説明

レボフロキサシンの精製製法

【課題】純度99%以上のレボフロキサシンの提供。
【解決手段】レボフロキサシンを高温の極性溶媒中に溶解し、精製されたレボフロキサシンを晶出することによってレボフロキサシンを精製した。純度を高めるため、酸化防止剤を添加することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は2001年10月3日付仮出願第60/326,958号、2001年11月29日付仮出願第60/334,316号、2002年2月11日付仮出願第60/354,939号、及び2002年10月3日付特許出願第10/263,192号の優先権を主張する2002年10月3日付特許出願第10/262,965号の部分継続出願である。これらの出願それぞれの内容はすべて、参考のため本願明細書中に引用されている。
発明の分野
【0002】
本発明はレボフロキサシンの精製方法に係わる。好ましい実施態様としては、酸化防止剤を添加してレボフロキサシンを調剤する。
【背景技術】
【0003】
レボフロキサシンは広範なスペクトラムを有する抗生物質である。レボフロキサシンはラセミ体、オフロキサシン、フルオロキノロン抗菌剤のS−異性体である。オフロキサシンの抗菌活性は主としてS−鏡像異性体で存在する。レボフロキサシン及びその他のフルオロキノロン抗菌剤の作用メカニズムはDNAの複製、転写修復及び組換えに必要な酵素であるDNAギラーゼ(細菌型トポイソメラーゼII)の阻害と関連する。レボフロキサシンは経口投与または静脈内投与が可能なLEVAQUIN(商標)として市販されている。
【0004】
レボフロキサシンは対掌性フッ素化カルボキシキノロンである。その化学名は(S)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−10−(4−メチル−1−ピペラジニル)−7−オキソ−7H−ピリド〔1,2,3−de〕−1,4−ベンゾキサジン−6−カルボン酸(CAS登録番号100986−85−4)である。レボフロキサシンの化学構造を式Iとして示す。
【化1】

【0005】
米国特許第4,382,892号はピリド〔1,2,3−de〕〔1,4〕ベンゾキサジン誘導体とその製法に係わる。
【0006】
米国特許第5,053,407号は光学活性ピロドベンゾキサジン誘導体、その製法、及びその製造に有用な中間物質に係わる。
【0007】
米国特許第5,051,505号はピペラジニルキノロン誘導体の製法に係わる。この製法はアセトニトリル、ジメチルフォルムアミド、ピリジン、スルフォラン、ジメチルスルホキシドなどのような極性溶媒の存在において、ジハロキノロンをピペラジン誘導体及びテトラアルキルアンモニウムのハロゲン化物と反応させるという方法である。
【0008】
米国特許第5,155,223号はキノリンカルボン酸の製造に係わる。
【0009】
米国特許第5,545,737号は晶析の過程においてレボフロキサシンの溶解に使用される溶媒の水分量を制御することによってレボフロキサシンの半水化物または一水化物を選択的に製造する方法を開示している。Arutla et al.,“Arzneimittelforschung(1998年10月)48(10):1024−7によれば、ラセミ混合物オフロキサシンには酸化防止性がある。
公知のレボフロキサシン精製方法の欠点の1つとして、収率の低さがある。例えば、45−65%の収率が普通である。従って、新規のレボフロキサシン精製方法、特に、例えばアンチレボフロキサシン、デスメチルレボフロキサシン、N−オキシドレボフロキサシン、デスフルオロレボフロキサシン及び/またはデカルボキシレボフロキサシンのような不純物の少ない精製方法の提供が望まれる。
【発明の開示】
【0010】
本発明は新規のレボフロキサシン精製方法を提供する。レボフロキサシンを高温において極性溶媒、好ましくは、DMSO、メチルエチルケトン、アセトニトリル、アルコール(好ましくはブタノール)、ケトン、これらの混合物、及びこれらの水性混合物から成る群から選択された極性溶媒中に溶解させ、晶析することによってレボフロキサシンを形成する。一態様では、溶媒は無水である。他の態様では、酸化防止剤を添加することによって、より純度の高いレボフロキサシン生成物を得る。
【0011】
発明の詳細な説明
粗製及び半精製のレボフロキサシンなら、公知の方法で製造することができる。また、例えば下記の方法でも低純度のレボフロキサシンを製造することができる:機械的攪拌器、凝縮器及び温度計を装備し、80℃に加熱された1リットル反応装置に87.5g(0.31モル)の(S)−(−)−9,10−ジフルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド〔1,2,3−de〕〔1,4〕ベンゾキサジン−6−カルボン酸、61.3mLのDMSO及び86.3mL(0.77モル)のN−メチルピペラジンを注入する。(HPLCによってモニターしながら)反応が完了するまで80℃、チッソ雰囲気下で250rpmの速度でスラリーを攪拌する。次いで、スラリーを75℃に冷却し、イソプロパノール(675mL)と水(25mL)の混合物を2時間かけてこの温度において1滴ずつ添加する。次いで、4時間かけて5℃にまで冷却し、この温度を2時間維持し、この温度において真空下で濾過する。固形物を175mLのイソプロパノールで洗浄(2度のリンス)し、真空乾燥して低純度レボフロキサシンを得る。
【0012】
本発明の一の態様では、粗製レボフロキサシンを精製する。ここで使用する“精製されたレボフロキサシン”という表現は比較的純度が高いという相対的な用語である。ここで使用する“粗製レボフロキサシン”という表現は精製のための晶析工程を経ていないレボフロキサシンを意味する。粗製レボフロキサシンを適当な溶媒と混合して、典型的には懸濁液の形態の混合物を形成する。混合物の温度を上昇させることによって、溶媒中でのレボフロキサシンの溶解を促進する。典型的には、高温は約80℃乃至約110℃である。好ましくは、混合物を還流させる。好ましくは、レボフロキサシンが溶媒中に溶解したら、高温のままで混合物を濾過する。精製されたレボフロキサシンを、好ましくはゆっくり冷却しながら沈殿させ、好ましくは回収する。精製されたレボフロキサシンはその純度が約99%以上であることが好ましく、約99.5%以上であることがさらに好ましい。
【0013】
極性溶媒ならまずは好適である。好ましくは、溶媒としてDMSO,メチルエチルケトン、ブタノール、アセトニトリル、これらの混合物、またはこれらの水性混合物を使用する。ここに使用する“極性溶媒”という表現は相対的な表現であり、他の溶媒よりは比較的極性が著しいことを意味する。
【0014】
溶媒は無水でもよいし、少量の水を含んでいてもよい。メタ重亜硫酸塩ナトリウムのような水溶性の酸化防止剤を使用する場合、溶媒は水を含んでいる方が好ましい。含水量は約20%(v/v)未満、好ましくは約10%(v/v)以下が妥当である。それよりも多いと、収率の低下を招き易い。n−BuOH:H2O(9:1)及びアセトニトリル:H2O(99:1)が好適な含水溶媒の例である。レボフロキサシンの精製には、アセトニトリルおよびアセトニトリル:H2O(99:1)が最も好ましい溶媒である。
【0015】
他の態様では、沈殿する前に混合物に酸化防止剤を添加する。酸化防止剤は、特に晶析の過程においてN−オキシドレボフロキサシンの形成を阻止するものなら如何なる種類のものでもよい。例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸パルミチン酸塩、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、エリソルビン酸、グアヤク・ゴム、没食子酸プロピル、チオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸ジラウリル、tert−ブチルヒドロキノン、トコフェロール(例えば、ビタミンE)、及び製薬上許容されるこれらの塩及び混合物などである。酸化防止剤はメタ重亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸を含むことが好ましい。
【0016】
酸化防止剤を使用するなら、精製工程中の種々の段階で添加することができる。例えば、一態様では、晶析工程の前または晶析工程中にまたは溶解段階中に酸化防止剤をレボフロキサシンと混合する。他の実施例では、高温においてレボフロキサシンに変換する前に、酸化防止剤を(S)−(−)−9,10−ジフルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド〔1,2,3−de〕〔1,4〕ベンゾキサジン−6−カルボン酸と混合する。
【0017】
もし添加するとして、酸化防止剤の量は約0.2重量%乃至約5重量%であることが好ましく、約0.2%乃至約1%であることがより好ましい。
【0018】
本発明の上記及びその他の実施例の作用と長所は下記の例に沿ってさらに詳細に説明する。尚、下記の例は本発明の有益性を説明するためのものであって、本発明の全範囲を例示するものではない。
【実施例】
【0019】
下に掲げる表1は下記の例に関する実験結果をまとめたものである。表1におけるそれぞれの成分の%はオフロキサシン中の関連物質のためのヨーロッパ薬局方に基づく方法を採用してHPLCにより測定された。
表1:晶析の過程における純度
【表1】

【0020】
例1:n−BuOH
1gのレボフロキサシン粗製物を7mlのn−BuOH中に懸濁させた。この混合物を、レボフロキサシンが完全に溶解するまで還流温度に加熱した。次いで、2.5時間かけてRTまで冷却した。真空下で沈殿物を濾過し、n−BuOHで洗浄し、真空オーブン中において60℃で乾燥させることにより、810mg(81%)の精製されたレボフロキサシン半水化物を得た。
【0021】
例2:n−BuOH/アスコルビン酸
不活性雰囲気下で、1.5gのレボフロキサシン粗製物及び36mgのアスコルビン酸を9.5mlのn−BuOH中に懸濁させた。混合物を還流温度にまで加熱し、熱濾過した。次いで、溶液を蒸発させて乾燥させ、n−BuOH(10ml)を添加した。完全に溶解するまで混合物を加熱してから、1.5時間かけてRTまで冷却した。真空下で沈殿物を濾過し、n−BuOH(4ml)で洗浄し、真空オーブン中で60℃で乾燥させることにより、840mg(56%)の精製されたレボフロキサシン半水化物を得た。
【0022】
例3:n−BuOH:H2O(9:1)/メタ重亜硫酸塩
1.5gのレボフロキサシン粗製物及びメタ重亜硫酸ナトリウムをチッソ雰囲気下で6mlの混合物n−BuOH:H2O中に懸濁させた。材料が完全に溶解するまで、混合物を還流温度にまで加熱した。次いで、1.5時間かけて溶液をRTまで冷却し、混合物n−BuOH:H2O(9:1)(4ml)で洗浄し、真空オーブン中で60℃で乾燥させることにより、1.2g(81%)の精製されたレボフロキサシン半水化物を得た。レボフロキサシン半水化物は殆どN−オキシドレボフロキサシンを含有しなかった。
【0023】
例4:ACN
1.5gのレボフロキサシン粗製物を10.5mlのACN中に懸濁させた。材料が完全に溶解するまで混合物を還流温度まで加熱した。次いで、20分間かけて溶液を0℃まで冷却した。沈殿物を真空下で濾過し、ACN(1.5ml)で洗浄し、真空オーブン中で30℃で乾燥させることにより、1.15g(77%)の精製されたレボフロキサシン(半水化物/一水化物)を得た。精製されたレボフロキサシンは粗製物サンプル中に含まれるデスメチルレボフロキサシン量の約1/2のデスメチルレボフロキサシンを含有していた。
【0024】
例5:ACN:H2O(99:1)
25gの湿潤状態のレボフロキサシン粗製物(約22.17gまたは乾燥状態のレボフロキサシン)を、チッソ雰囲気下で225mLの混合物ACN:H2O(99:1)中に懸濁させた。1時間かけて混合物を還流温度まで加熱し、高温のまま、Hyflowで真空下で濾過した。次いで、溶液を再び還流温度まで加熱し、ACN:H2O(2x12mL)で洗浄し、真空オーブン中で乾燥させることにより、18.6g(84%)の精製されたレボフロキサシン半水化物を得た。精製されたレボフロキサシン半水化物のデスメチルレボフロキサシン含有量は粗製物サンプルよりほぼ1/3少なかった。
【0025】
例6:ACN:H2O(99:1)/メタ重亜硫酸塩
8gの湿潤状態のレボフロキサシン粗製物(約5.6gの乾燥状態レボフロキサシンに相当)及び14mgのメタ重亜硫酸ナトリウムを、チッソ雰囲気下で39mlの混合物ACN:H2O(99:1)中に懸濁させた。1時間かけて混合物を還流温度にまで加熱し、0.65gのHyfloを添加し、さらに30分間に亙って還流を持続させた。高温のまま混合物を真空下で濾過した。次いで、30分間かけて溶液を3℃にまで冷却した。沈殿物を真空下で濾過し、混合物ACN:H2O(99:1)(5ml)で洗浄し、60℃で真空オーブン中で乾燥させることにより、1.77g(31%)の精製されたレボフロキサシンを得た。熱濾過工程における技術的な問題が収率を低下させた。
【0026】
例7:ACN/メタ重亜硫酸塩
1.5gのレボフロキサシン粗製物及び8mgのメタ重亜硫酸ナトリウムを、チッソ雰囲気下で10.5mlのACN中に懸濁させた。混合物を還流温度にまで加熱し、熱濾過した。次いで、材料が完全に溶解するまで溶液を再度還流温度にまで加熱した。次いで、溶液を30分間かけて0℃にまで冷却させた。沈殿物を真空下で濾過し、真空オーブン中で60℃で乾燥させることにより、1.04g(69%)の精製されたレボフロキサシンを得た。精製されたレボフロキサシン中のN−オキシドレボフロキサシン量は粗製サンプル中のそれの約1/2であった。
【0027】
例8:DMSO/H2O
1gのレボフロキサシン粗製物を1.5mlのDMSO中に懸濁した。完全に材料が溶解するまで混合物を108℃にまで加熱した。次いで、10分間かけてH2O(7.5ml)を添加し、混合物をRTにまで冷却した。沈殿物を真空下で濾過し、1mlの混合物DMSO:H2O(1:5)で洗浄し、エア・フロー・オーブン中で60℃で乾燥させることにより、840mg(84%)の精製されたレボフロキサシン半水化物を得た。
【0028】
例9:MEK
1.5gのレボフロキサシン粗製物を15mlのMEK中に懸濁させた。材料が完全に溶解するまで、混合物を還流温度まで加熱した。次いで、3時間かけて溶液を−5℃まで冷却した。沈殿物を真空下で濾過し、1.5mlのMEKで洗浄し、真空オーブン中で30℃で乾燥させることにより、840mg(84%)の精製されたレボフロキサシン半水化物を得た。
【0029】
例10:ACN:H2O(9:1)/メタ重亜硫酸塩
1.5gのレボフロキサシン粗製物と8mgのメタ重亜硫酸ナトリウムを、チッソ雰囲気下で10.5mlの混合物ACN:H2O(9:1)中に懸濁させた。材料が完全に溶解するまで、混合物を還流温度に加熱した。次いで、30分間かけて溶液をRTまで冷却した。真空下で沈殿物を濾過し、混合物ACN:H2O(9:1)(4ml)で洗浄し、真空オーブン中で60℃で乾燥させることにより、1.16g(77%)の純粋なレボフロキサシンを得た。
【0030】
例11:ACN:H2O(95:5)/メタ重亜硫酸塩(8mg)
1.5gのレボフロキサシン粗製物と8mgのメタ重亜硫酸ナトリウムを、チッソ雰囲気下で10.5mlの混合物ACN:H2O(95:5)中に懸濁させた。混合物を還流温度に加熱し、熱濾過した。溶液を再び還流温度まで加熱してから、30分間かけて3℃にまで冷却した。真空下で沈殿物を濾過し、真空オーブン中で60℃で乾燥させることにより、500mg(33%)の純粋なレボフロキサシンを得た。
【0031】
例12:ACN:H2O(95:5)/メタ重亜硫酸塩(4mg)
1.5gのレボフロキサシン粗製物と4mgのメタ重亜硫酸ナトリウムを、チッソ雰囲気下で15mlの混合物ACN:H2O(95:5)中に懸濁させた。材料が完全に溶解するまで、混合物を還流温度に加熱した。次いで、2時間かけて溶液を3℃まで冷却した。真空下で沈殿物を濾過し、真空オーブン中で60℃で乾燥させることにより、1.3g(86.7%)の純粋なレボフロキサシンを得た。
【0032】
例13:DMSO/アスコルビン酸
凝縮器を装備した三つ首フラスコ中で、5g(17.8ミリモル)の(S)−(−)−9,10−ジフルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド〔1,2,3−de〕〔1,4〕ベンゾキサジン−6−カルボン酸と、4.46g(44.6ミリモル)、31mg(0.17ミリモル)のアスコルビン酸とを、チッソ雰囲気下、80℃において3.5mlのDMSO中に懸濁させた。反応完了までこの反応混合物をこの温度で加熱した(4h30)。次いで、溶液を70℃まで冷却し、IPA(40ml)を滴加した。1時間かけて混合物を0℃にまで冷却し、この温度で30分間攪拌した。真空下で沈殿物を濾過し、IPA(10ml)で洗浄し、真空オーブン中で60℃で乾燥させることにより、5.63g(87.6%)の純粋なレボフロキサシンを得た。
【0033】
例14:DMSO/メタ重亜硫酸塩
凝縮器を装備した三つ首フラスコ中で、10g(35.5ミリモル)の(S)−(−)−9,10−ジフルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド〔1,2,3−de〕〔1,4〕ベンゾキサジン−6−カルボン酸と、9.0g(90ミリモル)、34mg(0.17ミリモル)メタ重亜硫酸ナトリウムとを、チッソ雰囲気下、80℃において7mlのDMSO中に懸濁させた。反応完了までこの反応混合物をこの温度で加熱した(5時間30分)。次いで、溶液を70℃まで冷却し、IPA(40ml)を滴加した。1時間かけて混合物を0℃にまで冷却し、この温度で30分間攪拌した。真空下で沈殿物を濾過し、IPA(10ml)で洗浄し、真空オーブン中で60℃で乾燥させることにより、11.8g(92.4%)の純粋なレボフロキサシンを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約99%以上の純度を有するレボフロキサシンの製法であって、
レボフロキサシンを高温の極性溶媒中に溶解し;そして
精製されたレボフロキサシンを晶出する
ステップを含んで成ることを特徴とする前記製法。
【請求項2】
精製されたレボフロキサシンの純度が約99.5重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項3】
高温が約80℃乃至約110℃であることを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項4】
高温が溶液の還流温度であることを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項5】
極性溶媒として、ジメチルスルフォキシド、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ブタノール、これらの混合物,及びこれらと水との混合物のいずれかを使用することを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項6】
溶媒がアセトニトリルであることを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項7】
溶媒がアセトニトリルと水の混合物であり、溶媒中に占める水の量が約10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項8】
精製後のレボフロキサシン中のデスメチルレボフロキサシンの量が精製前のレボフロキサシン中に含まれていた量より少なくとも1/3少ないことを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項9】
晶出ステップの前に酸化防止剤添加ステップをも含むことを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項10】
酸化防止剤として、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸パルミチン酸塩、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、エリソルビン酸、グアヤク・ゴム、没食子酸プロピル、チオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸ジラウリル、tert−ブチルヒドロキノン、トコフェロール、及びこれらの製薬上許容される塩及び混合物のうちのいずれかを使用することを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項11】
酸化防止剤がメタ重亜硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項12】
酸化防止剤がアスコルビン酸であることを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項13】
精製後のレボフロキサシン中に含まれるN-オキシドレボフロキサシンの量が精製前のレボフロキサシン中のそれより少なくとも1/3少ないことを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項14】
精製後のレボフロキサシン中に含まれるN-オキシドレボフロキサシンの量が約0.1%以下であることを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項15】
精製されたレボフロキサシンの純度が約99.5重量%以上であることを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項16】
精製前のレボフロキサシンがHPLCによって検出可能な量のN-オキシドレボフロキサシンを含有しているかどうかを判定するステップをも含むことを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項17】
溶媒がアセトニトリルであり、精製されたレボフロキサシンがほぼ純粋なレボフロキサシン半水化物であることを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項18】
精製されたレボフロキサシンがほぼ純粋なレボフロキサシン半水化物であることを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項19】
約99%以上の純度を有するレボフロキサシン半水化物の製法であって、
レボフロキサシンを高温の極性溶媒中に溶解し;
レボフロキサシン半水化物を晶出する
ステップから成ることを特徴とする前記製法。
【請求項20】
高温が約80℃乃至約110℃であることを特徴とする請求項19に記載の製法。
【請求項21】
高温が溶液の還流温度であることを特徴とする請求項19に記載の製法。
【請求項22】
溶媒として、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド:H2O、メチルエチルケトン、ブタノール、及びこれらの混合物のいずれかを使用することを特徴とする請求項19に記載の製法。
【請求項23】
溶媒が約1:5の比で混合されたジメチルスルフォキシド:H2Oであることを特徴とする請求項19に記載の製法。
【請求項24】
溶媒がメチルエチルケトンであることを特徴とする請求項19に記載の製法。
【請求項25】
溶媒がn−ブタノールであることを特徴とする請求項19に記載の製法。
【請求項26】
溶媒がアセトニトリルであることを特徴とする請求項19に記載の製法。
【請求項27】
請求項1に記載の製法による生成物。
【請求項28】
請求項9に記載の製法による生成物。
【請求項29】
請求項19に記載の製法による生成物。
【請求項30】
約99%以上の純度を有するレボフロキサシンの製法であって、
レボフロキサシンを極性溶媒中に溶解し;
酸化防止剤を添加し;そして
精製されたレボフロキサシンを晶出する
ステップから成ることを特徴とし、ここで前記添加のステップは溶解ステップの前又は後、且つ晶出ステップの前に行う、前記製法。
【請求項31】
前記酸化防止剤がレボフロキサシンの約0.2〜約5重量%に範囲することを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項32】
前記酸化防止剤をレボフロキサシンに溶解ステップの前記添加することを特徴とする請求項9に記載の製法。
【請求項33】
酸化防止剤を晶出ステップの最中に添加することを更に含んで成ることを特徴とする請求項1に記載の製法。
【請求項34】
約99%以上の純度を有するレボフロキサシンの製法であって、高温且つ酸化防止剤の存在において、(S)−(−)−9,10−ジフルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−デ][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボン酸をレボフロキサシンに変換することを特徴とする前記製法。
【請求項35】
レボフロキサシンの純度が約99.5重量%以上であることを特徴とする請求項34に記載の製法。
【請求項36】
レボフロキサシン中に含まれるN-オキシドレボフロキサシンの量が約0.1%以下であることを特徴とする請求項34に記載の製法。

【公開番号】特開2008−7517(P2008−7517A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216178(P2007−216178)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【分割の表示】特願2006−127862(P2006−127862)の分割
【原出願日】平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】