説明

レジ袋リサイクル方法

【課題】使用済みのレジ袋を回収し、そのうち再利用し得る部分を選別してレジ袋として再生させることを課題とする。
【解決手段】
使用済みのレジ袋を回収する回収部1と、回収されたレジ袋が無色または半透明レジ袋であるか否かを判別する選別工程2と、選別された無色または半透明レジ袋に有色着色部が存在するか否かを判別する着色部判別工程2Aと、着色部分が存在するレジ袋はその着色部分を切除する着色部切除工程3と、再生可と判断されたレジ袋に付着している不純物を分離除去する不純物除去工程4と、レジ袋が無色または半透明で非印刷袋であるときはそのままで、着色部分を切除した無色・半透明レジ袋は共に破砕してリペレットとするリペレット工程6と、リペレットとされた再生原料と新規原料とを混合するミックス工程9と、ミックスされた原料により新規にレジ袋を製造する製袋工程10とを有する構成としたことにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不要となった使用済みのレジ袋の再利用を図るレジ袋リサイクル方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、100円ショップ、その他土産物店等の店舗では、購入された商品をポリエチレン等のプラスチックフィルムにより形成された手提げ袋(以下レジ袋という)に装入して顧客に渡すようになされている。
【0003】
ところでこれらの店舗は量販店であるためレジ袋の使用量も膨大であり、使用されたレジ袋は一般ゴミとして廃棄され、焼却処理あるいは埋立て処理される現状にある。
【0004】
このように僅かな時間しか使用せずに廃棄されてしまうことは資源の無駄使いであり、著しい損失を伴っている。
【特許文献1】特開平6−143279号公報
【特許文献2】特開2004−237648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、不要となった使用済みのレジ袋を回収し、使用し得る部分を選別してレジ袋として再生させ、もって資源の有効利用を図り、高い経済性を得ることができるレジ袋リサイクル方法を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する手段として本発明は、不要となった使用済みレジ袋を回収する回収部と、この回収部に回収されたレジ袋が無色または半透明レジ袋であるか否かを判別する選別工程と、選別された無色または半透明レジ袋に有色着色部が存在するか否かを判別する着色部判別工程と、着色部が存在するレジ袋の着色部を切除する着色部切除工程と、再生可と判断されたレジ袋に付着している不純物を分離除去する不純物除去工程と、レジ袋が無色または半透明で非印刷袋であるときはそのままで、着色部分を切除した無色・半透明レジ袋はこれと共に破砕してリペレットとするリペレット工程と、リペレットされた再生原料と新規原料とを混合するミックス工程と、ミックスされた原料により新規にレジ袋を製袋する工程とを有せしめたことにある。
【0007】
上記不純物除去工程は、機械的手段によるほか洗浄処理を加味することが良質の再生原料を得るうえにおいて望ましい。
【0008】
この洗浄処理は次亜塩素系稀釈液への浸潤により脱臭、消臭、漂白を行うようにすることが好ましい。
【0009】
回収するレジ袋は、HDポリエチレン製で、無色または半透明レジ袋に限定することが好ましく、また印刷による着色部はワンポイント的白色印刷によるレジ袋に限定して回収することが好ましい。
【0010】
ミックス工程においては、新規原料80〜85%、再処理された再生原料15〜20%の割合としてブレンドすることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、不要となった使用済みのレジ袋を良質な再生原料として再利用することができ、資源の有効利用を図ることができる。
【0012】
特に回収されたレジ袋のうち無色または半透明のレジ袋はそのまま再利用に廻し、印刷等による着色部分のある無色・半透明のレジ袋はその着色部分のみを切除して再利用する再生原料とし、これらを破砕するなどしてミックスして新たなレジ袋を製造するようにしたので資源の有効利用に加え経済性の高いレジ袋を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明によるレジ袋リサイクル方法を実施する際の工程を示すフローチャートで、不要となった使用済みのレジ袋を回収する回収部1と、この回収部1に回収されたレジ袋が無色または半透明のレジ袋を選別する選別工程と、選別されたレジ袋に有色着色部が存在するか否かを判別する着色部判別工程2Aと、印刷等による有色部を有する着色レジ袋であるときはその着色部分を切除する着色部切除工程3と、再生可と判断されたレジ袋に付着している不純物を機械的または洗浄によって除去する不純物除去工程4と、洗浄などにより不純物が除去されたレジ袋を小片に破砕し、脱臭、漂白、乾燥処理を行う処理工程5と、処理済みの材料をリペレットとするリペレット工程6と、このリペレットされた再生原料7と新規原料8とをミックスするミックス工程9と、このミックスされた原料によりレジ袋を製造する製袋工程10とを有し、こうして製造された再生レジ袋は新たなレジ袋11として販売に供される。
【0014】
前記回収部1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗の一隅に設けられ、顧客が投入しやすい形態の容器で構成することが好ましい。
【0015】
前記選別工程2においては、リサイクル用として採集するレジ袋として、
(1)HD(high density)ポリエチレンで無色または半透明のレジ袋に限って採集する。
【0016】
(2)印刷の有無に関しては、ワンポイント的な白色印刷に限り採集するよう目視により選別する。
【0017】
上記以外のレジ袋、例えば図2(A)に示すように赤色印刷による着色部12があるようなレジ袋13である場合には、その印刷による着色部12を含む所要範囲を図2(B)に示すように切り取って前記(1)、(2)の条件を満すようにする。
【0018】
前記不純物除去工程4においては、付着物を機械的手段(手作業を含む)により除去するほか、次亜塩素系稀釈液に浸潤させ、乾燥させたのち処理工程5において破砕、脱臭、漂白を行い、リペレット工程6においてリペレットとし、再生原料7として新規原料8とミックス工程9において混合し、次いで製袋工程10へ移送されて製袋が行われ、再生されたレジ袋11として販売に供される。
【0019】
この場合、再生原料7と新規原料8との混合割合は、新規原料8を80〜85%、再生原料7を20〜15%とされ、より好ましくは新規原料85%、再生原料15%とするのがよい。
【0020】
これらにより、従来廃棄して焼却または埋立て処理されていた使用済みのレジ袋を再生して新たなレジ袋として供給することが可能となり、資源の有効利用を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るレジ袋リサイクル方法の一実施形態の工程を示すフローチャート。
【図2】回収レジ袋で着色印刷部分のあるレジ袋の一例を示し、(A)は着色部切除前の状態、(B)は切除して分離した着色部を示す説明図。
【符号の説明】
【0022】
1 回収部
2 選別工程
2A 着色部判別工程
3 着色部切除工程
4 不純物除去工程
5 処理工程
6 リペレット工程
7 再生原料
8 新規原料
9 ミックス工程
10 製袋工程
12 着色部
13 着色部を有するレジ袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不要となった使用済みレジ袋を回収する回収部と、この回収部に回収されたレジ袋が無色または半透明レジ袋であるか否かを判別する選別工程と、選別された無色または半透明のレジ袋に有色着色部が存在するか否かを判別する着色部判別工程と、着色部が存在するレジ袋の着色部を切除する着色部切除工程と、再生可と判断されたレジ袋に付着している不純物を分離除去する不純物除去工程と、レジ袋が無色または半透明で非印刷袋であるときはそのままで、着色部分を切除した無色・半透明レジ袋はこれと共に破砕してリペレットとするリペレット工程と、リペレットとされた再生原料と新規原料とを混合するミックス工程と、ミックスされた原料により新規にレジ袋を製造する製袋工程とを有することを特徴とするレジ袋リサイクル方法。
【請求項2】
前記回収部はスーパーマーケット等の店舗の適所に設けられている請求項1記載のレジ袋リサイクル方法。
【請求項3】
前記各工程で再生可とされたレジ袋に付着している不純物を除去する手段として洗浄により除去する洗浄処理を含む請求項1記載のレジ袋リサイクル方法。
【請求項4】
前記不純物除去工程における洗浄処理は、次亜塩素系稀釈液への浸潤により脱臭、消臭、漂白を行うようになされている請求項3記載のレジ袋リサイクル方法。
【請求項5】
前記不純物除去工程において所定の洗浄処理がなされたレジ袋を破砕、乾燥、リペレットを行い、再生原料化を行う工程を含む請求項3または4記載のレジ袋リサイクル方法。
【請求項6】
HDポリエチレン製で、無色または半透明レジ袋に限定して回収する請求項1〜5のいずれか1項記載のレジ袋リサイクル方法。
【請求項7】
印刷による着色部がワンポイント的白色印刷であるものに限定して回収する請求項1〜6のいずれか1項記載のレジ袋リサイクル方法。
【請求項8】
前記ミックス工程において、新規原料80〜85%、再処理された再生原料15〜20%をブレンドして新たなレジ袋を製造するようになされている請求項1〜7のいずれか1項記載のレジ袋リサイクル方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−148938(P2009−148938A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327433(P2007−327433)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(390000387)福助工業株式会社 (22)
【Fターム(参考)】