レチノイドを有し、または、有しない19ノル含有ビタミンD類似体を経口投与または局所投与することでにきびその他の皮膚状態を治療するための化合物、組成物、キット、および、方法
本発明は、にきび、 面皰、乾癬、魚鱗癬、光による老化、又は、光により損傷した皮膚、及び、皮膚がんなどの様々な皮膚疾患を治療するための方法、経口医薬組成物、局所医薬組成物、及び、キットに関する。有効成分であるビタミンD類似体として、例えば、2-メチレン- 19-ノル-20(S)-1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール、19-ノル-26,27-diメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3、2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシ-(l 7E)-17(20)-デヒドロ-19-ノル-ビタミンD3、2-メチレン-19-ノル-(24R)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD2、2-メチレン-(20R,25 S)-19,26-ジノル- 1α,25 -ジヒドロキシビタミンD3、2-メチレン-19-ノル-1α- ヒドロキシ-プレグナカルシフェロール、1α-ヒドロキシ-2-メチレン-19-ノル-ホモプレグナカルシフェロール、(20R)-1α-ヒドロキシ-2-メチレン-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α-ヒドロキシ-トリスホモプレグナカルシフェロール、2-メチレン-23,23-ジフルオロ- 1α-ヒドロキシ-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール、2-メチレン-(20S)-23 ,23-ジフルオロ-1α-ヒドロキシ-19-ノル- ビスホモプレグナnカルシフェロール 、(2-(3 'ヒドロキシプロピル- 1 ' ,2 ' -イデン)- 19,23 ,24-トリノル-(20S)-1α-ヒドロキシビタミン D3、2-メチレン-18, 19-ジノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3、その立体異性体、経口組成物に含まれるそのプロドラッグ、その塩、及び/又はその溶媒和物などが挙げられる。レチノイン酸受容体、例えば、レチノイル類及びレチノイルエステル類を活性化する化合物として、13-シス-レチノイン酸、オール-トランス-レチノイン酸、(2E,4E,6Z,8E)-3,7-ジメチル-9- (2,6,6-トリメチル-l- シクロヘキセニル)ノナ-2,4,6,8-テトラエン酸、 9-(4-メトキシ-2,3,6-トリメチル- フェニル)-3,7-ジメチル-ノナ-2,4,6,8-テトラエン酸、 6 - [3- l-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸 、4-[1-3,5,5,8,8 -ペンタメチル-テトラリン-2-イル) エテニル ]安息香酸、レチノ安息香酸、エチル6-[2-(4,4-ジメチルチオクロマン-6-イル)エチニル]ピリジン-3-カルボン酸塩、レチノイルt−ブチレート、レチノイルピナコール、レチノイルコレステロール、その異性体、経口組成物用のそのプロドラッグ、そのエステル、その塩、及び/又は、溶媒和物などが含まれる。かかる有効成分の組み合わせは、相乗効果があることがまた証明された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2006年12月29日付けで出願された米国仮特許出願60/882,705号(政府との共同出願である。)に基づく優先権主張を伴うものである。この仮特許出願の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0002】
この出願は、発明の名称「(20S)-23,23-ジフルオロ-2-メチレン-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール-ビタミンD類似体」として2007年12月28日付けで出願された米国仮特許出願61/017,217号(政府との共同出願である。)に基づく優先権主張を伴うものである。この仮特許出願の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0003】
この出願は、発明の名称「(20R)-23,23-ジフルオロ-2-メチレン-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール-ビタミンD類似体」として2007年12月28日付けで出願された米国仮特許出願61/017,219号(政府との共同出願である。)に基づく優先権主張を伴うものである。この仮特許出願の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0004】
この出願は、2004年1月16日付けで出願された出願番号10/758,767(米国公開番号2004/0167215)に関連する。
【0005】
この出願は、2006年10月24日に許可された米国特許7,126,017号に関連する。
【背景技術】
【0006】
天然および合成レチノイド化合物類は、様々な過剰増殖性皮膚疾患(hyperproliferative skin disorder)の治療、並びに、その他の皮膚疾患、例えば、にきび、乾癬、しわ、太陽で痛んだ肌(sun-damaged skin)、年齢スポット(age spot)の治療に用いられている。文献[Fox LP et al., Goodman & Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, Section XIII-Dermatology, 11th Ed.]参照。多くの場合、レチノイド類は局所的に適用される。レチノイン酸は、重度のにきびの治療のために経口投与される。例えば、アキュテイン(Accutane;登録商標)は、13-シスレチノイン酸(「イソトレチノイン」(isotretinoin)とも呼ばれる。)を含有するが、かかる成分は、レチノイン酸(retinoic acid)とレチノール(retinol)(即ち、ビタミンA)の両方に関係する。文献[Remington, The Science and Practice of Pharmacy p. 1288-1289, 21<st> Ed.]参照。アキュテイン(登録商標)は、皮脂腺の機能と角質化を抑制できる0.5〜2.0mg/kg/日の投与量(容量)で経口投与することによる結節性座瘡(nodular acne)および角質化(keratinization)の治療について承認されている。
【0007】
レチノイド類は、ビタミンAに構造的に関連する天然および合成化合物である。オール-トランス-レチノール(all-trans-retinol)は、ビタミンAの主な循環型(circulating form)である。これは、体内で以下のように酸化される:先ずオール-トランス-レチノールはレチナールデヒドに酸化され、その後、オール-トランス-レチノイン酸(atRA)に酸化される。文献[Blomhoff et al., 1992, Annu. Rev. Nutr. 12:37-57; and, Moise et al., 2007, Biochemistry 46:4449-4458]参照。atRAは、成長、細胞の分化、及び、胚発生を調節するビタミンの機能型(functional form)である。一方で、オール-トランス-レチナールデヒドは、視覚サイクル(visual cycle)で作用する。文献[Clagett-Dame et al., 2002, Annu. Rev. Nutr. 22:347-381]参照. atRAは、そのように強力な調節分子がゆえに、微量で生成され、かつ、迅速に代謝されてしまう。つまり、その半減期は、非常に短い。文献[Roberts et al., 1967, Biochem. J. 102:600-605]参照。
【0008】
レチノイド類の全身投与は、粃糠疹(pityriasis)、紅色粃糠疹(rubra pilaris)、尖圭コンジローム(condylomata accuminata)、皮膚がん、酒さ(rosacea)、汗腺膿瘍(hidradenitis suppurativa)、環状肉芽腫(granuloma annular)、紅斑性狼瘡(lupus erythematosus)や扁平苔癬(lichen planus)などの疾患に対して処方されている。文献[Akyol M et al., 2006, Am. J. Clin. Derm. 6(3), 175-184]参照。
【0009】
レチノイド類の局所投与は、主に皮膚の炎症(例えば、発赤、灼熱)、乾燥、光反応(photosensitivity reaction)といった福作用によって大幅に制限されている。文献[Akhavan et al., 2003, Am. J. Clin. Dermatol. 4:473-492]参照。レチノイド類の経口投与は、催奇形性(胎児の奇形)、アミノ基転移酵素、トリグリセリド、及び、コレステロール値の上昇、骨における鉱物質消失(bone demineralization)、並びに、局所投与に関連したその他の副作用(例えば、粘膜の乾燥、及び、光過敏症)といったより深刻な副作用をもたらすということでさらに制限されている。文献[Armstrong et al., 1994, The Retinoids, pp. 545- 572; and, DiGiovanna, 2001, J. Am. Acad. Dermatol. 45:S176-S182]参照。このような数多くの様々な副作用によって、レチノイド類の医療や医薬品としての使用(特に、皮膚治療への使用)が実質的に制限されていた。
【0010】
また、レチノイン酸およびその他の合成レチノイドは、レチノイン酸受容体 ("RARs")として知られている核たんぱく質類に結合し、その転写作用を調節すると考えられている。文献[Chambon, 1996, FASEB J. 10:940-954; Clagett-Dame et al., 1997, Crit. Rev. Euk. Gene Exp. 7:299-342; and, Mark et al., 2006, Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 46:451-480]参照。オール-トランス-レチノイン酸は、PAR類に対する内因性リガンドである。13-シス―レチノイン酸異性体は,PAR類に結合しない。文献[Repa JJ et al., 1993, Proc. Natl. Acad. Sd. USA 90:7293-7297]参照。13-シスレチノイン酸異性体は、受容性結合および活性化に関与するオール-トランス-レチノイン酸に異性化されなければならない。
【0011】
ビタミンD(即ち、カルシトリオール)、及び、様々なその合成類似体が、分化、増殖抑制、及び、免疫調節作用を発揮するということが報告されている。このような化合物は、乾癬などの皮膚病の治療に有効である。文献[Smith EL et al, 1988, J. Am. Acad. Dermatol., 19, 516-528; and Holick, MF, 1989, Arch. Dermatol., 125, 1692-1697]参照。また、カルシトリオール(calcitriol)、及び、治療に有効なその類似体は、核のビタミンD受容体を標的化するために用いることが報告されている。文献[DeLuca HF, 2004, Am. J. Clin. Nutr. (Suppl) 1689S-1696S)]参照。カルシトリオール、及び、その治療に有効な類似体は、表皮内におけるケラチノサイト及びランゲルハンス細胞に直接作用しうるだけでなく、免疫系におけるその他の細胞に対しても直接作用し得る。カルシトリオール及びその様々な類似体の使用(即ち、治療量での使用)は、軟組織のカルシウム沈着、高カルシウム血症、及び、高結石(hypercalcuria)などの副作用によってさらに制限されていた。
【0012】
最近ではビタミンD類似体の新部類として19−ノルビタミンD(19-nor vitamin D)化合物が見出された。19−ノルビタミンD化合物は、(通常のビタミンD分子における)19炭素にあるA−リング環外のメチレン基(A-ring exocyclic methylene group)を2つの水素に置き換えたことを特徴とする。5員環の17炭素にある側鎖の改質(modification)、及び/又は、2位置における更なる置換の結果、天然ホルモンに比べて、生理的有効濃度において、カルシウム血症作用(calcemic)のより少ない薬理活性化合物が得られた。文献[Plum, L.A. et al., Proc. Natl. Acad. ScL USA, 101(18), 6900-9004 (2004)]参照。一部の19−ノル含有ビタミンD類似体は、向上された能力(校能)、及び、組織選択性を示すが、それは、上記類似体が、天然ビタミンD又はその他の選択性の少ない、及び/又は、非選択的類似体に比べて、重要な治療的利点をももたらし得るということを示唆する。文献[Sicinski RR et al., 1998, J. Med. Chem., 41, 4662-4674; and, Shevde NK et al., 2002, Proc. Natl. Acad. ScL USA, 99(21), 13487-13491]参照。
【0013】
にきびは、毛包脂腺ユニット(pilosebaceous unit)の疾患(condition)である。にきびは、非炎症性の面皰(comedone)、炎症性丘疹(inflammatory papule)、膿疱(pustule)、及び、嚢胞(cyst)などを含む広範囲な症状(効果)をいう。経口投与及び局所的に投与されると、レチノイド類は、表皮の過剰増殖を引き起こし、それにより、前記疾病の軽減及び面皰溶解(comedolysis)を可能にする。文献[Fisher GJ et al., 1996, Molecular Mechanisms of Retinoid Actions in the Skin, FASEB. J. 10:1002:21013]参照。非常に効果的であるものの、レチノイド療法は、その副作用(その数及び程度)によって実質的に制限されている。かかる療法は、特に、レチノイド類が経口投与されるときに制限される。文献[Fox LP et al., 2006]参照。したがって、にきびのような皮膚疾患を治療するために、副作用が減少されたレチノイド含有治療剤に対する実質的な要望が強く存在しているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国公開公報2006/0111330号
【特許文献2】米国公開公報2006/0116351号
【特許文献3】米国特許7,232,810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、19−nor含有ビタミンD化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む薬理有効成分(「有効成分」又は「薬理活性成分」とも呼ぶ。)の治療効果のある量(「有効量」とも呼ぶ。)と、医薬として許容される局所担体システム(topical carrier system)含む局所剤形(topical dosage form)に関する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記局所組成物の一例において、19−ノル含有ビタミンD化合物は、以下の化合物、その立体異性体、その塩、及び/又は、その溶媒和物(solute)のうちいずれかである:
【0017】
【化1】
前記化合物は、2-メチレン-19-ノル-20(S)- 1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-20(S)- 1 α-hydroxy-bishomopregnacalciferol)であり、「2MBisP」とも呼ぶ。
【0018】
【化2】
前記化合物は、19-ノル-26,27-ジメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(19-nor-26,27-dimethylene-20(S)-2-methylene-lα,25-dihydroxyvitaminD3)であり、「CAGE-3」とも呼ぶ。
【0019】
【化3】
前記化合物は、2-メチレン- 1α,25-ジヒドロキシ- (17E)-17(20)-デヒドロ-19-ノル-ビタミンD3(2-methylene-1α,25-dihydroxy-(17E)-17(20)-dehydro-19-nor-vitamin D3)であり、「VitIII(17-20E)」とも呼ぶ。
【0020】
【化4】
前記化合物は、2-メチレン- 19-ノル-(24R)- 1α,25-ジヒドロキシビタミンD2(2-methylene- 19-nor-(24R)- lα,25-dihydroxyvitamin D2)であり、「24R-2MD2」とも呼ぶ。
【0021】
【化5】
前記化合物は、2-メチレン-(20R,25S)-19,26-ジノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(2-methylene-(20R,25S)-19,26-dinor-lα,25-dihydroxyvitaminD3)であり、「NEL」とも呼ぶ。
【0022】
【化6】
前記化合物は、2-メチレン-19-ノル-1α-ヒドロキシ-プレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-lα-hydroxy-pregnacalciferol)であり、「2MPregna」とも呼ぶ。
【0023】
【化7】
前記化合物は、1α-ヒドロキシ-2- メチレン- 19-ノル-ホモプレグナカルシフェロール(1α-hydroxy-2-methylene-19-nor-homopregnacalciferol)であり、「2MP」とも呼ぶ。
【0024】
【化8】
前記化合物は、(20R)-1α-ヒドロキシ-2-メチレン-19-ノル- ビスホモプレグナカルシフェロール((20R)-1α-hydroxy-2-methylene- 19-nor- bishomopregnacalciferol)であり、「20R-2MbisP」とも呼ぶ。
【0025】
【化9】
前記化合物は、2-メチレン-(20S)-19-ノル-1α-ヒドロキシ- trisホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-(20S)- 19-nor-1α-hydroxy- trishomopregnacalciferol)であり、「2MTrisP」とも呼ぶ。
【0026】
【化10】
前記化合物は、2-メチレン-(20R)-23,23-ジフルオロ-1α-ヒドロキシ-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-(20R)-23,23-difluoro-lα- hydroxy-19-nor-bishomopregnacalciferol)であり、FF-44」とも呼ぶ。
【0027】
【化11】
前記化合物は、2-メチレン-(20S)-23,23-ジフルオロ-1α- ヒドロキシ-19-ノル-ビスホモプレグナンカルシフェロール(2-methylene-(20S)-23,23-difluoro-lα- hydroxy-19-nor-bishomopregnancalciferol)であり、「FF-55」とも呼ぶ。
【0028】
【化12】
前記化合物は、2-(3'ヒドロキシプロピル-l ',2'-idene)-19,23,24-トリノル-(20S)-1α-ヒドロキシビタミンD3(2-(3'hydroxypropyl-l ',2'-idene)-19,23,24-trinor-(20S)-lα-hydroxyvitamin D3)であり、「HPBS」とも呼ぶ。
【0029】
【化13】
前記化合物は、2-メチレン-18,19-ジノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(2-methylene- 18,19-dinor-(20S)-lα,25-dihydroxyvitamin D3)であり、「VD-03」とも呼ぶ。
【0030】
前記局所組成物(topical composition)に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化14)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量(dose)は、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日である。 前記局所組成物に係る別の例において、担体システム(carrier system)は、30〜70%のエタノールと、70〜30%のプロピレングリコールとを含む。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0031】
【化14】
【0032】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化15)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、14 μg〜0.34 pg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、30%のエタノールと、70%のプロピレングリコールとを含む。
【0033】
【化15】
【0034】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化16)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、4.5mg〜4.5ng/ kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、局所担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0035】
【化16】
【0036】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化17)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、その投与量は、450 μg〜0.45 ng/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0037】
【化17】
【0038】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化18)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、投与量は、4.5 mg〜4.5 ng/kgsw/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0039】
【化18】
【0040】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化19)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0041】
【化19】
【0042】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化20)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0043】
【化20】
【0044】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化21)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0045】
【化21】
【0046】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化22)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、34 mg〜34 ng/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0047】
【化22】
【0048】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化23)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0049】
【化23】
【0050】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化24)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0051】
【化24】
【0052】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化25)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、41 mg〜41 ng/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0053】
【化25】
【0054】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化26)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、11 μg〜0.11 ng/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0055】
【化26】
【0056】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与(適用)することを含むにきびの治療方法に関する。
【0057】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む面皰を減らす方法に関する。
【0058】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む乾癬の治療方法に関する。
【0059】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む魚鱗癬の治療方法に関する。
【0060】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む光による老化(photoaging)、又は、光により損傷した皮膚(photodamaged skin)の治療方法に関する。
【0061】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む皮膚がんの治療方法に関する。
【0062】
また、本発明は、19−ノル含有ビタミンD化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物を含む(医薬)有効成分の治療効果のある量(therapeutically effective amount;本明細書に使用された「有効量」又は「治療効果のある量」などの同意語である。)と、医薬として許容される経口担体システム(oral carrier system)と、含む経口剤形(oral dosage form)に関する。
【0063】
上記経口組成物の一例において、19−ノル含有ビタミンD化合物は、以下の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、及び/又は、その溶媒和物のうちいずれかである。
【0064】
【化27】
【0065】
【化28】
【0066】
【化29】
【0067】
【化30】
【0068】
【化31】
【0069】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化32)、その立体異性体、その塩、そのプロドラッグ、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、7.0 mg〜7.0 ng/kg(体重)/日である。経口組成物に係る別の例において、担体システムは、オイルを含む。
【0070】
【化32】
【0071】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化33)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、700 ng〜0.7 pg/kg(体重)/日である。
【0072】
【化33】
【0073】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化34)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、23 μg to 23 pg/kg(体重)/日である。
【0074】
【化34】
【0075】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化35)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、230 μg 〜230 pg/kg(体重)/日である。
【0076】
【化35】
【0077】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化36)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、230 μg〜230 pg/kg(体重)/日である。
【0078】
【化36】
【0079】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含むにきびの治療方法に関する。
【0080】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む面皰を減らす方法に関する。
【0081】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む乾癬の治療方法に関する。
【0082】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む魚鱗癬の治療方法に関する。
【0083】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法に関する。
【0084】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む皮膚がんの治療方法に関する。
【0085】
また、本発明は、レチノイン酸化合物、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物といった、レチノイン酸受容体を活性化する化合物またはそのプロドラックを含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムとを含む経口組成物(oral dosage form composition)、及び、19-ノル含有ビタミンD化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムとを含む局所組成物(topical dosage form composition)を含む医薬キット(pharmaceutical kit)に関する。
【0086】
前記医薬キットに係る別の例において、19−ノル含有ビタミンD化合物は、次の化合物、その立体異性体、その塩、及び/又は、その溶媒和物のうちいずれかである。
【0087】
【化37】
【0088】
【化38】
【0089】
【化39】
【0090】
【化40】
【0091】
【化41】
【0092】
【化42】
【0093】
【化43】
【0094】
【化44】
【0095】
【化45】
【0096】
【化46】
【0097】
【化47】
【0098】
【化48】
【0099】
【化49】
【0100】
医薬キットに係る別の例において、レチノイン酸受容体を活性化する前記化合物又はそのプロドラッグは、以下の化合物、その異性体、そのエステル、その塩、及び/又は、その溶媒和物のうちのうちいずれかである。
【0101】
【化50】
前記化合物は、13-シス-レチノイン酸(13-cis-retinoic acid)である。イソトレチノイン(isotretinoin)とも呼ぶ。これは、商品名、ロアキュテイン(Roaccutane)、アネスチーム(Annesteem)、クラビス(Claravis)、ソートレット(Sortret)、及び、アキュウ手イン(Accutane)の有効成分である。これらの商品名はいずれも登録商標である。
【0102】
【化51】
前記化合物は、オール-トランス-レチノイン酸(all-trans-retinoic acid)であり、トレチノイン(tretinoin)とも呼ぶ。実験では、オール-トランスRAが使用されたが、それは、前記オール−トランスRAが、プロドラッグである「13−シスRA」(経口薬として承認されたものである。)から誘導された活性型であることに基づく。
【0103】
【化52】
前記化合物は、(2E,4E,6Z,8E)-3,7-ジメチル-9-(2,6,6-トリメチル-l-シクロヘキセニル)ノナ-2,4,6,8-テトラエノン酸((2E,4E,6Z,8E)-3,7-dimethyl-9-(2,6,6-trimethyl-l-cyclohexeneyl)nona-2,4,6,8-tetraenoic acid)であり、 9−シス−レチノイン酸及びアリトレチノイン(alitretinoin)とも呼ぶ。これは、パンレチン(Panretin)(登録商標)の有効成分である。
【0104】
【化53】
前記化合物は、メトキシ-2,3,6-トリメチル-フェニル)-3,7-ジメチル-ノナ-2,4,6,8-テトラエノン酸 (methoxy-2,3,6-trimethyl-phenyl)-3,7-dimethyl-nona-2,4,6,8-tetraenoic acid)であり、アキトレチン(acitretin)とも呼ぶ。これは、ソリアテイン(登録商標)の有効成分である。
【0105】
【化54】
前記化合物は、6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸(6-[3-(1-adamantyl)-4-methoxyphenyl]-2-napthoic acid)であり、アダパレイン (adapalene)及びCD417とも呼ぶ。 これは、ジフェリン(Differin)(登録商標)の有効成分である。
【0106】
【化55】
【0107】
【化56】
前記化合物は、(4-[1-(3,5,5,8,8-pentamethyl-tetralin-2-yl)ethenyl]benzoic acid)であり、ベキサロテイン(bexarotene)及び、LGD1069とも呼ぶ。これはターグレチン(Targretin)(登録商標)の有効成分である。
【0108】
【化57】
前記化合物は、レチノ安息香酸(retinobenzoic acid)であり、タミバロテイン(tamibarotene)とも呼ぶ。これは、アムノイド(Amnoid)(登録商標)の有効成分である。
【0109】
【化58】
前記化合物は、エチル6-[2-(4,4- ジメチルチオクロマン-6-イル)エチニル]ピリジン-3-カルボン酸塩(ethyl 6-[2-(4,4-dimethylthiochroman-6-yl)ethynyl]pyridine-3-carboxylate)であり、タゾロテインとも呼ぶ。これは、タゾラック(Tazorac)(登録商標)、アバゲ(Avage)(登録商標)、ゾラック(Zorac)(登録商標)の有効成分である。
【0110】
【化59】
前記化合物は、レチノイルt−ブチレート(retinoyl t- butyrate)である。
【0111】
【化60】
前記化合物は、レチノイルピナコール(retinoyl pinacol)である。
【0112】
【化61】
前記化合物は、レチノイルコレステロール(retinoyl cholesterol)である。
【0113】
また、本発明は、以下の化合物(化62)、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムとを含む経口組成物、及び、以下の化合物(化63)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムとを含む局所組成物を含む医薬キットに関する。
【0114】
【化62】
【0115】
【化63】
【0116】
前記キットに係る一例において、第1有効量は、5ng/kg(体重)/日〜1mg/kg(体重)/日であり、第2有効量は、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日である。
【0117】
前記キットに係る別の例において、局所担体システムは、エタノール30〜70%と、プロピレングリコール70〜30%とを含む。
【0118】
前記キットに係る別の例において、局所担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0119】
また、本発明は、以下の化合物(化64)、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムとを含む経口組成物、及び、以下の化合物(化65)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムとを含む局所組成物を含む医薬キットに関する。前記医薬キットに係る一例において、前記第1有効量は、50ng/kg(体重)/日〜10mg/kg(体重)/日であり、そして、前記第2有効量は、340mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。前記医薬キットに係る別の例において、前記局所担体システムは、エタノール30〜70%と、プロピレングリコール70〜30%とを含む。前記医薬キットに係る別の例において、局所担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0120】
【化64】
【0121】
【化65】
【0122】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含むにきびの治療方法に関する。
【0123】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む面皰を減らす方法に関する。
【0124】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む乾癬の治療方法に関する。
【0125】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む魚鱗癬の治療方法に関する。
【0126】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法に関する。
【0127】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む皮膚がんの治療方法に関する。
【発明の効果】
【0128】
本発明に記載されたは方法、経口医薬組成物、局所医薬組成物、及び、キットは、にきび、面皰、乾癬、魚鱗癬、光による老化(photoaging)、又は、光により損傷した皮膚(photodamaged skin)、及び、皮膚がんなどの様々な皮膚疾患の治療に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】図1は、面皰の面積を測定した結果を示す。ここで、各面皰の面積は、メタモープイメージングシステム(MetaMorph Imaging System:登録商標)を用いて測定した。このシステムは、個々の面皰の面積値をピクセルにて提供する(線引きした差込領域を参照。)。このシステムは、従来の面皰プロファイリング技術より精密である。
【図2】図2は、atRNAを用いたライノーマウスの治療を示すグラフである。ここで、面皰面積は容量依存的に減少する。ここで、様々な容量のatRAを用いた3週間の経口投与が完了した後、その面皰面積を分析した。0.83ミクロモル(μmole)/kg(体重)の容量では、ビヒクル対照群に比べて面皰の大きさに有意な変化(減少)が見られなかったが、16.6ミクロモル/kg(体重)の容量では、ビヒクル対照群に比べてその面皰面積が最大限減少された。
【図3】図3は、面皰面積を減少させるために、30%(体積パーセント)のエタノール及び70%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含有する担体ビヒクル中に2-メチレン-19-ノル-20(S)-1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール (2MBisP)のみを含むもの、及び、19-ノル- 26,27-ジメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (CAGE-3)のみを含むものを用いて、ライノーマウスに局所治療を施した結果を示すバーグラフである。ここで、3週間の経口治療が完了した後、その面皰面積を分析した。この実験では、2MBisPは5.4 μg/日 (ca. 800 nmole/kg(体重)/日)で局所投与され、CAGE−3は、当初0.9 ng/日 (ca. 100 pmole/kg(体重)/日) で局所投与され、10日目から0.45 ng/日でその容量が減少され、そして、19日目から0.22 ng/日の容量(ca. 25 pmole/kgsw/日)で投与された。ここで、3匹の雄マウスには、19日目に処理を施さなかった。2MBisP及びCAGE-3は、ビヒクル対照群に比べて面皰面積を減少させた。
【図4】図4は、図3に示したように、2MBisPのみ、及び、CAGE-3のみを用いた治療を施した後、ヘマトキシリン・エオジン染色("H&E")を施した雌マウスから得た皮膚断片を示したものである。ここで、2MBisPで治療した結果、面皰面積が減少され、そして、CAGE-3で治療した結果、ビヒクルのみで治療した場合に比べて、面皰面積が減少された。
【図5】図5は、ライノーマウスに2MBisPを220 nmole/kg(体重)/日 及び653 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所投与)したときの面皰面積を示したバーグラフである。ここで、APIは、30%(体積パーセント)のエタノール及び70%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。最小容量の2MBisP単独療法では何ら効果も見られなかったが、それより高容量(2MBisP)では面皰面積がほぼ最大限減少された。
【図6】図6は、ライノーマウスに2MBisPを220 nmole/kg(体重)/日 及び653 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである。ここで、APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された(formulated)。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。220 nmole/kg(体重)/日 容量で2MbisPを局所投与した結果、面皰面積における50%を上回る減少効果が得られた。有効性(efficacy)は、エタノール濃度が増大されるにつれて増加された(図6に使用された担体ビヒクルに比べて)。653 nmole/kg(体重)/日の容量の方では、それより低い容量に比べて、面皰面積におけるより大きい減少効果が見られた。
【図7】図7は、ライノーマウスに2MBisPを22 nmole/kg(体重)/日, 69 nmole/kg(体重)/日、及び、220 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである。ここで、APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。より低い容量の2MBisPの方(すなわち、22 nmole/kg(体重)/日、69 nmole/kgsw/日)では、何ら効果も見られなかったが、より高容量の方(即ち、220 nmole/kg(体重)/日)では、面皰面積が有意に減少された。ここで、有効性は、担体ビヒクル中のエタノールが30%(体積パーセント)から70%(体積パーセント)まで増加するにつれて増大された。
【図8】図8は、ライノーマウスに2MBisPを217 nmole/kg(体重)/日及び694 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)し、そして、別のライノーマウスに20R-2MBisPを217 nmole/kg(体重)/日及び694 nmole/kg(体重)/日の容量で局所投与し、その面皰面積を比較するバーグラフである(全ての処理マウスを、担体ビヒクルのみを局所投与したライノーマウスに比較した)。ここで、APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。ビヒクル処理群に比べて、2MBisPは、両方の容量において、面皰面積を有意に減らすということが確認された。より低容量の20R-2MBisP では、有意な効果が見られなかったが、より高容量の20R-2MBisPでは有意な効果が得られた。かかる結果は、20S位置にメチル基を有する2MBisPの方が、面皰面積の減少(効果)において20R-2MBisPより1/2対数だけ強力であることを示す。
【図9】図9は、ライノーマウスに2MPregna、2MP、2MBisP、及び、2MTrisPを217 nmole/kg(体重)/日の容量でそれぞれ単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである(全ての処理マウスを、担体ビヒクルのみを局所投与したライノーマウスに比較した)。ここで、APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。2MPregna、2MBisP、及び、2MTrisPはそれぞれ前記容量において面皰面積を有意に減少させたが、2MPは前記容量において面皰面積の減少効果が比較的少なかった。
【図10】図10は、ライノーマウスに2MBisPを69 nmole/kg(体重)/日及び 217 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)し、ライノーマウスにFF-44を69 nmole/kg(体重)/日及び217 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)し、FF-55を69 nmole/kg(体重)/日及び217 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである(全ての処理マウスを、担体ビヒクルのみを局所投与したライノーマウスに比較した)。ここで、各APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。より高容量の2MBisP、FF-44及びFF-55では、ビヒクル処理群に比べて、面皰面積において有意な減少が見られた。より低容量の2MbisPでは、面皰面積が増加した。より低容量のFF- 44及びFF-55(単独投与)では、有意な効果は見られなかった。
【図11】図11は、ライノーマウスに2MBisP、FF-44、及び、FF-55をそれぞれ217 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである。ここで、薬剤は、継続的に投与され(全部で22回)、又は、毎週月、水、金曜日に断続的に投与された(全部で10回)。その結果を、それぞれビヒクル処理群の百分率(%)で示した。ここで、各APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。最後に投与(局所)してから72時間が経過した時点においてライノーマウスから皮膚切片を取って、面皰面積を分析した。2MBisP、FF-44、及び、FF-55(継続的投与群)はそれぞれ、ビヒクル処理群に比べて、面皰面積を有意に減少させた。2MBisP、FF-44、及び、FF-55(断続的投与群)は、ビヒクル処理群に比べて、面皰面積を有意に減少させた。
【図12】図12は、 ライノーマウスに2MBisPを522 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与し(経口)、そして、CAGE-3を68 pmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(経口)した際の面皰面積を示したバーグラフである。ここで、24日間の継続的な経口投与後、面皰面積を分析した。両方のAPIは、面皰面積の減少をもたらした。
【図13】図13は、 ライノーマウスに24R-2MD2を2.3 nrnole/kg(体重)/日の容量で単独投与し(経口)、そして、VitIII(17-20E) を24 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(経口)した際の面皰面積を示したバーグラフである。ここで、24日間の継続的な経口投与後、面皰面積を分析したが、面皰面積における有意な減少は見られなかったが。
【図14】図14は、 ライノーマウスにNELを7.5 nmole/kg(体重)/日、及び、25 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(経口)した際の面皰面積を示したバーグラフである。ここで、24日間の継続的な経口投与後、面皰面積を分析したが、面皰面積における有意な減少は見られなかったが。
【図15】図15は、atRAを単独で24日間経口投与されるとともに、局所用ビヒクルを21日間投与されたライノーマウスと、担体(30%(体積パーセント)のエタノール及び70%(体積パーセント)のプロピレングリコール)中の2MBisPを単独で24日間局所投与されるとともに、経口用ビヒクルを24日間投与されたライノーマウス、ならびに、atRAを24日間経口投与されるとともに、2MBisPを21日間局所投与されたライノーマウスにおける面皰面積を示すバーグラフである。ここで、最後にビヒクル又はatRAを投与(経口投与)してから4時間が経過した時点で前記ライノーマウスから取り出した皮膚に対し、面皰面積の分析を行った。ここで、atRA及び2MBisPの併用療法は面皰面積を相乗的に減少させた。ここで、atRAの経口投与と、ビヒクルの局所投与との併用療法では、有意な有効性は見られなかった。2MBisPの局所投与と、ビヒクルの経口投与との併用療法では、有意な有効性は見られなかった。atRAの単独投与、又は、2MBisPの単独投与においても、有意な有効性は見られなかった。ここにいう有効性は、ビヒクル対照群に基づくものである。
【図16】図16は、ヘマトキシリン・エオジン染色を行った雌ライノーマウスから取り出した皮膚切片を示したものである。ここで、前記マウスには、経口用ビヒクル(「ウェッソン(Wesson)」(登録商標)大豆油)中のatRAを単独で経口投与し、局所用ビヒクル(30%エタノール及び70%プロピレングリコール)中の2MBisPを単独で局所投与し、そして、atRA(経口投与)と2MBisP(局所投与)との組み合わせを投与した。ここで、atRAの経口投与だけでは、ビヒクル対照群に比べたときに、皮膚の形態(morphology)における有意な変化は見られなかった。また、2MBisPの局所投与だけでは、ビヒクル対照群に比べたときに、皮膚の形態(morphology)における有意な変化は見られなかった。atRA投与と2MBisP投与とを併行した場合には、面皰の数及び面積が相乗的、かつ、有意に減少された。
【発明を実施するための形態】
【0130】
既存の治療法の有効性(efficacy)を保持しつつ改善された毒性プロファイル(toxicity profile)を有する経口又は局所治療剤についてのニーズが存在していた。
【0131】
本発明は、にきび、 面皰、乾癬、魚鱗癬、光による老化(photoaging)、又は、光により損傷した皮膚(photodamaged skin)、及び、皮膚がんなどの様々な皮膚疾患を治療するための方法、経口医薬組成物、局所医薬組成物、及び、キットに関する。有効成分であるビタミンD類似体として、例えば、2-メチレン- 19-ノル-20(S)-1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-20(S)-1 α-hydroxy-bishomopregnacalciferol,)、19-ノル-26,27-ジメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(19-nor-26,27-dimethylene-20(S)-2-methylene-1 α,25-dihydroxyvitamin D3)、2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシ-(l 7E)-17(20)-デヒドロ-19-ノル-ビタミンD3(2-methylene-1α,25-dihydroxy-(l 7E)-17(20)- dehydro-19-nor-vitamin D3)、2-メチレン-19-ノル-(24R)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD2(2-methylene-19-nor-(24R)-lα,25-dihydroxyvitamin D2)、2-メチレン-(20R,25 S)-19,26-ジノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(2-methylene-(20R,25 S)-19,26-dinor-1α,25-dihydroxyvitamin D3)、2-メチレン-19-ノル-1α-ヒドロキシ-プレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-1α-hydroxy-pregnacalciferol)、1α-ヒドロキシ-2-メチレン-19-ノル-ホモプレグナカルシフェロール(1α-hydroxy-2-methylene- 19-nor-homopregnacalciferol)、(20R)-1α-ヒドロキシ-2-メチレン-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール((20R)-1α-hydroxy-2-methylene- 19-nor-bishomopregnacalciferol)、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α-ヒドロキシ-トリスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-(20S)-1α-hydroxy-trishomopregnacalciferol)、2-メチレン-23,23-ジフルオロ-1α-ヒドロキシ-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-23,23-difluoro-1α-hydroxy-19-nor-bishomopregnacalciferol)、2-メチレン-(20S)-23 ,23-ジフルオロ-1α-ヒドロキシ-19-ノル- ビスホモプレグナnカルシフェロール(2-methylene-(20S)-23,23-difluoro-1α-hydroxy- 19-nor- bishomopregnancalciferol、(2-(3 'ヒドロキシプロピル-1 ',2 '-イデン)-19,23 ,24-トリノル-(20S)-1α-ヒドロキシビタミン D3((2-(3 'hydroxypropyl-1',2 '-idene)-19,23,24-trinor-(20S)-1α- hydroxyvitamin D3)、2-メチレン- 18, 19-diノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(2-methylene-18,19-dinor-(20S)-lα,25-dihydroxyvitamin D3)、その立体異性体、経口組成物に含まれるそのプロドラッグ、その塩、及び/又はその溶媒和物などが挙げられる。レチノイン酸受容体、例えば、レチノイル類(retinoyl)及びレチノイルエステル類(retinoyl esters)を活性化する化合物として、13-シス-レチノイン酸、オール-トランス-レチノイン酸、(2E,4E,6Z,8E)-3,7-ジメチル-9-(2,6,6-トリメチル-l- シクロヘキセニル)ノナ-2,4,6,8-テトラエン酸((2E,4E,6Z,8E)-3,7-dimethyl-9-(2,6,6-trimethyl-l-cyclohexeneyl)nona-2,4,6,8-tetraenoic acid)、9-(4-メトキシ-2,3,6-トリメチル-フェニル)-3,7-ジメチル-ノナ-2,4,6,8-テトラエン酸(9-(4-methoxy-2,3,6-trimethyl-phenyl)-3,7-dimethyl-nona-2,4,6,8-tetraenoic acid))、6-[3-l-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸(6-[3-(l-adamantyl)-4-methoxyphenyl]-2-napthoic acid 、4-[1-(3,5,5,8,8-ペンタメチル-テトラリン-2-イル)エテニル]安息香酸(4-[l-(3,5,5,8,8-pentamethyl-tetralin-2-yl)ethenyl]benzoic acid)、レチノ安息香酸(retinobenzoic acid)、エチル6-[2-(4,4-ジメチルチオクロマン-6-イル)エチニル]ピリジン-3-カルボン酸塩(ethyl 6-[2-(4,4-dimethylthiochroman-6-yl)ethynyl]pyridine-3-carboxylate)、レチノイルt−ブチレート(retinoyl t- butyrate)、レチノイルピナコール(retinoyl pinacol)、レチノイルコレステロール(retinoyl cholesterol)、その異性体、経口組成物用のそのプロドラッグ、そのエステル、その塩、及び/又は、溶媒和物などが含まれる。かかる有効成分の組み合わせは、相乗効果があることがまた証明された。
【0132】
2-メチレン-19-ノル-20(S)- 1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール (2MBisP)及び、その製造方法が、米国特許出願第11/283,163号(出願日:2005年11月22日)に記載されている。かかる特許文献は、参照までに本明細書に含まれる。2-メチレン- 19-ノル-20(S)-1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール (及びその他のビタミンD類似体)の溶媒和物又はその塩は、従来技術に基づいて製造されうる。2-メチレン- 19-ノル-20(S)-1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロールは文献[Plum, L. A. et al]などに記載されている。ヒドロキシルを含まない略された側鎖を有する1α,25-ジヒドロキシビタミン D の生物活性非カルシウム(noncalcemic)類似体が文献[PNAS vol. 101, no. 18, 6900-6904 (May 4, 2004)]に記載されている。
【0133】
19-ノル-26,27-ジメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (CAGE-3)、及び、その製造方法は、米国特許 6,696,431号に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。19-ノル-26,27-ジメチレン- 20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の塩及び溶媒和物は、当業者に知られている従来の合成方法を用いて製造され得る。
【0134】
2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシ-(17E)-17(20)-デヒドロ-19-ノル-ビタミンD3(Vit-III (17-20E))、及び、その製造方法は、米国公開公報2006/0111330号及び 2006/0116351号に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。VitIII (17-20E)の塩及び溶媒和物は、当業者に知られている従来の合成方法を用いて製造され得る。
【0135】
2-メチレン- 19-ノル-(24R)- 1α,25-ジヒドロキシビタミンD2(24R-2MD2) 及び、その製造方法は、米国特許7,232,810号に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。24R-2MD2その他本明細書に記載された19-ノル含有ビタミンD化合物の塩、その立体異性体、そのプロドラッグ、及び、その溶媒和物は、当業者に知られている従来の合成方法を用いて製造され得る。
【0136】
2-メチレン-(20R,25S)-19,26-ジノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(NEL)、及び、その製造方法は、米国特許出願11/669,029号(出願日:2007年1月30日;公開番号:2007/0191316号)に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。NELの塩及び溶媒和物は、当業者に知られている従来の合成方法を用いて製造され得る。
【0137】
2Mプレグナ(2MPregna)及びその製造方法は、米国特許6,566,352号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0138】
2MP及びその製造方法は、米国特許6,774,251号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0139】
20R-2MbisP 及びその製造方法は、米国特許出願11/282,972号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0140】
2MTrisP及びその製造方法は、米国特許出願11/282,304号(出願日:2005年11月18日)に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0141】
FF-44及びその製造方法は、米国特許出願61/017,219号(出願日:2007年12月28日)に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0142】
FF-55及びその製造方法は、米国特許出願61/017,217号(2007年12月28日)に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0143】
HPBS及びその製造方法は、米国特許出願11/732,924号(出願日:2007年4月5日)に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0144】
VD-03及びその製造方法は、米国特許出願2006/0189532及び2007/0105774号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0145】
本明細書に記載された19−ノル含有化合物の製造方法及びその使用方法が、米国公開公報2005/0119242号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0146】
オール-トランス-レチノイン酸(atRA)は、商品名ベサノイド(Vesanoid:登録商標)といった製品として市販されている。atRAの合成法、並びに、その塩、エステル、及び、その溶媒和物は当業者によく知られている。atRAの塩、エステル、異性体、プロドラッグ、及び、溶媒和物、並びに、本明細書に記載されたその他のレチノイドは、当業者に知られている周知の合成法を用いて製造され得る。
【0147】
本明細書に記載されたレチノイド化合物、その類似体、及び、その誘導体は、ビタミンA及びその類似体を意味する。ここで、レチノイド化合物、その類似体、及び、その誘導体は、RARに結合してその転写活性を調節することによって機能する。文献[Remingtons p. 1695-1696]参照。本発明に用いられる様々なレチノイド化合物、及び、その製造方法は、米国特許4,841,038号、5,880,292号、4,757,140号、5,808,120号、及び、4,966,965号, 並びに、米国公開公報US2005/0085539に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。本発明に有用なその他のレチノイド/レチノイール(retinoid/retinoyl)、改質レチノイド/レチノイール、及び、レチノイド/レチノイールエステル化合物は、米国特許7,126,017号、及び、米国公開公報2004/0167215などに記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。
【0148】
本明細書に使用された用語「有効量(therapeutically effective dose;治療量又は治療効果のある量とも呼ぶ。)」及び「ヒトに有効量を投与すること」は、にきび、 面皰、乾癬、魚鱗癬、光による老化、又は、光により損傷した皮膚、皮膚がんのうち1以上を治療(予防、処置、又は治療を含む。)するに十分な1以上のAPIの量を意味する。
【0149】
本明細書に使用された語句「レチノイン酸などといった、レチノイン酸受容体を活性化する化合物及びそのプロドラッグ」は、レチノイン酸受容体(RAR)として知られている核たんぱく質(nuclear protein)に結合して、その転写活性(transcriptional activity)を調節する化合物を意味する。文献[Chambon, 1996, FASEB J. 10:940-954; Clagett-Dame et al., 1997, Crit. Rev. Euk. Gene Exp. 7:299-342; and, Mark et al., 2006, Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 46:451-480]参照。
【0150】
医薬として許容される局所及び経口担体システム(現代の技術では、「ドラックデリバリシステム」とも呼ぶ。このシステムは、体内に薬品の均一な放出又は標的化を可能にする医薬品の一部として、又は、それとともに分布されるものを指す。)は、FDA及び/又はUSP承認有効成分を含むのが好ましい。21CFR210.3(b)(8)によれば、不活性成分(inactive ingredient)は、前記有効成分以外の任意の医薬成分である。21 CFR 210.3(b)(7)によれば、有効成分(active ingredient)は、ヒトまたは動物の身体における任意の構造(構成)、或いは、機能に影響を及ぼし、又は、疾病の診断、治療、軽減、処置、又は、予防に薬理効果又はその他の直接的効果を及ぼすための医薬品の任意の成分である。有効成分は、医薬製品の製造の際に化学変化を経て、特定の活性又は効果をもたらすために改質された形態の医薬製品の中に存在し得る製品の構成要素を含む。この明細書においては、キット(「剤形」とも呼ぶ。)は、関連材料の容器入りコレクション(packaged collection)である。
【0151】
前述の通り、局所剤形は、ローション剤(エマルジョン、液体剤形、これらの剤形は、主に皮膚途布用に供される。)、増強ローション剤(薬物送達が改善されたローションン剤である。ここにいう“増強”とは、剤形における薬物の強度を指すものではない。)、ゲル剤(溶液又はコロイド分散液に対し剛性(stiffness)を与えるために、ゲル化剤を含有する反固体形剤をいう。このゲルは、浮遊粒子を含む場合がある。)、軟膏剤(ビヒクルとして、通常20%未満の水と、揮発性の物質と、50%未満の炭化水素、ワックス、又は、ポリオールなどを含有する反固体剤形、この剤形は、皮膚又は粘膜といった身体の外部に使用されるものである。)、増強軟膏(薬物送達を向上させる軟膏剤形である。ここで、“増強”は、前記剤形における薬物の強度を意味するものではない。)、クリーム剤(エマルジョン、半固形剤形、通常20%未満の水、揮発性の物質、50%未満の炭化水素、ワックス、又は、ポリオールなどをビヒクルとして含有する。この剤形は、概して皮膚、粘膜に途布するためのものである。)、増強クリーム剤(薬物送達を改善するクリーム剤、ここにいう“増強”とは、剤形における薬物の強度を指すものではない。)、エマルジョン(2以上の混合しない液体からなる2相システムからなる剤形である。これらの液体のうち1つは、別の液体、外相、又は、連続相中に液滴、内相、分散相として分散されている。また、1以上の乳化剤で安定化されている。ここで、エマルジョンは、それより具体的な用語が適用される場合を除き、剤形を指すものとして取り扱われる。)、縣濁剤(液体ビヒクル中に分散された固体粒子を含む液体剤形)、持続放出縣濁剤(粒子が解けない液体相を通して分散された固体粒子からなる液体製剤、この縣濁剤は、既存の剤形、例えば、溶液、又は、既存の即時放出型固形剤として処方された薬物に比べて、投与回数(dosing frequency)を減らすことができるように処方されたものである。)、パースト剤(脂肪ビヒクル中に微細に分散された固体を20〜50%だけ含む半固形剤形である。)、溶液(互いに混合可能な溶媒の混合物又は溶媒中に溶解された1以上の化学物質を含有する透明かつ均質な液体剤形である。)、粉末、シャンプー(髪の毛及び頭皮を洗浄するために用いられるせっけん又は洗浄剤を有するローション剤形)、シャンプー縣濁液(髪の毛又は頭皮を洗浄するために用いられ、又は、皮膚科剤のビヒクルとして用いられる液体ビヒクル中に分散された1以上の固体不溶性物質を含む液体石鹸または洗浄剤)、エアロゾル泡(すなわち、1以上の有効成分、界面活性剤、水性または非水性液体、及び、推進剤を含む財形;推進剤が非連続性内相中に存在する場合(即ち、油中水型である場合)、安定した泡が放出され、そして、推進剤が連続性外相中に存在する場合(即ち、水中油型である場合)、スプレー又は迅速に砕ける泡(quick-breaking foam)が放出される。)、スプレー(空気又はスチームのジェットによって微細に分割された液体)、定量スプレー(活性化される度に、予め定められた量だけを分割する弁を採用した非圧力型剤形)、懸濁液スプレー(鼻腔−咽頭管に局所的に適用され、又は、皮膚に局所的に適用される微細に分割された固体又は粗液敵の形態、及び、液体ビヒクル中に分散された固形粒子を含む液剤)、ゼリー(一種のゲルであり、液体によって互いに貫通させ合う小さい無機粒子又は大きい有機分子のいずれかからなる懸濁液で構成された半固形システムである。 前記液体中に構造的に粘性のマトリックスが存在し、このマトリックスは、大量の液体、通常水を含有している。)、フィルム(薄層、又は、被覆層)、持続放出型フィルム(血中又は標的組織中において一定の薬物濃度を維持するために、より長時間にわたって薬物を放出するように考案されたフィルムの形態をしたドラックデリバリシステムである。)、可溶性フィルム(液体と接触したときに溶けるように考案された薄層又は被覆層である。)、スポンジ(薬物を含む吸水性多孔質飛び越し材料であって、治療、又は、洗浄の目的で塗布されることが多い。ここで、スポンジは、概してこの形態を保持している。)、消毒綿(薬物を含有する比較的フラットな吸収性材料の一部であって、小さいスチックの片方の端部に付着され得る。また、消毒綿は、医療(治療)又は洗浄のために用いられることが多い。)、パッチ剤(主に身体の外部に適用される接着性のバッキングを含むドラックデリバリシステムであって、その有効成分は、パッチの一部から受動的に拡散されるか、又は、能動的に送達される。パッチによっては、有効成分が身体の外表面に送達され、又は、体中に送達される。パッチは、持続放出型フィルムおよびシステムの同意語として使われる場合もある。)、持続放出型パッチ剤(既存の剤形、例えば、溶液又は即時放出型固形剤などに比べて、投与間隔(投与回数)を減少できるように薬物を放出する形態のドラックデリバリシステムである。) 電子制御式持続放出型パッチ剤 (既存の剤形、例えば、溶液又は即時放出型固形剤などに比べて、投与間隔(投与回数)を減少できるように薬物を放出する電子的に制御された形態のドラックデリバリシステムである。)など当業者にとって広く知られている様々な剤形を含む。様々な局所剤形は、短時間作用型(immediate release)、制御放出型(controlled release)、及び、持続放出型(sustained release)などとして調合(処方)され得る。
【0152】
局所組成物は、有効成分(即ち、医薬的活性成分)と、添加剤(excipient)、着色剤、顔料、添加剤(additive)、充填剤、緩和剤(emollient),界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性)、浸透促進剤(例えば、アルコール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、及び、ポリオール)などといった1以上の医薬的非活性成分と、を含み得る。メーカによって具体的に意図された非活性成分(inactive ingredient)を含む「非活性成分データベース」には、様々なFDA承認局所非活性成分が載っている。21CFR210.3(b)に定められた有効成分(活性成分)の定義に基づいて、特定の雰囲気の下では非活性成分が有効成分とみなされる場合がある。アルコールは、製剤(product formulation)によって、活性成分(有効成分)としても、或いは、非活性成分としてもはたらきうる成分の代表例である。
【0153】
本明細書に記載された経口剤形としては、カプセル(シェル及び充填物で構成された固形剤であり、このシェルは、単一のシールされたシェルからなるか、または、互いにフィットする2つのハーフからなる。このシェルは、バンドなどでシールされる場合がある。カプセルのシェルは、ゼラチン、スターチ、セルロース、又は、その他の適合した材料から製造され、軟質又は硬質のものである。このシェルは、注がれ、又は、圧搾され得る固体又は液体で満たされている。)、カプセル又は被覆ペレット(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。ここで、薬物自体は、粒子の形態をしている。様々な被覆(量)が前記粒子に適用され得る。)、持続放出型被覆カプセル(capsule coated extended release)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。また、前記カプセルは所定の被覆物中に被覆されている。既存の剤形に比べて、投与間隔(投与回数)を減らすことができるように薬物を放出することが特徴である。)、徐放出型カプセル(capsule delayed release)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。投与後に迅速でない方法で薬物を放出する。腸溶コーティング製品は、徐放出型剤形である。)、カプセル持続放出型ペレット(capsule delayed release pellets)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。ここで、薬物自体は、腸溶コーティングが適用され得る粒子の形態をしている。それにより、前記剤形が腸を通過するまで薬物の放出を遅らせることができる。)、持続放出型カプセル(capsule extended release)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。既存の剤形に比べて、投与間隔(投与回数)を減らすことができるように薬物を放出することが特徴である。)、フィルム被覆持続放出型カプセル(capsule film-coated extended release)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。また、前記カプセルは所定のフィルム・コーティングで被覆されている。既存の剤形に比べて、投与間隔(投与回数)を減らすことができるように薬物を放出することが特徴である。)、ゼラチン被覆カプセル(capsule gelatin coated)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。バンド形成プロセスを通じて、前記カプセルは、もう1つのゲラチン層で被覆されて、完全なシールを形成する。)、液体充填カプセル(capsule liquid filled)(薬物が、可溶性のゼラチンシェル内に保持された固形剤である。このゼラチンシェルは、ポリオール、例えば、ソルビトール又はグリセリンによって可塑かされている。よって、硬質のシェルカプセルに比べてコンシステンシーが多少濃いものとなる。通常、有効成分は、液体ビヒクル中に分散又は溶解されている。)、粒子(granule)(小さい粒子又は粒)、ペレット(高純度の薬物からなる小さな滅菌・固形の塊である。ここで、添加剤が含まれているか、又は、含まれていない。これは、粒子を形成し、それを圧縮・成形することによって製造される。)、持続放出型被覆ペレット(pellets coated extended release)(薬物自体は、粒子の形態をしている。様々な被覆(量)が前記粒子に適用され得る。この剤形は、既存の剤形に比べて、投与間隔(投与回数)を減らすことができるように薬物を放出することが特徴である。)、丸剤(経口投与に適した薬剤を含有する小さく手丸い固形剤である。)、散剤(身体の内部及び外部に対し使用するための微細に分割された(乾燥)薬物及び/又は化学物質の密接混合物である。)、エリキシル(溶解されている薬物を含む水アルコール性の透明な経口用液体(香料入り)である。)、チューインガム(噛むと、口腔内へ薬物を放出する様々な形態の加藤・香料入りの不溶性プラスチック物質である。)、シロップ(高濃度のしょ糖その他糖類を含有する経口用液剤である。この用語は、経口縣濁剤を含めて甘くて粘質のビヒクル中に製造されたその他の液体剤形を含むものとして使用されている。)錠剤(適当な稀釈剤を有するか、又は、有さないで薬物を含有する固形剤である。)、かみ砕ける錠剤(適当な稀釈剤を有するか、又は、有さないで薬物を含有する固形剤である。これは、噛むと、苦味又は不快な後味を残さずに、容易に飲み込まれるように、口腔中に気持ちよい後味を生じさせるものである。)、被覆錠剤(tablet coated)(適当な稀釈剤を有するか、又は、有さない薬物を含有する固形剤である。また、被覆されている。)、被覆粒子錠剤(tablet coated particle)(それぞれ被覆された薬物の粒子からな集合体(conglomerate)を含む固形剤である。)、徐放出型錠剤(投与後迅速でない方法で薬物を放出する固形剤である。ここで、腸溶コーティング製品は徐放出型剤形である。)、徐放出型粒子錠剤(tablet delayed release particle)(投与後迅速でない方法で薬物を放出するコーティングで被覆された薬物粒子の集合体を含む固形剤である。ここで、腸溶コーティング製品は徐放出型剤形である。)、分散型錠剤(tablet dispersible)(投与前に液体中に置かれるときに、その内容物が前記液体を通じて均一に分散される錠剤である。ここで、用語“分散型錠剤”は、承認された医薬製品に限られず、他の用語“分散液用の錠剤(tablet dispersible)”などで置き換えられる。)、発泡性錠剤(tablet effervescent)(酸、例えば、クエン酸、酒石酸、及び、重炭酸ナトリウムの混合物を含有する固形剤である。この剤形は、水に溶けたときに二酸化炭素を放出する。これは、投与する前に水に溶け、又は、分散させるものである。)、持続放出型錠剤(既存の剤形中の薬物に比べてその投与間隔(投与回数)を減らすことができる薬物含有固形剤である。)、フィルム・コーティング錠剤(水不溶性又は水溶解性ポリマーの薄膜で被覆され、かつ、適当な稀釈剤を含むか又は含まないで薬物を含有する固形剤である。)、持続放出型フィルム・コーティング錠剤(tablet film coated extended release)(水不溶性又は水溶解性ポリマーの薄膜で被覆され、かつ、適当な稀釈剤を含むか又は含まないで薬物を含有する固形剤である。この錠剤は、摂取後より長時間にわたって薬物の有効濃度を維持できるように処方されたものである。)溶液用の錠剤(tablet for solution)(液体中に置かれたときに溶液を形成する錠剤である。)、縣濁液用の錠剤(tablet for suspension)(液体中に置かれたときに縣濁液を形成する錠剤である。前述した“分散型錠剤”とも呼ぶ。)、多層錠剤(tablet multilayer)(圧縮されて多層錠剤、又は、錠剤内錠剤(tablet-within-a-tablet)を形成する薬物を含む固形剤である。ここで、内部の錠剤は、コアであり、そして、外部の錠剤は、シェルである。)、持続放出型多層錠剤(圧縮されて多層錠剤、又は、錠剤内錠剤(tablet-within-a-tablet)を形成する薬物を含む固形剤である。ここで、内部の錠剤は、コアであり、そして、外部の錠剤は、シェルである。また、この錠剤は、所定のコーティングで被覆されている。この調剤は、既存の剤形中の薬物に比べて、その投与間隔(投与回数)を減らすことできるように処方されている。)、口腔分解型錠剤(tablet orally disintegrating)(舌に乗せられると、通常数秒内に、迅速に分解(崩壊)する薬物を含有する固形剤である。)、持続放出型口腔分解錠剤(tablet orally disintegrating delayed release)(舌に乗せられると、通常数秒内に、迅速に分解(崩壊)されるが、投与後迅速でない方法で薬物を放出する固形剤である。)、溶解性錠剤(tablet soluble)(適当な稀釈剤を有するか又は有しないで薬物を含有し、かつ、液体中に溶ける特性を有する固形剤である。)、糖衣錠(適当な稀釈剤を有するか又は有しないで薬物を含有し、かつ、着色又は着色していない水溶解性砂糖で被覆されたものである。)、浸透剤(osmotic)などが含まれる。
【0154】
経口組成物は、有効成分(即ち、医薬的活性成分)と、賦形剤、 溶解剤、アルコール、バインダー、制御放出ポリマー、腸まで達してから溶けるポリマー、錠剤を分解する物質(disintegrant),添加剤(excipient)、着色剤、 香料(flavorant) 、甘味料、酸化防止剤、防腐剤、顔料、添加剤(additive)、充填剤、懸濁剤、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性)など、といった、1以上の医薬的非活性成分と、を含み得る。メーカによって具体的に意図された非活性成分を含む「非活性成分データベース」には、様々なFDA承認局所非活性成分が存在する。21CFR210.3(b)によれば、有効成分(活性成分)の定義に基づいて、特定の雰囲気の下では非活性成分が有効成分とみなされ得る。アルコールは、成分の処方によって、活性成分(有効成分)としても、或いは、非活性成分としてもなし得る成分の代表例である。
【0155】
治療法は、様々な投与方式(dosing regimen)をも含み得る。尋常性座瘡の詳細は、文献[Remingtons p. 1131]を参照されたい。ヒトにおいて、様々な有効量(therapeutically effective dose)、及び、その投与方式は、周知の相対成長率ファクタ(allometric scaling factor)を用いて、ここに記載した動物実験データから導き出すことができる。例えば、体重0.03kgであるマウスに対して、体重70kgのヒトを想定すると、ASファクタは約7である。
【0156】
表1〜3に示した予想容量範囲は、経口容量範囲の最高値に対し、ライノーマウスに対する最大容量は、ヒトに予想されるより低い感受性のために補正され、さらに0.5対数容量(log dose)だけ増加されたことを想定して計算されたものである。最低容量は、最大容量(予想値)よりも1x106だけ少ない。局所容量の最大値の場合、その値に20のファクタをかけて求めるが、それは、マウスによる吸収率を100とした場合に、ヒトは僅かその5%を吸収するに過ぎないからである。
【0157】
様々なビタミンDに対する動物種の感受性(sensitivity)における差異だけでなく、皮膚における様々なビタミンD類似体の相対的吸収率における差異に基づいて、ヒトにおいては、ここに記載された動物実験に用いられた容量(有効量)に基づいて定められた有効量とは異なる容量が選択されることもあり得る。
【実施例】
【0158】
ライノーマウスを用いて、本発明に係る化合物及び組成物の局所及び経口投与についての実験を行った。ライノーマウスは、レチノイド類を含んだ抗にきび剤の面皰溶解効果(comedolytic effect)を調べるのに確立された動物モデルである。文献[Boulcier M et al., Experimental Models in Skin Pharmacology, 1990, In Pharmacological Reviews 42:127-15). Mirshahpanah and Maibach, 2007, Cutaneous and Ocular Toxicology 26:195-202]参照。ライノーマウスモデルを用いて、2-メチレン-19-ノル- 20(S)- 1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール (2MBisP), 19-ノル-26,27-diメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(CAGE-3), NEL,24R-2MD2, Vit-III (17-20E), 2MPregna, 2MP, 20R-2MbisP, 2MTrisP, FF-44, FF-55, HPBS, VD-03、及び、atRAの治療効果(可能性)について研究した。ここに記載したデータによれば、全部ではないが、少なくとも一部のビタミンD類似体が、テストした投与量において面皰の大きさを実質的に減らす効果があることが明らかになった。
【0159】
また、MBisP及びatRAの混合物(組み合わせ)を投与することによって上昇効果が得られた。この上昇効果は、ビヒクルだけを投与したときに比べて、面皰の大きさにおける実質的減少によって明らかになった。この上昇効果は、さらに、従来効果無しとされた低容量のatRAを投与した後に見られた面皰面積の実質的減少によって明らかになった。この発明においては、従来効果ないとされた低容量のatRAを効果的なものとすることで、atRAを投与することに伴う重度の副作用を回避するか、或いは、最小化することができる。
【0160】
動物及び容量投与
6〜10週齢のライノーマウスに経口及び局所ルートを介して投与した。多くの場合、前記マウスに毎日投与を行った。局所治療において、一周(継続)投与対断続投与(月曜日/水曜日/金曜日)の有効性を比較した。週に1回マウスの体重を計り、その体重に基づいて投与量を毎週調節した。局所剤を、最大体積110μlで動物の背中に適用した。この局所剤は、前述の通り、APIを、70%(体積パーセント)のプロピレングリコール及び30%(体積パーセント)のエタノール、又は、30%(体積パーセント)のプロピレングリコール及び70%%(体積パーセント)エタノールを含む局所担体と混合させて製造したものである。局所ビヒクル対照群として、API及びビヒクル担体を含む製剤に適合させたビヒクル担体溶液を用いた。
【0161】
経口剤は、APIを、ウェッソン(登録商標) 大豆油又はネオビー(NeoBee)(登録商標)オイルと混合して製造した。経口容量を、各マウスの口の裏側に送達した。最後の経口容量を投与してから4時間が経過した時点において、そして、局所容量を投与してから72時間が経過した時点において、前記マウスを致死させた。そこで、 組織学的研究のために背面皮膚を収集した。
【0162】
面皰溶解効果(Comedolytic effect)
面皰溶解効果の程度(即ち、有効性)は、面皰の平均面積を測定することによって評価した。ここで、より小さい面積は、より大きい面皰溶解効果を意味する。面皰面積は、我々の実験室独自の方法(実験室において開発された方法)に基づいて、組織切片に対する組織学的分析によって測定された。図2参照。皮膚を、4%のホルムアルデヒド(4℃)において軽く攪拌しつつ一晩固定させ、翌日100%メタノール中に脱水させた。サンプルをパラフィンに埋め込み、各ライノーマウスから150ミクロン間隔の10ミクロン(大きさ)の切片10個を製作した。面皰分析のために、メタモープイメージングソフトウェア(Metamorph Imaging Software)(トレース機能)を用いて9個の切片のうち5個をデジタル的に画像化した(6倍拡大)。その後、ソフトウェアに適当させたWacom Intuos 3 Graphics Tabletを用いて、5個の切片から得た画像上における各面皰の周囲をたどった。各々の面皰の面積を含むピクセルの数を得て、それをエクセル・スプレッドシート(Excel spreadsheet)に転送し、各ライノーマウスに対し面皰あたりのピクセル(数)の平均値を求めた。完治された面皰(面積=0)に対しては、0に近接するピクセル値(10未満)が前記スプレッドシートに入力された。その後、各マウスに対する各面皰面積の平均値を用いて、処理群の平均値を計算した。図では、その結果を平均値±標準偏差で表した。
【0163】
2MBisP、CAGE-3、24R-2MD2、VitIII(17-20E)及びNELを含む経口溶液の製造
2MBisP、CAGE-3、24R-2MD2、VitIII(17-20E)、及び、NELの各濃縮液(concentrated stock)をエタノール中に得た。その濃度は、モル消散係数=42000及びλmax=252.7を用いた分光光度測定法によって決められた。経口溶液は、適当量のエタノール系溶液をオイル(ネオビー(登録商標)又はウェッソン(登録商標))に加えることによって製造された。ここで、エタノールの最終濃度は、5%(体積パーセント)を超えなかった。最終投与量は、オイル50μl以下中に送達された。
【0164】
2MBisP、CAGE-3、24R-2MD2、VitIII(17-20E)、NEL、VD-03、2MPregna、2MP、20R-2MBisP、2MTrisP、FF-44、FF-55、及びHPBSを含む局所製剤の製造
2MBisP、CAGE-3、24R-2MD2、VitIII(17-20E)、及び、NELの各エタノール系濃縮液を最終濃度(添加剤(excipient)として70%(体積パーセント)のプロピレングリコール及び30%(体積パーセント)のエタノール、又は、30%(体積パーセント)のプロピレングリコール及び70%(体積パーセント)のエタノールを含む)となるように希釈させた。この混合物を完全に混合させた。この局所剤は所定量(体重の1kgあたり)の薬物を送達した。100〜110μlの投与量を、マウスの背中の方に投与した。投与量(体積)の計算では、マウスの平均体重が24又は30gと仮定した。投与量(体積)は、毎週調整され、各マウスの体重に基づいて所定量が投与された。
【0165】
atRA製剤の製造
atRAを含有する濃縮液をジクロロメタン中に製造した。atRA濃縮液をエタノール中に希釈した。その希釈液中atRAの濃度は、モル消散係数=45200及びλmax=350を用いた分光光度測定法によって決められた。atRAの純度(測定値)は、99%超であった(HPLC)。適当量(体積)のatRAをウェッソン(登録商標)オイルに添加し、サンプルを混合し、そして、残留するジクロロメタンを除去した。かかる除去は、蒸気フードの下に3時間アルゴンガスを用いて前記オイルを洗浄することによって行われた。最終投与量(final dose)は、オイル50μl未満を用いて経口投与された。
【0166】
方法、動物、及び、投与容量
6〜10週齢のライノーマウスに経口投与した。マウスには継続的に投与した。マウスの体重を週に3回量り、その体重に基づいて投与量を調整した。経口製剤は、APIとウェッソン(登録商標)大豆油を混合することによって製造された。(経口)投与量を、各マウスの背中に送達した。最終の投与後4時間が経過した時点においてマウスを致死させ、組織学的研究のために背方の皮膚を収集した。
【0167】
【表1】
【0168】
【表2】
【0169】
【表3】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2006年12月29日付けで出願された米国仮特許出願60/882,705号(政府との共同出願である。)に基づく優先権主張を伴うものである。この仮特許出願の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0002】
この出願は、発明の名称「(20S)-23,23-ジフルオロ-2-メチレン-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール-ビタミンD類似体」として2007年12月28日付けで出願された米国仮特許出願61/017,217号(政府との共同出願である。)に基づく優先権主張を伴うものである。この仮特許出願の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0003】
この出願は、発明の名称「(20R)-23,23-ジフルオロ-2-メチレン-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール-ビタミンD類似体」として2007年12月28日付けで出願された米国仮特許出願61/017,219号(政府との共同出願である。)に基づく優先権主張を伴うものである。この仮特許出願の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0004】
この出願は、2004年1月16日付けで出願された出願番号10/758,767(米国公開番号2004/0167215)に関連する。
【0005】
この出願は、2006年10月24日に許可された米国特許7,126,017号に関連する。
【背景技術】
【0006】
天然および合成レチノイド化合物類は、様々な過剰増殖性皮膚疾患(hyperproliferative skin disorder)の治療、並びに、その他の皮膚疾患、例えば、にきび、乾癬、しわ、太陽で痛んだ肌(sun-damaged skin)、年齢スポット(age spot)の治療に用いられている。文献[Fox LP et al., Goodman & Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, Section XIII-Dermatology, 11th Ed.]参照。多くの場合、レチノイド類は局所的に適用される。レチノイン酸は、重度のにきびの治療のために経口投与される。例えば、アキュテイン(Accutane;登録商標)は、13-シスレチノイン酸(「イソトレチノイン」(isotretinoin)とも呼ばれる。)を含有するが、かかる成分は、レチノイン酸(retinoic acid)とレチノール(retinol)(即ち、ビタミンA)の両方に関係する。文献[Remington, The Science and Practice of Pharmacy p. 1288-1289, 21<st> Ed.]参照。アキュテイン(登録商標)は、皮脂腺の機能と角質化を抑制できる0.5〜2.0mg/kg/日の投与量(容量)で経口投与することによる結節性座瘡(nodular acne)および角質化(keratinization)の治療について承認されている。
【0007】
レチノイド類は、ビタミンAに構造的に関連する天然および合成化合物である。オール-トランス-レチノール(all-trans-retinol)は、ビタミンAの主な循環型(circulating form)である。これは、体内で以下のように酸化される:先ずオール-トランス-レチノールはレチナールデヒドに酸化され、その後、オール-トランス-レチノイン酸(atRA)に酸化される。文献[Blomhoff et al., 1992, Annu. Rev. Nutr. 12:37-57; and, Moise et al., 2007, Biochemistry 46:4449-4458]参照。atRAは、成長、細胞の分化、及び、胚発生を調節するビタミンの機能型(functional form)である。一方で、オール-トランス-レチナールデヒドは、視覚サイクル(visual cycle)で作用する。文献[Clagett-Dame et al., 2002, Annu. Rev. Nutr. 22:347-381]参照. atRAは、そのように強力な調節分子がゆえに、微量で生成され、かつ、迅速に代謝されてしまう。つまり、その半減期は、非常に短い。文献[Roberts et al., 1967, Biochem. J. 102:600-605]参照。
【0008】
レチノイド類の全身投与は、粃糠疹(pityriasis)、紅色粃糠疹(rubra pilaris)、尖圭コンジローム(condylomata accuminata)、皮膚がん、酒さ(rosacea)、汗腺膿瘍(hidradenitis suppurativa)、環状肉芽腫(granuloma annular)、紅斑性狼瘡(lupus erythematosus)や扁平苔癬(lichen planus)などの疾患に対して処方されている。文献[Akyol M et al., 2006, Am. J. Clin. Derm. 6(3), 175-184]参照。
【0009】
レチノイド類の局所投与は、主に皮膚の炎症(例えば、発赤、灼熱)、乾燥、光反応(photosensitivity reaction)といった福作用によって大幅に制限されている。文献[Akhavan et al., 2003, Am. J. Clin. Dermatol. 4:473-492]参照。レチノイド類の経口投与は、催奇形性(胎児の奇形)、アミノ基転移酵素、トリグリセリド、及び、コレステロール値の上昇、骨における鉱物質消失(bone demineralization)、並びに、局所投与に関連したその他の副作用(例えば、粘膜の乾燥、及び、光過敏症)といったより深刻な副作用をもたらすということでさらに制限されている。文献[Armstrong et al., 1994, The Retinoids, pp. 545- 572; and, DiGiovanna, 2001, J. Am. Acad. Dermatol. 45:S176-S182]参照。このような数多くの様々な副作用によって、レチノイド類の医療や医薬品としての使用(特に、皮膚治療への使用)が実質的に制限されていた。
【0010】
また、レチノイン酸およびその他の合成レチノイドは、レチノイン酸受容体 ("RARs")として知られている核たんぱく質類に結合し、その転写作用を調節すると考えられている。文献[Chambon, 1996, FASEB J. 10:940-954; Clagett-Dame et al., 1997, Crit. Rev. Euk. Gene Exp. 7:299-342; and, Mark et al., 2006, Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 46:451-480]参照。オール-トランス-レチノイン酸は、PAR類に対する内因性リガンドである。13-シス―レチノイン酸異性体は,PAR類に結合しない。文献[Repa JJ et al., 1993, Proc. Natl. Acad. Sd. USA 90:7293-7297]参照。13-シスレチノイン酸異性体は、受容性結合および活性化に関与するオール-トランス-レチノイン酸に異性化されなければならない。
【0011】
ビタミンD(即ち、カルシトリオール)、及び、様々なその合成類似体が、分化、増殖抑制、及び、免疫調節作用を発揮するということが報告されている。このような化合物は、乾癬などの皮膚病の治療に有効である。文献[Smith EL et al, 1988, J. Am. Acad. Dermatol., 19, 516-528; and Holick, MF, 1989, Arch. Dermatol., 125, 1692-1697]参照。また、カルシトリオール(calcitriol)、及び、治療に有効なその類似体は、核のビタミンD受容体を標的化するために用いることが報告されている。文献[DeLuca HF, 2004, Am. J. Clin. Nutr. (Suppl) 1689S-1696S)]参照。カルシトリオール、及び、その治療に有効な類似体は、表皮内におけるケラチノサイト及びランゲルハンス細胞に直接作用しうるだけでなく、免疫系におけるその他の細胞に対しても直接作用し得る。カルシトリオール及びその様々な類似体の使用(即ち、治療量での使用)は、軟組織のカルシウム沈着、高カルシウム血症、及び、高結石(hypercalcuria)などの副作用によってさらに制限されていた。
【0012】
最近ではビタミンD類似体の新部類として19−ノルビタミンD(19-nor vitamin D)化合物が見出された。19−ノルビタミンD化合物は、(通常のビタミンD分子における)19炭素にあるA−リング環外のメチレン基(A-ring exocyclic methylene group)を2つの水素に置き換えたことを特徴とする。5員環の17炭素にある側鎖の改質(modification)、及び/又は、2位置における更なる置換の結果、天然ホルモンに比べて、生理的有効濃度において、カルシウム血症作用(calcemic)のより少ない薬理活性化合物が得られた。文献[Plum, L.A. et al., Proc. Natl. Acad. ScL USA, 101(18), 6900-9004 (2004)]参照。一部の19−ノル含有ビタミンD類似体は、向上された能力(校能)、及び、組織選択性を示すが、それは、上記類似体が、天然ビタミンD又はその他の選択性の少ない、及び/又は、非選択的類似体に比べて、重要な治療的利点をももたらし得るということを示唆する。文献[Sicinski RR et al., 1998, J. Med. Chem., 41, 4662-4674; and, Shevde NK et al., 2002, Proc. Natl. Acad. ScL USA, 99(21), 13487-13491]参照。
【0013】
にきびは、毛包脂腺ユニット(pilosebaceous unit)の疾患(condition)である。にきびは、非炎症性の面皰(comedone)、炎症性丘疹(inflammatory papule)、膿疱(pustule)、及び、嚢胞(cyst)などを含む広範囲な症状(効果)をいう。経口投与及び局所的に投与されると、レチノイド類は、表皮の過剰増殖を引き起こし、それにより、前記疾病の軽減及び面皰溶解(comedolysis)を可能にする。文献[Fisher GJ et al., 1996, Molecular Mechanisms of Retinoid Actions in the Skin, FASEB. J. 10:1002:21013]参照。非常に効果的であるものの、レチノイド療法は、その副作用(その数及び程度)によって実質的に制限されている。かかる療法は、特に、レチノイド類が経口投与されるときに制限される。文献[Fox LP et al., 2006]参照。したがって、にきびのような皮膚疾患を治療するために、副作用が減少されたレチノイド含有治療剤に対する実質的な要望が強く存在しているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国公開公報2006/0111330号
【特許文献2】米国公開公報2006/0116351号
【特許文献3】米国特許7,232,810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、19−nor含有ビタミンD化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む薬理有効成分(「有効成分」又は「薬理活性成分」とも呼ぶ。)の治療効果のある量(「有効量」とも呼ぶ。)と、医薬として許容される局所担体システム(topical carrier system)含む局所剤形(topical dosage form)に関する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記局所組成物の一例において、19−ノル含有ビタミンD化合物は、以下の化合物、その立体異性体、その塩、及び/又は、その溶媒和物(solute)のうちいずれかである:
【0017】
【化1】
前記化合物は、2-メチレン-19-ノル-20(S)- 1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-20(S)- 1 α-hydroxy-bishomopregnacalciferol)であり、「2MBisP」とも呼ぶ。
【0018】
【化2】
前記化合物は、19-ノル-26,27-ジメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(19-nor-26,27-dimethylene-20(S)-2-methylene-lα,25-dihydroxyvitaminD3)であり、「CAGE-3」とも呼ぶ。
【0019】
【化3】
前記化合物は、2-メチレン- 1α,25-ジヒドロキシ- (17E)-17(20)-デヒドロ-19-ノル-ビタミンD3(2-methylene-1α,25-dihydroxy-(17E)-17(20)-dehydro-19-nor-vitamin D3)であり、「VitIII(17-20E)」とも呼ぶ。
【0020】
【化4】
前記化合物は、2-メチレン- 19-ノル-(24R)- 1α,25-ジヒドロキシビタミンD2(2-methylene- 19-nor-(24R)- lα,25-dihydroxyvitamin D2)であり、「24R-2MD2」とも呼ぶ。
【0021】
【化5】
前記化合物は、2-メチレン-(20R,25S)-19,26-ジノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(2-methylene-(20R,25S)-19,26-dinor-lα,25-dihydroxyvitaminD3)であり、「NEL」とも呼ぶ。
【0022】
【化6】
前記化合物は、2-メチレン-19-ノル-1α-ヒドロキシ-プレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-lα-hydroxy-pregnacalciferol)であり、「2MPregna」とも呼ぶ。
【0023】
【化7】
前記化合物は、1α-ヒドロキシ-2- メチレン- 19-ノル-ホモプレグナカルシフェロール(1α-hydroxy-2-methylene-19-nor-homopregnacalciferol)であり、「2MP」とも呼ぶ。
【0024】
【化8】
前記化合物は、(20R)-1α-ヒドロキシ-2-メチレン-19-ノル- ビスホモプレグナカルシフェロール((20R)-1α-hydroxy-2-methylene- 19-nor- bishomopregnacalciferol)であり、「20R-2MbisP」とも呼ぶ。
【0025】
【化9】
前記化合物は、2-メチレン-(20S)-19-ノル-1α-ヒドロキシ- trisホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-(20S)- 19-nor-1α-hydroxy- trishomopregnacalciferol)であり、「2MTrisP」とも呼ぶ。
【0026】
【化10】
前記化合物は、2-メチレン-(20R)-23,23-ジフルオロ-1α-ヒドロキシ-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-(20R)-23,23-difluoro-lα- hydroxy-19-nor-bishomopregnacalciferol)であり、FF-44」とも呼ぶ。
【0027】
【化11】
前記化合物は、2-メチレン-(20S)-23,23-ジフルオロ-1α- ヒドロキシ-19-ノル-ビスホモプレグナンカルシフェロール(2-methylene-(20S)-23,23-difluoro-lα- hydroxy-19-nor-bishomopregnancalciferol)であり、「FF-55」とも呼ぶ。
【0028】
【化12】
前記化合物は、2-(3'ヒドロキシプロピル-l ',2'-idene)-19,23,24-トリノル-(20S)-1α-ヒドロキシビタミンD3(2-(3'hydroxypropyl-l ',2'-idene)-19,23,24-trinor-(20S)-lα-hydroxyvitamin D3)であり、「HPBS」とも呼ぶ。
【0029】
【化13】
前記化合物は、2-メチレン-18,19-ジノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(2-methylene- 18,19-dinor-(20S)-lα,25-dihydroxyvitamin D3)であり、「VD-03」とも呼ぶ。
【0030】
前記局所組成物(topical composition)に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化14)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量(dose)は、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日である。 前記局所組成物に係る別の例において、担体システム(carrier system)は、30〜70%のエタノールと、70〜30%のプロピレングリコールとを含む。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0031】
【化14】
【0032】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化15)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、14 μg〜0.34 pg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、30%のエタノールと、70%のプロピレングリコールとを含む。
【0033】
【化15】
【0034】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化16)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、4.5mg〜4.5ng/ kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、局所担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0035】
【化16】
【0036】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化17)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、その投与量は、450 μg〜0.45 ng/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0037】
【化17】
【0038】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化18)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、投与量は、4.5 mg〜4.5 ng/kgsw/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0039】
【化18】
【0040】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化19)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0041】
【化19】
【0042】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化20)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0043】
【化20】
【0044】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化21)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0045】
【化21】
【0046】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化22)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、34 mg〜34 ng/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0047】
【化22】
【0048】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化23)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0049】
【化23】
【0050】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化24)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、340 mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0051】
【化24】
【0052】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化25)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、41 mg〜41 ng/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0053】
【化25】
【0054】
前記局所組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化26)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、11 μg〜0.11 ng/kg(体重)/日である。局所組成物に係る別の例において、担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0055】
【化26】
【0056】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与(適用)することを含むにきびの治療方法に関する。
【0057】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む面皰を減らす方法に関する。
【0058】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む乾癬の治療方法に関する。
【0059】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む魚鱗癬の治療方法に関する。
【0060】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む光による老化(photoaging)、又は、光により損傷した皮膚(photodamaged skin)の治療方法に関する。
【0061】
また、本発明は、ヒトに上記局所組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に局所投与することを含む皮膚がんの治療方法に関する。
【0062】
また、本発明は、19−ノル含有ビタミンD化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物を含む(医薬)有効成分の治療効果のある量(therapeutically effective amount;本明細書に使用された「有効量」又は「治療効果のある量」などの同意語である。)と、医薬として許容される経口担体システム(oral carrier system)と、含む経口剤形(oral dosage form)に関する。
【0063】
上記経口組成物の一例において、19−ノル含有ビタミンD化合物は、以下の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、及び/又は、その溶媒和物のうちいずれかである。
【0064】
【化27】
【0065】
【化28】
【0066】
【化29】
【0067】
【化30】
【0068】
【化31】
【0069】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化32)、その立体異性体、その塩、そのプロドラッグ、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、7.0 mg〜7.0 ng/kg(体重)/日である。経口組成物に係る別の例において、担体システムは、オイルを含む。
【0070】
【化32】
【0071】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化33)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、700 ng〜0.7 pg/kg(体重)/日である。
【0072】
【化33】
【0073】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化34)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、23 μg to 23 pg/kg(体重)/日である。
【0074】
【化34】
【0075】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化35)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、230 μg 〜230 pg/kg(体重)/日である。
【0076】
【化35】
【0077】
前記経口組成物に係る別の例において、前記化合物は、以下の化合物(化36)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量は、230 μg〜230 pg/kg(体重)/日である。
【0078】
【化36】
【0079】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含むにきびの治療方法に関する。
【0080】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む面皰を減らす方法に関する。
【0081】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む乾癬の治療方法に関する。
【0082】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む魚鱗癬の治療方法に関する。
【0083】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法に関する。
【0084】
また、本発明は、ヒトに上記経口(投与)組成物のいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に経口投与することを含む皮膚がんの治療方法に関する。
【0085】
また、本発明は、レチノイン酸化合物、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物といった、レチノイン酸受容体を活性化する化合物またはそのプロドラックを含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムとを含む経口組成物(oral dosage form composition)、及び、19-ノル含有ビタミンD化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムとを含む局所組成物(topical dosage form composition)を含む医薬キット(pharmaceutical kit)に関する。
【0086】
前記医薬キットに係る別の例において、19−ノル含有ビタミンD化合物は、次の化合物、その立体異性体、その塩、及び/又は、その溶媒和物のうちいずれかである。
【0087】
【化37】
【0088】
【化38】
【0089】
【化39】
【0090】
【化40】
【0091】
【化41】
【0092】
【化42】
【0093】
【化43】
【0094】
【化44】
【0095】
【化45】
【0096】
【化46】
【0097】
【化47】
【0098】
【化48】
【0099】
【化49】
【0100】
医薬キットに係る別の例において、レチノイン酸受容体を活性化する前記化合物又はそのプロドラッグは、以下の化合物、その異性体、そのエステル、その塩、及び/又は、その溶媒和物のうちのうちいずれかである。
【0101】
【化50】
前記化合物は、13-シス-レチノイン酸(13-cis-retinoic acid)である。イソトレチノイン(isotretinoin)とも呼ぶ。これは、商品名、ロアキュテイン(Roaccutane)、アネスチーム(Annesteem)、クラビス(Claravis)、ソートレット(Sortret)、及び、アキュウ手イン(Accutane)の有効成分である。これらの商品名はいずれも登録商標である。
【0102】
【化51】
前記化合物は、オール-トランス-レチノイン酸(all-trans-retinoic acid)であり、トレチノイン(tretinoin)とも呼ぶ。実験では、オール-トランスRAが使用されたが、それは、前記オール−トランスRAが、プロドラッグである「13−シスRA」(経口薬として承認されたものである。)から誘導された活性型であることに基づく。
【0103】
【化52】
前記化合物は、(2E,4E,6Z,8E)-3,7-ジメチル-9-(2,6,6-トリメチル-l-シクロヘキセニル)ノナ-2,4,6,8-テトラエノン酸((2E,4E,6Z,8E)-3,7-dimethyl-9-(2,6,6-trimethyl-l-cyclohexeneyl)nona-2,4,6,8-tetraenoic acid)であり、 9−シス−レチノイン酸及びアリトレチノイン(alitretinoin)とも呼ぶ。これは、パンレチン(Panretin)(登録商標)の有効成分である。
【0104】
【化53】
前記化合物は、メトキシ-2,3,6-トリメチル-フェニル)-3,7-ジメチル-ノナ-2,4,6,8-テトラエノン酸 (methoxy-2,3,6-trimethyl-phenyl)-3,7-dimethyl-nona-2,4,6,8-tetraenoic acid)であり、アキトレチン(acitretin)とも呼ぶ。これは、ソリアテイン(登録商標)の有効成分である。
【0105】
【化54】
前記化合物は、6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸(6-[3-(1-adamantyl)-4-methoxyphenyl]-2-napthoic acid)であり、アダパレイン (adapalene)及びCD417とも呼ぶ。 これは、ジフェリン(Differin)(登録商標)の有効成分である。
【0106】
【化55】
【0107】
【化56】
前記化合物は、(4-[1-(3,5,5,8,8-pentamethyl-tetralin-2-yl)ethenyl]benzoic acid)であり、ベキサロテイン(bexarotene)及び、LGD1069とも呼ぶ。これはターグレチン(Targretin)(登録商標)の有効成分である。
【0108】
【化57】
前記化合物は、レチノ安息香酸(retinobenzoic acid)であり、タミバロテイン(tamibarotene)とも呼ぶ。これは、アムノイド(Amnoid)(登録商標)の有効成分である。
【0109】
【化58】
前記化合物は、エチル6-[2-(4,4- ジメチルチオクロマン-6-イル)エチニル]ピリジン-3-カルボン酸塩(ethyl 6-[2-(4,4-dimethylthiochroman-6-yl)ethynyl]pyridine-3-carboxylate)であり、タゾロテインとも呼ぶ。これは、タゾラック(Tazorac)(登録商標)、アバゲ(Avage)(登録商標)、ゾラック(Zorac)(登録商標)の有効成分である。
【0110】
【化59】
前記化合物は、レチノイルt−ブチレート(retinoyl t- butyrate)である。
【0111】
【化60】
前記化合物は、レチノイルピナコール(retinoyl pinacol)である。
【0112】
【化61】
前記化合物は、レチノイルコレステロール(retinoyl cholesterol)である。
【0113】
また、本発明は、以下の化合物(化62)、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムとを含む経口組成物、及び、以下の化合物(化63)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムとを含む局所組成物を含む医薬キットに関する。
【0114】
【化62】
【0115】
【化63】
【0116】
前記キットに係る一例において、第1有効量は、5ng/kg(体重)/日〜1mg/kg(体重)/日であり、第2有効量は、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日である。
【0117】
前記キットに係る別の例において、局所担体システムは、エタノール30〜70%と、プロピレングリコール70〜30%とを含む。
【0118】
前記キットに係る別の例において、局所担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0119】
また、本発明は、以下の化合物(化64)、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムとを含む経口組成物、及び、以下の化合物(化65)、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムとを含む局所組成物を含む医薬キットに関する。前記医薬キットに係る一例において、前記第1有効量は、50ng/kg(体重)/日〜10mg/kg(体重)/日であり、そして、前記第2有効量は、340mg〜0.34 μg/kg(体重)/日である。前記医薬キットに係る別の例において、前記局所担体システムは、エタノール30〜70%と、プロピレングリコール70〜30%とを含む。前記医薬キットに係る別の例において、局所担体システムは、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールとを含む。
【0120】
【化64】
【0121】
【化65】
【0122】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含むにきびの治療方法に関する。
【0123】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む面皰を減らす方法に関する。
【0124】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む乾癬の治療方法に関する。
【0125】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む魚鱗癬の治療方法に関する。
【0126】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法に関する。
【0127】
また、本発明は、ヒトに上記キットのいずれか一つを継続的(毎日)又は断続的に投与することを含む皮膚がんの治療方法に関する。
【発明の効果】
【0128】
本発明に記載されたは方法、経口医薬組成物、局所医薬組成物、及び、キットは、にきび、面皰、乾癬、魚鱗癬、光による老化(photoaging)、又は、光により損傷した皮膚(photodamaged skin)、及び、皮膚がんなどの様々な皮膚疾患の治療に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】図1は、面皰の面積を測定した結果を示す。ここで、各面皰の面積は、メタモープイメージングシステム(MetaMorph Imaging System:登録商標)を用いて測定した。このシステムは、個々の面皰の面積値をピクセルにて提供する(線引きした差込領域を参照。)。このシステムは、従来の面皰プロファイリング技術より精密である。
【図2】図2は、atRNAを用いたライノーマウスの治療を示すグラフである。ここで、面皰面積は容量依存的に減少する。ここで、様々な容量のatRAを用いた3週間の経口投与が完了した後、その面皰面積を分析した。0.83ミクロモル(μmole)/kg(体重)の容量では、ビヒクル対照群に比べて面皰の大きさに有意な変化(減少)が見られなかったが、16.6ミクロモル/kg(体重)の容量では、ビヒクル対照群に比べてその面皰面積が最大限減少された。
【図3】図3は、面皰面積を減少させるために、30%(体積パーセント)のエタノール及び70%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含有する担体ビヒクル中に2-メチレン-19-ノル-20(S)-1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール (2MBisP)のみを含むもの、及び、19-ノル- 26,27-ジメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (CAGE-3)のみを含むものを用いて、ライノーマウスに局所治療を施した結果を示すバーグラフである。ここで、3週間の経口治療が完了した後、その面皰面積を分析した。この実験では、2MBisPは5.4 μg/日 (ca. 800 nmole/kg(体重)/日)で局所投与され、CAGE−3は、当初0.9 ng/日 (ca. 100 pmole/kg(体重)/日) で局所投与され、10日目から0.45 ng/日でその容量が減少され、そして、19日目から0.22 ng/日の容量(ca. 25 pmole/kgsw/日)で投与された。ここで、3匹の雄マウスには、19日目に処理を施さなかった。2MBisP及びCAGE-3は、ビヒクル対照群に比べて面皰面積を減少させた。
【図4】図4は、図3に示したように、2MBisPのみ、及び、CAGE-3のみを用いた治療を施した後、ヘマトキシリン・エオジン染色("H&E")を施した雌マウスから得た皮膚断片を示したものである。ここで、2MBisPで治療した結果、面皰面積が減少され、そして、CAGE-3で治療した結果、ビヒクルのみで治療した場合に比べて、面皰面積が減少された。
【図5】図5は、ライノーマウスに2MBisPを220 nmole/kg(体重)/日 及び653 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所投与)したときの面皰面積を示したバーグラフである。ここで、APIは、30%(体積パーセント)のエタノール及び70%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。最小容量の2MBisP単独療法では何ら効果も見られなかったが、それより高容量(2MBisP)では面皰面積がほぼ最大限減少された。
【図6】図6は、ライノーマウスに2MBisPを220 nmole/kg(体重)/日 及び653 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである。ここで、APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された(formulated)。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。220 nmole/kg(体重)/日 容量で2MbisPを局所投与した結果、面皰面積における50%を上回る減少効果が得られた。有効性(efficacy)は、エタノール濃度が増大されるにつれて増加された(図6に使用された担体ビヒクルに比べて)。653 nmole/kg(体重)/日の容量の方では、それより低い容量に比べて、面皰面積におけるより大きい減少効果が見られた。
【図7】図7は、ライノーマウスに2MBisPを22 nmole/kg(体重)/日, 69 nmole/kg(体重)/日、及び、220 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである。ここで、APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。より低い容量の2MBisPの方(すなわち、22 nmole/kg(体重)/日、69 nmole/kgsw/日)では、何ら効果も見られなかったが、より高容量の方(即ち、220 nmole/kg(体重)/日)では、面皰面積が有意に減少された。ここで、有効性は、担体ビヒクル中のエタノールが30%(体積パーセント)から70%(体積パーセント)まで増加するにつれて増大された。
【図8】図8は、ライノーマウスに2MBisPを217 nmole/kg(体重)/日及び694 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)し、そして、別のライノーマウスに20R-2MBisPを217 nmole/kg(体重)/日及び694 nmole/kg(体重)/日の容量で局所投与し、その面皰面積を比較するバーグラフである(全ての処理マウスを、担体ビヒクルのみを局所投与したライノーマウスに比較した)。ここで、APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。ビヒクル処理群に比べて、2MBisPは、両方の容量において、面皰面積を有意に減らすということが確認された。より低容量の20R-2MBisP では、有意な効果が見られなかったが、より高容量の20R-2MBisPでは有意な効果が得られた。かかる結果は、20S位置にメチル基を有する2MBisPの方が、面皰面積の減少(効果)において20R-2MBisPより1/2対数だけ強力であることを示す。
【図9】図9は、ライノーマウスに2MPregna、2MP、2MBisP、及び、2MTrisPを217 nmole/kg(体重)/日の容量でそれぞれ単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである(全ての処理マウスを、担体ビヒクルのみを局所投与したライノーマウスに比較した)。ここで、APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。2MPregna、2MBisP、及び、2MTrisPはそれぞれ前記容量において面皰面積を有意に減少させたが、2MPは前記容量において面皰面積の減少効果が比較的少なかった。
【図10】図10は、ライノーマウスに2MBisPを69 nmole/kg(体重)/日及び 217 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)し、ライノーマウスにFF-44を69 nmole/kg(体重)/日及び217 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)し、FF-55を69 nmole/kg(体重)/日及び217 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである(全ての処理マウスを、担体ビヒクルのみを局所投与したライノーマウスに比較した)。ここで、各APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。3週間の継続的な局所投与後、面皰面積を分析した。より高容量の2MBisP、FF-44及びFF-55では、ビヒクル処理群に比べて、面皰面積において有意な減少が見られた。より低容量の2MbisPでは、面皰面積が増加した。より低容量のFF- 44及びFF-55(単独投与)では、有意な効果は見られなかった。
【図11】図11は、ライノーマウスに2MBisP、FF-44、及び、FF-55をそれぞれ217 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(局所)したときの面皰面積を示したバーグラフである。ここで、薬剤は、継続的に投与され(全部で22回)、又は、毎週月、水、金曜日に断続的に投与された(全部で10回)。その結果を、それぞれビヒクル処理群の百分率(%)で示した。ここで、各APIは、70%(体積パーセント)のエタノール及び30%(体積パーセント)のプロピレングリコールを含む担体ビヒクル中に処方された。最後に投与(局所)してから72時間が経過した時点においてライノーマウスから皮膚切片を取って、面皰面積を分析した。2MBisP、FF-44、及び、FF-55(継続的投与群)はそれぞれ、ビヒクル処理群に比べて、面皰面積を有意に減少させた。2MBisP、FF-44、及び、FF-55(断続的投与群)は、ビヒクル処理群に比べて、面皰面積を有意に減少させた。
【図12】図12は、 ライノーマウスに2MBisPを522 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与し(経口)、そして、CAGE-3を68 pmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(経口)した際の面皰面積を示したバーグラフである。ここで、24日間の継続的な経口投与後、面皰面積を分析した。両方のAPIは、面皰面積の減少をもたらした。
【図13】図13は、 ライノーマウスに24R-2MD2を2.3 nrnole/kg(体重)/日の容量で単独投与し(経口)、そして、VitIII(17-20E) を24 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(経口)した際の面皰面積を示したバーグラフである。ここで、24日間の継続的な経口投与後、面皰面積を分析したが、面皰面積における有意な減少は見られなかったが。
【図14】図14は、 ライノーマウスにNELを7.5 nmole/kg(体重)/日、及び、25 nmole/kg(体重)/日の容量で単独投与(経口)した際の面皰面積を示したバーグラフである。ここで、24日間の継続的な経口投与後、面皰面積を分析したが、面皰面積における有意な減少は見られなかったが。
【図15】図15は、atRAを単独で24日間経口投与されるとともに、局所用ビヒクルを21日間投与されたライノーマウスと、担体(30%(体積パーセント)のエタノール及び70%(体積パーセント)のプロピレングリコール)中の2MBisPを単独で24日間局所投与されるとともに、経口用ビヒクルを24日間投与されたライノーマウス、ならびに、atRAを24日間経口投与されるとともに、2MBisPを21日間局所投与されたライノーマウスにおける面皰面積を示すバーグラフである。ここで、最後にビヒクル又はatRAを投与(経口投与)してから4時間が経過した時点で前記ライノーマウスから取り出した皮膚に対し、面皰面積の分析を行った。ここで、atRA及び2MBisPの併用療法は面皰面積を相乗的に減少させた。ここで、atRAの経口投与と、ビヒクルの局所投与との併用療法では、有意な有効性は見られなかった。2MBisPの局所投与と、ビヒクルの経口投与との併用療法では、有意な有効性は見られなかった。atRAの単独投与、又は、2MBisPの単独投与においても、有意な有効性は見られなかった。ここにいう有効性は、ビヒクル対照群に基づくものである。
【図16】図16は、ヘマトキシリン・エオジン染色を行った雌ライノーマウスから取り出した皮膚切片を示したものである。ここで、前記マウスには、経口用ビヒクル(「ウェッソン(Wesson)」(登録商標)大豆油)中のatRAを単独で経口投与し、局所用ビヒクル(30%エタノール及び70%プロピレングリコール)中の2MBisPを単独で局所投与し、そして、atRA(経口投与)と2MBisP(局所投与)との組み合わせを投与した。ここで、atRAの経口投与だけでは、ビヒクル対照群に比べたときに、皮膚の形態(morphology)における有意な変化は見られなかった。また、2MBisPの局所投与だけでは、ビヒクル対照群に比べたときに、皮膚の形態(morphology)における有意な変化は見られなかった。atRA投与と2MBisP投与とを併行した場合には、面皰の数及び面積が相乗的、かつ、有意に減少された。
【発明を実施するための形態】
【0130】
既存の治療法の有効性(efficacy)を保持しつつ改善された毒性プロファイル(toxicity profile)を有する経口又は局所治療剤についてのニーズが存在していた。
【0131】
本発明は、にきび、 面皰、乾癬、魚鱗癬、光による老化(photoaging)、又は、光により損傷した皮膚(photodamaged skin)、及び、皮膚がんなどの様々な皮膚疾患を治療するための方法、経口医薬組成物、局所医薬組成物、及び、キットに関する。有効成分であるビタミンD類似体として、例えば、2-メチレン- 19-ノル-20(S)-1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-20(S)-1 α-hydroxy-bishomopregnacalciferol,)、19-ノル-26,27-ジメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(19-nor-26,27-dimethylene-20(S)-2-methylene-1 α,25-dihydroxyvitamin D3)、2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシ-(l 7E)-17(20)-デヒドロ-19-ノル-ビタミンD3(2-methylene-1α,25-dihydroxy-(l 7E)-17(20)- dehydro-19-nor-vitamin D3)、2-メチレン-19-ノル-(24R)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD2(2-methylene-19-nor-(24R)-lα,25-dihydroxyvitamin D2)、2-メチレン-(20R,25 S)-19,26-ジノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(2-methylene-(20R,25 S)-19,26-dinor-1α,25-dihydroxyvitamin D3)、2-メチレン-19-ノル-1α-ヒドロキシ-プレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-1α-hydroxy-pregnacalciferol)、1α-ヒドロキシ-2-メチレン-19-ノル-ホモプレグナカルシフェロール(1α-hydroxy-2-methylene- 19-nor-homopregnacalciferol)、(20R)-1α-ヒドロキシ-2-メチレン-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール((20R)-1α-hydroxy-2-methylene- 19-nor-bishomopregnacalciferol)、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α-ヒドロキシ-トリスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-19-nor-(20S)-1α-hydroxy-trishomopregnacalciferol)、2-メチレン-23,23-ジフルオロ-1α-ヒドロキシ-19-ノル-ビスホモプレグナカルシフェロール(2-methylene-23,23-difluoro-1α-hydroxy-19-nor-bishomopregnacalciferol)、2-メチレン-(20S)-23 ,23-ジフルオロ-1α-ヒドロキシ-19-ノル- ビスホモプレグナnカルシフェロール(2-methylene-(20S)-23,23-difluoro-1α-hydroxy- 19-nor- bishomopregnancalciferol、(2-(3 'ヒドロキシプロピル-1 ',2 '-イデン)-19,23 ,24-トリノル-(20S)-1α-ヒドロキシビタミン D3((2-(3 'hydroxypropyl-1',2 '-idene)-19,23,24-trinor-(20S)-1α- hydroxyvitamin D3)、2-メチレン- 18, 19-diノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(2-methylene-18,19-dinor-(20S)-lα,25-dihydroxyvitamin D3)、その立体異性体、経口組成物に含まれるそのプロドラッグ、その塩、及び/又はその溶媒和物などが挙げられる。レチノイン酸受容体、例えば、レチノイル類(retinoyl)及びレチノイルエステル類(retinoyl esters)を活性化する化合物として、13-シス-レチノイン酸、オール-トランス-レチノイン酸、(2E,4E,6Z,8E)-3,7-ジメチル-9-(2,6,6-トリメチル-l- シクロヘキセニル)ノナ-2,4,6,8-テトラエン酸((2E,4E,6Z,8E)-3,7-dimethyl-9-(2,6,6-trimethyl-l-cyclohexeneyl)nona-2,4,6,8-tetraenoic acid)、9-(4-メトキシ-2,3,6-トリメチル-フェニル)-3,7-ジメチル-ノナ-2,4,6,8-テトラエン酸(9-(4-methoxy-2,3,6-trimethyl-phenyl)-3,7-dimethyl-nona-2,4,6,8-tetraenoic acid))、6-[3-l-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸(6-[3-(l-adamantyl)-4-methoxyphenyl]-2-napthoic acid 、4-[1-(3,5,5,8,8-ペンタメチル-テトラリン-2-イル)エテニル]安息香酸(4-[l-(3,5,5,8,8-pentamethyl-tetralin-2-yl)ethenyl]benzoic acid)、レチノ安息香酸(retinobenzoic acid)、エチル6-[2-(4,4-ジメチルチオクロマン-6-イル)エチニル]ピリジン-3-カルボン酸塩(ethyl 6-[2-(4,4-dimethylthiochroman-6-yl)ethynyl]pyridine-3-carboxylate)、レチノイルt−ブチレート(retinoyl t- butyrate)、レチノイルピナコール(retinoyl pinacol)、レチノイルコレステロール(retinoyl cholesterol)、その異性体、経口組成物用のそのプロドラッグ、そのエステル、その塩、及び/又は、溶媒和物などが含まれる。かかる有効成分の組み合わせは、相乗効果があることがまた証明された。
【0132】
2-メチレン-19-ノル-20(S)- 1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール (2MBisP)及び、その製造方法が、米国特許出願第11/283,163号(出願日:2005年11月22日)に記載されている。かかる特許文献は、参照までに本明細書に含まれる。2-メチレン- 19-ノル-20(S)-1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール (及びその他のビタミンD類似体)の溶媒和物又はその塩は、従来技術に基づいて製造されうる。2-メチレン- 19-ノル-20(S)-1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロールは文献[Plum, L. A. et al]などに記載されている。ヒドロキシルを含まない略された側鎖を有する1α,25-ジヒドロキシビタミン D の生物活性非カルシウム(noncalcemic)類似体が文献[PNAS vol. 101, no. 18, 6900-6904 (May 4, 2004)]に記載されている。
【0133】
19-ノル-26,27-ジメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (CAGE-3)、及び、その製造方法は、米国特許 6,696,431号に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。19-ノル-26,27-ジメチレン- 20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の塩及び溶媒和物は、当業者に知られている従来の合成方法を用いて製造され得る。
【0134】
2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシ-(17E)-17(20)-デヒドロ-19-ノル-ビタミンD3(Vit-III (17-20E))、及び、その製造方法は、米国公開公報2006/0111330号及び 2006/0116351号に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。VitIII (17-20E)の塩及び溶媒和物は、当業者に知られている従来の合成方法を用いて製造され得る。
【0135】
2-メチレン- 19-ノル-(24R)- 1α,25-ジヒドロキシビタミンD2(24R-2MD2) 及び、その製造方法は、米国特許7,232,810号に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。24R-2MD2その他本明細書に記載された19-ノル含有ビタミンD化合物の塩、その立体異性体、そのプロドラッグ、及び、その溶媒和物は、当業者に知られている従来の合成方法を用いて製造され得る。
【0136】
2-メチレン-(20R,25S)-19,26-ジノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(NEL)、及び、その製造方法は、米国特許出願11/669,029号(出願日:2007年1月30日;公開番号:2007/0191316号)に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。NELの塩及び溶媒和物は、当業者に知られている従来の合成方法を用いて製造され得る。
【0137】
2Mプレグナ(2MPregna)及びその製造方法は、米国特許6,566,352号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0138】
2MP及びその製造方法は、米国特許6,774,251号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0139】
20R-2MbisP 及びその製造方法は、米国特許出願11/282,972号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0140】
2MTrisP及びその製造方法は、米国特許出願11/282,304号(出願日:2005年11月18日)に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0141】
FF-44及びその製造方法は、米国特許出願61/017,219号(出願日:2007年12月28日)に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0142】
FF-55及びその製造方法は、米国特許出願61/017,217号(2007年12月28日)に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0143】
HPBS及びその製造方法は、米国特許出願11/732,924号(出願日:2007年4月5日)に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0144】
VD-03及びその製造方法は、米国特許出願2006/0189532及び2007/0105774号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0145】
本明細書に記載された19−ノル含有化合物の製造方法及びその使用方法が、米国公開公報2005/0119242号に記載されている。前記特許文献の記載内容は、参考までに本明細書に含まれる。
【0146】
オール-トランス-レチノイン酸(atRA)は、商品名ベサノイド(Vesanoid:登録商標)といった製品として市販されている。atRAの合成法、並びに、その塩、エステル、及び、その溶媒和物は当業者によく知られている。atRAの塩、エステル、異性体、プロドラッグ、及び、溶媒和物、並びに、本明細書に記載されたその他のレチノイドは、当業者に知られている周知の合成法を用いて製造され得る。
【0147】
本明細書に記載されたレチノイド化合物、その類似体、及び、その誘導体は、ビタミンA及びその類似体を意味する。ここで、レチノイド化合物、その類似体、及び、その誘導体は、RARに結合してその転写活性を調節することによって機能する。文献[Remingtons p. 1695-1696]参照。本発明に用いられる様々なレチノイド化合物、及び、その製造方法は、米国特許4,841,038号、5,880,292号、4,757,140号、5,808,120号、及び、4,966,965号, 並びに、米国公開公報US2005/0085539に記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。本発明に有用なその他のレチノイド/レチノイール(retinoid/retinoyl)、改質レチノイド/レチノイール、及び、レチノイド/レチノイールエステル化合物は、米国特許7,126,017号、及び、米国公開公報2004/0167215などに記載されている。前記特許文献は、参考までに本明細書に含まれる。
【0148】
本明細書に使用された用語「有効量(therapeutically effective dose;治療量又は治療効果のある量とも呼ぶ。)」及び「ヒトに有効量を投与すること」は、にきび、 面皰、乾癬、魚鱗癬、光による老化、又は、光により損傷した皮膚、皮膚がんのうち1以上を治療(予防、処置、又は治療を含む。)するに十分な1以上のAPIの量を意味する。
【0149】
本明細書に使用された語句「レチノイン酸などといった、レチノイン酸受容体を活性化する化合物及びそのプロドラッグ」は、レチノイン酸受容体(RAR)として知られている核たんぱく質(nuclear protein)に結合して、その転写活性(transcriptional activity)を調節する化合物を意味する。文献[Chambon, 1996, FASEB J. 10:940-954; Clagett-Dame et al., 1997, Crit. Rev. Euk. Gene Exp. 7:299-342; and, Mark et al., 2006, Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 46:451-480]参照。
【0150】
医薬として許容される局所及び経口担体システム(現代の技術では、「ドラックデリバリシステム」とも呼ぶ。このシステムは、体内に薬品の均一な放出又は標的化を可能にする医薬品の一部として、又は、それとともに分布されるものを指す。)は、FDA及び/又はUSP承認有効成分を含むのが好ましい。21CFR210.3(b)(8)によれば、不活性成分(inactive ingredient)は、前記有効成分以外の任意の医薬成分である。21 CFR 210.3(b)(7)によれば、有効成分(active ingredient)は、ヒトまたは動物の身体における任意の構造(構成)、或いは、機能に影響を及ぼし、又は、疾病の診断、治療、軽減、処置、又は、予防に薬理効果又はその他の直接的効果を及ぼすための医薬品の任意の成分である。有効成分は、医薬製品の製造の際に化学変化を経て、特定の活性又は効果をもたらすために改質された形態の医薬製品の中に存在し得る製品の構成要素を含む。この明細書においては、キット(「剤形」とも呼ぶ。)は、関連材料の容器入りコレクション(packaged collection)である。
【0151】
前述の通り、局所剤形は、ローション剤(エマルジョン、液体剤形、これらの剤形は、主に皮膚途布用に供される。)、増強ローション剤(薬物送達が改善されたローションン剤である。ここにいう“増強”とは、剤形における薬物の強度を指すものではない。)、ゲル剤(溶液又はコロイド分散液に対し剛性(stiffness)を与えるために、ゲル化剤を含有する反固体形剤をいう。このゲルは、浮遊粒子を含む場合がある。)、軟膏剤(ビヒクルとして、通常20%未満の水と、揮発性の物質と、50%未満の炭化水素、ワックス、又は、ポリオールなどを含有する反固体剤形、この剤形は、皮膚又は粘膜といった身体の外部に使用されるものである。)、増強軟膏(薬物送達を向上させる軟膏剤形である。ここで、“増強”は、前記剤形における薬物の強度を意味するものではない。)、クリーム剤(エマルジョン、半固形剤形、通常20%未満の水、揮発性の物質、50%未満の炭化水素、ワックス、又は、ポリオールなどをビヒクルとして含有する。この剤形は、概して皮膚、粘膜に途布するためのものである。)、増強クリーム剤(薬物送達を改善するクリーム剤、ここにいう“増強”とは、剤形における薬物の強度を指すものではない。)、エマルジョン(2以上の混合しない液体からなる2相システムからなる剤形である。これらの液体のうち1つは、別の液体、外相、又は、連続相中に液滴、内相、分散相として分散されている。また、1以上の乳化剤で安定化されている。ここで、エマルジョンは、それより具体的な用語が適用される場合を除き、剤形を指すものとして取り扱われる。)、縣濁剤(液体ビヒクル中に分散された固体粒子を含む液体剤形)、持続放出縣濁剤(粒子が解けない液体相を通して分散された固体粒子からなる液体製剤、この縣濁剤は、既存の剤形、例えば、溶液、又は、既存の即時放出型固形剤として処方された薬物に比べて、投与回数(dosing frequency)を減らすことができるように処方されたものである。)、パースト剤(脂肪ビヒクル中に微細に分散された固体を20〜50%だけ含む半固形剤形である。)、溶液(互いに混合可能な溶媒の混合物又は溶媒中に溶解された1以上の化学物質を含有する透明かつ均質な液体剤形である。)、粉末、シャンプー(髪の毛及び頭皮を洗浄するために用いられるせっけん又は洗浄剤を有するローション剤形)、シャンプー縣濁液(髪の毛又は頭皮を洗浄するために用いられ、又は、皮膚科剤のビヒクルとして用いられる液体ビヒクル中に分散された1以上の固体不溶性物質を含む液体石鹸または洗浄剤)、エアロゾル泡(すなわち、1以上の有効成分、界面活性剤、水性または非水性液体、及び、推進剤を含む財形;推進剤が非連続性内相中に存在する場合(即ち、油中水型である場合)、安定した泡が放出され、そして、推進剤が連続性外相中に存在する場合(即ち、水中油型である場合)、スプレー又は迅速に砕ける泡(quick-breaking foam)が放出される。)、スプレー(空気又はスチームのジェットによって微細に分割された液体)、定量スプレー(活性化される度に、予め定められた量だけを分割する弁を採用した非圧力型剤形)、懸濁液スプレー(鼻腔−咽頭管に局所的に適用され、又は、皮膚に局所的に適用される微細に分割された固体又は粗液敵の形態、及び、液体ビヒクル中に分散された固形粒子を含む液剤)、ゼリー(一種のゲルであり、液体によって互いに貫通させ合う小さい無機粒子又は大きい有機分子のいずれかからなる懸濁液で構成された半固形システムである。 前記液体中に構造的に粘性のマトリックスが存在し、このマトリックスは、大量の液体、通常水を含有している。)、フィルム(薄層、又は、被覆層)、持続放出型フィルム(血中又は標的組織中において一定の薬物濃度を維持するために、より長時間にわたって薬物を放出するように考案されたフィルムの形態をしたドラックデリバリシステムである。)、可溶性フィルム(液体と接触したときに溶けるように考案された薄層又は被覆層である。)、スポンジ(薬物を含む吸水性多孔質飛び越し材料であって、治療、又は、洗浄の目的で塗布されることが多い。ここで、スポンジは、概してこの形態を保持している。)、消毒綿(薬物を含有する比較的フラットな吸収性材料の一部であって、小さいスチックの片方の端部に付着され得る。また、消毒綿は、医療(治療)又は洗浄のために用いられることが多い。)、パッチ剤(主に身体の外部に適用される接着性のバッキングを含むドラックデリバリシステムであって、その有効成分は、パッチの一部から受動的に拡散されるか、又は、能動的に送達される。パッチによっては、有効成分が身体の外表面に送達され、又は、体中に送達される。パッチは、持続放出型フィルムおよびシステムの同意語として使われる場合もある。)、持続放出型パッチ剤(既存の剤形、例えば、溶液又は即時放出型固形剤などに比べて、投与間隔(投与回数)を減少できるように薬物を放出する形態のドラックデリバリシステムである。) 電子制御式持続放出型パッチ剤 (既存の剤形、例えば、溶液又は即時放出型固形剤などに比べて、投与間隔(投与回数)を減少できるように薬物を放出する電子的に制御された形態のドラックデリバリシステムである。)など当業者にとって広く知られている様々な剤形を含む。様々な局所剤形は、短時間作用型(immediate release)、制御放出型(controlled release)、及び、持続放出型(sustained release)などとして調合(処方)され得る。
【0152】
局所組成物は、有効成分(即ち、医薬的活性成分)と、添加剤(excipient)、着色剤、顔料、添加剤(additive)、充填剤、緩和剤(emollient),界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性)、浸透促進剤(例えば、アルコール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、及び、ポリオール)などといった1以上の医薬的非活性成分と、を含み得る。メーカによって具体的に意図された非活性成分(inactive ingredient)を含む「非活性成分データベース」には、様々なFDA承認局所非活性成分が載っている。21CFR210.3(b)に定められた有効成分(活性成分)の定義に基づいて、特定の雰囲気の下では非活性成分が有効成分とみなされる場合がある。アルコールは、製剤(product formulation)によって、活性成分(有効成分)としても、或いは、非活性成分としてもはたらきうる成分の代表例である。
【0153】
本明細書に記載された経口剤形としては、カプセル(シェル及び充填物で構成された固形剤であり、このシェルは、単一のシールされたシェルからなるか、または、互いにフィットする2つのハーフからなる。このシェルは、バンドなどでシールされる場合がある。カプセルのシェルは、ゼラチン、スターチ、セルロース、又は、その他の適合した材料から製造され、軟質又は硬質のものである。このシェルは、注がれ、又は、圧搾され得る固体又は液体で満たされている。)、カプセル又は被覆ペレット(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。ここで、薬物自体は、粒子の形態をしている。様々な被覆(量)が前記粒子に適用され得る。)、持続放出型被覆カプセル(capsule coated extended release)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。また、前記カプセルは所定の被覆物中に被覆されている。既存の剤形に比べて、投与間隔(投与回数)を減らすことができるように薬物を放出することが特徴である。)、徐放出型カプセル(capsule delayed release)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。投与後に迅速でない方法で薬物を放出する。腸溶コーティング製品は、徐放出型剤形である。)、カプセル持続放出型ペレット(capsule delayed release pellets)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。ここで、薬物自体は、腸溶コーティングが適用され得る粒子の形態をしている。それにより、前記剤形が腸を通過するまで薬物の放出を遅らせることができる。)、持続放出型カプセル(capsule extended release)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。既存の剤形に比べて、投与間隔(投与回数)を減らすことができるように薬物を放出することが特徴である。)、フィルム被覆持続放出型カプセル(capsule film-coated extended release)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。また、前記カプセルは所定のフィルム・コーティングで被覆されている。既存の剤形に比べて、投与間隔(投与回数)を減らすことができるように薬物を放出することが特徴である。)、ゼラチン被覆カプセル(capsule gelatin coated)(適当な形態のゲラチンで構成されたシェル又は軟質又は硬質の溶解性容器内に薬物が保持された固形剤である。バンド形成プロセスを通じて、前記カプセルは、もう1つのゲラチン層で被覆されて、完全なシールを形成する。)、液体充填カプセル(capsule liquid filled)(薬物が、可溶性のゼラチンシェル内に保持された固形剤である。このゼラチンシェルは、ポリオール、例えば、ソルビトール又はグリセリンによって可塑かされている。よって、硬質のシェルカプセルに比べてコンシステンシーが多少濃いものとなる。通常、有効成分は、液体ビヒクル中に分散又は溶解されている。)、粒子(granule)(小さい粒子又は粒)、ペレット(高純度の薬物からなる小さな滅菌・固形の塊である。ここで、添加剤が含まれているか、又は、含まれていない。これは、粒子を形成し、それを圧縮・成形することによって製造される。)、持続放出型被覆ペレット(pellets coated extended release)(薬物自体は、粒子の形態をしている。様々な被覆(量)が前記粒子に適用され得る。この剤形は、既存の剤形に比べて、投与間隔(投与回数)を減らすことができるように薬物を放出することが特徴である。)、丸剤(経口投与に適した薬剤を含有する小さく手丸い固形剤である。)、散剤(身体の内部及び外部に対し使用するための微細に分割された(乾燥)薬物及び/又は化学物質の密接混合物である。)、エリキシル(溶解されている薬物を含む水アルコール性の透明な経口用液体(香料入り)である。)、チューインガム(噛むと、口腔内へ薬物を放出する様々な形態の加藤・香料入りの不溶性プラスチック物質である。)、シロップ(高濃度のしょ糖その他糖類を含有する経口用液剤である。この用語は、経口縣濁剤を含めて甘くて粘質のビヒクル中に製造されたその他の液体剤形を含むものとして使用されている。)錠剤(適当な稀釈剤を有するか、又は、有さないで薬物を含有する固形剤である。)、かみ砕ける錠剤(適当な稀釈剤を有するか、又は、有さないで薬物を含有する固形剤である。これは、噛むと、苦味又は不快な後味を残さずに、容易に飲み込まれるように、口腔中に気持ちよい後味を生じさせるものである。)、被覆錠剤(tablet coated)(適当な稀釈剤を有するか、又は、有さない薬物を含有する固形剤である。また、被覆されている。)、被覆粒子錠剤(tablet coated particle)(それぞれ被覆された薬物の粒子からな集合体(conglomerate)を含む固形剤である。)、徐放出型錠剤(投与後迅速でない方法で薬物を放出する固形剤である。ここで、腸溶コーティング製品は徐放出型剤形である。)、徐放出型粒子錠剤(tablet delayed release particle)(投与後迅速でない方法で薬物を放出するコーティングで被覆された薬物粒子の集合体を含む固形剤である。ここで、腸溶コーティング製品は徐放出型剤形である。)、分散型錠剤(tablet dispersible)(投与前に液体中に置かれるときに、その内容物が前記液体を通じて均一に分散される錠剤である。ここで、用語“分散型錠剤”は、承認された医薬製品に限られず、他の用語“分散液用の錠剤(tablet dispersible)”などで置き換えられる。)、発泡性錠剤(tablet effervescent)(酸、例えば、クエン酸、酒石酸、及び、重炭酸ナトリウムの混合物を含有する固形剤である。この剤形は、水に溶けたときに二酸化炭素を放出する。これは、投与する前に水に溶け、又は、分散させるものである。)、持続放出型錠剤(既存の剤形中の薬物に比べてその投与間隔(投与回数)を減らすことができる薬物含有固形剤である。)、フィルム・コーティング錠剤(水不溶性又は水溶解性ポリマーの薄膜で被覆され、かつ、適当な稀釈剤を含むか又は含まないで薬物を含有する固形剤である。)、持続放出型フィルム・コーティング錠剤(tablet film coated extended release)(水不溶性又は水溶解性ポリマーの薄膜で被覆され、かつ、適当な稀釈剤を含むか又は含まないで薬物を含有する固形剤である。この錠剤は、摂取後より長時間にわたって薬物の有効濃度を維持できるように処方されたものである。)溶液用の錠剤(tablet for solution)(液体中に置かれたときに溶液を形成する錠剤である。)、縣濁液用の錠剤(tablet for suspension)(液体中に置かれたときに縣濁液を形成する錠剤である。前述した“分散型錠剤”とも呼ぶ。)、多層錠剤(tablet multilayer)(圧縮されて多層錠剤、又は、錠剤内錠剤(tablet-within-a-tablet)を形成する薬物を含む固形剤である。ここで、内部の錠剤は、コアであり、そして、外部の錠剤は、シェルである。)、持続放出型多層錠剤(圧縮されて多層錠剤、又は、錠剤内錠剤(tablet-within-a-tablet)を形成する薬物を含む固形剤である。ここで、内部の錠剤は、コアであり、そして、外部の錠剤は、シェルである。また、この錠剤は、所定のコーティングで被覆されている。この調剤は、既存の剤形中の薬物に比べて、その投与間隔(投与回数)を減らすことできるように処方されている。)、口腔分解型錠剤(tablet orally disintegrating)(舌に乗せられると、通常数秒内に、迅速に分解(崩壊)する薬物を含有する固形剤である。)、持続放出型口腔分解錠剤(tablet orally disintegrating delayed release)(舌に乗せられると、通常数秒内に、迅速に分解(崩壊)されるが、投与後迅速でない方法で薬物を放出する固形剤である。)、溶解性錠剤(tablet soluble)(適当な稀釈剤を有するか又は有しないで薬物を含有し、かつ、液体中に溶ける特性を有する固形剤である。)、糖衣錠(適当な稀釈剤を有するか又は有しないで薬物を含有し、かつ、着色又は着色していない水溶解性砂糖で被覆されたものである。)、浸透剤(osmotic)などが含まれる。
【0154】
経口組成物は、有効成分(即ち、医薬的活性成分)と、賦形剤、 溶解剤、アルコール、バインダー、制御放出ポリマー、腸まで達してから溶けるポリマー、錠剤を分解する物質(disintegrant),添加剤(excipient)、着色剤、 香料(flavorant) 、甘味料、酸化防止剤、防腐剤、顔料、添加剤(additive)、充填剤、懸濁剤、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性)など、といった、1以上の医薬的非活性成分と、を含み得る。メーカによって具体的に意図された非活性成分を含む「非活性成分データベース」には、様々なFDA承認局所非活性成分が存在する。21CFR210.3(b)によれば、有効成分(活性成分)の定義に基づいて、特定の雰囲気の下では非活性成分が有効成分とみなされ得る。アルコールは、成分の処方によって、活性成分(有効成分)としても、或いは、非活性成分としてもなし得る成分の代表例である。
【0155】
治療法は、様々な投与方式(dosing regimen)をも含み得る。尋常性座瘡の詳細は、文献[Remingtons p. 1131]を参照されたい。ヒトにおいて、様々な有効量(therapeutically effective dose)、及び、その投与方式は、周知の相対成長率ファクタ(allometric scaling factor)を用いて、ここに記載した動物実験データから導き出すことができる。例えば、体重0.03kgであるマウスに対して、体重70kgのヒトを想定すると、ASファクタは約7である。
【0156】
表1〜3に示した予想容量範囲は、経口容量範囲の最高値に対し、ライノーマウスに対する最大容量は、ヒトに予想されるより低い感受性のために補正され、さらに0.5対数容量(log dose)だけ増加されたことを想定して計算されたものである。最低容量は、最大容量(予想値)よりも1x106だけ少ない。局所容量の最大値の場合、その値に20のファクタをかけて求めるが、それは、マウスによる吸収率を100とした場合に、ヒトは僅かその5%を吸収するに過ぎないからである。
【0157】
様々なビタミンDに対する動物種の感受性(sensitivity)における差異だけでなく、皮膚における様々なビタミンD類似体の相対的吸収率における差異に基づいて、ヒトにおいては、ここに記載された動物実験に用いられた容量(有効量)に基づいて定められた有効量とは異なる容量が選択されることもあり得る。
【実施例】
【0158】
ライノーマウスを用いて、本発明に係る化合物及び組成物の局所及び経口投与についての実験を行った。ライノーマウスは、レチノイド類を含んだ抗にきび剤の面皰溶解効果(comedolytic effect)を調べるのに確立された動物モデルである。文献[Boulcier M et al., Experimental Models in Skin Pharmacology, 1990, In Pharmacological Reviews 42:127-15). Mirshahpanah and Maibach, 2007, Cutaneous and Ocular Toxicology 26:195-202]参照。ライノーマウスモデルを用いて、2-メチレン-19-ノル- 20(S)- 1α-ヒドロキシ-ビスホモプレグナカルシフェロール (2MBisP), 19-ノル-26,27-diメチレン-20(S)-2-メチレン-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(CAGE-3), NEL,24R-2MD2, Vit-III (17-20E), 2MPregna, 2MP, 20R-2MbisP, 2MTrisP, FF-44, FF-55, HPBS, VD-03、及び、atRAの治療効果(可能性)について研究した。ここに記載したデータによれば、全部ではないが、少なくとも一部のビタミンD類似体が、テストした投与量において面皰の大きさを実質的に減らす効果があることが明らかになった。
【0159】
また、MBisP及びatRAの混合物(組み合わせ)を投与することによって上昇効果が得られた。この上昇効果は、ビヒクルだけを投与したときに比べて、面皰の大きさにおける実質的減少によって明らかになった。この上昇効果は、さらに、従来効果無しとされた低容量のatRAを投与した後に見られた面皰面積の実質的減少によって明らかになった。この発明においては、従来効果ないとされた低容量のatRAを効果的なものとすることで、atRAを投与することに伴う重度の副作用を回避するか、或いは、最小化することができる。
【0160】
動物及び容量投与
6〜10週齢のライノーマウスに経口及び局所ルートを介して投与した。多くの場合、前記マウスに毎日投与を行った。局所治療において、一周(継続)投与対断続投与(月曜日/水曜日/金曜日)の有効性を比較した。週に1回マウスの体重を計り、その体重に基づいて投与量を毎週調節した。局所剤を、最大体積110μlで動物の背中に適用した。この局所剤は、前述の通り、APIを、70%(体積パーセント)のプロピレングリコール及び30%(体積パーセント)のエタノール、又は、30%(体積パーセント)のプロピレングリコール及び70%%(体積パーセント)エタノールを含む局所担体と混合させて製造したものである。局所ビヒクル対照群として、API及びビヒクル担体を含む製剤に適合させたビヒクル担体溶液を用いた。
【0161】
経口剤は、APIを、ウェッソン(登録商標) 大豆油又はネオビー(NeoBee)(登録商標)オイルと混合して製造した。経口容量を、各マウスの口の裏側に送達した。最後の経口容量を投与してから4時間が経過した時点において、そして、局所容量を投与してから72時間が経過した時点において、前記マウスを致死させた。そこで、 組織学的研究のために背面皮膚を収集した。
【0162】
面皰溶解効果(Comedolytic effect)
面皰溶解効果の程度(即ち、有効性)は、面皰の平均面積を測定することによって評価した。ここで、より小さい面積は、より大きい面皰溶解効果を意味する。面皰面積は、我々の実験室独自の方法(実験室において開発された方法)に基づいて、組織切片に対する組織学的分析によって測定された。図2参照。皮膚を、4%のホルムアルデヒド(4℃)において軽く攪拌しつつ一晩固定させ、翌日100%メタノール中に脱水させた。サンプルをパラフィンに埋め込み、各ライノーマウスから150ミクロン間隔の10ミクロン(大きさ)の切片10個を製作した。面皰分析のために、メタモープイメージングソフトウェア(Metamorph Imaging Software)(トレース機能)を用いて9個の切片のうち5個をデジタル的に画像化した(6倍拡大)。その後、ソフトウェアに適当させたWacom Intuos 3 Graphics Tabletを用いて、5個の切片から得た画像上における各面皰の周囲をたどった。各々の面皰の面積を含むピクセルの数を得て、それをエクセル・スプレッドシート(Excel spreadsheet)に転送し、各ライノーマウスに対し面皰あたりのピクセル(数)の平均値を求めた。完治された面皰(面積=0)に対しては、0に近接するピクセル値(10未満)が前記スプレッドシートに入力された。その後、各マウスに対する各面皰面積の平均値を用いて、処理群の平均値を計算した。図では、その結果を平均値±標準偏差で表した。
【0163】
2MBisP、CAGE-3、24R-2MD2、VitIII(17-20E)及びNELを含む経口溶液の製造
2MBisP、CAGE-3、24R-2MD2、VitIII(17-20E)、及び、NELの各濃縮液(concentrated stock)をエタノール中に得た。その濃度は、モル消散係数=42000及びλmax=252.7を用いた分光光度測定法によって決められた。経口溶液は、適当量のエタノール系溶液をオイル(ネオビー(登録商標)又はウェッソン(登録商標))に加えることによって製造された。ここで、エタノールの最終濃度は、5%(体積パーセント)を超えなかった。最終投与量は、オイル50μl以下中に送達された。
【0164】
2MBisP、CAGE-3、24R-2MD2、VitIII(17-20E)、NEL、VD-03、2MPregna、2MP、20R-2MBisP、2MTrisP、FF-44、FF-55、及びHPBSを含む局所製剤の製造
2MBisP、CAGE-3、24R-2MD2、VitIII(17-20E)、及び、NELの各エタノール系濃縮液を最終濃度(添加剤(excipient)として70%(体積パーセント)のプロピレングリコール及び30%(体積パーセント)のエタノール、又は、30%(体積パーセント)のプロピレングリコール及び70%(体積パーセント)のエタノールを含む)となるように希釈させた。この混合物を完全に混合させた。この局所剤は所定量(体重の1kgあたり)の薬物を送達した。100〜110μlの投与量を、マウスの背中の方に投与した。投与量(体積)の計算では、マウスの平均体重が24又は30gと仮定した。投与量(体積)は、毎週調整され、各マウスの体重に基づいて所定量が投与された。
【0165】
atRA製剤の製造
atRAを含有する濃縮液をジクロロメタン中に製造した。atRA濃縮液をエタノール中に希釈した。その希釈液中atRAの濃度は、モル消散係数=45200及びλmax=350を用いた分光光度測定法によって決められた。atRAの純度(測定値)は、99%超であった(HPLC)。適当量(体積)のatRAをウェッソン(登録商標)オイルに添加し、サンプルを混合し、そして、残留するジクロロメタンを除去した。かかる除去は、蒸気フードの下に3時間アルゴンガスを用いて前記オイルを洗浄することによって行われた。最終投与量(final dose)は、オイル50μl未満を用いて経口投与された。
【0166】
方法、動物、及び、投与容量
6〜10週齢のライノーマウスに経口投与した。マウスには継続的に投与した。マウスの体重を週に3回量り、その体重に基づいて投与量を調整した。経口製剤は、APIとウェッソン(登録商標)大豆油を混合することによって製造された。(経口)投与量を、各マウスの背中に送達した。最終の投与後4時間が経過した時点においてマウスを致死させ、組織学的研究のために背方の皮膚を収集した。
【0167】
【表1】
【0168】
【表2】
【0169】
【表3】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
19-ノル-含有ビタミンD化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を有する有効成分の有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む局所組成物。
【請求項2】
前記19-ノル-含有ビタミンD化合物が、以下に示す[化1]〜[化13]の化合物、その立体異性体、その塩、および、その溶媒和物からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の局所組成物。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【請求項3】
前記化合物が、以下に示す[化14]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化14】
【請求項4】
前記担体システムが、30%〜70%のエタノールと、70%〜30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の局所組成物。
【請求項5】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の局所組成物。
【請求項6】
前記化合物が、以下に示す[化15]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、14μg〜14pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化15】
【請求項7】
前記担体システムが、30%のエタノールと、70%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の局所組成物。
【請求項8】
前記化合物が、以下に示す[化16]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、4.5mg〜4.5ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化16】
【請求項9】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の局所組成物。
【請求項10】
前記化合物が、以下に示す[化17]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、450μg〜0.45ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化17】
【請求項11】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項10に記載の局所組成物。
【請求項12】
前記化合物が、以下に示す[化18]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、4.5mg〜4.5ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化18】
【請求項13】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項12に記載の局所組成物。
【請求項14】
前記化合物が、以下に示す[化19]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化19】
【請求項15】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項14に記載の局所組成物。
【請求項16】
前記化合物が、以下に示す[化20]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化20】
【請求項17】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項16に記載の局所組成物。
【請求項18】
前記化合物が、以下に示す[化21]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶質であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化21】
【請求項19】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項18に記載の局所組成物。
【請求項20】
前記化合物が、以下に示す[化22]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、34mg〜34ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化22】
【請求項21】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項20に記載の局所組成物。
【請求項22】
前記化合物が、以下に示す[化23]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化23】
【請求項23】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項22に記載の局所組成物。
【請求項24】
前記化合物が、以下に示す[化24]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化24】
【請求項25】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項24に記載の局所組成物。
【請求項26】
前記化合物が、以下に示す[化25]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、41mg〜41ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化25】
【請求項27】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項26に記載の局所組成物。
【請求項28】
前記化合物が、以下に示す[化26]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、11μg〜0.11ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化26】
【請求項29】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項28に記載の局所組成物。
【請求項30】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含むにきびの治療方法。
【請求項31】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む面皰を減らす方法。
【請求項32】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む乾癬の治療方法。
【請求項33】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む魚鱗癬の治療方法。
【請求項34】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法。
【請求項35】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む皮膚がんの治療方法。
【請求項36】
19-ノル-含有ビタミンD化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物を有する有効成分の有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む経口組成物。
【請求項37】
前記19-ノル-含有ビタミンD化合物が、以下に示す[化27]〜[化31]の化合物、その立体異性体、その塩、および、その溶媒和物からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項36に記載の経口組成物。
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【請求項38】
前記化合物が、以下に示す[化32]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、7.0mg〜7.0ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化32】
【請求項39】
前記担体システムが、オイルであることを特徴とする請求項38に記載経口組成物。
【請求項40】
前記化合物が、以下に示す[化33]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、700ng〜0.7pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化33】
【請求項41】
前記化合物が、以下に示す[化34]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、23μg〜23pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化34】
【請求項42】
前記化合物が、以下に示す[化35]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、230μg〜230pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化35】
【請求項43】
前記化合物が、以下に示す[化36]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、230μg〜230pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化36】
【請求項44】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含むにきびの治療方法。
【請求項45】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含む面皰を減らす方法。
【請求項46】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含む乾癬の治療方法。
【請求項47】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含む魚鱗癬の治療方法。
【請求項48】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法。
【請求項49】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む皮膚がんの治療方法。
【請求項50】
レチノイン酸化合物受容体を活性化する化合物、そのプロドラック、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムと、を含む経口組成物、及び、
19-ノル含有ビタミンD化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む局所組成物
を有することを特徴とする医薬キット。
【請求項51】
前記19-ノル含有ビタミンD化合物が、以下に示す[化37]〜[化49]の化合物、その立体異性体、その塩、及び、その溶媒和物からなる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項50に記載の医薬キット。
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【請求項52】
レチノイン酸受容体を活性化する化合物が、以下に示す[化50]〜[化61]の化合物、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、および、その溶媒和物からなる群から選ばれたいずれかであることを特徴とする請求項51に記載のキット。
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【請求項53】
以下に示す[化62]の化合物、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムと、を含む経口組成物、及び、
以下に示す[化63]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む局所組成物
を有することを特徴とする医薬キット。
【化62】
【化63】
【請求項54】
前記第1有効量が、5ng/kg(体重)/日〜1mg/kg(体重)/日であり、そして、前記第2有効量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項53に記載の医薬キット。
【請求項55】
前記局所担体システムが、30%〜70%のエタノールと、70%〜30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項54に記載の医薬キット。
【請求項56】
前記局所担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項55に記載の医薬キット。
【請求項57】
以下に示す[化64]の化合物、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムと、を含む経口組成物、及び、
以下に示す[化65]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む局所組成物を有することを特徴とする医薬キット。
【化64】
【化65】
【請求項58】
前記第1有効成分の第1有効量が、50mg/kg(体重)/日〜10mg/kg(体重)/日であり、そして、前記第2有効成分の第2有効量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項57に記載の医薬キット。
【請求項59】
前記局所担体システムが、30%〜70%のエタノールと、70%〜30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項58に記載の医薬キット。
【請求項60】
前記局所担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項59に記載の医薬キット。
【請求項61】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含むにきびの治療方法。
【請求項62】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む面皰を減らす方法。
【請求項63】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む乾癬の治療方法。
【請求項64】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む魚鱗癬の治療方法。
【請求項65】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法。
【請求項66】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む皮膚がんの治療方法。
【請求項1】
19-ノル-含有ビタミンD化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を有する有効成分の有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む局所組成物。
【請求項2】
前記19-ノル-含有ビタミンD化合物が、以下に示す[化1]〜[化13]の化合物、その立体異性体、その塩、および、その溶媒和物からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の局所組成物。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【請求項3】
前記化合物が、以下に示す[化14]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化14】
【請求項4】
前記担体システムが、30%〜70%のエタノールと、70%〜30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の局所組成物。
【請求項5】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の局所組成物。
【請求項6】
前記化合物が、以下に示す[化15]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、14μg〜14pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化15】
【請求項7】
前記担体システムが、30%のエタノールと、70%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の局所組成物。
【請求項8】
前記化合物が、以下に示す[化16]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、4.5mg〜4.5ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化16】
【請求項9】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の局所組成物。
【請求項10】
前記化合物が、以下に示す[化17]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、450μg〜0.45ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化17】
【請求項11】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項10に記載の局所組成物。
【請求項12】
前記化合物が、以下に示す[化18]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、4.5mg〜4.5ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化18】
【請求項13】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項12に記載の局所組成物。
【請求項14】
前記化合物が、以下に示す[化19]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化19】
【請求項15】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項14に記載の局所組成物。
【請求項16】
前記化合物が、以下に示す[化20]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化20】
【請求項17】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項16に記載の局所組成物。
【請求項18】
前記化合物が、以下に示す[化21]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶質であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化21】
【請求項19】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項18に記載の局所組成物。
【請求項20】
前記化合物が、以下に示す[化22]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、34mg〜34ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化22】
【請求項21】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項20に記載の局所組成物。
【請求項22】
前記化合物が、以下に示す[化23]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化23】
【請求項23】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項22に記載の局所組成物。
【請求項24】
前記化合物が、以下に示す[化24]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化24】
【請求項25】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項24に記載の局所組成物。
【請求項26】
前記化合物が、以下に示す[化25]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、41mg〜41ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化25】
【請求項27】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項26に記載の局所組成物。
【請求項28】
前記化合物が、以下に示す[化26]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、11μg〜0.11ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項2の記載の局所組成物。
【化26】
【請求項29】
前記担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項28に記載の局所組成物。
【請求項30】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含むにきびの治療方法。
【請求項31】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む面皰を減らす方法。
【請求項32】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む乾癬の治療方法。
【請求項33】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む魚鱗癬の治療方法。
【請求項34】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法。
【請求項35】
ヒトに請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む皮膚がんの治療方法。
【請求項36】
19-ノル-含有ビタミンD化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物を有する有効成分の有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む経口組成物。
【請求項37】
前記19-ノル-含有ビタミンD化合物が、以下に示す[化27]〜[化31]の化合物、その立体異性体、その塩、および、その溶媒和物からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項36に記載の経口組成物。
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【請求項38】
前記化合物が、以下に示す[化32]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、7.0mg〜7.0ng/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化32】
【請求項39】
前記担体システムが、オイルであることを特徴とする請求項38に記載経口組成物。
【請求項40】
前記化合物が、以下に示す[化33]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、700ng〜0.7pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化33】
【請求項41】
前記化合物が、以下に示す[化34]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、23μg〜23pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化34】
【請求項42】
前記化合物が、以下に示す[化35]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、230μg〜230pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化35】
【請求項43】
前記化合物が、以下に示す[化36]の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物であり、そして、その投与量が、230μg〜230pg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項37の記載の経口組成物。
【化36】
【請求項44】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含むにきびの治療方法。
【請求項45】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含む面皰を減らす方法。
【請求項46】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含む乾癬の治療方法。
【請求項47】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含む魚鱗癬の治療方法。
【請求項48】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に経口投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法。
【請求項49】
ヒトに請求項36〜43のいずれか1項に記載の組成物を継続的又は断続的に局所投与することを含む皮膚がんの治療方法。
【請求項50】
レチノイン酸化合物受容体を活性化する化合物、そのプロドラック、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムと、を含む経口組成物、及び、
19-ノル含有ビタミンD化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む局所組成物
を有することを特徴とする医薬キット。
【請求項51】
前記19-ノル含有ビタミンD化合物が、以下に示す[化37]〜[化49]の化合物、その立体異性体、その塩、及び、その溶媒和物からなる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項50に記載の医薬キット。
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【請求項52】
レチノイン酸受容体を活性化する化合物が、以下に示す[化50]〜[化61]の化合物、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、および、その溶媒和物からなる群から選ばれたいずれかであることを特徴とする請求項51に記載のキット。
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【請求項53】
以下に示す[化62]の化合物、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムと、を含む経口組成物、及び、
以下に示す[化63]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む局所組成物
を有することを特徴とする医薬キット。
【化62】
【化63】
【請求項54】
前記第1有効量が、5ng/kg(体重)/日〜1mg/kg(体重)/日であり、そして、前記第2有効量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項53に記載の医薬キット。
【請求項55】
前記局所担体システムが、30%〜70%のエタノールと、70%〜30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項54に記載の医薬キット。
【請求項56】
前記局所担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項55に記載の医薬キット。
【請求項57】
以下に示す[化64]の化合物、そのプロドラッグ、その異性体、そのエステル、その塩、又は、その溶媒和物を含む第1有効成分の第1有効量と、医薬として許容される経口担体システムと、を含む経口組成物、及び、
以下に示す[化65]の化合物、その立体異性体、その塩、又は、その溶媒和物を含む第2有効成分の第2有効量と、医薬として許容される局所担体システムと、を含む局所組成物を有することを特徴とする医薬キット。
【化64】
【化65】
【請求項58】
前記第1有効成分の第1有効量が、50mg/kg(体重)/日〜10mg/kg(体重)/日であり、そして、前記第2有効成分の第2有効量が、340mg〜0.34μg/kg(体重)/日であることを特徴とする請求項57に記載の医薬キット。
【請求項59】
前記局所担体システムが、30%〜70%のエタノールと、70%〜30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項58に記載の医薬キット。
【請求項60】
前記局所担体システムが、70%のエタノールと、30%のプロピレングリコールと、を含むことを特徴とする請求項59に記載の医薬キット。
【請求項61】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含むにきびの治療方法。
【請求項62】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む面皰を減らす方法。
【請求項63】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む乾癬の治療方法。
【請求項64】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む魚鱗癬の治療方法。
【請求項65】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む光による老化、又は、光により損傷した皮膚の治療方法。
【請求項66】
ヒトに請求項50〜60のいずれか1項に記載の医薬キットを継続的又は断続的に投与することを含む皮膚がんの治療方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2010−514812(P2010−514812A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544318(P2009−544318)
【出願日】平成19年12月31日(2007.12.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/089193
【国際公開番号】WO2008/083370
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(390023641)ウイスコンシン アラムナイ リサーチ フオンデーシヨン (61)
【氏名又は名称原語表記】WISCONSIN ALUMNI RESEARCH FOUNDATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月31日(2007.12.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/089193
【国際公開番号】WO2008/083370
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(390023641)ウイスコンシン アラムナイ リサーチ フオンデーシヨン (61)
【氏名又は名称原語表記】WISCONSIN ALUMNI RESEARCH FOUNDATION
【Fターム(参考)】
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