説明

リンク接続性確認方法

【課題】外付けの光送受信機を必要とせず、PXCとWDMの間の物理的なリンクの接続性を確認できるリンク接続性確認方法を提供すること。
【解決手段】WDM5からC-planeを通じてWDM5のポート(port a)に対する物理的なリンク接続状態を把握するためのリンク接続性確認メッセージをPXC3に送信する。PXC3は、ポート(port a)に対する物理的なリンク接続状態を示す情報を含むリンク接続性確認承認メッセージをWDM5に送信し、WDM5は、PXC3のポート(port 1)の送信側と受信側をクロスコネクトさせるためのクロスコネクト命令メッセージを送信する。WDM5のポート(port a)から送信されたプローブ光は、PXC3のポート(port 1)のクロスコネクトで折り返される。WDM5は、プローブ光を受信してリンク接続性を確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンク接続性確認方法に関し、特に、光ネットワークのノードを構成する光クロスコネクト装置と伝送装置の間の物理的なリンクの接続性を確認するリンク接続性確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光クロスコネクト装置(PXC)を用いたGMPLS光ネットワークにおけるリンクの接続性は、対象とするリンクの一端側から光信号を送信し、伝送されてきた信号を他端側で受信することにより確認できる。
【0003】
図5は、従来のリンク接続性確認方法を示す概念図である。ここでは、光ネットワークにおける最も簡単な2ノードネットワーク構成を示している。クライアント装置A,B間にノード1,2の2ノードが介在する。ノード1(図示左側)は光クロスコネクト装置(PXC)3とWDMなどの伝送装置(以下、WDMと称す。)5を備え、ノード2(図示右側)はPXC4とWDM6を備える。
【0004】
PXC3,4間のリンク接続性確認は、PXC3,4にそれぞれ光送受信機C,Dを外付けし、それらの間で光信号を送受信することで行う。例えば、PXC3側の光送受信機Cから光信号を送信し、リンクを通して伝送されてきた光信号をPXC4側の光送受信機Dで受信することによりPXC3,4間のリンク接続性を確認する。このようなリンク接続性確認方法は、下記非特許文献1,2に記載されている。
【非特許文献1】IETF RFC4204 Section5
【非特許文献2】IETF RFC4209 Section2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のリンク接続性確認方法では、リンク接続性を確認するにあたって、伝送装置のクライアント信号フォーマット、例えばSDH(Synchronous Digital Hierarchy)、GbE(Gigabit Ethernet(登録商標))あるいは10GbEなどに対応した光送受信機を必要とし、種々のクライアント信号が存在する光ネットワークのリンク接続を確認する場合には、さまざまな信号フォーマットの光送受信機を用意しておかなければならない。そのため、リンク接続性確認機能を備えたシステムを経済的の構築することができないという課題があった。
【0006】
また、PXCとWDMから構成される光ネットワーク、いわゆるOpaque型の光ネットワークでは、リンク接続性確認を行っても、PXCとWDMの間の接続性が悪いのか、WDMとWDMの間の接続性が悪いのかが分からず、それらの切り分けができないので、迅速、的確な対処ができないという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決し、外付けの光送受信機を必要とせず、PXCとWDMの間の物理的なリンクの接続性を確認できるリンク接続性確認方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、光クロスコネクト装置と伝送装置を備えたノードを含む光ネットワークのリンク接続性確認方法において、コントロールプレーン上で前記伝送装置から該伝送装置の1つのポートに対する物理的なリンク接続状態を把握するためのリンク接続性確認メッセージを前記光クロスコネト装置に送信するステップと、前記リンク接続性確認メッセージに応答してコントロールプレーン上で前記光クロスコネクト装置から前記1つのポートに対する物理的なリンク接続状態を示す情報を含むリンク接続性確認承認メッセージを送信するステップと、前記リンク接続性確認承認メッセージを元にコントロールプレーン上で前記伝送装置から前記1つのポートに接続された前記光クロスコネクト装置のポートの送信側と受信側をクロスコネクトさせるためのクロスコネクト命令メッセージを送信するステップと、前記クロスコネクト命令メッセージに応答して前記光クロスコネト装置は、前記1つのポートにリンク接続されている自装置のポートの送信側と受信側をクロスコネクトするステップと、データプレーン上で前記伝送装置の前記1つのポートからプローブ光を前記光クロスコネクト装置に向けて送信し、該プローブ光が前記光クロスコネクト装置のクロスコネクトで折り返されてくるプローブ光を受信するステップを具備し、前記伝送装置で受信されるプローブ光の受光状態により前記光クロスコネクト装置と前記伝送装置の間の前記1つのポートに接続された物理的なリンクの接続性を確認する点を第1の特徴としている。
【0009】
また、本発明は、光クロスコネクト装置と伝送装置を備えたノードを含む光ネットワークのリンク接続性確認方法において、コントロールプレーン上で前記伝送装置から該伝送装置の1つのポートのインタフェースインデックスおよび該インタフェースインデックスのポートに接続されている前記光クロスコネクト装置のポートをクロスコネクトさせるためのクロスコネクト命令を含むリンク接続性確認メッセージを前記光クロスコネクト装置に送信するステップと、前記リンク接続性確認メッセージに含まれているクロスコネクト命令に応答して前記光クロスコネト装置は、前記伝送装置の前記インタフェースインデックスのポートにリンク接続されている自装置のポートの送信側と受信側をクロスコネクトするステップと、データプレーン上で前記伝送装置の前記インタフェースインデックスのポートからプローブ光を前記光クロスコネクト装置に向けて送信し、該プローブ光が前記光クロスコネクト装置のクロスコネクトで折り返されてくるプローブ光を受信するステップを具備し、前記伝送装置で受信されるプローブ光の受光状態により前記光クロスコネクト装置と前記伝送装置の間の前記1つのポートに接続された物理的なリンクの接続性を確認する点を第2の特徴としている。
【0010】
また、本発明は、さらに、前記伝送装置が送受信するプローブ光のパワー、前記光クロスコネクト装置が受信するプローブ光のパワーおよび前記光クロスコネクト装置が折り返して送出するプローブ光のパワーをモニタして比較するステップを含み、前記伝送装置から前記光クロスコネクト装置方向の障害か前記光クロスコネクト装置から前記伝送装置方向の障害かの切り分けを可能とした点を第3の特徴としている。
【0011】
さらに、本発明は、前記光クロスコネクト装置と前記伝送装置の間の複数のリンクの各々を順次適用対象として前記各ステップを実行することにより、前記複数のリンクの接続性を確認する点を第4の特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の特徴によれば、光伝送装置と光クロスコネクト装置の間の物理的なリンクの接続性を確認することができる。また、光伝送装置が元々具備しているクライアント側光送受信機を用いてリンク接続性を確認できるので、リンク接続性確認のために特別な光送受信機を外付けする必要がなく、したがって、リンク接続性確認機能を備えた経済的なシステムを経済的に構築することができる。
【0013】
また、第2の特徴によれば、リンク接続性を少ない手順で迅速に確認することができる。
【0014】
また、第3の特徴によれば、伝送装置と光クロスコネクト装置の間のリンクの障害が確認された場合、その障害が伝送装置から光クロスコネクト装置方向の障害か光クロスコネクト装置から伝送装置方向の障害かの切り分けができる。これにより、障害に対する迅速かつ的確な対処が可能となる。
【0015】
さらに、第4の特徴によれば、光クロスコネクト装置と伝送装置の間の複数のリンクの各々のリンク接続性を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、光ネットワークにおける1つのノード構成および本発明の第1実施形態における動作を示す図である。ノード構成は、図1に示すように、PXC3とWDM5を備え、PXC3のポート(port 1)とWDM5のポート(port a)がデータプレーン(D-plane)上で1本のデータリンクLink(a)で接続され、論理リンク(TE-link(a))がデータリンクLink(a)に関連付けられている。
【0017】
TE-linkに接続されたPXCおよびWDMのポートは、インタフェースインデックス(Interface index)で表される。ここでは、TE-link(a)に接続されたPXC3のポート(port 1)がInterface index(p-a)で表され、TE-link(a)に接続されたWDM5のポート(port a)がInterface index(w-a)で表されるとする。
【0018】
図1の下部分は、本発明の第1実施形態におけるコントロールプレーン(C-plane)上での手順を示すフロー図である。PXC3とWDM5の間のリンク接続性は、C-plane上で各種メッセージを送受信し、さらに、D-plane上でプローブ光を送受信することにより確認する。
【0019】
リンク接続性確認作業は、外付けの光送受信機を用いなくても、WDMが元々備えているクライアント側光送受信機を用いて行うことができる。リンク接続性確認作業は、ネットワーク構築時の運用前であれば、WDMの全てのポートについて行うことができ、ネットワーク運用中であっても、サービスを行っていないポートについて適宜、あるいは定期的に行うことができる。リンク接続性確認作業を光ネットワークにおける各ノードで実行することにより、各ノードのPXCとWDMの間のリンク接続性を確認できる。
【0020】
図1において、まず、WDM5は、ポートa(Interface index(w-a))に接続されているLink(a)の接続性確認を開始させるため、C-plane上でリンク接続性確認メッセージをPXC3に向けて送信する(S11)。リンク接続性確認メッセージには、WDM5のポートaのInterface index(w-a)の情報を含ませる。
【0021】
PXC3は、リンク接続性確認メッセージを受け取ると、リンク接続性確認メッセージに含まれているInterface index(w-a)の情報を、データベース中のTE-link情報から探し出す。データベース中のTE-link情報には、各TE-linkが含むWDMのポート(Interface index)の情報が含まれている。この結果、TE-link(a)の中にInterface index(w-a)が存在することが探索されるので、PXC3は、WDM5のInterface index(w-a)というポート(port a)がPXC3のInterface index(p-a)というポート(port 1)に接続されていることを認識する。
【0022】
また、PXC3は、リンク接続性確認承認メッセージをWDM5に向けて送信する(S12)。リンク接続性確認承認メッセージには、Interface index(w-a)の接続先がInterface index(p-a)であることを示す情報を含ませる。
【0023】
WDM5は、PXC3からリンク接続性確認承認メッセージを受け取ると、C-plane上でクロスコネクト命令メッセージをPXC3に送信する(S13)。クロスコネクト命令メッセージは、PXC3のポート(port 1)の送受信方向をクロスコネクトさせるためのメッセージである。
【0024】
PXC3は、WDM5からクロスコネクト命令メッセージを受け取ると、ポート(port 1)の送受信方向を、図1のPXC3内に実線で示すようにクロスコネクトする。また、PXC3は、クロスコネクト終了後、C-plane上でクロスコネクト命令承認メッセージをWDM5に返送する(S14)。なお、クロスコネクト終了後は、リンク接続性確認作業に入るため、PXC3のポート(port 1)とWDM5のポート(port a)を使ったパスは生成できなくなる。
【0025】
次に、WDM5は、クロスコネクト命令承認メッセージを受け取ると、D-plane上でポート(port a)の送信側からPXC3に向けてプローブ光を送信する。WDM5から送信されたプローブ光は、PXC3においてクロスコネクトされたポート(port 1)の受信側から送信側へ折り返され、WDM5に向けて送出される。
【0026】
WDM5は、ポート(port a)の受信側でプローブ光を受信する。ここで、WDM5から送信したプローブ光のパワーの値と折り返されて受信されるプローブ光のパワーの値を比較することにより、プローブ光が伝送途中で予め設定された閾値以上の減衰を受けたか否かを判定でき、この結果を元にWDM5-PXC3間のリンクに障害が起こったか否かなどのリンク接続性を確認できる。
【0027】
リンク接続性は、上述のように、折り返されて受信されるプローブ光のパワーで判断できる。また、WDM5から、例えばAISのようなデータをのせたプローブ光を送信し、その受信状態などによっても判断できる。
【0028】
プローブ光によるリンク接続性確認作業が済むと、WDM5は、C-plane上でリンク接続性確認終了メッセージをPXC3に送信する(S15)。
【0029】
PXC3は、End Verifyメッセージを受け取ると、ポート(port 1)の送受信方向のクロスコネクトを解除する。また、PXC3は、リンク接続性確認終了メッセージを受け取ったことをWDM5に知らせるため、リンク接続性確認終了承認メッセージをWDM5に返送する(S16)。
【0030】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図2は、光ネットワークにおける1つのノード構成および本発明の第2実施形態における動作を示す図である。なお、第1実施形態と同一あるいは同等の手順には同じ符号を付している。
【0031】
第2実施形態は、PXC3とWDM5でそれぞれプローブ光のパワーをモニタし、その値に基づいて障害がWDM5からPXC3への方向で起こったか、PXC3からWDM5への方向で起こったかを切り分けることができるようにした点で第1実施形態と異なっている。以下、主に第1実施形態と異なる点につき説明する。
【0032】
WDM5が、C-plane上でPXC3からリンク接続性確認メッセージを受け取ってクロスコネクト命令メッセージをPXC3に送信し(S13)、PXC3が、クロスコネクト命令メッセージを受け取ってポート(port 1)の送受信方向をクロスコネクトし、クロスコネクト命令承認メッセージをWDM5に返送する(S14)までは、第1実施形態と同じである。
【0033】
その後、WDM5は、C-plane上でPXC3へ送信するプローブ光の送信パワーをプローブ光送信パワー通知メッセージによりPXC3に通知し(S21)、PXC3は、プローブ光送信パワー通知メッセージを受信すると、プローブ光送信パワー通知承認メッセージを返送する(S22)。
【0034】
次に、WDM5は、プローブ光送信パワー通知承認メッセージを受け取ると、D-plane上でポート(port a)の送信側からPXC3に向けてプローブ光を送信する。WDM5から送信されたプローブ光は、PXC3においてクロスコネクトされたポート(port 1)の受信側から送信側へ折り返され、WDM5に向けて送出される。
【0035】
WDM5は、ポート(port a)の受信側でプローブ光を受信する。このとき、PXC3は、WDM5から送信されてきたプローブ光のパワーとWDM5へと折り返して送出したプローブ光のパワーをモニタし、モニタした値をC-plane上で受信パワーモニタ通知メッセージによりWDM5に通知する(S23)。
【0036】
WDM5は、受信パワーモニタ通知メッセージを受けると、受信パワーモニタ通知承認メッセージをPXC3に返送する(S24)。また、WDM5は、PXC3で折り返されて送出されてきたプローブ光を受信し、受信されるプローブ光のパワーをモニタし、その値を記憶する。
【0037】
以上により、WDM5は、WDM5が送信した光パワーの値、PXC3が受信した光パワーの値、PXC3から送出されるときの光パワーの値、WDM5が受信した光パワーの値を知ることができる。
【0038】
ここで、WDM5から送信したプローブ光のパワーの値とPXC3で折り返されて受信されたプローブ光のパワーの値を比較することにより、プローブ光が伝送途中で予め設定された閾値以上の減衰を受けたか否かを判定でき、この結果を元にWDM5-PXC3間のリンクに障害が起こったか否かを確認できる。つまり、WDM5が受信した光パワーが予め設定した閾値以上に減衰した場合、リンク障害があったと判断できる。
【0039】
また、WDM5が送信した光パワーの値とPXC3が受信した光パワーの値を比較し、PXC3から送出されるときの光パワーの値とWDM5が受信した光パワーの値を比較することにより、障害がWDM5からPXC3への方向で起こったか、PXC3からWDM5への方向で起こったかの切り分けが可能になる。
【0040】
プローブ光によるリンク接続性確認作業が済んだ後に、WDM5からリンク接続性確認終了メッセージを送信(S15)すること、PXC3でクロスコネクトを解除すること、PXC3からリンク接続性確認終了承認メッセージを返送すること(S16)は、第1実施形態と同じである。
【0041】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。図3は、光ネットワークにおける1つのノード構成および本発明の第3実施形態における動作を示す図である。なお、第1実施形態と同一あるいは同等の手順には同じ符号を付している。
【0042】
第3実施形態は、WDMが最初に送出するメッセージに、“WDMのInterfaxce indexと、該Interfaxce indexに接続されているPXCのポートの送受信方向をクロスコネクトさせること”という命令を含ませることにより、手順を簡単化し、リンク接続性確認作業を迅速に行うことができるようにしたものである。
【0043】
図3において、まず、WDM5は、ポートa(Interface index(w-a))に接続されているLink(a)の接続性確認を開始させるため、C-plane上でリンク接続性確認メッセージをPXC3に向けて送信する(S11)。このとき、リンク接続性確認メッセージには、“WDM5のInterfaxce index(w-a)と、このInterfaxce index(w-a)に接続されているPXCのポートの送受信方向をクロスコネクトさせること”という命令を含ませる。
【0044】
PXC3は、WDM5からのリンク接続性確認メッセージを受け取ると、リンク接続性確認メッセージに含まれているInterface index(w-a)の情報を、データベース中のTE-link情報から探し出す。データベース中のTE-link情報には、各TE-linkが含むWDMのポート(Interface index)の情報が含まれている。この結果、TE-link(a)の中にInterface index(w-a)が存在することが探索されるので、PXC3は、WDM5のInterface index(w-a)というポート(port a)がPXC3のInterface index(p-a)というポート(port 1)に接続されていることを認識する。そこで、PXC3は、クロスコネクト命令に従ってポート(port 1)の送受信方向をクロスコネクトする。
【0045】
クロスコネクト終了後、PXC3は、C-plane上でリンク接続性確認承認メッセージをWDM5に返送する(S12)。WDM5は、リンク接続性確認承認メッセージを受け取ると、D-plane上でポート(port a)の送信側からPXC3に向けてプローブ光を送信する。WDM5から送信されたプローブ光は、PXC3においてクロスコネクトされたポート(port 1)の受信側から送信側へ折り返され、WDM5に向けて送出される。
【0046】
WDM5は、ポート(port a)の受信側でプローブ光を受信する。ここで、WDM5から送信したプローブ光のパワーの値と折り返されて受信されるプローブ光のパワーの値を比較することにより、プローブ光が伝送途中で予め設定された閾値以上の減衰を受けたか否かを判定でき、この結果を元にWDM5-PXC3間のリンクに障害が起こったか否かなどのリンク接続性を確認できる。
【0047】
プローブ光によるリンク接続性確認作業が済むと、WDM5は、C-plane上でリンク接続性確認終了メッセージをPXC3に送信する(S15)。
【0048】
PXC3は、リンク接続性確認終了メッセージを受け取ると、ポート(port 1)の送受信方向のクロスコネクトを解除する。また、PXC3は、リンク接続性確認終了メッセージを受け取ったことをWDM5に知らせるため、リンク接続性確認終了承認メッセージをWDM5に返送する(S16)。
【0049】
なお、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、PXC3とWDM5でそれぞれプローブ光のパワーをモニタし、その値に基づいて障害がWDM5からPXC3への方向で起こったか、PXC3からWDM5への方向で起こったかを切り分けることができるようにすることができる。
【0050】
以上、PXC3とWDM5の間の1つのリンク(Link(a))の接続性確認について説明したが、上記の手順および動作を複数のリンク各々に対して順次実行させることにより、複数のリンクの接続性を確認することができる。なお、複数のリンクの接続性を確認する場合には、リンク接続性確認終了メッセージとリンク接続性確認終了承認メッセージによるリンク接続性確認終了処理は、各リンクの接続性確認作業が終了するたびに行ってもよいし、確認対象のリンク全ての接続性確認作業が終了した後に行ってもよい。
【0051】
WDM5にはPXC3とリンク接続されていないポートが存在する場合がある。例えば、図4に示すように、WDM5のポート(port a:Interface index(w-a))とPXC3のポート(port 1:Interface index(p-a))との間が物理的にリンク接続されていない場合がある。この場合、WDM5からInterface index(w-a)の情報を含むVerifyメッセージをPXC3に送信しても、PXC3は、Interface index(w-a)の情報をデータベース中のTE-link情報から探し出すことはできない。この場合には、リンク接続性確認承認メッセージではなくリンク接続性確認不承認メッセージをPXC3からWDM5に送信して以後の手順に進むことなく該ポートに対するリンク接続性の確認作業を終了させる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】光ネットワークにおけるノード構成および本発明の第1実施形態における動作を示す図である。
【図2】光ネットワークにおけるノード構成および本発明の第2実施形態における動作を示す図である。
【図3】光ネットワークにおけるノード構成および本発明の第3実施形態における動作を示す図である。
【図4】伝送装置と光クロスコネクト装置間の他の接続例を示す図である。
【図5】従来のリンク接続性確認方法を示す概念図である。
【符号の説明】
【0053】
1,2・・・ノード、3,4・・・光クロスコネクト装置(PXC)、5,6・・・伝送装置(WDM)、A,B・・・クライアント装置、C,D・・・光送受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光クロスコネクト装置と伝送装置を備えたノードを含む光ネットワークのリンク接続性確認方法において、
コントロールプレーン上で前記伝送装置から該伝送装置の1つのポートに対する物理的なリンク接続状態を把握するためのリンク接続性確認メッセージを前記光クロスコネト装置に送信するステップと、
前記リンク接続性確認メッセージに応答してコントロールプレーン上で前記光クロスコネクト装置から前記1つのポートに対する物理的なリンク接続状態を示す情報を含むリンク接続性確認承認メッセージを送信するステップと、
前記リンク接続性確認承認メッセージを元にコントロールプレーン上で前記伝送装置から前記1つのポートに接続された前記光クロスコネクト装置のポートの送信側と受信側をクロスコネクトさせるためのクロスコネクト命令メッセージを送信するステップと、
前記クロスコネクト命令メッセージに応答して前記光クロスコネト装置は、前記1つのポートにリンク接続されている自装置のポートの送信側と受信側をクロスコネクトするステップと、
データプレーン上で前記伝送装置の前記1つのポートからプローブ光を前記光クロスコネクト装置に向けて送信し、該プローブ光が前記光クロスコネクト装置のクロスコネクトで折り返されてくるプローブ光を受信するステップを具備し、
前記伝送装置で受信されるプローブ光の受光状態により前記光クロスコネクト装置と前記伝送装置の間の前記1つのポートに接続された物理的なリンクの接続性を確認することを特徴とするリンク接続性確認方法。
【請求項2】
光クロスコネクト装置と伝送装置を備えたノードを含む光ネットワークのリンク接続性確認方法において、
コントロールプレーン上で前記伝送装置から該伝送装置の1つのポートのインタフェースインデックスおよび該インタフェースインデックスのポートに接続されている前記光クロスコネクト装置のポートをクロスコネクトさせるためのクロスコネクト命令を含むリンク接続性確認メッセージを前記光クロスコネクト装置に送信するステップと、
前記リンク接続性確認メッセージに含まれているクロスコネクト命令に応答して前記光クロスコネト装置は、前記伝送装置の前記インタフェースインデックスのポートにリンク接続されている自装置のポートの送信側と受信側をクロスコネクトするステップと、
前記伝送装置の前記インタフェースインデックスのポートからプローブ光を前記光クロスコネクト装置に向けて送信し、該プローブ光が前記光クロスコネクト装置のクロスコネクトで折り返されてくるプローブ光を受信するステップを具備し、
前記伝送装置で受信されるプローブ光の受光状態により前記光クロスコネクト装置と前記伝送装置の間の前記1つのポートに接続された物理的なリンクの接続性を確認することを特徴とするリンク接続性確認方法。
【請求項3】
さらに、前記伝送装置が送受信するプローブ光のパワー、前記光クロスコネクト装置が受信するプローブ光のパワーおよび前記光クロスコネクト装置が折り返して送出するプローブ光のパワーをモニタして比較するステップを含み、前記伝送装置から前記光クロスコネクト装置方向の障害か前記光クロスコネクト装置から前記伝送装置方向の障害かの切り分けを可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載のリンク接続性確認方法。
【請求項4】
前記光クロスコネクト装置と前記伝送装置の間の複数のリンクの各々を順次適用対象として前記各ステップを実行することにより、前記複数のリンクの接続性を確認することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のリンク接続性確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−22446(P2008−22446A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194177(P2006−194177)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】