説明

レーザ加工制御装置およびレーザ加工装置

【課題】レーザパルス光の出射を制御するレーザ加工制御装置を得ること。
【解決手段】レーザパルス光のレーザパワーを測定するレーザパワー測定部と、レーザパルス光が出射されていないタイミングでレーザパワー測定部が出力する出力値に基づいて、レーザパワー測定部が測定するレーザパワーのオフセット量を算出するオフセット電圧算出部12と、オフセット電圧算出部12が算出したオフセット量をレーザパワー測定部に出力するオフセット電圧出力部13と、レーザパワー測定部がオフセット量を用いて測定したレーザパワーに基づいて、被加工物に照射されたレーザパルス光のエネルギー量の合計値をレーザ照射位置毎に算出するエネルギー量算出部16と、エネルギー量算出部16が算出した合計値に基づいて、レーザ発振器が出射するレーザパルス光の出射制御を行なうレーザパルス出力指示部15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工に用いるレーザパルス光の出射を制御するレーザ加工制御装置およびレーザ加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
短パルスレーザ加工装置は、例えば1〜100マイクロ秒幅のレーザパルス光をプリント基板などの被加工物にパルス照射することによって、直径が数十μm〜数百μm程度のスルーホール(穴)をプリント基板上に形成することのできる工作機械である。
【0003】
このようなレーザ加工装置では、1つの加工穴に照射するレーザ光のエネルギー量(強さ)の合計値が規定値からずれると、プリント基板上に形成する穴の品質を悪化させてしまう。例えば、レーザ光のエネルギー量の合計値が規定値からずれた場合、形成する穴径に異常が生じる、穴が開かない、レーザ光が穴を突き抜ける、加工屑が残ってしまうといった問題が発生する。このため、従来のレーザ加工装置は、レーザ発振器から発射されたレーザ光の一部を取り出すとともに、取り出したレーザ光を電気量に変換して積分回路で積分し、この積分値に基づいて1つの加工穴に照射されたレーザ光のエネルギー量を算出していた。そして、算出したエネルギー量の合計値が、予め設定した規定値と異なる場合には、レーザ加工を停止したり、発射するパルス数を追加したりしていた。
【0004】
また、特許文献1に記載のレーザ加工装置は、プリント基板に照射されたレーザ光のエネルギー量を正確に算出するために、プリント基板に照射されたレーザ光のエネルギー量をレーザパルス光の1発毎に算出している。そして、レーザパルス光の発振周波数に同期したタイミングで積分回路をリセットして、各レーザパルス光のパルスエネルギーを測定している。
【0005】
【特許文献1】特開平11−261146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、積分回路をリセットしてもレーザパワー測定用センサを校正することはできなかった。このため、レーザ光の出射に伴ってレーザパワー測定用センサに温度ドリフトが発生した場合、レーザパワー測定用センサは正確なレーザパワーを測定することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザ光のレーザパワーを正確に測定して正確なエネルギー量のレーザ光を出射させることができるレーザ加工制御装置およびレーザ加工装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、レーザ発振器からレーザ加工対象の被加工物に照射されるレーザパルス光を出射制御するレーザ加工制御装置において、前記レーザパルス光のレーザパワーを測定するレーザパワー測定部と、前記レーザパルス光が出射されていないタイミングで前記レーザパワー測定部が出力する出力値に基づいて、前記レーザパワー測定部が測定するレーザパワーのオフセット量を算出するオフセット量算出部と、前記オフセット量算出部が算出したオフセット量を前記レーザパワー測定部に出力するオフセット量出力部と、前記レーザパワー測定部が前記オフセット量を用いて測定したレーザパワーに基づいて、前記被加工物に照射されたレーザパルス光のエネルギー量の合計値をレーザ照射位置毎に算出するエネルギー量算出部と、前記エネルギー量算出部が算出した合計値に基づいて、前記レーザ発振器が出射するレーザパルス光の出射制御を行なう制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、レーザパルス光が出射されていないタイミングのレーザパワーの出力値に基づいて、レーザパワーのオフセット量を算出するので、レーザ光のレーザパワーを正確に測定して正確なエネルギー量のレーザ光を出射させることが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明に係るレーザ加工制御装置およびレーザ加工装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の概略構成を示す図である。レーザ加工装置101は、プリント基板等の被加工物にレーザ光をパルス照射することによって被加工物の穴あけ加工などを行なう装置であり、レーザ加工制御装置10によって制御される。
【0012】
レーザ加工装置101は、レーザ発振器1、ミラー4、fθレンズ5、ガルバノスキャナ6X,6Y、ガルバノミラー61X,61Y、XYテーブル8、部分反射鏡(部分透過鏡)31、後述の積分信号算出装置20、レーザ加工制御装置10を有している。レーザ発振器1は、例えば100〜10000Hzの発振周波数で、例えば1〜100μsec幅のレーザパルス光(レーザ光2)をパルス出射し、部分反射鏡31を介してミラー4へ入射させる。レーザ発振器1から出射されたレーザ光2は、その一部が部分反射鏡31によって積分信号算出装置20に送られる。積分信号算出装置20は、レーザ加工制御装置10と接続しており、レーザ加工制御装置10はレーザ発振器1と接続している。積分信号算出装置20からレーザ加工制御装置10へは、後述の積分信号a3が送られ、レーザ加工制御装置10から積分信号算出装置20へは、後述の積分指令b3、オフセット電圧b1が送られる。また、レーザ加工制御装置10からレーザ発振器1へは、後述の発振指示b2が送られる。
【0013】
ミラー4は、レーザ光2を反射して光路へ導く。レーザ光2は、複数のミラー4で反射されることによってガルバノミラー61X,61Yへ導かれる。ガルバノミラー61X,61Yは、レーザ光2を反射してfθレンズ5へ導く。fθレンズ5は、レーザ光2をXYテーブル8上の被加工物7上に集光させる。
【0014】
ガルバノスキャナ6X,6Yは、レーザ光2を例えば50mm四方の範囲で走査させるサーボモータであり、レーザ光2をガルバノミラー61X,61Yで揺動することによって、レーザ光2の照射位置を被加工物7の穴位置に高速に位置決めする。
【0015】
ガルバノスキャナ6Xは、被加工物7に対するレーザ光の照射位置をX方向に移動させ、ガルバノスキャナ6Yは被加工物7に対するレーザ光の照射位置をY方向に移動させる。XYテーブル8は、例えば300mm四方の被加工物7を載置するとともに、被加工物7をXY方向に移動させる。
【0016】
レーザ加工装置101は、XYテーブル8の移動(加工位置へのステップ)と被加工物7へのレーザ照射を繰り返すことによって、被加工物7の複数箇所に例えば直径数十〜数百μmの穴加工を行う。レーザ加工装置101では、XYテーブル8を移動させる間、被加工物7へのレーザ照射を停止し、XYテーブル8が所望の位置に到達してXYテーブル8が停止した後、被加工物7へのレーザ照射を行なう。
【0017】
本実施の形態では、積分信号算出装置20がレーザ発振器1から出射されるレーザ光2の一部を用いて、レーザパルス光の積分信号を測定する。そして、レーザ加工制御装置10が、被加工物7へのレーザ照射を停止している間の積分信号に基づいて、被加工物7に照射されるレーザ光2のエネルギー量(レーザパワー)を算出する。レーザ加工制御装置10は、算出したエネルギー量に基づいてレーザ発振器1を制御し、エネルギー量に応じたパルス数のレーザ光を被加工物7に照射させる。
【0018】
なお、レーザ加工装置101では、レーザ発振器1、ミラー4、fθレンズ5、ガルバノスキャナ6X,6Y、ガルバノミラー61X,61Y、XYテーブル8以外の光学素子などを光路に挿入しておいてもよいし、何れかを省く構成としてもよい。
【0019】
ここで、積分信号算出装置(レーザパワー測定部)20の構成と動作について説明する。図2は、実施の形態1に係る積分信号算出装置の構成を示す図である。積分信号算出装置20は、赤外線センサ22、増幅回路23、積分回路24を含んで構成されており、レーザパルス光のレーザパワーに対応する積分信号a3を算出する。
【0020】
赤外線センサ22は、入射されたレーザ光2の光強度を電気信号a1(電圧や抵抗値などの電気量)に変換して出力するセンサである。増幅回路23は、赤外線センサ22から送られてくる電気信号a1を増幅する回路であり、増幅した信号を積分回路24に送る。本実施の形態の増幅回路23は、レーザ加工制御装置10と接続されており、レーザ加工制御装置10からオフセット電圧b1(赤外線センサ22の温度ドリフトをキャンセルさせるための電圧値)が送られてくる。増幅回路23は、電気信号a1とオフセット電圧b1を加算し、加算後の信号を電気信号a2(補正後の電気信号)として積分回路24に送る。
【0021】
積分回路24は、電気信号a2を所定の時間で積分して積分信号a3を算出する回路である。積分回路24へは、レーザ加工制御装置10から積分指令b3(積分時間を指定する信号)が送られる。積分回路24は、積分指令b3に対応する時間で電気信号a2を積分して積分信号a3(レーザパワーに応じた信号)を算出しレーザ加工制御装置10に送る。
【0022】
レーザ発振器1から出射されたレーザ光2は、部分反射鏡(部分透過鏡)31へ送られる。部分反射鏡31は、レーザ光2のうち透過させないレーザ光2を反射してガルバノミラー61X,61Y側へ送る。また、部分反射鏡31は、レーザ光2の一部を透過させて積分信号算出装置20(赤外線センサ22)に送る。積分信号算出装置20は、部分反射鏡31からのレーザ光を用いて積分信号a3を算出し、算出した積分信号a3をレーザ加工制御装置10に送る。レーザ加工制御装置10は、積分信号a3に基づいて、被加工物7に照射されるレーザ光2のエネルギー量を算出する。そして、レーザ加工制御装置10は、算出したエネルギー量に応じたオフセット電圧b1を増幅回路23に送る。
【0023】
これにより、増幅回路23は、電気信号a1とオフセット電圧b1を加算し、加算後の信号を電気信号a2として積分回路24に送る。レーザ加工制御装置10は、この電気信号a2を用いて積分信号a3を算出し、算出した積分信号a3をレーザ加工制御装置10に送る。そして、レーザ加工制御装置10は、電気信号a2を用いて算出された積分信号a3に基づいて、被加工物7に照射されるレーザ光2のエネルギー量を算出する。レーザ加工制御装置10は、算出したエネルギー量に応じたオフセット電圧b1を増幅回路23に送るとともに、算出したエネルギー量に応じたレーザ光を出射させる指示(発振指示b2)をレーザ発振器1に送る。
【0024】
つぎに、実施の形態1のレーザ加工制御装置10の構成について説明する。レーザ加工制御装置10は、例えばCPU、ROM、RAM、ゲートアレイなどによって構成されている。図3は、実施の形態1に係るレーザ加工制御装置の構成を示す機能ブロック図である。レーザ加工制御装置10は、積分信号入力部11、オフセット電圧算出部(オフセット量算出部)12、オフセット電圧出力部(オフセット量出力部)13、積分指令出力部14、レーザパルス出力指示部(制御部)15、エネルギー量算出部16を有している。
【0025】
積分信号入力部11は、積分回路24から送られてくる積分信号a3を入力し、オフセット電圧算出部12とエネルギー量算出部16に送る。オフセット電圧算出部12は、積分信号a3に後述のオフセット係数kをかけることによって、増幅回路23に送るオフセット電圧b1を算出する。
【0026】
オフセット電圧出力部13は、オフセット電圧算出部12が算出したオフセット電圧b1を増幅回路23へ出力する。積分指令出力部14は、積分時間を指定するための積分指令b3を積分回路24へ出力する。積分指令出力部14は、XYテーブル8が所望の位置に到達してXYテーブル8が停止した後に、オフセット値を測定するための積分指令b3を積分回路24へ出力する。
【0027】
エネルギー量算出部16は、積分信号a3に基づいて、レーザ光2のエネルギー量をパルス毎に算出する。エネルギー量算出部16は、予め加工穴毎に設定されるエネルギー量の合計値(各加工穴に設定されるパルス毎のエネルギー量を合計した値)(以下、エネルギー量基準値という)と、算出した実際のエネルギー量(以下、実エネルギー量という)と、を比較し、比較結果(エネルギー量の差分)をレーザパルス出力指示部15に送る。
【0028】
レーザパルス出力指示部15は、エネルギー量の比較結果に基づいて、レーザ光の出射停止または追加出射を指示する発振指示b2をレーザ発振器1に送る。レーザパルス出力指示部15は、実エネルギー量がエネルギー量基準値よりも小さかった場合、エネルギー量の差分に応じたパルス数だけレーザ光を追加出射させる発振指示b2をレーザ発振器1に送る。レーザパルス出力指示部15は、実エネルギー量がエネルギー量基準値よりも大きくなると判明した時点で、レーザ光を出射停止させる発振指示b2をレーザ発振器1に送る。
【0029】
つぎに、赤外線センサ22から出力されて増幅回路23で増幅されたレーザパルス(電気信号a2)と、積分信号a3について説明する。図4は、赤外線センサに温度ドリフトが発生していない場合の積分信号を説明するための図であり、図5は、赤外線センサに温度ドリフトが発生した場合の積分信号を説明するための図である。
【0030】
赤外線センサ22に温度ドリフトが発生していない場合、赤外線センサ22からはオフセットの無いレーザパルス(電気信号a1)が出力される。この場合、レーザ光が出射されていないタイミングでは、基準値である「0」のレーザパルスa1が赤外線センサ22から出力される。そして、レーザ加工制御装置10から増幅回路23へのオフセット電圧b1の入力がなければ、図4に示すように、増幅回路23からはオフセットの無いレーザパルス(電気信号a2)が出力される。
【0031】
レーザ加工制御装置10の積分指令出力部14は、パルスの立ち上がりよりも前に積分指令(レーザ光のエネルギー量を測定するための積分指令)(以下、積分指令bxという)の信号を立ち上げる。ここでの積分指令bxは、積分指令b3と同様の積分指令であり、積分指令b3がオフセット値を測定するための積分指令であるのに対して、積分指令bxは、エネルギー量を測定するための積分指令である。積分指令出力部14は、パルスが立ち下がった後に積分指令bxの信号を立ち下げる。これらの積分指令bxは、積分指令出力部14から積分回路24に送られる。積分回路24は、積分指令bxが立ち上がっている時間だけ、レーザパルス光を積分(電気信号a2の面積を算出)する。これにより、積分回路24は、積分結果として正常な積分信号a3(エネルギー量)を得る。
【0032】
一方、赤外線センサ22に温度ドリフトが発生している場合、赤外線センサ22からはオフセットを有したレーザパルスa1が出力される。この場合、レーザ光が出射されていないタイミングであっても、基準値である「0」よりも小さなレーザパルスa1または「0」よりも大きなレーザパルスa1が赤外線センサ22から出力される。そして、レーザ加工制御装置10から増幅回路23へのオフセット電圧b1の入力がなければ、図5に示すように、増幅回路23からは、「+」のオフセットを有したレーザパルスや、「−」のオフセットを有したレーザパルスが出力される。このため、積分回路24は、積分結果としてプラス側にシフトした積分信号a3やマイナス側にシフトした積分信号a3を得る。
【0033】
正常な値からプラス側またはマイナス側にシフトした積分信号a3を用いて、被加工物7へ照射されたレーザ光のエネルギー量を算出すると、実際のエネルギー量を正しく算出することができない。そこで、本実施の形態では、レーザ加工制御装置10が、積分信号a3に応じたオフセット電圧b1を増幅回路23に入力する。これにより、オフセット電圧b1が増幅回路23に入力されなければ「+」や「−」のオフセットを有したレーザパルスが増幅回路23から出力される場合に、オフセットの無いレーザパルスを増幅回路23から出力させることが可能となる。
【0034】
つぎに、オフセット電圧b1の算出処理手順について説明する。図6は、オフセット電圧の算出処理手順を示すフローチャートであり、図7は、オフセット電圧の算出処理手順を説明するための図である。
【0035】
レーザ加工が開始されると、レーザ加工装置101は、XYテーブル8を移動させることによって、被加工物7の加工位置(レーザ照射位置)に被加工物7を移動させる。この後、ガルバノスキャナ6X,6Yやガルバノミラー61X,61Yを動作させることによって被加工物7の加工位置が調整される。そして、レーザ発振器1からレーザ光2が出射される。レーザ発振器1から出射されたレーザ光2は、部分反射鏡31で一部だけ透過させられて赤外線センサ22に送られる。
【0036】
赤外線センサ22は、レーザ光2の光強度を電気信号a1に変換して増幅回路23に送る。増幅回路23は、電気信号a1を増幅した電気信号a2(レーザパルス)を積分回路24に送る。
【0037】
また、レーザ加工が開始すると、積分指令出力部14は、被加工物7にレーザ光が出射されているか否か(加工中であるか否か)を確認する(ステップS110)。具体的には、ガルバノスキャナ6X,6Yの動作が停止して被加工物7にレーザ光が出射されている状態(タイミング)であるか否かを判断する。
【0038】
被加工物7にレーザ光が出射されていれば(ステップS110、Yes)、積分指令出力部14は、積分指令b3を出力することなく処理を終了する。被加工物7にレーザ光が出射されていなければ(ステップS110、No)、積分指令出力部14は、例えば100μsec間の積分指令b3を積分回路24へ出力する。積分回路24は、積分指令b3が立ち上がっている時間だけ各レーザパルス(電気信号a2)を積分して積分信号a3を算出する(ステップS120)。そして、積分回路24は、積分信号a3をレーザ加工制御装置10に送る。この積分信号a3は、積分信号入力部11を介してオフセット電圧算出部12とエネルギー量算出部16に送られる。
【0039】
オフセット電圧算出部12は、積分信号a3を積分電圧dに変換する。ここでの積分電圧dは、積分信号a3に対応する電圧であり、積分信号a3の各ピーク値である。そして、オフセット電圧算出部12は、積分電圧dが設定範囲内であるか否かを判断する、具体的には、オフセット電圧算出部12は、|積分電圧d|≦合格閾値であるか否かを判断する(ステップS130)。ここでの合格閾値は、レーザ加工の加工品質に基づいて予め設定される値であり、|積分電圧d|≦合格閾値の時に合格品質のレーザ加工を行なえるものである。合格閾値は、例えばレーザ発振器1からレーザ光が出射された際に算出される積分電圧の±10%の範囲である。
【0040】
|積分電圧d|≦合格閾値である場合(ステップS130、Yes)、オフセット電圧算出部12は、オフセット電圧b1を算出することなく、処理を終了する。|積分電圧d|≦合格閾値でない場合(ステップS130、No)、オフセット電圧算出部12は、積分電圧dにオフセット係数kをかけることによってオフセット電圧b1を算出する(ステップS140)。オフセット電圧出力部13は、オフセット電圧算出部12が算出したオフセット電圧b1を増幅回路23へ出力する(ステップS150)。この後、増幅回路23は、電気信号a1にオフセット電圧b1を加算した電気信号a2を積分回路24に送る。
【0041】
エネルギー量算出部16は、積分信号a3に基づいて、レーザ光2のエネルギー量をパルス毎に算出する。そして、エネルギー量算出部16は、パルス毎のエネルギー量を合計することによって実エネルギー量を算出する。エネルギー量算出部16は、各加工穴に予め設定されるエネルギー量基準値と実エネルギー量とを比較して、エネルギー量の差分をレーザパルス出力指示部15に送る。
【0042】
レーザパルス出力指示部15は、エネルギー量の差分に基づいて、レーザ光の出射停止または追加出射を指示する発振指示b2をレーザ発振器1に送る。レーザパルス出力指示部15は、実エネルギー量がエネルギー量基準値よりも小さかった場合、エネルギー量の差分に応じたパルス数だけレーザ光を追加出射させる発振指示b2をレーザ発振器1に送る。レーザパルス出力指示部15は、実エネルギー量がエネルギー量基準値よりも大きい場合または次に算出する実エネルギー量がエネルギー量基準値よりも大きくなると判断した場合、レーザ光を出射停止させる発振指示b2をレーザ発振器1に送る。
【0043】
レーザ加工装置101は、被加工物7にレーザ光が出射されていなければ(ステップS110、No)、ステップS120〜S150の処理(電気信号a2の校正動作)を繰り返す。
【0044】
ここで、電気信号a2の校正動作を行なうタイミングについて説明する。図8は、パルス出射数の校正動作を行なうタイミングを説明するための図である。前述したように、レーザ加工装置101は、XYテーブル8の移動と被加工物7へのレーザ照射を繰り返すことによって、被加工物7の複数箇所に穴加工を行う。レーザ加工装置101は、XYテーブル8を移動させる間、被加工物7へのレーザ照射を停止する。XYテーブル8の移動時間には例えば300msecが設定される。また、被加工物7へのレーザ照射には1箇所当たり例えば1〜10secが設定され、この1〜10secの間に複数のパルス光がレーザ照射される。
【0045】
本実施の形態のレーザ加工装置101は、レーザ光を照射していない時(XYテーブル8が移動している間)に、校正動作を行なう。具体的には、XYテーブル8が移動を開始した後、所定時間(例えばガルバノスキャナ6X,6Yの動作に要する時間よりも長い例えば60msec)の経過後に校正動作を開始する。
【0046】
レーザ加工装置101は、図7で説明した校正動作を例えば50回行なうことによって、電気信号a2を校正する。1回の校正動作(1つのオフセット電圧b1の算出)に要する時間が例えば100μsecである場合、この校正動作を例えば50回行なうことによって、合計5msecの時間で校正動作が完了する。
【0047】
このように、XYテーブル8が移動している間に校正動作を行なうので、レーザ加工処理にロス時間が発生することはない。また、XYテーブル8が移動する度に、校正動作を行なうので、高頻度で校正を行なうことが可能となる。
【0048】
なお、ここでは校正動作を50回行なう場合について説明したが、校正動作を所定回数行なった後に、|積分電圧d|≦合格閾値となれば、校正動作を終了してもよい。この場合、次にレーザ照射が行なわれるまで、校正動作を停止する。また、|積分電圧d|≦合格閾値とならなければ、校正動作を50回以上行ってもよい。この場合、|積分電圧d|≦合格閾値となるまで校正動作を続けてもよいし、XYテーブル8が移動している間のみ校正動作を続けてもよい。|積分電圧d|≦合格閾値となるまで校正動作を続ける場合、|積分電圧d|≦合格閾値となるまで次のレーザ照射を待機させる。そして、|積分電圧d|≦合格閾値となった後、次のレーザ照射を開始する。
【0049】
なお、本実施の形態では、XYテーブル8が移動している間に校正動作を行なう場合について説明したが、パルス出射とパルス出射の間(図8に示した1〜10secの間など)に、校正動作を行なってもよい。この場合、1つのパルス出射を行った後、次のパルス出射を行うまでの間(パルス出射間毎)に、ステップS120〜S150の処理(校正動作)を少なくとも1回行なう。そして、校正動作を行なった後、次のパルス出射を行い、さらに次のパルス出射を行うまでの間に、ステップS120〜S150の処理を少なくとも1回行なう。換言すると、レーザ加工装置101は、1発のパルス出射と校正動作とを順番に繰り返して行なう。なお、レーザ加工装置101は、複数発のパルス出射に1回の割合で校正動作を行なってもよい。
【0050】
レーザ加工装置101が被加工物7をレーザ加工する際には、複数のパルス光が出射される。そして、このパルス光は連続して赤外線センサ22に入力されることとなる。このため、パルス出射とパルス出射の間に校正動作を行なわない場合、増幅回路23からは図9の2点鎖線で示すような特性のレーザパルス(電気信号a2)が出力される場合がある。一方、パルス出射とパルス出射の間に校正動作を行なえば、増幅回路23からは図9の実線で示すような特性のレーザパルス(電気信号a2)が出力されることとなる。
【0051】
また、本実施の形態では、積分信号算出装置20とレーザ加工制御装置10を別々の校正としたが、レーザ加工制御装置10が積分信号算出装置20を有する構成としてもよい。
【0052】
また、本実施の形態では、電気信号a2を積分した積分信号a3(積分電圧d)を用いてオフセット電圧b1を算出する場合について説明したが、電気信号a2を用いてオフセット電圧b1を算出してもよい。また、電気信号a2を用いて実エネルギー量を算出してもよい。
【0053】
なお、本実施の形態では、レーザ加工制御装置10がレーザ発振器1が出射するレーザ光のパルス数を制御する場合について説明したが、レーザ加工制御装置10はレーザ発振器1が出射するレーザ光のエネルギーパワーを制御してもよい。
【0054】
このように実施の形態1によれば、増幅回路23からはオフセット電圧b1に応じた正確な電気信号a2が出力されるので、被加工物7に照射されるレーザ光のレーザパワーを正確に測定することが可能となる。
【0055】
また、XYテーブル8が移動している間に電気信号a2の校正動作を行なうので、電気信号a2の校正動作がレーザ加工処理を遅延させることはない。また、XYテーブル8が移動する度に電気信号a2の校正動作を行なうので、高頻度に電気信号a2の校正を行なうことが可能となる。また、レーザ光2のパルス出射間毎に電気信号a2の校正動作を行なうので、正確な電気信号a2の校正を行なうことが可能となる。
【0056】
実施の形態2.
つぎに、図10〜図12を参照してこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、レーザ加工制御装置10がソフトウェア上の演算によって、積分信号a3を正しい積分信号(温度ドリフトを考慮した積分信号)に補正し、補正した積分信号(後述の積分信号a4)を用いてレーザパルス光の実エネルギー量を算出する。
【0057】
図10は、実施の形態2に係る積分信号測定装置の構成を示す図である。図10の各構成要素のうち図2に示す実施の形態1の積分信号算出装置20と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0058】
積分信号算出装置20は、赤外線センサ22、積分回路24を含んで構成されている。本実施の形態の積分回路24は、赤外線センサ22に接続されており、赤外線センサ22から出力される電気信号a1を所定の時間(積分指令b3)で積分して積分信号a3を算出する。積分回路24は、積分指令b3に対応する時間で積分した電気信号a1を積分信号a3としてレーザ加工制御装置10に送る。
【0059】
つぎに、実施の形態2のレーザ加工制御装置10の構成について説明する。図11は、実施の形態2に係るレーザ加工制御装置の構成を示す機能ブロック図である。図11の各構成要素のうち図3に示す実施の形態1のレーザ加工制御装置10と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0060】
レーザ加工制御装置10は、積分信号入力部11、積分指令出力部14、レーザパルス出力指示部15、エネルギー量算出部16、オフセット量記憶部17、積分電圧算出部18、オフセット量算出部19を有している。
【0061】
本実施の形態のオフセット量算出部19は、積分信号a3を積分電圧dに変換するとともに、積分電圧dに基づいてオフセット量cを算出する。ここでのオフセット量cは、赤外線センサ22の温度ドリフトに起因する積分信号a3のずれ量(オフセット)を補正するための補正値である。オフセット量cは、積分回路24から次に入力されてくる積分信号a3の補正に用いられる。
【0062】
オフセット量記憶部17は、オフセット量算出部19が算出した最新のオフセット量cを記憶する。積分電圧算出部18は、積分回路24から次に入力されてくる積分信号a3を、オフセット量記憶部17が記憶している最新のオフセット量cを用いて補正する。積分電圧算出部18は、オフセット量cを用いて補正した積分信号を積分信号a4(図示せず)としてエネルギー量算出部16に送る。エネルギー量算出部16は、積分信号a4に基づいてレーザ光2のエネルギー量をパルス毎に算出する。
【0063】
つぎに、積分信号a4の算出処理手順について説明する。図12は、積分信号の算出処理手順を示すフローチャートである。図12に示す処理手順のうち、図6で説明した実施の形態1のレーザ加工装置101が行なう処理手順と同様の処理手順については、その説明を省略する。
【0064】
レーザ加工装置101は、レーザ加工を開始すると、レーザ発振器1からレーザ光2を出射する。レーザ発振器1から出射されたレーザ光2は、部分反射鏡31で一部だけ透過させられて赤外線センサ22に送られる。赤外線センサ22は、レーザ光2の光強度を電気信号a1(レーザパルス)に変換して積分回路24に送る。
【0065】
また、レーザ加工を開始すると、積分指令出力部14は、被加工物7にレーザ光が出射されているか否かを確認する(ステップS210)。被加工物7にレーザ光が出射されていれば(ステップS210、Yes)、積分指令出力部14は、積分指令b3を出力することなく処理を終了する。被加工物7にレーザ光が出射されていなければ(ステップS210、No)、積分指令出力部14は、例えば100μsec間の積分指令b3を積分回路24へ出力する。積分回路24は、積分指令b3が立ち上がっている時間だけ各レーザパルス(電気信号a1)を積分して積分信号a3を算出する(ステップS220)。そして、積分回路24は、積分信号a3をレーザ加工制御装置10に送る。この積分信号a3は、積分信号入力部11を介してオフセット量算出部19と積分電圧算出部18に送られる。
【0066】
オフセット量算出部19は、積分信号a3を積分電圧dに変換する。オフセット量算出部19は、積分電圧dが設定範囲内であるか否かを判断する、具体的には、オフセット量算出部19は、|積分電圧d|≦合格閾値であるか否かを判断する(ステップS230)。
【0067】
|積分電圧d|≦合格閾値である場合(ステップS230、Yes)、オフセット量算出部19は、オフセット量cを算出することなく、処理を終了する。|積分電圧d|≦合格閾値でない場合(ステップS230、No)、オフセット量算出部19は、積分電圧dに基づいてオフセット量cを算出する。
【0068】
オフセット量算出部19は、例えば積分電圧dの大きさをオフセット量cの大きさとする(積分電圧d=オフセット量c)。このとき、積分電圧dの符号とオフセット量cの符号を反転させておく(積分電圧d×(−1)をオフセット量cとする)。オフセット量記憶部17は、オフセット量算出部19が算出したオフセット量cを記憶しておく(ステップS240)。
【0069】
この後、被加工物7にレーザ光が出射されていなければ、積分指令出力部14は積分指令b3を積分回路24へ出力し、積分回路24は積分信号a3を算出してレーザ加工制御装置10に送る。
【0070】
この積分信号a3は、積分信号入力部11を介してオフセット量算出部19と積分電圧算出部18に送られる。積分電圧算出部18は、オフセット量記憶部17が記憶しておいた最新のオフセット量cを積分信号a3に加算して補正後の積分信号a4(赤外線センサ22の温度ドリフトに起因する積分信号a1,a3のずれ量を補正した積分信号a4)を算出する(ステップS250)。
【0071】
そして、積分電圧算出部18は、算出した積分電圧dをエネルギー量算出部16に送る。エネルギー量算出部16は、積分電圧dに基づいて、レーザ光2のエネルギー量をパルス毎に算出する。以下、レーザ加工制御装置10は、実施の形態1と同様の処理によってレーザ発振器1を制御する。
【0072】
また、オフセット量算出部19は、積分信号a3を積分電圧dに変換する。そして、オフセット量算出部19は、|積分電圧d|≦合格閾値でなければ、積分電圧dに基づいて新たなオフセット量cを算出する。オフセット量記憶部17は、オフセット量算出部19が算出した新たなオフセット量cを記憶しておく。
【0073】
この後、レーザ加工装置101は、ステップS210〜S250の処理を繰り返す。具体的には、被加工物7にレーザ光が出射されていなければ、積分指令出力部14はn(nは自然数)パルス目のパルス光に対応する積分指令b3を積分回路24へ出力し、積分回路24はnパルス目のパルス光の積分信号a3を算出してレーザ加工制御装置10に送る。
【0074】
オフセット量算出部19は、nパルス目のパルス光の積分信号a3を積分電圧dに変換する。そして、積分電圧算出部18は、(n−1)パルス目のパルス光を照射した際に算出したオフセット量c(最新のオフセット電気信号)をオフセット量記憶部17から抽出する。積分電圧算出部18は、抽出したオフセット量cを積分信号a3に加算することによって、nパルス目のパルス光の積分信号a4を算出する。
【0075】
なお、積分信号a4を算出するタイミングは、実施の形態1で説明した電気信号a2の校正動作を行なうタイミングと同じタイミングとする。すなわち、XYテーブル8が移動している間に積分信号a4を算出してもよいし、レーザ光2のパルス出射間毎に積分信号a4を算出してもよい。
【0076】
このように実施の形態2によれば、(n−1)パルス目のパルス光を照射した際に算出したオフセット量cをnパルス目のパルス光の積分信号a3に加算することによって、nパルス目のパルス光の積分信号a4を算出するので、被加工物7に照射されるレーザ光のレーザパワーを正確測定することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上のように、本発明に係るレーザ加工制御装置およびレーザ加工装置は、レーザ加工に用いるレーザパルス光の出射制御に適している。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る積分信号算出装置の構成を示す図である。
【図3】実施の形態1に係るレーザ加工制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】赤外線センサに温度ドリフトが発生していない場合の積分信号を説明するための図である。
【図5】赤外線センサに温度ドリフトが発生した場合の積分信号を説明するための図である。
【図6】オフセット電圧の算出処理手順を示すフローチャートである。
【図7】オフセット電圧の算出処理手順を説明するための図である。
【図8】パルス出射数の校正動作を行なうタイミングを説明するための図である。
【図9】パルス出射とパルス出射の間に校正動作を行なった場合のレーザパルスを説明するための図である。
【図10】実施の形態2に係る積分信号測定装置の構成を示す図である。
【図11】実施の形態2に係るレーザ加工制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図12】積分信号の算出処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
1 レーザ発振器
2 レーザ光
4 ミラー
5 fθレンズ
6X,6Y ガルバノスキャナ
7 被加工物
8 XYテーブル
10 レーザ加工制御装置
11 積分信号入力部
12 オフセット電圧算出部
13 オフセット電圧出力部
14 積分指令出力部
15 レーザパルス出力指示部
16 エネルギー量算出部
17 オフセット量記憶部
18 積分電圧算出部
19 オフセット量算出部
20 積分信号算出装置
22 赤外線センサ
23 増幅回路
24 積分回路
31 部分反射鏡
61X,61Y ガルバノミラー
101 レーザ加工装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ発振器からレーザ加工対象の被加工物に照射されるレーザパルス光を出射制御するレーザ加工制御装置において、
前記レーザパルス光のレーザパワーを測定するレーザパワー測定部と、
前記レーザパルス光が出射されていないタイミングで前記レーザパワー測定部が出力する出力値に基づいて、前記レーザパワー測定部が測定するレーザパワーのオフセット量を算出するオフセット量算出部と、
前記オフセット量算出部が算出したオフセット量を前記レーザパワー測定部に出力するオフセット量出力部と、
前記レーザパワー測定部が前記オフセット量を用いて測定したレーザパワーに基づいて、前記被加工物に照射されたレーザパルス光のエネルギー量の合計値をレーザ照射位置毎に算出するエネルギー量算出部と、
前記エネルギー量算出部が算出した合計値に基づいて、前記レーザ発振器が出射するレーザパルス光の出射制御を行なう制御部と、
を備えることを特徴とするレーザ加工制御装置。
【請求項2】
レーザ発振器からレーザ加工対象の被加工物に照射されるレーザパルス光を出射制御するレーザ加工制御装置において、
前記レーザパルス光のレーザパワーを測定するレーザパワー測定部と、
前記レーザパルス光が出射されていないタイミングで前記レーザパワー測定部が出力する出力値に基づいて、前記レーザパワー測定部が測定するレーザパワーのオフセット量を算出するオフセット量算出部と、
前記レーザパワー測定部が測定したレーザパワーと、前記オフセット量算出部が算出したオフセット量と、に基づいて、前記被加工物に照射されたレーザパルス光のエネルギー量の合計値をレーザ照射位置毎に算出するエネルギー量算出部と、
前記エネルギー量算出部が算出した合計値に基づいて、前記レーザ発振器が出射するレーザパルス光の出射制御を行なう制御部と、
を備えることを特徴とするレーザ加工制御装置。
【請求項3】
前記オフセット量算出部は、前記被加工物が所定の加工位置に移動させられている間に、前記レーザパワーのオフセット量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工制御装置。
【請求項4】
前記オフセット量算出部は、前記レーザパルス光のパルス出射間に前記レーザパワーのオフセット量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工制御装置。
【請求項5】
レーザ発振器から被加工物に照射されるレーザパルス光を出射制御して前記被加工物のレーザ加工を行なうレーザ加工装置において、
前記レーザパルス光を出射するレーザ発振器と、
前記レーザパルス光の出射制御を行なうレーザ加工制御装置と、
を有し、
前記レーザ加工制御装置は、
前記レーザパルス光のレーザパワーを測定するレーザパワー測定部と、
前記レーザパルス光が出射されていないタイミングで前記レーザパワー測定部が出力する出力値に基づいて、前記レーザパワー測定部が測定するレーザパワーのオフセット量を算出するオフセット量算出部と、
前記オフセット量算出部が算出したオフセット量を前記レーザパワー測定部に出力するオフセット量出力部と、
前記レーザパワー測定部が前記オフセット量を用いて測定したレーザパワーに基づいて、前記被加工物に照射されたレーザパルス光のエネルギー量の合計値をレーザ照射位置毎に算出するエネルギー量算出部と、
前記エネルギー量算出部が算出した合計値に基づいて、前記レーザ発振器が出射するレーザパルス光の出射制御を行なう制御部と、
を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項6】
レーザ発振器から被加工物に照射されるレーザパルス光を出射制御して前記被加工物のレーザ加工を行なうレーザ加工装置において、
前記レーザパルス光を出射するレーザ発振器と、
前記レーザパルス光の出射制御を行なうレーザ加工制御装置と、
を有し、
前記レーザ加工制御装置は、
前記レーザパルス光のレーザパワーを測定するレーザパワー測定部と、
前記レーザパルス光が出射されていないタイミングで前記レーザパワー測定部が出力する出力値に基づいて、前記レーザパワー測定部が測定するレーザパワーのオフセット量を算出するオフセット量算出部と、
前記レーザパワー測定部が測定したレーザパワーと、前記オフセット量算出部が算出したオフセット量と、に基づいて、前記被加工物に照射されたレーザパルス光のエネルギー量の合計値をレーザ照射位置毎に算出するエネルギー量算出部と、
前記エネルギー量算出部が算出した合計値に基づいて、前記レーザ発振器が出射するレーザパルス光の出射制御を行なう制御部と、
を備えることを特徴とするレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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