レソルビン:治療処置用のバイオテンプレート

【課題】生理学におけるこれらの物質の機能の理解の改善、ならびに、種々の疾患状態もしくは条件を排除または減少するように機能し得る生物活性薬剤の単離すること。
【解決手段】本発明は、一般に、レソルビンと呼ばれる単離した新規治療薬に関し、これは、食用オメガ−3多価不飽和脂肪酸(PUFA)(例えば、エイコサペンタエン酸(EPA)またはドコサヘキサエン酸(DHA))、シクロオキシゲナーゼ−II(COX−2)および鎮痛薬(例えば、アスピリン(ASA))から生成される。驚くべきことに、適当な環境にて、成分の組合せから生成された化合物を注意深く単離すると、独特の構造特性および生理学的特性を有するジ−およびトリ−ヒドロキシEPAまたはDHA化合物が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、エイコサペンタエン酸(EPA)および/またはドコサヘキサエン酸(DHA)を使用する新規なシグナル伝達経路および生化学経路由来の以前には知られていない治療剤に関する。EPAおよびDHAは共に、脈管内皮反応および神経系(脳)における炎症および回復の生理学的現象を制御する、生物活性な新規内因性生成物の産生のための前駆体としての多価不飽和脂肪酸(PUFA)である。より具体的には、本発明は、「レソルビン(resolvin(resolvin)」と呼ばれるジヒドロキシもしくはトリヒドロキシの強力な生物活性生成物に関連し、これは、5リポキシゲナーゼ(例えば、シクロオキシゲナーゼ)と多価不飽和脂肪酸との生化学的相互作用に由来する。さらに、その生物学的特性を増強するレソルビンの治療的に安定なアナログは、白血球エントリーの炎症促進性増幅を阻害することによって、回復を促進するために使用され得ることが記載される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
多様な生理学的および病理学的シナリオにおけるエイコサノイドの役割は、細胞連絡におけるアラキドン酸のような脂肪酸前駆体の重要性、その構造的および貯蔵的割当ての明白な例を提供する(3〜5)。プロスタグランジン、ロイコトリエン(LT)、リポキシン(LX)およびシス−エポキシエイコサトリエン酸すなわちEET(4、6)を含む生物活性エイコサノイドの分類の中でも、対抗制御的なオータコイドが、これらのエイコサノイドの分類内に存在することがここで明らかである。シクロオキシゲナーゼ経路の、プロスタグランジンおよびトロンボキサンは、重要な対抗レギュレーターである(7)。炎症において、5−リポキシゲナーゼのロイコトリエン生成物は、炎症促進性メディエーターであり(4、8)、リポキシゲナーゼ相互作用を介して生成されるリポキシンは、特定のロイコトリエン媒介性事象を対抗制御し得る(最近の総説については9を参照のこと)。炎症の間の、エイコサノイドの生合成における一時的かつ空間的な分離の出現は、「停止」または回復促進性シグナルとしてのリポキシンについての別個の機能的設定を明らかにする(10)。さらに、アスピリン(ASA)治療が、リポキシン系を略奪し、その15−エピマー化もしくはそのR含有アイソフォームの形成を惹起し得(ASAトリガLX)、これは、LX模倣物として機能し、回復促進性状態に高め(9、11、12)、ならびに、上皮ベースの抗微生物宿主防御におけるエンハンサーとして機能する(13)。
【0003】
ω−3脂肪酸に富む魚のいくつかの種由来のロイコサイトは、アラキドン酸(C20:4)およびエイコサペンタエン酸(C20:5)の両方から、プロスタグランジン、ロイコトリエンおよびリポキシンを生成する。海洋生物におけるこれらの免疫機能は、ヒトにおけるものと類似するようであり;すなわち、細胞運動性の駆動物質である。さらに、魚の細胞は、4および5シリーズ(EPA由来)のロイコトリエンおよびリポキシンの類似したレベルを生じ、これは、優先的にC20:4由来のメディエーターを使用するヒト組織とは明確に異なる(14に総説される)。エイコサペンタエン酸(EPA、C20:5)およびドコサヘキサエン酸(DHA、C22:6)のようなω−3脂肪酸は、いくつかのヒトの疾患(アテローム性動脈硬化症、喘息、心脈管疾患、癌が挙げられる(15に総説される))において有益であり得、より最近では、精神の抑鬱(16、17)および心筋梗塞後の突然死を予防するのに有益であり得る(18、19)。興味深いのは、11,300人以上の患者でω−3脂肪酸のサプリメントを評価した、GISSI−Prevenzion治験からの結果であり、これは、心脈管死の約45%の減少についての証拠を提供する(20)。
【0004】
両方の患者群が、ごく最近のPhysician Health研究報告(18)における多数の参加者で行ったGISSI治験においてアスピリンを受け、その間、トコフェロール 対 ω−3サプリメントを比較した(20)ことが注目に値する。これらの研究結果に対するASAの衝撃は、リスクの低減におけるω−3脂肪酸の利益をしっかりと結論付けているにもかかわらず、試験されなかった。ω−3脂肪酸に富む魚を食することは、現在、American Heart Associationによって推奨されている(http://www.americanheart.orgを参照のこと)。しかし、動物実験から明らかになるのは、DHAが魚油の生物活性心脈管保護成分であることである(22)。心臓病および前立腺癌におけるω−3保護特性の機構は、不明瞭なままであり、分子ベースは、依然として魚油治験に関連する臨床現象を説明すると考えられる。
【0005】
回復していない炎症が、多くの慢性障害(心臓病、アテローム性動脈硬化症、喘息およびアルツハイマー病(23、24)が挙げられる)において重要であるという重大な認識は、ASA治療の間のω−3利用が、ヒトの疾患および健康に関係する内因性の生物活性化合物に変換されるか否かという疑問を生じる。最近、データが、炎症部位において、ω−3PUFAであるエイコサペンタエン酸(EPA)が、好中球の補充を標的化する強力な生物活性生成物に変換されることを示している。従って、COX−1よりもおきな基質トンネル/チャネルを有するCOX−2(25、26)は、C20:4ならびに、可能ならば、COX−2の派遣(2)(例えば、虚血のプリコンディショニング(19)、回復(10、12、27)および/または他の疾患プロセスに関連するもの)のために、脂質のω−3ポリエンフェミリー(すなわち、C18:3およびC20:5)に変換する能力によって例示されるように、生産的に適応され得るさらなる基質に作用する。EPAおよびCOX−2(2)またはDHA(28〜32)は、特定の生物学的プロセス(例えば、虚血誘導性の心臓不整脈(22))において、アラキドン酸に加えて、ω−3脂肪酸が、強力な生物活性生成物に変換するための基質として機能し得る可能性を高める(29。しかし、炎症においてDHAに由来し得る生成物の生物学的役割および重要性が、確立されたままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、生理学におけるこれらの物質の機能の理解の改善、ならびに、種々の疾患状態もしくは条件(例えば、炎症に関連するもの)を排除または減少するように機能し得る生物活性薬剤の単離するための必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、1つの実施形態において、食物のω−3多価不飽和脂肪酸(PUFA)(例えば、エイコサペンタエン酸(EPA)またはドコサヘキサエン酸(DHA)、シクロオキシゲナーゼ−II(COX−2))と、鎮痛剤(例えば、アスピリン(ASA))との間の相互作用から生じる、単離された治療剤を記載する。驚くべきことに、以前には知られておらず、かつ、真価を認められていない化合物の注意深くかつ挑戦的な単離が、適切な環境下で成分を混合することによる滲出物から生じ、固有の構造的および生理学的特性を有するジヒドロキシおよびトリヒドロキシのEPAまたはDHAを提供する。したがって、本発明は、例えば、炎症を減少、予防または排除するEPAもしくはDHAの多くの新規かつ有用な治療用ジヒドロキシもしくはトリヒドロキシ誘導体を提供する。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
次式を有する化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩:
【化1】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)H、−C(NH)NR、−C(S)H、−C(S)OR、−C(S)NR、−CNである;
各Rは、別個に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、シクロヘキシル、(C4〜C11)シクロアルキルアルキル、(C5〜C10)アリール、フェニル、(C6〜C16)アリールアルキル、ベンジル、2〜6員ヘテロアルキル、3〜8員シクロヘテロアルキル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニル、4〜11員シクロヘテロアルキルアルキル、5〜10員ヘテロアリールおよび6〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
各Rは、=O、−OR、(C1〜C3)ハロアルキルオキシ、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−NR、ハロゲン、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)、−S(O)OR、−S(O)NR、−S(O)NR、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)OR、−OS(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(NH)NR、−C(NR)NR、−C(NOH)R、−C(NOH)NR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NR、−OC(NH)NR、−OC(NR)NR、−[NHC(O)]、−[NRC(O)]、−[NHC(O)]OR、−[NRC(O)]OR、−[NHC(O)]NR、−[NRC(O)]NR、−[NHC(NH)]NRおよび−[NRC(NR)]NRからなる群から別個に選択される適当な基である;
各Rは、別個に、保護基またはRであるか、あるいは、各Rは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜8員シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールを形成し、該シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なる追加ヘテロ原子を含有し得、そして必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるR基または適当なR基で置換され得る;
各nは、別個に、0〜3の整数である;
各Rは、別個に、保護基またはRである、
化合物。
(項目2)
およびPが、水素原子であり、そしてZが、カルボン酸またはカルボン酸エステルである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
Zが、カルボン酸塩である、項目1に記載の化合物。
(項目4)
前記塩が、アンモニウム塩である、項目3に記載の化合物。
(項目5)
次式を有する化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩:
【化2】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)H、−C(NH)NR、−C(S)H、−C(S)OR、−C(S)NR、−CNである;
各Rは、別個に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、シクロヘキシル、(C4〜C11)シクロアルキルアルキル、(C5〜C10)アリール、フェニル、(C6〜C16)アリールアルキル、ベンジル、2〜6員ヘテロアルキル、3〜8員シクロヘテロアルキル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニル、4〜11員シクロヘテロアルキルアルキル、5〜10員ヘテロアリールおよび6〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
各Rは、=O、−OR、(C1〜C3)ハロアルキルオキシ、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−NR、ハロゲン、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)、−S(O)OR、−S(O)NR、−S(O)NR、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)OR、−OS(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(NH)NR、−C(NR)NR、−C(NOH)R、−C(NOH)NR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NR、−OC(NH)NR、−OC(NR)NR、−[NHC(O)]、−[NRC(O)]、−[NHC(O)]OR、−[NRC(O)]OR、−[NHC(O)]NR、−[NRC(O)]NR、−[NHC(NH)]NRおよび−[NRC(NR)]NRからなる群から別個に選択される適当な基である;
各Rは、別個に、保護基またはRであるか、あるいは、各Rは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜8員シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールを形成し、該シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なる追加ヘテロ原子を含有し得、そして必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるR基または適当なR基で置換され得る;
各nは、別個に、0〜3の整数である;
各Rは、別個に、保護基またはRである、
化合物。
(項目6)
、PおよびPが、それぞれ、水素原子であり、そしてZが、カルボン酸またはカルボン酸エステルである、項目5に記載の化合物。
(項目7)
Zが、カルボン酸塩である、項目5に記載の化合物。
(項目8)
前記塩が、アンモニウム塩である、項目7に記載の化合物。
(項目9)
次式を有する化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩:
【化3】

ここで、Pは、保護基または水素原子である;
ここで、Xは、置換または非置換メチレン、酸素原子、置換または非置換窒素原子、またはイオウ原子である;
ここで、Zは、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)H、−C(NH)NR、−C(S)H、−C(S)OR、−C(S)NR、−CNである;
各Rは、別個に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、シクロヘキシル、(C4〜C11)シクロアルキルアルキル、(C5〜C10)アリール、フェニル、(C6〜C16)アリールアルキル、ベンジル、2〜6員ヘテロアルキル、3〜8員シクロヘテロアルキル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニル、4〜11員シクロヘテロアルキルアルキル、5〜10員ヘテロアリールおよび6〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
各Rは、=O、−OR、(C1〜C3)ハロアルキルオキシ、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−NR、ハロゲン、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)、−S(O)OR、−S(O)NR、−S(O)NR、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)OR、−OS(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(NH)NR、−C(NR)NR、−C(NOH)R、−C(NOH)NR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NR、−OC(NH)NR、−OC(NR)NR、−[NHC(O)]、−[NRC(O)]、−[NHC(O)]OR、−[NRC(O)]OR、−[NHC(O)]NR、−[NRC(O)]NR、−[NHC(NH)]NRおよび−[NRC(NR)]NRからなる群から別個に選択される適当な基である;
各Rは、別個に、保護基またはRであるか、あるいは、各Rは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜8員シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールを形成し、該シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なる追加ヘテロ原子を含有し得、そして必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるR基または適当なR基で置換され得る;
各nは、別個に、0〜3の整数である;
各Rは、別個に、保護基またはRである、
化合物。
(項目10)
が、水素原子であり、Xが、酸素原子であり、そしてZが、カルボン酸またはカルボン酸エステルである、項目9に記載の化合物。
(項目11)
Zが、カルボン酸塩である、項目9に記載の化合物。
(項目12)
前記塩が、アンモニウム塩である、項目11に記載の化合物。
【0008】
本発明のジ−およびトリ−ヒドロキシEPAおよびDHA治療薬には、例えば、以下の化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられる:
【0009】
【化4】

【0010】
【化5】

【0011】
【化6】

【0012】
【化7】

【0013】
【化8】

【0014】
【化9】

【0015】
【化10】

【0016】
【化11】

【0017】
【化12】

【0018】
【化13】

【0019】
【化14】

【0020】
【化15】

【0021】
【化16】

ここで、P、PおよびPは、もし存在するなら、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、R、RおよびRは、もし存在するなら、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)H、−C(NH)NR、−C(S)H、−C(S)OR、−C(S)NR、−CNである;
各Rは、もし存在するなら、別個に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、シクロヘキシル、(C4〜C11)シクロアルキルアルキル、(C5〜C10)アリール、フェニル、(C6〜C16)アリールアルキル、ベンジル、2〜6員ヘテロアルキル、3〜8員シクロヘテロアルキル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニル、4〜11員シクロヘテロアルキルアルキル、5〜10員ヘテロアリールおよび6〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
各Rは、もし存在するなら、=O、−OR、(C1〜C3)ハロアルキルオキシ、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−NR、ハロゲン、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)、−S(O)OR、−S(O)NR、−S(O)NR、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)OR、−OS(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(NH)NR、−C(NRa)NR、−C(NOH)R、−C(NOH)NR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NR、−OC(NH)NR、−OC(NR)NR、−[NHC(O)]、−[NRC(O)]、−[NHC(O)]OR、−[NRC(O)]OR、−[NHC(O)]NR、−[NRC(O)]NR、−[NHC(NH)]NRおよび−[NRC(NR)]NRからなる群から別個に選択される適当な基である;
各Rは、もし存在するなら、別個に、保護基またはRであるか、あるいは、各Rは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜8員シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールを形成し、該シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なる追加ヘテロ原子を含有し得、そして必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるR基または適当なR基で置換され得る;
各nは、別個に、0〜3の整数である;
各Rは、別個に、保護基またはRである;
特に、Zは、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルである;
ここで、Xは、もし存在するなら、置換または非置換メチレン、酸素原子、置換または非置換窒素原子、またはイオウ原子である;
ここで、Qは、1個またはそれ以上の置換基を表わし、そして各Qは、個々に、もし存在するなら、ハロゲン原子、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシまたはアミノカルボニル基である;
ここで、Uは、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである。
【0022】
ある実施態様では、P、PおよびPは、もし存在するなら、それぞれ個々に、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはエステルである。他の実施態様では、Xは、酸素原子であり、1個またはそれ以上のPは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはエステルである。さらに他の局面では、Qは、1個またはそれ以上のハロゲン原子であり、1個またはそれ以上のPは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0023】
ある実施態様では、R、RおよびRは、もし存在するなら、それぞれ個々に、低級アルキル基(例えば、メチル、エチルおよびプロピル)であり、そして水素化できる(例えば、トリフルオロメチル)。他の局面では、R、RおよびRの少なくとも1個は、もし存在するなら、水素原子ではない。一般に、Zは、カルボン酸であり、そして1個またはそれ以上のPは、水素原子である。
【0024】
ある実施態様では、OPがこのレソルビン類似物内の末端に配置されているとき、その保護基は、除去でき、ヒドロキシが得られる。あるいは、ある実施態様では、OPの名称は、その末端炭素が1個またはそれ以上のハロゲンで置換されている(すなわち、末端C−18、C−20またはC−22炭素は、トリフルオロメチル基である)かアリール基(これは、本明細書中で記述されているように、置換または非置換であり得る)でアリール化されていることを示すのに役立つ。この末端炭素でのこのような操作は、このレソルビン類似物をオメガP450(これは、生化学的不活性化を引き起こし得る)から保護するのに役立つ。
【0025】
1局面では、本明細書中で記述したレソルビン(これは、その構造内に、エポキシド、シクロプロパン、アジンまたはチオアジン環を含む)はまた、インビボで内生レソルビンレベルを高めて、炎症「誘発性」物質、それらのインビボでの形成および作用を阻止する酵素阻害剤(例えば、ロイコトリエンおよび/またはLTB)として、役立つ。
【0026】
本発明の他の実施態様は、本明細書全体にわたって記述された新規化合物の医薬組成物に関する。
【0027】
本発明はまた、疾患状態および病気(例えば、炎症を含めて)を治療する方法を提供する。
【0028】
本発明は、さらに、本明細書全体にわたって記述された新規化合物を調製する方法を提供する。
【0029】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに使用される包装した医薬品(これは、本明細書全体にわたって記述されたジ−およびトリ−ヒドロキシEPAおよびDHA化合物を含有する)を提供する。
【0030】
複数の実施態様が開示されているものの、本発明のさらに他の実施態様は、以下の詳細な説明から、当業者に明らかとなる。明らかなように、本発明は、全て、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の明白な局面にて、改良できる。従って、図面および詳細な説明は、事実上、本発明を限定するものではなく例示であると見なすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1−1】図1は、新規の化合物を生成するためにASAによって処置されたマウス由来の、炎症性の溢出物(exudate)を示す:LC−MS−MS−ベースのリポドミック(lipodomic)分析。パネルA:背側空気嚢(dorsal air pouch)由来のTNFα−誘導性白血球溢出物。サンプルは、ASAおよびDHAを与えられたFVBマウスから6時間後に採取した(方法を参照のこと)。選択されたイオンクロマトグラム(m/z343)は、17R−HDHA、7S−HDHA、および4S−HDHAの生成を示す。定量化のためにジエンUV発色団を用いた場合、7−HDHAは溢出物質の約15%であり、そしてこれをms/ms343によるm/z141に関するSIMトレースを用いて同定した。いくつかの溢出物において、17S−HDHAもまた、リポキシゲナーゼ依存性経路から示された。パネルBのMS−MS:17R−HDHA(m/z343);パネルCのMS−MS:7S、17R−diHDHA(m/z359);そして、パネルDのMS−MS:4、11、17R−triHDHA(m/z375)。診断用イオンに関しては、下記を参照のこと。結果は、n=7の代表である。
【図1−2】図1は、新規の化合物を生成するためにASAによって処置されたマウス由来の、炎症性の溢出物(exudate)を示す:LC−MS−MS−ベースのリポドミック(lipodomic)分析。パネルA:背側空気嚢(dorsal air pouch)由来のTNFα−誘導性白血球溢出物。サンプルは、ASAおよびDHAを与えられたFVBマウスから6時間後に採取した(方法を参照のこと)。選択されたイオンクロマトグラム(m/z343)は、17R−HDHA、7S−HDHA、および4S−HDHAの生成を示す。定量化のためにジエンUV発色団を用いた場合、7−HDHAは溢出物質の約15%であり、そしてこれをms/ms343によるm/z141に関するSIMトレースを用いて同定した。いくつかの溢出物において、17S−HDHAもまた、リポキシゲナーゼ依存性経路から示された。パネルBのMS−MS:17R−HDHA(m/z343);パネルCのMS−MS:7S、17R−diHDHA(m/z359);そして、パネルDのMS−MS:4、11、17R−triHDHA(m/z375)。診断用イオンに関しては、下記を参照のこと。結果は、n=7の代表である。
【図1−3】図1は、新規の化合物を生成するためにASAによって処置されたマウス由来の、炎症性の溢出物(exudate)を示す:LC−MS−MS−ベースのリポドミック(lipodomic)分析。パネルA:背側空気嚢(dorsal air pouch)由来のTNFα−誘導性白血球溢出物。サンプルは、ASAおよびDHAを与えられたFVBマウスから6時間後に採取した(方法を参照のこと)。選択されたイオンクロマトグラム(m/z343)は、17R−HDHA、7S−HDHA、および4S−HDHAの生成を示す。定量化のためにジエンUV発色団を用いた場合、7−HDHAは溢出物質の約15%であり、そしてこれをms/ms343によるm/z141に関するSIMトレースを用いて同定した。いくつかの溢出物において、17S−HDHAもまた、リポキシゲナーゼ依存性経路から示された。パネルBのMS−MS:17R−HDHA(m/z343);パネルCのMS−MS:7S、17R−diHDHA(m/z359);そして、パネルDのMS−MS:4、11、17R−triHDHA(m/z375)。診断用イオンに関しては、下記を参照のこと。結果は、n=7の代表である。
【図1−4】図1は、新規の化合物を生成するためにASAによって処置されたマウス由来の、炎症性の溢出物(exudate)を示す:LC−MS−MS−ベースのリポドミック(lipodomic)分析。パネルA:背側空気嚢(dorsal air pouch)由来のTNFα−誘導性白血球溢出物。サンプルは、ASAおよびDHAを与えられたFVBマウスから6時間後に採取した(方法を参照のこと)。選択されたイオンクロマトグラム(m/z343)は、17R−HDHA、7S−HDHA、および4S−HDHAの生成を示す。定量化のためにジエンUV発色団を用いた場合、7−HDHAは溢出物質の約15%であり、そしてこれをms/ms343によるm/z141に関するSIMトレースを用いて同定した。いくつかの溢出物において、17S−HDHAもまた、リポキシゲナーゼ依存性経路から示された。パネルBのMS−MS:17R−HDHA(m/z343);パネルCのMS−MS:7S、17R−diHDHA(m/z359);そして、パネルDのMS−MS:4、11、17R−triHDHA(m/z375)。診断用イオンに関しては、下記を参照のこと。結果は、n=7の代表である。
【図2】図2は、ヒト組み換えCOX−2アスピリンによって生成された、新規のASA誘発性HDHA生成物:17R−HDHAを示す。ASA(2mM)存在下および非存在下で処理されたヒト組み換えCOX−2を、DHAとともに(10μM、30分、37℃)インキュベートした。インキュベーションを2mlの冷えたメタノールによって停止し、抽出し、そしてLC−MS−MS分析にかけた。結果は、>8の個別の実験からのインキュベーション(いくつかは、1−14C−標識DHAを含有)の代表である。上パネル:モノ−HDHAの存在を示す、m/z343のLC−MS−MSクロマトグラム。下:13−HDHA(ASA処理なし)のMS−MSスペクトル(左)、および17R−HDHA(ASA処理あり)のMS−MSスペクトル。
【図3−1】図3は、アスピリン処理された、脳およびヒト小神経膠細胞由来の内在性17R−HDHAを示す。A)脳から得られたLC−MS−MSクロマトグラム(相対量は、DHAに対してm/z327、一水酸基生成物に対してm/z343)。B)脳17R−HDHAのMS−MSスペクトル(m/z343)。マウス脳サンプルをASAと共にインキュベートした(45分、37℃)。結果は、ASA処理マウス(n=6)対ASAを含まないマウス(5匹)の代表である。c)ASA処理されたヒト小神経膠細胞(HMG);HMG 17R−HDHAのMS−MSスペクトル。10×10細胞をTNFα(50ng/ml)に曝し、インキュベートした(24時間、37℃)。細胞を、ASA(500μM、30分、37℃)で処理し、続いてイオノフォアA23187(5μ、25〜30分)を添加した。インキュベーションをMeOHで停止させ、抽出し、そしてタンデムUV、LC−MS−MSによって分析した(図3の挿入図は、235nm吸収でプロットされたUV−クロマトグラムを示す)(n=4、d=20)。17R−HDHAおよびDHAを、個々の保持時間、親イオン、および得られた娘イオンに基づいて同定した。
【図3−2】図3は、アスピリン処理された、脳およびヒト小神経膠細胞由来の内在性17R−HDHAを示す。A)脳から得られたLC−MS−MSクロマトグラム(相対量は、DHAに対してm/z327、一水酸基生成物に対してm/z343)。B)脳17R−HDHAのMS−MSスペクトル(m/z343)。マウス脳サンプルをASAと共にインキュベートした(45分、37℃)。結果は、ASA処理マウス(n=6)対ASAを含まないマウス(5匹)の代表である。c)ASA処理されたヒト小神経膠細胞(HMG);HMG 17R−HDHAのMS−MSスペクトル。10×10細胞をTNFα(50ng/ml)に曝し、インキュベートした(24時間、37℃)。細胞を、ASA(500μM、30分、37℃)で処理し、続いてイオノフォアA23187(5μ、25〜30分)を添加した。インキュベーションをMeOHで停止させ、抽出し、そしてタンデムUV、LC−MS−MSによって分析した(図3の挿入図は、235nm吸収でプロットされたUV−クロマトグラムを示す)(n=4、d=20)。17R−HDHAおよびDHAを、個々の保持時間、親イオン、および得られた娘イオンに基づいて同定した。
【図4】図4は、ASA処理された低酸素HUVECが17R−HDHAを生成したことを示す。HUVECをTNFαおよびIL−1β(両方とも1ng/ml)に曝し、そして低酸素室に置いた(3時間)。細胞をASA(500μM、30分)で処理し、続いてDHA(20μg/10細胞/10mlプレート)およびA23187(2μM、60分)で処理した。パネルA:イオンm/z343のLC−MS−MSクロマトグラムは、17R−HDHAの存在を示す。パネルB:保持時間、親イオン、および娘イオンによって同定し、特性および信頼できるNMR認定標準と適合させた17R−HDHAの、MS−MSスペクトル(RT 21.2分)。
【図5−1】図5は、ω−3由来レソルビンの生物影響特性を示す。A)ヒト神経膠腫細胞:TNF−刺激性IL−1β転写物の阻害。DBTRG−05MG細胞10/mlを、50ng/mlのヒト組み換えTNFαで16時間刺激し、IL−1β転写物を誘導した。COX−2生成物による濃度依存性:17−HDHA(四角)、13−HDHA(丸)、およびジ−/トリ−HDHA(四角)。両化合物のIC50は、約50pMである。(挿入図)結果は、100nMの13−HDHAもしくは17−HDHAに曝し、そしてGAPDHを用いたIL−1β転写物の標準化の後にグラフ化したMG細胞の、RT−PCRゲルの代表である。B)微小血管(micovascular)内皮単層を横切るfMLP−誘導性好中球の移動に及ぼす、エイコサノイドおよびドコサノイドの影響。好中球(10細胞/単層)を、緩衝液、または指示された濃度のアスピリン誘発性LXAアナログ(菱形)、5S,12,18R−トリHEPE(四角)17R−HDHA(丸)、もしくは13−HDHA(三角)を含有するビヒクルに、37℃で15分間曝した。次いで、好中球をHMVEC単層上に重ね、そして10−8MのfMLP勾配によって1時間、37℃で刺激し、移動させた。移動は、好中球マーカーのミエロペルオキシダーゼの定量によって評価した。結果は、PMNの数の平均±SEMとして提示する(n=8〜12単層/条件)。C)マウス腹膜炎および皮膚嚢腹膜炎(skin pouch peritonitis)における、PMNの減少:化合物(120μLの滅菌生理食塩水中に100ng)を、静脈内ボーラス注入によってマウス尾静脈内に注入し、続いて、1mlザイモサンA(1mg/ml)を腹膜内に注入した。腹膜洗浄物を回収し(2時間)、そして細胞型を数えた。空気嚢−化合物(Ca2+もしくはMg+を含有しないPBS 500μLに溶解)を、嚢内注入もしくは静脈内投与(120μLの滅菌生理食塩水中)を介して注入し、続いて、TNFαを嚢内注入した。4時間後、空気嚢洗浄物を回収し、そして細胞を数え、分別した。化合物は、生体合成によって調製したか、もしくはインビボ溢出物から単離した。4,17R−ジHDHAに対する7,17R−ジHDHAの比率は、約8:1であった;4,11,17R−トリHDHAおよび7,16,17R−トリHDHAの比率は、約2:1であった;そして、トリHDHAに対するジHDHAの比率は、約1:1.3であった。溢出物はネイティブマウスに移動する(本明細書に記載される)。ATLaは、15−エピ−16−パラ(フルオロ)−フェノキシ−LXAを意味する(100ng/マウスで投与)。値は、3〜4匹の異なるマウスからの、平均+/−SEMを表す;P<0.05(浸潤PMNをビヒクルコントロールと比較する場合)。
【図5−2】図5は、ω−3由来レソルビンの生物影響特性を示す。A)ヒト神経膠腫細胞:TNF−刺激性IL−1β転写物の阻害。DBTRG−05MG細胞10/mlを、50ng/mlのヒト組み換えTNFαで16時間刺激し、IL−1β転写物を誘導した。COX−2生成物による濃度依存性:17−HDHA(四角)、13−HDHA(丸)、およびジ−/トリ−HDHA(四角)。両化合物のIC50は、約50pMである。(挿入図)結果は、100nMの13−HDHAもしくは17−HDHAに曝し、そしてGAPDHを用いたIL−1β転写物の標準化の後にグラフ化したMG細胞の、RT−PCRゲルの代表である。B)微小血管(micovascular)内皮単層を横切るfMLP−誘導性好中球の移動に及ぼす、エイコサノイドおよびドコサノイドの影響。好中球(10細胞/単層)を、緩衝液、または指示された濃度のアスピリン誘発性LXAアナログ(菱形)、5S,12,18R−トリHEPE(四角)17R−HDHA(丸)、もしくは13−HDHA(三角)を含有するビヒクルに、37℃で15分間曝した。次いで、好中球をHMVEC単層上に重ね、そして10−8MのfMLP勾配によって1時間、37℃で刺激し、移動させた。移動は、好中球マーカーのミエロペルオキシダーゼの定量によって評価した。結果は、PMNの数の平均±SEMとして提示する(n=8〜12単層/条件)。C)マウス腹膜炎および皮膚嚢腹膜炎(skin pouch peritonitis)における、PMNの減少:化合物(120μLの滅菌生理食塩水中に100ng)を、静脈内ボーラス注入によってマウス尾静脈内に注入し、続いて、1mlザイモサンA(1mg/ml)を腹膜内に注入した。腹膜洗浄物を回収し(2時間)、そして細胞型を数えた。空気嚢−化合物(Ca2+もしくはMg+を含有しないPBS 500μLに溶解)を、嚢内注入もしくは静脈内投与(120μLの滅菌生理食塩水中)を介して注入し、続いて、TNFαを嚢内注入した。4時間後、空気嚢洗浄物を回収し、そして細胞を数え、分別した。化合物は、生体合成によって調製したか、もしくはインビボ溢出物から単離した。4,17R−ジHDHAに対する7,17R−ジHDHAの比率は、約8:1であった;4,11,17R−トリHDHAおよび7,16,17R−トリHDHAの比率は、約2:1であった;そして、トリHDHAに対するジHDHAの比率は、約1:1.3であった。溢出物はネイティブマウスに移動する(本明細書に記載される)。ATLaは、15−エピ−16−パラ(フルオロ)−フェノキシ−LXAを意味する(100ng/マウスで投与)。値は、3〜4匹の異なるマウスからの、平均+/−SEMを表す;P<0.05(浸潤PMNをビヒクルコントロールと比較する場合)。
【図5−3】図5は、ω−3由来レソルビンの生物影響特性を示す。A)ヒト神経膠腫細胞:TNF−刺激性IL−1β転写物の阻害。DBTRG−05MG細胞10/mlを、50ng/mlのヒト組み換えTNFαで16時間刺激し、IL−1β転写物を誘導した。COX−2生成物による濃度依存性:17−HDHA(四角)、13−HDHA(丸)、およびジ−/トリ−HDHA(四角)。両化合物のIC50は、約50pMである。(挿入図)結果は、100nMの13−HDHAもしくは17−HDHAに曝し、そしてGAPDHを用いたIL−1β転写物の標準化の後にグラフ化したMG細胞の、RT−PCRゲルの代表である。B)微小血管(micovascular)内皮単層を横切るfMLP−誘導性好中球の移動に及ぼす、エイコサノイドおよびドコサノイドの影響。好中球(10細胞/単層)を、緩衝液、または指示された濃度のアスピリン誘発性LXAアナログ(菱形)、5S,12,18R−トリHEPE(四角)17R−HDHA(丸)、もしくは13−HDHA(三角)を含有するビヒクルに、37℃で15分間曝した。次いで、好中球をHMVEC単層上に重ね、そして10−8MのfMLP勾配によって1時間、37℃で刺激し、移動させた。移動は、好中球マーカーのミエロペルオキシダーゼの定量によって評価した。結果は、PMNの数の平均±SEMとして提示する(n=8〜12単層/条件)。C)マウス腹膜炎および皮膚嚢腹膜炎(skin pouch peritonitis)における、PMNの減少:化合物(120μLの滅菌生理食塩水中に100ng)を、静脈内ボーラス注入によってマウス尾静脈内に注入し、続いて、1mlザイモサンA(1mg/ml)を腹膜内に注入した。腹膜洗浄物を回収し(2時間)、そして細胞型を数えた。空気嚢−化合物(Ca2+もしくはMg+を含有しないPBS 500μLに溶解)を、嚢内注入もしくは静脈内投与(120μLの滅菌生理食塩水中)を介して注入し、続いて、TNFαを嚢内注入した。4時間後、空気嚢洗浄物を回収し、そして細胞を数え、分別した。化合物は、生体合成によって調製したか、もしくはインビボ溢出物から単離した。4,17R−ジHDHAに対する7,17R−ジHDHAの比率は、約8:1であった;4,11,17R−トリHDHAおよび7,16,17R−トリHDHAの比率は、約2:1であった;そして、トリHDHAに対するジHDHAの比率は、約1:1.3であった。溢出物はネイティブマウスに移動する(本明細書に記載される)。ATLaは、15−エピ−16−パラ(フルオロ)−フェノキシ−LXAを意味する(100ng/マウスで投与)。値は、3〜4匹の異なるマウスからの、平均+/−SEMを表す;P<0.05(浸潤PMNをビヒクルコントロールと比較する場合)。
【図6】図6は、微生物のザイモサンに曝されたヒトPMNによるレソルビン生成:新規の17R ジ−HDHAおよびトリ−HDHA、を示す。ヒトPMN(50×10細胞/ml)をザイモサンA(100ng/ml)および17R−HDHA(5μg/ml40分、37℃)とともにインキュベートした。結果は、n=4の代表である。
【図7】図7は、炎症性溢出物が、17R−含有ジおよびトリヒドロキシテトラエンならびにトリエンを含有する化合物を生成することを示す:LC−MS−MS。詳細は、図1を参照のこと。図1に記載された手順と本質的に同一な手順によって、溢出物を得、そして分析した。パネルA:m/zを、375(上)、359(中)、および343(下)でプロットした。パネルB:UV吸収を300nmでプロットし、テトラエン含有色素体を標識した。パネルC:7S,8,17R−トリHDHAのMS−MS。
【図8】図8は、レソルビンに関して提唱された生合成の模式図を示す:アスピリン誘発性の、ω−3由来の生成物。ASA処理によるCOX−2のアセチル化は、DHAから、新規の17R−H(p)DHAを生成し(これは、その対応するアルコールに対して減少し、白血球5−リポキシゲナーゼの一連の作用を介して転換される)、そしてその17R構造を保持するジヒドロキシ含有ドコサノイドおよびトリヒドロキシ含有ドコサノイドの両方の形成をもたらす。酵素不活性化のインビボマーカーである可能性があるω酸化生成物に関して、経路を表示する。レソルビン経路は、炎症の「自発性消炎(resolution)」相の間に最も誘導されたように見え、そして化合物は、PMN浸潤を緩和するために活性化され、これは、溢出性PMN数を減少させて、インビトロおよびインビボでのPMN補充の強力なインヒビターをもたらす炎症の消炎誘発性(pro−resolution)(EPA由来レソルビン、18R−HEPEシリーズ、を示す)を増強する(経路右、本文中、および参考文献2を参照のこと)。新しいジヒドロキシ含有化合物およびトリヒドロキシ含有化合物の完全な立体化学は、まだ確立されておらず、生体の全合成物に基づくそれらの有望な構造として、ここに示される。さらなる詳細は、表2および本文を参照のこと。
【図9】図9は、本発明の複合体および未知の化合物を単離および特徴化するためのアプローチとしての、リポドミックベースの分析/フローダイアグラムを提供する。
【図10】図10は、レソルビンのジヒドロキシ化合物およびトリヒドロキシ化合物の生成物が生成される一般的な代謝経路の図を提供する
【図11】図11は、炎症組織内のPUFAおよびアスピリン由来のHDAまたはEPAからの消炎性ジヒドロキシ化合物ならびにトリヒドロキシ化合物の生成を示す、さらに詳細な図である。
【図12】図12は、本発明のジ−HDHA化合物およびトリ−HDHA化合物のいくつかの模式図を提供する。
【図13】図13は、ジヒドロキシEPA化合物およびトリヒドロキシEPA化合物を生成する、COX2を用いたEPAの生化学経路/転換を示す。
【図14】図14は、ジヒドロキシEPA化合物およびトリヒドロキシDHA化合物を生成する、COX2を用いたDHAの生化学経路/転換を示す別の模式図である。
【図15】図15は、5S,18(+/−)ジ−HEPEについての物理特性を示す。
【図16】図16は、5S,18(+/−)ジ−HEPEとレソルビンE1との指向性比較を示す。これは、ザイモサン誘導性腹膜炎における好中球浸潤の減少を示す。
【図17】図17は、ドコサトリエン経路を示す。
【図18】図18は、ザイモサン誘導性腹膜炎における白血球浸潤の減少に関する、4,17S−ジHDHAと10,17Sドコサトリエンとの比較である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(詳細な説明)
本発明は、新規の抗炎症剤を調製するための方法を提供し、そして新規の、内在性に生成される抗炎症性媒介物(消炎で生成される)の構造を開示する。本発明は、炎症中にインビボで生成される、いくつかの新しい分類の化合物の構造解明に基づく。この化合物は、「レソルビン」と称される。この化合物の構造解明、ならびに血管性白血球相互作用を介するマウス系におけるインビボでの炎症部位、およびアスピリンが与えられた脳における炎症部位でのそれらの生合成機構の構造解明が、本明細書全体に渡って提示される。新規の生化学経路、ならびに抗炎症性および/もしくは消炎誘発性(pro−resolving)に内在性媒介物として働く新規の化合物についての、この構造解明は、消炎を促進する抗炎症性を活性化する新規のアプローチの基礎を形成する。
構造解明から、これらの新規化合物は、新規の生化学経路を介して、マウスモデルでカバーされていない抗炎症性特性を有する内在性ω−3脂肪酸由来の媒介物へと物質を転換する「活性成分」である。これらの結果は、これらの化合物が、ヒトにおいてインビボで生成される場合、少なくとも一部において、魚食およびアスピリン治療の有益な作用の原因であるということを示した。
【0033】
これらの経路の構造解明、生物学的特性、および新規の化合物の構造解明は、新規の治療アプローチ(すなわち、消炎を促進し、抗炎症状態を引き起こす新しい治療的アプローチとして、高い生物学的安定性および化学的安定性を有するこれらの化合物および/もしくは関連構造物/アナログの投与)のための基礎を構築する。
【0034】
これらの道筋に沿って、これらの天然レソルビン化合物に基づく新規の化学分類のアナログの新しい構造、経路、および例が、本明細書全体に渡って、図解(illustration)および図(figure)に提示される。最も重要なことには、これらのレソルビンの新規経路および物理特性の記載によって、1つの請求項は、ヒトの液体(血液、尿、母乳)、生検材料などにおいて、抗炎症に関する治療的基礎を開発するための指標として有効なn−3状態レベルを測定するための処置マーカーとして、これらの化合物をアッセイすることに方向付けられ得る。これらの指標は、LC−MS−MS特性およびGC−MS特性を含み、そしてまた、扱いがより容易な、これらの新規生成物をモニタリングするELISAアッセイの開発につながり得る。
【0035】
アスピリンは、それが内在性抗炎症性および消炎誘発性媒介物のR−含有前駆体の生合成を可能にするシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)をアセチル化するということから、現行の治療剤の間において独特である(1,2)。本発明は、アスピリン(ASA)およびドコサヘキサエン酸(DHA;C22:6)で処置されたマウス由来の消炎相で得られた、TNFα誘導性溢出物のリピドミック(lipidomic)分析が、COX−2に惹起される経路を介して、生物活性17R−ヒドロキシ含有ジヒドロキシドコサノイドおよびトリヒドロキシドコサノイドの新規のファミリーを生成することを示す。アスピリンで処理されたマウスの脳は、サイトカインが活性化するヒト小神経膠細胞が行ったように、内在性供給源から17R−ヒドロキシドコサヘキサエン酸(17R−HDHA)を生成した。ヒト組み換えCOX−2は、DHAを13−ヒドロキシーDHA(ASA処理によって17R−HDHAに転換される)へ転換した。これは、COX−2を発現する低酸素ヒト血管内皮細胞における主要経路であることが証明された。食作用に携わるヒト好中球は、COX−2−ASA由来17R−ヒドロキシ−DHAを、ジヒドロキシ生成物およびトリヒドロキシ生成物を有する2つの新規の17R−ヒドロキシに変化させた;1つは、炭素7における酸化を介して惹起され、他は、エポキシド中間体を生成する炭素4において惹起される。ドコサノイド(すなわち、17R−HDHA)を生成するCOX−2−ASAは、小神経膠細胞によって、サイトカイン発現(IC50、約50pM)を阻害する。マウスの皮膚炎症および腹膜炎の両方において、ng投与量での17Rシリーズ化合物(例えば、4S,11,17R−トリHDHA、75,8,17R−トリHDHA、および7S,17R−ジHDHA)は、白血球の溢出を40%〜80%減少させる。
【0036】
これらの結果は、アスピリン処理を施したCOX−2産生マウス細胞およびCOX−2産生ヒト細胞(すなわち、血管、白血球、および溢出物)は、DHAを、急性炎症消炎における強力な調節因子である、ドコサノイドの新規の17R−ヒドロキシ含有シリーズに転換することを示した。これらの余剰の生合成経路は、消炎の多細胞性現象の間、ω−3脂肪酸を利用して、消炎誘発性状態を増強する内在性の保護化合物(レソルビンと称される)を生成する。さらに、これらの結果は、慢性炎症性疾患、新生物形成、心血管系疾患におけるω−3DHAおよびアスピリン、ならびにω−3脂肪酸の食餌性補充の利用についての分子的根拠を提供し得る。
【0037】
本発明は、インビボでのマウスのアスピリン処置、およびインビトロでのCOX−2を有するヒト組織のアスピリン処理は、炎症誘発性反応(すなわち、サイトカイン生成、腹膜炎)を対抗調節する、これまで記載されていない生合成回路を介する新規の17Rヒドロキシシリーズドコサノイドの生成を惹起する。ストレスの間、これらの細胞経路は、ω−3脂肪酸を利用して、抗炎症性シグナル中で働く内在性化合物を生合成する。したがって、この化合物の新しいファミリーは、これらが、i)消炎相の間に生成され、そしてii)炎症を緩和して消炎誘発性状態を増強することにおいて保護的な役割を果たす化学的に余剰なシグナルであることから、レソルビンと呼ばれる。
【0038】
本発明は、多価不飽和脂肪酸(PUFA)とアスピリンとの組み合わせ(すなわち、C20:3もしくはC22:6を含む多価不飽和脂肪酸)の投与によって、被験体において炎症を処置もしくは防止するための方法につながる。1つの実施形態において、ω脂肪酸(例えば、C20:3もしくはC22:6)、および鎮痛薬(例えば、アスピリン)は2つの異なる時間に投与される。
【0039】
語句「レソルビン媒介性相互作用」は、サイトカイン、白血球、もしくはPMN調節に関連する1つ以上のタイプの炎症によって引き起こされるかまたは関連する疾患状態(state)か、あるいは状態(condition)、ならびに炎症性疾患、血管障害、およびニューロンの炎症の薬理学的阻害に関して、本明細書全体に渡って記載される1つ以上の治療用のアナログによる調節を含むことを意図される。1つの実施形態において、この疾患状態(state)としては、例えば、被験体内のサイトカイン、白血球、もしくはPMN調節と関連するか、または干渉することによって被験体を苦しめる疾患が挙げられる。このような疾患状態(state)もしくは状態(condition)は、本明細書全体に渡って記載され(下記参照)、そしてその全体が本明細書中において援用される。レソルビン媒介性相互作用に関する状態としての特徴付けが当業者によって容易に決定可能であることから、サイトカイン、白血球、もしくはPMN調節に関する現在未知の状態(condition)は、将来発見され得、そして本発明に含まれる。
【0040】
レソルビンは、エフェクター細胞媒介性障害および急性炎症の過剰増幅から宿主組織を保護して、炎症反応を緩和する(すなわち、対抗調節性の)、宿主の防御機構における天然の対抗調節性脂質媒介物である。いくつかの既知の慢性炎症性疾患は、レソルビンの内在性(edogenous)応答物および/もしくはレソルビンレベルの欠損を表現し得、かつ/または遺伝的に低くプログラムし得る。本明細書全体に渡って記載されるこのレソルビンアナログは、これらの物質の欠損を治療学的に置換、増強および/もしくは処置し、それによって、白血球の補充および増幅を阻害すること(すなわち、炎症の増幅の阻害)によって、薬理学的に炎症を消炎するのに使用され得る。
【0041】
本発明はまた、ω脂肪酸と鎮痛薬(例えば、アスピリン)との組み合わせの被験体への投与によって、被験体において、動脈の炎症、関節炎、乾癬、じんま疹、脈管炎、喘息、眼の炎症、肺の炎症、肺線維症、脂漏性皮膚炎、膿疱性皮膚症、もしくは心血管性疾患を処置するための方法につながる。炎症(したがって、消炎)、好中球、白血球および/もしくはサイトカインの補充に関連する疾患状態(state)か、あるいは状態(condition)は、一般的な炎症の範囲内に含まれ、そしてこれは、例えば、嗜癖、AIDS、アルコール関連障害、アレルギー、アルツハイマー病、麻酔、抗感染剤、抗炎症剤、関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、骨疾患、乳癌、癌、心血管性疾患、子供の健康、結腸癌、先天性疾患、決定分析、変性性神経疾患、痴呆、皮膚科学、真性糖尿病、診断学、薬物送達、創薬/薬物スクリーニング、内分泌疾患、ENT、疫学、眼疾患、胎生および母性医学、胃腸障害、遺伝子治療、遺伝子診断、遺伝学、尿生殖器障害、老年医学、成長および発達、聴覚、血液学的障害、肝胆道障害、高血圧、画像化、免疫学、感染症、白血病/リンパ腫、肺癌、代謝障害、新生児学、神経学的障害、神経筋(Neromuscular)障害、核医学、肥満/摂食障害、整形外科、その他、寄生虫症、周産期障害、妊娠、予防医学、前立腺癌、精神疾患、肺障害、放射線学、腎臓障害、生殖、リウマチ病、脳卒中、外科学、移植、ワクチン、脈管医学、創傷治癒、経口感染、歯周病、脳傷害、外傷およびニューロンの炎症、ならびに女性の健康、を含む。
【0042】
本明細書全体に渡って使用される用語および略語としては、以下が挙げられる:
ASA、アスピリン
COX、シクロオキシゲナーゼ
EPA、エイコサペンタエン酸
DHA、ドコサヘキサエン酸
GC−MS、ガスクロマトグラフィー−質量分析法
4S−HDHA、4S−ヒドロキシ−5E,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z−ドコサヘキサエン酸
17S−HDHA、17S−ヒドロキシ−4Z,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸
17R/S−HDHA、17R/S−ヒドロキシ−4Z,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸
17R−HDHA、17−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸
7S,17R−ジヒドロキシ−DHA、7S,17R−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸
4S,17R−ジヒドロキシ−DHA、4S−17R−ジヒドロキシ−ドコサ−5E,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸
7S,17R,22−トリヒドロキシ−DHA、7S,17R,22−トリヒドロキシ−ドコサ−4Z,8Z,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸
4S,11,17R−トリヒドロキシ−DHA、4S,11,17S−トリヒドロキシ−ドコサ−5E,7E,9Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸
LC−UV−MS−MS、液体クロマトグラフィー−UVダイオードアレイ検出器−タンデム質量分析法
LO、リポキシゲナーゼ
LT、ロイコトリエン
LX、リポキシン
PDA、光ダイオードアレイ検出器
PUFA、多価不飽和脂肪酸
「アルキル」とは、単独で、または他の置換基の一部として、親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導された規定数の炭素原子(すなわち、C1〜C6とは、1個〜6個の炭素原子を意味する)を有する飽和または不飽和で直鎖または環状の一価炭化水素ラジカルを意味する。典型的なアルキル基には、メチル;エチル(例えば、エタニル、エテニル、エチニル);プロピル(例えば、プロパン−1−イル、プロパン−2−イル、シクロプロパン−1−イル、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル、シクロプロパ−1−エン−1−イル;シクロプロパ−2−エン−1−イル、プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イル等);ブチル(例えば、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−3−イン−1−イル等)などが挙げられるが、これらに限定されない。特定レベルの飽和を含むことを意図している場合、以下で定義する「アルカニル」、「アルケニル」および/または「アルキニル」との術語が使用される。好ましい実施態様では、これらのアルキル基は、(C1〜C6)アルキルである。
【0043】
「アルカニル」とは、単独で、または他の置換基の一部として、親アルカンの単一炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導された飽和または不飽和で直鎖または環状のアルキルを意味する。典型的なアルカニルには、メタニル;エタニル;プロパニル(例えば、プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イル等);ブタニル(例えば、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(第二級ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イル等)などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、これらのアルカニル基は、(C1〜C6)アルカニルである。
【0044】
「アルケニル」とは、単独で、または他の置換基の一部として、親アルケンの単一炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導された少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する飽和または不飽和で直鎖または環状のアルキルを意味する。この基は、この二重結合の周りで、シスまたはトランスのいずれかの立体配座であり得る。典型的なアルケニル基には、エテニル;プロペニル(例えば、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル、プロパ−2−エン−2−イル、シクロプロパ−1−エン−1−イル);シクロプロパ−2−エン−1−イル;ブテニル(例えば、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル等)などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、これらのアルケニル基は、(C2〜C6)アルケニルである。
【0045】
「アルキニル」とは、単独で、または他の置換基の一部として、親アルキンの単一炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導された少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する飽和または不飽和で直鎖または環状のアルキルを意味する。典型的なアルキニル基には、エチニル;プロピニル(例えば、プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イル等);ブチニル(例えば、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−3−イン−1−イル等)などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、これらのアルキニル基は、(C2〜C6)アルキニルである。
【0046】
「アルキルジル」とは、単独で、または他の置換基の一部として、親アルカン、アルケンまたはアルキンの2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子を除去するか親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一の炭素原子から2個の炭素原子を除去することにより誘導された規定数の炭素原子(すなわち、C1〜C6とは、1個〜6個の炭素原子を意味する)を有する飽和または不飽和で直鎖または環状の一価炭化水素基を意味する。その2個の一価ラジカル中心または二価ラジカル中心の各原子価は、同一または異なる原子と結合を形成できる。典型的なアルキルジル基には、メタンジイル;エチルジイル(例えば、エタン−1,1−ジイル、エタン−1,2−ジイル、エテン−1,1−ジイル、エテン−1,2−ジイル);プロピルジイル(例えば、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−2、2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロプロパン−1,2−ジイル、プロパ−1−エン−1,1−ジイル、プロパ−1−エン−1,2−ジイル、プロパ−2−エン−1,2−ジイル、プロパ−1−エン−1,3−ジイル、シクロプロパ−1−エン−1,2−ジイル、シクロプロパ−2−エン−1,2−ジイル、シクロプロパ−2−エン−1,1−ジイル、プロパ−1−イン−1,3−ジイル等);ブチルジイル(例えば、ブタン−1,1−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,2−ジイル、2−メチル−プロパン−1,1−ジイル、2−メチル−プロパン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイル;シクロブタン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,3−ジイル、ブタ−1−エン−1,1−ジイル、ブタ−1−エン−1,2−ジイル、ブタ−1−エン−1,3−ジイル、ブタ−1−エン−1、4−ジイル、2−メチル−プロパ−1−エン−1,1−ジイル、2−メタニリデン−プロパン−1,1−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,1−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,2−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,3−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1、4−ジイル、シクロブタ−1−エン−1,2−ジイル、シクロブタ−1−エン−1,3−ジイル、シクロブタ−2−エン−1,2−ジイル、シクロブタ−1,3−ジエン−1,2−ジイル、シクロブタ−1,3−ジエン−1,3−ジイル、ブタ−1−イン−1,3−ジイル、ブタ−1−イン−1、4−ジイル、ブタ−1,3−ジイン−1、4−ジイル等)などが挙げられるが、これらに限定されない。特定レベルの飽和を含むことを意図している場合、「アルカニルジル」、「アルケニルジル」および/または「アルキニルジル」との術語が使用される。2個の原子価が同じ炭素原子上にあることを特に意図している場合、「アルキリデン」との術語が使用される。好ましい実施態様では、このアルキルジル基は、(C1〜C6)アルキルジルである。また、そのラジカル中心が末端炭素にある飽和非環式アルカニルジル基(例えば、メタンジイル(メタノ);エタン−1,2−ジイル(エタノ);プロパン−1,3−ジイル(プロパノ);ブタン−1、4−ジイル(ブタン)など(これらはまた、以下で定義するアルキレノとも呼ばれている))も、好ましい。
【0047】
「アルキレノ」とは、単独で、または他の置換基の一部として、直鎖の親アルカン、アルケンまたはアルキンの2個の末端炭素原子の各々から1個の水素原子を除去することにより誘導された2個の末端一価ラジカル中心を有する直鎖の飽和または不飽和アルキルジル基を意味する。特定のアルキレノ中の二重結合または三重結合の位置は、もし存在するなら、鍵括弧で示されている。典型的なアルキレノ基には、メタノ;エタノ、エテノ、エチノ;プロピレノ(例えば、プロパノ、プロパ[1]エノ、プロパ[1,2]ジエノ、プロパ[1]イノ等);ブチレノ(例えば、ブタノ、ブタ[1]エノ、ブタ[2]エノ、ブタ[1,3]ジエノ、ブタ[1]イノ、ブタ[2]イノ、ブタ[1,3]ジイノ等)などが挙げられるが、これらに限定されない。特定レベルの飽和を含むことを意図している場合、「アルカノ」、「アルケノ」および/または「アルキノ」との術語が使用される。好ましい実施態様では、このアルキレノ基は、(C1〜C6)または(C1〜C3)アルキレノである。直鎖の飽和アルカノ基(例えば、メタノ、エタノ、プロパノ、ブタノなど)もまた、好ましい。
【0048】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルカニル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」、「ヘテロアルキルジル」および「ヘテロアルキレノ」とは、単独で、または他の置換基の一部として、それぞれ、その炭素原子の1個またはそれ以上をそれぞれ別個に同一または異なるヘテロ原子またはヘテロ芳香族基で置き換えたアルキル基、アルカニル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルジル基およびアルキレノ基を意味する。これらの炭素原子を置き換えることができる典型的なヘテロ原子および/またはヘテロ芳香族基には、−O−、−S−、−S−O−、−NR’−、−PH−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−、−S(O)NR’など(それらの組合せを含め、ここで、各R’は、別個に、水素または(C1〜C6)アルキルである)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」とは、単独で、または他の置換基の一部として、それぞれ、「アルキル」基および「ヘテロアルキル」基の環状型を意味する。ヘテロアルキル基については、ヘテロ原子は、その分子の残部に結合した位置を占めることができる。典型的なシクロアルキル基には、シクロプロピル;シクロブチル(例えば、シクロブタニルおよびシクロブテニル);シクロペンチル(例えば、シクロペンタニルおよびシクロペンテニル);シクロヘキシル(例えば、シクロヘキサニルおよびシクロヘキセニル)などが挙げられるが、これらに限定されない。典型的なヘテロシクロアルキル基には、テトラヒドロフラニル(例えば、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル等)、ピペリジニル(例えば、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル等)、モルホリニル(例えば、モルホリン−3−イル、モルホリン−4−イル等)、ピペラジニル(例えば、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル等)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
「非環式ヘテロ芳香族架橋」とは、その骨格原子がヘテロ原子および/またはヘテロ芳香族基だけである二価架橋を意味する。典型的な非環式ヘテロ芳香族架橋には、−O−、−S−、−S−O−、−NR’−、−PH−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−、−S(O)NR’−など(それらの組合せを含め、ここで、各R’は、別個に、水素または(C1〜C6)アルキルである)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
「親芳香環系」とは、共役π電子系を有する不飽和で環式または非環式の環系を意味する。具体的には、「親芳香環系」の定義には、環の1個またはそれ以上が芳香族でありかつ環の1個またはそれ以上が飽和または不飽和である縮合環系(例えば、フルオレン、インダン、インデン、フェナレン、テトラヒドロナフタレン等)が含まれる。典型的な親芳香環系には、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、テトラヒドロナフタレン、トリフェニレン、トリナフタレンなどだけでなく、それらの種々のヒドロ異性体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
「アリール」とは、単独で、または他の置換基の一部として、親芳香環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導された規定数の炭素原子(すなわち、C5〜C15とは、5個〜15個の炭素原子を意味する)を有する一価芳香族炭化水素基を意味する。典型的なアリール基には、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどだけでなく、それらの種々のヒドロ異性体から誘導された基が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、このアリール基は、(C5〜C15)アリールであり、(C5〜C10)がさらに好ましい。特に好ましいアリールには、シクロペンタジエニル、フェニルおよびナフチルがある。
【0053】
「アリールアリール」とは、単独で、または他の置換基の一部として、環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導された一価炭化水素基を意味し、ここで、2個またはそれ以上の同一または異なる親芳香環系は、単一結合で共に直接結合され、この場合、このような直接環結合の数は、関与している親芳香環系の数より1個少ない。典型的なアリールアリール基には、ビフェニル、トリフェニル、フェニル−ナフチル、ビナフチル、ビフェニル−ナフチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アリールアリール基内の炭素原子数が特定されている場合、その数は、各親芳香環を含む炭素原子を意味する。例えば、(C5〜C15)アリールアリールとは、各芳香環が5個〜15個の炭素を含むアリールアリール基(例えば、ビフェニル、トリフェニル、ビナフチル、フェニルナフチル等)を意味する。好ましくは、アリールアリール基の各親芳香環系は、別個に、(C5〜C15)芳香族、さらに好ましくは、(C5〜C10)芳香族である。また、その親芳香環系の全てが同じであるアリールアリール基(例えば、ビフェニル、トリフェニル、ビナフチル、トリナフチル等)も、好ましい。
【0054】
「ビアリール」とは、単独で、または他の置換基の一部として、2個の同じ親芳香族系を単結合で直接結合したアリールアリール基を意味する。典型的なビアリール基には、ビフェニル、ビナフチル、ビナフチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、これらの芳香環系は、(C5〜C15)芳香環、さらに好ましくは、(C5〜C10)芳香環である。特に好ましいビアリール基は、ビフェニルである。
【0055】
「アリールアルキル」とは、単独で、または他の置換基の一部として、炭素原子(典型的には、末端またはsp炭素原子)に結合した水素原子の1個をアリール基で置き換えた非環式アルキル基を意味する。典型的なアリールアルキル基には、ベンジル、2−フェニルエン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定のアルキル部分が意図されている場合、アリールアルカリル、アリールアルケニルおよび/またはアリールアルキニルとの術語が使用される。好ましい実施態様では、このアリールアルキル基は、(C6〜C21)アリールアルキルである(例えば、このアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C1〜C6)であり、そのアリール部分は、(C5〜C15)である)。特に好ましい実施態様では、このアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C6〜C13)である(例えば、このアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C1〜C3)であり、そのアリール部分は、(C5〜C10)である)。
【0056】
「親ヘテロ芳香環系」とは、1個またはそれ以上の炭素原子をそれぞれ別個に同一または異なるヘテロ原子またはヘテロ芳香族基で置き換えた親芳香環系を意味する。これらの炭素原子を置き換える典型的なヘテロ原子またはヘテロ芳香族基には、N、NH、P、O、S、S(O)、S(O)、Siなどが挙げられるが、これらに限定されない。「親芳香環系」の定義には、特に、環の1個またはそれ以上が芳香族でありかつ環の1個またはそれ以上が飽和または不飽和である縮合環系(例えば、ベンゾジオキサン、ベンゾフラン、クロマン、クロメン、インドール、インドリン、キサンテンなどが挙げられる。また、「親ヘテロ芳香環系」の定義には、それらの一般に認められた環が含まれ、これには、通例の置換基(例えば、ベンゾピロンおよび1−メチル−1,2,3,4−テトラゾールが挙げられる。典型的なヘテロ芳香環系には、アクリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾピロン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾキサキン、ベンゾキサゾール、ベンゾキサゾリン、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
「ヘテロアリール」とは、単独で、または他の置換基の一部として、親ヘテロ芳香環系の単一の原子から1個の水素原子を除去することにより誘導された規定数の環原子(すなわち、「5〜14員」とは、5個〜14個の環原子を意味する)を有する一価ヘテロ芳香族基を意味する。典型的なヘテロアリール基には、アクリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾピロン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾキサキン、ベンゾキサゾール、ベンゾキサゾリン、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどだけでなく、それらの種々のヒドロ異性体から誘導された基が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、このヘテロアリール基は、5〜14員ヘテロアリールであり、5〜10員ヘテロアリール環が特に好ましい。
【0058】
「ヘテロアリールヘテロアリール」とは、単独で、または他の置換基の一部として、環系の単一の原子から1個の水素原子を除去することにより誘導された一価ヘテロ芳香族基を意味し、ここで、2個またはそれ以上の同一または異なる親ヘテロ芳香環系は、単一結合で共に直接結合され、この場合、このような直接環結合の数は、関与している親ヘテロ芳香環系の数より1個少ない。典型的なヘテロアリール−ヘテロアリール基には、ビピリジル、トリピリジル、ピリジルプリニル、ビプリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。原子数が特定されている場合、その数は、各親ヘテロ芳香環系を含む原子数を意味する。例えば、5〜15員ヘテロアリールヘテロアリールとは、各親ヘテロ芳香環系が5個〜15個の原子を含むヘテロアリール−ヘテロアリール基(例えば、ビピリジル、トリピリジルなど)である。好ましくは、各親芳香環系は、別個に、5〜15員ヘテロ芳香族、さらに好ましくは、5〜10員ヘテロ芳香族である。また、その親へテロ芳香環系の全てが同じであるヘテロアリールヘテロアリール基も、好ましい。
【0059】
「ビへテロアリール」とは、単独で、または他の置換基の一部として、2個の同じ親ヘテロ芳香族系を単結合で直接結合したヘテロアリール−ヘテロアリール基を意味する。典型的なビへテロアリール基には、ビピリジル、ビプリニル、ビキノリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、これらのヘテロ芳香環系は、5〜15員ヘテロ芳香環、さらに好ましくは、5〜10員ヘテロ芳香環である。
【0060】
「ヘテロアリールアルキル」とは、単独で、または他の置換基の一部として、炭素原子(典型的には、末端またはsp炭素原子)に結合した水素原子の1個をヘテロアリール基で置き換えた非環式アルキル基を意味する。特定アルキル部分が意図されている場合、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニルおよび/またはヘテロアリールアルキニルとの術語が使用される。好ましい実施態様では、このヘテロアリールアルキル基は、6〜21員ヘテロアリールアルキルである(例えば、このヘテロアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C1〜C6)であり、そのヘテロアリール部分は、5〜15員ヘテロアリールである)。特に好ましい実施態様では、このヘテロアリールアルキルは、6〜13員ヘテロアリールアルキルである(例えば、このヘテロアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C1〜C)3であり、そのヘテロアリール部分は、5〜10員ヘテロアリールである)。
【0061】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、単独で、または他の置換基の一部として、特に明記しない限り、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0062】
「ハロアルキル」とは、単独で、または他の置換基の一部として、その水素原子の1個またはそれ以上をハロゲンで置き換えたアルキル基を意味する。それゆえ、「ハロアルキル」との用語は、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキルなどからパーハロアルキルまでを含むことを意味する。例えば、「(C1〜C2)ハロアルキル」との表現は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、パーフルオロエチルなどを含む。
【0063】
上で定義した基は、よく認識された別の置換基を作り出すために通例使用されている接頭辞および/または接尾辞を含み得る。例として、「アルキルオキシ」または「アルコキシ」とは、式−OR”の基を意味し、「アルキルアミン」とは、式−NHR”の基を意味し、そして「ジアルキルアミン」とは、式−NR”R”の基を意味し、ここで、各R”は、別個に、アルキルである。他の例として、「ハロアルコキシ」または「ハロアルキルオキシ」とは、式−OR”’の基を意味し、ここで、R”’は、ハロアルキルである。
【0064】
「保護基」とは、分子内の反応性官能基に結合したとき、その官能基の反応性を遮蔽、低下または阻止する原子の基を意味する。典型的には、保護基は、合成の仮定において望ましいときに、選択的に除去され得る。保護基の例は、Greene and Wuts,Protective Groupsin Organic Chemistry,3
Ed.,1999,John Wiley & Sons,NY and Harrisonら,,Compendium of Synthetic Organic Methods,Vols.1−8,1971−1996,John Wiley & Sons,NYで見られる。代表的な窒素保護基の例には、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、第三級ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(「TES」)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)などが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なヒドロキシル保護基には、そのヒドロキシル基がアシル化(エステル化)またはアルキル化されたもの(例えば、ベンジルおよびトリチルエーテルだけでなく、アルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル(例えば、TMSまたはTIPPS基)、グリコールエーテル(例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコール誘導体)およびアリルエーテル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0066】
【化17】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)H、−C(NH)NR、−C(S)H、−C(S)OR、−C(S)NR、−CNである;
各Rは、別個に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、シクロヘキシル、(C4〜C11)シクロアルキルアルキル、(C5〜C10)アリール、フェニル、(C6〜C16)アリールアルキル、ベンジル、2〜6員ヘテロアルキル、3〜8員シクロヘテロアルキル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニル、4〜11員シクロヘテロアルキルアルキル、5〜10員ヘテロアリールおよび6〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
各Rは、=O、−OR、(C1〜C3)ハロアルキルオキシ、−OCF、=S、−SR、=NR、=NOR、−NR、ハロゲン、−CF、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)R、−S(O)、−S(O)OR、−S(O)NR、−S(O)NR、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)OR、−OS(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(NH)NR、−C(NRa)NR、−C(NOH)R、−C(NOH)NR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NR、−OC(NH)NR、−OC(NR)NR、−[NHC(O)]、−[NRC(O)]、−[NHC(O)]OR、−[NRC(O)]OR、−[NHC(O)]NR、−[NRC(O)]NR、−[NHC(NH)]NRおよび−[NRC(NR)]NRからなる群から別個に選択される適当な基である;
各Rは、別個に、保護基またはRであるか、あるいは、各Rは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜8員シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールを形成し、該シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なる追加ヘテロ原子を含有し得、そして必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるR基または適当なR基で置換され得る;
各nは、別個に、0〜3の整数である;
各Rは、別個に、保護基またはRである;
特に、Zは、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルである。
【0067】
ある実施態様では、PおよびPは、水素原子であり、RおよびRは、それぞれ個別に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0068】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0069】
【化18】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0070】
ある実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、RおよびRは、それぞれ個別に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0071】
ある局面では、OPとの名称は、その末端炭素が1個またはそれ以上のハロゲン(I、Cl、F、Br、一置換、二置換または三置換)で置換されて、例えば、トリフルオロメチル基を形成するか、またはアリール基またはフェノキシ基(これは、本明細書中で記述しているように、置換または非置換であり得る)であることを示すのに役立つ。
【0072】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0073】
【化19】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Rは、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子または水素原子である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0074】
1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、Rは、メチル基または水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0075】
本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0076】
【化20】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Rは、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子または水素原子である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0077】
特定の実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、Rは、メチル基または水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0078】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0079】
【化21】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、R、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0080】
特定の実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、R、RおよびRは、それぞれ個別に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0081】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0082】
【化22】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0083】
ある実施態様では、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、RおよびRは、それぞれ個別に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0084】
本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0085】
【化23】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0086】
ある実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0087】
ある局面では、OPとの名称は、その末端炭素が1個またはそれ以上のハロゲン(I、Cl、F、Br、一置換、二置換または三置換)で置換されて、例えば、トリフルオロメチル基を形成するか、またはアリール基またはフェノキシ基(これは、本明細書中で記述しているように、置換または非置換であり得る)であることを示すのに役立つ。
【0088】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0089】
【化24】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、R、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0090】
1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、R、RおよびRは、それぞれ個別に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0091】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0092】
【化25】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0093】
特定の1実施態様では、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、RおよびRは、それぞれ個別に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0094】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0095】
【化26】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Rは、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子または水素原子である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0096】
1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、Rは、メチル基または水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0097】
本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0098】
【化27】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Rは、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子または水素原子である;
ここで、Qは、1個またはそれ以上の置換基を表わし、そして各Qは、別個に、水素原子、ハロゲン原子、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシまたはアミノカルボニル基である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0099】
特定の1局面では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、Rは、メチル基または水素原子であり、各Qは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0100】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0101】
【化28】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Rは、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子または水素原子である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0102】
1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、Rは、メチル基または水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0103】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0104】
【化29】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Rは、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子または水素原子である;
ここで、Qは、1個またはそれ以上の置換基を表わし、そして各Qは、別個に、水素原子、ハロゲン原子、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシまたはアミノカルボニル基である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0105】
特定の1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、Rは、メチル基または水素原子であり、各Qは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0106】
さらに他の局面では、本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0107】
【化30】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Qは、1個またはそれ以上の置換基を表わし、そして各Qは、別個に、水素原子、ハロゲン原子、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシまたはアミノカルボニル基である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0108】
特定の1実施態様では、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、RおよびRは、それぞれ個々に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、各Qは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0109】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0110】
【化31】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、R、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0111】
1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、R、RおよびRは、それぞれ個別に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0112】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0113】
【化32】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Uは、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0114】
1局面では、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、RおよびRは、それぞれ個々に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、Uは、トリフルオロメチル基であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0115】
さらに他の局面では、本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0116】
【化33】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、RおよびRは、それぞれ個々に、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換の分枝または非分枝アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Uは、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0117】
例えば、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、RおよびRは、それぞれ個々に、メチル基または水素原子またはそれらの組合せであり、Uは、トリフルオロメチル基であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0118】
本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0119】
【化34】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0120】
ある実施態様では、PおよびPは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0121】
これらの類似物は、7,17−ジHDHAと命名されている。ある局面では、その7位置のキラル炭素原子(C−7)は、R立体配座を有する。他の局面では、このC−7炭素原子は、好ましくは、S立体配座を有する。さらに他の局面では、このC−7炭素原子は、R/Sラセミ化合物である。さらに、その17位置のキラル炭素原子(C−17)は、R立体配座を有し得る。あるいは、このC−17炭素原子は、S立体配座を有し得る。さらに他の局面では、このC−17炭素原子は、好ましくは、R/Sラセミ化合物として存在できる。代表的な類似物には、例えば、7S,17R/S−ジHDHA、7S,17R/S−ジヒドロキシ−デコサ−4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸が挙げられる。
【0122】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0123】
【化35】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0124】
ある実施態様では、P、PおよびPは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0125】
ある局面では、OPとの名称は、その末端炭素が1個またはそれ以上のハロゲン(I、Cl、F、Br、一置換、二置換または三置換)で置換されて、例えば、トリフルオロメチル基を形成するか、またはアリール基またはフェノキシ基(これは、本明細書中で記述しているように、置換または非置換であり得る)であることを示すのに役立つ。
【0126】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0127】
【化36】

ここで、Pは、保護基または水素原子である;
ここで、Xは、置換または非置換メチレン、酸素原子、置換または非置換窒素原子、またはイオウ原子である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0128】
1実施態様では、Pは、水素原子であり、Xは、酸素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0129】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0130】
【化37】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個別に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0131】
1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0132】
これらの類似物は、7,8,17−トリヒドロキシ−DHAと命名されている。ある実施態様では、その7位置のキラル炭素原子(C−7)は、R立体配座を有する。他の実施態様では、このC−7炭素原子は、好ましくは、S立体配座を有する。さらに他の実施態様では、このC−7炭素原子は、R/Sラセミ化合物である。ある局面では、その8位置のキラル炭素原子(C−8)は、R立体配座を有する。他の局面では、このC−8炭素原子は、好ましくは、S立体配座を有する。さらに他の局面では、このC−8炭素原子は、R/Sラセミ化合物である。さらに、その17位置のキラル炭素原子(C−17)は、R立体配座を有し得る。あるいは、このC−17炭素原子は、S立体配座を有し得る。さらに他の局面では、このC−17炭素原子は、好ましくは、R/Sラセミ化合物として存在できる。
【0133】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0134】
【化38】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個別に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0135】
特定の実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0136】
これらの類似物は、7,16,17−トリヒドロキシ−DHAと命名されている。ある実施態様では、その7位置のキラル炭素原子(C−7)は、R立体配座を有する。他の実施態様では、このC−7炭素原子は、好ましくは、S立体配座を有する。さらに他の実施態様では、このC−7炭素原子は、R/Sラセミ化合物である。ある局面では、その16位置のキラル炭素原子(C−16)は、R立体配座を有する。他の局面では、このC−16炭素原子は、好ましくは、S立体配座を有する。さらに他の局面では、このC−16炭素原子は、R/Sラセミ化合物である。さらに、その17位置のキラル炭素原子(C−17)は、R立体配座を有し得る。あるいは、このC−17炭素原子は、S立体配座を有し得る。さらに他の局面では、このC−17炭素原子は、好ましくは、R/Sラセミ化合物として存在できる。
【0137】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0138】
【化39】

ここで、Pは、保護基または水素原子である;
ここで、Xは、置換または非置換メチレン、酸素原子、置換または非置換窒素原子、またはイオウ原子である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0139】
1実施態様では、Pは、水素原子であり、Xは、酸素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0140】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0141】
【化40】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個別に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0142】
特定の実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0143】
これらの類似物は、4,11,17−トリヒドロキシ−DHAと命名されている。ある実施態様では、その4位置のキラル炭素原子(C−4)は、R立体配座を有する。他の実施態様では、このC−4炭素原子は、好ましくは、S立体配座を有する。さらに他の実施態様では、このC−4炭素原子は、R/Sラセミ化合物である。ある局面では、その11位置のキラル炭素原子(C−11)は、R立体配座を有する。他の局面では、このC−11炭素原子は、好ましくは、S立体配座を有する。さらに他の局面では、このC−11炭素原子は、R/Sラセミ化合物である。さらに、その17位置のキラル炭素原子(C−17)は、R立体配座を有し得る。あるいは、このC−17炭素原子は、S立体配座を有し得る。さらに他の局面では、このC−17炭素原子は、好ましくは、R/Sラセミ化合物として存在できる。
【0144】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0145】
【化41】

ここで、PおよびPは、それぞれ個別に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0146】
ある実施態様では、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0147】
本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0148】
【化42】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個別に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0149】
特定の実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0150】
ある局面では、OPとの名称は、その末端炭素が1個またはそれ以上のハロゲン(I、Cl、F、Br、一置換、二置換または三置換)で置換されて、例えば、トリフルオロメチル基を形成するか、またはアリール基またはフェノキシ基(これは、本明細書中で記述しているように、置換または非置換であり得る)であることを示すのに役立つ。
【0151】
本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0152】
【化43】

ここで、Pは、保護基または水素原子である;
ここで、Xは、置換または非置換メチレン、酸素原子、置換または非置換窒素原子、またはイオウ原子である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0153】
1実施態様では、Pは、水素原子であり、Xは、酸素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0154】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0155】
【化44】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個別に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0156】
1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0157】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0158】
【化45】

ここで、PおよびPは、それぞれ個別に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0159】
特定の1実施態様では、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0160】
特定の1実施態様では、この化合物は、5S,18(+/−)−ジHEPAであり、ここで、そのカルボキシル基は、酸、エステルまたは塩であり得る。5S,18(+/−)−ジHEPAは、5−リポキシゲナーゼで合成されており、その物理的特性は、LC−MS−MSに基づいて、図15で描写されている。さらに、5S,18(+/−)−ジHEPAは、生物学的に活性であり、そして腹膜炎モデルにおけるPMN浸潤の下方制御により示されるように、抗炎症活性を有する。それは、同じ用量で、Resolvin E1と等しい効力を有する(図16を参照)。
【0161】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0162】
【化46】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個別に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0163】
1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0164】
本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0165】
【化47】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Qは、別個に、水素原子、ハロゲン原子、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシまたはアミノカルボニル基である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0166】
特定の1局面では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、各Qは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0167】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0168】
【化48】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0169】
特定の1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、各Qは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0170】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0171】
【化49】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Qは、1個またはそれ以上の置換基を表わし、そして各Qは、別個に、水素原子、ハロゲン原子、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシまたはアミノカルボニル基である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0172】
特定の1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、各Qは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0173】
さらに他の局面では、本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0174】
【化50】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Qは、1個またはそれ以上の置換基を表わし、そして各Qは、別個に、水素原子、ハロゲン原子、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシまたはアミノカルボニル基である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0175】
特定の1実施態様では、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、各Qは、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0176】
さらに他の局面では、本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0177】
【化51】

ここで、Pは、保護基または水素原子である;
ここで、Xは、置換または非置換メチレン、酸素原子、置換または非置換窒素原子、またはイオウ原子である;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0178】
1局面では、Pは、水素原子であり、Xは、酸素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0179】
本発明はまた、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0180】
【化52】

ここで、P、PおよびPは、それぞれ個別に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0181】
1実施態様では、P、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0182】
本発明は、さらに、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0183】
【化53】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Uは、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0184】
1局面では、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、Uは、トリフルオロメチル基であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0185】
さらに他の局面では、本発明は、種々の疾患状態および病気を治療するのに有用な次式を有する化合物および医薬組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0186】
【化54】

ここで、PおよびPは、それぞれ個々に、保護基、水素原子またはそれらの組合せである;
ここで、Uは、分枝または非分枝の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである;
ここで、Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。
【0187】
例えば、PおよびPは、それぞれ、水素原子であり、Uは、トリフルオロメチル基であり、そしてZは、カルボン酸またはカルボン酸エステルである。
【0188】
「Q」には、例えば、水素原子、ハロゲン(フッ素、ヨウ素、塩素、臭素)、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシまたはアミノカルボニルが挙げられる。本明細書中で記述した有機部分は、さらに、分枝または非分枝、置換または非置換であり得る。
【0189】
「U」には、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシが挙げられる。本明細書中で記述した有機部分は、さらに、分枝または非分枝、置換または非置換であり得る。
【0190】
1実施態様では、本発明は、次式を有するモノヒドロキシドコサヘキサエン酸(DHA)に関する:
【0191】
【化55】

これらの類似物は、4−ヒドロキシ−DHAであり、ここで、Pは、保護基または水素原子であり、そしてZは、上で定義したとおりである。特に、Zは、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。1実施態様では、その4位置のキラル炭素原子(C−4)は、S立体配座を有する。他の実施態様では、このC−4炭素原子は、R立体配座を有する。さらに他の実施態様では、このC−4炭素原子は、ラセミ化合物(例えば、R/S立体配座)である。特に、本発明は、4S−HDHA,4S−ヒドロキシ−ドコサ−5E,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸およびそれらの塩およびエステルのモノヒドロキシDHA類似物(本明細書中で記述しているように)を含む。
【0192】
他の実施態様では、このモノヒドロキシDHAは、7S−モノヒドロキシドコサヘキサエン酸である。これらの類似物は、7−ヒドロキシ−DHAであり、ここで、P(その水酸基は、保護されている)は、保護基または水素原子であり、そしてZは、上で定義したとおりである。特に、Zは、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。1実施態様では、その7位置のキラル炭素原子(C−7)は、S立体配座を有する。他の実施態様では、このC−7炭素原子は、R立体配座を有する。さらに他の実施態様では、このC−7炭素原子は、ラセミ化合物(例えば、R/S立体配座)である。
【0193】
本発明は、さらに、次式を有するジヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸類似物(ジHDHA)に関する:
【0194】
【化56】

この類似物は、10,17−ジHDHAと命名されている。PおよびPは、上で定義したとおりであり、そして同一または異なり得る。Zは、上で定義したとおりであり、特に、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。二重結合の破線は、EまたはZのいずれかの異性体がこの類似物の範囲内であることを示す。ある局面では、その10位置のキラル炭素原子(C−10)は、R立体配座を有する。他の局面では、この(C−10)炭素原子は、S立体配座を有する。さらに他の局面では、このC−10炭素原子は、好ましくは、R/Sラセミ化合物である。さらに、その17位置のキラル炭素原子(C−17)は、R立体配座を有し得る。さらに、このC−17炭素は、好ましくは、S立体配座を有し得る。さらに他の局面では、このC−17炭素は、好ましくは、R/Sラセミ化合物として、存在できる。一例では、本発明は、10,17S−ドコサトリエン,10,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13,15E,19Z−ヘキサエン酸類似物(例えば、10R/S−OCH、17S−HDHA、10R/S、メトキシ−17Sヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,1lE,13,15E,19Z−ヘキサエン酸誘導体)を含む。
【0195】
さらに他の実施態様では、本発明は、次式を有するジHDHA類似物に関する:
【0196】
【化57】

この類似物は、4,17−ジHDHAと命名されている。P、PおよびZは、上で定義したとおりである。PおよびPは、同一または異なり得る。特に、Zは、カルボン酸、エステル、アミド、チオカーバメート、カーバメート、チオエステル、チオカルボキサミドまたはニトリルであり得る。ある局面では、その4位置のキラル炭素原子(C−4)は、R立体配座を有する。他の局面では、このC−4炭素原子は、S立体配座を有する。さらに他の局面では、このC−4炭素原子は、R/Sラセミ化合物である。さらに、その17位置のキラル炭素原子(C−17)は、R立体配座を有し得る。さらに、このC−17炭素は、好ましくは、S立体配座を有し得る。さらに他の局面では、このC−17炭素は、好ましくは、R/Sラセミ化合物として、存在できる。
【0197】
例えば、本発明は、4S,17R/5−ジHDHA,4S,17R/S−ジヒドロキシ−ドコサ−5E,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸類似物を含む。
【0198】
「Z」は、当業者により、特定の1部分から他の部分へと変えることができることが理解できるはずである。これを達成するために、ある特定の場合には、1個またはそれ以上の基を保護する必要があり得る。これはまた、当業者の技術の範囲内である。例えば、カルボン酸エステル(Z)は、アミンで処理することにより、アミドに変換できる。このような相互変換は、当該技術分野で公知である。
【0199】
これらのEPAおよびDHA類似物では、「ヒドロキシ」の空間的配置の指示は、代表的なものであること、また、この用語は、遊離の水酸基だけでなく、保護した水酸基を含むことを意味することが理解できるはずである。ある実施態様では、その17位置は、R立体配座を有する。他の実施態様では、このC−17位置は、S立体配座を有する。他の局面では、本発明のある実施態様は、そのC−18位置にて、R立体配座を有する。
【0200】
本発明のある局面では、ASA経路は、R>Sを生じ、従って、4S,5R/S,7S,8R/S,11R,12R/S 16S,17Rである。15−LO経路から産生された種に関して、C−17のキラリティーは、Sであり、C−16は、Rであり、そしてC−10は、好ましくは、Rである。
【0201】
ある実施態様では、本発明は、米国特許出願第09/785,866号(これは、2001年2月16日に出願された)で記述されているように、5,12,18−トリヒドロキシ−EPAを含まず、さらに具体的には、6,8,10,14,16−エイコサペンタエン酸、5,12,18−トリヒドロキシおよびそれらの類似物を含まない。
【0202】
これらのEPAおよびDHA類似物のヒドロキシルは、種々の保護基(例えば、当該技術分野で公知のもの)で保護できる。当業者は、これらの水酸基の保護にはどの保護基が有用であり得るかを容易に決定できる。標準的な方法は、当該技術分野で公知であり、そして文献で十分に記述されている。例えば、適当な保護基は、当業者により選択でき、そしてGreen and Wuts、「Protecting Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons,Chapters 5 and 7,1991(その教示内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述されている。好ましい保護基には、メチルおよびエチルエステル、TMSおよびTIPPS基、酢酸エステルまたはプロピオン酸エステル基およびグリコールエーテル(例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコール誘導体)が挙げられる。
【0203】
例えば、1個またはそれ以上の水酸基は、そのヒドロキシルイオンとハロゲン化物との反応を促進するために、酸塩化物または塩化シリルの存在下にて、弱塩基(例えば、トリエチルアミン)で処理できる。あるいは、ハロゲン化アルキルは、エーテルの形成を促進するために、(塩基(例えば、リチウムジイソプロピルアミド)により生成された)ヒドロキシルイオンと反応できる。
【0204】
これらのEPAおよびDHA類似物については、全ての水酸基を保護する必要はないことも理解できるはずである。1個、2個または全3個の水酸基が保護できる。これは、これらの水酸基を保護するのに使用される試薬の化学量論的な選択により、達成できる。これらのモノ−、ジ−またはトリ−保護ヒドロキシ化合物を分離するには、当該技術分野で公知の方法(例えば、HPLC、LC、フラッシュクロマトグラフィー、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、結晶化、蒸留など)が使用できる。
【0205】
上で確認した化合物の各々では、1個またはそれ以上のキラル中心が存在していることが理解できるはずである。本発明は、各化合物の全ての立体化学形状(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマーおよびラセミ化合物)を包含することが理解できるはずである。非対称酸素が存在している場合、1個より多い立体異性体が可能であり、全ての可能な異性体形状は、示した構造表現に含まれると解釈される。光学活性(R)および(S)異性体は、当業者に公知の通常の技術を使用して、分割され得る。本発明は、これらのラセミ化合物および光学的に分割した異性体だけでなく、可能なジアステレオマーを含むと解釈される。
【0206】
本明細書全体にわたって描写されたレソルビン類似物は、アセチレン性および/またはエチレン性不飽和部位を含む。炭素−炭素二重結合が存在している場合、その立体配置は、シス(E)またはトランス(Z)のいずれかであり得、本明細書全体にわたる描写は、限定することを意味するものではない。これらの描写は、一般に、関連したDHAまたはEPA化合物の立体配置に基づいて提示されており、理論で限定するものではないものの、類似の立体配置を有すると考えられる。
【0207】
本明細書全体にわたって、炭素−炭素結合は、特に、これらの結合がいかにして最終的に互いに位置付けられ得るかを示し易くするために、「歪められている」。例えば、これらのレソルビンのアセチレン部分は、実際には、約180度の相対位置を含むが、しかしながら、その合成および最終生成物と出発物質との関係を理解し易くするために、このような角度は、不明瞭にされていることが理解できるはずである。
【0208】
以下で提示する有機合成の全体にわたって、このレソルビン類似部のアセチレン部分の水素化は、1種またはそれ以上の生成物を生じ得ることが理解できるはずである。本明細書中には、全ての可能な生成物が含まれると解釈される。例えば、ジアセチレン性レソルビン類似物を水素化すると、もし、両方のアセチレン部分の水素化が完結したなら(これは、公知方法により、モニターされる)、8種までの生成物(4種のジエン生成物、すなわち、シス、シス;シス、トランス;トランス、シス;トランス、トランス)と4種のモノアセチレン−モノエチレン生成物(シスまたはトランス「モノエン」−アセチレン;アセチレン−シスまたはトランス「モノエン」)が生成できる。全ての生成物は、HPLC、GC、MS、NMR、IRにより分離でき同定できる。
【0209】
このレソルビン類似物のカルボン酸/エステル官能性を、カルボキサミド、チオエステル、ニトリル、カーバメート、チオカーバメートなどに変換するために、当該技術分野で公知の技術が使用でき、これらは、本明細書中に含まれる。適当な部分(例えば、アミド)は、当該技術分野で公知のように、さらに置換できる。
【0210】
一般に、本発明のレソルビン類似物は、アルコールとして、生体活性である。酵素作用または反応性酸素種は、炎症部位または低下している代謝を攻撃する。このレソルビン分子のヒドロキシとのこのような相互作用は、以下で描写するように、最終的には、生理的活性を低下できる:
【0211】
【化58】

生体活性第二級アルコールと共に「R」基を使用することは、そのアルコールがケトンに酸化されて不活性代謝物を生じるのを阻害または減少させることにより、このレソルビン類似物のバイオアベイラビリティーおよび生体活性を高めるのに役立つ。この「R」保護基には、例えば、直鎖および分枝の置換および非置換アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、フェノキシ基およびハロゲンが挙げられる。
【0212】
一般に、「R保護の化学的作用」を使用することは、このレソルビン類似物内の隣接ジオールでは、必要ではない。典型的には、隣接ジオールは、容易には酸化されず、従って、一般に、この水酸基の酸素原子に隣接した水素原子を置換することにより、このような保護は必要ではない。一般に、このような保護は、必要ではないと考えられているものの、これらの隣接ジオール基の各々が、別個に、その水酸基の酸素原子に隣接した水素原子を上記「R保護基」で置換することにより保護できるこのような化合物を調製することが可能である。
【0213】
「組織」との用語は、無傷細胞、血液、血液製剤(例えば、血漿および血清)、骨、関節、筋肉、平滑筋および臓器を含むと解釈される。
【0214】
「被験体」との用語は、細菌、病原体により引き起こされるかそれらが原因の病気または疾患、本明細書全体にわたって一般に開示されている疾患状態または病気(これらに限定されない)が原因の病気または疾患に罹りやすい生物を含むと解釈される。被験体の例には、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギおよびマウスが挙げられる。被験体との用語は、さらに、遺伝子組換え種を含むと解釈される。
【0215】
本発明の化合物は、医薬品としてヒトおよび動物に投与するとき、それ自体で、または医薬組成物(これは、例えば、薬学的に受容可能な担体と組み合わせて、0.1〜99.5%(さらに好ましくは、0.5〜90%)の活性成分(すなわち、少なくとも1種のEPAまたはDHA)を含有する)として、投与できる。
【0216】
本明細書中で使用する「薬学的に受容可能な担体」との語句は、薬学的に受容可能な物質、組成物または媒体(例えば、液状または固形充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料)であって、本発明の化合物を、その目的機能を果たすことができるように、被験体内またはそこに運搬または輸送することに関与しているものを意味する。典型的には、このような化合物は、ある臓器または身体部分から他の臓器または身体部分へと運搬または輸送される。各担体は、処方の他の成分と相溶性であり患者に有害ではないという意味で、「受容可能」でなければならない。薬学的に受容可能な担体として供することができる物質の一部の例には、以下が挙げられる:糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;滑石;賦形剤(例えば、カカオバターおよび座薬ワックス);オイル(例えば、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油);グリコール(例えば、プロピレングリコール);ポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール);エステル(例えば、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル);寒天;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質−自由水;等張性生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;および医薬処方で使用される他の無毒の相溶性物質。
【0217】
ある実施態様では、本発明の化合物は、1個またはそれ以上の酸性官能基を含有し得、それゆえ、薬学的に受容可能な塩基と薬学的に受容可能な塩を形成できる。本明細書中で使用する「薬学的に受容可能な塩、エステル、アミドおよびプロドラッグ」との用語は、本発明の化合物のカルボン酸塩、アミノ酸付加塩、エステル、アミドおよびプロドラッグであって、適切な医学的判断の範囲内で、過度の刺激、アレルギー応答などなしで、患者の組織と接触して使用するのに適当であり、合理的な利点/危険比と釣り合っており、そして本発明の化合物の目的用途に有効なものを意味する。「塩」との用語は、本発明の化合物の比較的に非毒性の無機酸および有機酸付加塩を意味する。これらの塩は、精製した化合物をその遊離塩基形状で適当な有機酸または無機酸と別々に反応させることにより、そのように形成された塩を単離することにより、これらの化合物の最終的な単離および精製中にて、その場で調製できる。これらには、アルカリ金属およびアルカリ土類金属(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)をベースにしたカチオンだけでなく、非毒性のアンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオンおよびアミンカチオン(これには、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが含まれるが、これらに限定されない)が挙げられ得る。(例えば、Berge S.M.,ら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.,1977;66:1−19を参照;その内容は、本明細書中で参考として援用されている)。
【0218】
「薬学的に受容可能なエステル」との用語は、本発明の化合物の比較的に非毒性のエステル化生成物を意味する。これらのエステルは、これらの化合物の最終的な単離および精製中にて、その場で、または精製した化合物を、その遊離酸形状またはヒドロキシルで、適当なエステル化剤と反応させることにより、調製できる。カルボン酸は、触媒の存在下にて、アルコールで処理することにより、エステルに変換できる。この用語は、さらに、生理学的な条件下にて溶媒和できる低級炭化水素基(例えば、アルキルエステル、メチル、エチルおよびプロピルエステル)を含むと解釈される。
【0219】
湿潤剤、乳化剤および潤滑剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)だけでなく、着色剤、離型剤、被覆剤、甘味料、調味料および香料、防腐剤および酸化防止剤もまた、これらの組成物中に存在できる。
【0220】
薬学的に受容可能な酸化防止剤の例には、以下が挙げられる:水可溶性酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン塩酸、硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど);油溶性酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなど);および金属キレート化剤(例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など)。
【0221】
本発明の処方には、静脈内投与、経口投与、鼻内投与、局所投与、経皮投与、口腔内投与、舌下投与、直腸投与、膣内投与および/または非経口投与に適当なものが挙げられる。これらの処方は、好都合には、単位剤形で提供され得、そして薬学分野で周知の任意の方法により、調製され得る。単位剤形を生成するために担体物質と配合できる活性成分の量は、一般に、治療効果を生じる化合物の量である。一般に、100%のうち、この量は、約1%〜約99%、好ましくは、約5%〜約70%、最も好ましくは、約10%〜約30%の活性成分の範囲である。
【0222】
これらの処方または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、この担体および必要に応じて、1種またはそれ以上の補助成分と会合させる工程を包含する。一般に、これらの処方は、本発明の化合物を液状担体または細かく分割した固形担体またはそれらの両方と均一かつ密接に会合させることにより、次いで、必要なら、その生成物を成形することにより、調製される。
【0223】
経口投与に適当な本発明の処方は、カプセル、カシュ剤、丸薬、錠剤、薬用ドロップ(味付け基剤(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)を使用する)、粉剤、顆粒の形態であるか、または水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液、または水中油形または油中水形乳濁液、またはエリキシル剤またはシロップ、または香錠(不活性基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシア)を使用する)および/またはうがい薬などであり得、各々は、活性成分として、所定量の本発明の化合物を含有する。本発明の化合物はまた、巨丸剤、舐剤またはペーストとして、投与され得る。
【0224】
経口投与用の本発明の固形剤形(カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉剤、顆粒など)では、その活性成分は、1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な担体(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二ナトリウム、および/または以下のいずれかと混合される:充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸);結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア);加湿剤(例えば、グリセリン);崩壊剤(例えば、寒天−寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカのデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩および炭酸ナトリウム);溶液緩染剤(例えば、パラフィン);吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物);湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびグリセリンモノステアレート);吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土);潤滑剤(例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物);および着色剤。カプセル、錠剤および丸薬の場合、これらの医薬組成物はまた、緩衝剤を含有し得る。類似の形式の固形組成物はまた、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤だけでなく高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおいて、充填剤として、使用され得る。
【0225】
錠剤は、必要に応じて、1種またはそれ以上の補助成分と共に、圧縮または成形により、製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、グリコール酸ナトリウムデンプンまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を使用して、調製され得る。成形錠剤は、適当な機械にて、不活性液状希釈剤で湿らせた粉末化化合物の混合物を成形することにより、製造され得る。
【0226】
本発明の医薬組成物の錠剤および他の固形剤形(例えば、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒)は、必要に応じて、被覆および外殻(例えば、腸溶性被覆、および製薬処方分野で周知の他の被覆)と共に、保存または調製され得る。それらはまた、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(所望の放出プロフィールを得るために割合を変える際に)、他の高分子マトリックス、リポソームおよび/または微小球体を使用して、その中の活性成分の遅い放出、すなわち、徐放を生じるように、処方され得る。それらは、例えば、細菌保持フィルターで濾過することにより、または使用直前に滅菌固形組成物(これらは、滅菌水、または他のある種の無菌注射可能媒体に溶解できる)の形態で滅菌剤と混合することにより、滅菌され得る。これらの組成物はまた、必要に応じて、不透明化剤を含有し得、活性成分のみを放出する組成物であり得るか、必要に応じて、遅延様式で、優先的に、消化管の一部にあり得る。使用され得る包埋組成物の例には、高分子物質およびワックスが挙げられる。この活性成分はまた、もし適当なら、1種またはそれ以上の上記賦形剤とのマイクロカプセル化形状であり得る。1局面では、EPAまたはDHA類似物の溶液は、耳炎を治療する点耳液として、投与できる。
【0227】
本発明の化合物を経口投与する液状剤形には、薬学的に受容可能な乳濁液、マイクロ乳濁液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。上記成分に加えて、これらの液状剤形は、当該技術分野で通常使用される不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、オイル(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフラニルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物)を含有し得る。
【0228】
不活性希釈剤のほかに、これらの経口組成物はまた、補助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、調味料、着色剤、香料および防腐剤を含有できる。
【0229】
これらの活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天−寒天およびトラガカント、およびそれらの混合物を含有し得る。
【0230】
直腸投与または膣内投与用の本発明の医薬組成物の処方は、座薬として提供され得、これは、1種またはそれ以上の本発明の化合物と、1種またはそれ以上の適当な非刺激性賦形剤または担体(これは、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、座薬ワックスまたはサリチル酸塩を含有する)と混合することにより調製され得、室温で固体であるが、体温では、液状となり、従って、直腸腔または膣腔で融けて、この活性成分を放出する。
【0231】
膣内投与に適当な製剤には、また、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡剤または噴霧製剤が挙げられ、これらは、当該技術分野で公知の適当な担体を含有する。
【0232】
本発明の化合物を局所投与または経皮投与する剤形には、粉剤、噴霧剤、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。この活性化合物は、無菌条件下にて、薬学的に受容可能な担体、および必要であり得る任意の防腐剤、緩衝剤または推進剤と混合され得る。
【0233】
これらの軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性成分に加えて、賦形剤(例えば、動物性脂肪および植物性脂肪、オイル、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物)を含有し得る。
【0234】
粉剤および噴霧剤は、本発明の化合物に加えて、賦形剤(例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物)を含有し得る。噴霧剤は、さらに、通例の推進剤(例えば、クロロフルオロハイドロカーボンおよび揮発性非置換炭化水素(例えば、ブタンおよびプロパン))を含有できる。
【0235】
経皮パッチは、さらに、本発明の化合物を体内に制御送達するという利点がある。このような剤形は、この化合物を適当な媒体に溶解または分散することにより、製造できる。この化合物が皮膚を横切る流動を高めるために、吸収向上剤もまた、使用できる。このような流動速度は、速度制御膜を提供することにより、またはこの活性化合物を高分子マトリックスまたはゲルに分散することにより、いずれかにより、制御できる。
【0236】
眼科処方、眼軟膏、粉剤、溶液などもまた、本発明の範囲内であると考慮される。このような溶液は、結膜炎の治療に有用である。
【0237】
非経口投与に適当な本発明の医薬組成物は、以下と組み合わせて、1種またはそれ以上の本発明の化合物を含有する:1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な無菌等張性水性または非水性溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、または無菌粉末であって、これは、使用直前に、無菌注射可能溶液または分散液に再構成され得、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤、溶質(これは、その処方を、予定した受容者の血液と等張性にする)または懸濁剤またては増粘剤を含有し得る。
【0238】
本発明の医薬組成物中で使用され得る適当な水性および非水性担体の例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適当な混合物、植物油(オリーブ油)、および注射可能有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられる。適当な流動性は、例えば、被覆物質(例えば、レシチン)を使用することにより、分散液の場合、適当な粒径を維持することにより、また、界面活性剤を使用することにより、維持できる。
【0239】
これらの組成物はまた、補助剤(例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤)を含有し得る。微生物の作用の阻止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)を含有させることにより、保証され得る。これらの組成物に等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を含有させることもまた、望まれ得る。それに加えて、注射可能医薬品形態の長期間にわたる吸収は、吸収を遅らせる試薬(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を含有させることにより、引き起こされ得る。
【0240】
ある場合には、薬剤の効果を長くするために、皮下注射または筋肉内注射からの薬剤の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶性物質または非晶質物質の液状懸濁液を使用することにより、達成され得る。次いで、この薬剤の吸収速度は、その溶解速度に依存しており、これは、順に、結晶サイズおよび結晶形状に依存し得る。あるいは、非経口投与した薬剤形状の遅延吸収は、その薬剤をオイル媒体に溶解または懸濁することにより、達成される。
【0241】
注射可能デポー形態は、生物分解性重合体(例えば、ポリ乳酸−ポリグリコリド)中にて、対象化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより、製造される。薬剤と重合体との比、および使用する特定の重合体の性質に依存して、その薬剤放出速度は、制御できる。他の生物分解性重合体の例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射可能処方はまた、この薬剤をリポソームまたはマイクロ乳濁液(これらは、体組織と相溶性である)に取り込むことにより、調製される。
【0242】
本発明の製剤は、経口的、非経口的、局所的または直腸的に、投与され得る。それらは、もちろん、各投与経路に適当な形態により、投与される。例えば、それらは、錠剤またはカプセル形態で、注射、注入または吸入による注射、吸入、眼ローション、軟膏、座薬などの投与により、ローションまたは軟膏により局所的に、また、座薬により直腸的に、投与される。静脈内注射投与が好ましい。
【0243】
本明細書中で使用する「非経口投与」および「非経口的に投与する」との語句は、通常、注射による経腸投与および局所投与以外の投与様式を意味し、これには、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経胸腔、皮下、関節内、角質下、くも膜下、脊髄内および胸骨内への注射および注入が挙げられるが、これらに限定されない。
【0244】
本明細書中で使用する「全身投与」および「全身的に投与する」、「末梢投与」および「末梢的に投与する」との語句は、化合物、薬剤または他の物質の中枢神経系以外への投与を意味し、その結果、それは、患者の系に入り、それゆえ、代謝および他の類似のプロセスを受ける(例えば、皮下投与)。
【0245】
これらの化合物は、治療用に、任意の適当な投与経路により、ヒトおよび動物に投与され得、これには、例えば、経口的に、鼻内的(例えば、噴霧による)、直腸的、膣内的、非経口的、大槽内的および局所的(口腔内および舌下を含めて、粉末、軟膏または点眼液により)に、投与され得る。
【0246】
選択した投与経路にかかわらず、本発明の化合物(これは、適当な水和形態および/または本発明の医薬組成物で、使用され得る)は、当業者に公知の通常の方法により、薬学的に受容可能な剤形に処方される。
【0247】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、特定の患者、組成物および投与様式に対して、その患者に有害となることなく、所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量を得るために、変えられ得る。
【0248】
選択される投薬量レベルは、種々の要因に依存しており、これには、使用する本発明の特定の化合物、それらのエステル、塩またはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用する特定の化合物の排泄速度、使用する特定の化合物と併用される他の薬剤、化合物および/または物質、治療する患者の年齢、性別、体重、病気、一般的な健康状態および病歴、および医学分野で周知の類似の要因が挙げられる。
【0249】
通常の技術を有する医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定して処方できる。例えば、医師または獣医師は、その医薬組成物で使用される本発明の化合物の用量を、所望の治療効果を得るのに必要な量より少ないレベルで開始でき、所望の効果が達成されるまで、その投薬量を徐々に多くできる。
【0250】
一般に、本発明の化合物の適当な毎日用量は、治療効果を生じるのに有効な最低の用量である化合物の量である。このような有効用量は、一般に、上記要因に依存している。一般に、患者に対する本発明の化合物の静脈内用量および皮下用量は、望ましい鎮痛効果に使用するとき、約0.0001〜約100mg/体重1kg/日、さらに好ましくは、約0.01〜約50mg/体重1kg/日、さらにより好ましくは、約0.1〜約40mg/体重1kg/日の範囲である。例えば、被験体の体重20グラムに対して、約0.01マイクログラムと20マイクログラムの間、約20マイクログラムと100マイクログラムの間および約10マイクログラムと200マイクログラムの間の本発明の化合物が投与される。
【0251】
もし望ましいなら、この活性化合物の有効毎日用量は、必要に応じて、単位剤形で、その日全体にわたって、適当な間隔で、別々に投与される2個、3個、4個、5個、6個またはそれ以上の副用量として、投与され得る。
【0252】
本発明の医薬組成物は、「治療有効量」または「予防有効量」の本発明の1種またはそれ以上のEPAまたはDHA類似物を含有する。「治療有効量」とは、所望の治療結果(例えば、種々の疾患状態または病気に関連した影響の減少または防止)を達成するのに有効な量、それに必要な投薬量および時間を意味する。このEPAまたはDHA類似物の治療有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、およびその治療化合物が個体において所望の応答を誘発する性能のような要因に従って、変わり得る。治療有効量はまた、その治療薬のいずれかの毒性または有害な影響よりも治療に有益な効果が上回っている量である。「予防有効量」とは、所望の予防結果を達成するのに有効な量、それに必要な投薬量および時間を意味する。典型的には、予防用量は、疾患が発症する前またはその初期段階にて、被験体で使用されるので、予防有効量は、治療有効量より少ない。
【0253】
投薬レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療または予防応答)を生じるように、調節され得る。例えば、単一の巨丸剤が投与され得、数個に分割した用量が長時間にわたって投与され得、またはこの用量は、治療状況の緊急性により示されるように、比例的に増減され得る。投与を容易にし投薬を均一にするために、非経口組成物を単位剤形で処方することは、特に有利である。本明細書中で使用する単位剤形とは、治療する哺乳動物被験体に適した単一投薬量として、物理的に分離した単位を意味する;各単位は、必要な医薬担体と共に、所定量の活性化合物(これは、所望の治療効果を生じるように、計算される)を含有する。本発明の単位剤形の仕様は、(a)EPAまたはDHA類似物の独特の特性および達成する特定の治療または予防効果、および(b)個体における感受性を治療するためのこのような化合物を配合するのに当該技術分野で固有の限度により支配され、また、それらに直接的に依存している。
【0254】
本発明のEPAまたはDHA類似物の治療または予防有効量の代表的で非限定的な範囲は、0.1〜20mg/kg、さらに好ましくは、1〜10mg/kgである。投薬量の値は、軽減する病気の種類または重症度と共に変わり得ることに注目すべきである。さらに、任意の特定の被験体については、特定の投薬レジメンは、個体の要求、およびこれらの組成物を投与するか投与を監督する人の専門的な判断に従って、長時間にわたって調節すべきであり、また、本明細書中で示した投薬量の範囲は、代表的なものにすぎず、特許請求した組成物の範囲または実施を限定するとは解釈されないことが理解できるはずである。
【0255】
吸入による本発明のEPAまたはDHA類似物の肺への送達は、本明細書全体を通じて述べた種々の呼吸器病(気道の炎症)を治療する重要な方法であり、これには、気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患のような一般的な局所疾患が挙げられる。これらのEPAまたはDHA類似物は、呼吸できる大きさ(直径約10μm未満)の粒子のエアロゾルの形状で、肺に投与できる。このエアロゾル処方は、液体または乾燥粉末として、提供できる。懸濁液として、液状エアロゾルで適当な粒径を保証するために、粒子は、呼吸できる大きさで調製でき、次いで、推進剤を含有する懸濁液処方に取り込むことができる。あるいは、処方は、その処方の適当な粒径に関する問題を回避するために、溶液形状で調製できる。溶液処方は、呼吸できる大きさの粒子または小滴を生じる様式で、調剤すべきである。
【0256】
エアロゾル処方は、一旦、調製すると、定量弁を備え付けたエアロゾルキャニスターに充填される。この処方は、その用量を弁から被験体に向けるように適合したアクチュエータを経由して、調剤される。
【0257】
本発明の処方は、(i)複数の治療有効量を供給するのに有効な量の少なくとも1種のEPAまたはDHA類似物;(ii)これらの処方の各々を安定化するのに有効な量の追加水;(iii)複数の用量のエアロゾルキャニスターから推進するのに有効な量の推進剤;および(iv)さらに他の任意の成分(例えば、共溶媒としてのエタノール)を配合することにより、そしてこれらの成分を分散することにより、調製できる。これらの成分は、通常のミキサーまたはホモジナイザーを使用して、振盪することにより、または超音波エネルギーにより、分散できる。バルク処方は、弁−弁移動方法を使用することにより、圧力充填することにより、または通常の冷充填方法を使用することにより、さらに小さい個々のエアロゾルバイアルに移動できる。懸濁剤エアロゾル処方物で使用される安定化剤が、この推進剤に可溶性であることは必要とはされない。十分に溶解性できないものは、適当な量で、薬剤粒子上に被覆でき、被覆した粒子は、次いで、上記処方に取り込むことができる。
【0258】
本発明の処方を送達するには、通常の弁(好ましくは、定量弁)を備え付けたエアロゾルキャニスターが使用できる。通常のCFC処方を送達する定量弁で使用される通常のネオプレンおよびブナ弁ゴムは、HFC−134aまたはHFC−227を含有する処方と併用できる。他の適当な材料には、ニトリルゴム(例えば、DB−218(American Gasket and Rubber、Schiller Park、Ill))またはEPDMゴム(例えば、Vistalon(登録商標)(Exxon)、Royalene(登録商標)(UniRoyal)、bunaEP(Bayer))が挙げられる。また、熱可塑性エラストマー材料(例えば、FLEXOMER(登録商標)GERS
1085 NTポリオレフィン(Union Carbide))から、押出成形、射出成形または圧縮成形により形造ったダイアフラムも、適当である。
【0259】
本発明の処方は、通常のエアロゾルキャニスターに含有でき、被覆または非被覆であり得、陽極酸化または非陽極酸化であり得る(例えば、アルミニウム、ガラス、ステンレス鋼、ポリエチレンテレフタレート)。
【0260】
本発明の処方は、本明細書全体にわたって記述したように、気管支拡張を引き起こすために、または吸入により治療され易い病気(例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患など)を治療するために、気道および/または肺に送達できる。
【0261】
本発明の処方はまた、本明細書全体にわたって言及した呼吸器疾患を治療または予防するために、当該技術分野で公知の鼻内吸入により、送達できる。
【0262】
本発明の化合物を単独で投与することは可能であるものの、その化合物を医薬組成物として投与することが好ましい。
【0263】
本発明は、包装材料および該包装材料内に含まれるEPAまたはDHA類似物処方を含有する製品の特徴をもつ。この処方は、少なくとも1種のEPAまたはDHA類似物を含有し、また、この包装材料は、標識またはパッケージ挿入物を含み、これは、その処方が、本明細書中で記述した1種またはそれ以上の病気を治療するために、このような病気を治療または予防するのに有効な量、頻度および持続時間で、被験体に投与できることを表示する。このような疾患は、本明細書全体にわたって言及されており、また、参考文献から援用されている。適当なEPAまたはDHA類似物は、本明細書中で記述されている。
【0264】
さらに具体的には、包装材料および該包装材料内に含まれる少なくとも1種のEPAまたはDHA類似物を含有する製品の特徴をもつ。この包装材料は、標識またはパッケージ挿入物を含み、これは、その処方が、本明細書全体にわたって述べたような疾患状態または病気に関連した症状を治療または予防するのに有効な量、頻度および持続時間で、被験体に投与できることを表示する。
【実施例】
【0265】
(材料および方法)
ザイモサンA、ヘマチン、NADPH、15−リポキシゲナーゼ、ASAおよび他のNSAISは、Sigma由来であった。ジャガイモ5−リポキシゲナーゼ(LO)、DHA、およびEPAは、Cayman Chemical Co.(Ann Arbor,MI)からであり;そしてMS同定およびフラグメントイオン参照に使用される他の合成標準、ヒドロキシ脂肪酸および中間体は、Cascade Biochem Ltd.(Reading,U.K.)から購入した。4S−ヒドロキシ−5E,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z−ドコサヘキサエン酸(4S−HDHA)、17S−ヒドロキシ−4Z,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸(17S−HDHA)、および19R/S−ヒドロキシ−4Z,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸(17R/S−HDHAと示される)についての信頼できる標準は、Penn Bio−Organics(Bellefonte,PA)からであり、NMR分析は、それぞれの二重結合の構成を確立した。LC−MS−MS分析に使用されるさらなる物質は、参考文献(2,33)に報告される販売業者からであった。
【0266】
(インキュベーション)
ヒトPMNを、Ficoll勾配によって健常なボランティアの静脈血(提供の約2週間前の間、摂取する医薬を減少した;BWHプロトコル#88−02642)から新鮮に単離し、数を数えた。細胞を50×10細胞に分裂させ、Ca2+およびMg2+を有する1mlのDPBS、+/+と示し、インキュベーション(40分、37℃)を、ザイモサンA(100ng/ml、Sigma)とともに、17R/S−HDHA(Penn
Bio−Organics)または17R−HDHAのいずれかで実行した。ヒト臍静脈(HUVEC)または微小血管(HMVEC;Cascade Biologics、Portland.OR)内皮細胞を、経内皮移動(34)のために培養し、そしてHMVEC単層を伴うインキュベーション(1、2、または3継代)を、ASAおよびDHAについて0.1%のゼラチンでコーティングしたポリカルボネート透過性支持体において播種した(約2×105細胞/cm)。低酸素実験について、TNFαおよびIL−1β(ともに1mg/ml)で処理したHUVECのプレートを、低酸素のチャンバ(3時間、37℃)に配置し、そして酸素正常状態に戻した(21時間、37℃)。次に、ASA(500μM、30分)を添加し、続いて、DHA(約5μM)およびA23187(2μM;60分、37℃)を添加した。個々の脳全体を、インキュベーションの直前に、屠殺したマウスから迅速に単離し(各々半分/2ml)、冷DPBS+/+で洗浄し、そしてASA(45分、37℃、500μM)でインキュベートした。インキュベーションを、5mlの冷メタノールで停止させ、そして−20℃で分析のために保持した。
【0267】
(組換えシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)および生成物分析)
ヒト組換え体COX−2は、Sf9昆虫細胞(ATCC)において過剰発現された。ミクロソーム画分(約8μl)を、(36)のように、Tris(100mM、pH8.0)中に懸濁させた。ASAを、DHA(10μM)またはいくつかの実験では[1−14C]標識DHA(American Radiolabeled Chemicals,Inc.製)の添加の前に、COX−2とともにインキュベート(約2mM、37℃、30分)され、変換を、[1−14C]標識C20:4(ASAとともに)を使用して平行してモニターした(図2;テキストもまた参照のこと)。
【0268】
インキュベーションを、MS−MSに入るサンプルの前に、LUNA C18−2(150×2mm×5μ、または100×2mm×5μm)カラムおよび迅速スペクトル走査UVダイオードアレイ検出器(約0.2分、UV吸収をモニターする)を備えた、Finnigan LCQ液体クロマトグラフィーイオントラップタンデム質量分析器(San
Jose、CA)を使用して、(33)のようにLC−MS−MS分析のための重水素標識内部標準(15−HETEおよびC20;4)で抽出した。すべてのインタクトな細胞インキュベーションおよびインビボ浸出液を、2ml冷メタノールで停止させ、そして−80℃で>30分間、維持した。サンプルを、C18固層抽出を使用して、抽出し、そしてGC−MS(表2を参照のこと)(Hewlett−Packard)、薄層クロマトグラフィーまたはタンデム液体クロマトグラフィー−質量分光法(LC−MS−MS)を使用して、分析した。また、Chiralcel OB−Hカラム(4.6×250mm;J.T.Baker)を使用して、イソクラティック(isocratic)移動相(ヘキサン:イソプロパノール;97.5:2.5、vol:vol、0.6ml/分の流速)を使用して、モノヒドロキシ−PUFAのRアルコール構成およびSアルコール構成を決定した。単離、定量、および脂質由来の媒介物の構造決定のための詳細な手順は、最近、報告(36)され、本質的に、新規な生成物の解明のために報告されるように、本明細書で使用される。新規ドコサノイドの生物起源の合成を、単離された酵素(すなわち、ジャガイモ5−LO、rhCOX−2またはASA処理rhCOX−2および15−LO)を使用して実行し、各々、DHAまたは17R−HDHAのいずれかとタンデム逐次反応においてインキュベートし、単離ならびに物理的特性および生物学的特性の確認のためにスケールアップした量で新規化合物を作製した。
【0269】
(PMN移動、マウス空気嚢浸出液および腹膜炎)
ヒトPMN経内皮移動を、(34、37)のように、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)およびアズール性顆粒マーカーをモニタリングすることによって定量した。炎症浸出液を、組換えマウスTNFα(100ng/嚢;R&D System)の6〜8週齢の雄性FVBマウスの背側空気嚢(10)への嚢内注射によって開始する。この雄性FVBマウスは、0.25%未満のアラキドン酸、1.49%EPAおよび1.86%DHAを含む実験室齧歯類食餌5001(Lab Diet,Purina Mills)、続いてASA(500μg)をTNFα注射の3.5時間後に、そしてTNFα注射の4時間後に300μgのDHA/嚢を給餌された。6時間(分解相内)において、嚢を洗浄(3ml生理食塩水)し、そして浸出細胞を数えた。17R−HDHA(下記参照のCOX−2で調製される)、5S,12,18R−HEPE、または15−エピ−LXAアナログのいずれかの尾静脈注射でのTNFα刺激(100ng/嚢)PMN浸潤の阻害を、4時間、嚢洗浄して決定した。腹膜炎を、イソフルランで麻酔した、実験室齧歯類食餌5001(Purina Mills)を給餌した6〜8週齢のFVB雄性マウス(Charles River Laboratories)を使用して行い、試験される化合物(125μl)を静脈内で投与した。1ml中のザイモサンA(1mg/ml)を、約1〜1.5分後、腹膜に注射した。各試験化合物(100ng/インキュベーション、すなわち、エタノール中の17R−HDHA)またはビヒクル単独を、約5μkに懸濁し、そして滅菌生理食塩水120μl中に混合した。腹膜内注射の2時間後、Harvard Medical Area Standing Committee on Animalsプロトコル#02570に従って、マウスを安楽死させ、腹膜洗浄を、数えるために迅速に収集した。
【0270】
(細胞培養)
ヒト神経膠腫細胞DBTRG−05MG細胞(ATCC)を、ATCCによって推奨されるように培養した。分析のために、10×10細胞/ウェルの6ウェルプレート(Falcon)を、特定の濃度の試験化合物(すなわち、17R−HDHA)またはビヒクル(0.04%エタノール)の存在下で、ヒト組換えTNFα(Gibco)の50ng/mlで16時間刺激した。細胞をDPBS+/+中で洗浄し、そして1mlのTrizol(Gibco)において収集した。RT−PCRについて、RNA精製およびRT−PCRを、(38)のように実行した。増幅に使用されたプライマーは、IL−1βについての5’GGAAGATGCTGGTTCCCTGC3’(配列番号1)および5’CAACACGCAGGACAGGTACA3’(配列番号2);GAPDHについての5’TCCACCACCGTGTTGCTGTAG3’(配列番号3)および5’GACCACAGTCCATGACATCACT3’(配列番号4)であった。これらのプライマーを用いて得られるPCR産物を、配列決定によって確認した。分析を、反応の線形範囲において、両方の遺伝子(すなわち、GAPDHおよびIL−1β)について実施した。結果をNIH Imageプログラム(http://rsb.info.nih.gov/nih−image)を使用して分析した。
【0271】
(天然のレソルビンおよびアナログの生体合成)
17R含有HDHA産物の生体合成)
ジHDHA産物のスケールアップ合成のために、ヒト組換えシクロオキシゲナーゼ−2(COX)を、昆虫Sf9細胞において発現させ、そして単離されたミクロソーム画分を調製し、そしてTris Buffer(100mM、pH8.0)に懸濁させた。アスピリンを添加(2mM)(30分、RT)し、図2に示されるように、LC−MS−MS分析によって確認された大スケール調製の前に、DHA(10μM)からの17R HDHAを評価した(明細書を参照のこと)。次に、DHA(Sigma D−2534由来の100mg)を、EtOH中に懸濁させ、そして1%v/vでBorate緩衝液(0.1mM HBO、pH 8.5)に添加し、そして丸底フラスコ(窒素気流下で5〜10分)でボルテックスして、ミセル懸濁液(光学密度>650nm)を形成し、第1のものとアセチル化−COX−2(60分、RT)と反応させて、17R酸化を生成した(例示スキームAを参照のこと)。
【0272】
これらの反応混合物をすぐに移し、そして20分間、RTで、Millipore YM−30遠心分離カラムを通して遠心分離した。次に、Cayman Chemicalから購入された、単離されたジャガイモ5−リポキシゲナーゼを、400μlで(各調製の特異的酵素活性に従う)、氷水浴中で回転するO2でフラッシュされた丸底フラスコ中で、4℃で30分間、10mlの反応物に添加した。時間の間隔をおいて、サンプルを、MeOH:H2O移動相および線形勾配を用いるPDA検出器を用いて、タンデムUVスペクトルで記録されるオンラインでLC−MS−MSを使用して、生成物形成をモニターするために反応物からとった。
【0273】
次に、5−リポキシゲナーゼの作用によって17RHDHA基質にそれぞれ導入される4位および7位のヒドロペルオキシ付加物を、ホウ水素化ナトリウムの固体粒子の添加とともに混合物として還元され(5分、RT)、そして2容積の冷MeOHの添加で停止した。ジHDHA生成物を、液体−液体酸性エーテル(pH3.5)を使用して抽出し、そして水を用いておよそ中性のpHに洗浄した。4S,17R−ジHDHA位置異性体および7S,17R−ジHDHA位置異性体の構造を、LC−MS−MSによって確立した(本明細書に引用される条件を使用する)。これらの化合物は、単離および生物学的作用のためのMeOH:H2O(65:34v/v)を使用して、rp−HPLCにおいて十分に分解した。
【0274】
【化59】

(17S含有HDHA生成物の生体合成)
17S生成物の調製を、スケールアップ反応のための、一連の15−リポキシゲナーゼ(ダイズリポキシゲナーゼ;Sigma)、続く、ジャガイモ5−リポキシゲナーゼ(Cayman Chemical)を使用して、スキームBに示される4S,17S−ジHDHAおよび7S,17S−ジHDHAを生成して、実行した。これらのリポキシゲナーゼの両方が、DHAの特定の位置で水素のアンタラフェイシャル(antarafacial)な引き抜きで、主にSの構成で分子状酸素を挿入する(本明細書を参考のこと)。これらの調製のために、DHA(100mg)を、10ml Borate緩衝液(0.1M、pH9.2)中で懸濁させ、丸底フラスコ(250ml容積)でボルテックスして、ミセルを形成し、そしてダイズ15−リポキシゲナーゼを、30〜40分間連続的に混合して、スピン回転を使用して氷水中、4℃でミセル懸濁液に添加して、DHAを17S−H(p)DHAに変換した。このヒドロペルオキシDHAを、フラスコに数粒のNaBHを添加して還元して、対応する17Sヒドロキシ−DHAを生成した(スキームBを参照のこと)。次に、単離したジャガイモ5−リポキシゲナーゼを、4℃、pH9.0に維持したフラスコに、撹拌しながら添加し、4Sヒドロペルオキシ−および7Sヒドロペルオキシ−を17S−HDHAに挿入するように酸化し、続いて、NaBHで還元する。この反応をLC−MSM−MS(上を参照)を使用してモニターし、2容積のMeOHで停止し、そして酸性エーテル抽出し、RP−HPLCを使用して、位置異性体を単離した。これらの17S含有生成物は、対応する17R生成物と、マウス炎症および物理的特性(すなわち、UV発色団)において類似の生物学を与える(表2を参照のこと)が、GC−MSにおいて異なる保持時間を示した。
【0275】
【化60】

(5S,18R/SジHEPAおよび5,12,18トリ−EPEの生体合成)
(+/−)18−HEPEを、Cayman Chemical(カタログ番号32840CASレジストリー番号141110−17−0)から購入し、そしてスケールアップ反応のためにジャガイモ5−リポキシゲナーゼを使用して、記載される(上記を参照のこと)反応および手順によって新規なEPA由来の化合物(スキームCを参照のこと)を作製するために使用した。ラセミ体18+/−HEPE(EtOH中100μgのアリコート)を、0.1%EtOH中の丸底フラスコ(250ml)中のBorate緩衝液(pH9.2)中で、懸濁させ、5〜10分間ボルテックスしてミセルを形成し、そして4℃におき、上記のように氷水浴中で回転させた。5−リポキシゲナーゼを、単離した酵素のために2つの連続的なボーラス添加で25μlのアリコートで添加した。最初のボーラスは、LC−MS−MSによってモニターされるように、30〜40分後に生成される主要生成物(スキームCを参照のこと)としてNaBH還元の後に5S,18R/S−ジHEPEの生成を導く反応を開始した。5−リポキシゲナーゼの混合物への第2のボーラス添加は、このpHおよび基質濃度で、ジャガイモ5−リポキシゲナーゼのLTAシンターゼ反応によって形成される5(6)−エポキシド中間体の生成を介して、5,12,18R/S−トリHEPAを上昇した。エポキシドは、結合したトリエン系の最後に生成するカルボニウムカチオンの少なくとも隠れた(hindered)炭素(炭素12)に付加する、水の存在下でのSN2型反応で開く(スキームC、以下を参照のこと)。この構造を、LC−MS−MSによって確認し、生物学的作用の評価のために、HPLCによって単離した。
【0276】
【化61】

(生体合成によるアナログの例)
(4,5−デヒドロ7S,17S−ジHDHAの合成)
4,5−デヒドロドコサヘキサエン酸(カタログ番号90312)を、Cayman Chemical(MI)から購入し、そしてスケールアップ生物分析のためのアナログを生成するためにさらなる精製無しで使用した。100μgアリコート懸濁液中の4,5デヒドロDHAを、ボルテックスしながら、25mlの丸底フラスコ中で0.1M Borate緩衝液(pH9.2)中で調製し、25ulアリコートの15−リポキシゲナーゼの添加の前にミセルの形成を導いた。17位でS構成で付加されるヒドロペルオキシ−のNaBHでの還元後、対応するアルコールをつぎに、ジャガイモ5−リポキシゲナーゼの付加、続く還元によって変換して、4,5−デヒドロ7S,17S−ジHDHAを得た(スキームDを参照のこと)。このスキームはまた、15−リポキシゲナーゼの代わりに、位置1の酵素でASA処理組換えCOX−2を使用することによって、対応する17Rを作製するために使用し得る。
【0277】
【化62】

スケールアップのためのこの経路の別の例は、新規アナログ4,5−デヒドロ10,17S−ジヒドロDHAの生体合成についてスキームEに与える(図17を参照のこと)。手短には、17S付加物に変換された15−LOの添加の後に、ダイズ15−LOの第2の添加は、LTA4様シンターゼ反応を与え、4,5デヒドロ前駆体の16(17)エポキシドを生じ、これは、加水分解を受けて、4,5−デヒドロ10,17S−ジヒドロキシDHAを生じる。マウスザイモサンA誘導腹膜炎における100ng用量でのこの生成物は、PMN浸潤の40%阻害を与え、このレソルビンアナログがインビボで強力な抗炎症剤である。
【0278】
図18は、4,17S−ジHDHAが、10,17−ドコサトリエンとして約半分であることを実証する。200ngまでの静脈内ボーラスによって与えられる用量を増加させることによって、2つの化合物は、基本的に等しい効果である。これらの結果は、4,17S−ジHDHAが、等量基準でより強力ではないが、マウス腹膜炎モデルにおいて、白血球浸潤および炎症を制御および阻害することによて基本的に等しく効果的であることを示す。
【0279】
図18について、4,17−ジHDHAが、PMN白血球浸潤の用量依存性の阻害を引き起こした。100ngの10,17S−ドコサヘキサトリエンが、強力な阻害を引き起こした。腹膜炎が、1mgのザイモサンAの腹膜注射によって、6〜8週齢の雄性FVBマウスにおいて誘導された。化合物4,17Sおよび10,17S−ジHDHAを、ザイモサンA処置の1.5分前に、静脈内ボーラス注射によって注射した。腹膜炎の導入の2時間後、迅速な腹膜洗浄物を収集し、そして細胞型を数えた。
【0280】
【化63】

(レソルビン類似物の有機合成)
以下の合成経路は、対象となるレソルビン類似物系統を調製する方法を例示する。これらの調製は、限定するものとは解釈されず、さらに伝統的な手段に沿ってこのような類似物を調製するのとは別の手段として役立ち、上記生体合成を補完するものと見なすべきである。単離方法には、もし必要なら、カラムクロマトグラフィー、HPLC、GC、結晶化および蒸留が挙げられる。性質決定は、UV、MS、MS/MS、GC/MS、NMRなどにより、達成できる。当業者は、本明細書中の教示に基づいて、これらの新規化合物を調製し、単離し、そして性質決定する種々の方法を理解できる。
【0281】
以下で提供した一般的な合成スキームは、本発明に含まれる種々の「種類」または系統のレソルビンを調製する方法を描写している。これらの系統の合成全体にわたって、R基は、そのレソルビン炭素鎖に種々の基が付加できることを示すために、使用される。各R基は、別個に選択され、同一または異なり得、各R基が必ずしも存在しないと想定できる。これらの場合、その結合部位は、水素原子を含む。上記のように、このR基は、「R保護基」と見なされ、そして置換または非置換、分枝または非分枝のアルキル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基またはハロゲン原子であり得る。
【0282】
これらの合成スキーム全体を通じて、種々のヒドロキシル保護基が描写されている。それらは、限定するものと見なすべではない;これらは、使用できる代表的な保護基であり、例示として選択された。
【0283】
これらの合成スキーム全体を通じて使用される「U」と命名された部分は、本願全体を通じて記述されており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。この末端基は、一置換、二置換または三置換メチル基、フェノキシ基(置換または非置換)に結合したメチレン(置換または非置換)、置換または非置換アリール基、アリールアルキル基などであり得る。
【0284】
「Q」は、本明細書全体にわたって定義され、環構造の周りに位置している1個またはそれ以上の置換基を含むと解釈される。適当な置換基には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(置換または非置換、分枝および非分枝)、アルキルアリール基、アリールアルキル基、エステル、ヒドロキシルなどが挙げられる。
【0285】
これらの合成スキーム全体を通じて使用される「X」と命名された部分は、本願全体を通じて記述されており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。これらの合成スキーム全体を通じて使用される「X」は、酸素原子。メチレン、置換または非置換窒素原子またはイオウ原子を含むと解釈される。
【0286】
上記のように、このレソルビンのアセチレン性部分の水素化は、1種またはそれ以上の生成物を得るために、達成できる。選択的な水素化は、所望の水素化の程度に依存して、複数の反応生成物を提供できる。得られる生成物は、得られる二重結合(この場所で、水素化が起こった)の周りで、1個またはそれ以上の幾何異性体(シスまたはトランス)を提供できる。さらに、選択的な水素化により、1個またはそれ以上のアセチレン性部分を保持したレソルビン類似物が提供でき、それにより、さらに多くの追加類似物が得られる。全ての類似物は、本発明の一部と見なされ、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。これらの化合物の分離および同定は、当該技術分野で公知の方法(TLC、HPLC、GCなど)により、達成できる。
【0287】
このレソルビン類似物内でのアセチレン性部分の保持は、有利であると見なされる。その合成は、短くできる(その水素化工程は、なくすことができるか、または選択的な水素化だけが起こるようにモニターできる)。得られたアセチレン含有レソルビン化合物は、対応する水素化したオレフィン含有レソルビンと類似の生体活性を保持している。さらに、アセチレン性部分から生成されたオレフィン結合(これは、天然に生じるDNAおよびRNA化合物に関して、「シス」立体配置の異性体に相当する)の水素化を回避することが有利であると考えられている。すなわち、レトロ合成的には、その分子内に予めシス二重結合が存在しているアセチレン性部分を有するDHAおよびEPA化合物を調製することが有利である。
【0288】
例えば、スキームIは、レソルビンスキームIの1種の一般的な合成を提供する:
(スキームI)
【0289】
【化64】

【0290】
【化65】

例えば、これらの「R」基は、その7−OHおよび/または17−OHの酸化(これは、そのC−7またはC−17部分にて、ケトンを形成する)を阻止する阻害剤として使用されることに注目すべきである。
【0291】
合成スキームIIでは、この7(8)−メタノ類似物の合成は、前駆体としてのDHAに由来の浸出液および細胞により産生された生体活性生成物の生合成におけるエポキシド中間体のバイオテンプレートに基づいている。この例では、その臭化ビニルアセチレンとアルキニルアルコールとのPd/Cu触媒カップリングは、臭素化およびホスホネート生成後に進行して、中間体として、ホスホネートが得られる。このホスホネートは、そのリチオ(lithio)誘導体とアルデヒドとの縮合を受けて、Δ9−10シス(E)(Z)トランス異性体の混合物を生じる。これらは、触媒量のヨウ素で処理することにより、変換できる。それらの三重結合を保護するために、炭素17のシリル保護基は、アセテートで置き換えられる。キノリンの三重結合を還元するために、リンドラー触媒還元が使用される。その生成物は、脱アセチル化されて、等価な不安定エポキシド類似物(これは、シンビボおよび/または細胞(例えば、脳のマイクロリアル細胞またはヒト白血球)のレソルビン生合成に関与している)の安定なシクロプロピル7(8)メタノ類似物が得られる。
【0292】
これらの類似物は、7,8,17R−トリHDHAレソルビンの部位/レセプタにて、アゴニストとしての白血球補充を停止するミメティックとして分解を刺激/促進し炎症を薬理学的に阻止するように作用することに加えて、また、インビボでの酵素の阻害剤として働くので、重要な治療法である。それゆえ、これらの化合物は、炎症誘発性脂質媒体(例えば、ロイコトリエン)を阻害し、また、生合成経路(図8を参照)での上流レソルビンのその場での蓄積を引き起こす。それゆえ、これらの種類の化合物は、レソルビン7,8,17−トリ−HDHAのミメティックおよび基質レベル阻害剤として、二重の目的に役立つ。
【0293】
(スキームIII)
【0294】
【化66】

(スキームIV)
【0295】
【化67】

【0296】
【化68】

(スキームV)
【0297】
【化69】

(代替スキームV)
【0298】
【化70】

(スキームVI)
【0299】
【化71】

スキームVIは、他の種類の化合物を表わし、この場合、再度、ケトンに潜在的に酸化可能な5および/または18ヒドロキシルの「保護」である。「R」基を使用すると、本明細書中で記述しているように、この酸化を防止する性能が得られ、従って、その生体活性化合物のバイオアベイラビリティーが得られる。
【0300】
合成スキームVI内の類似物は、K.C.Nicolaouら、Angew.Chem.Int.Ed.Engl 30(1991)1100−1116)で調製された臭化ビニルをカップリングすることにより調製でき、そしてPd/Cuカップリング化学作用を使用して、カップリングできる。得られた中間体は、リンドラー触媒および水素で選択的に水素化でき、種々のアセチレン性生成物だけでなく、ペナテン含有生成物を生成する。これらのアルコールの脱保護およびカルボン酸、エステルなどへの変換は、公知方法により、達成できる。
【0301】
(合成スキームVII)
【0302】
【化72】

【0303】
【化73】

(スキームVIII)
【0304】
【化74】

(10,17ジHDHA類似物用のスキーム)
【0305】
【化75】

10,17ジHDHAは、図8で描写されており、そして10,17ジ−HDHAの生合成が図8の他の化合物とは異なるので、重要である。それは、DHAの17位置でのヒドロ過酸化に好ましい条件下にて、DHA(約8.5のpH)に対する15−リポキシゲナーゼの作用によって生成され、これは、次いで、その16,17エポキシドに変換される。この16(17)エポキシドは、共役したトリエン発色団を運び、その10位置でのOH攻撃と共にカルボニウムカチオン中間体によって開き、10,17−ジHDHAが得られる。ヒト組織および単離した細胞は、15−リポキシゲナーゼだけでなく追加酵素によって、これを生じる。この化合物は、約8.5のpHで、基質としてDHAと共に大豆15−リポキシゲナーゼ(これは、ミセル構造で提示される)を使用することにより、調製されている。この10,17−ジHDHAは、本明細書中で記述したように、RP−HPLCを使用して、単離した。この10,17−ジHDHAは、所定のマウスザイモサンの腹膜へのPMN移動(ザイモサン誘発腹膜炎)および炎症の両方を阻止することが発見された。それゆえ、そのC−10ヒドロキシル位置で「R保護基」で保護すると、代謝的変換を防止し、PMN浸潤および急性炎症を阻止するように安定性および活性を高めるはずである。
【0306】
(4,11,17−トリHDHA用のスキーム)
【0307】
【化76】

(5,18−ジHEPA用のスキーム)
【0308】
【化77】

5,18−ジHEPA類似物の調製は、 Sun,R.C.,M.Okabe,D.L.Coffen,and J.Schwartz.1992. Conjugate a
dditionof a vinylzirconium reagent:3−(1−octen−1−yl)cyclopentanone(cyclopentanone,3−(1−octenyl)−,(E)−).In Organic Syntheses,vol.71.L.E.Overman,editor.Organic Syntheses,Inc.,Notre Dame,IN.83−88 using Schwartz's reagent as prepared in Buchwald
,S.L.,S.J.LaMaire,R.B.Nielsen,B.T.Watson,and S.M.King.1992.Schwartz’s reagent(zirconium,chlorobis(h5−2,4−cyclopentadien−1−yl)hydro−).In Organic Synthesis,vol.71.L.E.Overman,editor.Organic Syntheses,Inc.,Notre Dame,IN.のようにして、ビニルジルコニウム試薬である3−(1−オクテン−1−イル)シクロヘキサノンの共役付加を使用して達成され、そのジルコニウム化中間体が作成される。Ishiyama,T.,N.Miyaura,and
A.Suzuki.1992.Palladium(0)−catalyzed reaction of 9−alkyl−9−borabicyclo[3.3.1]nonane with1−bromo−1−phenylthioethene:4−(3−cyclohexenyl)−2−phenylthio−1−butene.In Organic Syntheses,vol.71.L.E.Overman,editor.Organic Syntheses,Inc.,Notre Dame,INのようにしてDIBALを処理すると、このジ−HEPA環含有類似物が得られる。このシクロヘキサノン試薬は、任意数の置換基で置換でき、それにより、このジ−HEPA類似物内で、置換または非置換芳香環が得られることが理解できるはずである。
【0309】
再度、C−5および/またはC−18位置で「R保護基」を含有させると、その水酸基のケトンへの酸化を阻止するのを助けることに注目すべきである。さらに、その構造内で環を使用すると、その分子の周りでの立体配座を束縛するのを助け、レセプタ配位子相互作用に影響を与えると考えられている。
【0310】
(7,17レソルビン環含有類似物用のスキーム)
【0311】
【化78】

(環構造を備えた7,8,17−トリヒドロキシ−HDHA用のスキーム)
【0312】
【化79】

(7,16,17−トリ−HDHA環アナログ用のスキーム)
【0313】
【化80】

(結果)
(滲出液分解段階のリピドミクス)
健常な個体における規則的な分解は、全身的宿主因子と局所的宿主因子との両方(栄養分、代謝状態(すなわち、糖尿病は、遅延された治癒に関連する)、および分解の持続時間の主要な決定因子のいくつかとしての循環状態が挙げられる)によって影響を受けることが、よく理解されている(39)。自発的な分解を受ける実験的な急性炎症性抗原投与(すなわち、滲出液の形成および分解のマウス空気嚢モデル)において、局所的な化学的媒介物の形成と作用との間に、一時的な解離が見出された(10)。ロイコトリエンおよびプロスタグランジンは、迅速に生成され、そしてそれらの炎症誘発媒介物質としての公知の作用と一致して、空気嚢滲出液への白血球の補充と共に現れる。リポキシン生合成は、マウスの空気嚢滲出液からのPMNの自発的な分解および損失と同時に起こり、機能的に異なる脂質媒介物質プロフィールが、炎症誘発媒介物質から抗炎症媒介物質(例えば、リポキシン)に切り替わることの証拠を提供する(10)。
【0314】
最近、EPAが、ASAで処理されたマウス滲出液において、抗炎症特性を有する新規プロドラッグに形質転換されることが見出された(2)。このことは、多くの疾患におけるω−3の有利な作用についての潜在的な機構を提供する。DHAは、心臓保護性であり(22)、脳および網膜において豊富であり、そして多くの生理学的プロセスにおける影響を示す(28〜32)ので、リピドミクス分析を行って、炎症性滲出液がASA処置を用いる分解段階においてDHAを利用するか否かを決定した。
【0315】
図9は、滲出液の種々の成分を単離し、試験し、特徴付け、そして分離するために開発されたアプローチを示す。現在まで、いかに多くの異なる成分が生化学的経路を介して生成されるかは、理解されていなかった。各化合物は独特であり、そして正確な分離および特徴付けが、各成分を単離するために必要とされた、一般に、滲出液のサンプルを抽出し、次いで、固相抽出を介して成分に分離し、引き続いて、クロマトグラフィーおよび質量分析を行った。GC−MSをまた使用して、別々の成分を同定することを補助し得る。UV分析がまた、しばしば有用である。次いで、化合物の物理的特性を同定し、そしてライブラリーに入れて、どの化合物が独特であり、そして以前に知られていなかったかを決定する。さらなる構造の解釈を行い(NMR、MS/MS、IRなど)、その後、スケールアップした。化合物の生成を、生合成および/または伝統的な有機合成(例えば、本明細書中に提供される)を介して達成し得る。
【0316】
TNFα、DHAおよびアスピリン処置の注射後に腹側の皮膚の空気嚢内に形成された分解段階において得られた炎症性滲出液は、LC−MS−MS分析によって明らかになった、いくつかの以前に未知であった新規化合物を含有した(図1)。これらのマウスに食べさせるために使用したLab Diet 5001が、1.86%のDHAおよび1.49%のEPAを含有し、アラキドン酸が0.25%未満であったことは、価値がある(Purina Mills)。GC−MS(誘導体化された生成物を用いる)とLC−UV−MS−MSベースの分析(これは、誘導体かを必要としなかった)との両方を使用する、さらなる質量分析は、炎症性滲出液由来の物質が、DHAとEPAとの両方から産生される新規ヒドロキシ酸を含有することを示した。すなわち、これらの生成物は、報告された脂質代謝者産物として公知ではなかった。EPA由来の生成物は、最近確立された(2)。m/z343において得られた結果から選択されたイオンクロマトグラムおよびMS−MSは、17−HDHAの生成と一致し(図1、パネルAおよびB)、滲出液において、7S−および4S−HDHAの量が、より少なかった(図1、パネルA)。これらの生成物は、標準の17(R/Sラセミ体)−HDHAおよび4S−HDHA(NMRによって定性された;方法を参照のこと)と一緒に、3つの異なるクロマトグラフィーシステムにおいて共溶出され(図示せず)、そしてこれらの基本的な構造特性は、関連するDHA由来の生成物のものと一致した(28、29、30を参照のこと)。ASA処理はまた、炎症性滲出液内に、DHA骨格を有する新規なジヒドロキシ生成物およびトリヒドロキシ生成物を与えた;この用量のASAにおいて、トロンボキサンおよびプロスタノイドのインビボ産生が完全に阻害された。重要なことには、インビボでのASA処理およびCOX−2は、生物活性特性を有する、DHA由来の以前には未知であった生成物を与えた(前出を参照のこと)。
【0317】
図1のパネルCの結果は、挿入図に示される構造からなるフラグメントイオンを有する、ジヒドロキシ含有DHAのMS−MSスペクトルを示す(すなわち、7,17−ジHDHA;m/z359[M−H]、m/z341[M−H−HO]、m/z323[M−H−2HO]、m/z315[M−H−CO]、およびm/z297[M−H−CO−HO])。7−および17−ヒドロキシ含有位置と一致するさらなる診断イオンは、m/z261、247、および217に存在した。いくつかの新規なトリヒドロキシ含有DHA由来化合物の、炎症性滲出液中に同様に存在した代表的なものもまた、図1のパネルDに示す。存在したイオンは、その[M−H]=m/z375、357[M−H−HO]、399[M−H−2HO]、331[M−H−CO]、313[M−H−CO−HO]、306、303、276、273、255[273−HO]、210、195、および180と一致した。これらの物理的特性(すなわち、MS−MS、UV、LC保持時間)を全体で使用して、これらおよび関連する化合物を同定し、そしてそれらの生物学的影響を評価した。これらの化合物は、DHA+ASA嚢内の炎症性滲出液から抽出された物質の、ナイーブマウスへの移動(i.v.、またはi.p.投与)が、ザイモサンによって誘導されるPMN炎症を約60%鋭く低下させるので、興味深いとみなした。これは、DHAのインビボでの利用および滲出液中の生物活性産物の産生を示す(前出を参照のこと)。
【0318】
(R含有HDHAの生合成におけるCOX−2およびASAの役割)
炭素17におけるアルコール基のキラリティー(図1B)を、滲出液由来の17−HDHAと一致する生成物について、キラルHPLCカラムを使用して確立した。17位の炭素におけるアルコールは、優先的にR配置であることを示した(>95%;n=4)。このことは、この化合物が、インビボで形成される、酵素起源の、以前には未知であった全く新規な生成物であることを示す。例えば、17S−HDHAは、ラセミ体の約50:50の比のR/S混合物における、15−リポキシゲン化または自己酸化を介して、生成される(40、41を参照のこと)。従って、滲出液由来の17R−HDHAとしてのR配置のアルコール基(図1)の存在は、酵素起源の指標であった。COX−2の基質チャンネルは、COX−1より大きく(26)、このことは、アラキドン酸より大きい基質の可能性を示唆する。このことと一致して、DHAは、rhCOX−2によって、13−HDHAに形質転換された(図2;左側のパネル)。得られたMS−MSは、13位の酸素付加と一致し(すなわち、m/z193およびm/z221)、そしてCOX−2をアスピリンで処理して触媒部位におけるセリンをアセチル化した場合(1、26、42)、DHAは、17R−HDHAに酵素的に転換された(図2;右側のパネル)。m/z343[M−H]、325[M−H−HO]、299[M−H−2HO]281[M−H−HO−CO]、245および274におけるMS−MSおよび診断イオンは、17炭素アルコール基に一致し、そして参照物質を用いるキラルHPLCを使用するキラル分析(方法を参照のこと)は、アスピリンでアセチル化されたCOX−2によるDHAの転換が、優先的に(>98%)17R−HDHAを生じることを示した。COX−2の生成物は、炎症性滲出液(図1)においてインビボでアスピリン処理を用いて同定された優勢な17−ヒドロキシ含有DHA由来化合物の物理的特性と一致した。以前にDHAを転換しないことが示された(43)シクロオキシゲナーゼ−1とは異なり、表1および図2における組換えCOX−2を用いた結果は、この酵素のアスピリン処理が、優先的に17R−HDHAを生成することを示す。通常使用される他の非ステロイド蛍光炎症性薬物(すなわち、インドメタシン、アセトアミノフェン、またはCOX−2インヒビター(例えば、NS−398))は、認容可能な量の17R−HDHAを与えなかった。アスピリンでの処理は、17位での酸化対13位での酸化の間の、相互関係を与えた。これらのインキュベーションにおいてまた、インドメタシン、アセトアミノフェン、およびNS−398の各々は、DHAの酸化全体を減少させた[13−HDHAおよび17−HDHAに対して(表1を参照のこと)]が、ASAが17R−HDHAを生成する能力を共有しなかった。直接的な比較のために、C20:4の、ASAアセチル化COX−2による15R−HETEへの転換(67%±5%基質転換;n=3)を、DHAの17R−HDHAへの転換と並行してモニタリングした(52±3%;平均±標準偏差;n=3)。
【0319】
(新規化合物の脳および脈管での生合成)
脳において、COX−2は、構成性プールおよび誘導性プールにおいて存在する(28、44)。図3(AおよびB)における結果は、アスピリン処理された脳が、DHAの内因性供給源から生成された17R−HDHAを含んだことを示す。脳内での17R−HDHAの生成に関与する可能な細胞型を確認するために、ヒト小グリア細胞をTNFα(これは、COX−2の発現をアップレギュレートした)に曝露し、続いて、ASAおよびアゴニストイオノフォアA23187で処理した。ヒト小グリア細胞は、ASA依存性の様式で、17R−HDHAを生成した(図3C)。低酸素症もまた、COX−2を誘導することが公知であり(45)、そしてサイトカインIL−1βに曝露され(内皮細胞は、炎症性遺伝子座において、または虚血事象と共に遭遇され得るので(23))、アスピリンで処理された低酸素症内皮細胞は、17R−HDHAの供給源であった(図4)。
【0320】
興味深いことに、ASA処置の非存在下では、17S−HDHAおよび対応する17S−ヒドロキシ含有ジHDHAおよびトリHDHAは、マウス滲出液およびヒト細胞における生成物であった。これらの形成は、COX−2−ASAではなく15−リポキシゲナーゼが、連続的なリポキシゲン化反応において生合成を開始して、ジヒドロキシDHAおよびトリヒドロキシDHA(すなわち、7S,17S−ジHDHA、10,17S−ジHDHA、4S,17S−ジHDHA、4S,11,17S−トリHDHA、および7S,8,17S−トリHDHA;表2を参照のこと)を生成する点で、本発明の生合成とは異なる。
【0321】
(新規化合物の生物活性)
小グリア細胞は、宿主の防御および神経組織における炎症に関与するので、ヒト小グリア細胞を、COX−2生成物である13−HDHAおよび17R−HDHA(各々100nM)と一緒にインキュベートして、これらが炎症性媒介物質の生成に対する影響を有するか否かを決定した(図5Aの挿入図)。nMの濃度で、これらの新規シクロオキシゲナーゼ−2生成物は、17含有ジヒドロキシHDHA化合物およびトリヒドロキシHDHA化合物と同様に、TNFαによって誘導されるサイトカイン産生を、見かけのIC50約50pMで阻害する(図5A)。次に、HDHAを、これらがヒトPMNの経内皮移動を調節する能力について試験した。nMの範囲で、COX−2由来のモノヒドロキシDHA生成物のいずれも、内皮細胞単層を横切るPMNの移行に対する直接的な影響を有さなかった(図5B)。この知見は、EPA由来のエイコサノイド生成物とアラキドン酸由来のエイコサノイド生成物との両方を用いて得られた結果(これらは、PMN移行をインビトロで直接ダウンレギュレートする(2、3))と対照的である。直接的な比較の目的で、ASAで誘発されたEPA経路の生成物18R,5,12−トリHEPE(ANOVAによってp<0.01)(Ref.2を参照のこと)を用いた結果を、15−エピ−16−パラ(フルオロ)−フェノキシ−リポキシンA(ANOVAによってp<0.01)(アスピリン処理によってアラキドン酸から生成される、アスピリンによって誘発される15R−リポキシンAの安定なアナログ(10、37))を用いて得られた結果と比較した。
【0322】
(ヒトPMNによる新規ドコサノイドの生合成:滲出液において一致した細胞−細胞相互作用生成物)
次に、PMNは、炎症の間、脈管細胞と相互作用するので(7)、白血球の寄与を、炎症性滲出液中に存在する新規ジヒドロキシ化合物およびトリヒドロキシ化合物の生成において評価した(図1A〜D)。この目的で、ヒトPMNを、ザイモサン、およびASAで処理されたCOX−2または内皮細胞によって生成された17R−HDHAに曝露した。食菌作用において係合したPMNは、17R−HDHAを、ジヒドロキシDHAとトリヒドロキシDHAとの両方に形質転換する(図6)。m/z359においてモニタリングされる場合に、主要な転換は、7S,17R−ジHDHAおよび10,17R−ジHDHAを含むジ酸素化生成物であり、より少量の4S,17R−ジHDHAが、主要なジヒドロキシ含有生成物として存在した(図6)。さらに、m/z375においてモニタリングされた、新規17R−トリヒドロキシ含有生成物(4S,11,17R−トリHDHAが挙げられる)、およびトリヒドロキシテトラエン(7,8,17R−トリHDHAを含む)のセットが存在した(表2を参照のこと)。ヒトPMNによって形成されるこれらの化合物は、インビボで生成される滲出液内で生成されたものと、両方のクロマトグラフィー挙動が一致し、そしてこれらの傑出したイオンが、これらのそれぞれの質量分析において存在した。図7に示される、ASAで処理されたマウスの滲出液からのLC−MSおよびオンラインUVダイオードアレイプロフィールは、トリエン発色団およびテトラエン発色団を保有する、両方のセットの17Rシリーズのジヒドロキシ含有生成物およびトリヒドロキシ生成物の、インビボでの生成を示す(表2を参照のこと)。これらのトリヒドロキシ−DHA生成物の供給源は、概略的に示されるように、7S,17R−ジHDHAまたは4S,17R−ジHDHAのいずれかの炭素22において、p450様反応を介するω−1ヒドロキシル化を含み(Ref.6および図8を参照のこと)、このことは、同様に、LTBのω−酸化生成物である20−OH−LTBの形成(2、3、6)のような、ロイコトリエンと同様の不活性化経路生成物を表す。
【0323】
活性化PMNによる17R−HDHAの形質転換は、5−リポキシゲナーゼおよびそれぞれ4S−ヒドロ(ペルオキシ)−17R−ヒドロキシ含有中間体および7S−ヒドロ(ペルオキシ)−17R−ヒドロキシ含有中間体の形成を介してtriHDHA産物を与えたLTAシンターゼ反応に関する。各々は、加水分解を介して開環し、4S,11,17R−triHDHAを生じるか、ジオール(例えば、トリヒドロキシテトラエンセット7S,8,17R−triHDHA(図4,7および8を参照のこと))への平行な経路において開環するエポキシド含有中間体(すなわち、4(5)エポキシドもしくは7(8)エポキシド中間体)に変換された。PMNにより使用されて17R−HDHA前駆体を変換する機構は、ヒトPMN5−リポキシゲナーゼ(これは、ジャガイモ5−リポキシゲナーゼ(46)と共に例示されるようなリポキシ化工程およびエポキシ化工程の両方を実施する)の能力を生成するエポキシドについて確立され、かつ同定されるものと類似であるように見える。ヒトPMNにより17R−HDHAの変換は、アラキンドン酸のロイコトリエンBまたはリポキシンならびに最近発見された18RシリーズのEPA産物(4,9)のいずれかへの変換について確立されるものと類似の特徴を示した。これらは、これらの化合物を生成するタンデムな「1ポット」インキュベーションにおいて加えられ、そしてヒトPMNおよびマウス滲出物のものと適合された、植物(5−LOジャガイモまたは15−LOダイズ)およびヒト酵素の両方を使用する事象のインビボヒト生合成配列をモデル化した(方法および表2を参照のこと)。17R−HDHAでの発見は、目的のものである。なぜなら、Sイソマー17S−HDHA、15−リポキシゲナーゼの産物は、内因性基質(47)からのロイコトリエンのヒト好中球5−リポキシゲナーゼ産生を阻害し得る。これらの株と共に、17R−HDHAは、単離されたジャガイモ5−LOにより、それぞれ4S,17R−diHDHAおよびS7,17R−diHDHAに還元された4S−ヒドロ−(ペルオキシ)−17R−HDHA含有生成物および7S−ヒドロ−(ペルオキシ)−17R−ヒドロキシ含有生成物の両方に変換されたことが見出された。これら、ならびにトリヒドロキシ−DHA(表2を参照のこと)は、新しい産物であり、そして17R−HDHAが5−リポキシゲナーゼおよびそのエポキシダーゼ活性についての基質であることを示す。GC−MS分析と共に産生される化合物の生体合成および物理的特性(すなわち、メチルエステルトリメチルシリル誘導体の主なイオン)は、LC−MS−MS(表2を参照のこと)を使用する誘導体化なしで得られるフラグメントと一致し、そして推測された構造を支持し、そしてマウス滲出物とDHAからのヒトPMN生合成の両方であった(モノヒドロキシ生成物については29を参照のこと)。興味深いことに、ヒトPMNに加えられる場合、17R−HDHAは、ヒトPMNと共にインビトロで、そしてマウス滲出物の両方でロイコトリエンの処方を阻害した。
【0324】
(レソルビンの腹膜炎および空気ポーチにおけるPMN漸増の阻害:抗炎症特性(静脈内および局所的))
17R−HDHAは、インビトロで好中球移動を直接阻害しなかったが、17R−HDHAは、腹膜炎ならびに皮膚空気ポーチ(図5C)におけるインビボでのPMN滲出細胞数を調整した。また、17R−HDHAは、ジヒドロキシ含有化合物およびトリヒドロキシ含有化合物の両方と同様に、ザイモサン誘導腹膜炎の有力な阻害剤だった(すなわち、7S,17R−diHDHAおよび4S,11,17R−triHDHA)。ザイモサン誘導腹腔内に静脈内投与される場合、PMN漸増を阻害する能力に加えて、17RヒドロキシHDHA誘導ジヒドロキシ含有生成物およびトリヒドロキシ含有生成物は、静脈内投与される場合、ならびに局所に局所投与される場合、ロイコサイト漸増の空気ポーチへの有力な調節因子であることが分かった(図5C)。従って、本結果は、ヒトロイコサイトおよびマウスロイコサイトが、17R−HDHAを新規な一連の17R−ヒドロキシ含有ジHDHAおよびトリHDHAに変えることを示す;すなわち、ASA誘発された循環はDHAを利用し、一連の17Rのデコサノイドを産生する(図8)。
【0325】
本結果は、滲出物中の細胞を発現するシクロオキシゲナーゼ−2およびアスピリンで処理された脳が、酵素でオメガ−3DHAを炎症消散において生物活性特性を有する以前に認識されていない化合物(すなわち、一連の新規な17Rのジヒドロキシデコサヘキサエン酸およびトリヒドロキシデコサヘキサエン酸)に変形する。これらの組織中に存在しているASAアセチル化COX−2は、ジヒドロキシ含有新規デコサノイドおよびトリヒドロキシ含有新規デコサノイドの両方へのロイコサイト中のリポキシ化およびエポキシ化を介して有力な生物活性の一連の17Rに変換される優勢な17R−HDHAを産生する(図8を参照のこと)。DHAは、哺乳動物組織および魚組織において脂肪酸の最も飽和されていないオメガ−3ポリエンファミリーである。ヒトにおいて、DHAは、脳、網膜および精巣(28,48)に大量に存在する。DHAのレベルは、大人のヒト脳において年齢と共に増大し、これは、最適な神経系発達(49)について必要とされ、そしてDHAは、網膜上皮光受容体において迅速にエステル化され、休止ヒト好中球(28,50)のリン脂質に入る。高いマイクロモル濃度の値で、DHAは、生理学的役割および神経性組織においてRXRと結合する神経性電位型Kチャネル(51)上の直接の作用の両方を有するよう保持され、そして心臓保護(21)である魚油栄養補給物の活性化合物であるよう保持される。また、DHAの追加は、cftr−/−マウス(53)における嚢胞性線維症と関連する病理を治し得、そして一変し得る。しかし、これらの研究(21、51、52)の結果または多くの報告された臨床的試行の結果から、DHAが目的の生物学的システムを調整するDHAそれ自体に起因する多くの報告された特性について責任がある有力な生物活性構造に対する前駆体であるか否かは、明らかではない。
【0326】
アラキドン酸エステルにおいて作用する3つの主要なリポキシゲナーゼ(すなわち、5−LO、12−LO、および15−LO)は、それぞれDHAをS−含有産物に変換するが、免疫系またはその他におけるその機能は明らかではない。脳において、松果体の12−リポキシゲナーゼは、DHAを14S−HDHAに変換し、15−リポキシゲナーゼは、DHAを17S−HDHAに変換する)40)。DHAはまた、ヒト好中球によって7S−HDHAに変換され、7S−HDHAは、走化性を促進せず(31)、そして網膜は、リポキシゲナーゼを介してDHAをモノ−ヒドロキシ産物およびジ−ヒドロキシ産物の両方に変換する(28)。COX−1についての基質ではない(43)が、酸化イソプロスタン様化合物もまた、DHAから産生され得、これは酸化遊離ラジカル触媒事象を反映すると考えられる(54)。従って、神経組織、白血球、および炎症性滲出液から産生されたドコサノイドの新規の17R−ヒドロキシシリーズは、本実験において明らかにされ、そしてその役割は、炎症回復において重要であり、プロセスは多くのヒト疾患に関連すると考えられる。
【0327】
EPAおよびDHAの両方を含むω−3魚油は、多くの慢性疾患の処置において有利な影響を有し得(例えば、心臓血管疾患、アテローム硬化症および喘息、ならびに抗腫瘍特性および抗増殖特性(15、55))、その使用についての分子原理は、重要であり続ける。初期の研究の多くは、ω−3PUFA(すなわち、EPAおよびDHA)の取り込み、すなわちリン脂質および多くのヒト組織の他の脂質貯蓄物へのそのエステル化に焦点を当てており、これは、幾つかの細胞において内在性アラキドン酸の前炎症有効性をプロスタグランジンへの処理について低下させる(55)。結果の身体は、ここで、前炎症性の役割に加え、細胞間相互作用の間に形成された特定の15−リポキゲナーゼ、5−LOおよび/またはLO−LO相互作用産物(例えば、リポキシン)が、回復を促進する内在性抗炎症性媒介物として寄与することを示し得る(9、10、12)。他のリポキシゲナーゼ由来のエイコサノイドのように、リポキシンは、その作用を惹起するための正確な立体化学的必要性を有するナノモル未満のレベルで強力に局所作用する(4、9)。従って、18Rおよび15Rシリーズ産物のEPAからの産生は、PMN遊出を阻害し、そして低ナノモル範囲内の炎症は、ポリエン脂肪酸のω−3ファミリーから産生された化学的媒介物産物(すなわち、近年COX−2 EPAから同定された化合物またはこの結果から同定されたDHA由来の化合物)において機能的余剰性を強調する(図6〜8)。アルコールのキラリティを僅かに変える(すなわち、SからRへ)これらの低分子量媒介物は、化合物を活性型から不活性型へまたはその逆に変化させ得る(3、4、9)。これに関連して、アラキドン酸またはEPAおよびEPA由来の18Rシリーズ、ならびにDHA由来の17R−ヒドロキシシリーズのいずれかから産生される15R−ヒドロキシ含有化合物は、炎症回復において、それぞれ類似の機能的余剰性を示す。従って、炎症性滲出液におけるモノ−酸化産物およびジ−酸化産物の両方の17Rシリーズを明らかにすることおよびHDHAにおける17R−ヒドロキシル立体構造の産生におけるCOX−2についての役割は、ここで初めて記載され、多くの前炎症性シグナルを抑制するかまたは対向し、回復を促進する媒介物の全体の機能的余剰性を考察するための新しい手段を開く。
【0328】
シクロオキシゲナーゼ−2は、殆どの炎症性細胞型で誘導されるが、また、神経組織および血管組織において、構成的でもあり得る(44、56)。シクロオキシゲナーゼ−2における基質トンネルの拡張の重要性は、この酵素のインビボでのその局在性における生理学的役割の可能性を考える場合、重要となる。ここで、多くの研究から、他の非ステロイド性抗炎症薬物から離れて、アスピリンが有用な効果を有することが明らかになる(57、58)。これに関連して、アスピリンは、シクロオキシゲナーゼの両イソ型(COX−1およびCOX−2)をアセチル化する独特の能力を有する。DHAは、虚血心臓(22)において心保護的であり、そしてCOX−2は、プレコンディショニング(19)および回復(12)に関わることもまた、注目すべきである。本発明は、DHAが前駆体であり、そしてアスピリンアセチル化COX−2を介してインビボで炎症部位において(図1)、マウス脳において(図3)、そしてアセチル化組換えCOX−2によってインビトロで(図2)、17R−HDHAに変換されることを提供する。小グリア細胞によりピコモル濃度範囲の転写レベルで13R−HDHAおよび17R−HDHAの両方は、サイトカイン産生を阻害する(図5A)。ヒト小グリア細胞は、アスピリンおよびTNFα(COX−2発現をアップレギュレートする)を与えられた場合、これらの17R−HDHAシリーズ産物を産生する(図3C)。さらに、マウス炎症性滲出液は、新規のジ−ヒドロキシ産物およびトリ−ヒドロキシ産物を産生し、これらはまた、ヒトPMNによって17R−HDHAの経細胞プロセシングを介して産生され得る。アセチル化COX−2由来17R−HDHAの経細胞プロセシングのために提唱された経路は、血管炎症関連事象の間に二原子酸素添加中間体および新規のジHDHAを形成するエポキシ化を強調する。この経路を図8に示す。
【0329】
これらの構造および関連する構造は、図8で示すように細胞間相互作用を介して産生され得るかまたは一細胞型であり得るが、理論的にはまた、幾つかの連続的酸化経路を介して、1つの酵素によっても産生され得る(図8の説明を参照)。これらの産物が、生体の総合成によって産生され、局所投与を介して空気嚢内に加えられる場合、これらは、TNFα誘導白血球浸潤を阻害する。また、これらの化合物のi.v.投与により、マウス空気嚢およびザイモザン誘導性腹膜炎の両方において、白血球補充を阻害した(図5)。合わせると、これらの結果は、アスピリンアセチル化COX−2由来産物が、サイトカイン産生および炎症部位への白血球(すなわち、好中球)補充をダウンレギュレートすることを示す。EPA由来5,12,18Rシリーズ産物は、15−エピ−リポキシンAの強力な安定なアナログとして、白血球漏出および滲出液形成の阻害において有効であることを証明した(図5Cを参照)。17R−HDHAは、これらの条件でヒトPMN遊出に対して直接の影響を有さないが、インビボの滲出液PMN数を減少しそしてヒト小グリア細胞における遺伝子発現を制御するため、作用の多レベル機構が、このASA誘発経路のインビボ特性に関することは大いにあり得る。さらに、EPA由来の18Rシリーズおよび17RシリーズDHA由来ヒドロキシ含有化合物における経路間の機能的余剰性は、PMN滲出液数を調節する能力を共有する(図5)。
【0330】
アラキドン酸由来リポキシンがPMN輸送を阻害すること、および内在性抗炎症性媒介物として寄与する一方で非燃焼様式で単球を活性化する(11、59)こと、ならびに炎症部位でマクロファージによるアポトーシスPMNの取り込みを賦活化する(28)ことは、アラキドン酸前駆体からの全てのリポキシゲナーゼ経路産物は、「前」炎症性であることを示す。より長い半減期およびバイオアベイラビリティにより、これらの局所作用脂質媒介物の代謝的に安定なアナログは、インビボでアラキドネートに由来し、そして総有機合成によって調製され、回復を促進する(37)その役割についてさらなる証拠を提供する総有機合成によって調製される。さらに、これらの結果は、新規の回復特性が、回復の増強に関する機構を有するより大きなクラスの内在性化合物に属することを示唆する。また、抗炎症と増強した内在性抗微生物活性(13)との間のリポキシンによる連結、およびアスピリン誘発リポキシンは、宿主の防御および炎症の後遺症のクリアランスおよび回復において、細胞間連絡および経細胞生合成の重要性についての独特の前例を示す。
【0331】
17Rシリーズ酸化DHA産物を開示する結果ならびにエイコサペンタエン酸由来の15Rおよび18Rシリーズを原型として(2)開示する結果は、合わせて、ヒト疾患に関して有利な作用を有する局所作用脂質媒介物の産生は、重要な前駆体として、アラキドン酸のみを制限しなくてもよいことを示唆する。また、これらの結果は、経細胞生合成が、アスピリンによるDHA処理により惹起される以前は知られていなかった経路を明らかにする。アセチル化COX−2は、「R−酸化」機構において作用し、DHAからジ−ヒドロキシドコサノイドおよびトリ−ヒドロキシドコサノイドの17RシリーズへのDHAの変換を開始する。ジ−ヒドロキシドコサノイドおよびトリ−ヒドロキシドコサノイドの17Rシリーズは、インビボで炎症において、ω−3 EPA由来18R−シリーズ産物と同じく、ダウンレギュレート作用を示す。従って、一旦炎症が開始されると、ω−3補充によるアスピリン処理において、これらの経路は、血管組織において操作可能であり、15−エピ−リポキシンまたはEPA由来の18Rシリーズ産物および15Rシリーズ産物のいずれかの媒介物と類似のアスピリン誘発脂質媒介物としての特徴を有すると考えられる脂質産物を生成する。これらの化合物は、リポキシゲネーション、その後のエポキシド化およびその後の工程を介して、産生される(図8および文献2を参照)。アスピリンの非存在下で、COX−2がDHAを13−HDHAに変換するという発見もまた重要であり、これは以前未知の経路であり、構成的にCOX−2を発現する組織にも関連し、回復、誘導および15−リポキシゲナーゼ(19)による10,17S−ジHDHAおよび7S,17S−ジHDHAへの変換の間、ジヒドロキシDHA産物(4,13−ジHDHA、7,13−HDHA、および13,20−ジHDHA)にも変換する(図10、図11、図12および図14)。
【0332】
アセチル化COX−2からの経細胞生合成を介したω−3−由来産物の特徴は、明らかに機能的余剰様式で(すなわち、17R−HDHAシリーズ、18R−HEPAシリーズおよび15R−HEPAシリーズ)、炎症において事象を抑制すると思われるため、用語「レソルビン」が、新規の化合物および生作用のファミリーについて導入される。レソルビンは、定義として、炎症回復期の間に内因的に産生され、そして白血球滲出細胞数をダウンレギュレートし、整然とかつ時宜を得た回復を調製する。この結果は、ジヒドロキシDHA経路およびトリヒドロキシDHA経路17Rシリーズが、炎症に関連するモデルにおいて強力であることを示す。EPAおよびDHAについての臨床作用の多くの報告の視点から、これらの化合物が、他の組織においても作用を有する可能性が高く、ここで、高濃度のこれらのPUFAは、インビトロで応答を惹起するために使用され、必須である。本発明の結果は、炎症回復の部位における細胞間相互作用が、ω−3脂肪酸を利用して、新規のω−3由来産物(レソルビンと呼ばれる酸化生作用産物の17R−HDHAシリーズおよび18R−HEPEシリーズを含む)を産生することを示す(図8および図13)。その強力な作用ゆえに、レソルビンの産生は、一部、慢性的免疫および血管疾患におけるω−脂肪酸(15〜22)の有利な作用に裏付けられた原理を提供し、ならびに治療開発のための新規のバイオテンプレートとして寄与する。
【0333】
(表1:DHAのCOX−2変換におけるNSADの影響)
【0334】
【表1】

結果は平均SEMであり、n=3である。産物を抽出し、同定し、そして重水素内部標準およびLC−MS−MSを使用して定量した(方法を参照)。NSAIDを、ヒト組換えCOX−2と共に30分間インキュベートした(方法を参照);ASA[2mM]、インドメタシン[200gM]、アセトアミノフェン(500μM)、およびNS398(100)μM)。
【0335】
(参考文献)
【0336】
【数1】

【0337】
【数2】

【0338】
【数3】

【0339】
【数4】

【0340】
【数5】

【0341】
【数6】

【0342】
【数7】

【0343】
【数8】

本発明は、好ましい実施態様を参照して記述されているものの、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細を変更し得ることを認識している。本明細書中で引用した全ての出版物および参考文献の内容は、背景の節にあるものを含めて、本明細書中で参考として援用されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の発明。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−49712(P2013−49712A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−261696(P2012−261696)
【出願日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【分割の表示】特願2010−12499(P2010−12499)の分割
【原出願日】平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願人】(500115022)ザ ブライハム アンド ウイメンズ ホスピタル,インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】