説明

リモートコントロールシステム、リモートコントロール方法及びプログラム

【課題】所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置をユーザが効率的に特定する。
【解決手段】リモコンアプリ1−1は、応答要求をネットワークNW上の全ての赤外線送出装置2に送出するIPアドレス要求部101と、応答要求に対する応答を受信するIPアドレス取得部102と、応答が受信された赤外線送出装置2を一覧表示し、その中から1つをユーザに選択させる一覧表示部103と、選択された赤外線送出装置2に対して発光要求を送信する発光要求部104と、ユーザの判定に応じて当該赤外線送出装置2の識別情報を記憶するIPアドレス設定部105とを具備する。赤外線送出装置2は、応答要求を受信したときに、自装置の識別情報を含む応答をリモートコントロール端末1に送信するIPアドレス応対部202と、発光要求を受信したときに、自装置の発光モジュールをユーザが知覚可能に動作させる発光部204とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品等の複数の操作対象機器を遠隔操作するためのリモートコントロールシステム、リモートコントロール方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、テレビやビデオ等のほとんどの家電製品には、赤外線送出手段を添えたリモコートコントーラ(以下、リモコンと称する)が付属されているが、利用する家電製品が増えるに従ってリモコンの台数も比例して増加してきている。そのため、利用者は複数のリモコンをそれぞれ持ち替えて使う必要があり、またその台数分の保管場所を用意する必要があった。
【0003】
そこで、従来技術として、任意の赤外線送出が可能な装置(赤外線送出装置)を、ネットワークを介して1つの操作者端末から、予め用意されたWWWブラウザなどのユーザインタフェース画面を使って任意の操作対象機器を操作する手法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、1つの操作者端末で様々な家電機器を操作できると、様々な家電機器の操作ログを1つの端末に残すことができるため、ログを使ったサービスを実施する際の収集効率の向上や、プライバシーに関わる情報を自分の端末に残しておけるという安心の提供を実現することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−143665公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記手法では、赤外線送出装置から赤外線が届く範囲に操作対象機器を設置する必要がある。そのため、別の部屋に操作対象機器があるときは、当該装置を個別に設置することになる。このように複数の赤外線送出装置を扱う場合、使いたい操作対象機器と赤外線送出装置の組合せをその場でユーザが設定しなければならない。その際、ユーザは設定したい赤外線送出装置をネットワーク上から特定する必要がある。
【0006】
このような場合、赤外線送出装置から実際に赤外線を送出させてみるなどの方法が考えられるが、操作対象機器が動作しなかった場合、赤外線送出装置の設定が誤っているのか、あるいは送出した赤外線信号が操作対象機器に届かなかったのか、判断できないため効率的に設定を行うことが難しいという問題があった。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置をユーザが効率的に特定することが可能なリモートコントロールシステム、リモートコントロール方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、以下のような手段を講じている。
第1の態様は、ユーザにより操作されるリモートコントロール端末からネットワーク上の複数の赤外線送出装置を中継して複数の操作対象機器を操作するリモートコントロールシステムであって、前記リモートコントロール端末は、前記赤外線送出装置の識別情報を取得するための応答要求を前記ネットワーク上の全ての赤外線送出装置に送出する手段と、前記応答要求に対して前記ネットワークを介して送られてくる、前記赤外線送出装置の識別情報を含む応答を受信する手段と、前記応答が受信された赤外線送出装置を一覧表示する手段と、前記一覧表示された赤外線送出装置の中から1つを前記ユーザに選択させる手段と、選択された赤外線送出装置に対して、当該赤外線送出装置に対応する識別情報をもとに発光要求を前記ネットワークを介して送信する手段と、前記選択された赤外線送出装置を所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置として登録するか否かを前記ユーザに判定させる手段と、登録すると判定された赤外線送出装置の識別情報を前記所望の操作対象機器に対応付けて記憶する手段とを具備し、前記赤外線送出装置は、前記応答要求を受信したときに、自装置の識別情報を含む応答を前記ネットワークを介して前記リモートコントロール端末に送信する手段と、前記発光要求を受信したときに、自装置に備えられる発光モジュール又は音出力モジュールを前記ユーザが知覚可能なように動作させる手段とを具備することを特徴とするリモートコントロールシステムを提供する。
【0009】
第2の態様は、ユーザにより操作されるリモートコントロール端末からネットワーク上の複数の赤外線送出装置を中継して複数の操作対象機器を操作するリモートコントロールシステムであって、前記リモートコントロール端末は、所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置に付与された機器識別子を取得する手段と、前記取得された機器識別子を含む問合せ要求を前記ネットワーク上の全ての赤外線送出装置に送出する手段と、前記問合せ要求に対して前記ネットワークを介して送られてくる、前記赤外線送出装置の識別情報を含む応答を受信する手段と、前記応答が受信された前記赤外線送出装置の識別情報を前記所望の操作対象機器に対応付けて記憶する手段とを具備し、前記赤外線送出装置は、前記問合せ要求を受信したときに、当該問合せ要求に自装置の機器識別子が含まれている場合に自装置の識別情報を含む応答を前記ネットワークを介して前記リモートコントロール端末に送信する手段を具備することを特徴とするリモートコントロールシステムを提供する。
【0010】
第3の態様は、ユーザにより操作されるリモートコントロール端末からネットワーク上の複数の赤外線送出装置を中継して複数の操作対象機器を操作するリモートコントロール方法であって、前記リモートコントロール端末は、前記赤外線送出装置の識別情報を取得するための応答要求を前記ネットワーク上の全ての赤外線送出装置に送出する過程と、前記応答要求に対して前記ネットワークを介して送られてくる、前記赤外線送出装置の識別情報を含む応答を受信する過程と、前記応答が受信された赤外線送出装置を一覧表示する過程と、前記一覧表示された赤外線送出装置の中から1つを前記ユーザに選択させる過程と、選択された赤外線送出装置に対して、当該赤外線送出装置に対応する識別情報をもとに発光要求を前記ネットワークを介して送信する過程と、前記選択された赤外線送出装置を所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置として登録するか否かを前記ユーザに判定させる過程と、登録すると判定された赤外線送出装置の識別情報を前記所望の操作対象機器に対応付けて記憶する過程とを有し、前記赤外線送出装置は、前記応答要求を受信したときに、自装置の識別情報を含む応答を前記ネットワークを介して前記リモートコントロール端末に送信する過程と、前記発光要求を受信したときに、自装置に備えられる発光モジュール又は音出力モジュールを前記ユーザが知覚可能なように動作させる過程とを有することを特徴とするリモートコントロール方法を提供する。
【0011】
第4の態様は、ユーザにより操作されるリモートコントロール端末からネットワーク上の複数の赤外線送出装置を中継して複数の操作対象機器を操作するリモートコントロール方法であって、前記リモートコントロール端末は、所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置に付与された機器識別子を取得する過程と、前記取得された機器識別子を含む問合せ要求を前記ネットワーク上の全ての赤外線送出装置に送出する過程と、前記問合せ要求に対して前記ネットワークを介して送られてくる、前記赤外線送出装置の識別情報を含む応答を受信する過程と、前記応答が受信された前記赤外線送出装置の識別情報を前記所望の操作対象機器に対応付けて記憶する過程とを有し、前記赤外線送出装置は、前記問合せ要求を受信したときに、当該問合せ要求に自装置の機器識別子が含まれている場合に自装置の識別情報を含む応答を前記ネットワークを介して前記リモートコントロール端末に送信する過程を有することを特徴とするリモートコントロール方法を提供する。
【0012】
第5の態様は、前記第1又は第2の態様のリモートコントロールシステムを構成する各手段の一部又は全部の処理機能をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
したがって本発明によれば、所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置をユーザが効率的に特定することが可能なリモートコントロールシステム、リモートコントロール方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係るリモートコントロールシステムを示す構成図。
【図2】第1実施形態の動作フローを示す図。
【図3】本発明の第2実施形態に係るリモートコントロールシステムを示す構成図。
【図4】第2実施形態の動作フローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るリモートコントロールシステムを示す構成図である。本システムは、リモコン端末1と、赤外線送出装置2−1,2−2(赤外線送出装置2と総称する)と、操作対象機器3−1,3−2(操作対象機器3と総称する)と、ネットワークNWとを備える。本システムは、ユーザがリモコン端末1を操作することによって、リモコン端末1とネットワークNWを介して接続された赤外線送出装置2を操作し、赤外線送出装置2が発する赤外線を受信する操作対象機器3を遠隔から操作可能とするものである。
【0016】
リモコン端末1は、ユーザ一人につき1台携帯し利用する端末で、その中に操作対象機器3毎のリモコン制御手段(リモコンアプリ1−1,1−2)を実装する。リモコンアプリ1−1,1−2は、IPアドレス要求部101と、IPアドレス取得部102と、一覧表示部103と、発光要求部104と、IPアドレス設定部105と、操作画面表示部108と、操作コマンド送信部109とを備える。
【0017】
IPアドレス要求部101は、赤外線送出装置2の識別情報を取得するための応答要求をネットワークNW上の全ての赤外線送出装置2に送出する。IPアドレス取得部102は、上記応答要求に対してネットワークNWを介して送られてくる、赤外線送出装置2の識別情報を含む応答を受信する。一覧表示部103は、上記応答が受信された赤外線送出装置2を一覧表示し、一覧表示された赤外線送出装置2の中から1つをユーザに選択させる。発光要求部104は、選択された赤外線送出装置2に対して、当該赤外線送出装置2に対応する識別情報をもとに発光要求をネットワークNWを介して送信し、上記選択された赤外線送出装置2を所望の操作対象機器3に対応する赤外線送出装置2として登録するか否かをユーザに判定させる。IPアドレス設定部105は、ユーザにより登録すると判定された赤外線送出装置2の識別情報を上記所望の操作対象機器3に対応付けて記憶する。
【0018】
操作画面表示部108は、ユーザから操作対象機器3に対する操作を受け付けるための操作画面を表示する。操作コマンド送信部109は、この操作画面上でユーザが指示した操作に対応する操作コマンドを、IPアドレス設定部105で記憶された赤外線送出装置2の識別情報をもとに、上記登録された赤外線送出装置2に向けて送信する。
【0019】
赤外線送出装置2は、リモコン端末1とネットワークNWを介して接続可能であって、赤外線送出部201と、IPアドレス応対部202と、IPアドレス記憶部203と、発光部204と、操作コマンド受信部205とを備える。赤外線送出装置2には、個別に識別可能な情報、例えばIPアドレスが付与され、IPアドレス記憶部203に記憶される。
【0020】
IPアドレス応対部202は、リモコン端末1からの応答要求に応じて、自装置の識別情報(IPアドレス)を含む応答をネットワークNWを介してリモコン端末1に送信する。発光部204は、ネットワークNW経由で送られてくるリモコン端末1からの発光要求に対して、発光モジュールをユーザが視覚可能なように発光させる。操作コマンド受信部205は、リモコン端末1からネットワークNWを介して送られてくる操作コマンドを受信し、受信した操作コマンドを赤外線送出部201に送信する。赤外線送出部201は、操作コマンド受信部205からの操作コマンドを操作対象機器3に向けて赤外線で送出する。
【0021】
このように構成された第1実施形態のシステムの動作について説明する。図2は、第1実施形態の動作フローを示す図である。ここで、ユーザは、設定したい操作対象機器3−1に対し赤外線の到達範囲にある赤外線送出装置2−1を選択するものとする。そのとき、当該赤外線送出装置2の発光する発光部204が見える位置に移動する。
【0022】
IPアドレス要求部101は、アプリケーションの起動やユーザの操作による指示、あるいはネットワークNWを介した外部からの指示により、赤外線送出装置2が識別可能かつ当該装置のみ応答するIPアドレス応答要求をネットワークNW上の全ての赤外線送出装置置2−1,2−2に向けて送信する(ステップS1a)。IPネットワークでは、ブロードキャストというプロトコルにより容易に実現できる。
【0023】
各赤外線送出装置2−1,2−2において、上記IPアドレス応答要求を受信すると(ステップS2a)、IPアドレス応対部202は、IPアドレス記憶部203からIPアドレスを取得し、要求元であるリモコン端末1に対して通知する(ステップS3a)。
【0024】
リモコンアプリ1−1のIPアドレス取得部102は、応答のあった赤外線送出装置2を表す情報と取得されたIPアドレスとを対応付けて保存しておく(ステップS4a)。リモコンアプリ1−1では、全ての赤外線送出装置2−1,2−2からのIPアドレス応答が来るのを待つが、赤外線送出装置2の台数を把握している場合はその台数分の応答が来るまで、台数を把握していない場合は一定時間待機する(ステップS5a)。待機時間は、IPアドレス応答要求を送信してから最初の応答が来るまでの時間を計測し、その時間からの経過時間を設定してもよい。
【0025】
一覧表示部103は、IPアドレス取得部102で取得された赤外線送出装置2−1,2−2のIPアドレスをユーザが選択できるように一覧表示する(ステップS6a)。一覧表示部103で表示されたIPアドレスの中からユーザが1つのIPアドレスを選択すると、当該IPアドレスが発光要求部104に渡される(ステップS7a)。発光要求部104は、当該IPアドレスの赤外線送出装置2に対して個別のIP通信、例えばTCP/IPやHTTPなどにより、発光部204へ発光要求を送信する(ステップS8a)。
【0026】
赤外線送出装置2の発光部204は、上記発光要求を受け付けると(ステップS9a)、自装置に備えられるLED等の発光モジュールをユーザが視覚できるように発光させる(ステップS10a)。発光の仕方については、次回の発光要求が来るまで点灯してもよいし、一定時間発光するのでもよい。また点灯ではなく点滅してユーザに気付きやすくさせてもよい。ここでは分かりやすさのために、ユーザへの視覚的な応答例を示したが、当該変換器を特定できるのであれば音の出力などの聴覚を用いる方法でもよい。
【0027】
また、さらにリモコン端末1から設定しようとしている操作対象機器3の電源をONにする操作要求を上記発光要求と合わせて赤外線送出装置2に送出し、受信した赤外線送出装置2の赤外線送出部201から操作対象機器3に対して赤外線を送出することも可能である。この場合、実際に操作対象機器3がONになるか否かをユーザが判定することになり確認がしやすくなるという利点がある。
【0028】
上記の動作により、発光要求部104は、選択された赤外線送出装置2を所望の操作対象機器3−1に対応する赤外線送出装置2−1として登録するか否かをユーザに判定させる(ステップS11a)。ユーザは、設定しようとしている赤外線送出装置2−1の発光部204が応答しなかった場合は、一覧表示部103で選択したものではなかったと判断し、一覧表示部103において次の赤外線送出装置2を選択する(ステップS11a:NO)。以降同様にして、発光要求部104は、選択されたIPアドレスの赤外線送出装置2に対して発光要求を送信し、応答の確認を繰り返す。
【0029】
ユーザは、設定しようとしている赤外線送出装置2−1が応答した場合、選択した赤外線送出装置2を登録すると判定する(ステップS10a:YES)。この判定を受けて、発光要求部104は現在選択されている赤外線送出装置2のIPアドレスをIPアドレス設定部105に送信する。IPアドレス設定部105は、受信したIPアドレスを所望の操作対象機器3に対応付けて記憶する(ステップS12a)。
【0030】
その後、リモコンアプリ1−1の操作画面表示部108は、操作対象機器3−1の操作画面をユーザに提示する。この操作画面でユーザからの操作を検出すると(ステップS13a:YES)、操作コマンド送信部109は、検出された操作に対応する操作コマンドを、上記記憶された赤外線送出装置2−1のIPアドレスを宛先に指定してネットワークNWに送信する(ステップS14a)。赤外線送出装置2−1の操作コマンド受信部205において、ネットワークNWを介して送られてくる操作コマンドが受信されると(ステップS15a:YES)、赤外線送出部201は、受信した操作コマンドを操作対象機器3−1に赤外線で送出する(ステップS16a)。リモコンアプリ1−1は、ユーザからリモコンアプリの終了操作が行われるまで、ステップS13aに戻って上記処理を繰り返し行う(ステップS17a)。
【0031】
以上述べたように上記第1実施形態によれば、設定したい操作対象機器に対応する赤外線送出装置をユーザが効率的に特定することが可能となり、リモコン端末から赤外線送出装置を経由して操作対象機器を利用するための設定を簡易に行うことができる。
また、一覧表示部103で一通りの赤外線送出装置2を選択し、発光させても所望の赤外線送出装置2が発光しない場合は、再度IPアドレス要求部101からIPアドレス応答要求を全ての赤外線送出装置2に送信するところからやり直してもよい。何度か繰り返しても発光しない場合は、所望の赤外線送出装置2がネットワークNWに正しく接続されているかをユーザに確認するように通知してもよい。
【0032】
また、上記実施形態の一覧表示部103では、ユーザが手動により選択する方法を示したが、一定の時間間隔で自動的に一覧の順に赤外線送出装置2を選択し、発光要求部104により発光要求を送信することもできる。その場合、ユーザは所望の赤外線送出装置2が発光した際、発光要求部104に対し、自動的に発光されている発光要求を停止させ、現在送信しているIPアドレスが所望の赤外線送出装置2であると判定した結果を通知する。この通知を受けて、IPアドレス設定部105は、現在送信しているIPアドレスを所望の操作対象機器3に対応付けて記憶する。
【0033】
他の操作対象機器3−2を操作するために用意したリモコンアプリ1−2も上記同様に赤外線送出装置2−2のIPアドレス設定を行う。操作対象機器3が異なると使用する赤外線送出装置2も異なるため、IPアドレス設定部105は個別に設定できるようにする。
【0034】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係るリモートコントロールシステムを示す構成図である。本システムは、リモコン端末1Aと、赤外線送出装置2A−1,2A−2(赤外線送出装置2Aと総称する)と、操作対象機器3−1,3−2(操作対象機器3と総称する)と、ネットワークNWとを備える。なお、上記第1の実施形態と同様の構成については同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0035】
リモコン端末1Aは、ユーザが一人につき1台携帯し利用する端末で、その中に操作対象機器3毎のリモコン制御手段(リモコンアプリ1A−1,1A−2)を実装する。リモコンアプリ1A−1,1A−2は、IPアドレス取得部102と、IPアドレス設定部105と、機器ID取得部106と、IPアドレス問合せ部107と、操作画面表示部108と、操作コマンド送信部109とを備える。機器ID取得部106は、赤外線送出装置2Aに付与された機器識別子(機器ID)を取得する。IPアドレス問合せ部107は、取得された機器IDを含む問合せ要求をネットワークNW上の全ての赤外線送出装置2Aに送出する。
【0036】
赤外線送出装置2Aは、リモコン端末1AとネットワークNWを介して接続可能であって、赤外線送出部201と、IPアドレス応対部202と、IPアドレス記憶部203と、操作コマンド受信部205とを備える。赤外線送出装置2Aには、ネットワークNWの接続デバイスに固有にMACアドレスが付与されており、このMACアドレスが機器IDとして外部から読取可能に赤外線送出装置2Aに埋め込まれる。IPアドレス応対部202は、上記問合せ要求を受信したときに、当該問合せ要求に含まれている機器識別子が自装置の機器識別子と一致するか否かを判定し、当該問合せ要求に自装置の機器識別子が含まれていると判定した場合に自装置の識別情報を含む応答をネットワークNWを介してリモートコントロール端末1に送信する。
【0037】
このように構成された第2実施形態のシステムの動作について説明する。図4は、第2実施形態の動作フローを示す図である。
リモコン端末1の機器ID取得部106は、設定したい操作対象機器3に対応する赤外線送出装置2Aの機器IDを取得する(ステップS1b)。例えば、この機器IDはネットワークNWの接続デバイスに単一固有に付与されるMACアドレスを用いることができる。赤外線送出装置2Aは、このMACアドレスをID情報としてFelicaのICチップやQRコードなどの外部から読み取れるように埋め込んでおく。リモコン端末1Aでは対応するFelicaリーダやQRコードリーダの手段によりMACアドレスを機器IDとして取得する(ステップS2b)。以降、機器IDをMACアドレスとして説明する。
【0038】
IPアドレス問合せ部107は、機器ID取得部106によって取得されたMACアドレスを含むIPアドレス問合せ要求を接続されているネットワークNWにブロードキャストで送信する(ステップS3b)。
赤外線送出装置2AのIPアドレス応対部202は、当該ブロードキャストでIPアドレス問合せ要求を受信すると、IPアドレス問合せ要求に含まれるMACアドレスが自装置のものと同一であるか否かを判定する(ステップS4b)。IPアドレス応対部202は、当該MACアドレスが自装置のものと同一であると判定した場合、IPアドレス記憶部203から自装置のIPアドレスを取得し、当該IPアドレスを含めて要求元のリモコン端末1Aに対し応答を送信する(ステップS5b)。上記ステップS4bの判定において、IPアドレス問合せ要求のMACアドレスが自装置のものと異なる場合は何も処理を行なわない。
【0039】
リモコン端末1AのIPアドレス取得部102は、赤外線送出装置2Aからの応答を受信すると(ステップS6b)、応答に含まれるIPアドレスを抽出し、抽出したIPアドレス設定部105に送信する。IPアドレス設定部105は、受信したIPアドレスを設定したい操作対象機器3に対応付けて記憶する(ステップS7b)。
【0040】
その後、リモコンアプリ1−1の操作画面表示部108は、操作対象機器3−1の操作画面をユーザに提示する。この操作画面でユーザからの操作を検出すると(ステップS8b:YES)、操作コマンド送信部109は、検出された操作に対応する操作コマンドを、上記記憶された赤外線送出装置2−1のIPアドレスを宛先に指定してネットワークNWに送信する(ステップS9b)。赤外線送出装置2−1の操作コマンド受信部205において、ネットワークNWを介して送られてくる操作コマンドが受信されると(ステップS10b:YES)、赤外線送出部201は、受信した操作コマンドを操作対象機器3−1に赤外線で送出する(ステップS11b)。リモコンアプリ1−1は、ユーザからリモコンアプリの終了操作が行われるまで、ステップS13bに戻って上記処理を繰り返し行う(ステップS12b)。
【0041】
以上述べたように上記第2実施形態によれば、設定したい操作対象機器に対応する赤外線送出装置をユーザが効率的に特定することが可能となり、リモコン端末から赤外線送出装置を経由して操作対象機器を利用するための設定を簡易に行うことができる。
なお、この発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…第1実施形態のリモコン端末、1−1,1−2…第1実施形態のリモコンアプリ、101…IPアドレス要求部、102…IPアドレス取得部、103…一覧表示部、104…発光要求部、105…IPアドレス設定部、108…操作画面表示部、109…操作コマンド送信部、NW…ネットワーク、2−1,2−2…第1実施形態の赤外線送出装置、201…赤外線送出部、202…IPアドレス応対部、203…IPアドレス記憶部、204…発光部、205…操作コマンド受信部、3−1,3−2…操作対象機器、1A…第2実施形態のリモコン端末、1A−1,1A−2…第2実施形態のリモコンアプリ、106…機器ID取得部、107…IPアドレス問合せ部、2A−1,2A−2…第2実施形態の赤外線送出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより操作されるリモートコントロール端末からネットワーク上の複数の赤外線送出装置を中継して複数の操作対象機器を操作するリモートコントロールシステムであって、
前記リモートコントロール端末は、
前記赤外線送出装置の識別情報を取得するための応答要求を前記ネットワーク上の全ての赤外線送出装置に送出する手段と、
前記応答要求に対して前記ネットワークを介して送られてくる、前記赤外線送出装置の識別情報を含む応答を受信する手段と、
前記応答が受信された赤外線送出装置を一覧表示する手段と、
前記一覧表示された赤外線送出装置の中から1つを前記ユーザに選択させる手段と、
選択された赤外線送出装置に対して、当該赤外線送出装置に対応する識別情報をもとに発光要求を前記ネットワークを介して送信する手段と、
前記選択された赤外線送出装置を所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置として登録するか否かを前記ユーザに判定させる手段と、
登録すると判定された赤外線送出装置の識別情報を前記所望の操作対象機器に対応付けて記憶する手段と
を具備し、
前記赤外線送出装置は、
前記応答要求を受信したときに、自装置の識別情報を含む応答を前記ネットワークを介して前記リモートコントロール端末に送信する手段と、
前記発光要求を受信したときに、自装置に備えられる発光モジュール又は音出力モジュールを前記ユーザが知覚可能なように動作させる手段と
を具備することを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項2】
ユーザにより操作されるリモートコントロール端末からネットワーク上の複数の赤外線送出装置を中継して複数の操作対象機器を操作するリモートコントロールシステムであって、
前記リモートコントロール端末は、
所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置に付与された機器識別子を取得する手段と、
前記取得された機器識別子を含む問合せ要求を前記ネットワーク上の全ての赤外線送出装置に送出する手段と、
前記問合せ要求に対して前記ネットワークを介して送られてくる、前記赤外線送出装置の識別情報を含む応答を受信する手段と、
前記応答が受信された前記赤外線送出装置の識別情報を前記所望の操作対象機器に対応付けて記憶する手段と
を具備し、
前記赤外線送出装置は、
前記問合せ要求を受信したときに、当該問合せ要求に自装置の機器識別子が含まれている場合に自装置の識別情報を含む応答を前記ネットワークを介して前記リモートコントロール端末に送信する手段を具備することを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項3】
ユーザにより操作されるリモートコントロール端末からネットワーク上の複数の赤外線送出装置を中継して複数の操作対象機器を操作するリモートコントロール方法であって、
前記リモートコントロール端末は、
前記赤外線送出装置の識別情報を取得するための応答要求を前記ネットワーク上の全ての赤外線送出装置に送出する過程と、
前記応答要求に対して前記ネットワークを介して送られてくる、前記赤外線送出装置の識別情報を含む応答を受信する過程と、
前記応答が受信された赤外線送出装置を一覧表示する過程と、
前記一覧表示された赤外線送出装置の中から1つを前記ユーザに選択させる過程と、
選択された赤外線送出装置に対して、当該赤外線送出装置に対応する識別情報をもとに発光要求を前記ネットワークを介して送信する過程と、
前記選択された赤外線送出装置を所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置として登録するか否かを前記ユーザに判定させる手段と、
登録すると判定された赤外線送出装置の識別情報を前記所望の操作対象機器に対応付けて記憶する手段と
を有し、
前記赤外線送出装置は、
前記応答要求を受信したときに、自装置の識別情報を含む応答を前記ネットワークを介して前記リモートコントロール端末に送信する過程と、
前記発光要求を受信したときに、自装置に備えられる発光モジュール又は音出力モジュールを前記ユーザが知覚可能なように動作させる過程と
を有することを特徴とするリモートコントロール方法。
【請求項4】
ユーザにより操作されるリモートコントロール端末からネットワーク上の複数の赤外線送出装置を中継して複数の操作対象機器を操作するリモートコントロール方法であって、
前記リモートコントロール端末は、
所望の操作対象機器に対応する赤外線送出装置に付与された機器識別子を取得する過程と、
前記取得された機器識別子を含む問合せ要求を前記ネットワーク上の全ての赤外線送出装置に送出する過程と、
前記問合せ要求に対して前記ネットワークを介して送られてくる、前記赤外線送出装置の識別情報を含む応答を受信する過程と、
前記応答が受信された前記赤外線送出装置の識別情報を前記所望の操作対象機器に対応付けて記憶する過程と
を有し、
前記赤外線送出装置は、
前記問合せ要求を受信したときに、当該問合せ要求に自装置の機器識別子が含まれている場合に自装置の識別情報を含む応答を前記ネットワークを介して前記リモートコントロール端末に送信する過程を有することを特徴とするリモートコントロール方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のリモートコントロールシステムを構成する各手段の一部又は全部の処理機能をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−172097(P2011−172097A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35091(P2010−35091)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】