において、二重に配置された前記伸縮性編地部において、一方の前記伸縮性編地部は、他方の前記伸縮性編地部より相対的に強い伸縮性を有するように構成されており、前記胴囲端部位置決部と前記胴囲端部とを合わせるように折り返すと相対的に強い伸縮性を有する前記縮性編地部が表側に配置されるようになっていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、胴囲部の二重に配置された伸縮性編地部において、一方の伸縮性編地部は他方の伸縮性編地部より相対的に強い伸縮性を有する。そして、胴囲端部位置決部を目安に胴囲端部を重ねて腹部周囲部を折り返すと、胴囲部は、相対的に強い伸縮性を有する伸縮性編地部が表側に配置されている。このため、リフォーム用ファンデーションは、デザイン的にも見栄えの良いものとなっている。
【0013】
第4の発明は、第1ないし第3のいずれかの発明の構成において、前記胴囲部に続いて形成される股上部分と太もも周辺を覆うレッグ部を有しており、前記股上部分に前記後方位置部決部が配置されるようになっていることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、リフォーム用ファンデーションは、胴囲部に続いて形成される股上部分と太もも周辺を覆うレッグ部を有しており、股上部分に後方位置部決部が配置されている。従がって、リフォーム用ファンデーションは、いわゆるガードルタイプとなっている。このため、使用者は後方位置決部を目安にすれば、リフォーム用ファンデーションの着用に際して、容易に、正しい位置で着用することができる。そして、このリフォーム用ファンデーションがいわゆるガードルタイプであるので、使用者は、このリフォーム用ファンデーションを抵抗なく使用することができる。
【0014】
第5の発明は、第1または第4のいずれかの発明の構成において、前記後方位置決部は、使用者の臀部山部の形状を潰さないように前記胴囲部より相対的に弱い伸縮性を有する前記伸縮性編地部となっていることを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、後方位置決部は使用者の臀部山部の形状を潰さないように胴囲部より相対的に弱い伸縮性の伸縮性編地部で構成されている。
このため、使用者が、リフォーム用ファンデーションの着用に際し、臀部山部を潰さないように正しい位置で装着できるので、装着した際の見栄えもよいものとなる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、付け位置が容易に判断でき、矯正具としての機能を発揮しつつも、締付力が強すぎることが無く、デザイン的に見栄えのよいリフォーム用ファンファーションを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図を参照して詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0017】
(第1の実施形態)
図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態に係るリフォーム用ファンデーション10を示しており、図4及び図5は、そのリフォーム用ファンデーション10を使用者Lが着用した状態を示している。
図1は、リフォーム用ファンデーション10の正面側の概略図を示しており、図2はリフォーム用ファンデーション10の背面側の概略図を示している。図3は、このリフォーム用ファンデーションの一部概略端面図を示している。
また、図4はリフォーム用ファンデーション10を使用者Lが着用した状態の人体の斜め正面側から見た場合の概略図であり、図5はリフォーム用ファンデーション10を着用した状態で斜め背面側から見た場合の概略図である。
【0018】
まず、図1乃至図3を用いて、第1の実施形態のリフォーム用ファンデーション10の概略を説明する。
図1および図2に示すように、第1の実施形態のリフォーム用ファンデーション10は、いわゆるガードルタイプとなっており、使用者の胴囲周辺に配置される筒状の胴囲部1と下腹部下側及び臀部を覆うように配置される股上部4と左右の太ももを覆う左右のレッグ部5a、5bを有している。
そして、胴囲部1は、胴囲上端部2aの部分で折り返されており、内側胴囲部1aと外側胴囲部1bとを有している(図3参照)。そして、この内側胴囲部1aは、上端位置決部2bで外側胴囲部1bと縫合されている。この胴囲上端部2aは、胴囲端部の一例となっており、上端位置決部2bは、胴囲端部位置決部の一例となっている。胴囲部1の胴囲上端部2aと上端位置決部2bの間の領域は、腹部周囲部の一例となっている。
また、内側胴囲部1aは、外側胴囲部1bと比較すると、約1.1倍〜約2.0倍程度伸縮性の強い編生地が用いられている。また、使用者Lが胴囲部1を折り返すことなく着用した際には、内側胴囲部1aは、使用者Lの身体側に配置されるようになっている。このため、使用者Lが胴囲部1を折り返すことなく着用した際には、この内側胴囲部1aで、使用者の腹部周辺を圧迫することができる。ここで編生地は、伸縮性編地部の一例となっている。つまり、胴囲部1は、内側胴囲部1aと外側胴囲部1bとを有しており、2重の編生地となっている。
【0019】
そして、股上部4と左右のレッグ部5a,5b及び胴囲部1は、一枚の伸縮性を有するメリヤス編みの編生地で構成されている。この股上部4と左右のレッグ部5a,5bの後述するヒップアップライン部3以外の部分及び胴囲部1の外側胴囲部1bは、同程度の伸縮性を有する編生地で構成されている。
そして、この股上部4と左右のレッグ部5a、5bには、使用者Lが着用した際に使用者Lの内ももからヒップに沿ってライン状にヒップアップライン部3が設けられている。このヒップアップライン部3は、股上部4及び左右のレッグ部5a,5bのヒップアップライン部3が配置されている部分以外の部分と比較すると、約1.1倍〜約2.0倍程度伸縮性の強い編生地となっている。これにより、使用者Lが着用した際には、このヒップアップライン部3によって、ヒップアップ効果と共に、内ももから引き上げるように配置されているので、内もも部分を引き締めることができる。ここで、股上部4は、股上部分の一例であり、ボトム部やボトムスともいい、使用者Lのウエスト部分より下側付近から足の付け根部分付近および臀部丸み部分付近を覆うように配置される。
【0020】
そして、図2で示すように、背面側では、このヒップアップライン部3と上端位置決部2bで囲まれた領域は、使用者の臀部側に配置される。つまり、このヒップアップライン部3と上端位置決部2bで囲まれた領域は、臀部位置決部6となっている。
使用者Lが、ガードルタイプのリフォーム用ファンデーション10を着用する際には、この臀部位置決部6により、正面側と背面側の区別が容易にできるようになっている。ここで、臀部位置決部6は、後方位置決部の一例となっている。このため、使用者Lは、着用に際して、容易に位置決めができる。
【0021】
このように、第1の実施形態のガードルタイプのリフォームファンデーション10は、伸縮性を有する編生地から構成されており、その編生地で使用する糸や編生地の形成の仕方により、好適な伸縮性とすることができる。しかも、編生地であるので編み方や糸により伸縮性を変化させることができ、別の布を縫合したりして、伸縮等を変化させる必要がないので、編み方や糸により伸縮性を変化させることができ、余分な縫合跡を設ける必要がない。そのため、デザイン的にも見栄えの良いものとすることができ、また、余分な縫合跡がないので、着用していても縫い目等が目立つということが無い。また、編生地の変化によって、任意の模様等を表現することができるので、デザイン的にも優れたものとすることができる。
【0022】
図4及び図5は、第1の実施形態に係るガードルタイプのリフォーム用ファンデーション10を使用者Lが着用した状態を示している。
そして、このリフォーム用ファンデーション10は、使用者Lが着用し、胴囲部1を折り返すことなく着用した場合には、使用者Lのウエスト部分のくびれ部分を矯正できるようになっている。つまり、このリフォーム用ファンデーション10の胴囲部1の寸法は、例えば、使用者Lの理想または標準のウエストサイズより少し小さい寸法に設定されていており、使用者Lは、適宜、自分のウエストのサイズに合わせて選ぶことができる。また、好ましくは、使用者Lのウエストサイズよりも若干小さめのものを選ぶことにより、着用した際に、ウエスト部分のくびれ部分を理想または標準のウエストサイズに矯正することができる。
そして、着用する場合には、使用者Lは、胴囲部1を伸ばして着用し、胴囲部1が使用者Lのウエスト部分のくびれ部分に配置されると、胴囲部1はもとの寸法に戻ろうとする力で、使用者Lのウエスト部分のくびれ部分を引き締めることができる。このため、使用者Lは、このリフォーム用ファンデーション10を着用して、胴囲部1をウエスト部分のくびれ部分を覆うように配置すると、胴囲部1の伸縮力により、引き締められ、理想の、または妊娠前の元のウエストサイズに近いサイズに矯正することができる。
また、使用者Lが、骨盤周辺を矯正したい場合や、ローウエストにしたい場合には、リフォーム用ファンデーション10の胴囲部1の胴囲上端部2aを上端位置決部2bに重ねるように折り返すことができるようになっている。つまり、上端位置決部2bは、胴囲端部位置決部の一例となっており、骨盤周辺部を矯正したい場合に、使用者Lは、この上端位置決部2bを目安として、胴囲部1を折り返せば、容易に使用者Lの骨盤周辺の矯正を行うことができる。
そして、胴囲部1を折り返す際には、外側胴囲部1bが折り返しの内側となるようにして、内側胴囲部1aが表側に現れるようすれば、この部分は4重に重ねられた編生地となり、伸縮性もより強くなるので、骨盤の締付を行うことができる。
また、折り返した際に表側に現れる内側胴囲部1aは、外側胴囲部1bより、約1.1〜約2.0倍程度の高い伸縮性を有するので、折り返して着用していても、胴囲部1の折り返した部分がずれにくい。
【0023】
このように、リフォーム用ファンデーション10の胴囲部1は、折り返すことなくそのままの寸法で使用者Lが着用して使用者Lのウエスト部分に配置されると、使用者Lのウエスト部分のくびれ部分を矯正して理想または標準の、あるいは妊娠前のウエストのサイズに近いサイズとなるように矯正することができる。そして、このように着用した場合には、胴囲部1の胴囲上端部2aは、使用者Lのウエスト部分のくびれ部分より若干上となるように配置されるようになる。つまり、胴囲部1は、そのまま着用して配置されるとハイウエストとなる。従がって、例えば、使用者Lが、着用する衣服が腰で穿くタイプの、いわゆるローウエストの衣服を着用した場合に、この衣服からリフォーム用ファンデーション10の胴囲部1が若干見えるように露出されても、デザイン的に優れているので違和感がない。つまり、仮に、このリフォーム用ファンデーション10が、衣服のウエスト部分から見えてしまう場合で、リフォーム用ファンデーション10の編生地は、様々な柄等を構成することができるので、デザイン的に優れ、見栄えの良いものとなる。
また、骨盤周辺を矯正したい場合には、胴囲部1を折り返すことで伸縮力を高めることができ、容易に骨盤周辺の矯正を行うことができる。
そして、胴囲部1は、折り返して着用することもできるので、例えば、着用する衣服がいわゆるローウエストタイプである場合に、胴囲部1を折り返しておけば、衣服のウエスト部分からこのリフォーム用ファンデーション10が、見えてしまうことを低減できる。
このようにリフォーム用ファンデーション10は、使用者Lの使用状態に応じて、容易に変形することができるので、使用者Lの使い勝手の良いものとすることができる。
【0024】
そして、上述したようにこのガードルタイプのリフォーム用ファンデーション10を使用者Lが着用すると、背面側でヒップアップライン部3と上端位置決部2bで囲まれた領域の臀部位置決部6が、使用者Lの臀部側に配置され、使用者Lの臀部山部がつぶれないようになっている。また、上端位置決部2bは、使用者Lの臀部山部を潰さない位置とされているので、胴囲上端部2aを上端位置決部2bに重ねるように折り返しても、使用者Lの臀部を潰さないので、着用していても見栄えの良いものとなる。
そして、この上端位置決部2bは、着用した使用者Lのちょうど骨盤周辺の位置に設けられている。このため、胴囲上端部2aを上端位置決部2bに重ねるように折り返すと、ちょうど、折り返された胴囲部1が、使用者Lの骨盤周辺を矯正するように配置される。
このため、使用者Lは、このガードルタイプのリフォーム用ファンデーション10を着用する際に、容易に正しい位置で装着できる。
【0025】
このように、第1の実施形態のガードルタイプのリフォーム用ファンデーション10は、使用者Lが装着する際には、後方位置決部の一例である臀部位置決部6を目安に装着することができる。従がって、使用者は装着位置を迷うことがなく、胴囲部1は使用者Lの腹部周辺に配置され、腹部を圧迫するように着用されるので、確実に矯正したい場所に配置することができる。
【0026】
また、胴囲部1は、二重に配置されて伸縮性編地部である内側胴囲部1aと外側胴囲部1bとを有している。そして、胴囲部1の端部側は、胴囲端部位置決部の一例である上端位置決部2bであり、胴囲部1のもう一方の端部側は、胴囲端部の一例である胴囲上端部2aである。そして、胴囲部1は、この上端位置決部2bと胴囲上端部2aとを重ねるように折り返すと、胴囲部1は、使用者の骨盤周辺を矯正できる程度に強い伸縮性を有するようになる。
このように、フォーム用ファンデーション10の胴囲部1は、胴囲上端部2aと上端位置決部2bとを有しているので、使用者は、骨盤周辺を矯正したい場合には、胴囲上端部2aを上端位置決部2bを目安に折り返して重ねることで容易に骨盤周辺の位置を矯正することができる。また、締付力が強すぎず、使用者Lが容易に締付力を調整することもできる。
また、胴囲部1が二重に配置された伸縮性編地部の一例である編生地となっており、その編生地の変化による模様等の形成が容易となり、デザイン的に見栄えの良いものとなる。
【0027】
(第2の実施形態)
図6ないし図9は、本発明の第2の実施形態に係るリフォーム用ファンデーション20を示しており、図10乃至図13は、そのリフォーム用ファンデーション20を使用者Lが着用した状態を示している。
図6は、リフォーム用ファンデーション20の正面側の概略図、図7はリフォーム用ファンデーション20の背面側の概略図、図8は、リフォーム用ファンデーション20の側面側の概略図を示している。図9は、このリフォーム用ファンデーション20の一部概略端面図を示している。
また、図10及び図12は、リフォーム用ファンデーション20を使用者Lが着用した状態の人体の斜め正面側から見た場合の概略図であり、図11及び図13は、リフォーム用ファンデーション10を着用した状態で斜め背面側から見た場合の概略図である。そして、図10及び図11は、リフォーム用ファンデーション20をそのまま着用している状態であり、図12及び図13は、リフォーム用ファンデーション20を着用して後述する胴囲部1を折り返した場合であり、胴囲上端部2aと上端位置決部2bとを重ねるように配置した状態で着用している。
第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する構成については、同一の符号を付し、説明を省略または簡略化し、以下、異なる点を中心に説明する。
【0028】
図6乃至図9に示すようにリフォーム用ファンデーション20は、筒状の胴囲部1と、下腹部及び臀部を覆うように配置される筒状の矯正覆部27を有している。
ここで、リフォーム用ファンデーション20の胴囲部1は、第1の実施形態のリフォーム用ファンデーション10の胴囲部1と同様の構成を有しており、材質等も同様なものを使用できる。つまり、胴囲部1は、胴囲上端部2aで折り返され、この胴囲上端部2aを介して外側胴囲部1bと内側胴囲部1aを有している(図9参照)。そして、この外側胴囲部1bと内側胴囲部1aとは、矯正覆部27との切り替え部分で縫合され上端位置決部2bとなっている。また、胴囲部1は、外側胴囲部1bと内側胴囲部1aとで二重の編生地となっている。胴囲部1の胴囲上端部2aと上端位置決部2bの間の領域は、腹部周囲部の一例となっている。ここで編生地は、伸縮性編地部の一例となっている。そして、内側胴囲部1aは、外側胴囲部1bと比較すると、約1.1倍〜約2.0倍程度伸縮性の強い編生地が用いられている。
【0029】
このリフォーム用ファンデーション20の胴囲部1と矯正覆部27は、一体に形成されており、全体が筒状の形状をしている。矯正覆部27は、胴囲部1の外側胴囲部1bと同様な伸縮性を有する編生地で構成されている。また、図7を参照すると、背面側には臀部位置決部26が配置されている。そして、臀部位置決部26は、矯正覆部27より伸縮性の弱い編生地で構成されており、使用者Lが着用した際に、臀部の膨らみを潰さないようなっている。また、この臀部位置決部26は、使用者Lがリフォーム用ファンデーション20を着用する際の正しい着用位置を示す目印とすることができる。このため、使用者Lはリフォーム用ファンデーション20を正しい位置で着用することができる。
【0030】
そして、図6及び図8を参照すると、矯正覆部27は、正面側より背面側のほうが若干長くされている。つまり、図6及び図8において、正面側の長さlと背面側の長さmを比較すると、長さmのほうが長さlより長くされている。
ここで、背面側とは、リフォーム用ファンデーション20を着用した際に使用者Lの臀部側に配置される方であり、臀部位置決部26が配置されている側である。そして、正面側とは、リフォーム用ファンデーション20を着用した際に使用者Lの前側、つまり、腹部側に配置される方である。このように背面側の長さmが正面側の長さlより若干長くされている。
【0031】
つまり、図10乃至図13を参照すると、矯正覆部27の下側、胴囲部1と連なっていない方側の裾部25は、使用者Lが着用すると使用者Lの臀部の下側付近及び使用者Lの足の付け根付近に配置されるようになっている。これは、矯正覆部27の背面側は、正面側に比較して若干長さが大きくされているので、リフォーム用ファンデーション20を使用者Lが着用すると、使用者Lのヒップの下側付近から臀部山部であるヒップの丸み形状を潰さずに覆うことができるようになっている。そして、矯正覆部27の正面側は、このリフォーム用ファンデーション20を使用者Lが着用すると、裾部25は、使用者Lの足の付け根付近に配置され、使用者Lの足の動きを妨げることがないように配置される。
このため、このリフォーム用ファンデーション20を使用者Lが装着して動いても、リフォーム用ファンデーション20がずり上がってきてしまうことを低減できる。
そして、このリフォーム用ファンデーション20は、全体が一枚の編生地で構成されているので、全体に薄く嵩張ることがなく、着用していても目立つことがない。
【0032】
また、図10及び図11を参照すると、使用者Lがリフォーム用ファンデーション20の胴囲部1を折り返すことなく着用している際には、内側胴囲部1aは、使用者Lの身体側に配置されるようになっている。このため、使用者Lが胴囲部1を折り返すことなく着用した際には、この内側胴囲部1aで、使用者の腹部周辺を圧迫することができる。
そして、図12及び図12に示すように、使用者Lが胴上端部2aと上端位置決部2bとを重ねるように胴囲部1を折り返すと、使用者Lの骨盤付近を圧迫することができるようになる。
【0033】
このように、上端位置決部2bは、使用者Lが骨盤付近を矯正したい場合に、胴囲上端部2aをこの上端位置決部2bを目安として重ねることにより、折り返された胴囲部1を骨盤付近に配置するための目安とすることができる。従がって、使用者Lが、リフォーム用ファンデーション20を着用した際に、正しい位置で装着することができる。また、胴囲部1は、胴囲上端部2aと上端位置決部2bとを重ねることにより、折り返されて配置さた分伸縮性も強くなる。そして、このリフォーム用ファンデーション20は、一枚の編生地で構成されており、伸縮性の違いは、その編生地の編み方の構成や、糸を変更したりすることで、形成されている。
従がって、リフォーム用ファンデーション20は、編生地の編み方や糸の変更箇所を任意の柄となるように構成することも可能であるので、デザインのバリエーションを広げることができる。
そして、このリフォーム用ファンデーション20は、編生地で構成するので、薄くでき、着用した状態であってもその上に着る衣服に影響しない。
また、胴囲部1は、折り返して着用することもできるので、例えば、着用する衣服が腰
で穿くタイプの、いわゆるローウエストタイプである場合に、胴囲部1を折り返しておけば、衣服のウエスト部分からこのリフォーム用ファンデーション20が、見えてしまうことを低減できる。また、仮に、このリフォーム用ファンデーション20が、衣服のウエスト部分から見えてしまう場合で、リフォーム用ファンデーション20の編生地は、様々な柄等を構成することができるので、見栄えの良いものとすることもできる。
【0034】
そして、このリフォーム用ファンデーション20は、使用者Lが出産後、数週間の間に骨盤を矯正する必要がある時期には、胴囲部1を折り返して骨盤矯正具として使用することができ、その後、下腹部やウエスト部分を引き締めたい場合には、胴囲部1を折り返すことなく着用することにより、ウエスト部分のくびれ部分の矯正を行うことができる。このように、胴囲部1を折り返すことで、容易に締めたい部分を調整できるので、使用者Lの使用時期に合わせて着用状態を変更することができ、使い勝手の良いものとなる。
また、第1の実施形態と同様に、使用者Lの着用する衣服に合わせて形を変更することも容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係るリフォーム用ファンデーションの正面側概略図である。
【図2】図1のリフォーム用ファンデーションの背面側概略図である。
【図3】図1のリフォーム用ファンデーションのA−A線の部分でリフォーム用ファンデーションを切断した場合の一部概略断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るリフォーム用ファンデーションを着用した状態で人体の斜め正面側から見た場合の概略図である。
【図5】本発明の実施形態に係るリフォーム用ファンデーションを着用した状態で斜め背面側から見た場合の概略図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係るリフォーム用ファンデーションの正面側概略図である。
【図7】図6のリフォーム用ファンデーションの背面側概略図である。
【図8】図6のリフォーム用ファンデーションの側面側概略図である。
【図9】図6のリフォーム用ファンデーションのB−B線の部分でリフォーム用ファンデーションを切断した場合の一部概略断面図である。
【図10】図6のリフォーム用ファンデーションを着用した状態で人体の斜め正面側から見た場合の概略図である。
【図11】図6のリフォーム用ファンデーションを着用した状態で斜め背面側から見た場合の概略図である。
【図12】図6のリフォーム用ファンデーションを着用した状態で人体の斜め正面側のから見た場合の概略図である。
【図13】図6のリフォーム用ファンデーションを着用した状態で斜め背面側から見た場合の概略図である。
【符号の説明】
【0036】
1、21・・・胴囲部、2a・・・胴囲上端部、2b・・・上端位置決部、3・・・ヒップアップライン部、4・・・股上部、5a,5b・・・レッグ部、6、26・・・臀部位置決部、10、20・・・リフォーム用ファンデーション、25・・・裾部、27・・・矯正覆部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の腹部周辺部に配置されウエスト部分を圧迫してウエスト部分のくびれ部分を矯正するように着用される筒状の胴囲部と、
使用者の臀部側に配置される後方位置決部と、を有しており、
前記胴囲部は、伸縮性を有する伸縮性編地部からなり、一方の端部側の前記伸縮性編地部が折り返された胴囲端部と、前記胴囲端部を介して前記伸縮性編地部が二重に配置された腹部周囲部と、他方の端部側の二重に配置された前記伸縮性編地部の一方と他方とが着用した際に使用者の骨盤周辺となるような位置で縫合された胴囲端部位置決部と、を有し、
前記胴囲端部位置決部と前記胴囲端部とを重なるように前記腹部周囲部が折り返されると、前記胴囲部が使用者の骨盤周辺を矯正できる程度に強い伸縮性となるように構成されていることを特徴とするリフォーム用ファンデーション。
【請求項2】
前記胴囲部と前記後方位置決部とは、一枚の前記伸縮性編地部で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリフォーム用ファンデーション。
【請求項3】
二重に配置された前記伸縮性編地部において、一方の前記伸縮性編地部は、他方の前記伸縮性編地部より相対的に強い伸縮性を有するように構成されており、
前記胴囲端部位置決部と前記胴囲端部とを合わせるように折り返すと相対的に強い伸縮性を有する前記縮性編地部が表側に配置されるようになっていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のリフォーム用ファンデーション。
【請求項4】
前記胴囲部に続いて形成される下腹部下側から臀部を覆うように配置される股上部分と太もも周辺を覆うレッグ部を有しており、前記股上部分に前記後方位置部決部が配置されるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のリフォーム用ファンデーション。
【請求項5】
前記後方位置決部は、使用者の臀部山部の形状を潰さないように前記胴囲部より相対的に弱い伸縮性を有する前記伸縮性編地部となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のリフォーム用ファンデーション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−191414(P2009−191414A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34764(P2008−34764)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000112288)ピジョン株式会社 (144)
【出願人】(000214043)蝶理株式会社 (14)
【Fターム(参考)】