説明

レーザ顕微鏡および観察方法

【課題】凹凸のある表面形状を有する試料に対しても、試料へのダメージや輝度の飽和を防止しつつ、試料の深い位置においても明るい蛍光画像を取得することができるレーザ顕微鏡を提供する。
【解決手段】レーザ光を出射するレーザ光源11と、レーザ光を標本Aに集光する対物レンズ15と、対物レンズ15の光軸に直交する方向にレーザ光を走査させるスキャナ14と、レーザ光の標本A内における集光位置の深さを調節するZコントローラ16と、標本Aからの蛍光を検出する検出器17と、レーザ光源11からのレーザ光の強度を調節するAOTF12と、これらを制御するコントロールユニット19とを備え、標本Aの断面画像を標本Aの表面から深さ方向に順次取得するとともに、過去に取得した標本Aの断面画像における蛍光の強度分布に基づいて、次に取得する標本Aの断面画像におけるレーザ光の強度分布を調節するレーザ顕微鏡1を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ顕微鏡および観察方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、多光子励起現象を利用して試料内部にレーザ光を集光させ、試料内部の蛍光画像を取得するレーザ顕微鏡が知られている。試料内部から発生する蛍光は、試料内を通過する過程において散乱されるため、試料の深い位置で発生した蛍光に基づく蛍光画像は、試料の浅い位置で発生した蛍光に基づく蛍光画像よりも暗くなるという問題がある。
【0003】
この問題に対して、従来、試料の深さ方向にレーザ光の強度を強く調節することで、試料の深い位置においても明るい蛍光画像を取得するレーザ顕微鏡が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−261769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているレーザ顕微鏡では、ある基準位置から試料の深さ方向に一定の割合でレーザ強度を変化させるため、試料の深さ方向の各スライス面に対して、それぞれ同一強度のレーザ光を照射することとなる。
【0006】
しかしながら、実際の試料は、平坦な表面形状ではなく、凹凸のある表面形状を有しているため、試料の深さ方向の各断面において、実際に照射されるレーザ光の強度は、試料の位置(深さ方向に直交する方向)によって異なることとなる。そのため、同一断面内においても、試料の厚い領域では散乱の影響が大きいために弱いレーザ光が照射される一方、試料の薄い領域では散乱の影響が小さいために強いレーザ光が照射される。このように、同一断面内において実際に照射されるレーザ光の強度が不均一となり、試料の位置によっては、不必要に強いレーザ光が照射されてしまい、試料にダメージを与えてしまったり、取得した画像の輝度が飽和してしまうことがあった。
【0007】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、凹凸のある表面形状を有する試料に対しても、試料へのダメージや輝度の飽和を防止しつつ、試料の深い位置においても明るい蛍光画像を取得することができるレーザ顕微鏡および観察方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様は、レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源から出射されたレーザ光を試料に集光する対物レンズと、該対物レンズの光軸に直交する方向にレーザ光を走査させる走査部と、該走査部により走査されるレーザ光の試料内における集光位置の深さを調節する集光深さ調節部と、前記試料内におけるレーザ光の集光位置から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部と、前記レーザ光源からのレーザ光の強度を調節するレーザ光強度調節部と、これらを制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記蛍光検出部により検出した蛍光から、試料の断面画像を試料の表面から深さ方向に順次取得するとともに、過去に取得した試料の断面画像における蛍光の強度分布に基づいて、次に取得する試料の断面画像におけるレーザ光の強度分布を調節するレーザ顕微鏡である。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、レーザ光源から出射されたレーザ光が、走査部により走査されるとともに、集光深さ調節部により試料内の深さ位置が調節されて、対物レンズにより、調節された試料内の集光位置に集光される。試料内の集光位置では、試料内の蛍光物質が励起されて蛍光が発せられ、試料内において発生した蛍光は、蛍光検出部により検出される。そして、走査部による走査位置と蛍光検出部により検出された蛍光の強度情報とに基づいて、試料の断面画像(蛍光画像)が取得される。
【0010】
この場合において、制御部により、試料の断面画像が試料の表面から深さ方向に順次取得されるとともに、レーザ光強度調節部により、過去に取得した試料の断面画像における蛍光の強度分布に基づいて、次に取得する試料の断面画像におけるレーザ光の強度分布が調節される。
【0011】
具体的には、例えば、過去に取得した試料の断面画像において、蛍光が検出された領域を「第1領域」、蛍光が検出されなかった領域を「第2領域」とした場合に、次に取得する試料の断面(過去よりも深い断面)において、「第1領域」および「第2領域」の両方で蛍光が検出されたとする。この場合、試料の表面からの距離は、「第1領域」の方が「第2領域」よりも大きいこととなる。この場合には、次に取得する試料の断面において、「第1領域」に照射するレーザ光の強度を、「第2領域」に照射するレーザ光の強度よりも大きくする。これにより、同一断面において、試料の厚さに基づく散乱等の影響を排除して、均一な明るさの蛍光画像を取得することができる。
【0012】
このようにすることで、試料の薄い領域に対して不必要に強いレーザ光が照射することを防止することができ、試料にダメージを与えてしまうことや、取得した画像の輝度を飽和させてしまうことを防止することができる。すなわち、本発明の第1の態様によれば、凹凸のある表面形状を有する試料に対しても、試料へのダメージや輝度の飽和を防止しつつ、試料の深い位置においても明るい蛍光画像を取得することができ、全ての集光位置において適正な蛍光観察を行うことができる。
【0013】
上記の態様において、前記レーザ光強度調節部により調節されたレーザ光の強度と、前記走査部によるレーザ光の走査位置および前記集光深さ調節部により調節されるレーザ光の集光位置とを対応付けて記憶するレーザ光強度記憶部を備えることとしてもよい。
このようにすることで、試料の深さ方向の各断面において、試料の表面からの距離に応じてレーザ光の強度が調節されたテーブル(レーザ光の集光位置とレーザ光の強度とが対応づけられたテーブル)を作成して、レーザ光強度記憶部に記憶することができる。そして、このテーブルに基づいて試料の各断面画像を取得することで、試料の厚さに基づく散乱等の影響を排除して、全ての集光位置において適正な蛍光観察を行うことができる。
【0014】
上記の態様において、前記制御部が、前記蛍光検出部により検出した蛍光の強度に基づいて、レーザ光の集光位置における試料の有無を判定することとしてもよい。
このようにすることで、蛍光検出部により検出した蛍光の強度が、所定の閾値以上の場合にその際のレーザ光の集光位置に試料が存在するものと判定し、所定の閾値未満の場合にその際のレーザ光の集光位置に試料が存在しないものと判定することができる。これにより、試料の存在する位置にのみレーザ光を集光させることができ、蛍光画像の取得に要する時間および処理を軽減することができる。
【0015】
上記の態様において、前記制御部が、同一断面においてレーザ光の強度を調節して前記試料に複数回レーザ光を照射し、前記蛍光検出部により検出した蛍光の強度の変動値に基づいて、レーザ光の集光位置における試料の有無を判定することとしてもよい。
このようにすることで、蛍光の強度が変動した領域を標本の存在する領域として判定することができる。これにより、試料の有無判定において蛍光の強度に関する閾値を設定する必要を排除することができ、標本Aの有無判定の精度を向上することができる。そして、標本Aの有る位置にのみレーザ光を集光させることで、蛍光画像の取得に要する時間および処理を軽減することができる。
【0016】
上記の態様において、前記レーザ光強度調節部が、前記蛍光検出部により検出した蛍光の強度が所定値以上の領域に対して、同一断面においてレーザ光の強度を低下させることとしてもよい。
このようにすることで、蛍光検出部により検出した蛍光の強度が所定値以上の領域(例えば輝度が飽和した領域)に対して、同一断面においてレーザ光の強度を低下させて、試料の各断面画像を取得することができる。これにより、各断面画像における輝度の飽和を防止することができ、全ての集光位置において適正な蛍光観察を行うことができる。
【0017】
上記の態様において、前記レーザ光源が、超短パルスレーザ光を出射する多光子励起用レーザ光源であることとしてもよい。
このようにすることで、各集光位置のみから発生した蛍光を容易に検出して鮮明な蛍光画像を取得することができる。
【0018】
本発明の第2の態様は、試料に集光させたレーザ光を、その集光位置を深さ方向に変化させつつ、深さ方向に交差する方向に走査させて、各深さ位置における試料の断面画像を取得する観察方法であって、レーザ光の集光位置から発生した蛍光から、試料の断面画像を試料の表面から深さ方向に順次取得するとともに、過去に取得した試料の断面画像における蛍光の強度分布に基づいて、次に取得する試料の断面画像におけるレーザ光の強度分布を調節し、蛍光の強度とレーザ光の集光位置とに基づいて試料の2次元的な蛍光画像を取得する観察方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、凹凸のある表面形状を有する試料に対しても、試料へのダメージや輝度の飽和を防止しつつ、試料の深い位置においても明るい蛍光画像を取得することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の各実施形態に係るレーザ顕微鏡を示す全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るレーザ顕微鏡におけるレーザ光の調節方法を説明する図である。
【図3】図2のレーザ顕微鏡により取得される標本の各断面画像を示す図である。
【図4】標本が球体形状である場合において、図1のレーザ顕微鏡により取得される標本の各断面画像を示す図である。
【図5】標本の形状が経時変化する場合において、図1のレーザ顕微鏡により取得される標本の各断面画像を示す図である。
【図6】第2の変形例に係るレーザ顕微鏡において、標本の有無についての判定方法を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るレーザ顕微鏡により取得される標本の各断面画像を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るレーザ顕微鏡におけるレーザ光の調節方法を説明する図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るレーザ顕微鏡におけるレーザ光の調節方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るレーザ顕微鏡1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1は、例えば、多光子励起現象を利用するレーザ顕微鏡であって、図1に示されるように、超短パルスレーザ光を出射するレーザ装置10と、超短パルスレーザ光を2次元的に走査させるスキャナ(走査部)14と、走査された超短パルスレーザ光を標本(試料)Aに集光させる一方、標本Aにおいて発生した蛍光を集める対物レンズ15と、対物レンズ15により集められた蛍光を超短パルスレーザ光から分岐するダイクロイックミラー13と、分岐された蛍光を検出する検出器(蛍光検出部)17とを備えている。
【0022】
また、本実施形態に係るレーザ顕微鏡1は、レーザ装置10(後述するAOTF12)、スキャナ14および検出器17を制御するコントロールユニット(制御部)19と、コントロールユニット19を介して各種の情報を記憶するメモリ(レーザ光強度記憶部)18と、コントロールユニット19により構築された多光子蛍光画像を表示するモニタ20とを備えている。また、対物レンズ15には、対物レンズ15を光軸方向に沿って移動させるZコントローラ(集光深さ調節部)16が備えられている。Zコントローラ16は、コントロールユニット19により制御されるようになっている。
【0023】
レーザ装置10は、超短パルスレーザ光を出射するレーザ光源11と、該レーザ光源11から出射された超短パルスレーザ光の強度を調節するAOTF(レーザ光強度調節部)12とを備えている。
【0024】
レーザ光源11は、所定の強度の超短パルスレーザ光(以降では「レーザ光」という。)を出射するようになっている。AOTF12は、例えば、音響光学素子により構成され、コントロールユニット19からの指令により、スキャナ14に入射させる超短パルスレーザ光の強度を調節するようになっている。
【0025】
コントロールユニット19は、各部を制御して、検出器17により検出された標本Aからの蛍光から標本Aの断面画像を生成するとともに、生成した断面画像をモニタ20に表示させるようになっている。また、コントロールユニット19は、標本Aの断面画像を標本Aの表面から深さ方向に順次取得し、これらの断面画像の蛍光分布に基づいてAOTF12を制御して、レーザ光の強度を調節するようになっている。
【0026】
具体的には、コントロールユニット19は、検出器17により検出した蛍光から、標本Aの断面画像を標本Aの表面から深さ方向に順次取得するとともに、過去に取得した標本Aの断面画像における蛍光の強度分布に基づいて、次に取得する標本Aの断面画像におけるレーザ光の強度分布を同一断面内で調節するように、AOTF12を制御する。
【0027】
上記のコントロールユニット19による具体的な制御について、図2(a)から図2(h)に示す具体例を参照して以下に説明する。
図2(a)から図2(h)に示すように、コントロールユニット19は、Zコントローラ16を制御して、標本Aの断面画像を標本Aの表面から深さ方向に順次取得する。具体的には、図2(h)に示すように、コントロールユニット19は、標本Aの表面に近い順、すなわち、第1面、第2面、第3面の順に標本Aの断面画像を取得する。
【0028】
まず、第1面の断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第1面の位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図2(b)に示すように、標本Aの全体に弱いレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図2(a)に示されている。図2(a)に示される画像において、標本Aの第1面における断面画像が蛍光画像31,32として表わされている。
【0029】
次に、第2面の断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第2面の位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図2(d)に示すように、標本Aの蛍光画像31,32に対応する領域に中程度の強度のレーザ光を照射するとともに、その他の領域に弱いレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図2(c)に示されている。図2(c)に示される画像において、標本Aの第2面における断面画像が蛍光画像33として表わされている。
【0030】
次に、第3面の断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第3面の位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図2(f)に示すように、標本Aの蛍光画像31,32に対応する領域に強いレーザ光を照射するとともに、標本Aの蛍光画像33に対応する領域に中程度の強度のレーザ光を照射し、その他の領域に弱いレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図2(e)に示されている。図2(e)に示される画像において、標本Aの第3面における断面画像が蛍光画像34として表わされている。
【0031】
上記のようにすることで、標本Aの第1面、第2面、第3面の各断面において、レーザ光の強度分布が調節された断面画像がそれぞれ取得される。これにより、標本Aの表面からの深さに応じて、レーザ光の強度分布が調節された標本Aの断面画像が複数取得される。具体的には、各断面において、標本Aの厚い部分は強く、標本Aの薄い部分は弱くレーザ光を照射する。これにより、標本Aが凹凸のある形状であったり、立体形状(例えば球体形状)である場合にも、各断面において一定輝度の蛍光画像が得られる。さらに、標本Aの薄い部分に過度に強度の高いレーザ光を照射することを防止することができ、標本Aへのダメージを抑えることができる。
【0032】
なお、上記の例において、Zスライスのステップ(第1面、第2面、第3面の間隔)を5umとした場合における、第3面までのデータから計算した標本Aの厚さの分布が図2(g)に示されている。図2(g)に示す例において、標本Aは、蛍光画像31,32に対応する領域の厚さが15um、蛍光画像33に対応する領域の厚さが10um、蛍光画像34に対応する領域の厚さが5umとして示されている。
【0033】
このように本実施形態に係るレーザ顕微鏡1は、標本Aが立体的であり、組織の全体を観察したい場合に好適である。具体的な標本Aとして、例えば、ES細胞、またはIPS細胞からの脳等、組織の発現段階、マウスの脳、ゼブラフィシュ等が想定される。
【0034】
上記のように標本Aの表面からの深さに応じたレーザ光の強度分布は、テーブルとしてメモリ18に格納される。具体的には、メモリ18は、各断面における、AOTF12により調節されたレーザ光の強度と、レーザ光の焦点位置とを対応付けて記憶する。すなわち、メモリ18は、AOTF12により調節されたレーザ光の強度と、スキャナ14によるレーザ光の走査位置およびZコントローラ16により調節されるレーザ光の集光位置とを対応付けて記憶する。
【0035】
上記構成を有する本実施形態に係るレーザ顕微鏡1を用いた観察方法について、以下に説明する。
大まかな流れとしては、まず、標本Aのテスト測定を実施し、標本Aの各断面にレーザ光を照射する。そして、このテスト測定において、前述のように、レーザ光の強度と標本Aの表面からの距離とが対応付けられたテーブルを作成し、該テーブルをメモリ18に記憶する。基本的にテーブルの作成方法は従来技術、特許文献1などに従うが、標本Aの各断面にレーザ光を照射し、断面画像を確認する際、各断面の明るさが適性となるように表面からの距離に対応するレーザ強度のテーブルのパラメータを調節する。この作業を繰り返し、表面からの距離に対応するレーザ強度の適切なテーブルを作成する。その後、テスト測定により作成されてメモリ18に記憶されたテーブルを用いて標本Aの本測定を実施する。
【0036】
上記の本測定の詳細について以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1を用いて標本Aの深さ方向に複数の蛍光画像を取得して行くには、まず、図3に示されるように、コントロールユニット19によりZコントローラ16を制御して、標本Aの断面画像を標本Aの表面から深さ方向、すなわち、断面Z1からZ5の順にその断面画像を順次取得する。そして、標本の断面Z1からZ5のそれぞれにおいて、レーザ光の強度分布が調節された標本Aの断面画像をそれぞれ取得する。
【0037】
具体的には、図2(a)から図2(h)に示す例において、図2(a)に示す標本Aの断面画像において、蛍光が検出された領域が符号31,32、蛍光が検出されなかった領域が符号36で示されている。この場合、標本Aの表面からの距離は、符号31,32で示す領域の方が、符号36で示す領域よりも大きいこととなる。
【0038】
この場合には、図2(c)に示す次に取得する標本Aの断面において、符号31,32で示す領域に照射するレーザ光の強度を、符号36で示す領域に照射するレーザ光の強度よりも大きくする。これにより、同一断面(図2(c)に示す断面画像)において、標本Aの厚さに基づく散乱等の影響を排除して、均一な明るさの蛍光画像を取得することができる。
【0039】
また、図2(c)に示す標本Aの断面画像において、蛍光が検出された領域が符号31,32,33、蛍光が検出されなかった領域が符号37で示されている。この場合、標本Aの表面からの距離は、符号31,32で示す領域の方が、符号33で示す領域よりも大きいこととなる。また、標本Aの表面からの距離は、符号33で示す領域の方が、符号37で示す領域よりも大きいこととなる。
【0040】
この場合には、図2(e)に示す次に取得する標本Aの断面において、符号31,32で示す領域に照射するレーザ光の強度を、符号33で示す領域に照射するレーザ光の強度よりも大きくする。また、符号33で示す領域に照射するレーザ光の強度を、符号37で示す領域に照射するレーザ光の強度よりも大きくする。これにより、同一断面(図2(e)に示す断面画像)において、標本Aの厚さに基づく散乱等の影響を排除して、均一な明るさの蛍光画像を取得することができる。
【0041】
本測定におけるレーザ強度は、標本Aの表面からの距離に基づき、テスト測定により作成されてメモリ18に記憶されたテーブルを用いて決定する。
【0042】
具体的には、本測定において、コントロールユニット19によりレーザ光の焦点位置(走査方向および深さ方向)に応じたレーザ光の強度がメモリ18から読み出される。そして、読み出されたレーザ光の強度となるようにAOTF12が制御され、強度の調節されたレーザ光が、所望とする観察位置(焦点位置)に照射される。
【0043】
以上のように、本実施形態に係るレーザ顕微鏡1によれば、コントロールユニット19により、標本Aの断面画像が標本Aの表面から深さ方向に順次取得されるとともに、AOTF12により、過去に取得した標本Aの断面画像における蛍光の強度分布に基づいて、次に取得する標本Aの断面画像におけるレーザ光の強度分布が同一断面内で調節される(図2(a)から図2(h)参照)。
【0044】
このようにすることで、標本Aの薄い領域に対して不必要に強いレーザ光が照射することを防止することができ、標本Aにダメージを与えてしまうことや、取得した画像の輝度を飽和させてしまうことを防止することができる。すなわち、本実施形態に係るレーザ顕微鏡1によれば、凹凸のある表面形状を有する標本Aに対しても、標本Aへのダメージや輝度の飽和を防止しつつ、標本Aの深い位置においても明るい蛍光画像を取得することができ、全ての集光位置において適正な蛍光観察を行うことができる。
【0045】
また、レーザ光の強度とレーザ光の集光位置とを対応付けて記憶するメモリ18を備えることで、標本Aの深さ方向の各断面において、標本Aの表面からの距離に応じてレーザ光の強度が調節されたテーブル(レーザ光の集光位置とレーザ光の強度とが対応づけられたテーブル)を作成して、メモリ18に記憶することができる。そして、このテーブルに基づいて標本Aの各断面画像を取得することで、標本Aの厚さに基づく散乱等の影響を排除して、全ての集光位置において適正な蛍光観察を行うことができる。
【0046】
また、本実施形態に係るレーザ顕微鏡1によれば、図4に示すように、球体形状を有する標本Aに対しても、標本Aの表面からの深さに応じてレーザ光の強度を調節し、各断面におけるレーザ光の強度分布を調節して各断面画像を取得することができる。これにより、標本Aへのダメージや輝度の飽和を防止しつつ、標本Aの深い位置においても明るい蛍光画像を取得することができ、全ての集光位置において適正な蛍光観察を行うことができる。
【0047】
また、本実施形態に係るレーザ顕微鏡1によれば、図5に示すように、その形状が経時的に変化(形状T1から形状T2に変化)する標本Aに対しても、それぞれの形状について標本Aの表面からの深さに応じてレーザ光の強度を調節し、各断面におけるレーザ光の強度分布を調節して各断面画像を取得することができる。これにより、その形状が経時的に変化する標本Aに対しても、標本Aへのダメージや輝度の飽和を防止しつつ、標本Aの深い位置においても明るい蛍光画像を取得することができ、全ての集光位置において適正な蛍光観察を行うことができる。
【0048】
[第1の変形例]
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1の第1の変形例として、コントロールユニット19が、検出器17により検出した蛍光の強度に基づいて、レーザ光の集光位置における標本Aの有無を判定することとしてもよい。
このようにすることで、検出器17により検出した蛍光の強度が、所定の閾値以上の場合にその際のレーザ光の集光位置に標本Aが存在するものと判定し、所定の閾値未満の場合にその際のレーザ光の集光位置に標本Aが存在しないものと判定することができる。これにより、標本Aが存在する位置にのみレーザ光を集光させることができ、蛍光画像の取得に要する時間および処理を軽減することができる。
【0049】
[第2の変形例]
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1の第2の変形例として、標本Aの各断面において、レーザ光の強度を変えて複数回標本Aからの蛍光強度を測定することとしてもよい。この場合において、図6に示すように、蛍光の変動量から、標本Aの有無を認識することができる。すなわち、レーザ光の強度を変えた場合に、蛍光の強度が変動した領域には、標本Aが存在すると判定することができる。一方、レーザ光の強度を変えた場合に、蛍光の強度が変動しない領域には、標本Aが存在しないと判定することができる。
【0050】
このように顕微鏡視野における標本Aの存在する領域を判定することで、標本Aの有無判定において所定の閾値を設定する必要を排除することができ、標本Aの有無についての判定精度を向上することができる。これにより、標本Aの有る位置にのみレーザ光を集光させることができ、蛍光画像の取得に要する時間および処理を軽減することができる。
【0051】
[第2の実施形態]
以下に、第2の実施形態に係るレーザ顕微鏡2について、図面を参照して説明する。以降では、本実施形態に係るレーザ顕微鏡について、第1の実施形態に係るレーザ顕微鏡1と共通する点については同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施形態に係るレーザ顕微鏡1と異なる点について主に説明する。
【0052】
本実施形態に係るレーザ顕微鏡2は、図7に示すように、その形状が立体的であり、さらに組織の一部が蛍光を発するような標本Aの観察に用いる。具体的な標本Aとして、例えば、マウスやラットの脳、網膜の神経細胞、膵臓のランゲルハンス島等の観察等が想定される。
【0053】
本実施形態に係るレーザ顕微鏡2において、コントロールユニット19は、各部を制御して、標本Aの断面画像を標本Aの表面から深さ方向に順次取得し、これらの断面画像の蛍光分布に基づいてAOTF12を制御して、レーザ光の強度を調節するようになっている。また、コントロールユニット19は、各断面画像を2値化して明るいエリアを切り出し、明るいエリアにおいてレーザ光の強度を弱く設定し、次の画面のレーザ光の強度調節に反映させる。
【0054】
上記のコントロールユニット19による具体的な制御について、図8に示す具体例を参照して以下に説明する。
図8に示すように、コントロールユニット19は、Zコントローラ16を制御して、標本Aの断面画像を標本Aの表面から深さ方向に順次取得する。具体的には、コントロールユニット19は、標本Aの表面に近い順(第1面、第2面、第3面の順)に標本Aの断面画像を取得する。
【0055】
まず、第1面の断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第1面の位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図8(b)に示すように、標本Aの全体に中程度の強度のレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図8(a)に示されている。図8(a)に示される画像において、標本Aの第1面における断面画像が蛍光画像41,42として表わされている。
【0056】
次に、第2面の断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第2面の位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図8(d)に示すように、標本Aの全体に中程度の強度のレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図8(c)に示されている。図8(c)に示される画像において、蛍光画像41は、輝度が飽和してしまっている。
【0057】
次に、第3面の断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第3面の位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図8(f)に示すように、標本Aの蛍光画像41に対応する領域に弱いレーザ光を照射するとともに、その他の領域に中程度の強度のレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図8(e)に示されている。このようにすることで、図8(e)に示される画像において、蛍光画像41における輝度の飽和を防止することができる。
【0058】
以上のように、本実施形態に係るレーザ顕微鏡2によれば、検出器17により検出した蛍光の強度が所定値以上の領域(例えば輝度が飽和した領域)に対して、同一断面内においてレーザ光の強度を低下させて、標本Aの各断面画像を取得することができる。これにより、各断面画像における輝度の飽和を防止することができ、全ての集光位置において適正な蛍光観察を行うことができる。
【0059】
[第3の実施形態]
以下に、第3の実施形態に係るレーザ顕微鏡3について、図面を参照して説明する。以降では、本実施形態に係るレーザ顕微鏡について、前述の実施形態に係るレーザ顕微鏡1,2と共通する点については同一の符号を付して説明を省略し、前述の実施形態に係るレーザ顕微鏡1,2と異なる点について主に説明する。
【0060】
本実施形態に係るレーザ顕微鏡3は、観察範囲が広範囲で、場所ごとに散乱状態が異なる標本Aの観察に用いる。具体的な標本Aとして、例えば、マウスの脳組織等が想定される。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡3は、標本Aを載置するとともに、対物レンズ15の光軸に直交する方向に移動可能なXYステージ(図示略)を有している。
【0061】
本実施形態に係るレーザ顕微鏡3において、コントロールユニット19は、各部を制御して、標本Aの断面画像を標本Aの表面から深さ方向に順次取得し、これらの断面画像の蛍光分布に基づいてAOTF12を制御して、レーザ光の強度を調節するようになっている。また、コントロールユニット19は、対物レンズ15の視野毎(XYステージの位置毎)に、レーザ光の焦点位置とレーザ光の強度とが対応付けられたテーブルを作成する。
【0062】
上記のコントロールユニット19による具体的な制御について、図9に示す具体例を参照して以下に説明する。
図9に示すように、コントロールユニット19は、Zコントローラ16を制御して、標本Aの断面画像を標本Aの表面から深さ方向に順次取得する。具体的には、コントロールユニット19は、標本Aの表面に近い順(第1面、第2面、第3面の順)に標本Aの断面画像を取得する。また、コントロールユニット19は、標本Aの各断面(第1面、第2面、第3面)のそれぞれにおいて、XYステージを移動し、異なる場所(ポジション1、ポジション2)の断面画像を取得する。
【0063】
まず、ポジション1における標本Aの断面画像を取得する。
第1面のポジション1における断面画像を取得する際には、Zコントローラ16およびXYステージを制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第1面のポジション1における位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させるとともに、XYステージを対物レンズ15の光軸に直交する方向に移動させる。この状態において、図9(b)に示すように、標本Aの全体に中程度の強度のレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図9(a)に示されている。図9(a)に示される画像において、標本Aの第1面における断面画像が蛍光画像41,42として表わされている。
【0064】
第2面のポジション1における断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第2面のポジション1における位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図9(d)に示すように、標本Aの全体に中程度の強度のレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図9(c)に示されている。図9(c)に示される画像において、蛍光画像41は、輝度が飽和してしまっている。
【0065】
第3面のポジション1における断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第3面のポジション1における位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図9(f)に示すように、標本Aの蛍光画像41に対応する領域に弱いレーザ光を照射するとともに、その他の領域に中程度の強度のレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図9(e)に示されている。このようにすることで、図9(e)に示される画像において、蛍光画像41における輝度の飽和を防止することができる。
【0066】
次に、ポジション2における標本Aの断面画像を取得する。
まず、第1面のポジション2における断面画像を取得する際には、Zコントローラ16およびXYステージを制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第1面のポジション2における位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させるとともに、XYステージを対物レンズ15の光軸に直交する方向に移動させる。この状態において、図9(h)に示すように、標本Aの全体に強いレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図9(g)に示されている。図9(g)に示される画像において、標本Aの第1面における断面画像が蛍光画像51,52として表わされている。
【0067】
次に、第2面のポジション2における断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第2面のポジション2における位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図9(j)に示すように、標本Aの全体に強いレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図9(i)に示されている。図9(i)に示される画像において、蛍光画像52は、輝度が飽和してしまっている。
【0068】
次に、第3面のポジション2における断面画像を取得する際には、Zコントローラ16を制御して、対物レンズ15の光軸方向の焦点位置が、標本Aの第3面のポジション2における位置となるように、対物レンズ15を光軸方向に移動させる。この状態において、図9(l)に示すように、標本Aの蛍光画像52に対応する領域に中程度の強度のレーザ光を照射するとともに、その他の領域に強いレーザ光を照射して標本Aの断面画像を取得する。この場合に取得された標本Aの断面画像が図9(k)に示されている。このようにすることで、図9(k)に示される画像において、蛍光画像52における輝度の飽和を防止することができる。
【0069】
以上のように、本実施形態に係るレーザ顕微鏡3によれば、標本Aの観察範囲が広い場合にも、XYステージを移動させて異なる場所(ポジション1、ポジション2)について、それぞれの輝度が飽和した領域に対してレーザ光の強度を低下させて、標本Aの各断面画像を取得することができる。これにより、標本Aの観察範囲全体について、各断面画像における輝度の飽和を防止することができ、全ての集光位置において適正な蛍光観察を行うことができる。
【0070】
以上、本発明の各実施形態および各変形例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記の実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよい。
【0071】
また、各実施形態において、多光子励起現象を利用する多光子励起型のレーザ顕微鏡を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、本発明を共焦点型のレーザ顕微鏡に適用してもよい。
【符号の説明】
【0072】
A 標本(試料)
1,2,3 レーザ顕微鏡
10 レーザ装置
11 レーザ光源
12 AOTF(レーザ光強度調節部)
13 ダイクロイックミラー
14 スキャナ(走査部)
15 対物レンズ
16 Zコントローラ(集光深さ調節部)
17 検出器(蛍光検出部)
18 メモリ(レーザ光強度記憶部)
19 コントロールユニット(制御部)
20 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ光源と、
該レーザ光源から出射されたレーザ光を試料に集光する対物レンズと、
該対物レンズの光軸に直交する方向にレーザ光を走査させる走査部と、
該走査部により走査されるレーザ光の試料内における集光位置の深さを調節する集光深さ調節部と、
前記試料内におけるレーザ光の集光位置から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部と、
前記レーザ光源からのレーザ光の強度を調節するレーザ光強度調節部と、
これらを制御する制御部とを備え、
前記制御部が、前記蛍光検出部により検出した蛍光から、試料の断面画像を試料の表面から深さ方向に順次取得するとともに、過去に取得した試料の断面画像における蛍光の強度分布に基づいて、次に取得する試料の断面画像におけるレーザ光の強度分布を調節するレーザ顕微鏡。
【請求項2】
前記レーザ光強度調節部により調節されたレーザ光の強度と、前記走査部によるレーザ光の走査位置および前記集光深さ調節部により調節されるレーザ光の集光位置とを対応付けて記憶するレーザ光強度記憶部を備える請求項1に記載のレーザ顕微鏡。
【請求項3】
前記制御部が、前記蛍光検出部により検出した蛍光の強度に基づいて、レーザ光の集光位置における試料の有無を判定する請求項1に記載のレーザ顕微鏡。
【請求項4】
前記制御部が、同一断面においてレーザ光の強度を調節して前記試料に複数回レーザ光を照射し、前記蛍光検出部により検出した蛍光の強度の変動値に基づいて、レーザ光の集光位置における試料の有無を判定する請求項1に記載のレーザ顕微鏡。
【請求項5】
前記レーザ光強度調節部が、前記蛍光検出部により検出した蛍光の強度が所定値以上の領域に対して、同一断面においてレーザ光の強度を低下させる請求項1に記載のレーザ顕微鏡。
【請求項6】
前記レーザ光源が、超短パルスレーザ光を出射する多光子励起用レーザ光源である請求項1に記載のレーザ顕微鏡。
【請求項7】
試料に集光させたレーザ光を、その集光位置を深さ方向に変化させつつ、深さ方向に交差する方向に走査させて、各深さ位置における試料の断面画像を取得する観察方法であって、
レーザ光の集光位置から発生した蛍光から、試料の断面画像を試料の表面から深さ方向に順次取得するとともに、過去に取得した試料の断面画像における蛍光の強度分布に基づいて、次に取得する試料の断面画像におけるレーザ光の強度分布を調節し、
蛍光の強度とレーザ光の集光位置とに基づいて試料の2次元的な蛍光画像を取得する観察方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−212133(P2012−212133A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−60325(P2012−60325)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】