レーザ熱転写用マスク、及びこれを利用した有機電界発光表示装置の製造方法
【課題】ドナー基板への正確なレーザ照射が可能であるだけでなく、マスクによってレーザビームが反射されてレーザ発生器を損傷させることを防止する。
【解決手段】本発明は、透過領域を含む透明基板;前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱部を含み、前記散乱部は、前記反射膜パターンと対応する位置に形成されるマスク、及びこれを利用した有機電界発光表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、透過領域を含む透明基板;前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱部を含み、前記散乱部は、前記反射膜パターンと対応する位置に形成されるマスク、及びこれを利用した有機電界発光表示装置の製造方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ熱転写用マスク、及びこれを利用した有機電界発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、平板表示素子の有機電界発光素子は、アノード電極、カソード電極、及び前記アノード電極とカソード電極との間に介された複数の有機膜層を含む。前記有機膜層は少なくとも発光層を含み、前記発光層の以外にも正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層をさらに含むことができる。このような有機電界発光素子は前記有機膜層、特に、前記発光層をなす物質によって高分子有機電界発光素子と低分子有機電界発光素子に分けられる。
【0003】
このような有機電界発光素子において、フルカラー化を実現するためには前記発光層をパターニングしなければならず、前記発光層をパターニングするための方法として、低分子有機電界発光素子の場合、シャドーマスク(shadow mask)を使用する方法があり、高分子有機電界発光素子の場合、インクジェットプリンティング(ink-jetprinting)またはレーザによる熱転写法(Laser Induced Thermal Imaging;以下、LITIという)がある。この中で、前記LITIは、前記有機膜層を微細にパターニングすることができ、大面積に使用でき、高解像度に有利であるという長所があるだけでなく、前記インクジェットプリンティングが湿式工程である反面、これは乾式工程であるという長所がある。
【0004】
図1は、LITIを利用した有機膜層パターンの形成方法を説明する断面図である。
【0005】
図1を参照すれば、有機膜層130が形成されたドナー基板120を所定の素子が形成された基板110上にラミネーション(lamination)する。前記有機膜層130が形成された前記ドナー基板120の所定領域にレーザビーム150を照射すると、前記レーザビームが前記ドナー基板120の光−熱変換層に吸収されて熱エネルギーに変換され、前記熱エネルギーによって転写層をなす有機膜層130が前記基板110上に転写されながら有機膜層パターンが形成される。この時、前記有機膜層130は熱エネルギーによって前記ドナー基板120から離れ、有機膜層130内の結合が切れながら前記基板110上に転写される。前記有機膜層130内の結合を切るのに必要なエネルギーは、前記有機膜層130を前記ドナー基板120から分離して転写させるのに必要なエネルギーより高いエネルギーが必要である。点線部分が有機膜層130内の結合が切れる部分を示す。
【0006】
図2Aは、従来のレーザ照射装置を利用した有機電界発光素子の製造方法を説明する概略図である。
【0007】
図2Aを参照すれば、所定の素子が形成された基板110上に有機膜層130が形成されたドナー基板120がラミネーションされている。前記レーザ照射装置200は、レーザ発生器240、パターニングされているマスク260、及びプロジェクションレンズ270を含む。前記レーザ発生器240から前記ドナー基板120の所定領域にレーザビーム250を照射する。この時、レーザ発生器240から照射された前記レーザビーム250は、パターニングされているマスク260を通過し、前記通過したレーザビーム250はプロジェクションレンズ270によって屈折して、前記ドナー基板120上に照射される。前記マスク260にパターニングされていない部分では前記レーザビーム250が遮断される。
【0008】
前記レーザビーム250によって、ドナー基板120上の前記有機膜層130は前記基板110上に転写される。前記転写工程の後に、前記形成された有機膜層パターン上にカソード電極を形成して有機電界発光素子を完成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図2Bは、従来のレーザ照射装置の問題点を説明するための断面図である。図2Bを参照すれば、従来のレーザ照射装置は、上述のように、マスク260のパターニングされている部分260aにレーザビームが通過250aして、前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写されるようになるが、マスクのパターニングされていない部分、つまり、レーザビームが遮断される部分では、マスクによって前記レーザビームが反射250bされてレーザ発生器240を損傷させるようになる。
【0010】
つまり、上述したマスクは金属材質からなっていて、マスクにパターニングされない部分ではレーザビームを完全に遮断し、パターニングされた部分だけでレーザを照射することができるので、ドナー基板への正確なレーザ照射が可能であるという長所があるが、マスクによってレーザビームが反射されてレーザ発生器を損傷させるという問題点がある。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、マスクによってレーザビームが反射されてレーザ発生器を損傷させることを防止できるレーザ熱転写用マスク、及びこれを利用した有機電界発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、透過領域を含む透明基板;前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱(scattering)部を含み、前記散乱部は前記反射膜パターンと対応する位置に形成されるマスクが提供される。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ドナー基板上に転写層を形成する段階;基板上に第1電極を形成する段階;前記ドナー基板と前記基板をアラインする段階;前記ドナー基板にマスクを使用してレーザを照射する段階;及び前記第1電極上に転写層を転写する段階を含み、前記マスクは、透過領域を含む透明基板;前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱部を含み、前記散乱部は前記反射膜パターンと対応する位置に形成されることを特徴とする有機電界発光表示装置の製造方法が提供される。
【0014】
ここで、前記散乱部は前記透明基板の前面に位置するようにしてもよい。
【0015】
さらに、前記散乱部は前記透明基板の後面に位置し、前記反射膜パターンは前記散乱部上に形成されるようにしてもよい。
【0016】
さらに、前記散乱部は、前記透明基板の前面に位置する第1散乱部;及び前記透明基板の後面に位置する第2散乱部を含み、前記反射膜パターンは前記第2散乱部上に形成されるようにしてもよい。
【0017】
さらに、前記散乱部は粗い形状または凹凸形状を含むようにしてもよい。
【0018】
さらに、前記反射膜パターンは金属物質からなるようにしてもよい。
【0019】
さらに、前記散乱部は、前記透過領域より透過率が低い低透過率領域であるようにしてもよい。
【0020】
さらに、前記透明基板の前面は、レーザ発生器が位置する面の透明基板側であり、前記透明基板の後面は、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ドナー基板への正確なレーザ照射が可能であるだけでなく、マスクによってレーザビームが反射されてレーザ発生器を損傷させることを防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】LITIを利用した有機膜層パターンの形成方法を説明する断面図である。
【図2A】従来のレーザ照射装置を利用した有機電界発光素子の製造方法を説明する概略図である。
【図2B】従来のレーザ照射装置の問題点を説明するための断面図である。
【図3A】本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【図3B】本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを利用したレーザビームの経路を説明するための断面図である。
【図4A】本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【図4B】本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを利用したレーザビームの経路を説明するための断面図である。
【図5】散乱部の有無によるレーザビームの強度を示すグラフである。
【図6】本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【図7A】本発明に係る有機電界発光表示装置を製造する工程を説明するための断面図である。
【図7B】本発明に係る有機電界発光表示装置を製造する工程を説明するための断面図である。
【図7C】本発明に係る有機電界発光表示装置を製造する工程を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、図面において、層及び領域の長さ、厚さなどは便宜のために誇張して表現する場合もある。
【0024】
図3Aは本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【0025】
図3Aを参照すれば、本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板300と、前記透明基板上の反射膜パターン310とを含み、また、前記透明基板300は粗い形状または凹凸形状を有する散乱部320を含む。前記透明基板300は光を透過させる石英のようなガラス基板とすることができ、前記反射膜パターン310は金属物質からなり、具体的にはAg、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びこれらの化合物からなる群より選択される少なくともいずれか一つの物質を、蒸発法、CVD、またはスパッタリング法を用いて形成することができる。なお、透明基板300の材料としては、石英の他に、B270(ドイツ国、SCHOTT社製)、光学用ガラス等を用いることができる。
【0026】
また、前記透明基板300は、レーザビームが通過して前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写できるように透過領域300aを含む。図面においては、前記透過領域330aが1つの領域と示されているが、これとは異なり、複数の領域で形成することもでき、この場合、ストライプ型、モザイク型、またはデルタ型の形態に形成することができる。
【0027】
この時、前記反射膜パターン310は、レーザ発生器340が位置する面と反対面の透明基板上に形成されており、前記透過領域300aを除いた透明基板の全面に形成されている。
【0028】
また、前記散乱部320は、レーザ発生器340が位置する面の透明基板上に形成されており、前記透過領域300aを除いた透明基板の全面に形成されている。この時、前記散乱部320は粗い形状または凹凸形状を含んでいて、前記透過領域300aより透過率の低い低透過率領域に該当する。このような散乱部320は、サンドブラスト(sand blasting)法やウェットエッチング(wet etching)法等により形成される。荒い形状や凹凸形状は、いずれも、尖った荒い表面を持つものである。少なくとも、散乱部320によってレーザビームが散乱される程度に、荒い形状や凹凸形状が形成される。これにより、レーザ発生器340(metal layer、blocking layer)への損傷が低減される。荒い形状は、凹凸に一定のパターンがなく、サンドブラスト法等により形成される。凹凸形状は、凹凸に一定のパターンを有するものであり、例えば、ピラミッド形状の凹凸パターンがアレイ状に形成されたものである。
【0029】
以下、本発明において、レーザ発生器が位置する面の透明基板側を「透明基板の前面」、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側を「透明基板の後面」と定義する。
【0030】
つまり、本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板300上にレーザビームが通過する透過領域300aと、前記透過領域300aを除いた透明基板の前面に位置する散乱部320と、前記透過領域300aを除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン310とを含んで形成されている。
【0031】
図3Bは、本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを利用したレーザビームの経路を説明するための断面図である。
【0032】
図3Bを参照すれば、上述のように、第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板300上にレーザビームが通過する透過領域300aと、前記透過領域300aを除いた透明基板の前面に位置する散乱部320と、前記透過領域300aを除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン310とを含んで形成されている。
【0033】
この時、レーザ発生器340からレーザビームが照射されると、前記透過領域300aにレーザビームが通過330aして、前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写されるようになる。
【0034】
一方、透過領域を除いた領域においては、まず、前記透過領域300aより透過率が低い低透過率領域である散乱部320を通過したレーザビームは、レーザビームの強度(intensity)が弱まり、以降、前記レーザビームは透明基板の後面に位置する反射膜パターン310によってさらに散乱部320側に反射される。
【0035】
この時、前記散乱部320は粗い形状または凹凸形状を含んでいて、レーザビームが不規則的な方向に前記散乱部320を通過するようになり、前記レーザビームは、一部はレーザ発生器がない領域に照射320bされ、一部はレーザ発生器がある領域に照射320cされる。
【0036】
つまり、反射膜パターンによって反射されたレーザビームは、レーザ発生器が位置する方向に不規則的に照射されるようになり、一部はレーザ発生器がない領域に照射され、このためにレーザ発生器がレーザビームによって損傷せず、また、一部はレーザ発生器がある領域に照射されるが、散乱部320を通過したレーザビームは強度が弱まったため、レーザ発生器に損傷を与えない。
【0037】
図5は、散乱部の有無によるレーザビームの強度を示すグラフである。
【0038】
図5を参照すれば、第1マスク500は透過領域550aと散乱部550bとを含んで構成されており、第2マスク600は散乱部600bを含んで構成されている。
【0039】
この時、前記第2マスクの散乱部600bは、第1マスクの散乱部550bと重畳している。
【0040】
つまり、Aは第1マスクの散乱部550bを通過したレーザビーム領域を示し、Bは第1マスクの透過領域550aを通過したレーザビーム領域を示し、Cは第1マスクの散乱部550bと第2マスクの散乱部600bとを通過したレーザビーム領域を示す。
【0041】
図5から分かるように、散乱部を通過せずに透過領域だけを通過したレーザビームの強度は、約90%に相当した。しかし、第1マスクの散乱部550bを通過したレーザビームの強度は、約30%程度に弱まっており、また、第1マスクの散乱部550bと第2マスクの散乱部600bとを通過したレーザビームの強度は、約10%程度に弱まった。
【0042】
つまり、散乱部を通過したレーザビームの場合、強度が弱まったことが分かり、したがって、本発明のように、散乱部320を通過した一部のレーザビームが、レーザ発生器がある領域に照射されても、強度が弱まったため、レーザ発生器に損傷を与えなくなる。
【0043】
図4Aは、本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【0044】
本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、後述することを除いては第1実施形態と同一である。
【0045】
図4Aを参照すれば、本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板400と、前記透明基板上の反射膜パターン410とを含み、また、前記透明基板400は粗い形状または凹凸形状を有する散乱部420を含む。
【0046】
また、前記透明基板400は、レーザビームが通過して、前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写できるように透過領域400aを含んでいる。
【0047】
この時、前記反射膜パターン410は、レーザ発生器440が位置する面と反対面の透明基板上に形成されており、前記透過領域400aを除いた透明基板の全面に形成されている。
【0048】
また、本発明の第2実施形態においては、第1実施形態とは異なり、前記散乱部420がレーザ発生器440が位置する面と反対面の透明基板上に形成されており、前記透過領域400aを除いた透明基板の全面に形成されている。この時、前記散乱部420は粗い形状または凹凸形状を含んでいて、前記透過領域400aより透過率の低い低透過率領域に該当する。
【0049】
以下、本発明において、レーザ発生器が位置する面の透明基板側を「透明基板の前面」、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側を「透明基板の後面」と定義する。
【0050】
つまり、本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板400上にレーザビームが通過する透過領域400aと、前記透過領域400aを除いた透明基板の後面に位置する散乱部420と、前記散乱部420上に位置する反射膜パターン410とを含んで形成されている。
【0051】
図4Bは、本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを利用したレーザビームの経路を説明するための断面図である。
【0052】
図4Bを参照すれば、上述のように、第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板400上にレーザビームが通過する透過領域400aと、前記透過領域400aを除いた透明基板の後面に位置する散乱部420と、前記散乱部420上に位置する反射膜パターン410とを含んで形成されている。
【0053】
この時、レーザ発生器440からレーザビームが照射されると、前記透過領域400aにレーザビームが通過430aして、前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写されるようになる。
【0054】
一方、透過領域を除いた領域においては、まず、前記透過領域400aより透過率が低い低透過率領域である散乱部420を通過したレーザビームは、レーザビームの強度が弱まり、以降、前記レーザビームは透明基板の後面に位置する反射膜パターン410によってさらに散乱部420側に反射されるようになる。
【0055】
この時、前記散乱部420は粗い形状または凹凸形状を含んでいて、レーザビームが不規則的な方向に前記散乱部420を通過するようになり、前記レーザビームは、一部はレーザ発生器がない領域に照射420bされ、一部はレーザ発生器がある領域に照射420cされる。
【0056】
つまり、反射膜パターンによって反射されたレーザビームは、レーザ発生器が位置する方向に不規則的に照射されるようになり、一部はレーザ発生器がない領域に照射されるようになるので、レーザ発生器がレーザビームによって損傷せず、また、一部はレーザ発生器がある領域に照射されるようになるが、散乱部420を通過したレーザビームは強度が弱まったため、レーザ発生器に損傷を与えない。
【0057】
図6は、本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【0058】
本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、後述することを除いては第1実施形態及び第2実施形態と同一である。
【0059】
図6を参照すれば、本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板600と、前記透明基板上の反射膜パターン610とを含み、また、前記透明基板600は粗い形状または凹凸形状を有する散乱部620を含む。
【0060】
また、前記反射膜パターン610は、レーザ発生器640が位置する面と反対面の透明基板上に形成されており、前記透過領域600aを除いた透明基板の全面に形成されている。
【0061】
この時、本発明の第1実施形態においては、前記散乱部が透明基板の前面にだけ形成されており、第2実施形態においては、前記散乱部が透明基板の後面にだけ形成されているが、第3実施形態において、前記散乱部は、透明基板の前面に第1散乱部620aが、透明基板の後面に第2散乱部620bが形成されている。
【0062】
つまり、本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板600上にレーザビームが通過する透過領域600aと、前記透過領域600aを除いた透明基板の前面に位置する第1散乱部620aと、前記透過領域600aを除いた透明基板の後面に位置する第2散乱部620bと、前記第2散乱部620b上に位置する反射膜パターン610とを含んで形成されている。
【0063】
したがって、本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、散乱部が前面、後面のいずれにも位置していて、散乱部を通過したレーザビームは、強度がさらに弱まったため、レーザ発生器に損傷を与えない。
【0064】
以上のように、本発明によるレーザ熱転写用マスクは、透明基板の後面に反射膜パターンを含むことによって、反射膜パターンが位置する領域ではレーザビームを完全に遮断すし、これによって従来の金属材質のマスクと同様にドナー基板への正確なレーザ照射が可能であるだけでなく、前記反射膜パターンと対応する領域の透明基板の前面または後面に散乱部を形成することによって、従来の金属材質のマスクの問題点である、マスクによってレーザビームが反射されてレーザ発生器を損傷させることを防止できる。
【0065】
図7A乃至図7Cは、本発明に係る有機電界発光表示装置を製造する工程を説明するための断面図である。
【0066】
図7Aに示したように、絶縁基板810が提供され、前記絶縁基板上に第1電極820をパターニングして形成する。
【0067】
ここで、前記第1電極820は、アノード電極であるか、またはカソード電極であり得る。前記第1電極820がアノードの場合、仕事関数が高い金属としてITOまたはIZOからなる透明電極とするか、Pt、Au、Ir、Cr、Mg、Ag、Ni、Al、及びこれらの合金からなる群より選択された反射電極とすることができる。また、前記第1電極820がカソードの場合、仕事関数が低い金属としてMg、Ca、Al、Ag、Ba、及びこれらの合金からなる群より選択され、薄い厚さを有する透明電極とするか、または厚い反射電極とすることができる。
【0068】
次に、R、G、B画素領域を定義する画素定義膜830を形成して、基板800を製造する。
【0069】
但し、図7Aは、有機電界発光素子の一つの副画素を示したものであるが、このような副画素が複数個に整列されてもよく、ここで、図示していないが、前記基板800は多数の薄膜トランジスタと絶縁膜を含むことができる。
【0070】
一方、基材層710上に光−熱変換層720及び転写層730を順次に積層してドナー基板700を製造する。ここで、前記転写層は有機物質を利用して、通常の湿式工程によって形成することができる。
【0071】
以降、前記基板800の画素領域とドナー基板の転写層とを互いに対向するようにアライン(align)した後、前記ドナー基板の基材層面の転写しようとする領域にレーザを照射する。
【0072】
前記レーザ照射はレーザ照射装置を用い、前記レーザ照射装置について図2Aを参照して説明すると、レーザ照射装置は、レーザ発生器、マスク、及びプロジェクションレンズを含んでいる。前記レーザ発生器から前記ドナー基板の所定領域にレーザビームを照射する。この時、レーザ発生器から照射された前記レーザビームは、パターニングされているマスクを通過し、前記通過したレーザビームはプロジェクションレンズによって屈折して、前記ドナー基板上に照射される。
【0073】
この時、上述のような本発明の第1実施形態乃至第3実施形態のマスクを使用し、ドナー基板上に照射されたレーザビームは、本発明に係るマスクの透過領域を通過したレーザビームに該当する。これに関しては上述したことを参照すればよく、よって具体的な説明は省略する。
【0074】
次に、図7Bを参照すれば、前記レーザビームが照射されたドナー基板700上の有機膜層730’が前記基板700上に転写され、以降、前記ドナー基板700を除去することによって有機膜パターン730’を形成することができる。
【0075】
以降、図7Cに示したように、前記有機膜パターンを含む基板上に第2電極840を形成する。ここで、第2電極はアノード電極であるが、またはカソード電極であり得る。
前記第2電極840がアノードである場合は、仕事関数が高い金属としてITOまたはIZOからなる透明電極とするか、またはPt、Au、Ir、Cr、Mg、Ag、Ni、Al、及びこれらの合金からなる反射電極とすることができる。
【0076】
前記第2電極840がカソードである場合は、仕事関数が低い導電性の金属としてMg、Ca、Al、Ag、及びこれらの合金からなる群より選択された一つの物質で、薄い厚さを有する透明電極、または厚い厚さを有する反射電極に形成される。
【0077】
その後、上部メタルカンのような封止材で密封することによって、有機電界発光表示装置を製造することができる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0079】
300、400 透明基板
310、410 反射膜パターン
320、420、550b、600b 散乱部
300a、400a、550a 透過領域
700 ドナー基板
710 基材層
720 光−熱変換層
730 転写層
730’有機膜層
810 絶縁基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ熱転写用マスク、及びこれを利用した有機電界発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、平板表示素子の有機電界発光素子は、アノード電極、カソード電極、及び前記アノード電極とカソード電極との間に介された複数の有機膜層を含む。前記有機膜層は少なくとも発光層を含み、前記発光層の以外にも正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層をさらに含むことができる。このような有機電界発光素子は前記有機膜層、特に、前記発光層をなす物質によって高分子有機電界発光素子と低分子有機電界発光素子に分けられる。
【0003】
このような有機電界発光素子において、フルカラー化を実現するためには前記発光層をパターニングしなければならず、前記発光層をパターニングするための方法として、低分子有機電界発光素子の場合、シャドーマスク(shadow mask)を使用する方法があり、高分子有機電界発光素子の場合、インクジェットプリンティング(ink-jetprinting)またはレーザによる熱転写法(Laser Induced Thermal Imaging;以下、LITIという)がある。この中で、前記LITIは、前記有機膜層を微細にパターニングすることができ、大面積に使用でき、高解像度に有利であるという長所があるだけでなく、前記インクジェットプリンティングが湿式工程である反面、これは乾式工程であるという長所がある。
【0004】
図1は、LITIを利用した有機膜層パターンの形成方法を説明する断面図である。
【0005】
図1を参照すれば、有機膜層130が形成されたドナー基板120を所定の素子が形成された基板110上にラミネーション(lamination)する。前記有機膜層130が形成された前記ドナー基板120の所定領域にレーザビーム150を照射すると、前記レーザビームが前記ドナー基板120の光−熱変換層に吸収されて熱エネルギーに変換され、前記熱エネルギーによって転写層をなす有機膜層130が前記基板110上に転写されながら有機膜層パターンが形成される。この時、前記有機膜層130は熱エネルギーによって前記ドナー基板120から離れ、有機膜層130内の結合が切れながら前記基板110上に転写される。前記有機膜層130内の結合を切るのに必要なエネルギーは、前記有機膜層130を前記ドナー基板120から分離して転写させるのに必要なエネルギーより高いエネルギーが必要である。点線部分が有機膜層130内の結合が切れる部分を示す。
【0006】
図2Aは、従来のレーザ照射装置を利用した有機電界発光素子の製造方法を説明する概略図である。
【0007】
図2Aを参照すれば、所定の素子が形成された基板110上に有機膜層130が形成されたドナー基板120がラミネーションされている。前記レーザ照射装置200は、レーザ発生器240、パターニングされているマスク260、及びプロジェクションレンズ270を含む。前記レーザ発生器240から前記ドナー基板120の所定領域にレーザビーム250を照射する。この時、レーザ発生器240から照射された前記レーザビーム250は、パターニングされているマスク260を通過し、前記通過したレーザビーム250はプロジェクションレンズ270によって屈折して、前記ドナー基板120上に照射される。前記マスク260にパターニングされていない部分では前記レーザビーム250が遮断される。
【0008】
前記レーザビーム250によって、ドナー基板120上の前記有機膜層130は前記基板110上に転写される。前記転写工程の後に、前記形成された有機膜層パターン上にカソード電極を形成して有機電界発光素子を完成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図2Bは、従来のレーザ照射装置の問題点を説明するための断面図である。図2Bを参照すれば、従来のレーザ照射装置は、上述のように、マスク260のパターニングされている部分260aにレーザビームが通過250aして、前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写されるようになるが、マスクのパターニングされていない部分、つまり、レーザビームが遮断される部分では、マスクによって前記レーザビームが反射250bされてレーザ発生器240を損傷させるようになる。
【0010】
つまり、上述したマスクは金属材質からなっていて、マスクにパターニングされない部分ではレーザビームを完全に遮断し、パターニングされた部分だけでレーザを照射することができるので、ドナー基板への正確なレーザ照射が可能であるという長所があるが、マスクによってレーザビームが反射されてレーザ発生器を損傷させるという問題点がある。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、マスクによってレーザビームが反射されてレーザ発生器を損傷させることを防止できるレーザ熱転写用マスク、及びこれを利用した有機電界発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、透過領域を含む透明基板;前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱(scattering)部を含み、前記散乱部は前記反射膜パターンと対応する位置に形成されるマスクが提供される。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ドナー基板上に転写層を形成する段階;基板上に第1電極を形成する段階;前記ドナー基板と前記基板をアラインする段階;前記ドナー基板にマスクを使用してレーザを照射する段階;及び前記第1電極上に転写層を転写する段階を含み、前記マスクは、透過領域を含む透明基板;前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱部を含み、前記散乱部は前記反射膜パターンと対応する位置に形成されることを特徴とする有機電界発光表示装置の製造方法が提供される。
【0014】
ここで、前記散乱部は前記透明基板の前面に位置するようにしてもよい。
【0015】
さらに、前記散乱部は前記透明基板の後面に位置し、前記反射膜パターンは前記散乱部上に形成されるようにしてもよい。
【0016】
さらに、前記散乱部は、前記透明基板の前面に位置する第1散乱部;及び前記透明基板の後面に位置する第2散乱部を含み、前記反射膜パターンは前記第2散乱部上に形成されるようにしてもよい。
【0017】
さらに、前記散乱部は粗い形状または凹凸形状を含むようにしてもよい。
【0018】
さらに、前記反射膜パターンは金属物質からなるようにしてもよい。
【0019】
さらに、前記散乱部は、前記透過領域より透過率が低い低透過率領域であるようにしてもよい。
【0020】
さらに、前記透明基板の前面は、レーザ発生器が位置する面の透明基板側であり、前記透明基板の後面は、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ドナー基板への正確なレーザ照射が可能であるだけでなく、マスクによってレーザビームが反射されてレーザ発生器を損傷させることを防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】LITIを利用した有機膜層パターンの形成方法を説明する断面図である。
【図2A】従来のレーザ照射装置を利用した有機電界発光素子の製造方法を説明する概略図である。
【図2B】従来のレーザ照射装置の問題点を説明するための断面図である。
【図3A】本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【図3B】本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを利用したレーザビームの経路を説明するための断面図である。
【図4A】本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【図4B】本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを利用したレーザビームの経路を説明するための断面図である。
【図5】散乱部の有無によるレーザビームの強度を示すグラフである。
【図6】本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【図7A】本発明に係る有機電界発光表示装置を製造する工程を説明するための断面図である。
【図7B】本発明に係る有機電界発光表示装置を製造する工程を説明するための断面図である。
【図7C】本発明に係る有機電界発光表示装置を製造する工程を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、図面において、層及び領域の長さ、厚さなどは便宜のために誇張して表現する場合もある。
【0024】
図3Aは本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【0025】
図3Aを参照すれば、本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板300と、前記透明基板上の反射膜パターン310とを含み、また、前記透明基板300は粗い形状または凹凸形状を有する散乱部320を含む。前記透明基板300は光を透過させる石英のようなガラス基板とすることができ、前記反射膜パターン310は金属物質からなり、具体的にはAg、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びこれらの化合物からなる群より選択される少なくともいずれか一つの物質を、蒸発法、CVD、またはスパッタリング法を用いて形成することができる。なお、透明基板300の材料としては、石英の他に、B270(ドイツ国、SCHOTT社製)、光学用ガラス等を用いることができる。
【0026】
また、前記透明基板300は、レーザビームが通過して前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写できるように透過領域300aを含む。図面においては、前記透過領域330aが1つの領域と示されているが、これとは異なり、複数の領域で形成することもでき、この場合、ストライプ型、モザイク型、またはデルタ型の形態に形成することができる。
【0027】
この時、前記反射膜パターン310は、レーザ発生器340が位置する面と反対面の透明基板上に形成されており、前記透過領域300aを除いた透明基板の全面に形成されている。
【0028】
また、前記散乱部320は、レーザ発生器340が位置する面の透明基板上に形成されており、前記透過領域300aを除いた透明基板の全面に形成されている。この時、前記散乱部320は粗い形状または凹凸形状を含んでいて、前記透過領域300aより透過率の低い低透過率領域に該当する。このような散乱部320は、サンドブラスト(sand blasting)法やウェットエッチング(wet etching)法等により形成される。荒い形状や凹凸形状は、いずれも、尖った荒い表面を持つものである。少なくとも、散乱部320によってレーザビームが散乱される程度に、荒い形状や凹凸形状が形成される。これにより、レーザ発生器340(metal layer、blocking layer)への損傷が低減される。荒い形状は、凹凸に一定のパターンがなく、サンドブラスト法等により形成される。凹凸形状は、凹凸に一定のパターンを有するものであり、例えば、ピラミッド形状の凹凸パターンがアレイ状に形成されたものである。
【0029】
以下、本発明において、レーザ発生器が位置する面の透明基板側を「透明基板の前面」、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側を「透明基板の後面」と定義する。
【0030】
つまり、本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板300上にレーザビームが通過する透過領域300aと、前記透過領域300aを除いた透明基板の前面に位置する散乱部320と、前記透過領域300aを除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン310とを含んで形成されている。
【0031】
図3Bは、本発明の第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを利用したレーザビームの経路を説明するための断面図である。
【0032】
図3Bを参照すれば、上述のように、第1実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板300上にレーザビームが通過する透過領域300aと、前記透過領域300aを除いた透明基板の前面に位置する散乱部320と、前記透過領域300aを除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン310とを含んで形成されている。
【0033】
この時、レーザ発生器340からレーザビームが照射されると、前記透過領域300aにレーザビームが通過330aして、前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写されるようになる。
【0034】
一方、透過領域を除いた領域においては、まず、前記透過領域300aより透過率が低い低透過率領域である散乱部320を通過したレーザビームは、レーザビームの強度(intensity)が弱まり、以降、前記レーザビームは透明基板の後面に位置する反射膜パターン310によってさらに散乱部320側に反射される。
【0035】
この時、前記散乱部320は粗い形状または凹凸形状を含んでいて、レーザビームが不規則的な方向に前記散乱部320を通過するようになり、前記レーザビームは、一部はレーザ発生器がない領域に照射320bされ、一部はレーザ発生器がある領域に照射320cされる。
【0036】
つまり、反射膜パターンによって反射されたレーザビームは、レーザ発生器が位置する方向に不規則的に照射されるようになり、一部はレーザ発生器がない領域に照射され、このためにレーザ発生器がレーザビームによって損傷せず、また、一部はレーザ発生器がある領域に照射されるが、散乱部320を通過したレーザビームは強度が弱まったため、レーザ発生器に損傷を与えない。
【0037】
図5は、散乱部の有無によるレーザビームの強度を示すグラフである。
【0038】
図5を参照すれば、第1マスク500は透過領域550aと散乱部550bとを含んで構成されており、第2マスク600は散乱部600bを含んで構成されている。
【0039】
この時、前記第2マスクの散乱部600bは、第1マスクの散乱部550bと重畳している。
【0040】
つまり、Aは第1マスクの散乱部550bを通過したレーザビーム領域を示し、Bは第1マスクの透過領域550aを通過したレーザビーム領域を示し、Cは第1マスクの散乱部550bと第2マスクの散乱部600bとを通過したレーザビーム領域を示す。
【0041】
図5から分かるように、散乱部を通過せずに透過領域だけを通過したレーザビームの強度は、約90%に相当した。しかし、第1マスクの散乱部550bを通過したレーザビームの強度は、約30%程度に弱まっており、また、第1マスクの散乱部550bと第2マスクの散乱部600bとを通過したレーザビームの強度は、約10%程度に弱まった。
【0042】
つまり、散乱部を通過したレーザビームの場合、強度が弱まったことが分かり、したがって、本発明のように、散乱部320を通過した一部のレーザビームが、レーザ発生器がある領域に照射されても、強度が弱まったため、レーザ発生器に損傷を与えなくなる。
【0043】
図4Aは、本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【0044】
本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、後述することを除いては第1実施形態と同一である。
【0045】
図4Aを参照すれば、本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板400と、前記透明基板上の反射膜パターン410とを含み、また、前記透明基板400は粗い形状または凹凸形状を有する散乱部420を含む。
【0046】
また、前記透明基板400は、レーザビームが通過して、前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写できるように透過領域400aを含んでいる。
【0047】
この時、前記反射膜パターン410は、レーザ発生器440が位置する面と反対面の透明基板上に形成されており、前記透過領域400aを除いた透明基板の全面に形成されている。
【0048】
また、本発明の第2実施形態においては、第1実施形態とは異なり、前記散乱部420がレーザ発生器440が位置する面と反対面の透明基板上に形成されており、前記透過領域400aを除いた透明基板の全面に形成されている。この時、前記散乱部420は粗い形状または凹凸形状を含んでいて、前記透過領域400aより透過率の低い低透過率領域に該当する。
【0049】
以下、本発明において、レーザ発生器が位置する面の透明基板側を「透明基板の前面」、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側を「透明基板の後面」と定義する。
【0050】
つまり、本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板400上にレーザビームが通過する透過領域400aと、前記透過領域400aを除いた透明基板の後面に位置する散乱部420と、前記散乱部420上に位置する反射膜パターン410とを含んで形成されている。
【0051】
図4Bは、本発明の第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを利用したレーザビームの経路を説明するための断面図である。
【0052】
図4Bを参照すれば、上述のように、第2実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板400上にレーザビームが通過する透過領域400aと、前記透過領域400aを除いた透明基板の後面に位置する散乱部420と、前記散乱部420上に位置する反射膜パターン410とを含んで形成されている。
【0053】
この時、レーザ発生器440からレーザビームが照射されると、前記透過領域400aにレーザビームが通過430aして、前記レーザビームによってドナー基板上の有機膜層が基板に転写されるようになる。
【0054】
一方、透過領域を除いた領域においては、まず、前記透過領域400aより透過率が低い低透過率領域である散乱部420を通過したレーザビームは、レーザビームの強度が弱まり、以降、前記レーザビームは透明基板の後面に位置する反射膜パターン410によってさらに散乱部420側に反射されるようになる。
【0055】
この時、前記散乱部420は粗い形状または凹凸形状を含んでいて、レーザビームが不規則的な方向に前記散乱部420を通過するようになり、前記レーザビームは、一部はレーザ発生器がない領域に照射420bされ、一部はレーザ発生器がある領域に照射420cされる。
【0056】
つまり、反射膜パターンによって反射されたレーザビームは、レーザ発生器が位置する方向に不規則的に照射されるようになり、一部はレーザ発生器がない領域に照射されるようになるので、レーザ発生器がレーザビームによって損傷せず、また、一部はレーザ発生器がある領域に照射されるようになるが、散乱部420を通過したレーザビームは強度が弱まったため、レーザ発生器に損傷を与えない。
【0057】
図6は、本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクを示す断面図である。
【0058】
本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、後述することを除いては第1実施形態及び第2実施形態と同一である。
【0059】
図6を参照すれば、本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板600と、前記透明基板上の反射膜パターン610とを含み、また、前記透明基板600は粗い形状または凹凸形状を有する散乱部620を含む。
【0060】
また、前記反射膜パターン610は、レーザ発生器640が位置する面と反対面の透明基板上に形成されており、前記透過領域600aを除いた透明基板の全面に形成されている。
【0061】
この時、本発明の第1実施形態においては、前記散乱部が透明基板の前面にだけ形成されており、第2実施形態においては、前記散乱部が透明基板の後面にだけ形成されているが、第3実施形態において、前記散乱部は、透明基板の前面に第1散乱部620aが、透明基板の後面に第2散乱部620bが形成されている。
【0062】
つまり、本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、透明基板600上にレーザビームが通過する透過領域600aと、前記透過領域600aを除いた透明基板の前面に位置する第1散乱部620aと、前記透過領域600aを除いた透明基板の後面に位置する第2散乱部620bと、前記第2散乱部620b上に位置する反射膜パターン610とを含んで形成されている。
【0063】
したがって、本発明の第3実施形態に係るレーザ熱転写用マスクは、散乱部が前面、後面のいずれにも位置していて、散乱部を通過したレーザビームは、強度がさらに弱まったため、レーザ発生器に損傷を与えない。
【0064】
以上のように、本発明によるレーザ熱転写用マスクは、透明基板の後面に反射膜パターンを含むことによって、反射膜パターンが位置する領域ではレーザビームを完全に遮断すし、これによって従来の金属材質のマスクと同様にドナー基板への正確なレーザ照射が可能であるだけでなく、前記反射膜パターンと対応する領域の透明基板の前面または後面に散乱部を形成することによって、従来の金属材質のマスクの問題点である、マスクによってレーザビームが反射されてレーザ発生器を損傷させることを防止できる。
【0065】
図7A乃至図7Cは、本発明に係る有機電界発光表示装置を製造する工程を説明するための断面図である。
【0066】
図7Aに示したように、絶縁基板810が提供され、前記絶縁基板上に第1電極820をパターニングして形成する。
【0067】
ここで、前記第1電極820は、アノード電極であるか、またはカソード電極であり得る。前記第1電極820がアノードの場合、仕事関数が高い金属としてITOまたはIZOからなる透明電極とするか、Pt、Au、Ir、Cr、Mg、Ag、Ni、Al、及びこれらの合金からなる群より選択された反射電極とすることができる。また、前記第1電極820がカソードの場合、仕事関数が低い金属としてMg、Ca、Al、Ag、Ba、及びこれらの合金からなる群より選択され、薄い厚さを有する透明電極とするか、または厚い反射電極とすることができる。
【0068】
次に、R、G、B画素領域を定義する画素定義膜830を形成して、基板800を製造する。
【0069】
但し、図7Aは、有機電界発光素子の一つの副画素を示したものであるが、このような副画素が複数個に整列されてもよく、ここで、図示していないが、前記基板800は多数の薄膜トランジスタと絶縁膜を含むことができる。
【0070】
一方、基材層710上に光−熱変換層720及び転写層730を順次に積層してドナー基板700を製造する。ここで、前記転写層は有機物質を利用して、通常の湿式工程によって形成することができる。
【0071】
以降、前記基板800の画素領域とドナー基板の転写層とを互いに対向するようにアライン(align)した後、前記ドナー基板の基材層面の転写しようとする領域にレーザを照射する。
【0072】
前記レーザ照射はレーザ照射装置を用い、前記レーザ照射装置について図2Aを参照して説明すると、レーザ照射装置は、レーザ発生器、マスク、及びプロジェクションレンズを含んでいる。前記レーザ発生器から前記ドナー基板の所定領域にレーザビームを照射する。この時、レーザ発生器から照射された前記レーザビームは、パターニングされているマスクを通過し、前記通過したレーザビームはプロジェクションレンズによって屈折して、前記ドナー基板上に照射される。
【0073】
この時、上述のような本発明の第1実施形態乃至第3実施形態のマスクを使用し、ドナー基板上に照射されたレーザビームは、本発明に係るマスクの透過領域を通過したレーザビームに該当する。これに関しては上述したことを参照すればよく、よって具体的な説明は省略する。
【0074】
次に、図7Bを参照すれば、前記レーザビームが照射されたドナー基板700上の有機膜層730’が前記基板700上に転写され、以降、前記ドナー基板700を除去することによって有機膜パターン730’を形成することができる。
【0075】
以降、図7Cに示したように、前記有機膜パターンを含む基板上に第2電極840を形成する。ここで、第2電極はアノード電極であるが、またはカソード電極であり得る。
前記第2電極840がアノードである場合は、仕事関数が高い金属としてITOまたはIZOからなる透明電極とするか、またはPt、Au、Ir、Cr、Mg、Ag、Ni、Al、及びこれらの合金からなる反射電極とすることができる。
【0076】
前記第2電極840がカソードである場合は、仕事関数が低い導電性の金属としてMg、Ca、Al、Ag、及びこれらの合金からなる群より選択された一つの物質で、薄い厚さを有する透明電極、または厚い厚さを有する反射電極に形成される。
【0077】
その後、上部メタルカンのような封止材で密封することによって、有機電界発光表示装置を製造することができる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0079】
300、400 透明基板
310、410 反射膜パターン
320、420、550b、600b 散乱部
300a、400a、550a 透過領域
700 ドナー基板
710 基材層
720 光−熱変換層
730 転写層
730’有機膜層
810 絶縁基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過領域を含む透明基板;
前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び
前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱(scattering)部を含み、
前記散乱部は前記反射膜パターンと対応する位置に形成することを特徴とする、マスク。
【請求項2】
前記散乱部は前記透明基板の前面に位置することを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記散乱部は前記透明基板の後面に位置し、
前記反射膜パターンは前記散乱部上に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項4】
前記散乱部は、前記透明基板の前面に位置する第1散乱部;及び
前記透明基板の後面に位置する第2散乱部を含み、
前記反射膜パターンは前記第2散乱部上に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項5】
前記散乱部は粗い形状または凹凸形状を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項6】
前記反射膜パターンは金属物質からなることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項7】
前記散乱部は、前記透過領域より透過率が低い低透過率領域であることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項8】
前記透明基板の前面は、レーザ発生器が位置する面の透明基板側であり、前記透明基板の後面は、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側であることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項9】
ドナー基板上に転写層を形成する段階;
基板上に第1電極を形成する段階;
前記ドナー基板と前記基板をアラインする段階;
前記ドナー基板にマスクを使用してレーザを照射する段階;及び
前記第1電極上に転写層を転写する段階を含み、
前記マスクは、透過領域を含む透明基板;前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱部を含み、前記散乱部は前記反射膜パターンと対応する位置に形成されることを特徴とする、有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記散乱部は前記透明基板の前面に位置することを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記散乱部は前記透明基板の後面に位置し、
前記反射膜パターンは前記散乱部上に形成されることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記散乱部は、前記透明基板の前面に位置する第1散乱部;及び前記透明基板の後面に位置する第2散乱部を含み、
前記反射膜パターンは前記第2散乱部上に形成されることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記散乱部は粗い形状または凹凸形状を含むことを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記反射膜パターンは金属物質からなることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記散乱部は、前記透過領域より透過率が低い低透過率領域であることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記透明基板の前面は、レーザ発生器が位置する面の透明基板側であり、前記透明基板の後面は、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側であることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項1】
透過領域を含む透明基板;
前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び
前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱(scattering)部を含み、
前記散乱部は前記反射膜パターンと対応する位置に形成することを特徴とする、マスク。
【請求項2】
前記散乱部は前記透明基板の前面に位置することを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記散乱部は前記透明基板の後面に位置し、
前記反射膜パターンは前記散乱部上に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項4】
前記散乱部は、前記透明基板の前面に位置する第1散乱部;及び
前記透明基板の後面に位置する第2散乱部を含み、
前記反射膜パターンは前記第2散乱部上に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項5】
前記散乱部は粗い形状または凹凸形状を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項6】
前記反射膜パターンは金属物質からなることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項7】
前記散乱部は、前記透過領域より透過率が低い低透過率領域であることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項8】
前記透明基板の前面は、レーザ発生器が位置する面の透明基板側であり、前記透明基板の後面は、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側であることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項9】
ドナー基板上に転写層を形成する段階;
基板上に第1電極を形成する段階;
前記ドナー基板と前記基板をアラインする段階;
前記ドナー基板にマスクを使用してレーザを照射する段階;及び
前記第1電極上に転写層を転写する段階を含み、
前記マスクは、透過領域を含む透明基板;前記透過領域を除いた透明基板の後面に位置する反射膜パターン;及び前記透明基板の前面及び後面のうちの少なくともいずれか一つの面に位置する散乱部を含み、前記散乱部は前記反射膜パターンと対応する位置に形成されることを特徴とする、有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記散乱部は前記透明基板の前面に位置することを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記散乱部は前記透明基板の後面に位置し、
前記反射膜パターンは前記散乱部上に形成されることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記散乱部は、前記透明基板の前面に位置する第1散乱部;及び前記透明基板の後面に位置する第2散乱部を含み、
前記反射膜パターンは前記第2散乱部上に形成されることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記散乱部は粗い形状または凹凸形状を含むことを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記反射膜パターンは金属物質からなることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記散乱部は、前記透過領域より透過率が低い低透過率領域であることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記透明基板の前面は、レーザ発生器が位置する面の透明基板側であり、前記透明基板の後面は、レーザ発生器が位置する面と反対面の透明基板側であることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【公開番号】特開2011−165647(P2011−165647A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227777(P2010−227777)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
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