説明

レーザ加工装置

【課題】長尺方向の長さが1mを越える、照射強度が均一な線上ビームを照射することができ、効率的なパターニング加工を行なうことができる、レーザ加工装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源を含み、複数のレーザ光を出力するレーザ出力手段101と、複数のレーザ光をそれぞれ、長尺かつ長尺側発散光である長尺ビームに整形する光学系103,104と、長尺ビームをマスキングして所定の形状で透過させる複数のマスクスリット109と、レーザ光が照射される被照射物111の上面と平行な2次元方向に、マスクスリット109を移動させるマスクスリット移動手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーザ加工装置に関し、特に、被照射物に線状のパターニング加工を施すレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギ資源の枯渇の問題をはじめとする地球環境問題などから、クリーンなエネルギの開発が望まれている。特に太陽電池を用いた太陽光発電は、太陽光エネルギを直接電気エネルギに変換するものであり、処理すべき廃棄物などをほとんど排出しない。そのため、太陽光発電は環境保全型の次世代エネルギ源として注目を集め、開発および実用化が進んでいる。
【0003】
実用化されている種々の太陽電池の中でも半導体薄膜を用いた薄膜太陽電池は、バルク結晶系太陽電池と比較して省資源かつ省エネルギでの製造が可能であるため、低コスト化、量産化および大面積化に有利である。薄膜太陽電池の製造方法および薄膜太陽電池を開示した先行文献として、特許文献1がある。図12は、薄膜太陽電池の一例を示した断面模式図である。図12に示すように、薄膜太陽電池においては、ガラス基板などの透明絶縁基板1201の上面に短冊状の透明電極層1202が形成されている。プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより半導体膜であるシリコン薄膜が透明電極層1202の上面に順次積層され、p層、i層およびn層の半導体層からなる短冊状の光電変換層1203が形成されている。さらに、光電変換層1203の上面に裏面電極層1204が形成されて、太陽電池セルが構成されている。透明電極層1202は、光電変換層1203で埋められた第1分離溝1205によって分離されている。光電変換層1203および裏面電極層1204は、第2分離溝1206によって分離されている。レーザ光などによるパターニング加工によって光電変換層1203が除去されたコンタクトライン1207に埋められている電極層を介して、隣り合うセル同士が電気的に直列に接続されている。このような構成の薄膜太陽電池は、絶縁透光性基板によってその表面の保護を図ることができる。また、SnO2などを用いた耐プラズマ性透明導電膜が開発されて、プラズマCVD法によるアモルファスシリコン薄膜の製膜が可能となり、上記構成の薄膜太陽電池が現在の主流となっている。
【0004】
この薄膜太陽電池は、たとえば以下のように作製される。まず、透明絶縁基板1201の上面に透明電極層1202を形成する。次に、レーザスクライブ法によって透明電極層1202の一部を除去することにより分離して、第1分離溝1205を形成する。複数に分離された透明電極層1202の上面に、プラズマCVD法を用いて非晶質半導体であるアモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層を順次積層して光電変換層1203を形成する。次に、レーザスクライブ法によって光電変換層1203の一部を除去することにより分離して、コンタクトライン1207を形成する。そのコンタクトライン1207を埋めるように光電変換層1203の上面側に裏面電極層1204を形成する。その後、レーザスクライブ法によって光電変換層1203および裏面電極層1204を分離して第2分離溝1206を形成する。
【0005】
分離溝を形成する手段として用いられるレーザスクライブ法について説明する。図13は、従来の、スポット状のレーザ光1302を被照射物に照射して溝加工を施している状態を示した平面図である。図13に示すように、スポット状に集光したレーザ光1302を被照射物1301上の加工方向に一部重畳させながら走査することにより、被照射物の溝加工が行われる。このようなレーザスクライブ法は、たとえば、以下の条件により行なわれる。平均出力0.5〜1Wおよび周波数3kHzのYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザをスポット径50μm程度に集光させて、300〜600mm/s程度の走査速度でレーザ光を掃引することにより溝加工を施す。スポット状のレーザ光1302を用いて加工を行なう場合、スポット径は溝幅1303に応じて制限を受ける。走査速度はスポット径と周波数により決定されるため、スポット径が制限されることにより走査速度も制限される。また、レーザ照射位置を何回も改行する必要があるため、加工時間を要しスループットが低くなる。さらに、スポット状レーザ光1302の一部を重複させながら被照射物上を走査して溝加工を行なうため、熱履歴の違いにより溝部の特性が不均一になるという問題があった。
【0006】
上記の問題に対して、レーザ光を線状に整形して被照射物に照射することで、パターニング加工を行なう方法を開示した先行文献として、特許文献2がある。特許文献2に記載の加工方法では、レーザ光源として400nm以下の波長のパルスレーザ、たとえば、ArFエキシマレーザが用いられる。このパルスレーザ光を幅が50〜200μm程度、長さが100〜600mm程度で、断面形状が線状となるように整形する。線状に整形されたレーザ光を、マスクを透過させて被照射物に照射することにより、線状の溝加工が行なわれる。図14は、線状のレーザ光を用いて溝加工する方法を説明する概略図である。レーザ発振器1401から発振されたレーザ光は、光学系(ビームエキスパンダ)1402によって、図中の奥行き方向に長尺状の線状ビームに整形される。被照射物1403に対して、図中のX方向に線状ビームを照射しながら走査することにより、溝加工が行なわれる。スポット状レーザ光を用いて溝加工を行なう場合は、レーザ照射位置を二次元方向に走査する必要があるが、線状ビームを用いて溝加工を行なう場合は、一次元方向の走査のみにより溝加工を行なうことができるため、処理速度を向上させることができる。
【0007】
しかし実際には、一般的な円形や矩形状のレーザ光を光学系を用いて線状に整形する場合、光学系に制限があるため線状ビームの長尺方向の長さは数百mm程度にまでしかできない。そのため、長尺方向の長さが1メートルを越える線状ビームを得ることは困難であった。この問題に対し、長尺状に整形された複数のビームを互いに連結して線状ビームとする、レーザ光の合成方法を開示した先行文献として、特許文献3がある。特許文献3に記載のレーザ光の合成方法では、光源から照射されたレーザ光を、面内強度分布が均一な長尺状レーザに整形する。この長尺状レーザ光を互いに平行な平面上の同一方向に複数照射し、各々の光路上に設けられた反射鏡により反射させる。同一平面上の同一方向に、互いに長尺方向の一部を重複して被照射物側に反射させることによって、長尺状レーザ光を一本の線状ビームに連結する。図15は、長尺状レーザ光の合成方法を説明する模式図である。図15に示すように、長尺状レーザ光1501は、反射鏡1504によって反射される。長尺状レーザ光1502は、反射鏡1505によって反射される。長尺状レーザ光1503は、反射鏡1506によって反射される。反射された長尺状レーザ光1501〜1503は、被照射物1507上において一本の線状ビームとなる。長尺状レーザ光1501および1502に着目すると、反射鏡1504により反射された長尺状レーザ光1501と隣接する長尺状レーザ光1502とが重複する部分は、反射鏡1505によって遮光される。この結果、長尺状レーザ光1501および1502は、切れ目および重複が生じることなく、同一平面で長尺方向に互いに連結される。
【特許文献1】特開2006−332453号公報
【特許文献2】特公平6−52727号公報
【特許文献3】特許第3286537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3に記載されたレーザ光の合成方法においては、隣接するレーザ光の重複する部分を反射鏡により遮光して排除している。この場合、レーザ光の回折が生じるため、レーザ光の継ぎ目部分近傍における照射強度分布が一様にならず、均質な溝加工を行なうことができない。また、反射鏡の保持に使用されるミラーホルダなどの構造体が反射鏡の周囲に配置されるため、レーザ光の継ぎ目に隙間が生じる可能性もある。さらに、隣り合う長尺状レーザ光の照射位置が長尺方向に対して垂直方向にずれる場合があり、この場合、反射鏡の角度を調整することにより被照射物上における照射位置の補正を行なう。そのため、被照射物に対してレーザ光が斜光照射されることになり、レーザ光の焦点がずれて、照射位置の微調整をすることが困難となる。この問題は、照射されるレーザ光が平行光でない場合には、より顕著になる。
【0009】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、長尺方向の長さが1mを越える、照射強度が均一な線上ビームを照射することができ、効率的なパターニング加工を行なうことができる、レーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るレーザ加工装置は、レーザ光源を含み、複数のレーザ光を出力するレーザ出力手段と、複数のレーザ光をそれぞれ、長尺かつ長尺側発散光である長尺ビームに整形する光学系と、長尺ビームをマスキングして所定の形状で透過させる複数のマスクスリットと、レーザ光が照射される被照射物の上面と平行な2次元方向に、マスクスリットを移動させるマスクスリット移動手段とを備える。マスクスリットはそれぞれ、各レーザ光の発散経路中において、隣り合うマスクスリット同士が長手方向を揃えて互いに間隔を隔てて配置され、マスクスリット移動手段によりマスクスリットを移動させることによって、被照射物上の長尺ビームの位置が調整され、隣り合う長尺ビームが互いに一部を重複して連結されることにより、均一な照射強度を有する線上ビームが被照射物に照射される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、複数のレーザ光をそれぞれ移動機構を備えたマスクスリットを介して被照射物に照射することにより、複数の長尺ビームを二次元的に調整しながら連結して、照射強度が均一で直線性の高い線状ビーム得ることができる。その線状ビームを被照射物に照射しながら走査することにより効率的にパターニング加工を行なうことができるレーザ加工装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に基づいた実施の形態におけるレーザ加工装置ついて、図を参照しながら説明する。
【0013】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る、レーザ加工装置の構成を示した図であり、(A)は模式図、(B)は斜視図である。本実施の形態では、図1に示すように、レーザ光源を備えたレーザ発振器101から発振されるレーザ光は、レーザ光制御手段102により照射タイミングを制御されている。発振されたレーザ光は、第1光学系103に入射して、複数のレーザ光に分岐される。本実施の形態においては、レーザ光を4本に分岐しているが、分岐する本数はこれに限られない。第1光学系103は、ビームスプリッタを備え、分岐された4本のレーザ光の照射出力が等しくなるように配置されている。4本に分岐されたレーザ光はそれぞれ、第2光学系104に入射し、長尺状の長尺ビームに整形されるとともに、長尺側発散光、かつ、長尺側と垂直方向の短軸側は収束光に整形される。
【0014】
第2光学系104は、ビームエキスパンダ105、ホモジナイザ106およびシリンドリカル光学系107,108から構成されている。ビームエキスパンダ105は、ホモジナイザ106に適合するビームサイズにビーム径を調整するために設置されている。ホモジナイザ106は、レーザ光の強度分布を均一にするとともに、レーザ光の断面形状を四角形に整形する。シリンドリカル光学系107,108は、レーザ光の断面形状が長尺形状になるように整形し、凹レンズおよび集光レンズを含む。ホモジナイザ106は、平行光を出力するものが好ましく、たとえば、フジトク製DFシリーズ、HMシリーズなどから適切なものを選択して用いることができる。それぞれのレーザ光路には適宜、折り返しミラーを配置することも可能であり、配置した場合にはレーザ光を折り返すことができる。折り返しミラーの配置箇所と数量に制限はなく、レーザ照射装置の光学設計や機構設計に応じて、適宜配置することが可能である。
【0015】
第2光学系104により長尺状の発散光に整形されたレーザ光は、マスクスリット109を介して、ステージ110上に載置された被照射物111に照射されて加工が施される。マスクスリット109はそれぞれ、各レーザ光の発散経路中において、隣り合うマスクスリット同士が長手方向を揃えて互いに間隔を隔てて配置されている。これらのマスクスリット109は移動手段を有し、図示しない外部制御コントローラにより動作制御される。マスクスリット109を被照射物111の上面と平行な2次元方向に移動させることにより、レーザ光の照射位置を調整することができる。
【0016】
以下、複数の長尺ビームを連結する方法および照射位置の調整方法を詳説する。図2は、レーザ光がマスクスリットを介して被照射物に照射される状態を示した模式図である。図2に示すように、図示しない第2光学系により長尺側発散光に整形されたレーザ光は、移動機構を有するマスクスリット203,204を介して、被照射物205上に照射される。図3は、レーザ光の被照射物上の長尺方向における照射強度の分布を示した図である。図3に示すように、レーザ光の長尺方向における最大照射強度は第2光学系104により、均一に調整されている。長尺ビームは、マスクスリット203,204によりマスキングされて、所定の形状で透過して被照射物205上に照射される。被照射物上でのレーザ光の照射強度の分布は、マスクスリット203,204を透過したことによる回折の影響を受けるため、完全な矩形ではなく、端部がなだらかに逓減するプロファイルとなる。均一な照射強度を有する線状ビームを合成するためには、それぞれの長尺ビームの位置調整を行なうことにより、適宜適切に隣り合う長尺ビームの端部が重畳される必要がある。図4は、二つの長尺ビームの端部を適切に重畳した場合の、レーザ光の照射強度分布を示した図である。図4に示すように、隣り合う長尺ビームの端部を重畳することにより、連結された線状ビームの長尺方向の区間401において、均一なプロファイルを得ることが可能となる。この調整を、第2光学系により整形した長尺ビームの全てに行なうことにより、必要な長さの線状ビームが得られる。
【0017】
図5は、マスクスリットにより長尺ビームの照射位置を調整する方法を説明する模式図である。図5(A)は、位置調整を行なう前の長尺ビーム501,502の被照射物505面上における照射位置の一例を示した模式図である。図5(A)に示すように、レーザ光の長尺方向をX方向、長尺方向に対して垂直方向をY方向とすると、長尺ビーム501,502は、互いにX,Y方向の両方ともずれが発生している。このような状態の長尺ビームを互いに連結するためには、それぞれの照射位置を調整する必要がある。図5(B)は、マスクスリットの位置調整を示した模式図である。図5(B)に示すように、マスクスリット503を+X方向および+Y方向に移動させることにより、被照射物505上でのレーザ光の照射位置を微調整する。マスクスリット503は、微動ステージと、図示しない外部制御コントローラとにより移動制御され、長尺ビーム501,502が互いに連結されて所定の形状および照射強度分布となるように調整される。図5(C)は、位置調整を行なった後の長尺ビーム501,502の被照射物505面上における照射位置を示した模式図である。図5(C)に示すように、長尺ビーム501,502を互いに一部を重複させて、長尺方向に連結させることにより線状ビームが合成される。
【0018】
このときの被照射物505上における、長尺方向の照射強度分布は前述の図4に示したように、連結された区間401内で均一となる。この照射強度分布の均一性は、照射強度の平均値±10〜15%のレンジに調整することが望ましい。照射強度分布をこの範囲内に調整することにより、パターニング加工に必要なエネルギの閾値を超えていて、かつ、加工領域の下方に存在する基板などに熱ダメージを与えることのない、照射強度のレーザ光で加工を行なうことができる。実際に照射強度を計測する方法として、たとえば、パワーメータを用いて、区間401内における照射強度の分布を計測する方法がある。
【0019】
本実施の形態においては、一つのマスクスリットを移動させて、照射位置の調整を行なう例を示したが、複数のマスクスリットを移動させて、長尺ビームの連結を行なう際には、移動させるマスクスリットを適宜選択して、照射位置調整を行なう。マスクスリットは長尺方向に発散するレーザ光の経路中に配置されるため、隣り合うマスクスリット同士の間隔を十分に確保することができる。そのため、マスクスリットを移動させる際に、マスクスリット同士が干渉することなく自由に調整することができる。よって、照射強度が均一な線状ビームを容易に得ることが可能となる。仮に、長尺ビームが平行光であった場合は、隣り合うマスクスリット同士が干渉してしまうため、マスクスリットを配置することができない。上述のように、各レーザ光の発散経路中にマスクスリットを配置し、そのマスクスリットの位置を二次元的に移動させて調整することにより、被照射物上に照射される長尺ビームを一部が重複するように連結した線状ビームを合成することができる。このように線状ビームを合成することにより、従来のビーム連結方法のように、折り返しミラーの角度調整を行なう必要がないため、照射強度の均一性および直線性の優れた線状ビームが得られる。
【0020】
実施の形態2
図6は、本発明の実施の形態2に係る、レーザ加工装置の構成を示した模式図である。本実施の形態では、図6に示すように、4つのレーザ発振器601〜604から発振されたそれぞれのレーザ光の発散経路中にマスクスリット606を配置している。そのマスクスリット606の位置を二次元的に移動させて調整することにより、被照射物上に照射される長尺ビームを一部が重複するように連結した線状ビームを合成することができる。レーザ光を長尺状かつ発散光に整形する光学系605、および、マスクスリット606の構成は、実施形態1と同様であるため説明は省略する。また、マスクスリット606を移動させて、長尺ビームの照射位置を調整する方法についても実施形態1と同様であるため、説明を省略する。本実施の形態では、レーザ発振器を4つ配置したが、レーザ発振器の数は複数であればよい。
【0021】
本実施形態においても実施形態1と同様に、複数の長尺ビームの照射位置を調整しながら連結することにより、照射強度の均一な線上ビームを得ることが可能となる。また、マスクスリットをそれぞれ、長尺方向に発散するレーザ光路中に配置することによって、隣り合うマスクスリット同士の間隔を十分に確保することができる。そのため、マスクスリットを移動する際に、マスクスリット同士が干渉することなく自由に調整することができる。合成される線上ビームの長さが長い場合には、このように複数のレーザ光源を用いてもよい。
【0022】
実施の形態3
図7は、本発明の実施の形態3に係る、レーザ加工装置の構成を示した模式図である。本実施の形態では、図7に示すように、ステージ711は、ステージ動作を制御することができるコントローラ712が備えられている。その他の構成については、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。本実施形態においても実施形態1と同様に、複数の長尺ビームの照射位置を調整しながら連結することにより、照射強度の均一な線上ビームを得ることが可能となる。また、マスクスリットをそれぞれ、長尺方向に発散するレーザ光路中に配置することによって、隣り合うマスクスリット同士の間隔を十分に確保することができる。そのため、マスクスリットを移動する際に、マスクスリット同士が干渉することなく自由に調整することができる。また、マスクスリット709を移動させて、長尺ビームの照射位置を調整する方法についても実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0023】
被照射物710は、ステージ711上に載置されている。コントローラ712は、たとえば、マスクスリット709の長手方向に対して直角方向に、線上ビームの照射が適切な速度で走査するようにステージ711を移動させる。線状ビームに対するステージ711の相対的な移動速度は、最大で2000mm/s程度である。また、ステージ711を固定して、照射される線状レーザが被照射物710上を走査することによって、相対的な照射位置が移動する構成にしてもよい。
【0024】
図8は、本実施の形態に係る、レーザ加工装置の構成の概略を示した斜視図である。図8に示すように、本実施の形態に係るレーザ加工装置は、レーザ発振器が801、第1光学系802、第2光学系803およびマスクスリット804を備えている。さらに、被照射物805上にレーザ光を照射するために、レーザ光の光路中に折り返しミラー806,807が配置されている。
【0025】
被照射物として薄膜太陽電池の半導体層に溝加工を行なう場合には、たとえば、加工溝の幅が20μm程度、加工溝のピッチが15mm程度の加工を行なう必要がある。また、マスクスリット804の長手方向における被照射物805の長さは、基板の大型化が進んでいる実情を鑑みて、たとえば、1000mm程度である。レーザ発振器801から照射されたレーザ光は、折り返しミラー806により折り返されて第1光学系802に入射する。レーザ光は、第1光学系802によって4つに分岐されて第2光学系に入射する。第2光学系803により、長尺状の発散光に整形されたレーザ光は、マスクスリット804を介して被照射物805上に照射される。長尺状に整形されたそれぞれのビームは、被照射物805上において長尺方向の長さが略250mm、長尺方向に対して垂直方向の長さが略20μmとなるように調整されている。これらの4本の長尺ビームを連結することによって、基板サイズに相当する略1000mmの長さの線状ビームが合成される。
【0026】
本実施の形態においては、レーザ発振器801として、ランプ励起型の固体レーザであるYAGレーザにおいてSHG(Second-Harmonic Generation)が発生したものを用いた。レーザ光の発振周波数は10Hz、出力は1.4J/pulseとした。たとえば、Spectra−Physics社製のPRO−350−10−532をレーザ発振器801に用いてもよい。被照射物805を載置したステージが、たとえば、100mm/sの速度で移動することにより、線状ビームが被照射物805上を走査する。
【0027】
図9は、本実施の形態に係る、レーザ加工装置を用いて作製した薄膜太陽電池の構造を示した断面図である。図9(A)に示すように、被照射物901は、たとえば、ガラス基板902上に、ITO(酸化インジウムスズ)またはSnO2などから構成される透明電極層903が形成されている。透明電極層903は、短冊状にパターニング加工されている。プラズマCVD法などにより、下方から順に、水素化アモルファスシリコン系半導体などで構成されるp層904、ノンドープの水素化アモルファスシリコン系半導体などで構成されるi層905、および、水素化アモルファスシリコン系半導体などから構成されるn層906が形成されている。これらのp層904、i層905およびn層906の半導体層から光電変換層が構成される。半導体層は、微結晶シリコンまたはその他の半導体材料から形成されてもよく、タンデム化されていてもよい。
【0028】
図9(B),(C)に示すように、被照射物901上に線状ビームが照射されることにより、光電変換層1103となる半導体層に溝加工が施され、コンタクトライン1007が形成される。この結果、光電変換層1103となる半導体層が分離される。次に、裏面電極層907が光電変換層1103の上方からコンタクトライン1007を埋めるように形成される。この状態の被照射物に線状ビームを照射することにより、光電変換層1103および裏面電極層907に溝加工が施されて分離されることにより、薄膜太陽電池が作製される。
【0029】
図10は、本実施の形態に係る、レーザ加工装置を用いたパターニング加工の一例を示した模式図である。レーザ光源としてパルスレーザ光源を用い、マスクスリットを透過した複数の長尺ビームを長手方向に直線上に並べることにより形成される線状ビームを用いて溝加工が行なわれる。レーザ光の照射条件および加工条件において、パルスレーザの出力をW(W)、パルスエネルギをJ(J/pulse)、周波数をf(Hz)、加工溝のピッチをL(mm)、加工溝幅をa(mm)、加工溝の長さをb(mm)とする。単位面積当たりの被照射物を加工するのに必要なパルスエネルギ密度をJdm(J/mm2)とする。また、ステージおよび被照射物とレーザ光との相対的移動速度をv(mm/s)、レーザ発振器の定格出力をWMAXとすると、次式が成り立つ。
J≧Jdm×(a×b) (1−1)式
v=L×f (1−2)式
W=J×f≦WMAX (1−3)式
また、安全率(定数)をα(≧1)、単位時間当たりの面積加工速度をvsと(mm2/s)定義すると、上記の式は次のように表される。
J=α×Jdm×(a×b) (1−4)式
s=b×v=1/αJdm×L/a×W=1/αJdm×L/a×(J×f) (1−5)式
【0030】
レーザ加工の効率を上げてスループットを高めるためには、vsを大きくする必要がある。レーザ発振器の定格出力WMAXを所与とすれば、(1−5)式に示すように、Wを大きくすれば、vsを大きくすることができる。そのため(1−3)式に示すように、W=WMAX=J×fを満たす照射条件に設定することが考えられる。しかし、加工条件によって、パルスエネルギJと周波数fに制限が設けられる。
【0031】
以下、図10に示すように、被照射物上を線状ビームが相対的に、長手方向に対して垂直方向に移動速度vで走査して溝加工を行なった場合について説明する。たとえば、加工溝のピッチLが10mmの場合、(1−2)式に示したように以下の関係が成り立つ。
v=10×f (1−6)式
ここで、ステージおよび被照射物とレーザ光との相対的移動速度vは、その重量などの影響により、2000mm/s程度が限界である。そのため、(1−6)式から、200Hzより高い周波数ではレーザ加工を行なうことができないことになる。一方、大きな被照射物を加工する場合には、加工溝の長さbを大きくする必要があるため、(1−1)式より、パルスエネルギJは可能な限り大きいことが望ましい。そのため、(1−3)式より、一定の出力Wに対して、比較的低い周波数で、高パルスエネルギのレーザ光を用いることが好ましい。
【0032】
ステージおよび被照射物とパルスレーザ光との相対的移動速度vの上限をvMAXとすると、(1−2)式において以下の制限が設けられる。
v=L×f≦vMAX (1−7)式
MAX=2000mm/sであるため、周波数fは、
f=vMAX/L=2000/L (1)式
を満たす必要がある。
また、レーザ加工に必要なパルスエネルギ密度Jdmは、5.0×10-3J/cm2以上必要であるため、パルスエネルギJは、
J≧5.0×10-3×(a×b) (2)式
を満たす必要がある。
【0033】
以上の(1)式および(2)式を満たすレーザ照射条件により、周波数fを低く設定して、高パルスエネルギのレーザ光を用いることにより、定格出力WMAXを最大限に活かした効率的な加工を行なうことができる。図10に示したように、加工幅aに対して加工溝のピッチLが大きいパターニング加工を行なう場合は、周波数を低く、加工溝長さを長くすることができるため、上記(1),(2)式を満たすレーザ照射条件がより適している。このような加工を行う場合のレーザ光源として、低周波数、かつ、高パルスエネルギであるランプ励起型の固体パルスレーザが適している。また、ランプ励起型の固体レーザは、レーザダイオード励起型の固体レーザなどと比較して廉価であるため経済的にも優れている。なお、被照射物としては、様々なものに適用することができ、薄膜太陽電池の半導体層、透明導電膜層および金属層のいずれにも線状の加工を施すことが可能である。上記のように、本実施の形態に係るレーザ加工装置を用いて、被照射物にレーザ加工を施すことにより薄膜太陽電池素子を製造することができる。
【0034】
実際に薄膜太陽電池を製造する場合、被照射物に施すパターニング条件は、たとえば、複数の加工溝のピッチLがL≧5(mm)、加工溝幅aがa≦0.1(mm)、加工溝の長さbがb≦3000(mm)である。この場合、上記(1),(2)式を満たすレーザ照射条件として、周波数fがf≦400(Hz)、かつ、パルスエネルギJがJ≧1.5(J/pulse)のレーザ光を用いてパターニング加工を行なう。このように加工を行なうことで、エネルギ的および時間的に効率的なパターニング加工を行なうことが可能となる。
【0035】
実施の形態4
図11は、本発明の実施の形態4に係る、レーザ加工装置の構成を示した斜視図である。本実施形態に係るレーザ加工装置においては、図11に示すように、一つのレーザ発振器1001から発振されたレーザ光が、光学系1002によって長尺状に整形されて、被照射物1003に照射される。光学系1002の構成は、実施形態1と同様にしてもよい。実施形態3と同様に、長尺状ビームをその長手方向に対して垂直方向に、被照射物の上面を相対的に走査させることによって、被照射物にパターニング加工を施す。このように加工を施すことにより、効率的なレーザ加工を行なうことが可能となる。本実施形態においては、一つの長尺ビームにより溝加工を行なうため、マスクスリットによる照射位置の調整が不要となり、装置の簡易化が図れる。
【0036】
実施形態3と同様に、薄膜太陽電池のパターニング加工を行なう場合においては、(1),(2)式を満たす、低周波数、かつ、高パルスエネルギのレーザ光源を用いるとよい。このような加工を行う場合のレーザ光源として、低周波数、かつ、高パルスエネルギであるランプ励起型の固体パルスレーザが適している。また、ランプ励起型の固体レーザは、レーザダイオード励起型の固体レーザなどと比較して廉価であるため経済的にも優れている。なお、被照射物としては、様々なものに適用することができ、薄膜太陽電池の半導体層、透明導電膜層および金属層のいずれにも線状の加工を施すことが可能である。本実施の形態に係る、レーザ加工装置を用いて、被照射物にレーザ加工を施すことにより薄膜太陽電池素子を製造することができる。
【0037】
実際に薄膜太陽電池を製造する場合、被照射物に施すパターニング条件は、たとえば、複数の加工溝のピッチLがL≧5(mm)、加工溝幅aがa≦0.1(mm)、加工溝の長さbがb≦3000(mm)である。この場合、上記(1),(2)式を満たすレーザ照射条件として、周波数fがf≦400(Hz)、かつ、パルスエネルギJがJ≧1.5(J/pulse)のレーザ光を用いてパターニング加工を行なう。このように加工を行なうことで、エネルギ的および時間的に効率的なパターニング加工を行なうことが可能となる。
【0038】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態1に係る、レーザ加工装置の構成を示した図であり、(A)は模式図、(B)は斜視図である。
【図2】レーザ光がマスクスリットを介して被照射物に照射される状態を示した模式図である。
【図3】レーザ光の被照射物上の長尺方向における照射強度の分布を示した図である。
【図4】二つの長尺ビームの端部を適切に重畳した場合の、レーザ光の照射強度分布を示した図である。
【図5】(A)は、位置調整を行なう前の長尺ビームの被照射物上における照射位置の一例を示した模式図、(B)は、マスクスリットの位置調整を示した模式図、(C)は、位置調整を行なった後の長尺ビームの被照射物上における照射位置を示した模式図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る、レーザ加工装置の構成を示した模式図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る、レーザ加工装置の構成を示した模式図である。
【図8】同実施の形態に係る、レーザ加工装置の構成の概略を示した斜視図である。
【図9】同実施の形態に係る、レーザ加工装置を用いて作製した薄膜太陽電池の構造を示した断面図である。
【図10】同実施の形態に係る、レーザ加工装置を用いたパターニング加工の一例を示した模式図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係る、レーザ加工装置の構成を示した斜視図である。
【図12】薄膜太陽電池の一例を示した断面模式図である。
【図13】従来の、スポット状のレーザ光を被照射物に照射して溝加工を施している状態を示した平面図である。
【図14】線状のレーザ光を用いて溝加工する方法を説明する概略図である。
【図15】長尺状レーザ光の合成方法を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0040】
101,601,602,603,604,701,801,1001,1301,1401 レーザ発振器、102,702 レーザ光制御手段、103,104,605,703,704,802,803,1002,1402 光学系、105,705 ビームエキスパンダ、106,706 ホモジナイザ、107,108,707,708 シリンドリカル光学系、109,203,204,503,504,709,804 マスクスリット、110,606,711 ステージ、111,205,505,710,805,901,1003,1301,1403,1507 被照射物、201,202,501,502 長尺ビーム、401 区間、712 コントローラ、806,807 折り返しミラー、902 ガラス基板、903,1202 透明電極層、904 p層、905 i層、906 n層、907,1204 裏面電極層、1103,1203 光電変換層、1201 透明絶縁基板、1005,1205 第1分離溝、1006,1206 第2分離溝、1007,1207 コンタクトライン、1302 スポット状レーザ光、1303 溝幅、1501,1502,1503 長尺状レーザ光、1504,1505,1506 反射鏡。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源を含み、複数のレーザ光を出力するレーザ出力手段と、
複数のレーザ光をそれぞれ、長尺かつ長尺側発散光である長尺ビームに整形する光学系と、
前記長尺ビームをマスキングして所定の形状で透過させる複数のマスクスリットと、
レーザ光が照射される被照射物の上面と平行な2次元方向に、前記マスクスリットを移動させるマスクスリット移動手段とを備え、
前記マスクスリットはそれぞれ、各レーザ光の発散経路中において、隣り合うマスクスリット同士が長手方向を揃えて互いに間隔を隔てて配置され、
前記マスクスリット移動手段により前記マスクスリットを移動させることによって、被照射物上の前記長尺ビームの位置が調整され、
隣り合う前記長尺ビームが互いに一部を重複して連結されることにより、均一な照射強度を有する線上ビームが被照射物に照射される、レーザ加工装置。
【請求項2】
前記レーザ出力手段は、一つの前記レーザ光源から発振されたレーザ光を、複数本に分岐することにより複数のレーザ光を出力する、請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記光学系が、
複数のレーザ光のそれぞれを均一の強度に整形するホモジナイザと、
複数のレーザ光のそれぞれを長尺かつ長尺側発散光である長尺ビームに整形する、凹レンズおよび集光レンズを含むシリンドリカル光学系と
を備える、請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記長手方向に対して垂直方向に被照射物の上面を、前記マスクスリットを透過した複数の前記長尺ビームを相対的に走査させる移動手段をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記レーザ光源として、パルスレーザ光源を用い、前記マスクスリットを透過した複数の前記長尺ビームを長手方向に直線上に並べることにより形成される線状ビームを、被照射物の上面の前記長手方向に対して垂直方向に相対的に走査して被照射物に照射することによって、被照射物上に前記線状ビームの照射位置に対応した溝加工を複数回行なうレーザ加工装置であって、
パルスレーザ光の出力をW(W)、パルスエネルギをJ(J/pulse)、周波数をf(Hz)、複数の加工溝のピッチをL(mm)、加工溝の幅をa(mm)、加工溝の長さをb(mm)とすると、
f≦2000/L (1)式
J≧5.0×10-3×(a×b) (2)式
前記(1)式および(2)式を満たすレーザ光を用いる、請求項4に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記加工溝のピッチLがL≧5(mm)、前記加工溝の幅aがa≦0.1(mm)、前期加工溝の長さbがb≦3000(mm)であって、
前記周波数fがf≦400(Hz)、かつ、前記パルスエネルギJがJ≧1.5(J/pulse)であるレーザ光を用いる、請求項5に記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
前記レーザ光源として、ランプ励起型の固体パルスレーザを用いる、請求項5または6に記載のレーザ加工装置。
【請求項8】
レーザ光源を含み、レーザ光を出力するレーザ出力手段と、
レーザ光を長尺状の長尺状ビームに整形する光学系と、
前記長尺状ビームの長手方向に対して垂直方向に被照射物の上面を、前記長尺状ビームを相対的に走査させる移動手段とを備え、
前記レーザ光源として、パルスレーザ光源を用い、前記長尺状ビームを被照射物の上面の前記長手方向に対して垂直方向に相対的に走査して被照射物に照射することによって、被照射物上に前記線状ビームの照射位置に対応した溝加工を複数回行なうレーザ加工装置であって、
パルスレーザ光の出力をW(W)、パルスエネルギをJ(J/pulse)、周波数をf(Hz)、複数の加工溝のピッチをL(mm)、加工溝の幅をa(mm)、加工溝の長さをb(mm)とすると、
f≦2000/L (1)式
J≧5.0×10-3×(a×b) (2)式
前記(1)式および(2)式を満たすレーザ光を用いるレーザ加工装置。
【請求項9】
前記加工溝のピッチLがL≧5(mm)、前記加工溝の幅aがa≦0.1(mm)、前期加工溝の長さbがb≦3000(mm)であって、
前記周波数fがf≦400(Hz)、かつ、前記パルスエネルギJがJ≧1.5(J/pulse)であるレーザ光を用いる、請求項8に記載のレーザ加工装置。
【請求項10】
前記レーザ光源として、ランプ励起型の固体パルスレーザを用いる、請求項8または9に記載のレーザ加工装置。
【請求項11】
薄膜太陽電池の半導体層、透明導電膜層および金属層のいずれかを被照射物として、線状の加工を施す際に用いられる、請求項5から10のいずれかに記載のレーザ加工装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載したレーザ加工装置を用いて、被照射物にレーザ加工を施すことにより薄膜太陽電池素子を製造する、レーザ加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−105012(P2010−105012A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278648(P2008−278648)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】