説明

レーザユニット調整方法、並びにレーザユニット、それを備えた光ピックアップ装置、及び光情報機器

【課題】複数の半導体レーザの発光点位置を、簡易的に高精度に調整する。
【解決手段】本発明のレーザユニットの調整方法は、互いの出射光の光軸が異なるように配置された第1および第2の半導体レーザを備えたレーザユニットの調整方法であって、前記第1の半導体レーザは、レーザ出射方向に対して垂直な2方向およびレーザの出射方向の3方向のうち、1または2方向に対して第1の基準を持ち、前記第2の半導体レーザは、レーザ出射方向に対して垂直な2方向およびレーザの出射方向の3方向のうち、前記第1の半導体レーザと異なる1または2方向に第2の基準を持ち、前記第1および第2の半導体レーザは、それぞれの発光点の前記3方向の相対位置を互いの基準に対して位置調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ピックアップ装置に搭載される複数の半導体レーザを備えたレーザユニットに関するものである。さらに詳しくは、レーザユニットにおいて、複数の半導体レーザの各々から出射されるレーザ光の発光点位置を調整するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクに情報を記録再生する光ピックアップは、半導体レーザやコリメートレンズ、受光素子など多数の光学部品によって構成されている。
【0003】
この光ピックアップにおいて、BD、DVD、CDの3系統の光ディスクを記録再生する光ピックアップでは、3波長のレーザ光を出射するために複数の半導体レーザを備えているが、部品点数削減、装置小型化、コスト削減のため、信号検出系は1系統にまとめられているのが一般的である。
【0004】
このような光ピックアップを製造する場合、第1の半導体レーザ、信号検出系、第2の半導体レーザの順番に部品を位置調整し固定する方法が一般的に用いられているが、半導体レーザはコリメートレンズや受光素子と共役関係にある位置に調整固定するため、信号品質を高めるためにはX、Y、Zの3方向に対して高精度な位置調整が必要となる。
【0005】
半導体レーザを高精度に位置調整する方法としては、部品とこれに対応する部品取り付け位置との両方に高精度に加工された位置決め部を形成し、対応する位置決め部同士を当接させて位置決め固定するという方法が考えられる。このような方法を用いた例としては、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−243254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された光ピックアップは、プラットフォームと呼ばれる部材に半導体レーザ、コリメートレンズ、受光素子などの主要部品が搭載されており、主要部品には位置決めの基準となる位置決め部が形成されている。プラットフォームには、各主要部品を搭載する位置に、部品の位置決め部に対応した位置決め部が形成され、部品の位置決め部とプラットフォームの位置決め部とを当接させることで部品の位置決めを行う構成となっている。
【0008】
以下、特許文献1の光ピックアップにおける部品の位置決めの例として、半導体レーザの位置決めについて図10を参照して説明する。
【0009】
図10(a)は特許文献1の光ピックアップにおける半導体レーザ固定部の構成を示す上面図、図10(b)は半導体レーザをプラットフォームから分解した上面図である。
【0010】
図10において、半導体レーザ101は、発光素子102、及び、これが搭載されたサブプラットフォーム103によって構成されている。サブプラットフォーム103は3つの基準部103a、103b、103cを有している。半導体レーザ101はサブプラットフォーム103の基準面103aをプラットフォーム104の基準面104aに、基準面103bをプラットフォーム104の基準面104bに、基準面103cをプラットフォーム104の基準面104cに当接させることでプラットフォーム104に位置決めされている。このときサブプラットフォーム103の基準面103a、103b、103cはそれぞれ発光素子102の発光方向に対して正確に関連付けられており、基準面103aは発光方向に対して正確に垂直面であるとともに発光点からの距離が正確に制御されている。基準面103bについては発光方向に対して正確に垂直面であるとともに、基準面103aと90度の角度を成し、発光点からの距離が正確に制御されている。基準面103cについては発光方向に対して正確に水平面であるとともに発光点からの距離が正確に制御されている。したがって、半導体レーザ101がプラットフォーム104に位置決め固定されると、半導体レーザ101の光軸は設定された方向に正しく固定される。
【0011】
サブプラットフォーム103の基準面103a、103b、103cと発光素子102の光軸との関連付けは以下の方法で行われる。
【0012】
まず発光素子102の発光点を画像処理により認識しながら発光素子102の裏面を研磨することにより発光点と発光素子裏面との距離を調整する。次に発光素子102をチャックにて保持し、この状態でレーザを出射する。そして出射されたレーザとサブプラットフォーム103の基準面103a、103b、103cとを画像処理で認識しながら発光素子102の搭載位置を調整し固定することで関連付けが成される。
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、半導体レーザおよびサブプラットフォームの両方に、X、Y、Z3方向全てに基準面を高精度に形成する必要があるため、部品の加工コスト、加工時間が増加するという課題がある
さらに、半導体レーザの発光点と基準面とを高精度に一致させる必要があるため、半導体レーザの発光点の位置調整に画像処理を用いており作業効率が悪いという課題がある。
【0014】
本発明は以上説明した事情に鑑みて成されたものであり、複数の半導体レーザを高精度に位置調整したレーザユニットを効率的に製造可能なレーザユニット調整方法、および、複数の半導体レーザを高精度に調整し、且つ、半導体レーザの接着後の位置安定性に優れたレーザユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のレーザユニット調整方法は、上記の課題を解決するために、出射光の光軸が異なるように配置された第1および第2の半導体レーザと、前記第1および第2の半導体レーザの出射光を合波して外部へ出射する光学素子と、前記第1および第2の半導体レーザと前記光学素子とを収容する筐体とを備え、前記第1および第2の半導体レーザの発光点と前記光学素子の合波点までの光路長が同一で、且つ、前記第1および第2の半導体レーザの出射光が同一の光軸となるように構成されたレーザユニットの前記第1および第2の半導体レーザの3次元位置を調整するレーザユニット調整方法であって、前記第1の半導体レーザは、レーザ出射光軸に対して垂直な2方向とレーザの出射方向との3方向のうち、1または2方向に位置調整を行い、前記第2の半導体レーザは、レーザ出射光軸に対して垂直な2方向とレーザの出射方向との3方向のうち、前記第1の半導体レーザとは異なる1または2方向に位置調整を行うことを特徴としている。
【0016】
ここで第1の半導体レーザと異なるとは、それぞれの半導体レ−ザに対して、レーザ出射方向を基準とした3方向を設定した場合に異なるということで、共通座標上異なる必要はない。
【0017】
上記の構成によれば、第1および第2の半導体レーザの調整方向を異なるようにすることで、調整工程の簡略化が可能となり、効率的に製造を行うことが可能となる。
【0018】
本発明のレーザユニット調整方法は、前記第1および第2の半導体レーザと、前記筐体とを当接した状態で位置調整を行うことを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、第1および第2の半導体レーザを筐体に当接させた状態で半導体レーザの位置調整を行うことができるため、調整の簡略化が可能となり調整時間の短縮が可能となる。
【0020】
本発明のレーザユニット調整方法は、前記第1および第2の半導体レーザと、前記筐体とを当接した状態で1方向に回転調整可能に保持されていることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、第1および第2の半導体レーザを回転調整し、出射光の光軸に対する強度分布を調整することができ、光ピックアップの信号特性を向上させることが可能となる。
【0022】
本発明のレーザユニット調整方法は、前記第1および第2の半導体レーザの回転調整を行う第1ステップと、前記第1および第2の半導体レーザの焦点位置を調整する第2ステップと、前記第1および第2の半導体レーザの光軸位置を調整する第3ステップと、からなり、半導体レーザの発光点位置を調整することを特徴としている。
【0023】
これにより、複数の半導体レーザの相対位置を高精度に調整したレーザユニットを効率的に製造することができる。
【0024】
本発明のレーザユニットは、上記課題を解決するために、出射光の光軸が異なるように配置された第1および第2の半導体レーザと、前記第1および第2の半導体レーザの出射光が同一の光軸となるように外部へ出射する光学素子と、前記第1および第2の半導体レーザと前記光学素子とを収容する筐体とを備え、前記第1の半導体レーザには、レーザ出射光軸に対して垂直な2方向とレーザの出射方向との3方向のうち、1又は2方向に第1の半導体レーザを移動可能にする第1の基準部が形成され、前記第2の半導体レーザには、レーザ出射光軸に対して垂直な2方向とレーザの出射方向との3方向のうち、前記第1の半導体レーザと異なる方向に第2の半導体レーザを移動可能にする第2の基準部が形成され、前記筐体には、前記第1および第2の基準部に対向する位置に第1および第2の位置決め面が形成され、前記第1および第2の半導体レーザは、前記第1および第2の基準部と前記第1および第2の位置決め面を当接させた状態で固定されていることを特徴としている。
【0025】
ここで第1の半導体レーザと異なる方向とは、それぞれの半導体レ−ザに対して、レーザ出射方向を基準とした3方向を設定した場合に異なるということで、共通座標上異なる必要はない。
【0026】
上記構成によれば、前記第1および第2の半導体レーザと前記筐体とを当接させた状態で、それぞれの半導体レーザを異なる方向に調整することができる。それゆえ、第1および第2の半導体レーザの位置調整のための調整軸を削減することができる。従ってレーザユニットを構成する部品の加工コストを低減するとともに、高精度の位置調整が可能となる。
【0027】
本発明のレーザユニットは、前記第1の基準部は第1の半導体レーザの位置決め面と当接し、前記第2の基準部は、前記第2の半導体レーザの位置決め面とを当接した状態で位置調整を行うことを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、第1および第2の基準部をそれぞれの位置決め面に当接させた状態で半導体レーザの位置調整を行うことができるため、位置調整の簡略化が可能となり調整時間の短縮が可能となる。
【0029】
本発明のレーザユニットは、前記第1および第2の半導体レーザには、第1および第2の半導体レーザのそれぞれのレーザ出射方向に対して垂直な面に第1および第2の固定部が形成され、前記筐体には、前記第1および第2の固定部に対向する位置に第1および第2の固定面が形成され、前記第1および第2の固定部と前記第1および第2の固定面の少なくとも何れか一方の上面には案内穴が形成され、前記第1および第2の半導体レーザと前記筐体とは、前記案内穴から塗布される接着剤にて、前記第1および第2の固定部と前記第1および第2の固定面とを固定されることを特徴としている。
【0030】
上記構成によれば、半導体レーザに形成される固定部と筐体に形成される固定面を対向して配置し、半導体レーザ、または、筐体に形成された案内穴から接着剤を塗布しているため、接着剤の塗布する位置、範囲を管理することが可能となる。
【0031】
従って位置調整された半導体レーザを接着剤で固定する前後における半導体レーザの位置ズレを抑制することができる。
【0032】
本発明の光ピックアップ装置は、上記の課題を解決するために上述のレーザユニットが搭載されたことを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、上述のレーザユニットが搭載されているので、部品の加工コストを低減するとともに、高精度の位置調整が可能な光ピックアップを実現することができる。
【0034】
本発明の光情報機器は、上記の課題を解決するために、上記光ピックアップ装置が搭載されたことを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、上記光ピックアップが搭載されているので、部品の加工コストを低減するとともに、高精度の位置調整が可能な光情報機器を実現することができる。
【発明の効果】
【0036】
この発明においては、複数の半導体レーザを高精度に位置調整したレーザユニットを効率的に製造可能なレーザユニット調整方法、および、複数の半導体レーザを高精度に調整し、且つ、半導体レーザの接着後の位置安定性に優れたレーザユニットを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(a)〜(b)は本発明の実施の一形態のレーザユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1のレーザユニットが搭載された3波長の光ピックアップ装置の概略構成を模式的に示す上面図である。
【図3】レーザユニットの調整装置の概略構成を説明するための説明図である。
【図4】本発明のレーザユニット調整方法の調整工程を示すフローチャートである。
【図5】(a)〜(c)は、第1の調整ステップでの半導体レーザの位置調整(強度分布調整)を説明するための説明図である。
【図6】(a)〜(c)は、第2の調整ステップでの半導体レーザの位置調整(フォーカス調整)を説明するための説明図である。
【図7】(a)〜(c)は、第3の調整ステップでの半導体レーザの位置調整(発光点位置調整)を説明するための説明図である。
【図8】(a)〜(d)は、本発明の実施の一形態のレーザユニットの接着剤塗布領域への接着剤の塗布を説明するための説明図である。
【図9】(a)〜(b)は、本発明の別の実施の形態のレーザユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図10】(a)〜(b)は、従来の光ピックアップ装置の構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態のレーザユニットは、出射光の光軸が異なるように配置された第1および第2の半導体レーザを備え、第1および第2の半導体レーザのいずれかの出射光を外部へ出射する構成になっている。
【0039】
図1は、本実施形態のレーザユニットの概略構成を説明するための説明図である。図1(a)は斜視図、図1(b)は分解斜視図である。図1(a)に示されるように、本実施形態のレーザユニット(以下、本レーザユニットと記す)は、2波長半導体レーザ1(第1の半導体レーザ)、青色半導体レーザ2(第2の半導体レーザ)、ダイクロイックビームスプリッタ3(光学素子)とで構成され、これらの部品はレーザユニット筐体4に搭載されている。
【0040】
本レーザユニットにおいては、2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2は、出射レーザ光(出射光)の光軸が異なる(具体的には互いに直交する)ように配置されている。2波長半導体レーザ1の出射レーザ光7はダイクロイックビームスプリッタ3を透過してレーザユニット外部へ出射され(レーザ光9)、青色半導体レーザ2の出射レーザ光8はダイクロイックビームスプリッタ3で反射されレーザユニット外部へ出射される(レーザ光9)。なお、図1では2波長半導体レーザ1の出射レーザ光7の光軸方向(出射方向)をZ方向とし、青色半導体レーザ2の出射レーザ光8の光軸方向(出射方向)をX方向とし、X方向およびZ方向に垂直な方向をY方向としている。
【0041】
図1(b)に示すように、2波長半導体レーザ1には、2波長半導体レーザ1の出射レーザ光7の出射方向であるZ方向に平行なYZ平面に基準部1a(第1の基準部)が形成されている。また、Z方向に垂直なXY平面に固定部1b(第1の固定部)が形成されている。
【0042】
青色半導体レーザ2には、青色半導体レーザ2の出射レーザ光8の出射方向であるX方向に垂直なYZ平面に基準部2a(第2の基準部)および固定部2b(第2の固定部)が形成されている。
【0043】
レーザユニット筐体4には、基準部1aおよび2aに対向する位置にそれぞれ位置決め面4aおよび4b(第1および第2の位置決め面)が形成され、固定部1bおよび2bに対向する位置にそれぞれ固定面4cおよび4d(第1および第2の固定面)が形成され、固定面の上部には案内穴4eが形成されている。
【0044】
2波長半導体レーザ1は基準部1aと位置決め面4aを当接した状態で位置決めされ、青色半導体レーザ2は基準部2aと位置決め面4bを当接した状態で位置決めされ、それぞれ接着剤(図示せず)によって固定されている。
【0045】
2波長半導体レーザ1は、波長650nm帯または780nm帯のレーザ光7を出射する。780nm帯の光ビームはCD系ディスクの記録再生を行うために用いられる。また、650nm帯の光ビームはDVD系ディスクの記録再生を行うために用いられる。
青色半導体レーザ2は、波長405nm帯のレーザ光8を出射する。405nm帯の光ビームはBD系ディスクの記録再生を行うために用いられる。
【0046】
ダイクロイックビームスプリッタ3は、波長405nm付近の波長であるレーザ光8を反射する一方、波長650nmまたは波長780nm付近の波長であるレーザ光7を透過する。そして、2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2から出射されたレーザ光を略同一の光路9に導く。
【0047】
図2は、本レーザユニットが搭載された3波長光ピックアップ装置(以下本光ピックアップ装置と略す)の概略構成を模式的に示す上面図である。この光ピックアップ装置は、BD、DVD、CD系ディスクの記録再生を行うために用いられる。それゆえ、本光ピックアップ装置が搭載された光情報機器は、BD系、DVD系、CD系のディスクの記録再生を実現する機器であれば、特に限定されない。
【0048】
なお、図2においては、上記図1に示された構成を有する本レーザユニットをレーザユニット25として示している。
【0049】
図2に示されるように、レーザユニット25はメインハウジング22に位置決めして取り付けられている。メインハウジング22内には、青立上げミラー15、青対物レンズ17、2波長立上げミラー14、2波長対物レンズ16、広帯域1/4波長板13、コリメートレンズ12、コリメートレンズ駆動ユニット21、偏光ビームスプリッタ11、ホログラム素子18、センサレンズ19、および受光素子20が収容されている。本光ピックアップ装置では、青対物レンズ17、および2波長対物レンズ16は、図示しないアクチュエータに搭載され、光軸方向および光軸と直交する方向に駆動可能となっている。
【0050】
偏光ビームスプリッタ11は、レーザユニット25から放射されたレーザ光9aを反射して向きを変える。レーザユニット25から放射されたレーザ光9aは直線偏光である。偏光ビームスプリッタ11は、レーザユニット25から放射されたレーザ光9aを反射し、レーザ光9aの偏光方位と直交する直線偏光を透過するように設計されている。後述するように本光ピックアップ装置では、レーザユニット25から放射されたレーザ光9aと光ディスクからの反射光とは、偏光方位が約90°異なっている。偏光ビームスプリッタ11は、往路光を反射し、復路光を透過するように設計されている。
【0051】
コリメートレンズ12は、偏光ビームスプリッタ11によって反射されたレーザ光9aを略平行光とする。コリメートレンズ12は、コリメートレンズ駆動ユニット21に搭載されており、光軸方向に可動するようになっている。BD系ディスクの記録再生においては、開口数が高いため、光ディスクの保護層の厚み誤差に起因する球面収差の影響が大きくなる。駆動ユニット21は、コリメートレンズ12を駆動することにより、この球面収差を補正する。
【0052】
広帯域1/4波長板13は、波長405〜780nmの直線偏光を円偏光に変換し、逆に円偏光を直線偏光に変換する。本光ピックアップ装置では、広帯域1/4波長板13を往復することにより、直線偏光は偏光方位が90度回転する。
【0053】
2波長立上げミラー14は、波長650nm帯または780nm帯のレーザ光を反射し、波長405nm帯のレーザ光を透過する。2波長立上げミラー14で反射されたレーザ光は2波長対物レンズ16に導かれる。また、青立上げミラー15は波長405nm帯のレーザ光を反射する。そして、青立上げミラー15で反射されたレーザ光は青対物レンズ17に導かれる。
【0054】
2波長対物レンズ16は、CD系ディスクまたはDVD系ディスクに対して、入射されたレーザ光を集光して光情報記録層に光スポットを形成する。青対物レンズ17は、BD系ディスクに対して、入射されたレーザ光を集光して光情報記録層に光スポットを形成する。
【0055】
ホログラム素子18は、光ディスクからの戻り光を回折して、複数の回折光線に分割する機能を有している。例えば、ホログラム素子に入射するレーザ光の80%をそのまま0次光として透過し、残りの20%を±1次光として2つに分割して出射する機能を有している。
【0056】
センサレンズ19は、シリンドリカル面を有するレンズである。センサレンズ19は光ディスクからの反射光に非点収差を与える。本光ピックアップ装置では、このレンズの挿入によって、非点収差法によるフォーカス誤差信号検出が可能になる。
【0057】
受光素子20は、センサレンズ19を通過したレーザ光を受光し、各種のサーボ信号に変換する。
【0058】
次に、3波長光ピックアップ装置の動作について説明する。2波長半導体レーザ1から出射された波長650nm帯のレーザ光(第1のレーザ光)7は、ダイクロイックビームスプリッタ3を透過し、偏光ビームスプリッタ11で反射され、往路9aに配されたコリメートレンズ12で平行光化される。平行光化されたレーザ光7は、広帯域1/4波長板13を透過して円偏光になり、2波長立上げミラー14で反射されて光ディスクの法線方向に立ち上げられ、2波長対物レンズ16によって光ディスクの記録再生面に集光される。光ディスクの記録再生面で反射された光は、往路9aと逆の経路(復路9b)を辿ってコリメートレンズ12、偏光ビームスプリッタ11へと導かれる。すなわち、2波長対物レンズ16、2波長立上げミラー14、広帯域1/4波長板13を通過し、光路(往路)9aの光とは直交する直線偏光になり、コリメートレンズ12、偏光ビームスプリッタ11へと導かれる。そして、復路9bの光は、図2に示されるように、偏光ビームスプリッタ11を透過し、ホログラム素子18、センサレンズ19、受光素子20という経路で信号検出光学系に導かれる。
【0059】
一方、青色半導体レーザ2から出射された波長405nm帯のレーザ光(第2のレーザ光)8は、ダイクロイックビームスプリッタ3に入射し反射され、偏光ビームスプリッタ11で反射され、往路9aに配されたコリメートレンズ12で平行光化される。平行光化されたレーザ光8は、1/4波長板13を透過し円偏光になり、2波長立上げミラー14を透過し、青立上げミラー15により反射されて光ディスクの法線方向に立ち上げられ、青対物レンズ17により光ディスクの記録再生面に集光される。光ディスクの記録再生面で反射された反射光は、往路9aと逆の経路(復路9b)を辿って、コリメートレンズ12へ導かれる。すなわち、青対物レンズ17、青立上げミラー15、2波長立上げミラー14を通って、コリメートレンズ12へ導かれ、ホログラム素子18、センサレンズ19、受光素子20という経路で信号検出光学系に導かれる。
【0060】
本光ピックアップ装置の光学系では、復路9bの光学系について、広帯域1/4波長板13から受光素子20に至る光学系がBD、DVD、CD共通の光学系になっている。BD、DVD、CDともにトラック誤差信号、フォーカス誤差信号、再生信号を共通の受光素子20で検出する。特に調整を簡単化するため、BDおよびDVDの再生信号検出用受光部が同一になっている。このとき、BD用光源とDVD用光源との位置ずれがあると、どちらか一方のレーザ光について、光軸と再生信号検出用受光部の中心軸とがずれる。このため、各種サーボ信号を正確に検知できなくなる。
【0061】
例えば、青色半導体レーザ2と2波長半導体レーザ1との位置が光軸方向に数十μmずれた場合、一方のフォーカス誤差信号は常にオフセットが発生し、正確なフォーカス制御ができなくなる。また、面内方向に十μmずれた場合、一方のトラッキング誤差信号に常にオフセットが発生して正確なトラッキング制御ができなくなり、フォーカス誤差信号へのトラッキング誤差信号の漏れ込みが大きくなり、フォーカス制御が不安定になる。また、それぞれの半導体レーザのレーザ光に対する強度分布がずれた場合、レーザ光の光軸と信号検出用受光部の中心軸が一致していても検出する信号に光強度のズレが発生し、正確な位置でサーボ制御を行うことができなくなる。これらの問題を避けるために、レーザユニットに搭載される複数の半導体レーザの発光点位置をミクロンオーダーで調整する。
【0062】
以下、レーザユニットの具体的な調整手順について図を参照して説明する。
図3はレーザユニットの調整装置の概略構成を模式的に示す上面図である。図3に示されるように、2波長半導体レーザ1、青色半導体レーザ2、およびレーザユニット筐体4は、部品セット部50にセットされている。また、レーザユニット筐体4には、ダイクロイックビームスプリッタ3が搭載されている。
【0063】
また、調整装置は、2波長半導体レーザ1を位置調整する駆動機構51と、青色半導体レーザ2を位置調整する駆動機構52と、コリメートレンズ53と、ハーフミラー55と、レンズ56と、撮像素子57(第1の撮像素子)および撮像素子58(第2の撮像素子)と、撮像素子の信号を出力するモニタ59と、コリメートレンズ53を位置調整する駆動機構54とで構成される。なお、図中の矢印は、駆動機構51,52,54それぞれの駆動方向を示している。
【0064】
2波長半導体レーザ1は、駆動機構51に保持されており、Y方向(2波長半導体レーザ1の光軸方向Zに対して垂直(上下)方向)、Z方向(2波長半導体レーザ1の光軸方向)およびθ1方向に位置調整可能になっている。θ1方向はX軸に平行な軸を中心に回転する方向である。X方向における2波長半導体レーザ1の移動は、レーザユニット筐体4との当接により規制されている。青色半導体レーザ2は、駆動機構52に保持されており、Z方向(2波長半導体レーザ1の光軸方向であり、青色半導体レーザ2の光軸方向に対して垂直(左右)方向)およびθ2方向に位置調整可能になっている。θ2方向はY軸に平行な軸を中心に回転する方向である。2波長半導体レーザ1の光軸方向から見たX方向における青色半導体レーザ2の移動は、レーザユニット筐体4との当接により規制されている。また、コリメートレンズ53は、駆動機構54に支持されており、Z方向に位置調整可能になっている。
【0065】
上記構成を備えた調整装置を用いたレーザユニットの調整方法(以下、本調整方法と記す)について説明する。
【0066】
図4は本調整方法の調整工程を示すフローチャートであり、大きく3つのステップにて調整を行う。すなわち、半導体レーザの回転方向の位置を調整する第1の調整ステップと、半導体レーザ同士の焦点位置を調整する第2の調整ステップと、半導体レーザの発光点位置を調整する第3の調整ステップとを有している。
【0067】
以下、それぞれの調整ステップについて説明する。まず、第1の調整ステップについて図5(a)〜(c)を参照して説明する。図5(a)〜(c)は、第1の調整ステップでの2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2の強度分布調整を説明するための説明図である。
【0068】
まず、2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2を発光させレーザ光7および8を出射する。レーザ光7は図5(a)に示されるようにダイクロイックビームスプリッタ3を透過し、レーザ光8はダイクロイックビームスプリッタ3で反射され、Z方向に出射される。レーザ光7および8はコリメートレンズ53で平行光化された後、ハーフミラー55でX方向とZ方向に分割される。X方向に分割されたレーザ光7aおよび8aは撮像素子57に入射し、Z方向に分割されたレーザ光7bおよび8bはレンズ56によって集光され撮像素子58に入射する。
【0069】
図5(b)は撮像素子57で検知する2波長半導体レーザ1のレーザ光60と、青色半導体レーザ2のレーザ光61をモニタしている図でありレーザ光の強度分布がずれた状態を示している。図5(b)では光ビームの強度が白から黒になるに従い弱くなるように表しており、2波長半導体レーザ1のレーザ光60はモニタ59に向って上側に強度分布が強くずれており、青色半導体レーザ2のレーザ光61はモニタ59に向って右側に強度分布が強くずれている状態である。この状態からレーザ光の強度分布がレーザ光の中心に対して均等になるように駆動機構51を用いて2波長半導体レーザ1のθ1方向を回転調整し、駆動機構52を用いて青色半導体レーザ2のθ2方向を回転調整する。このように2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2について回転調整を行って第1の調整ステップが完了する。図5(c)は第1の調整ステップ完了後のレーザ光の状態を示したものであり、レーザ光60および61の強度分布がレーザ光の中心に対して均等になっている状態である。
【0070】
以上のように第1の調整ステップでは、2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2のそれぞれのレーザ光の強度分布を、レーザ光の中心に対して均等になるよう調整される。このように調整されることでレーザ光の光軸と強度分布を一致させている。このため信号検出用受光部におけるレーザ光の光軸ズレを正確に検出することができ正確なサーボ制御を行うことが可能となる。
【0071】
続いて第2の調整ステップについて図6(a)〜(c)を参照して説明する。図6(a)〜(c)は第2の調整ステップでの2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザの位置調整(フォーカス調整)を説明するための説明図である。図6(a)は第1の調整ステップが完了し、2波長半導体レーザ1と青色半導体レーザ2の強度分布が調整されている状態で、モニタ59は撮像素子58で検出した2波長半導体レーザ1の集光スポット60と青色半導体レーザ2の集光スポット61を表示している。2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2とコリメートレンズ53の焦点位置とがずれて、撮像素子58で検知する集光スポット60および61はデフォーカスしスポット径が広がった状態となっている。
【0072】
まず、青色半導体レーザ2の集光スポット61の径が最少となるよう、駆動機構54を用いてコリメートレンズ54をZ方向(2波長半導体レーザ1の光軸方向であり、青色半導体レーザ2の光軸方向に対して垂直(左右)方向)に動作させ、青色半導体レーザ2とコリメートレンズ53の焦点位置を調整する(図6(b))。
【0073】
続いて、2波長半導体レーザ1の集光スポット60の径が最少となるよう、駆動機構51を用いて2波長半導体レーザ1をZ方向に動作させ、2波長半導体レーザ1とコリメートレンズ53の焦点位置を調整する(図6(c))。このように2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2とコリメートレンズ53の焦点位置の調整を行って、第2の調整ステップが完了する。
【0074】
続いて第3の調整ステップについて図7(a)〜(b)を参照して説明する。図7(a)〜(b)は第3の調整ステップを説明するための説明図である。図7(a)は、第2の調整ステップが完了し、2波長半導体レーザ1と青色半導体レーザ2の焦点が一致している状態を示している。
【0075】
まず、2波長半導体レーザ1の集光スポット60および青色半導体レーザ2の集光スポット61の撮像素子におけるX、Y座標を取得する。そして、集光スポット60の座標と集光スポット61の座標とのX、Y方向の差分を演算する。図7(b)に示されるように、Y方向の差分については、該差分をキャンセルする方向に、駆動機構51により2波長半導体レーザ1をY方向に位置調整する。同様にX方向の差分については、該差分をキャンセルする方向に、駆動機構52により、青色半導体レーザ2をZ方向に位置調整する。このように、2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2について、互いの発光点の調整を行って、第3の調整ステップが完了する。
【0076】
以上のように、本実施のレーザユニット調整方法によれば、2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザを、各レーザ出射光軸に対して垂直な2方向とレーザ出射方向との3方向に、それぞれ異なる方向に調整することで、前記第1および第2の半導体レーザの発光点と前記光学素子の合波点までの光路長が同一で、且つ、前記第1および第2の半導体レーザの出射光が同一の光軸としている。
【0077】
このためそれぞれの半導体レーザのXYZ3方向を調整する必要が無く、調整軸を削減することができ、それゆえ調整時間の短縮が可能となる。
【0078】
さらに、それぞれの半導体レーザに基準部を、レーザユニット筐体には基準部に対向する位置に位置決め部を設け、基準部と位置決め面を当接させた状態で調整を行っている。それゆえ、調整の簡略化が可能となり、調整時間の短縮が可能となる。
【0079】
以上のように調整された半導体レーザとレーザユニット筐体との接着固定について図8を参照して説明する。
【0080】
図8(a)〜(d)は接着剤10の塗布を説明するための説明図である。図8(a)は本レーザユニットを示す上面図、図8(b)〜(d)は図8(a)中A−Aの部分断面図である。
【0081】
図8(b)において、2波長半導体レーザ1に形成された固定部1bとレーザユニット筐体4に形成された固定面4cとは対向した状態であり、固定面4cの上部には案内穴4eが形成されている。接着剤10はシリンジ71内に充填されており、シリンジ71の先端にはニードル72が取り付けられている。この状態から案内穴4eにニードル72を挿入するようにシリンジ71を下降させ接着剤10を塗布する(図8(c))。規定量の接着剤10を塗布した後にシリンジ71を退避させる(図8(d))。接着剤10が紫外線硬化型の場合は紫外線を照射し、熱硬化型の場合は加熱して接着剤10を硬化させる。青色半導体レーザ2とレーザユニット筐体4との固定についても、上述の方法と同様に接着固定を行う。
【0082】
以上のように、半導体レーザとレーザユニット筐体4とを固定する接着剤10は、固定部と固定面の間に、案内穴4eに挿入されたニードル72から塗布される。このように接着剤10を塗布することで、接着剤10が外部へ溢れ出すのを防ぎ、正確な位置に規定量の接着剤10を塗布することができる。それゆえ、接着剤固定前後における半導体レーザの位置ズレを抑制することが可能となる。
【0083】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の半導体レーザの発光点位置を高精度に調整固定し、さらに接着後の位置安定性に優れたレーザユニットを効率良く製造することが可能となる。
【0084】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることは言うまでもない。
【0085】
例えば、本実施の形態では、2波長半導体レーザ1の基準部1aをX方向として、Y方向、Z方向の2方向を調整軸とし、青色半導体レーザ2の基準部2aをX方向として、Z
方向の1方向を調整軸として、互いの相対位置を調整する構成としているが、Y方向の調整については青色半導体レーザ2で調整することも可能であり、適宜選択が可能である。
【0086】
また、図9(a)(b)のように、2波長半導体レーザ1の基準部1aをY方向として、X方向、Z方向の2方向を調整軸とし、青色半導体レーザ2の基準部2aをZ方向として、Y方向の1方向を調整軸にした場合においても、XYZ3方向の調整を行うことができる。
【0087】
なお、2波長半導体レーザ1の基準部1aをY方向として、X方向の1方向を調整軸とし、青色半導体レーザ2の基準部2aをX方向として、Y方向とZ方向の2方向を調整軸として、互いの相対位置を調整する構成することも可能である。
【0088】
以上のことから、基準については2波長半導体レーザ1および青色半導体レーザ2の何れか一方に調整基準を設ける構成であれば相対位置を調整することが可能となり、適宜選択が可能である。
【0089】
また基準面は、1つの半導体レーザに1面とは限らず、基準面が2面ある構成であってもよい。
【0090】
なお、本実施の形態ではレーザユニットの調整ステップを第1、第2、第3の順番に行っているが、この順番に限定されることなく、例えば、第1、第3、第2等の順番で行うことでも複数の半導体レーザの発光点を一致させることが可能である。
【0091】
また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明のレーザユニット調整方法、及びレーザユニットは、多波長光ピックアップの生産性改善に有用である
【符号の説明】
【0093】
1 2波長半導体レーザ(第1の半導体レーザ)
1a 基準部(第1の基準部)
1b 固定部(第1の固定部)
2 青色半導体レーザ(第2の半導体レーザ)
2a 基準部(第2の基準部)
2b 固定部(第2の固定部)
3 ダイクロイックビームスプリッタ
4 レーザユニット筐体
4a 位置決め面(第1の位置決め面)
4b 位置決め面(第2の位置決め面)
4c 固定面(第1の固定面)
4d 固定面(第2の固定面)
4e 案内穴
7,8,9 レーザ光
10 接着剤
11 偏光ビームスプリッタ
12,53 コリメートレンズ
13 広帯域1/4波長板
14 2波長立上げミラー
15 青立上げミラー
16 2波長対物レンズ
17 青対物レンズ
18 ホログラム素子
19 センサレンズ
20 受光素子
21 コリメートレンズ駆動ユニット
22 メインハウジング
25 レーザユニット
50 部品セット部
51,52,54 駆動機構
55 ハーフミラー
56 集光レンズ
57,58 撮像素子
59 モニタ
60,61 集光スポット
71 シリンジ
72 ニードル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出射光の光軸が異なるように配置された第1および第2の半導体レーザと、
前記第1および第2の半導体レーザの出射光を合波して外部へ出射する光学素子と、
前記第1および第2の半導体レーザと前記光学素子とを収容する筐体とを備え、
前記第1および第2の半導体レーザの発光点と前記光学素子の合波点までの光路長が同一で、且つ、前記第1および第2の半導体レーザの出射光が同一の光軸となるように構成されたレーザユニットの前記第1および第2の半導体レーザの3次元位置を調整するレーザユニット調整方法であって、
前記第1の半導体レーザは、レーザ出射光軸に対して垂直な2方向とレーザの出射方向との3方向のうち、1または2方向に位置調整を行い、
前記第2の半導体レーザは、レーザ出射光軸に対して垂直な2方向とレーザの出射方向との3方向のうち、前記第1の半導体レーザとは異なる1または2方向に位置調整を行うことを特徴とするレーザユニット調整方法。
【請求項2】
前記第1および第2の半導体レーザと、前記筐体とを当接した状態で位置調整を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーザユニット調整方法。
【請求項3】
前記第1および第2の半導体レーザと、前記筐体とを当接した状態で1方向に回転調整可能に保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザユニット調整方法。
【請求項4】
前記第1および第2の半導体レーザの回転調整を行う第1ステップと、
前記第1および第2の半導体レーザの焦点位置を調整する第2ステップと、
前記第1および第2の半導体レーザの光軸位置を調整する第3ステップと、
からなり、第1および第2の半導体レーザの発光点位置を調整することを特徴とする請求項1乃至3に記載のレーザユニット調整方法。
【請求項5】
出射光の光軸が異なるように配置された第1および第2の半導体レーザと、
前記第1および第2の半導体レーザの出射光が同一の光軸となるように外部へ出射する光学素子と、
前記第1および第2の半導体レーザと前記光学素子とを収容する筐体とを備え、
前記第1の半導体レーザには、レーザ出射光軸に対して垂直な2方向とレーザの出射方向との3方向のうち、1又は2方向に第1の半導体レーザを移動可能にする第1の基準部が形成され、
前記第2の半導体レーザには、レーザ出射光軸に対して垂直な2方向とレーザの出射方向との3方向のうち、前記第1の半導体レーザと異なる方向に第2の半導体レーザを移動可能にする第2の基準部が形成され、
前記筐体には、前記第1および第2の基準部に対向する位置に第1および第2の位置決め面が形成され、
前記第1および第2の半導体レーザは、前記第1および第2の基準部と前記第1および第2の位置決め面を当接させた状態で固定されていることを特徴とするレーザユニット。
【請求項6】
第1の基準部と第2の基準部は、第1の半導体レーザと第2の半導体レーザを当接し、位置調整を行うことを可能とする請求項5に記載のレーザユニット。
【請求項7】
前記第1の基準部は前記第1の半導体レーザの出射光軸に対して垂直な面に設けられ、前記第2の基準部は前記第2の半導体レーザの出射光軸に対して平行な面に設けられることを特徴とする請求項5に記載のレーザユニット。
【請求項8】
前記第1および第2の半導体レーザには、第1および第2の半導体レーザのそれぞれのレーザ出射光軸に対して垂直な面に第1および第2の固定部が形成され、
前記筐体には、前記第1および第2の固定部に対向する位置に第1および第2の固定面が形成され、
前記第1および第2の固定部と前記第1および第2の固定面の少なくとも何れか一方の上面には案内穴が形成され、
前記第1および第2の半導体レーザと前記筐体とは、前記案内穴から塗布される接着剤にて、前記第1および第2の固定部と前記第1および第2の固定面とを固定されることを特徴とする請求項5に記載のレーザユニット。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれかに記載のレーザユニットが搭載されたことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項10】
請求項9に記載の光ピックアップ装置が搭載されたことを特徴とする光情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−59336(P2012−59336A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204302(P2010−204302)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】