説明

レーザー加工段取治具

【課題】被覆除去部と非除去部の間で、極細線材の円周全体に渡り軸心に直交な境界面が安定して得られるレーザー加工段取治具を提供する。
【解決手段】絶縁被覆部を有する短寸の極細線材Tが落し込まれるV字溝10aを複数本平行に設けた整列受け部材10を備えており、さらに、整列受け部材10の先端に取着され、上記極細線材Tの先端を挿通させてレーザー加工によって被覆除去すべき先端部Taを突出させる左右水平方向に細長状のスリット21を貫設したマスキング部材20を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー加工段取治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、線材の絶縁被覆部を除去する場合に、特許文献1記載のようなレーザー加工機を用いて、レーザー光を上下方向から照射させて加工していた。また、除去すべきでない部分にレーザー光が照射されないように、2枚のマスキング部材で線材を上下方向から挟んで加工をおこなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−211908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、プローブピン等に用いられるような極細線材では、2枚のマスキング部材を軸心の上下方向及び軸心の前後方向で位置合わせすることは困難であった。つまり、2枚のマスキング部材の位置調整に多大な時間と労力を費やしても、円周全体に渡って極細線材の軸心に直交な境界面を安定して形成することができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、次工程のレーザー加工に於て、被覆除去部と非除去部の間で、極細線材の円周全体に渡り軸心に直交な境界面が、容易かつ安定して得られるように段取りできるレーザー加工段取治具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のレーザー加工段取治具は、絶縁被覆部を有する短寸の極細線材が落し込まれるV字溝を複数本平行に設けた整列受け部材と、該整列受け部材の先端に取着され、複数本の上記極細線材の先端を挿通させてレーザー加工によって被覆除去すべき先端部を突出させる左右水平方向に細長状のスリットを貫設したマスキング部材と、を有する線材整列治具を備えている。
【0007】
また、上記線材整列治具は、上記整列受け部材の先端寄りで上記V字溝を左右水平方向に中断し下方から上記極細線材を支持する受け部材と、上方から上記極細線材を押圧すると共に上記受け部材と共働きして上記極細線材を挟持する押圧弾性部材を有する押圧部材と、を備えている。
【0008】
また、上記線材整列治具が着脱自在に固定されるベース部材と、該ベース部材上に設けられると共に上記スリットから突出した複数本の上記極細線材の上記先端部の突出長さ寸法を所定突出長さ寸法に揃える調整手段と、を備えたものである。
【0009】
また、上記調整手段は、上記スリットから突出した複数本の上記極細線材の上記先端部に当接する先端揃え部材と、該先端揃え部材を微量送りするマイクロメータと、を備えている。
また、上記ベース部材は、上記線材整列治具を着脱自在に固定する押さえ部材を備え、該押さえ部材は押圧弾発付勢部材を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明のレーザー加工段取治具によれば、次工程のレーザー加工を、能率的かつ高品質・高精度に行なうことが可能となり、絶縁被覆部の被覆除去部と非除去部との境界面がダレた形状となるのを防止して、円周全体に渡って段差のない直交境界面を形成できる。例えば、極細のプローブピン等を能率良く、かつ、高精度に大量生産する上で、大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の一形態を示す平面図である。
【図2】図1のZ−Z矢視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】マスキング部材の一例を示す図であり、(a)は背面図であり、(b)は(a)のF−F断面図である。
【図6】要部を示す図であり、(a)は図1のB−B断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図7】作用説明図である。
【図8】作用説明用要部拡大断面図である
【図9】図8のG−G矢視である。
【図10】作用説明用要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1は本発明のレーザー加工段取治具の実施の一形態を示す平面図である。図2はそのZ−Z矢視図であり、図3は図1のA−A断面図である。図4は図3の要部拡大図である。
【0013】
本発明のレーザー加工段取治具は、上下方向からレーザー光を照射するレーザー加工機を使用する被覆除去加工工程に用いるものである。
水平板状のベース部材5上に着脱自在に配設される板状の小ベース部材19と、小ベース部材19に取着されると共に短寸の極細線材Tが落し込まれるV字溝10aを複数本平行に設けた整列受け部材10と、整列受け部材10の先端に取着されると共に極細線材Tの先端が挿通するマスキング部材20と、を有する線材整列治具1を備えている。
【0014】
線材整列治具1は、整列受け部材10の先端寄りでV字溝10aを左右水平方向に中断し下方から極細線材Tを支持する受け部材12と、上方から極細線材Tを押圧する押圧弾性部材13aを有する押圧部材13を備えている。また、整列受け部材10はV字溝10aを20本設けている。なお、図2及び図3では、極細線材Tを図示省略している。また、V字溝10aに落し込まれた極細線材Tの軸心L0 方向を前後方向とする。
【0015】
図4及び図5に於て、マスキング部材20は、絶縁被覆部tを有する極細線材Tの先端を挿通させてレーザー加工によって被覆除去すべき先端部Taを複数本平行に並べて突出させる左右水平方向に細長状のスリット21を前後水平方向に貫設している。内部にスリット21と連通すると共に基端側に開口してV字溝10aと連通する収納空間28を有している。マスキング部材20には、複数本(例えば20本)平行に並んだ極細線材Tが挿通される。
【0016】
マスキング部材20は、スリット21を挿通した極細線材Tの軸心L0 に直交する先端面22を有している。先端面22から基端側に傾倒する勾配面23,23を有している。勾配面23は、先端面22から所定傾斜角度θ傾斜している。所定傾斜角度θは、15°以上45°以下に設定している。なお、30°に設定するのが好ましい。
また、左右両側に前後方向に貫通する取付孔27を有している。図示省略のボルト部材が挿通され、整列受け部材10に前後方向から取着するためである。
【0017】
マスキング部材20は、上方からのレーザー光から除去すべきでない絶縁被覆部tを保護する第1保護部20aと、下方からのレーザー光から除去すべきでない絶縁被覆部tを保護する第2保護部20bと、を前後方向に一致させて一体状に形成したものであると言える。 また、第1保護部20a及び第2保護部20bの先端の前後位置を同一面状に一致させ先端面22を形成し、第1保護部20aと第2保護部20bを所定の上下隔間で一体状に設けてスリット21及び収納空間28を形成したものと言える。
【0018】
極細線材Tの芯材eは、タングステン等の金属製である。例えば、半導体回路等の検査のためのプローブピン(導電針)に用いられるものである。なお、本発明に於て短寸とは20mm〜100mmの長さ寸法を言う。また、芯材eは、芯材外径寸法Deが0. 05mm〜0. 5mmの寸法である。また、絶縁被覆部tの厚みは、0. 002mm〜0. 01mmである。
なお、上述の寸法のように極細線材Tは極めて細いので、説明を容易にするため図面では拡大して示している。実際には、芯材外径寸法Deが0. 07mmである場合スリット21の上下間隔寸法Hは0. 5mmである。
【0019】
図4及び図6と図7に於て、線材整列治具1は、V字溝10aを左右方向に横断する整列受け部材10の凹溝10bに受け部材12を取着している。極細線材Tを、下方から支持する水平面状の支持面12aを有している。受け部材12の支持面12aの上方に、受け部材12と共働きして極細線材Tを挟持するゴム製の押圧弾性部材13aを有する押圧部材13を設けている。
押圧部材13は、両側の貫孔13b,13bに挿通されるノブ付の取着ボルト部材14,14が、受け部材12の両側に設けたネジ孔12b,12bに螺着されることで、押圧弾性部材13aが支持面12aに密着するように設けている。
【0020】
図1と図2に於て、ベース部材5は、スリット21から突出した複数本の極細線材Tの先端部Taの突出長さ寸法を所定長さ寸法Sに揃える調整手段30を備えている。
調整手段30は、ベース部材5上に設けられ、極細線材Tの先端が当接する軸心L0 直交面状の当接面31aを有する先端揃え部材31と、先端揃え部材31を前後往復移動可能にベース部材5に取着するリニアガイド等のスライド部材32と、先端揃え部材31を前後方向に微量送りする送り軸33aを有するマイクロメータ33と、先端揃え部材31を送り軸33aに接近させる方向に常時弾発付勢する引張コイルバネ等の引張弾発付勢部材34と、先端揃え部材31に螺着されると共に送り軸33aが当接する当り調整ボルト35と、から成る。
【0021】
先端揃え部材31は、当接面31aが、マスキング部材20の先端面22に対面状となるように配設している。マイクロメータ33は、送り量をデジタル表示する表示部33bを有している。引張弾発付勢部材34は、線材整列治具1から先端揃え部材31を離間する方向に弾発付勢すると共に、当り調整ボルト35に送り軸33aが常時接触するように弾発付勢している。送り軸33aの進退に伴って先端揃え部材31が進退するように弾発付勢している。当り調整ボルト35は、先端揃え部材31からの突出長さを調整することで、マイクロメータ33の送り軸の移動量(移動距離)を調整可能である。
【0022】
さらに、ベース部材5は、線材整列治具1の位置決め用のストッパ部材61と、ストッパ部材61の方向に線材整列治具1を押圧して着脱自在に固定する押さえ部材51と、を備えている。
【0023】
ストッパ部材61は、平面視コの字状の凹部61aを有している。小ベース部材19の位置決め用の凸部19aが挿入され、線材整列治具1の前後方向への移動を規制し、かつ、線材整列治具1の押さえ部材51による押圧方向への移動を規制するようにベース部材5上に設けている。
【0024】
押さえ部材51は、常時側方へ押圧する圧縮コイルバネ等の押圧弾発付勢部材52と、押圧弾発付勢部材52の押圧によって小ベース部材19に当接する当り部材53と、を有している。 当り部材53は、上方から線材整列治具1の小ベース部材19が当接すると、ストッパ部材61から離間する方向に自らを移動させる側方傾倒状のガイド勾配面53aを有している。
【0025】
上述した本発明のレーザー加工段取治具の使用方法(作用)について説明する。
線材整列治具1を上方からベース部材5の押さえ部材51に接近させる。ガイド勾配面53aによって、当り部材53が逃げてストッパ部材61との間が広がる。線材整列治具1は、小ベース部材19の凸部19aが凹部61aに嵌まり込むと共に、押さえ部材51にてストッパ部材61へ押圧され、ベース部材5の所定位置に固定される。
【0026】
図7(a)に示すように、線材整列治具1から押圧部材13を離間させ、V字溝10aにそれぞれ1本ずつ極細線材Tを落とし込む。複数本の極細線材Tは同一水平面内にて平行に整列される。このとき、図7(b)に示すように、複数本の極細線材Tは、V字溝10a及び支持面12aによって、軸心L0 の上下方向位置が一致して同一水平面内に揃えられる。押圧部材13を線材整列治具1に仮止めし、線材整列治具1の基端側を持ち上げるようにベース部材5を傾動させて、極細線材TをV字溝10aに沿わせて滑走させる。
【0027】
図4に示すように、極細線材Tは、絶縁被覆部tの損傷が防止されつつ、スリット21内へ誘導され、レーザー加工によって被覆除去すべき先端部Taがスリット21から突出される。マスキング部材20を挿通した先端は当接面31aに接触する。次に、ベース部材5を再び水平状態にする。
【0028】
図1に示すように、先端揃え部材31は、複数の極細線材Tの先端を、平面視で軸心L0 に直交する直線上に揃えるための部材である。即ち、マイクロメータ33を操作して先端揃え部材31をマスキング部材20に接近させると、複数本並べられた極細線材T(極細線材列)の先端部Taは、同時に同じ所定突出長さ寸法Sに調整される。マイクロメータ33の表示部33bに送り量や所定突出長さ寸法Sの値等が表示される。
【0029】
上記突出長さ寸法Sに調節後、図6に示すように、押圧部材13を取着ボルト部材14,14にて本取着する。押圧部材13の押圧弾性部材13aが、受け部材12の支持面12a及び極細線材Tに押圧密着し、極細線材列(群)を挟持する。極細線材列は、軸心L0 の上下方向位置を一致させ、かつ、先端部Taが所定突出長さ寸法Sとなった状態で保持される。そして、ベース部材5から、極細線材Tが保持された線材整列治具1を、(搬送ロボットや人の手にて)離脱させてレーザー加工機の所定位置に搬送して固定する(図示省略)。
【0030】
ここで、レーザー加工機は、加工テーブル上で、水平面状に並んだ複数本の極細線材Tに対して、上下方向からCO2 レーザー等のレーザー光を照射して絶縁被覆部tを昇華させて除去する。レーザー光の照射は、除去する絶縁被覆部の厚さによっては、レーザー光を複数回往復して除去する。
図8に示すように、加工テーブルに配設された極細線材Tの先端部Taに上方から被覆除去用の第1レーザー光R1 が照射される。
また、図9に示すように、左右方向に、第1レーザー光R1 とは位置をずらした第2レーザー光R2 が下方から照射される。加工テーブルは、先ず、上方からの第1レーザー光R1 によって絶縁被覆部tの一部を除去し、その後、下方からの第2レーザー光R2 によって残りの絶縁被覆部tを除去させるように、矢印Y方向に移動する。
【0031】
図8及び図9に於て、線材整列治具1は、第1レーザー光R1 が照射される位置で、被覆除去すべきでない(保護されるべき)絶縁被覆部tをマスキング部材20によって保護する。第1レーザー光R1 が先端面22よりも基端側に照射されても、マスキング部材20によって遮断され、絶縁被覆部tは除去されずに保護される。マスキング部材20から突出した除去すべき先端部Taのみを所定突出寸法Sだけ確実に除去できる。マスキング部材20の先端面22を境界として、被覆除去部と非除去部の間に境界面を形成する。
【0032】
マスキング部材20は、第2レーザー光R2 に対しても、保護されるべき絶縁被覆部tを保護し、第1レーザー光R1 と同一鉛直面状に境界面を形成する。また、軸心L0 の上下方向位置が一致しているので、レーザー光(第1・2レーザー光R1 ,R2 )の焦点位置が各極細線材T毎にずれることがなく、複数本の極細線材Tはどれも同じ仕上がり状態となる。
【0033】
図9及び図10に示すように、マスキング部材20は、軸心L0 に直交する直交境界面Qを形成し、境界面が斜め(ダレた)形状や段差のない高精度な仕上げを行いえる。言い換えると、先端部Taを所定突出寸法Sだけ確実に除去加工して、被覆除去部と非除去部との境で円周全体に渡って直交境界面Qを美しく形成する。
【0034】
また、レーザー光が金属製のマスキング部材20に照射されても勾配面23,23により、レーザー光が照射された方向に反射する虞れがなく、反射光による加工機の不具合を防止する。言い換えると、所定傾斜角度θが、15°よりも小さい又は45°より大きいと、スリット21近傍の極細線材Tにレーザー光が照射した場合に、照射されてきた方向に戻すように反射する虞れがあり、レーザー加工機に誤作動等の不具合を発生させる虞れがあると言える。
【0035】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、絶縁被膜部tの除去に限らず保護被膜等のコーティング材の除去に用いても良い。また、ベース部材5に、極細線材Tを先端揃え部材31に当接させるための傾動手段を設けても良い。
【0036】
以上のように、本発明は、絶縁被覆部tを有する短寸の極細線材Tが落し込まれるV字溝10aを複数本平行に設けた整列受け部材10と、整列受け部材10の先端に取着され、複数本の極細線材Tの先端を挿通させてレーザー加工によって被覆除去すべき先端部Taを突出させる左右水平方向に細長状のスリット21を貫設したマスキング部材20と、を有する線材整列治具1を備えているので、極細線材Tを複数本平行に整列させ、かつ、軸心L0 の上下方向位置を揃え、高精度な加工ができる。絶縁被覆部tの被覆除去部と非除去部との境界面が段差を生じたり、ダレた形状となるのを防止して、円周全体に渡って直交境界面Qを形成することができる。大量生産に於て、多大な時間と労力を費やさずに、均一な直交境界面Qを安定して得ることができる。
【0037】
また、線材整列治具1は、整列受け部材10の先端寄りでV字溝10aを左右水平方向に中断し下方から極細線材Tを支持する受け部材12と、上方から極細線材Tを押圧すると共に受け部材12と共働きして極細線材Tを挟持する押圧弾性部材13aを有する押圧部材13と、を備えているので、複数本の極細線材Tを一度に所定の姿勢で保持できる。絶縁被覆部tを損傷させることなく保持できる。
【0038】
また、マスキング部材20は、絶縁被覆部tを損傷させずにスリット21から突出させることができる。
【0039】
また、線材整列治具1が着脱自在に固定されるベース部材5と、ベース部材5上に設けられると共にスリット21から突出した複数本の極細線材Tの先端部Taの突出長さ寸法を所定突出長さ寸法Sに揃える調整手段30と、を備えたので、複数本の極細線材Tの、被覆除去すべき先端部Taを同一寸法で加工できる。高精度に被覆除去された複数本の極細線材Tを容易に得ることができる。
【0040】
また、調整手段30は、スリット21から突出した複数本の極細線材Tの先端部Taに当接する先端揃え部材31と、先端揃え部材31を微量送りするマイクロメータ33と、を備えているので、一度に複数本の極細線材Tの先端を前後方向に揃え所定突出長さ寸法Sに高精度に微調整できる。極細線材Tの先端を基準に直交境界面Qを所定位置に形成できる。
【0041】
また、ベース部材5は、線材整列治具1を着脱自在に固定する押さえ部材51を備え、押さえ部材51は押圧弾発付勢部材52を有しているので、ベース部材5に対して線材整列治具1を容易に着脱できる。様々な大きさの線材整列治具1に対応できる。つまり、線材整列治具1の小ベース部材19を様々なレーザー加工機の加工ベースに適合した大きさに形成できる。
【符号の説明】
【0042】
1 線材整列治具
5 ベース部材
10 整列受け部材
10a V字溝
12 受け部材
13 押圧部材
13a 押圧弾性部材
20 マスキング部材
21 スリット
30 調整手段
31 先端揃え部材
33 マイクロメータ
51 押さえ部材
52 押圧弾発付勢部材
T 極細線材
Ta 先端部
t 絶縁被覆部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁被覆部(t)を有する短寸の極細線材(T)が落し込まれるV字溝(10a)を複数本平行に設けた整列受け部材(10)と、
該整列受け部材(10)の先端に取着され、複数本の上記極細線材(T)の先端を挿通させてレーザー加工によって被覆除去すべき先端部(Ta)を突出させる左右水平方向に細長状のスリット(21)を貫設したマスキング部材(20)と、
を有する線材整列治具(1)を備えていることを特徴とするレーザー加工段取治具。
【請求項2】
上記線材整列治具(1)は、上記整列受け部材(10)の先端寄りで上記V字溝(10a)を左右水平方向に中断し下方から上記極細線材(T)を支持する受け部材(12)と、上方から上記極細線材(T)を押圧すると共に上記受け部材(12)と共働きして上記極細線材(T)を挟持する押圧弾性部材(13a)を有する押圧部材(13)と、を備えている請求項1記載のレーザー加工段取治具。
【請求項3】
上記線材整列治具(1)が着脱自在に固定されるベース部材(5)と、該ベース部材(5)上に設けられると共に上記スリット(21)から突出した複数本の上記極細線材(T)の上記先端部(Ta)の突出長さ寸法を所定突出長さ寸法(S)に揃える調整手段(30)と、を備えた請求項1又は2記載のレーザー加工段取治具。
【請求項4】
上記調整手段(30)は、上記スリット(21)から突出した複数本の上記極細線材(T)の上記先端部(Ta)に当接する先端揃え部材(31)と、該先端揃え部材(31)を微量送りするマイクロメータ(33)と、を備えている請求項3記載のレーザー加工段取治具。
【請求項5】
上記ベース部材(5)は、上記線材整列治具(1)を着脱自在に固定する押さえ部材(51)を備え、該押さえ部材(51)は押圧弾発付勢部材(52)を有している請求項3又は4記載のレーザー加工段取治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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