説明

レンズ装置

【課題】 撮影系の光量の低下を抑制しながら合焦検出手段に十分な光量を与え、合焦速度及び合焦精度が高い撮像光学系を得る。
【解決手段】 フォーカスレンズ群と、光軸上に配置された分岐光学系と、分岐光学系からの光束を用いて合焦状態を検出する合焦検出手段と、合焦検出手段からの出力に基づいてフォーカスレンズ群を駆動する第1駆動ユニットと、分岐光学系を駆動する第2駆動ユニットとを備えるレンズ装置であって、分岐光学系が有する光分岐面は、第1方向に沿って反射率が連続的に変化しており、第2駆動ユニットは、第1方向に沿って分岐光学系を駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光路中に分岐光学系を有し、分岐光束を用いて自動合焦(AF:オートフォーカス)を行うスチルカメラやビデオカメラ、放送用のテレビカメラ等に用いられるレンズ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スチルカメラやビデオカメラ等の撮影装置における自動合焦技術としては、従来から種々の提案がなされている。特に特許文献1、2には、光路中に分岐光学系を設け、分岐光路中にAF検出手段を設けたレンズ・撮像装置が提案されている。
【0003】
これらの方式では、合焦検出系を撮影光学系とは別に設けることによる撮影光学系の光量低下が問題となる。この問題を解決するために、特許文献3、4にはターレットを廻すことにより合焦検出系へ光を導く分岐光学系の反射率を変更し、撮像側に必要な光量を確保する光学系や、合焦検出系に赤外線領域を利用する光学系が提案されている。
【特許文献1】特開2004−85673号公報
【特許文献2】特開2005−181469号公報
【特許文献3】特開2003−270520号公報
【特許文献4】特開2004−118141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の分岐ミラーを利用した合焦判定方式では、一定の光量を合焦検出系に導く必要があるため、撮像側の透過率が低下してTナンバが増大する。特に、暗い被写体の場合に、絞りを開放にしても撮影に必要な光量を確保できなくなる問題点がある。
【0005】
また、ターレットを廻して分岐ミラーの反射率を変更する場合には、映像が一時中断するため、撮影中の反射率の変更ができないという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、入射光束を結像光学系内で分岐して合焦検出を行い、撮影光量を低下させることなく、高精度かつ高速に作動し得るレンズ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明のレンズ装置は、フォーカスレンズ群を有するレンズ装置であって、前記レンズ装置の光軸上に配置された分岐光学系と、前記分岐光学系からの光束を用いて合焦状態を検出する合焦検出手段と、前記合焦検出手段からの出力に基づいて、前記フォーカスレンズ群を駆動する第1駆動ユニットと、前記分岐光学系を駆動する第2駆動ユニットとを備えており、前記分岐光学系が有する光分岐面は、第1方向に沿って反射率が連続的に変化しており、前記第2駆動ユニットは、前記第1方向に沿って前記分岐光学系を駆動することを特徴としている。
【0008】
また、本発明の撮像装置は、撮像素子と、被写体からの光を前記撮像素子に導くレンズ装置とを備える撮像装置であって、前記レンズ装置が、フォーカスレンズ群と、前記レンズ装置の光軸上に配置された分岐光学系と、前記分岐光学系からの光束を用いて合焦状態を検出する合焦検出手段と、前記合焦検出手段からの出力に基づいて、前記フォーカスレンズ群を駆動する第1駆動ユニットと、前記分岐光学系を駆動する第2駆動ユニットとを有しており、前記分岐光学系が有する光分岐面は、第1方向に沿って反射率が連続的に変化しており、前記第2駆動ユニットは、前記第1方向に沿って前記分岐光学系を駆動することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮影光量を低下させることなく、高精度かつ高速に合焦を行うことが可能なレンズ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のレンズ装置は、入射光束を撮像光学系内で分岐して合焦検出を行う際、高精度かつ高速に合焦動作を行うことが可能なレンズ装置を提供することにある。この本発明の具体的な実施例について、以下に図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は実施例1のレンズ装置の概念図である。このレンズ装置は、フォーカスレンズ群1と、撮像素子(光電変換素子)3と、このレンズ装置の光軸上においてこの両者の間に配置された分岐光学系2とやその他の不図示の変倍等に寄与するレンズ群を有する。ここで、このレンズ装置は、複数種類の撮像装置本体(カメラ本体)に対して着脱可能である。
【0012】
ここで、フォーカスレンズ群1を介して撮像素子3に導かれる光束のうちの一部を、分岐光学系2の反射面(光分岐面)2aによって反射し、合焦検出手段4に導くことにより、レンズ装置による被写体の合焦状態を検出している。その合焦検出手段4にからの出力に基づいて、演算手段5がフォーカスレンズ群1を駆動させる駆動手段(第1駆動ユニット)6や、分岐光学系2を移動させる移動手段(第2駆動ユニット)7に移動量に関する情報(移動量や、ステップ数等)を伝達している。
【0013】
このように、撮像に用いられる光束の一部を分岐光学系2によって分岐(反射)し、その一部の光束によって得られた情報(合焦状態に関する情報)に基づいて、フォーカスレンズ群1及び/又は分岐光学系2(の反射面2a)を移動させている。
【0014】
図2は実施例1の具体的なブロック回路構成図を示している。レンズ装置10は撮像装置30に対して交換可能とされている。
【0015】
レンズ装置10は、レンズ装置の光軸(図2に記載したx軸)に沿って、物体側(被写体側)から順に、フォーカスレンズ群11、変倍レンズ群12、絞り13、前リレーレンズ群14、反射素子(分岐光学系)15、後リレーレンズ群16を備えている。反射素子15の反射面15aは光軸に対して45度傾斜している(勿論、45度以外でも良く、光軸と反射面15の法線とが非平行であれば良い)。また、この反射面15aの反射率は、光軸と垂直な方向(図2のz軸方向)に沿って、連続的に変化する(z軸方向に沿って一端から他端に向かって単調に増加、或いは低下する)特性を持っている。そして、その反射素子15は、その特性が変化する方向、すなわちz軸方向にそって移動可能に配置されている。
【0016】
反射素子15の反射面15aによって反射された光束は、レンズ装置10に入射した被写体光を検出する合焦状態検出部17に入射する。この合焦状態検出部17には、反射素子15からの反射光を受光するAF用レンズ18、そのAFレンズを介した光束を受ける合焦検出用撮像素子19が配列されている。合焦検出用撮像素子19の出力は記憶部20によって記憶され、その記憶された情報(合焦状態に関する情報)はレンズCPU21によって処理されている。
【0017】
レンズCPU21は、自動合焦を行うか否かを決定するAF動作スイッチ22、自動露出を行うか否かを決定する光量調整スイッチ23からの信号(入力信号)や、前述の合焦検出用撮像素子19(或いは記憶部20)からの信号(入力信号)を受ける。ここで、このレンズCPU21は、これらの受けた信号(入力信号)に基づいて、フォーカスレンズ群11や反射素子15の駆動量(駆動ステップ数)を決定している。具体的には、このレンズCPU21は、フォーカスレンズ11を駆動する駆動モータ(第1駆動ユニット)25を制御するフォーカスレンズ群駆動回路24に情報(フォーカスレンズ群の移動量、或いはモータの駆動ステップ数に関する情報)を伝達している。更に、このレンズCPU21は、反射素子15を駆動する駆動モータ(第2駆動ユニット)28を制御する反射素子駆動回路27にも情報(反射素子15の移動量、或いはモータの駆動ステップ数に関する情報)を伝達している。その他、このレンズCPU21は、変倍群12の位置(位置に関する情報)を検出する変倍センサ26や、絞り13を制御する制御手段(不図示)とも情報の授受を行っている。
【0018】
また撮像装置30においては、レンズ装置10の光軸の延長上に、撮像装置光学系31、被写体像を受光する映像用撮像素子32が配置されている。撮像装置光学系31は色温度変換フィルタやNDフィルタ、色分解プリズムを有し、映像用撮像素子32はCCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子を有している。また、映像用撮像素子32の出力は演算処理を行うカメラCPU33に接続され、カメラCPU33はレンズCPU21とケーブル34を介して接続されている。このケーブル34は、撮像装置30(のカメラCPU33)とレンズ装置10(のレンズCPU21)との間の情報交換(光量情報、撮影状態に関する情報)が可能なケーブルや接点コネクタ等の情報伝達部材である。
【0019】
上述のようなレンズ装置、撮像装置(カメラ本体)とを有する撮影システムにおける合焦動作は大まかに以下の通りである。まず、レンズ装置10内の反射素子15で分岐された光束を合焦検出用撮像素子19に導くことにより、合焦状態を検出する。そこで得られた合焦状態に関する情報と、フォーカスレンズ群の位置情報、変倍センサ26により得られる変倍群の位置情報、絞り13に関する情報等に基づいて、フォーカスレンズ群11を移動させる。これらの動作はすべてレンズ装置10内で行っても構わないし、撮像装置(カメラ本体)30単独、或いは撮像装置30とレンズ装置10とが連動して(共同して)行っても構わない。
【0020】
次に、反射素子15について詳細に説明する。
【0021】
図3は反射素子15の分光反射率分布特性(反射率特性)を示している。この反射素子が持つ反射面15aは、図2のz軸方向に沿った反射面15aの一方の端部(一端)から他方の端部(他端)に向かって反射率が実質的に単調に低下する(或いは増加する)ように構成されている。ここで、z軸方向とは、レンズ装置の光軸(フォーカスレンズ群、変倍レンズ群、前及び後リレー群等の撮像光学系の光軸)と、反射素子により反射された光束が入射するAFレンズ群の光軸とによって定義される平面(図2の紙面)に対して垂直な方向のことである。別の言い方をすれば、前述の撮像光学系の光軸と反射面(光分岐面)の法線とで定義される平面に対して垂直な方向がz軸方向であり、反射面はそのz軸方向に沿って反射率が変化しており、またそのz軸成分を持つ方向に沿って移動する。但し、この反射素子15の移動方向(第1方向)はこの限りではない。この反射素子15の移動方向は、反射面15aの反射率が変化する方向であれば、いずれの方向に移動しても構わない。
【0022】
枠P、枠Qは撮像光学系の光束幅に対応しており、撮像光学系内の光束のうち枠P(Q)内の反射率に基づいた割合の光束が反射面15aで反射(分岐)され、合焦検出用撮像素子19に導かれる。つまり、反射面15aの枠P内の領域を撮像光学系内に挿入する場合と、反射面15aの枠Q内の領域を撮像光学系内に挿入する場合とでは、合焦検出用撮像素子19に導かれる光量が異なる。
【0023】
図4は図2のyz平面における光学系の断面図を示している。反射素子15の反射面15aを矢印のようにz軸方向に移動(摺動)することにより、反射面15aが持つ反射率のうち所望の反射率を持つ領域を選択的に撮像光学系内に挿入することができる。つまり、反射素子15をz軸方向に移動させることによって、合焦状態検出部17に導く光量を調節することが可能となる。
【0024】
つまり、反射素子15をz軸方向に移動させる(図3においては、枠Pや枠Qを移動させる)ことにより、反射素子による反射率を高くし(低くし)、合焦状態検出部17に入射する光量を増加させる(減少させる)ことができる。この際、反射素子15の移動時に、映像が途切れることがない(撮像光学系を通る光束内を遮光部材が通ることがない)ため、撮影中の摺動操作が可能である。尚、ここで言う遮光部材とは、ターレットの外枠等のように、可視光領域内の光束を一切透過させない部材のことである。
【0025】
自動合焦動作をしないときは、合焦状態検出部17に光束を導く必要が無いため、反射素子15の最も反射率Rが低い領域(図3中の右側の端部の領域)を撮像光学系内に挿入する。これにより、より多くの光量を撮像装置30の映像用撮像素子32に導くことができる。
【0026】
図5は反射素子15を摺動する手順のフローチャート図である。使用者からAF動作スイッチ22により自動合焦動作を行うことを指示されたとき(ステップS11)、先ず合焦検出用撮像素子19に導かれた光量が、予め記憶部20に記憶されている後述する光量条件Kを満足しているかを判定する(ステップS12)。
【0027】
光量条件Kを満足すれば、合焦位置検出実行動作を行う(ステップS13)。すなわち、合焦位置の検出を実行し、フォーカスレンズ群の移動方向、及びその移動量を求め(またはそれらに関連する情報を求め)、それに基づいてフォーカスレンズ群を移動させる。光量条件Kを満足しない場合には、光量条件Kを満足するために必要な反射素子15の移動量(摺動量)及び移動方向(摺動方向)を算出する(ステップS14)。そして、算出された通りに反射素子15を移動させたと仮定した場合(ステップS14、15の段階では、反射素子15はまだ移動していない)に、光量条件Kを満足するかどうかを判定する(ステップS15)。ステップS15で光量条件Kを満足しないと算出された場合(つまり、図3の最も左側の反射率が高い領域を用いたとしても自動合焦に充分な光量が得られない場合)には、自動合焦動作を中止する(ステップS16)。ここで、ステップS14は、ステップS15の中に組み込んで一つのステップとしても構わない。
【0028】
ステップS15で光量条件Kを満足している場合には、ステップS14で算出された反射素子15の移動量及び移動方向に基づいて反射素子15を移動(摺動)させ(ステップS17)、自動合焦動作(合焦位置の検出)を実行する(ステップS18)。
【0029】
尚、自動合焦指示が無い場合、或いは自動合焦が中止になった場合には、反射素子15は、反射面15aの最も反射率が低い領域が撮像光学系内に挿入されるような位置に移動する(元々その位置にいる場合は動かない)。
【0030】
光量条件Kは、撮影画像の画質があまり低下しない範囲内において、合焦検出用撮像素子19を用いて短時間に合焦位置の検出を行うことができるための条件である。合焦検出用撮像素子19に入射する光量が少な過ぎて光量条件Kを満足しない場合、合焦位置を検出するために必要な信号を得られなかったり、合焦位置の検出速度が遅くなったりしてしまう。この合焦位置の検出速度が遅くなるのは、光量不足のため十分な信号が得られるまで(光量の蓄積を待つまで)長い時間がかかるためである。
【0031】
一方、合焦検出用撮像素子19に入射する光量が多過ぎて光量条件Kを満足しない場合もある。この場合、合焦位置を探索するために必要な信号を得られなかったり、或いは反射素子15が必要以上に多くの光(撮影光)を合焦検出用撮像素子19に導くため、映像用撮像素子32に導かれる光量が減り撮影像が暗くなってしまったりしてしまう。尚、ここでの撮影光とは、被写体側からレンズ装置10に入射した光のことである。
【0032】
また、光量条件Kは定数でも不等号による範囲指定でもよい。光量条件Kが定数の場合は、合焦位置の検出に必要な光量を安定して合焦検出用撮像素子19に導くことができるため、安定した合焦精度や合焦速度を確保することができる。一方、被写体の光量が短時間で変動する場合には、反射素子15が頻繁に摺動するため、映像用撮像素子32に入射する光量が頻繁に変化し、撮影像が見苦しくなる。
【0033】
また、光量条件Kが不等号による範囲指定である場合に、被写体の光量が短時間で変動する場合でも、反射素子15の摺動量及び摺動頻度が少なくなるため、撮影像への影響を低減できる。一方、反射素子15により合焦検出用撮像素子19に導かれる光量が変動するため、合焦精度や合焦速度が被写体の光量により変動する。この光量条件Kの不等号による範囲指定は、一般に元の撮影像の光量を基準として、±5%/秒の光量変化に対しては反射素子15を摺動しないように設定することが好ましい。
【0034】
次に、ステップS14における反射素子15の移動方向及び移動量の算出において説明する。合焦検出用撮像素子19に入射する光量は、撮像光学系に入射する光量と、反射面15aの反射率に比例する。撮像光学系に入射する光量が(短時間で)変化しないものと仮定すると、合焦検出用撮像素子19に入射する光量は、図3の枠P(枠Q)と、反射率を示す曲線より下側の領域とが重複した部分の面積に比例する。言い換えると、合焦検出用撮像素子19に入射する光量は、反射面15aのうち撮像光学系に挿入した部分の平均反射率に比例する。例えば、合焦のために現在合焦検出用撮像素子19に入射している光量に対して2倍の光量が必要な場合、今と比べて反射面15aの撮像光学系内に挿入された部分の平均反射率が2倍になるように反射面15a(反射素子15)を移動させれば良い。従って、現状に対して光量条件Kを満足するために必要な光量が何倍であるかを検出し、その検出結果と予め記憶している反射面15aの反射率特性に基づいて、反射面15a(反射素子15)の移動方向及び移動量を算出すれば良い。勿論、撮像素子33やその他の光量センサ(光電変換素子)等からの出力や、絞り13の状態等に応じて、反射素子の位置を演算し(或いはテーブル等で反射素子の位置を記憶しておき)、その演算結果に基づいて反射素子15を移動させても良い。
【0035】
尚、前述の反射素子16は、本実施例においては物体(被写体)からの光束を反射することによって合焦状態検出部18に光束を導いているが、物体からの光束を透過することによって合焦状態検出部18に光束を導くように構成しても良い。その場合は、前述の反射素子16で反射された光束が撮像素子31に導かれるように構成すれば良い。また、この実施例1においては、反射面16aによる吸収がほとんどない(可視光領域内の吸収率5%以下、好ましくは2%以下)状態を前提としている。すなわち、本発明においては、反射素子16の反射面16aの反射率がz軸方向(反射素子16の移動方向)に沿って変化(単調に変化)していることは、反射素子16の反射面16aの透過率がz軸方向に沿って変化(単調に変化)していることとほぼ同意である。
【0036】
本実施例においては、自動合焦動作を行わない場合は、反射面15aの最も反射率が低い領域を撮像光学系内に挿入するように反射素子15の位置を制御しているがその限りではない。例えば、絞り13を絞った状態においても、被写体の輝度が高過ぎる場合等は、被写体から撮像素子33に至る光量を減少させる目的で反射素子15を移動させても良い。つまり、反射素子の反射面15aを光量調整フィルタ(場所によって透過率が変化するフィルタ)として用いても構わない。この場合は、絞り13の状態を検出した結果と、撮像素子32で撮影された画像情報(或いはそれを処理するカメラCPU33)等に基づいて、レンズCPU21が反射素子15を駆動する。
【実施例2】
【0037】
実施例2で用いる反射素子15の反射面15aの分光反射率分布特性(反射率特性)を図6に示し、実施例2の自動合焦動作を行う際のフローチャットを図7に示している。この実施例2は、反射素子15が有する反射面15aの反射率特性が実施例1と異なり、またその違いにより発生する自動合焦動作のフローチャットが実施例1と異なる。それ以外は実施例1と同じである。
【0038】
図6に示したように、反射面15aは、枠P、枠Q内において反射率がほぼ一定になる(一定にすることができる、又は反射面15aの撮像光学系内に挿入された部分の反射率の差が3%以内に収めることができる)ように構成している。反射面15aのz軸方向(移動方向)の位置に対して連続的に反射率が変化する実施例1と比較すると微妙な光量調整はできないが、撮影画面内のある一方向に向かって光量が低下するシェーディングを緩和することができる。
【0039】
図7は反射素子15を移動する手順のフローチャート図である。使用者からAF動作スイッチ22により自動合焦動作をすることを指示されたとき(ステップS21)、先ず合焦検出用撮像素子19に導かれた光量が、予め記憶部20に記憶されている光量条件Kを満足しているかを判定する(ステップS22)。光量条件Kを満足すれば合焦位置の検出を実行する(ステップS23)。
【0040】
光量条件Kを満足しない場合には、満足するようにレンズCPU21で反射素子15内の使用する枠位置を算出し(ステップS24)、反射素子15を摺動すると光量条件Kを満足するか判定する(ステップ25)。光量条件Kを満足しないと判定された場合には、自動合焦動作を中止する(ステップS26)。ステップS25で光量条件Kを満足する場合には、反射素子15をステップS24の算出結果に従って摺動(移動)し(ステップS27)、合焦位置の検出を実行する(ステップS28)。なお、光量条件Kや使用枠の算出方法の考え方は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0041】
実施例3では、レンズCPU21が撮像装置30のカメラCPU33からケーブル34を介して映像用撮像素子32に入射する光量情報を得て、自動合焦動作を行うかどうかを判断する。
【0042】
図8は実施例3の反射素子15を摺動する手順のフローチャート図である。使用者からAF動作スイッチ22で自動合焦動作を行うことを指示されたとき(ステップS31)、先ず撮像装置30で映像用撮像素子32に入射する光量情報を得る。そして、映像用撮像素子32に入射する光量に対して、予め記憶部20に記憶されている光量条件Kcを満足しているか判定する(ステップS32)。光量条件Kcを満足しない場合には、自動合焦動作を中止する(ステップS33)。光量条件Kcを満足した場合には、予め記憶部20に記憶されている光量条件Kを満足しているか判断する(ステップS34)。
【0043】
光量条件Kを満足すれば、合焦位置の検出を実行する(ステップS35)。満足しない場合には、光量条件Kを満足するようにレンズCPU21により反射素子15の摺動方向及び摺動量を算出するか、或いは枠位置を算出する(ステップS36)。摺動方向及び摺動量を算出するか、枠位置を算出するかは、実施例1、2のように反射率特性による。次に、反射素子15をステップS36の算出結果に従って摺動し(ステップS37)、合焦位置の検出を実行する(ステップS35)。光量条件Kや使用枠の算出方法の考え方は、実施例1と同様である。
【0044】
光量条件Kcは合焦検出用撮像素子19により合焦位置を探索可能であり、かつ撮像装置30による撮影像への影響が少ない条件である。映像用撮像素子32に入射する光量が少なく光量条件Kcを満足しない場合、反射素子15で合焦検出用撮像素子19に導かれる光量が少なく自動合焦操作が不可能或いは遅くなるため好ましくない。或いは、反射素子15で自動合焦動作に必要な光量を合焦検出用撮像素子19に導くことができたとしても、撮像装置30内の映像用撮像素子32に導かれる光量が少なくなってしまうため、好ましくない。
【0045】
本実施例3のように、映像用撮像素子32に入射する光量に対して光量条件Kcにより判定することにより、自動合焦時の撮影像への影響を低減することができる。
【0046】
また、実施例1〜3について、好ましくは合焦検出用撮像素子19に導かれる光量条件Kを使用者が任意に設定できるか、或いは次に示すような様々な撮影条件を想定した光量条件Kを予め記憶部20に記憶させておき、使用者が任意に選択することが望ましい。
【0047】
例えば、高速の被写体に対して自動合焦動作をするときは、被写体の移動に対して合焦位置検出を素早く行わなければならない。この場合に、合焦位置の検出速度を上げるために、光量条件Kの閾値を大きくすることにより、合焦検出用撮像素子19に導く光量を大きくすればよい。一方、自動合焦の速度は比較的遅くてもよいが、反射素子15による撮像装置30内の映像用撮像素子32に入射する光量低下の影響を少なくしたい場合に、光量条件Kの閾値を小さくし、映像用撮像素子32に導かれる光量を大きくすればよい。
【0048】
また、実施例1〜3について、好ましくは実施例1のステップS16、実施例2のステップS26、実施例3のステップS33において、自動合焦動作を中止するとき、図示しない表示手段によりその旨を表示することが好ましい。
【実施例4】
【0049】
図9はレンズ装置10と、一体型に連結した撮像装置40から成る実施例4のブロック回路構成図を示している。
【0050】
撮像装置40には、被写体光をR(赤)、G(緑)、B(青)チャネルに分光するための色分解光学系41R、41G、41Bと、所定形式の映像信号を出力する映像用撮像素子42R、42G、42Bが内蔵されている。また、色分解光学系41Gの前面には、赤色反射ダイクロイック膜43が設けられている。更に、映像用撮像素子42R、42G、42Bから得られた電気信号を記録する図示しない記憶装置、演算処理を行うCPU等が設けられている。
【0051】
図2と同様に、レンズ装置10に入射した被写体光は、反射素子15により合焦状態検出部17に分岐されるようになっている。反射素子15の反射面15aは、赤外光を遮光する機能(赤外カットフィルタの機能)と、赤色光の長波長側を決定する機能(赤チャネルトリミングダイクロイック膜の機能)とを有している。勿論、この赤外カットフィルタの機能と赤チャネルトリミングダイクロイック膜の機能のうち、一方をこの反射面15aに持たせ、他方をこの反射素子とは別体の光学素子として、撮影光の光路中に配置しても構わない。
【0052】
図10は色分解光学系を構成するプリズム41Gの前面(プリズム41Gとプリズム41Rとの間の面)に設けられた赤色反射ダイクロイック膜43の分光反射率特性を表している。この赤色反射ダイクロイック膜43の反射率分光特性により、Rチャネルの短波長側の分光特性(Rチャネルの短波長側の波長、Rチャネル用の撮像素子に導かれる波長領域の短波長側の波長)が決定される。また、Rチャネルの長波長側の分光特性は、反射素子15の反射面15aの分光特性によって決定される。
【0053】
図11には、反射面15aの分光特性を示す。図12には、Rチャネルの総合透過率(反射面15aの分光特性と赤色反射ダイクロイック膜43の分光特性とを掛け合わせた分光特性、或いはRチャネル用撮像素子42Rに至る光路上に配置された光学素子全てを合成した分光特性)を示す。本実施例においては、この図12に示す波長領域(図12において透過率の高い波長領域)の光を、Rチャネル用撮像素子42Rに導くことができるため、撮像装置として好ましい分光特性となっていることが分かる。
【0054】
このようにして、従来の撮像装置の色分解光学系内で損失していた光量を合焦状態検出部17に導くことが可能となり、合焦状態検出部17の光量を増加して合焦精度を向上することができる。
【実施例5】
【0055】
図13は、実施例5の独立のレンズ装置10を、レンズ交換式の撮像装置50に装着した場合のブロック回路構成図である。図9と同一の符号は同じ機能を有する部材を示している。撮像装置50は、撮影光の入り口(入口側)に赤外カットフィルタ51を有し、色分解光学系を構成するプリズム41Rの出射側(プリズム41Rとプリズム41Gとの間)に赤チャネルトリミングダイクロイック膜52を有する。図18に赤外カットフィルタ51の分光特性を示す。また、図19に赤チャネルトリミングダイクロイック膜52の分光特性を示す。
【0056】
例えば、レンズ装置10の反射素子15が、図11に示す分光特性を有しているとする。この場合、Rチャネルの総合透過率の短波長側の分光特性(撮像素子42Rに至る赤色光に対する、光学系全体の分光特性)は、実施例4と同様に撮像装置50側の赤色反射ダイクロイック膜43の特性によって決定される。一方、長波長側の分光特性は、反射素子15と赤外カットフィルタ51、赤チャネルトリミングダイクロイック膜52を掛け合わせた特性によって決定される。この特性を図14中の一点鎖線で示す。この図14には、撮像装置として好ましいRチャネルの光に対する分光特性(Rチャネル用の撮像素子42Rに至るRチャネルの光に対する総合透過率)を実線で示している。
【0057】
図14にて実線と一点鎖線を比較すると、長波長側の透過率が異なっている、特に半値となる波長(透過率が50%となる波長)が異なっていることが分かる。つまり、所望のRチャネルの分光透過率特性(図14中の実線で示す分光特性)とは異なる分光特性(分光透過率特性)となってしまっていることが分かる。これは、レンズ装置10と撮像装置50の両者が、図11で示す分光特性の700nm近傍の分光特性を持つ光学素子を持っているため、700nm近傍の波長領域の光が二重にトリミングされているためである。その結果、分光特性の中で、透過から反射(吸収)に至る遷移領域(に相当する波長領域)における透過率が所望の透過率よりも低くなってしまう。
【0058】
そこで、本実施例5においては、反射素子15が持つ反射面15aの分光特性を、実施例4における分光特性とは異ならせている。図15に、実施例5における反射面15aの分光特性を示す。この図15と実施例4の図11の分光特性とを比較すれば、透過率の下落する波長領域(透過率が半値となる波長)が長波長側にシフトしていることが分かる。反射面15aにこのような分光特性を持たせることにより、Rチャネル(Rチャネル用撮像素子に入射する波長領域)の長波長側の波長を、反射素子15ではなく、撮像装置50に設けた赤チャネルトリミングダイクロイック膜52で決定している。このように、Rチャネルの長波長側の波長を赤チャネルトリミングダイクロイック膜が単独で決めることにより、Rチャネルの長波長側の波長領域における光量低下(遷移領域内のRチャネル用撮像素子に入射する光量の低下)を防ぐことができる。このため、一部の光は損失するが、従来の撮像装置を用いて不要光を合焦検出系に取り込むことが高く汎用性の高いレンズ装置、レンズ交換式撮像装置を提供することが可能となる。
【実施例6】
【0059】
図16に実施例6の自動合焦動作のフローチャートを示す。
【0060】
まず、ステップS41において、使用者(撮影者)の入力により自動合焦(AF)を行う旨の指示(自動合焦指示)が入力される。
【0061】
次に、ステップS42において、前述の実施例にも記載されている光量条件Kの判定、すなわち合焦検出用撮像素子に至る光束の光量を検出し、自動合焦の可否を判断する。この光量条件Kを満足する場合は、合焦位置検出実行、すなわち合焦位置を検出し、フォーカスレンズ群等の移動を行う(ステップS43:合焦位置検出実行)。
【0062】
ステップS44では、絞りの情報(位置、開口径、絞り値等の情報)や、撮影(映像)用の撮像素子が受光する光量や、反射素子の位置に関する情報(反射素子の撮像光学系の光路中に挿入された部分の平均反射率)の2つ以上(好ましくは全部)を用いる。これらの情報を用いて、合焦位置検出用撮像素子に入射する光量が足りない場合は、絞りをより開放したり、反射素子による平均反射率を上げたりすれば良い。また、合焦位置検出用撮像素子に入射する光量が多すぎる場合には、絞りを絞ったり、反射素子による平均反射率を下げたりすれば良い。このような動作を行ったとした場合に、合焦系値検出に必要な光量を確保できるのであれば「満足」と判定し、ステップS45の反射素子移動及び/又は絞りの開閉動作(絞り値の変更)を行った上でステップS43の合焦位置検出実行ステップを実行する。また、ステップS44において光量を確保できない、すなわち光量条件Kzを「不満足」であると判定された場合は、自動合焦を中止(ステップS46)する。
【実施例7】
【0063】
図17に実施例7の自動合焦動作のフローチャートを示す。
【0064】
まず、ステップS51において、使用者(撮影者)の入力により自動合焦(AF)を行う旨の指示(自動合焦指示)が入力される。
【0065】
次に、ステップS52では、絞りの情報(位置、開口径、絞り値の情報等)や、撮影(映像)用の撮像素子が受光する光量や、反射素子の位置に関する情報、合焦検出用撮像素子に入射する光量のうち2つ以上(好ましくは全部)を用いる。ここで、反射素子の位置に関する情報とは、反射素子の反射面のうち撮像光学系(撮影光学系)の光路中に挿入された部分の平均反射率であることが望ましい。
【0066】
これらの情報を用いて、合焦位置検出用撮像素子に入射する光量が足りない場合は、絞りをより開放したり、反射素子による平均反射率を上げたりすれば良い。また、合焦位置検出用撮像素子に入射する光量が多すぎる場合には、絞りを絞ったり、反射素子による平均反射率を下げたりすれば良い。このような動作を行ったとした場合に、合焦系値検出に必要な光量を確保できるのであれば「満足」と判定し、ステップS53の反射素子移動及び/又は絞りの開閉動作(絞り値の変更)を行った上でステップS54の合焦位置検出実行ステップを実行する。また、ステップS52において、光量を確保できない、すなわち光量条件Kzを満足しないと判定された場合(「不満足」であると判定された場合)、自動合焦を中止(ステップS55)する。
【0067】
上述の実施例の図3、図6等に記載した分岐光学系(反射素子)の光分岐面(反射面)の反射率の値は、図示した値に限らない。例えば、図3の右端の周辺部分の反射率Rを0%とし、左端の周辺部分の反射率Rを1%としても構わないし、その組み合せを、0%と5%、0%と10%、1%と5%、1%と10%、2%と5%等のように様々な組み合せが考えられる。勿論、図6においても同様である。
【0068】
上記の実施例において、光分岐面(反射面)の反射率(透過率)、すなわち撮像光学系に入射した光量のうち合焦検出用撮像素子側に導かれる光量の割合、は、1%以上3%以下(好ましくは0%以上5%以下)の範囲を含むことが望ましい。特に、可視光波長領域(約400nm以上700nm以下)の光束に対する透過率が0.5%以下である領域を含み、且つ3%以上である領域を含むことが望ましい。また、このレンズ装置は、分岐光学系(反射素子)の光分岐面(反射面)のうち、撮像光学系に挿入されている部分の反射率の平均値が0.5%以下とすることが可能な構成であることが望ましい。
【0069】
上記実施例2〜7の説明において、特に記載しない事項については実施例1と同様である。また、実施例1〜7は、お互いに矛盾のない範囲内で任意に組み合わせて用いても構わない。
【0070】
また、本実施例の分岐光学系(反射素子)が有する光分岐面(反射面)の反射率(透過率)は、図3、図6に記載したように、z軸方向(第1方向)に沿って連続的に変化している。ここで「連続的に変化する」とは、反射率が階段状に変化していたとしても、その反射率の階段状の変化における一つの段差が5%以内(より好ましくは2%以内、更に好ましくは1%以内)であれば、それは「連続的に変化する」と見なす。
【0071】
また、この光分岐面(反射面)の反射率は、z軸方向に沿って連続的に変化しているが、z軸と垂直な方向(x軸とy軸の両者に対して45度をなす方向)に沿っては一定(反射率の差は2%以内、より好ましくは1%以内)であることが望ましい。
【0072】
また、本実施例の分岐光学系が移動方向(第1の方向)は、光軸と垂直な直線的な方向であることが望ましい。
【0073】
また、本実施例の分岐光学系が有する光分岐面の反射率(合焦検出用撮像素子の方向に光を導く率)は、一方の端部において1%未満であることが望ましく、他方の端部においては5%以上(好ましくは10%以上)であることが望ましい。
【0074】
また、本実施例において、分岐光学系(反射素子)は、前リレーレンズ群14と後リレーレンズ群16の間に配置されているが、その限りでは無く、フォーカスレンズ群よりも映像用撮像素子側であればどこに配置しても構わない。但し、分岐光学系と映像用撮像素子との間には、少なくとも一つのレンズ(屈折力を持つレンズ)を配置することが望ましい。
【0075】
上述の説明では、本発明の好ましい実施例について述べたが、本発明はこれらの実施例に限定されないことは云うまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0076】
本実施例に係るレンズ装置によれば、分岐光学系(反射素子)の光分岐面(反射面)の透過率及び反射率が連続的に変化するように、分岐光学系を構成することにより、撮影状況に応じ適切な自動合焦が可能となる。特に、合焦検出用撮像素子に導く光量を変化させる際、つまり分岐光学系(反射素子)の透過率及び反射率を変更させる際、映像が途切れることがないので撮影中であっても合焦検出用撮像素子に導く光量を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施例1のレンズ装置の概念図である。
【図2】実施例1のレンズ装置と撮像装置のブロック回路構成図である。
【図3】実施例1の反射素子の分光反射率分布特性図である。
【図4】実施例1の光学系の横断面図である。
【図5】実施例1の動作フローチャート図である。
【図6】実施例2の反射素子の分光反射率分布特性図である。
【図7】実施例2の動作フローチャート図である。
【図8】実施例3の動作フローチャート図である。
【図9】実施例4のレンズ一体型のレンズ装置と撮像装置のブロック回路構成図である。
【図10】実施例4の赤色反射ダイクロイック膜の分光反射率特性図である。
【図11】実施例4の赤外カットフィルタ、赤チャネルトリミングダイクロイック膜の分光透過率特性図である。
【図12】実施例4のRチャネルの総合透過率特性図である。
【図13】実施例5のレンズ交換式のレンズ装置と撮像装置のブロック回路構成図である。
【図14】実施例5のRチャネルの総合透過率特性図である。
【図15】実施例5の赤外カットフィルタ、赤チャネルトリミングダイクロイック膜の分光透過率特性である。
【図16】実施例6の合焦動作のフローチャート図である。
【図17】実施例7の合焦動作のフローチャート図である。
【図18】実施例5の赤外カットフィルタの分光特性を示す図である。
【図19】赤チャネルトリミングダイクロイック膜の分光特性を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 フォーカスレンズ群
2 分岐光学系
3 映像用撮像素子
4 合焦検出手段
5 演算手段
6 駆動手段
7 移動手段
11 フォーカスレンズ群
12 変倍レンズ群
13 絞り
14 前リレーレンズ群
15 反射素子
16 後リレーレンズ群
17 合焦状態検出部
18 AF用レンズ
19 合焦検出用撮像素子
20 記憶部
21 レンズCPU
30 撮像装置
31 撮像装置光学系
32 映像用撮像素子
33 カメラCPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスレンズ群を有するレンズ装置であって、
前記レンズ装置の光軸上に配置された分岐光学系と、
前記分岐光学系からの光束を用いて合焦状態を検出する合焦検出手段と、
前記合焦検出手段からの出力に基づいて、前記フォーカスレンズ群を駆動する第1駆動ユニットと、
前記分岐光学系を駆動する第2駆動ユニットとを備えており、
前記分岐光学系が有する光分岐面は、第1方向に沿って反射率が連続的に変化しており、
前記第2駆動ユニットは、前記第1方向に沿って前記分岐光学系を駆動することを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記第2駆動ユニットは、前記合焦検出手段に入射する光量に基づいて、前記分岐光学系を駆動することを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記光分岐面の反射率は、前記第1方向の一端から他端に向かって単調に低下していることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記第1方向は、前記光軸と前記光分岐面の法線とで定義される平面に対して垂直な方向であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記レンズ装置は、撮像素子を有する撮像装置に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記第2駆動ユニットは、撮像素子に入射する光量に基づいて、前記分岐光学系を駆動させることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のレンズ装置。
【請求項7】
撮像素子と、被写体からの光を前記撮像素子に導くレンズ装置とを備える撮像装置であって、
前記レンズ装置が、フォーカスレンズ群と、前記レンズ装置の光軸上に配置された分岐光学系と、前記分岐光学系からの光束を用いて合焦状態を検出する合焦検出手段と、前記合焦検出手段からの出力に基づいて、前記フォーカスレンズ群を駆動する第1駆動ユニットと、前記分岐光学系を駆動する第2駆動ユニットとを有しており、
前記分岐光学系が有する光分岐面は、第1方向に沿って反射率が連続的に変化しており、前記第2駆動ユニットは、前記第1方向に沿って前記分岐光学系を駆動することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
前記第2駆動ユニットは、前記撮像素子に入射する光量に基づいて、前記分岐光学系を駆動することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−233896(P2008−233896A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38991(P2008−38991)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】