説明

レーザレーダの姿勢認識方法及びレーザレーダ

【課題】踏切において地上座標系での監視領域を設定するに際し、施工時間の大幅な短縮を実現でき、施工作業員の熟練度に問わず高い精度で監視領域を設定することが可能であり、日中においても監視領域の設定作業を行う事ができるレーザレーダの姿勢認識方法及びレーザレーダを提供する。
【解決手段】レーザ光LTを発する投光部2と、レーザ光LTを走査する走査部3と、計測対象Tで反射して戻った反射レーザ光LRを受ける受光部4と、レーザ光LTの投光タイミング及び走査部3による走査を制御する制御部5と、レーザ光LTの投光タイミング及び反射レーザ光LRの受光タイミングから計測対象の三次元情報を得る演算部6と、監視領域Eの四隅に配置されるレーザ光反射体7を備え、演算部6では、四箇所に設定したレーザ光反射体7の各位置を測定して得た極座標系位置データから、地上座標系による距離測定原点位置及び設置姿勢を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、踏切内や交差点内における人の存否を監視するレーザレーダの自己の距離測定原点位置及び設置姿勢を求めるのに利用されるレーザレーダの姿勢認識方法及びレーザレーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記したレーザレーダとしては、例えば、レーザ光を発する投光部と、この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、計測対象で反射して戻ったレーザ光を受ける受光部と、投光部にレーザ光の投光指令を発すると共に走査部による走査を制御する制御部備えたものがあり、このレーザレーダでは、制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて計測対象の極座標系三次元データを取得するようになっている。
【0003】
このような極座標系のデータを計測するレーザレーダにおいて、例えば、踏切に設置する場合、地上座標系での計測領域である監視領域(面領域及び高さ領域)を設定するためには、地上座標系に対するレーザレーダの距離測定原点位置及び姿勢を求めて、これらの距離測定原点位置及び姿勢に基づいて、極座標系三次元データの座標変換処理を行う必要がある。
【0004】
具体的には、まず、監視領域の面領域をX−Y平面とし且つこのX−Y平面の法線方向をZ軸とする地上座標系において、原点と定義した監視領域の中央やレーザレーダの鉛直下などのポイントに対するレーザレーダの距離測定原点位置を設計図又は計量器による実測値から求め、次いで、姿勢のうちのピッチング量及びローリング量については、レーザレーダを設置した際の傾きを角度計によって測定し、姿勢のうちのヨーイング量については、設計図又は計量器による実測値から求める。
【0005】
そして、上記のようにして求めたレーザレーダの距離測定原点位置及び姿勢に基づいて、レーザレーダの計測データである極座標系三次元データを地上座標系に座標変換し、この地上座標系における監視領域の位置を測量による実測値から設定するようにしている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-194617号
【特許文献2】特許第3472815号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来において、設計図に基づいてレーザレーダを設置する場合には、施工時に設置計画位置に構造物や埋設物のあることが判明して、計画変更を余儀なくされることがあり、一方、測量による実測値に基づいてレーザレーダを設置する場合には、レーザレーダの設置位置測定,姿勢測定及び監視領域位置測定の各測定誤差が蓄積してしまい、最終的には、計測結果を見ながらの現場合わせが必要となって、その分だけ、施工時間が長くなると共に、現場合わせをする作業員の熟練度によって設定精度が変化してしまうという問題があった。
【0008】
また、レーザレーダの設置位置や設置姿勢を実測する場合には、地上座標系において原点であると定義した点から、レーザレーダの距離測定原点位置までの距離を巻尺や非接触距離計で計測する必要があるため、歩行者や車両が通過する日中の作業が困難であるという問題を有しており、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上述した従来の課題に着目してなされたもので、例えば、踏切において地上座標系での監視領域を設定するに際して、施工時間の大幅な短縮を実現できると共に、施工作業員の熟練度に問わず高い精度で監視領域を設定することが可能であり、加えて、歩行者や車両が通過する日中においても、監視領域の設定作業を行うことができるレーザレーダの姿勢認識方法及びレーザレーダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る発明は、投光したレーザ光を二次元的に走査し、このレーザ光の投光タイミング及び計測対象で反射して戻った反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の三次元情報を取得するレーザレーダの姿勢認識方法であって、任意部位に設置した前記レーザレーダの走査範囲内における少なくとも三箇所をレーザ光反射点として設定した後、前記レーザレーダからレーザ光を投光させつつ走査させて、前記レーザ光反射点で反射して戻った反射レーザ光に基づいて、該レーザレーダの極座標系により前記レーザ光反射点の各位置を測定し、続いて、前記レーザ光反射点の各極座標系位置データを前記レーザレーダの直交座標系に座標変換すると共に、これで得た前記レーザ光反射点の各直交座標系位置データに基づいて、最小二乗法により前記少なくとも三箇所のレーザ光反射点を含む平面の平面データを算出し、次いで、この平面データから原点位置を地上座標系により定義して、この原点位置に対する前記レーザレーダの距離測定原点位置を求めると共に、互いに直交する3軸に対する回転角を設置姿勢として求める構成としたことを特徴としており、このレーザレーダの姿勢認識方法の構成を前述の従来の課題を解決するための手段としている。
【0010】
また、本発明の請求項2に係るレーザレーダの姿勢認識方法において、任意部位に設置した前記レーザレーダの走査範囲内における少なくとも三箇所に配置したレーザ光反射体をレーザ光反射点とする構成としている。
一方、本発明の請求項3に係るレーザレーダは、レーザ光を発する投光部と、この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、計測対象で反射して戻った反射レーザ光を前記走査部を介して受ける受光部と、前記投光部にレーザ光の投光指令を発すると共に前記走査部による走査を制御する制御部と、この制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の三次元情報を取得する演算部を備え、前記演算部では、走査範囲内における少なくとも三箇所に設定したレーザ光反射点の各位置を測定して得た極座標系位置データから、地上座標系による距離測定原点位置及び設置姿勢を求める構成としたことを特徴としており、このレーザレーダの構成を前述の従来の課題を解決するための手段としている。
【0011】
また、本発明の請求項4に係るレーザレーダは、走査範囲内における少なくとも三箇所に設定したレーザ光反射点に配置するレーザ光反射体を備えている構成としている。
本発明のレーザレーダの姿勢認識方法及びレーザレーダにおいて、投光部から発するレーザ光としては、半導体レーザや固体レーザやガスレーザなどを用いることができ、信号波形がパルス状や位相変調した正弦波状を成すレーザ光が使用される。
【0012】
本発明のレーザレーダの姿勢認識方法及びレーザレーダでは、レーザレーダの計測データからレーザレーダ自身の設置位置及び姿勢が得られることから、このレーザレーダの距離測定原点位置及び設置姿勢に基づいて、レーザ光反射点の各極座標系位置データを座標変換すれば、地上座標系におけるレーザレーダの計測領域の設定がなされることとなる。
つまり、例えば、踏切において地上座標系での計測領域(監視領域)を設定するに際して、施工時に計画の変更があったとしても、柔軟に対応し得ることとなり、測量計器を用いた実測が不要となる分だけ、作業時間の短縮が図られると共に、施工作業員の熟練度に関係なく高い精度で監視領域を設定し得ることとなり、日中も設定作業を行い得ることとなる。
【0013】
また、レーザレーダの走査範囲内における少なくとも三箇所に設定するレーザ光反射点を、例えば、踏切の監視領域として定義することで、レーザレーダ自身の設置位置及び姿勢を算出するのと同時に地上座標系における監視領域の設定がなされることとなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に係るレーザレーダの姿勢認識方法及び請求項3に係るレーザレーダでは、上記した構成としたから、例えば、踏切において地上座標系での監視領域を設定するに際して、施工時間の大幅な短縮を実現できると共に、施工作業員の熟練度の多寡にかかわらず高い精度で監視領域を設定することが可能であり、加えて、歩行者や車両が通過する日中においても、監視領域の設定作業を行うことができるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0015】
また、本発明の請求項2に係るレーザレーダの姿勢認識方法及び請求項4に係るレーザレーダでは、上記した構成としているので、例えば、踏切において地上座標系での監視領域を設定するに際して、施工作業の容易化及び施工時間のより一層の短縮を実現できるという非常に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るレーザレーダの姿勢認識方法の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1におけるレーザレーダの演算部において使用するレーザレーダの設置位置を原点とした極座標系及び直交座標系の説明図である。
【図3】図1におけるレーザレーダの演算部において使用する監視領域の中央を原点とした直交座標系の説明図である。
【図4】図1におけるレーザレーダの姿勢認識方法を用いて踏切に監視領域を設定する要領を示す平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るレーザレーダの姿勢認識方法及びレーザレーダを図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明に係るレーザレーダの姿勢認識方法の一実施形態を示しており、この実施形態では、本発明に係るレーザレーダの姿勢認識方法を踏切に監視用として設置するレーザレーダに適用した場合を例に挙げて説明する。
【0018】
図1に示すように、このレーザレーダ1は、パルス状のレーザ光LTを発する投光部2と、この投光部2から発したレーザ光LTを二次元的に走査する走査部3と、この走査部3による走査範囲内の計測対象Tで反射して戻った反射レーザ光LRを走査部3を介して受ける受光部4と、投光部2から発するレーザ光LTの強度及び投光タイミングを制御すると共に走査部3による走査を制御する制御部5と、この制御部5から与えられるレーザ光LTの投光タイミング及び受光部4から与えられる反射レーザ光LRの受光タイミングに基づいて計測対象Tの三次元情報を取得する演算部6と、矩形状を成す監視領域Eの四隅に配置されるレーザ光反射体(レーザ光反射点)7を備えている。
【0019】
この演算部6では、図2に示すように、レーザレーダ1の設置位置である距離測定原点を座標原点とした極座標系(計測座標系;計測距離λ、垂直方向走査角度φ、水平方向走査角度θ)と、レーザレーダ1の距離測定原点を座標原点とした直交座標系(センサ座標系;水平方向x、垂直方向y、奥行き方向z)と、図3に示すように、四箇所のレーザ光反射体7で設定された監視領域Eの対角線交点Pを原点とした地上座標系(踏切座標系;線路方向X、横断方向Y、高さ方向Z)を使用するものとなっている。
【0020】
この場合、計測座標系からセンサ座標系への座標変換は、以下の式(1)〜(3)により行うことができる。
x=λ・sinθ 式(1)
y=λ・cosθ・sinφ 式(2)
z=λ・cosθ・cosφ 式(3)
また、センサ座標系から踏切座標系への座標変換は、踏切座標系におけるレーザレーダ1の距離測定原点の座標位置(Xs,Ys,Zs)及び3軸の傾き角度(スイング傾き角α,スキャン傾き角σ,座標傾き角γ)をパラメータとして、以下の式(4)〜(7)により行うことができる。
【0021】
但し、スイング傾き角αは、センサ座標系z軸と踏切座標系Z軸との傾き角度であり、センサ座標系x軸の回転角度として定義され、スキャン傾き角σは、センサ座標系x軸と踏切座標系X軸との傾き角度であり、センサ座標系y軸の回転角度として定義され、座標傾き角γは、センサ座標系y軸と踏切座標系Y軸との傾き角度であり、センサ座標系z軸の回転角度として定義される。
【0022】
【数1】

式(4)
ここで、
【0023】
【数2】

:座標傾き角γによる回転行列 式(5)
【0024】
【数3】

:スキャン傾き角σによる回転行列 式(6)
【0025】
【数4】

:スイング傾き角αによる回転行列 式(7)
【0026】
そこで、このレーザレーダ1を踏切に設置する際の姿勢認識要領及び踏切座標系での監視領域の設定要領を説明する。
まず、図4に示すように、踏切内における監視領域Eとして設定するエリアの四隅に、レーザ光反射体7を設置する。この際、レーザ光反射体7の大きさや形状や材質はとくに限定されるものではなく、投光部2から発せられて走査されるレーザ光LTを漏れなく反射し得るものであればよい。また、監視領域Eとして設定するエリアの四隅に、既設物でレーザ光LTを反射し得るものがあれば、それをレーザ光反射点として採用してもよい。
【0027】
次いで、投光部2からレーザ光LTを投光させつつ走査部3により走査させて、四箇所のレーザ光反射体7で反射して戻った反射レーザ光LRに基づいて、演算部6の計測座標系によりレーザ光反射体71,72,73,74(7)の各位置座標(λ,θ,φ),(λ,θ,φ),(λ,θ,φ),(λ,θ,φ)を測定し、続いて、これらの各極座標系位置データを演算部6のセンサ座標系の各位置座標(x,y,z),(x,y,z),(x,y,z),(x,y,z)に座標変換すると共に、これで得た四箇所のレーザ光反射体7の各センサ座標系位置データから、最小二乗法により、(式8)に示す四箇所のレーザ光反射体7を含む監視領域Eの平面の方程式(平面データ)を算出する。
ax+by+cz+d=0 (式8)
【0028】
次に、この平面の方程式に基づいて、(式9)〜(式11)により計算して、レーザレーダ1の高さ方向の設置位置Zs,スイング傾き角α及びスキャン傾き角σを得る。
Zs=|d|/{(a+b+c)}1/2+Z(但し、Z=反射板高さ)(式9)
α=arctan(−b/c) (式10)
σ=arctan{a/(b・sinα−c・cosα)} (式11)
【0029】
そして、このようにして得たレーザレーダ1の設置位置のうちの高さ方向の設置位置Zs及び姿勢のうちのスイング傾き角α,スキャン傾き角σを用いて、(式12)により監視領域Eを仮の踏切座標系(X’,Y’,Z)に変換する。なお、仮の踏切座標系とは、レーザレーダ1の設置位置(Xs,Ys)=(0,0)、座標傾き角γ=0とした踏切座標系を指す。
【0030】
【数5】

(式12)
【0031】
続いて、監視領域Eの対角線交点Pの座標(X’center,Y’center)を原点として定義し、(式13)及び(式14)により仮のレーザレーダ1の設置位置(X’s,Y’s)を計算する。
X’s=−X’center (式13)
Y’s=−Y’center (式14)
【0032】
さらに、ここまでに得られたパラメータに基づいて、計測された監視領域Eの表面画像において、踏切の横断方向を図示しないマンマシンインターフェイスを介して直線によって入力し、これで入力された直線の端点座標(X’a,Y’a),(X’b,Y’b)から、(式15)により計算して、レーザレーダ1の姿勢のうちの座標傾き角γを得る。
γ=−arctan((X’b−X’a)/(Y’b−Y’a)) (式15)
【0033】
さらにまた、これで得た座標傾き角γをもとにして、仮の踏切座標系におけるレーザレーダ1の設置位置(X’s,Y’s)から、(式16)及び(式17)により計算して、踏切座標系におけるレーザレーダ1の設置位置である距離測定原点位置(Xs,Ys)を得る。
Xs=X’s・cosγ−Y’s・sinγ (式16)
Ys=X’s・sinγ+Y’s・cosγ (式17)
【0034】
つまり、(式8)に示す平面データから、監視領域Eの対角線交点Pの座標(X’center,Y’center)を踏切座標系により原点として定義して、この原点位置に対するレーザレーダ1の設置位置である距離測定原点位置(Xs,Ys,Zs)を求めると共に、互いに直交する3軸に対する回転角(スイング傾き角α,スキャン傾き角σ,座標傾き角γ)を設置姿勢として求める。
【0035】
この後、上述したようにして演算部6の計測座標系により測定した監視領域Eの四隅の各位置、すなわち、レーザ光反射体7の各位置を(λ,θ,φ),(λ,θ,φ),(λ,θ,φ),(λ,θ,φ)、上記したレーザレーダ1の設置位置である距離測定原点位置(Xs,Ys,Zs)及び設置姿勢(スイング傾き角α,スキャン傾き角σ,座標傾き角γ)に基づいて座標変換して、踏切座標系における監視領域Eを設定する。
【0036】
このように、上記した実施形態によるレーザレーダの姿勢認識方法では、レーザレーダ1の計測データからレーザレーダ1自身の設置位置及び姿勢が得られることから、踏切において踏切座標系での監視領域Eを設定するに際して、施工時に計画の変更があったとしても、柔軟に対応し得ることとなる。
また、測量計器を用いた実測が不要となるので、その分だけ、作業時間の短縮が図られると共に、施工作業員の熟練度に関係なく高い精度で監視領域Eを設定し得ることとなり、加えて、踏切座標系において原点であると定義した点から、レーザレーダ1の設置位置である距離測定原点位置までの距離を巻尺や非接触距離計で計測する必要がないので、歩行者や車両が通過する時間帯においても、監視領域Eの設定作業を行い得ることとなる。
【0037】
さらに、この実施形態によるレーザレーダの姿勢認識方法のように、レーザレーダ1の走査範囲内における四箇所に配置したレーザ光反射体7を踏切の監視領域Eとして定義すれば、レーザレーダ1自身の設置位置及び姿勢を算出するのと同時に踏切座標系における監視領域Eの設定がなされることとなる。
なお、上記した実施形態では、本発明に係るレーザレーダの姿勢認識方法を踏切に監視用として設置するレーザレーダに適用した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、他の適用例として、例えば、交差点に監視用として設置するレーザレーダに適用してもよい。
【0038】
また、上記した実施形態では、レーザレーダ1の走査範囲内における四箇所にレーザ光反射点であるレーザ光反射体7を配置した構成としているが、これに限定されるものではなく、レーザ光反射点であるレーザ光反射体7(あるいはレーザ光反射点)は、レーザレーダ1の走査範囲内における少なくとも3箇所に配置すれば(あるいは設定すれば)事足りる。
【符号の説明】
【0039】
1 レーザレーダ
2 投光部
3 走査部
4 受光部
5 制御部
6 演算部
71,72,73,74(7) レーザ光反射体(レーザ光反射点)
E 監視領域(計測領域)
LR 反射レーザ光
LT 投光レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光したレーザ光を二次元的に走査し、このレーザ光の投光タイミング及び計測対象で反射して戻った反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の三次元情報を取得するレーザレーダの姿勢認識方法であって、
任意部位に設置した前記レーザレーダの走査範囲内における少なくとも三箇所をレーザ光反射点として設定した後、
前記レーザレーダからレーザ光を投光させつつ走査させて、前記レーザ光反射点で反射して戻った反射レーザ光に基づいて、該レーザレーダの極座標系により前記レーザ光反射点の各位置を測定し、
続いて、前記レーザ光反射点の各極座標系位置データを前記レーザレーダの直交座標系に座標変換すると共に、これで得た前記レーザ光反射点の各直交座標系位置データに基づいて、最小二乗法により前記少なくとも三箇所のレーザ光反射点を含む平面の平面データを算出し、
次いで、この平面データから原点位置を地上座標系により定義して、この原点位置に対する前記レーザレーダの距離測定原点位置を求めると共に、互いに直交する3軸に対する回転角を設置姿勢として求める
ことを特徴とするレーザレーダの姿勢認識方法。
【請求項2】
任意部位に設置した前記レーザレーダの走査範囲内における少なくとも三箇所に配置したレーザ光反射体をレーザ光反射点とする請求項1に記載のレーザレーダの姿勢認識方法。
【請求項3】
レーザ光を発する投光部と、
この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、
計測対象で反射して戻った反射レーザ光を前記走査部を介して受ける受光部と、
前記投光部にレーザ光の投光指令を発すると共に前記走査部による走査を制御する制御部と、
この制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の三次元情報を取得する演算部を備え、
前記演算部では、走査範囲内における少なくとも三箇所に設定したレーザ光反射点の各位置を測定して得た極座標系位置データから、地上座標系による距離測定原点位置及び設置姿勢を求める
ことを特徴とするレーザレーダ。
【請求項4】
走査範囲内における少なくとも三箇所に設定したレーザ光反射点に配置するレーザ光反射体を備えている請求項3に記載のレーザレーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−44050(P2010−44050A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96032(P2009−96032)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】