説明

レベルゲージガイド構造

【課題】レベルゲージガイドを硬質樹脂から一度の金型成形で一体に製造することができるようにする。
【解決手段】共に筒状の上端末部及び下端末部と、底部と開口部とからなる樋状をなす中間連結部と、よりなり、下端末部に取付孔との間をシールするガイドシール部を形成した硬質樹脂製のレベルゲージガイドとし、レベルゲージはゲージ部の上部に下端末部の内周面とリング状に密接するゲージシール部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエンジンオイルなどの量や汚れを検知するのに用いられるレベルゲージガイド構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、オイルパンに貯溜されたエンジンオイルの量と汚れ程度を検知するために、オイルレベルゲージが設けられている。このオイルレベルゲージは、エンジン本体に設けられたレベルゲージガイドを通してオイルパンの内部に挿入される。そしてオイルレベルゲージをレベルゲージガイドから引き抜き、先端に付着したエンジンオイルを目視することで、エンジンオイルの量と汚れ程度を検知することができる。
【0003】
レベルゲージガイドは一般に金属パイプから形成され、クランクケースとオイルパンとの境界部などに形成された取付孔に下端末部が挿入固定されている。そして上端末部あるいは中間部に溶接されたブラケットを介して、エンジン本体などに固定されている。しかしこのようなレベルゲージガイドを用いた場合には、重量が大きく部品点数が多いという問題がある。またレベルゲージガイドは、周辺部品との干渉を避けるために曲折した形状とされる場合が多い。
【0004】
そこで特開平10−002211号公報には、背面がコ字状に形成されたタイミングチェーンガイドをレベルゲージガイドとして用いることが記載されている。さらに特開2005−003632号公報には、オイルレベルゲージに所定の屈曲部を形成することで、レベルゲージガイドへの挿入時における回転方向の姿勢を規制したことが記載されている。
【0005】
また軽量化の観点からは、レベルゲージガイドを樹脂化することが望ましい。従来の金属パイプ製のレベルゲージガイドをそのままの曲折形状で樹脂化するには、半割形状の一対の分割体をそれぞれ金型成形で形成した後に溶着などで接合する方法がある。しかし強度を確保するためには肉厚を厚くしなければならず、そうすると軽量化の効果が半減してしまう。また製造工数も多大となる。
【0006】
そこで特開2002−161724号公報には、可撓性を有する樹脂チューブから形成されたレベルゲージガイドが記載されている。しかし樹脂チューブは軟質樹脂から形成する必要があり、硬質樹脂に比べて高価となるという不具合がある。またエンジン本体へ固定するには、金属製のブラケットなどを介して固定しなければならず、部品点数が多くなる。さらに可撓性の軟質樹脂から形成されたレベルゲージガイドでは、取付孔への挿入性や取付孔とのシール性に不安が残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−002211号公報
【特許文献2】特開2005−003632号公報
【特許文献3】特開2002−161724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、レベルゲージガイドを硬質樹脂から一度の金型成形で一体に製造することができるようにし、軽量かつ安価とするとともに取付孔とのシール性も高く維持することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明のレベルゲージガイド構造の特徴は、共に筒状の上端末部及び下端末部と、底部と開口部とからなる樋状をなし上端末部と下端末部とを連結する中間連結部と、よりなり金型成形により一体的に形成された硬質樹脂製のレベルゲージガイドと、弾性変形可能な棒状をなして先端部にゲージ部をもつレベルゲージと、からなり、
レベルゲージガイドは液体が貯溜されたタンクに設けられた取付孔に下端末部から挿入されて固定されるとともに下端末部に形成されたガイドシール部を介して液密に固定され、レベルゲージはレベルゲージガイドの上端末部から挿入され、下端末部から突出するゲージ部によってタンク内の液面位置を検知し、レベルゲージはゲージ部の上部に下端末部の内周面とリング状に密接するゲージシール部を有することにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明のレベルゲージガイド構造によれば、レベルゲージガイドは上端末部と下端末部が筒状をなし、中間連結部が底部と開口部とからなる樋状であるので、スライドコアを用いた金型成形によって一体に成形することができる。また曲折形状のレベルゲージガイドであっても、複数のスライドコアを用いて、あるいは成形後に加熱して曲げ加工することにより一体に製造することができる。さらに、取付ブラケットなどもレベルゲージガイド本体と同時に一体に形成することができる。したがって、軽量で安価なレベルゲージガイドとすることができる。また硬質樹脂製であるので、下端末部を取付孔へ挿入するのが容易であり、また取付孔との高いシール性を容易に確保することができ、着色も可能であるので意匠性も向上する。
【0011】
さらにレベルゲージガイドの中間連結部に「く」字状に曲折する屈曲部を有する場合には、屈曲部より下端末側の中間連結部に、底部にゲージ部の先端が当接することで屈曲部に沿ってレベルゲージが案内されながら挿入されるガイド底部を有することが望ましい。このようにすることで、レベルゲージの挿入時に中間連結部の開口部からレベルゲージが突出するような不具合を未然に防止することができ、レベルゲージをタンク内部へ確実に案内することができる。
【0012】
そしてガイドシール部によってレベルゲージガイドと取付孔とのシール性が確保でき、ゲージシール部によってレベルゲージとレベルゲージガイドとのシール性が確保できるので、タンクからの液体の漏出が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例に係るレベルゲージガイド構造の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るレベルゲージガイド構造の断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るレベルゲージガイド構造の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係るレベルゲージガイド構造に用いたレベルゲージガイドの斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係るレベルゲージガイド構造の要部分解斜視図である。
【図6】本発明の実施例の他の態様を示し、レベルゲージガイドにおける中間連結部の断面図である。
【図7】本発明の実施例の他の態様を示し、レベルゲージガイドにおける中間連結部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のレベルゲージガイド構造は、レベルゲージガイドとレベルゲージとからなる。レベルゲージガイドは、共に筒状の上端末部及び下端末部と、上端末部と下端末部とを連結する中間連結部と、から構成され、硬質樹脂から形成されている。そして中間連結部は、半割筒状の樋形状をなし、底部と開口部とからなる。したがってスライドコアを用い、上端末部と下端末部と中間連結部とからなるレベルゲージガイドを射出成形などの金型成形によって一体に製造することができる。さらに取付ブラケットなども、同時に一体的に形成することができる。
【0015】
また中間連結部が曲折形状である場合には、スライドコアを複数個用いた射出成形法などで一体的に形成することができる。あるいは射出成形法などで直線形状に形成したものを加熱軟化させ、それを変形させて曲折形状としてもよい。
【0016】
なお取付ブラケットは、上端末部と下端末部の両方に形成してもよいが、下端末部はガイドシール部を介して取付孔に保持されるので、取付ブラケットは少なくとも上端末部に形成することが好ましい。
【0017】
硬質樹脂の種類は、タンク内に貯溜される液体によって侵されないもの、あるいは液体の最高温度によって軟化しないものであればよく、PP、ポリアミド、PET、PPSなどから選択して用いることができる。ガラス繊維などで強化された樹脂を用いることも好ましい。なお貯溜される液体としてはエンジンオイルが代表的に例示されるが、レベルゲージを用いて貯溜量を検知することができる液体であればエンジンオイルに限るものではない。
【0018】
レベルゲージガイドの下端末部は、タンクに連通する取付孔に挿入される部位であり、下端末部には取付孔との界面をシールするガイドシール部を有している。このガイドシール部は、例えばオーリングを装着するためのリング溝などとすることができる。このガイドシール部は、レベルゲージガイドの成形時に一体的に形成することができるので、工数の増大無く形成することができる。
【0019】
レベルゲージガイドは、エンジン本体などの周辺部材との干渉を防ぐために、中間部で「く」字状に曲折された屈曲形状とされる場合がある。このような場合には、中間連結部に屈曲部が形成されることになるが、そうするとレベルゲージを挿入する際に中間連結部の開口部からレベルゲージの先端が突出したりして、下端末部までの案内が困難となる場合がある。このような不具合を防止するためには、屈曲部より下端末部側の中間連結部に、底部にレベルゲージの先端が当接することで屈曲部に沿ってレベルゲージが案内されながら挿入されるガイド底部を有することが望ましい。
【0020】
レベルゲージガイドの下端末部は、一般にタンク内の液面に対して鉛直に延び、案内されるレベルゲージのゲージ部が液面に対して鉛直となるようにされている。また上端末部は下端末部と平行であることが望ましい。したがって、屈曲部は一般に2箇所に形成されることになるので、それぞれの屈曲部の下端末部側に上記したガイド底部を形成することが望ましい。この場合、樋状の中間連結部の底部及び開口部は、上端末部から下端末部まで連続した略螺旋状に形成することが好ましい。ゲージ部がガイド底部に当接して弾性変形することでレベルゲージの挿入方向が変化し、中間連結部の底部によって案内されながら挿入されるので、下端末部まで確実に挿入することができる。
【0021】
レベルゲージは弾性変形可能な棒状をなし、先端部にゲージ部をもつ。このレベルゲージは、金属製又は樹脂製とすることができる。このレベルゲージは、上端末部の先端開口から挿入され、中間連結部を通って下端末部の先端開口から突出して延び、ゲージ部がタンク内の液体内に没入する。液面位置などの検知時以外は、レベルゲージはレベルゲージガイドに挿入された状態で保持されているのが一般的である。したがってレベルゲージがレベルゲージガイドに挿入された状態において、レベルゲージとレベルゲージガイドとの間をシールする必要がある。
【0022】
そこで本発明では、レベルゲージはゲージ部の上部にレベルゲージガイドの下端末部の内周面とリング状に密接するゲージシール部を有している。このゲージシール部は、レベルゲージガイドの下端末部の内周面とリング状に密接しているので、樋状の中間連結部の開口部から液体が漏れるのを防止することができる。このゲージシール部は、例えばオーリングを装着するためのリング溝などとすることができる。
【0023】
液面位置を正確に検知するためには、レベルゲージをレベルゲージガイドに挿入する際の挿入深さを一定に規制する必要がある。例えばレベルゲージガイドの下端末部の内周表面にレベルゲージのゲージシール部と当接する段部を形成することができる。あるいは、レベルゲージガイドの上端末部の先端開口を所定形状としておき、レベルゲージのゲージ部と反対側の端部に上端末部の先端開口と係合する部位を形成してもよい。レベルゲージガイドを金型成形で製造しているので、レベルゲージガイドの上端末部の先端開口を容易に所定形状とすることができる。
【0024】
レベルゲージは、ゲージ部だけでなく全体(シール部や係合部を除いて)が平板状とされる場合がある。このようなレベルゲージを屈曲部を有するレベルゲージガイドに挿入する際には、屈曲部の下端末部側でゲージ部の先端がガイド底部に当接し、その抵抗によってレベルゲージが弾性変形しながら挿入されることになる。このとき、平板状のゲージ部の先端面の長辺がガイド底部に対向して当接すれば、弾性変形が容易となり中間連結部の底部に沿っての挿入が容易となる。逆に、平板状のゲージ部の先端面の短辺がガイド底部に対向して当接すると、弾性変形が困難となり挿入が困難となる場合がある。
【0025】
そこで上端末部の内周面あるいは中間連結部の内周面には、レベルゲージと係合することでレベルゲージの回転方向の姿勢を規制する案内部を有することが望ましい。このようにすることで、平板状のゲージ部の先端面の長辺を確実にガイド底部に対向させることができ、レベルゲージの弾性変形が容易となるので中間連結部の底部又はガイド底部に沿っての挿入が容易となる。
【0026】
またレベルゲージガイドは金型成形により形成されるので、その成形時に中間連結部の外表面にリブやフランジを容易に一体的に形成することができる。このようにすれば、中間連結部をより補強することができる。
【0027】
以下、実施例により本発明の実施態様を具体的に説明する。
【実施例1】
【0028】
図1に本実施例のレベルゲージガイド構造を構成する部材の分解斜視図を、本実施例のレベルゲージガイド構造をオイルパンに組み付けた状態の断面図を図2及び図3に示す。本実施例のレベルゲージガイド構造は、レベルゲージガイド1と、レベルゲージ2とからなる。
【0029】
レベルゲージガイド1は直線形状をなし、筒状の上端末部10と、筒状の下端末部11と、上端末部10と下端末部11とを連結する中間連結部12とからなり、ガラス繊維強化PPから射出成形によって形成されている。上端末部10及び下端末部11には、それぞれ取付ブラケット13,14が一体に形成されている。また下端末部11には、オーリング3を保持するリング溝15が形成されている。中間連結部12は半割筒状の樋形状に形成され、底部120と開口121を備えている。
【0030】
このレベルゲージガイド1を金型成形で形成する場合、上端末部10及び下端末部11の外周表面、中間連結部12の外周表面と内周表面、取付ブラケット13,14、リング溝15は、それぞれ一対の分割型の型面で形成することができ、上端末部10及び下端末部11の内周表面はスライドコアで形成することができる。したがって全体を一度の射出成形で形成することができ、工数を低減することができる。
【0031】
レベルゲージ2はPPから形成されたものであり、先端に板状のゲージ部20が形成され、反対側の端部に指を引っ掛けるためのリング部21が形成されている。ゲージ部20の上部には、オーリング4を保持するリング溝22が形成され、リング部21の下部にはストッパ23が形成されている。
【0032】
レベルゲージガイド1は、下端末部11がクランクケースの上部に形成されオイルパンの内部と連通する取付孔5に挿入される。するとリング溝15に保持されたオーリング3が取付孔5の内周壁面に圧接されることで、レベルゲージガイド1と取付孔5の内壁との界面がシールされエンジンオイルの漏出が防止される。すなわちオーリング3が取付孔5の内周壁面に圧接された部位にガイドシール部が形成されている。そして取付ブラケット13,14が図示しない周辺部材に取付けられることで、レベルゲージガイド1が固定される。
【0033】
次にレベルゲージ2のゲージ部20が上端末部10の先端開口から挿入され、樋状の中間連結部12を通過した後に下端末部11の先端開口から突出し、ストッパ23が上端末部10の先端面に当接した位置で挿入深さが規制される。その状態では、ゲージ部20の先端がオイルパンに貯溜されたエンジンオイルの液面下に入り、リング溝22に保持されたオーリング4が下端末部11の内周壁面に圧接されることでゲージシール部が構成されている。したがってレベルゲージ2を引き抜いてゲージ部20を目視することで、エンジンオイルの量と汚れ程度を検知することができる。またゲージシール部においてオーリング4が下端末部11の内周壁面に圧接されることで、下端末部11とレベルゲージ2との界面がシールされエンジンオイルの漏出が防止される。
【0034】
したがって本実施例のレベルゲージガイド構造によれば、レベルゲージガイド1は硬質樹脂製であり、しかも一度の射出成形で取付ブラケット13,14を含む全体を形成できるので、きわめて安価なレベルゲージガイド1とすることができる。さらにレベルゲージガイド1は樹脂製であるので金属製のものに比べて軽量化でき、また中間連結部12は半割筒状の樋形状であるため全体が筒状の場合に比べてさらなる軽量化が達成できる。
【実施例2】
【0035】
本実施例のレベルゲージガイド構造に用いたレベルゲージガイドを図4に示す。このレベルゲージガイド6は、筒状の上端末部60と、筒状の下端末部61と、上端末部60と下端末部61とを連結する中間連結部62とからなる。上端末部60及び下端末部61には、それぞれ取付ブラケット63,64が一体に形成されている。また下端末部61には、オーリングを保持するリング溝65が形成されている。中間連結部62は樋形状に形成され、底部620と開口621を備えている。このレベルゲージガイド6は、ガラス繊維強化PPを成形材料として、複数のスライドコアを用いた金型を用いた一度の射出成形によって形成されている。
【0036】
中間連結部62は2箇所に「く」字状に曲折された屈曲部66,67を有し、第1の屈曲部66から第2の屈曲部67に向かうにつれて、底部620及び開口621が略螺旋状にひねられた形状となっている。
【0037】
このレベルゲージガイド6には、実施例1と同様のレベルゲージ2が挿入される。その際、上端末部60に挿入されたゲージ部20の先端は、先ず第1の屈曲部66における底部620(第1のガイド底部)に当接し、その抵抗によってレベルゲージ2は弾性変形する。そしてレベルゲージ2は、ゲージ部20が第1のガイド底部によって案内され、略螺旋状に延びる底部620に沿って挿入される。
【0038】
次いでゲージ部20が第2の屈曲部67に到達すると、ゲージ部20の先端は第2の屈曲部67における底部620(第2のガイド底部)に当接し、その抵抗によってレベルゲージ2が弾性変形する。そしてレベルゲージ2は、ゲージ部20が第2のガイド底部によって案内され、下端末部61に進入する。
【0039】
すなわち本発明のレベルゲージガイド構造によれば、複数の屈曲部をもつ曲折形状のレベルゲージガイドも採用することができるので、種々の形状のレベルゲージガイド構造に適用することができる。
【実施例3】
【0040】
上記した実施例2に係るレベルゲージガイド構造においては、上端末部60にゲージ部20を挿入する際に、第1の屈曲部66における底部620(第1のガイド底部)に対してゲージ部20の断面の長辺が対向することが望ましい。短辺が対向するとゲージ部20の弾性変形が困難となり、挿入しにくくなるからである。抵抗によってレベルゲージ2が自動的に回転して長辺が対向する場合もあるが、挿入方向を規制して確実に長辺が対向することが望ましい。
【0041】
そこで本実施例では、図5に示すように、レベルゲージガイド6の上端末部60の内周表面にゲージ部20の側面と係合して案内する一対のガイド溝68(案内部)を形成している。このガイド溝68は、レベルゲージガイド6の射出成形時に上端末部60の成形と同時に形成される。
【0042】
したがって本実施例のレベルゲージガイド構造によれば、挿入時にレベルゲージ2の姿勢を規制することができ、第1の屈曲部66における底部620(第1のガイド底部)に対してゲージ部20の断面の長辺が対向するように、確実に挿入することができる。
【0043】
なお本実施例では、案内部を上端末部60に形成したが、場合によっては中間連結部62に形成してもよい。
【0044】
また中間連結部62の強度が不足する場合には、図6に示すように中間連結部62に沿って延びるリブ69を形成したり、図7に示すように中間連結部62の両側にフランジ部69’を形成したりすることもできる。これは、レベルゲージガイド6を金型成形によって形成できるようにしたことによる効果である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明のレベルゲージガイド構造は、エンジンオイルの量と汚れ程度を検知するのに利用できるばかりでなく、各種液体の量を検出するのに用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1:レベルゲージガイド 2:レベルゲージ
3,4:オーリング 10:上端末部
11:下端末部 12:中間連結部
13、14:取付ブラケット 15:リング溝(ガイドシール部)
20:ゲージ部 22:リング溝(ゲージシール部)
66、67:屈曲部(ガイド底部) 68:ガイド溝(案内部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共に筒状の上端末部及び下端末部と、底部と開口部とからなる樋状をなし該上端末部と該下端末部とを連結する中間連結部と、よりなり金型成形により一体的に形成された硬質樹脂製のレベルゲージガイドと、
弾性変形可能な棒状をなして先端部にゲージ部をもつレベルゲージと、からなり、
該レベルゲージガイドは液体が貯溜されたタンクに設けられた取付孔に該下端末部から挿入されるとともに該下端末部に形成されたガイドシール部を介して液密に固定され、該レベルゲージは該レベルゲージガイドの該上端末部から挿入され、該下端末部から突出する該ゲージ部によって該タンク内の液面位置を検知し、
該レベルゲージは該ゲージ部の上部に該下端末部の内周面とリング状に密接するゲージシール部を有することを特徴とするレベルゲージガイド構造。
【請求項2】
該レベルゲージガイドの該中間連結部は「く」字状に曲折する屈曲部を有し、該屈曲部より該下端末部側の該中間連結部には、該底部に該ゲージ部の先端が当接することで該屈曲部に沿って該レベルゲージが案内されながら挿入されるガイド底部を有する請求項1に記載のレベルゲージガイド構造。
【請求項3】
前記液体はエンジンオイルである請求項1又は請求項2に記載のレベルゲージガイド構造。
【請求項4】
前記上端末部及び前記下端末部のうち少なくとも前記上端末部には周辺部材に固定される取付ブラケットが一体的に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のレベルゲージガイド構造。
【請求項5】
前記上端末部の内周面には前記レベルゲージと係合することで前記レベルゲージの回転方向の姿勢を規制する案内部を有する請求項1〜4のいずれかに記載のレベルゲージガイド構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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