説明

ルーフサイド構造

【課題】ルーフサイド骨格部の断面変形を抑制することができるルーフサイド構造を得る。
【解決手段】ルーフサイド構造10では、それぞれ車体前後方向に長手とされた上壁18Aと下壁18Bとが車幅方向外端において側壁18Cにて連結されて形成されたルーフサイドアウタパネル18に、ルーフサイドインナパネル20を接合することで、センタピラー16とルーフパネル14との間に介在する閉断面構造のルーフサイドレール12が形成されている。ルーフサイドレール12内には、上壁18Aと下壁18Bとを側壁18C〜離間した位置で架け渡す補強部材38が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーフサイドレールの長手方向中間部がセンタピラーの上端に接合されているルーフサイド構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ルーフサイドレールにおけるセンタピラーの上端との連結部分と、ルーフパネルの内面に設けられ車幅方向に延在するルーフボウにおける車幅方向の外端とをルーフサイドレインフォースにて連結した車体構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−167114号公報
【特許文献2】特開平10−100936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の如き従来の技術では、ルーフサイドレールの断面変形に起因するルーフパネルの発音を抑制することについて何ら考慮されておらず、この点に改善の余地がある。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、ルーフサイド骨格部の断面変形を抑制することができるルーフサイド構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係るルーフサイド構造は、それぞれ車体前後方向に長手とされた上壁と下壁とが車幅方向外端において側壁にて連結されて形成されたルーフサイドアウタ部材と、前記ルーフサイドアウタ部材における車幅方向内側を向く開口側に接合されて、該ルーフサイドアウタ部材とでセンタピラー及びルーフパネルに接続された閉断面構造のルーフサイド骨格部を成すルーフサイドインナ部材と、前記ルーフサイドアウタ部材内に配置され、前記上壁における前記側壁から離間した部分と、前記下壁における前記側壁から離間した部分又は前記ルーフサイドアウタ部材の下側の開口端から延設されたフランジとを架け渡した補強部材と、を備えている。
【0006】
請求項1記載のルーフサイド構造では、ルーフサイドアウタ部材とルーフサイドインナ部材とが接合されてなる閉断面のルーフサイド骨格部の内側に補強部材が配設されており、ルーフサイドアウタ部材の上壁と下壁における側壁から離間した部分同士、又は上壁における側壁から離間した部分と下壁の車幅方向内端(側壁とは反対側の端部)から延設されたフランジとを架け渡した(これらの間に介在する)補強部材は、その面内力(軸力)にて、ルーフサイド骨格部における上壁と下壁と(の各開口端)が接離(相対変位)する方向の断面変形を抑制する。特に、ルーフサイドインナ部材におけるルーフサイドアウタ部材の開口部を閉止する部分が屈曲部を有する構成においては、ルーフサイド骨格部に断面変形を生じやすいが、この断面変形を補強部材によって効果的に抑制することができる。
【0007】
このように、請求項1記載のルーフサイド構造では、ルーフサイド骨格部の断面変形を抑制することができる。このため、例えば、意匠や安全装置配置等の要求からルーフサイド骨格部自体が断面変形を生じ易い形状に形成された場合でも、該ルーフサイド骨格部の断面変形を抑制することができ、例えばルーフサイドのルーフサイド骨格部の断面変形に起因するルーフパネルの発音を効果的に抑制することが可能となる。
【0008】
請求項2記載の発明に係るルーフサイド構造は、請求項1記載のルーフサイド構造において、前記補強部材は、前記ルーフサイド骨格部の図心に対する車幅方向内側で、前記上壁における前記側壁から離間した部分と、前記下壁における前記側壁から離間した部分又は前記フランジとを架け渡した。
【0009】
請求項2記載のルーフサイド構造では、ルーフサイド骨格部の図心よりも車幅方向内側すなわちルーフサイドアウタ部材の開口端側で、補強部材が上壁と下壁又は上壁とフランジとを架け渡しているため、ルーフサイド骨格部の断面変形の抑制効果が高い。
【0010】
請求項3記載の発明に係るルーフサイド構造は、請求項1又は請求項2記載のルーフサイド構造において、前記補強部材は、前記ルーフサイドアウタ部材の内面に重ね合わされたアウタパネル内リインフォースメントの車体前後方向端部を折り曲げて形成され、前記ルーフサイドアウタ部材の内部を車体前後方向に区画するように前記上壁と下壁との間に介在している。
【0011】
請求項3記載のルーフサイド構造では、ルーフサイドアウタ部材を補強するアウタパネル内リインフォースメントの端部を折り曲げることで、ルーフサイドアウタ部材(閉断面のルーフサイド骨格部)内を車体前後方向に区画するように上壁と下壁との間に介在する(上壁と下壁とを架け渡した)隔壁状の補強部材が形成されている。例えばルーフサイドアウタ部材を曲げに対し補強するためのアウタパネル内リインフォースメントを備える構成においては、部品点数を増すことなく補強部材を設定することができる。
【0012】
上記目的を達成するために請求項4記載の発明に係るルーフサイド構造は、車幅方向内向きに開口すると共に車体前後方向に長手とされたルーフサイドアウタ部材と、前記ルーフサイドアウタ部材の内向きに凸となる屈曲部の両側において該ルーフサイドアウタ部材の開口側に接合されて、該ルーフサイドアウタ部材とでセンタピラー及びルーフパネルに接続された閉断面のルーフサイド骨格部を成すルーフサイドインナ部材と、前記ルーフサイドインナ部材における前記屈曲部の両側部分にそれぞれ接続された補強部材と、を備えている。
【0013】
請求項4記載のルーフサイド構造では、ルーフサイドアウタ部材とルーフサイドインナ部材とが接合されてなる閉断面のルーフサイド骨格部は、ルーフサイドインナ部材が形成する屈曲部を有することで、車室側の空間を広げている。この屈曲部にて広げられた空間には、例えば安全装置などを配設することが可能である。
【0014】
ここで、本ルーフサイド構造では、ルーフサイド骨格部がルーフサイドインナ部材における屈曲部の両側部分を連結しているので、補強部材の曲げ剛性によって屈曲部の折れ角が増減する方向のルーフサイド骨格部の断面変形が抑制される。これにより、ルーフサイドインナ部材に屈曲部が形成された構成において、ルーフサイド骨格部の断面変形を抑制することができる。
【0015】
このように、請求項4記載のルーフサイド構造では、ルーフサイド骨格部の断面変形を抑制することができる。これにより、ルーフサイドのルーフサイド骨格部の断面変形に起因するルーフパネルの発音を効果的に抑制することが可能となる。
【0016】
請求項5記載の発明に係るルーフサイド構造は、請求項4記載のルーフサイド構造において、前記補強部材は、前記ルーフサイド骨格部の外側で前記屈曲部の両側部分にそれぞれ接続されている。
【0017】
請求項5記載のルーフサイド構造では、ルーフサイドインナ部材の屈曲部の凹側で、該屈曲部の両側が補強部材にて連結されているため、該屈曲部の曲げ防止効果が高い。また、補強部材がルーフサイド骨格部の外側に位置するため、該補強部材の接合(連結)部位の設定自由度が高い。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明に係るルーフサイド構造は、ルーフサイド骨格部の断面変形を抑制することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の第1の実施形態に係るルーフサイド構造10について、図1乃至図4に基づいて説明する。なお、図中矢印FRは車体前後方向の前方向を、矢印UPは車体上下方向の上方向を、矢印INは車幅方向内側をそれぞれ示す。
【0020】
図1には、ルーフサイド構造10が正面断面図にて示されている。また、図2(A)には、後述するルーフサイドインナパネル20を取り除いて車体内方より見たルーフサイド構造10が側面図にて示されており、図2(B)には、ルーフサイドインナパネル20を取り除いて車体内方より見たルーフサイド構造10が斜視図にて示されている。これらの図に示される如く、ルーフサイド構造10は、ルーフサイド骨格部としてのルーフサイドレール12を備えている。ルーフサイドレール12は、前後方向に長手とされてルーフパネル14の車幅方向外端が固着され、その前後方向の中央部が車体の上下方向骨格を成すセンタピラー16の上端に連結されている。以下、具体的に説明する。
【0021】
図1に示される如く、ルーフサイドレール12は、ルーフサイドアウタパネル18とルーフサイドインナパネル20とが接合されることで、前後方向に直交する断面において閉断面構造を成している。より具体的には、ルーフサイドアウタパネル18は、上壁18Aと下壁18Bとの車幅方向外端が側壁18Cにて連結されて車幅方向内向きに開口しており、また、上壁18Aの車幅方向内端からは、上フランジ18Dが車幅方向内向きに延設されると共に、下壁18Bの開口縁からは下フランジ18Eが垂下されている。
【0022】
ルーフサイドインナパネル20は、上壁20Aと側壁20Bとの間に車幅方向外向き(上向き)に凸となる屈曲部20Cが形成される、また上壁20Aの車幅方向内端から上フランジ20Dが車幅方向内向きに延設されると共に、側壁20Bの下端から下フランジ20Eが下向きに延設されている。
【0023】
ルーフサイドレール12は、ルーフサイドアウタパネル18の上フランジ18Dとルーフサイドインナパネル20の上フランジ20Dとを重ね合わせて接合すると共に、ルーフサイドアウタパネル18の下フランジ18Eとルーフサイドインナパネル20の下フランジ20Eとを重ね合わせて接合することで、ルーフサイドアウタパネル18の車幅方向内向き開口部がルーフサイドインナパネル20の上壁20A及び側壁20Bにて閉止された如き閉断面構造を成している。なお、この実施形態では、上壁20Aと上フランジ20Dとの間に段部20Fが形成されることで、上壁20Aは上壁18Aに対し離間(対向)している。また、この実施形態では、下フランジ18E、20Eの間には、センタピラー16を構成するピラーインナパネル24の上端を挟み込んでいる。
【0024】
センタピラー16は、ピラーアウタパネル22とピラーインナパネル24とが接合されることで、上下方向に直交する断面において閉断面構造を成している。ピラーアウタパネル22は、その上端部22Aがルーフサイドアウタパネル18の下壁18B及び側壁18C接合されており、ピラーインナパネル24は、上記した通り上端部24Aがルーフサイドレール12の下フランジ18E、20E巻に挟み込まれて3枚重ね合わせ状態で接合されている。
【0025】
また、図1に示される如く、ルーフサイドレール12及びセンタピラー16は、サイドアウタパネル26にて外側(主に車幅方向外側又は上側)から覆われている。サイドアウタパネル26は、その上端近傍から車幅方向内方に延設されたフランジ26Aが上フランジ18D上に重ねあわされており、該フランジ26A上にはルーフパネル14のサイドフランジ14Aが重ね合わされている。フランジ26A、サイドフランジ14Aは、上フランジ18D及び上フランジ20Dと共に4枚重ね合わせ状態で、接合されている。
【0026】
以上説明したルーフサイド構造10を含むルーフパネル14は、車室側からルーフライニング30に覆われている。そして、図1に示される如く、ルーフライニング30とルーフサイドレール12(ルーフサイドインナパネル20)との間には、車両の側面衝突やロールオーバに対する安全装備であるカーテンエアバッグ装置32の主要構成要素が配設されている。この実施形態では、ロール状に折り畳まれ内部にガスが供給されるとサイドウインドウに沿って展開するエアバッグ袋体34と、作動してエアバッグ袋体34にガスを供給するインフレータ36とが、ルーフライニング30とルーフサイドレール12との間に配設されている。
【0027】
そして、ルーフサイドレール12は、ルーフサイドインナパネル20に上記した屈曲部20Cを形成することで、ルーフライニング30との間にカーテンエアバッグ装置32を配設するスペースを確保している。このルーフサイドレール12内には、補強部材38が配設されている。この実施形態では、補強部材38は、ルーフサイドアウタパネル18の上壁18Aと下壁18Bとを架け渡している。
【0028】
より具体的には、図2(A)及び図2(B)に示される如く、補強部材38は、略車体上下方向に長手とされた柱部40と、柱部40の上端から車幅方向内向きに延設され上フランジ18Dに接合された上フランジ42と、柱部40の下端から車幅方向内向きに延設され下フランジ18Eに接合された下フランジ44とで構成されている。この実施形態では、補強部材38は、車幅方向内向きに開口する平面断面視で略コ字状を成す前後一対の柱部40の上部及び下部が連結板46に連結されると共に、各柱部40から上フランジ42及び下フランジ44を延設して構成されている。各上フランジ42は下向きに開口するコ字状断面を成しており、各下フランジ44は、上向きに開口するコ字状断面を成している。以上説明した補強部材38は、プレス成形によって各部が一体に構成されている。
【0029】
この補強部材38は、センタピラー16の幅(車体前後方向の幅)の範囲内に(センタピラー16の延長線に沿って)配設されている。そして、図1に示される如く、補強部材38は、ルーフサイドレール12の図心Pよりも車幅方向内側に配設されている。換言すれば、上壁18Aと下壁18Bとを架け渡した(上壁18Aと下壁18Bとの間に介在する)補強部材38は、ルーフサイドアウタパネル18の上壁18A、下壁18B、側壁18Cとでルーフサイドレール12の図心Pを囲む閉断面を構成している。
【0030】
なお、上記した各接合部位は、それぞれスポット溶接によって接合されている。
【0031】
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
【0032】
上記構成のルーフサイド構造10では、車両のエンジン振動やサスペンションからの振動が、センタピラー16、ルーフサイドレール12を経由してルーフパネル14に伝達される。このとき、ルーフサイド構造10では、ルーフサイドレール12におけるセンタピラー16との連結部位でルーフサイドアウタパネル18の上壁18Aと下壁18Bとを架け渡している補強部材38が、その面内力(軸力)にて上壁18Aと下壁18Bとが接離(相対変位)する方向の断面変形を抑制する。すなわち、補強部材38が、ルーフサイドレール12の屈曲部20Cにおける曲げを抑制する。
【0033】
これにより、ルーフサイド構造10では、ルーフサイドレール12からルーフパネル14に伝達される振動振幅が小さく抑えられ(振動伝達が抑制され)、該ルーフパネル14の発音が低減される。特に、ルーフサイド構造10では、ルーフサイドレール12の図心Pを囲む閉断面を形成する位置で補強部材38が上壁18Aと下壁18Bとを架け渡しているため、補強部材38にルーフサイドレール12の断面変形の抑制効果が高い。以下、比較例との比較によって具体的に説明する。
【0034】
図3(A)には、ルーフサイド構造10におけるルーフサイドレール12の変形状態が正面断面図にて示されており、図3(B)には、比較例に係るルーフサイド構造200におけるルーフサイドレール12の変形状態が正面断面図にて示されている。ルーフサイド構造200は、補強部材38を備えない点を除きルーフサイド構造10と同様に構成されている。これらの図に示される如く、ルーフサイド構造200では、振動入力により屈曲部20Cで曲げが生じることでルーフサイドレール12の断面変形(上壁18Aと下壁18Bとの離間)が大きくなり、ルーフパネル14の振動振幅すなわち発音が大きくなる。これに対してルーフサイド構造10では、補強部材38によって上壁18Aと下壁18Bとの接離すなわち屈曲部20Cにおける曲げが効果的に抑制され、ルーフパネル14の発音が抑制される。
【0035】
図4には、ルーフサイド構造10が適用された車両のルーフパネル14の発音により生じる車内音(dB)と、ルーフサイド構造200が適用された車両のルーフパネル14の発音により生じる車内音とを比較する数値解析結果の一例が示されている。この図から、ルーフサイド構造10では、ルーフサイド構造200と比較して、エンジンの振動が伝達されて問題となりやすい約140Hzから150Hzの周波数域のこもり音が改善(最大約4dB低減)されていることが判る。
【0036】
以上により、ルーフサイド構造10を備えた車両(自動車)では、意匠性(自由度)と衝突性能(カーテンエアバッグ装置32の設定)とを両立させながら、ルーフパネル14の発音を効果的に抑制することを実現することができた。
【0037】
意匠性について補足すると、例えば、図14(A)に平面図にて示される如く、ルーフサイド部150をフロントピラー152、リヤピラー154とで連続的な弧を描く如く湾曲して形成した場合、図14(B)に示されるような直線状のルーフサイド部156を採用した場合と比較して、ルーフサイドレール12が車幅方向内向きに拡幅されるので、ルーフパネル14の発音を生じやすくなる。具体的には、ルーフサイド部150では、図15(A)に示すルーフサイドインナパネル20の屈曲部20C(ルーフサイドレール12の断面の低剛性部)から上フランジ20Dの接合点W(スポット溶接の打点)までの距離L1が、図15(B)に示すルーフサイド部156における上フランジ20Dの基端(幅狭のルーフサイド部156では屈曲部20Cが不要である例)から接合点Wまでの距離L2よりも長くなるために、図15(A)及び図15(B)に想像線にて示す変形状態を比較して判る通り、ルーフサイドレール12の断面変形が大きくなりルーフパネル14に伝達する振動振幅が大きくなりやすい。このルーフパネル14の振動を抑える対策として、ルーフパネル14に接着タイプの制振シートを付加したり、振動源(エンジン、サスペンション等)にダイナミックダンパを設定したりすることが考えられるが、ルーフサイドレール12の断面変形がルーフパネル14の発音の主要因となる場合にはルーフパネル14に付加する制振シートでは十分な発音抑制効果が得られず、またダイナミックダンパは、設置スペースの確保が必要でかつ車両重量の増大(燃費悪化)の原因ともなる。
【0038】
ルーフサイド構造10では、このようなルーフサイド部150に補強部材38を設けることで、制振シートやダイナミックダンパに頼ることなくルーフサイドレール12の断面変形を抑え、ルーフパネル14の発音を効果的に抑制することができるので、上記の如くフロントピラー152、リヤピラー154に連続するように湾曲した構造を採ることができ、意匠性が向上する。
【0039】
また、衝突性能について補足すると、ルーフサイドインナパネル20に屈曲部20Cを設定することで、ルーフライニング30との間にカーテンエアバッグ装置32を配設するスペースを確保することができた。例えば、図16に示される比較例に係るルーフサイド構造210では、上フランジ20D、下フランジ20E間に略平板状の壁部212が形成されたルーフサイドインナパネル214を有している。このように屈曲部20Cを有しないルーフサイドインナパネル214とルーフサイドアウタパネル18とで構成されたルーフサイドレール12は、断面変形が生じ難いものの、カーテンエアバッグ装置32(インフレータ36)の配設スペースを確保すること、又は側面衝突時のルーフサイドレール12とカーテンエアバッグ装置32との干渉防止用スペースを確保することが困難となり、ルーフサイド構造210は採用できない。
【0040】
ルーフサイド構造10では、ルーフサイドインナパネル20に屈曲部20Cが形成されているルーフサイドレール12において、補強部材38が該ルーフサイドレール12の断面変形を抑制するため、カーテンエアバッグ装置32の配置スペース、カーテンエアバッグ装置32とルーフサイドレール12との干渉防止用スペースが確保され、所要の衝突性能を得ることができる。
【0041】
一方、意匠性及び衝突性能を確保しつつルーフパネル14の発音を抑える構成として、図17に示される如く、補強部材222にてルーフサイドアウタパネル18の上壁18Aとルーフサイドインナパネル20の側壁20Bとを連結した比較例に係るルーフサイド構造220も考えられる。しかしながら、サイドアウタパネル26と接合されたルーフサイドアウタパネル18にルーフサイドインナパネル20を接合する本実施形態及び比較例に係る構成においては、上壁18Aと補強部材222との溶接接合及び側壁20Bと補強部材222との溶接接合の一方を行うことができず、ルーフサイド構造220は成り立たない。
【0042】
ルーフサイド構造10では、サイドアウタパネル26との接合前のルーフサイドアウタパネル18に対し補強部材38を接合することができるので、意匠性及び衝突性能を確保しつつルーフパネル14の発音を抑える機能を実現することができた。
【0043】
(他の実施形態)
次に本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施系態又は前出の構成と基本的に同一の部品・部分については、上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明を省略し、また図示を省略する場合がある。
【0044】
(第2の実施形態)
図5(A)には、本発明の第2の実施形態に係るルーフサイド構造50が図2(A)に対応する側面図にて示されており、図5(B)には、ルーフサイド構造50が図2(B)に対応する斜視図にて示されている。これらの図に示される如く、ルーフサイド構造50は、センタピラー16の幅の範囲内に配置された補強部材38に代えて、センタピラー16の幅範囲の外側に位置する前後一対の補強部材52を備える点で、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10とは異なる。
【0045】
各補強部材52は、略車体上下方向に長手とされた柱部54と、柱部54の上端から車幅方向内向きに延設され上フランジ18Dに接合された上フランジ56と、柱部54の下端から車幅方向内向きに延設され下フランジ18Eに接合された下フランジ58とで構成されている。この実施形態では、各柱部54は、車幅方向内向きに開口する平面断面視で略コ字状を成し、各上フランジ56は下向きに開口するコ字状断面を成しており、各下フランジ58は、上向きに開口するコ字状断面を成している。各補強部材52は、それぞれプレス成形によって各部が一体に構成されている。
【0046】
また、図示は省略するが、各柱部54は、ルーフサイドレール12の図心Pに対し車幅方向内側に位置している。ルーフサイド構造50における他の構成は、ルーフサイド構造10の対応する構成と実質的に同じである。
【0047】
このルーフサイド構造50では、一対の補強部材52がルーフサイドレール12の屈曲部20Cにおける曲げ断面変形を抑制する。したがって、第2の実施形態に係るルーフサイド構造50によっても、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10と同様に、意匠性及び衝突性能を確保しつつルーフパネル14の発音を抑えることができる。
【0048】
(第3の実施形態)
図6(A)には、本発明の第3の実施形態に係るルーフサイド構造60が図2(A)に対応する側面図にて示されており、図6(B)には、ルーフサイド構造60が図2(B)に対応する斜視図にて示されている。これらの図に示される如く、ルーフサイド構造60は、センタピラー16の幅の範囲内に配置された補強部材38に代えて、センタピラー16の幅範囲を超えて位置する補強部材62を備える点で、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10とは異なる。
【0049】
補強部材62は、略車体上下方向に長手とされた柱部64と、柱部64の上端から車幅方向内向きに延設され上フランジ18Dに接合された上フランジ66と、柱部64の下端から車幅方向内向きに延設され下フランジ18Eに接合された下フランジ68とで構成されている。この実施形態では、各柱部64は、車幅方向内向きに開口する部分64Aと車幅方向外向きに開口する部分64Bとが車体前後方向に交互に形成された平面断面視で略波型を成し、上下フランジ66、68は、各柱部64に対応して側面視で略波型を成している。各補強部材62は、プレス成形によって各部が一体に構成されている。
【0050】
この補強部材62は、前後方向に長さがセンタピラー16の幅(車体前後方向の幅)よりも大とされており、前後端62A、62Bがセンタピラー16の幅方向外側に位置するように配置されている。また、図示は省略するが、各柱部64は、ルーフサイドレール12の図心Pに対し車幅方向内側に位置している。ルーフサイド構造60における他の構成は、ルーフサイド構造10の対応する構成と実質的に同じである。
【0051】
このルーフサイド構造60では、一対の補強部材62がルーフサイドレール12の屈曲部20Cにおける曲げ断面変形を抑制する。したがって、第3の実施形態に係るルーフサイド構造60によっても、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10と同様に、意匠性及び衝突性能を確保しつつルーフパネル14の発音を抑えることができる。
【0052】
(第4の実施形態)
図7には、本発明の第4の実施形態に係るルーフサイド構造70が図1対応する正面断面図にて示されている。この図に示される如く、ルーフサイド構造70は、下壁18Bに接合された下フランジ44を有する補強部材38に代えて、下端部がルーフサイドアウタパネル18の下フランジ18Eに接合された補強部材72を備える点で、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10とは異なる。
【0053】
補強部材72は、ルーフサイドレール12の図心Pに対し車幅方向内側に位置する柱部40と、上フランジ42と、柱部40の下端から延設され下フランジ18Eに接合された下フランジ74とで構成されている。なお、補強部材72は、各補強部材52の各下フランジ58に代えて下フランジ74を設けて構成されても良く、補強部材62の下フランジ68に代えて下フランジ74を設けて構成されても良い。ルーフサイド構造70における他の構成は、ルーフサイド構造10の対応する構成と実質的に同じである。
【0054】
このルーフサイド構造70では、一対の補強部材72がルーフサイドレール12の屈曲部20Cにおける曲げ断面変形を抑制する。したがって、第4の実施形態に係るルーフサイド構造70によっても、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10と同様に、意匠性及び衝突性能を確保しつつルーフパネル14の発音を抑えることができる。
【0055】
(第5の実施形態)
図8には、本発明の第5の実施形態に係るルーフサイド構造80が図1対応する正面断面図にて示されている。また、図9(A)には、ルーフサイド構造80が側面図にて示されており、図9(B)には、ルーフサイド構造80が斜視図にて示されている。これらの図に示される如く、ルーフサイド構造80は、上壁18Aと下壁18Bとを架け渡す補強部材38に代えて、ルーフサイドアウタパネル18内を車体前後方向に区画する隔壁状の補強部材82を備える点で、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10とは異なる。
【0056】
補強部材82は、ルーフサイドレール12を長手方向の曲げに対し補強するためのアウタパネル内リインフォースメント84に一体に設けられている。アウタパネル内リインフォースメント84は、車体前後方向に長手とされ、ルーフサイドアウタパネル18の上壁18A、下壁18B、側壁18Cの内面にそれぞれ重ね合わされて接合された上壁84A、下壁84B、側壁84Cを有して車幅方向内向きに開口している。このアウタパネル内リインフォースメント84を備えることで、側面衝突の際のルーフサイドレール12の曲げが抑制され、側突性能が向上する。
【0057】
そして、補強部材82は、補強部材82の長手方向両端部が折り曲げられて前後一対構成され、それぞれ該アウタパネル内リインフォースメント84の長手方向との略直交面に沿って延在するバルクヘッド部85と、バルクヘッド部85の上縁から延設されて上壁84Aに接合された上フランジ86と、バルクヘッド部85の下縁から延設されて上壁84Bに接合された下フランジ88とで構成されている。したがって、補強部材82は、アウタパネル内リインフォースメント84を介してルーフサイドアウタパネル18に接合されて、上壁18Aと下壁18Bとを架け渡している(上壁18Aと下壁18Bとの間に介在している)。
【0058】
図8に示される如く、バルクヘッド部85の車幅方向内縁であるエッジ部85Aは、ルーフサイドレール12の図心Pに対し車幅方向内側に位置している。換言すれば、補強部材82は、ルーフサイドレール12の図心Pに対する車幅方向内側で上壁18Aと下壁18Bとを架け渡している。図9(A)及び図9(B)に示される如く、この実施形態では、補強部材82は、センタピラー16の幅方向の外側に位置している。ルーフサイド構造80における他の構成は、ルーフサイド構造10の対応する構成と実質的に同じである。
【0059】
このルーフサイド構造80では、一対の補強部材82がルーフサイドレール12の屈曲部20Cにおける曲げ断面変形を抑制する。したがって、第5の実施形態に係るルーフサイド構造80によっても、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10と同様に、意匠性及び衝突性能を確保しつつルーフパネル14の発音を抑えることができる。また、ルーフサイド構造80では、適用された自動車が既存部品として備えるアウタパネル内リインフォースメント84に補強部材82を一体化して設けたため、部品点数を増すことなくルーフパネル14の発音を抑えることを実現した。
【0060】
なお、上記第5の実施形態では、補強部材82がアウタパネル内リインフォースメント84に一体化された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、補強部材82をアウタパネル内リインフォースメント84とは別部材として構成しても良く、アウタパネル内リインフォースメント84を備えない自動車に補強部材82を設けても良い。これらの場合、上フランジ86を上壁18Aに、下フランジ88を下壁18Bに接合すれば良い。また、これらの場合、補強部材82の数を1つ又は3つ以上に設定したり、補強部材82(の少なくとも一部)をセンタピラー16の幅の範囲内に配置したりすることも可能である。
【0061】
(第6の実施形態)
図10には、本発明の第6の実施形態に係るルーフサイド構造90が図1対応する正面断面図にて示されている。この図に示される如く、ルーフサイド構造90は、ルーフサイドレール12内で上壁18Aと下壁18Bとを連結する補強部材38に代えて、ルーフサイドインナパネル20における屈曲部20Cを跨ぐ両側部分を連結する補強部材92を備える点で、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10とは異なる。
【0062】
補強部材92は、ルーフサイドレール12の外側(車幅方向内側)に設けられ、該ルーフサイドレール12を構成するルーフサイドインナパネル20の上壁20Aと側壁20Bとを連結し(架け渡し)ている。具体的には、補強部材92は、柱部94の上端から延設された上フランジ96が上壁20Aに接合されると共に、柱部94の下端から延設された下フランジ98が側壁20Bに接合されており、この状態で柱部94と上壁20Aと側壁20Bとで閉断面(屈曲部20Cを1つの頂部とする三角形枠状体)を形成している。
【0063】
したがって、ルーフサイド構造90では、主に補強部材92の曲げ剛性を利用して屈曲部20Cの屈曲(上壁20Aと側壁20Bとの相対角変位)に対する剛性が高い構成、換言すればルーフサイドレール12の断面変形が生じ難い構成が実現されている。ルーフサイド構造90における他の構成は、ルーフサイド構造10の対応する構成と実質的に同じである。
【0064】
このルーフサイド構造90では、補強部材92がルーフサイドレール12の屈曲部20Cにおける曲げ断面変形を抑制する。したがって、第6の実施形態に係るルーフサイド構造90によっても、第1の実施形態に係るルーフサイド構造10と同様に、意匠性及び衝突性能を確保しつつルーフパネル14の発音を抑えることができる。
【0065】
(第7の実施形態)
図11には、本発明の第7の実施形態に係るルーフサイド構造100が図1対応する正面断面図にて示されている。この図に示される如く、ルーフサイド構造100は、上フランジ96が上壁20Aに接合された補強部材92に代えて、上端部がルーフサイドインナパネル20の上フランジ20Dに接合された補強部材102を備える点で、第6の実施形態に係るルーフサイド構造90とは異なる。
【0066】
補強部材102は、柱部104の上端から延設された上フランジ106が上フランジ20Dに接合されると共に、柱部104の下端から延設された下フランジ98が側壁20Bに接合されており、この状態で柱部104とルーフサイドインナパネル20とで閉断面を形成している。ルーフサイド構造100における他の構成は、ルーフサイド構造90の対応する構成と実質的に同じである。
【0067】
このルーフサイド構造100では、補強部材102がルーフサイドレール12の屈曲部20Cにおける曲げ断面変形を抑制する。したがって、第7の実施形態に係るルーフサイド構造100によっても、第6の実施形態に係るルーフサイド構造90(すなわち第1の実施形態に係るルーフサイド構造10)と同様に、意匠性及び衝突性能を確保しつつルーフパネル14の発音を抑えることができる。
【0068】
(第8の実施形態)
図12には、本発明の第8の実施形態に係るルーフサイド構造110が図1対応する正面断面図にて示されている。また、図13には、ルーフサイド構造110が斜視にて示されている。これらの図に示される如く、ルーフサイド構造80は、ルーフサイドレール12とルーフリインフォースメント112とを連結するルーフガセット114に本発明における補強部材の機能を付与している点で、第6の実施形態に係るルーフサイド構造90とは異なる。
【0069】
ルーフガセット114は、ルーフの車幅方向に沿う骨格部材であるルーフリインフォースメント112の車幅方向端部と、ルーフサイドレール12すなわちセンタピラー16の上端とを連結することで、側面衝突時のルーフサイドレール12とセンタピラー16との連結部の曲げを抑制し、センタピラー16の車室側への進入量を低減するための補強部材として把握される。この実施形態では、ルーフガセット114は、正面視で略L字状に形成されており、車幅方向外端側で略上下方向に沿うルーフサイド接合部116がスポット溶接にてルーフサイドインナパネル20に接合されると共に、車幅方向内端部分に位置するリインフォースメント締結部118が締結具119(ボルトナット等)にてルーフリインフォースメント112に締結されている。
【0070】
そして、この実施形態におけるルーフガセット114は、ルーフサイド接合部116とリインフォースメント締結部118との間に位置する補強フランジ部120が、上壁20Aにスポット溶接にて接合されている。なお、図13の「×」は、本発明の要部におけるスポット溶接の打点を示している。これにより、ルーフガセット114は、ルーフサイド接合部116と補強フランジ部120とにおいて、屈曲部20Cを跨いで上壁20Aと側壁20Bとを連結している。
【0071】
ルーフガセット114についてさらに補足すると、ルーフガセット114は、ルーフサイド接合部116から補強フランジ部120にかけて車幅方向外向きに開口する骨格形成部122が前後に並列しており、前後の骨格形成部122が連結部124にて連結されている。前後の骨格形成部122の前後方向外側にそれぞれ接合フランジ126が形成されており、ルーフガセット114は、接合フランジ126において上壁20A、側壁20Bに接合されている。また、補強フランジ部120からリインフォースメント締結部118かけての部分も立体形状とされ、所要の剛性を確保するようになっている。ルーフサイド構造110における他の構成は、ルーフサイド構造90の対応する構成と実質的に同じである。
【0072】
このルーフサイド構造110では、ルーフガセット114がルーフサイドレール12の屈曲部20Cにおける曲げ断面変形を抑制する。したがって、第8の実施形態に係るルーフサイド構造110によっても、第6の実施形態に係るルーフサイド構造90(すなわち第1の実施形態に係るルーフサイド構造10)と同様に、意匠性及び衝突性能を確保しつつルーフパネル14の発音を抑えることができる。また、ルーフサイド構造110では、適用された自動車が既存部品として備えるルーフガセット114に補強フランジ部120(上壁20Aとの接合部分)を設定することで、部品点数を増すことなくルーフパネル14の発音を抑えることを実現した。
【0073】
なお、第6乃至第8の実施形態では、補強部材92、102、ルーフガセット114がルーフサイドインナパネル20との間に閉断面を成すように該ルーフサイドインナパネル20における屈曲部20Cを跨ぐ部分を連結する例を示したが、補強部材92党の曲げ剛性を主に利用するこれらの実施形態では、補強部材92等は、屈曲部20Cに対応する屈曲部を有し全体的にルーフサイドインナパネル20に接触するように構成されても良く、補強部材82のように車体前後方向に厚み方向を一致させた補強部材にて屈曲部20Cを跨ぐ両側を連結するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るルーフサイド構造を示す正面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るルーフサイド構造をルーフサイドインナパネルを取り除いて示す図であって、(A)は側面図、(B)は斜視図である。
【図3】(A)本発明の第1実施形態に係るルーフサイド構造を構成するルーフサイドレールの変形状態を示す正面断面図、(B)は第1の比較例に係るルーフサイド構造を構成するルーフサイドレールの変形状態を示す正面断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るルーフサイド構造が適用された自動車のルーフ振動に基づく車室音レベルの解析結果を示す線図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るルーフサイド構造をルーフサイドインナパネルを取り除いて示す図であって、(A)は側面図、(B)は斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るルーフサイド構造をルーフサイドインナパネルを取り除いて示す図であって、(A)は側面図、(B)は斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るルーフサイド構造を示す正面断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係るルーフサイド構造を示す正面断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係るルーフサイド構造をルーフサイドインナパネルを取り除いて示す図であって、(A)は側面図、(B)は斜視図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に係るルーフサイド構造を示す正面断面図である。
【図11】本発明の第7の実施形態に係るルーフサイド構造を示す正面断面図である。
【図12】本発明の第8の実施形態に係るルーフサイド構造を示す正面断面図である。
【図13】本発明の第8の実施形態に係るルーフサイド構造をルーフサイドインナパネルを取り除いて示す図であって、(A)は側面図、(B)は斜視図である。
【図14】(A)は本発明の実施形態に係るルーフサイド構造が適用され得る自動車のルーフサイド部を示す平面図、(B)は図14(A)に示すルーフサイド部とは異なる形状を有するルーフサイド部を示す平面図である。
【図15】(A)は図14(A)に示すルーフサイド部の発音状態を模式的に示す正面断面図、(B)は図14(B)に示すルーフサイド部の発音状態を模式的に示す正面断面図である。
【図16】本発明の実施形態との第2の比較例を示す正面断面図である。
【図17】本発明の実施形態との第3の比較例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
【0075】
10 ルーフサイド構造
12 ルーフサイドレール(ルーフサイド骨格部)
14 ルーフパネル
16 センタピラー
18 ルーフサイドアウタパネル(ルーフサイドアウタ部材)
18A 上壁
18B 下壁
18C 側壁
18E 下フランジ(フランジ)
20 ルーフサイドインナパネル(ルーフサイドインナ部材)
20C 屈曲部
38 補強部材
50・60・70・80・90・100・110 ルーフサイド構造
52・62・72・82・92・102 補強部材
84 アウタパネル内リインフォースメント
114 ルーフガセット(補強部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ車体前後方向に長手とされた上壁と下壁とが車幅方向外端において側壁にて連結されて形成されたルーフサイドアウタ部材と、
前記ルーフサイドアウタ部材における車幅方向内側を向く開口側に接合されて、該ルーフサイドアウタ部材とでセンタピラー及びルーフパネルに接続された閉断面構造のルーフサイド骨格部を成すルーフサイドインナ部材と、
前記ルーフサイドアウタ部材内に配置され、前記上壁における前記側壁から離間した部分と、前記下壁における前記側壁から離間した部分又は前記ルーフサイドアウタ部材の下側の開口端から延設されたフランジとを架け渡した補強部材と、
を備えたルーフサイド構造。
【請求項2】
前記補強部材は、前記ルーフサイド骨格部の図心に対する車幅方向内側で、前記上壁における前記側壁から離間した部分と、前記下壁における前記側壁から離間した部分又は前記フランジとを架け渡した請求項1記載のルーフサイド構造。
【請求項3】
前記補強部材は、前記ルーフサイドアウタ部材の内面に重ね合わされたアウタパネル内リインフォースメントの車体前後方向端部を折り曲げて形成され、前記ルーフサイドアウタ部材の内部を車体前後方向に区画するように前記上壁と下壁との間に介在している請求項1又は請求項2記載のルーフサイド構造。
【請求項4】
車幅方向内向きに開口すると共に車体前後方向に長手とされたルーフサイドアウタ部材と、
前記ルーフサイドアウタ部材の内向きに凸となる屈曲部の両側において該ルーフサイドアウタ部材の開口側に接合されて、該ルーフサイドアウタ部材とでセンタピラー及びルーフパネルに接続された閉断面のルーフサイド骨格部を成すルーフサイドインナ部材と、
前記ルーフサイドインナ部材における前記屈曲部の両側部分にそれぞれ接続された補強部材と、
を備えたルーフサイド構造。
【請求項5】
前記補強部材は、前記ルーフサイド骨格部の外側で前記屈曲部の両側部分にそれぞれ接続されている請求項4記載のルーフサイド構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−313963(P2007−313963A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143680(P2006−143680)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】