説明

レーザー溶接器具および二つの溶接物を溶接するための構成および当該構成を作動させるための方法

レーザー溶接器具は、第一の溶接物(16)を第二の溶接物(18)に固定するために、第一の器具部分(14)と第二の器具部分(2)とを有する。前記二つの溶接物(16,18)は、少なくとも部分的に前記二つの器具部分(14,2)の間に設けられている。前記第二の器具部分(2)は前記第二の溶接物(18)を前記第一の溶接物(16)に押し付けるために、互いに独立して前記第一の器具部分に向かってスライド可能である、少なくとも二つの部分要素(6,8)を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は第一の溶接物を第二の溶接物に固定するための、第一の器具部分と第二の器具部分とを有する溶接器具に関する。このとき当該第一の溶接物と第二の溶接物は、少なくとも部分的に当該二つの器具部分の間に設けられている。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、自動変速装置オイルフィルタのためのレーザー溶接方法が知られている。当該方法では、上部器具および下部器具の間に設けられた、プラスチックから成る二つのフィルタ半殻部が、自動変速装置オイルフィルタを製造するために、レーザー溶接によって結合される。フィルタ媒体が、二つのフィルタ半殻部の間に、締め付けリブを用いて挟み込まれる。上下に重なっているフィルタ半殻部は、当該フィルタ半殻部の共通の縁にわたって、レーザー光で溶接される。フィルタ半殻部の一方はレーザー光を透過するプラスチックから成り、もう一方のフィルタ半殻部は、レーザー光を透過しないプラスチックから成る。レーザー光線はレーザー光を透過するフィルタ半殻部を介して、もう一方のフィルタ半殻部との接触箇所に沿ってガイドされる。このときレーザー光線は、レーザー光を透過しないフィルタ半殻部に当たる。レーザー光を透過しないプラスチック材料の光吸収によって、溶接領域における二つのフィルタ半殻部の融合が実現される。しかしながら溶接すべき縁は、周方向において互いに押し付けられることが不完全である。従来知られている溶接器具の構成は柔軟性がないために、溶接領域における輪郭のずれを調整することができないという理由による。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許発明第19860357号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、レーザー溶接器と、二つの溶接物を溶接するための構成と、当該構成を作動させるための方法とを提供することである。当該方法もしくは構成は、溶接継ぎ目が特に正確かつ均一であることに有効に寄与する
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、本発明の第一の態様では、第一の器具部分と第二の器具部分とを有する溶接器具によって解決される。第一の器具部分と第二の器具部分は、第一の溶接物を第二の溶接物に固定するために設けられている。第二の器具部分は、第二の溶接物を第一の溶接物に押し付けるために、互いに独立して第一の器具部分に向かってスライド可能である、少なくとも二つの部分要素を含んでいる。
【0006】
互いに独立してスライド可能である前記二つの部分要素は、前記二つの器具部分をセグメントごとに互いに押し付け合うことを可能にする。特にレーザーが溶接継ぎ目を作り出したばかりで、当該溶接継ぎ目がまだ熱く、柔軟性を有しているところに、常に圧力の増大が生じ得る。この点は、冷却され、かつ、固い溶接継ぎ目が特に均一かつ正確であることに対して、特に有効に寄与することができる。このとき圧力は連続的または段階的に変化され得る。
【0007】
好適な構成において、前記部分要素は自動的にスライド可能である。これによって、例えば特に電子工学的な制御装置を介して、前記部分要素の特に正確なスライド移動が可能となる。
【0008】
この点に関して、個々の部分要素が、対応する部分要素を自動的にスライドさせるための少なくとも一つの調整ユニットと連結されていると、特に有利である。これらの調整ユニットは好適に空圧式、油圧式、電気またはバネ圧によって調整される。これによって、前記部分要素の自動的なスライドは、簡単な方法で可能となる。
【0009】
さらなる好適な構成において、第二の器具部分は第二の溶接物を第一の溶接物に押し付けるために、第一の器具部分に向かってスライド可能である3個またはそれ以上の部分要素を含んでいる。これによって、できたばかりの溶接継ぎ目に沿って、二つの溶接物の複数の異なるセグメントに、より正確に圧力を作用させることが可能となり、それによって、特に複数のレーザーが用いられる場合、溶接継ぎ目が特に均一に形成されることに寄与することができる。
【0010】
本発明の第二の態様によれば、本発明は、少なくとも一つのレーザーと、レーザー溶接器具と、制御装置とを有する、二つの溶接物を溶接するための構成を特徴とする。当該制御装置は、レーザーと、レーザー溶接器具とに連結されており、当該制御装置は、当該制御装置が、レーザーの位置に応じてレーザー溶接器具の部分要素のスライドを可能にするように形成されている。
【0011】
好適な構成において、前記構成は二つまたはそれ以上のレーザーを含んでおり、当該レーザーはそれぞれ、一つまたは複数の部分要素に固定的に配設されている。これによって溶接継ぎ目を特に正確かつ迅速に作り出すことに寄与することができる。
【0012】
本発明の第三の態様によれば、本発明は、前記構成を作動させるための方法を特徴とする。当該方法において、二つの溶接物は重ねて、第一の器具部分または第二の器具部分に装入される。代替的に第一の溶接物を第一の器具部分に固定し、第二の溶接物を第二の器具部分に固定してもよい。その後、第二の器具部分の部分要素が、第一の器具部分に向かってスライドされるか、あるいは、第一の器具部分が第二の器具部分に向かってスライドされ、それによって、二つの溶接物は互いに溶接可能となる。続いて、レーザーによって二つの溶接物の第一セグメントが溶接される。第一セグメントは、第一の部分要素の移動方向において、第一の部分要素と第一の器具部分との間に設けられている。二つのセグメントの溶接直後に、第一の部分要素は第一の器具部分に向かってスライドされ、それによって二つの溶接物は当該溶接物の第一セグメントにおいて互いに押し付けられる。さらに、レーザーによって二つの溶接物の第二セグメントが溶接される。このとき、第二セグメントは、第二の部分要素の移動方向において、第二の部分要素と第一の器具部分との間に設けられている。二つのセグメントの溶接直後に、第二の部分要素は第一の器具部分に向かってスライドされ、それによって二つの溶接物は当該溶接物の第二セグメントにおいて互いに押し付けられる。上記の点は、溶接継ぎ目を特に正確かつ均一に形成することに寄与する。それは、溶接継ぎ目がまだ熱く、かつ、柔軟性を有しているとともに、二つの溶接物の相対的な移動がまだ可能であるとき常に、セグメントが互いに押し付けられるという理由による。これによって、溶接継ぎ目の温度がほぼ常に等しい状態で、常に同一の押圧力が均一に作り出される。このとき当該押圧力は、段階的または連続的に増大され得る、および/または押圧の間に変化し得る。
【0013】
前記方法の好適な構成において、二つより多い部分要素が設けられており、当該部分要素は、二つの溶接物の対応するセグメントが溶接されたときは、常に第一の器具部分に向かってスライドされる。これによって、特に溶接物が大きく、かつ、複数のセグメントに分割することが有意義であるとき、および/または複数のレーザーが設けられているとき、均一な溶接継ぎ目を作り出すことに特に有効に寄与する。
【0014】
上記の点に関して、溶接物の異なるセグメントが、同時または異なる時点で、相応のセグメントに対応する異なるレーザーによって溶接されると、特に有利である。部分要素は、対応するセグメントが溶接されたとき、特に溶接されたばかりのとき、第一の器具部分に向かってスライドされる。例えば個々の部分要素に、一つのレーザーが配設されていてよい。代替的に、二つまたはそれ以上の部分要素に対して、それぞれ一つの独自のレーザーが設けられていてよい。特に大きな溶接物の場合、この点は溶接継ぎ目を特に均一かつ正確に形成することに寄与することができる。
【0015】
以下に、本発明の実施の形態を概略的な図面に基づいてより詳しく説明する。図面に示すのは以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】レーザー溶接器具の器具部分の平面図である。
【図2】二つの溶接物を備えるレーザー溶接器具の第一の側面図である。
【図3】前記二つの溶接物を備えるレーザー溶接器具の第二の面の図である。
【図4】レーザー溶接器具の第二の実施の形態の詳細を示す図である。
【図5】レーザー溶接器具の第二の実施の形態の断面を示す図である。
【図6】レーザー溶接のための構成を作動させるためのプログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
同一の構造または作用を有する部材は、図面を通じて同一の参照番号で表されている。
【0018】
レーザー溶接器具は、第一の器具部分14と第二の器具部分2(図1、図2)を有している。当該第二の器具部分2は、互いに独立してスライド可能である少なくとも二つ、好ましくはそれより多い部分要素4,6,8,10を有している。当該部分要素4,6,8,10をスライドさせるために、好適に複数の調整ユニット12が設けられており、当該調整ユニットは、部分要素4,6,8,10が互いに独立してスライドすることを可能にする。
【0019】
部分要素4,6,8,10は、少なくとも部分的に溶接すべき溶接物16,18に応じて形成されている形状を有しており、それによって当該部分要素は、溶接物16,18を破損することなく、当該溶接物を収容し、かつ、保持することができる。部分要素4,6,8,10は、例えば当該部分要素の縁部領域が高められるとともに、共通の中心に向かって平坦化されていてよい。
【0020】
第一の器具部分14は好適に一体的に形成されており、同様に溶接すべき第一の溶接物16に関して少なくとも部分的に負の形状を有している。この場合、第二の溶接物18が部分要素4,6,8,10の形状を規定する。
【0021】
特に簡単な構成において、二つの溶接物16,18はただ重ねられてともに部分要素4,6,8,10上に設置され得る。続いて第一の器具部分14は第二の器具部分2に向かってスライドされ、それによって当該第一の器具部分14は、逆圧を形成するための少なくとも一つのスラスト軸受けとなる。これに対して代替的に、第一の器具部分14が固定的に設けられており、第二の器具部分2が第一の器具部分14に向かってスライド可能であってよい。これに対して代替的に、第一および第二の器具部分14,2が固定的に設けられており、部分要素4,6,8,10のみが第一の器具部分14に向かってスライド可能であってよい。それによって、二つの溶接物16,18の連結領域に圧力を供給する。さらに溶接物16,18を固定するための装置が器具部分14,2に設けられていてよい。例えば第一の器具部分14は、負圧装置を有し得る。当該負圧装置を介して第一の溶接物は第一の器具部分14に固定され、特に吸引され得る。さらに、第二の器具部分2も、第二の溶接物18をスライド可能な部分要素4,6,8,10に固定するためのこのような装置を有し得る。
【0022】
二つの溶接物16,18を溶接するための構成は、レーザー溶接器具に加えて、少なくとも一つのレーザー19を含んでおり、当該レーザーはレーザー光21によって二つの溶接物16,18を当該二つの溶接物の連結領域において溶接することを可能にする。このとき特に均一かつ正確な溶接継ぎ目が以下の点によって得られる。すなわち、スライド可能な部分要素4,6,8,10を第一の器具部分14に向かってスライドさせることを介して、レーザー光21が二つの溶接物16,18の対応するセグメントをちょうど通過したとき、常に二つの溶接物16,18に対して、所定の押圧力が及ぼされることによって、特に均一かつ正確な溶接継ぎ目が実現される。レーザー19に加えて、さらなるレーザーが設けられていてよく、その場合、当該さらなるレーザーは好適に、溶接物16,18の所定のセグメントと、対応するスライド可能な部分要素4,6,8,10とに対して設けられている。
【0023】
レーザー溶接器具の第二の実施の形態(図4)では、二つの溶接物16,18の単独の端部が、第一の器具部分14とスライド可能な部分要素4から8とによって押し付けられる。このときスライド可能な部分要素4,6,8,10の移動は、第一の器具部分14に向けられている方向20に沿って行われる。これに関連して、方向20において第一の器具部分14と部分要素のうちの一つ4との間に設けられている、二つの溶接物16,18の部分領域が、まさに二つの溶接物16,18の個々のセグメントとして表される。
【0024】
調整ユニット12は例えばガイド部材22(図5)、特にガイド部材22に隣接するガイド柱および/またはガイドブシュ24を含み得る。さらに好適に、個々の調整ユニット12には、アクチュエータ26が配設されており、当該アクチュエータは例えば中央ピンを介して対応する部分要素4がスライドすることを可能にする。シリンダ26は連結要素を介して部分要素4を方向20においてスライドさせる。部分要素4はガイド柱に支持されている。当該セグメントにおいて、ガイドブシュ24、特にベアリングブシュは固定的に取り付けられており、当該ガイドブシュ内をガイド柱がスライドする。
【0025】
図に示されていない制御装置に、好適に、レーザー19とレーザー溶接器具とを備える構成を作動させるためのプログラム(図6)が保存されている。当該プログラムは好適にステップS1において開始され、当該ステップでは、場合によって変数が初期化される。
【0026】
二つの溶接物16,18が機械的にレーザー溶接器具に装入される場合、例えばステップS2において、装入コマンドINPUTによって、二つの溶接物16,18のレーザー溶接器具への装入が開始される。これに対して代替的に、二つの溶接物16,18は手でレーザー溶接器具に設けられてもよい。
【0027】
ステップS3において、第一の溶接指示WELD 1により、レーザー19は二つの溶接物16,18の開始位置に動かされ、溶接の間、所望の溶接継ぎ目に沿って、二つの溶接物16,18の第一セグメントに接してガイドされる。
【0028】
ステップS4において、第一の押圧指示PRES 1により、まさに部分要素4,6,8,10が第一の器具部分14に向かってスライドされ、それによって二つの溶接物16,18の溶接されたばかりの第一セグメントは、溶接継ぎ目の領域において互いに押し付けられる。このとき押圧力は単純に増大されるか、押圧力は複数の段階を介して増大されるか、押圧力は例えば溶接継ぎ目の温度に応じて連続的に変えられる。
【0029】
ステップS5において、第二の溶接指示WELD 2により、レーザー19は二つの溶接物16,18の第二セグメントの開始位置に動かされ、このとき第一セグメントは、途切れなく第二セグメントに移行することができる。それによって、第一セグメントから第二セグメントへの移行時に閉じた溶接継ぎ目が生じる。さらにステップS5において、二つの溶接物16,18の第二セグメントはレーザー光21によって溶接される。
【0030】
ステップS6において、第二の押圧指示PRES 2により、ステップS4のように、二つの溶接物16,18の溶接されたばかりの第二セグメントに、圧力が及ぼされる。
【0031】
ステップS7からS10において、ステップS3からS6に応じて、第三および第四の溶接指示WELD 3およびWELD 4と、第三および第四の押圧指示PRES 3およびPRES 4とによって、二つの溶接物16,18の第三および第四セグメントの溶接と、押し付けとが開始され得る。このときステップS7からS10は、ステップS3からS6と同時に、またはステップS3からS6の後に行われ得る。さらに、第三および第四セグメントを溶接するために、さらなるレーザーが設けられていてよい。
【0032】
二つの溶接物16,18が機械的にレーザー溶接器具から取り出される場合、当該取り出しプロセスは、例えば取り出しコマンドOUTPUTによって開始され得る。
【0033】
ステップS12において、当該プログラムは終了され得るが、当該プログラムは、ステップS11の後に、新たにステップS2において、新たな溶接物16,18を用いて行われるのが好ましい。
【0034】
本発明は上記の実施の形態に限定されない。特に、レーザー溶接器具は、2個のみ、3個または4個よりも多い部分要素4,6,8,10を有し得る。その場合、当該部分要素は完全に独立して、あるいは少なくとも部分的に同時にスライドされ、それによって二つの溶接物16,18に押圧力を及ぼす。さらに、溶接プロセスは段階に分割され得る。当該段階は、例えば押圧と、溶接と、保持および/またはさらなる段階を含む。その場合、これらの段階に対応して、異なる押圧力および/または押圧時間が設定されてよい。
【符号の説明】
【0035】
2 第二の器具部分
14 第一の器具部分
4,6,8,10 部分要素
12 調整ユニット
16,18 溶接物
19 レーザー
20 方向
21 レーザー光
22 ガイド部材
24 ガイドブシュ
26 アクチュエータ、シリンダ
S1 ステップ1
S2 ステップ2
S3 ステップ3
S4 ステップ4
S5 ステップ5
S6 ステップ6
S7 ステップ7
S8 ステップ8
S9 ステップ9
S10 ステップ10
S11 ステップ11
S12 ステップ12

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の器具部分と第二の器具部分(14,2)とを有するとともに、少なくとも部分的に前記二つの器具部分(14,2)の間で、第一の溶接物(16)を第二の溶接物(18)に固定するためのレーザー溶接器具において、
前記第二の器具部分(2)は前記第二の溶接物(18)を前記第一の溶接物(16)に押し付けるために、互いに独立して前記第一の器具部分に向かってスライド可能である、少なくとも二つの部分要素(4,6,8,10)を含んでいることを特徴とするレーザー溶接器具。
【請求項2】
前記部分要素(4,6,8,10)は自動的にスライド可能であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接器具。
【請求項3】
個々の部分要素(4,6,8,10)は、対応する前記部分要素(4,6,8,10)を自動的にスライドさせるための少なくとも一つの調整ユニット(12)と連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー溶接器具。
【請求項4】
前記調整ユニット(12)は空圧式、油圧式、電気またはバネ圧によって調整されることを特徴とする請求項3に記載のレーザー溶接器具。
【請求項5】
前記第二の器具部分(2)は前記第二の溶接物(18)を前記第一の溶接物(16)に押し付けるために、前記第一の器具部分(16)に向かってスライド可能である、3個またはそれより多い部分要素(4,6,8,10)を含んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザー溶接器具。
【請求項6】
少なくとも一つのレーザー(19)と、請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザー溶接器具と、前記レーザー(19)および前記レーザー溶接器具と連結されている制御装置とを有する、二つの溶接物(16,18)を溶接するための構成であって、前記レーザー溶接器具の前記部分要素(4,6,8,10)を、前記レーザー(19)の位置に応じてスライドさせることを可能にすることを特徴とする構成。
【請求項7】
二つまたはそれより多いレーザー(19)を有しており、当該レーザーはそれぞれ一つまたは複数の部分要素(4,6,8,10)に対して固定的に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の構成。
【請求項8】
請求項6または7に記載の構成を作動させるための方法であって、
− 前記レーザー(19)によって、前記二つの溶接物(16,18)の第一セグメントが溶接され、当該第一セグメントは第一の前記部分要素(4)の移動方向において、当該第一の部分要素(4)と前記第一の器具部分(14)との間に設けられており、
− 前記二つのセグメントを溶接した直後に、前記第一の部分要素(4)は、前記第一の器具部分(14)に向かってスライドされ、それによって前記二つの溶接物(16,18)は当該二つの溶接物の第一セグメントにおいて互いに押し付けられ、
− 前記レーザー(19)によって、前記二つの溶接物(16,18)の第二セグメントが溶接され、当該第二セグメントは第二の前記部分要素(6)の移動方向において、当該第二の部分要素(6)と前記第一の器具部分(14)との間に設けられており、
− 前記二つのセグメントを溶接した直後に、前記第二の部分要素(6)は、前記第一の器具部分(14)に向かってスライドされ、それによって前記二つの溶接物(16,18)は当該二つの溶接物の第二セグメントにおいて互いに押し付けられることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記溶接の前に、前記二つの溶接物(16,18)は重ねられて前記第一の器具部分または第二の器具部分(14,2)に装入され、前記第二の器具部分(2)の前記部分要素(4,6,8,10)は前記第一の器具部分(14)に向かってスライドされるか、あるいは、前記第一の器具部分(14)は前記第二の器具部分(2)に向かってスライドされ、それによって、前記二つの溶接物(16,18)は互いに溶接可能であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記溶接の前に、前記第一の溶接物(16)は前記第一の器具部分(14)に固定され、かつ、前記第二の溶接物(18)は前記第二の器具部分(2)に固定され、前記第二の器具部分(2)の前記部分要素(4,6,8,10)は前記第一の器具部分(14)に向かってスライドされるか、あるいは、前記第一の器具部分(14)は前記第二の器具部分(2)に向かってスライドされ、それによって、前記二つの溶接物(16,18)は互いに溶接可能であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
二つより多い部分要素(4,6,8,10)が設けられ、当該部分要素(4,6,8,10)は、前記二つの溶接物(16,18)の対応するセグメントが溶接されたとき、常に前記第一の器具部分(14)に向かってスライドされることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記溶接物(16,18)の異なるセグメントは同時または異なる時点で、対応する前記セグメントに対して設けられた異なるレーザー(19)によって溶接され、前記部分要素(4,6,8,10)は、前記対応するセグメントが溶接されたとき、前記第一の器具部分(14)に向かってスライドされることを特徴とする請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−506318(P2012−506318A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532529(P2011−532529)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007512
【国際公開番号】WO2010/046089
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(508152434)イーベーエス・フィルトラン・クンシュトシュトフ/メタレルツォイニッセ・ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】