説明

レースコース・データコンパイルシステム

少なくとも1つのゲートにより画定される予め定められた競走路を有するレースコースと複数台のレース車両との組合せ。このゲートは、さらに、一意的識別子を含んでいる。複数台のレース車両の各々が一意的識別子を検出できるセンサを有しセンサは、さらに、論理回路および送信機に接続されている。スコアボードは送信機から情報を受信する受信機を有し、ラップ速度およびランキング等の、その情報を所望のフォーマットに従って表示する。あるいは、一意的識別子はレース車両に搭載されセンサはゲートに搭載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願の相互参照)
本特許出願は2002年12月24日に出願された米国仮特許出願第60/436,351号に優先権を請求する。この仮特許出願の主題は参照としてここに組み入れられている。
(発明の背景)
1.発明の分野
本特許出願はレースコース・データをコンパイルして表示するシステムに関する。特に、本発明は予め定められた進路若しくは競走路に沿ってレースコースを画定する方法に関する。レース車両はこの競走路を縦走し、速度およびランキング等のレース車両に関する情報がスコアボードに伝えられて表示される。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
レースコース無線制御(R/C)車およびR/Cボート、トラックおよびモータサイクル等の他のレーシング車両が長年にわたって確実に普及してきているが、レースコースを画定しかつレースのラップをカウントする単純かつ低廉な方法は容易に入手できない。アスファルト上にコーンを置いたりチョークでコースを描くような単純な方法には、競争相手が容易にコーナを「カット」してコースをごまかせるという1つの明らかな欠点がある。
【0003】
より進んだホビースト(hobbyist)は一般的にトラックのサイドウォールを画定する木を使用してレースコースを作る。オフロードタイプ・トラック用コースに対しては、一般的に一部が土中に埋設されるプラスチックチュービングが典型的にレースコースの競走路を画定する。このようなレースコースの建設は時間を消費しかつ相当な努力および費用を必要とする。さらに、このようなコースは容易に持ち運びできない。
【0004】
ラツプ・カウンティング方法はR/C車に対してよく知られている。現在、多くの装置が入手可能ではあるが高価となることがある。
【0005】
マイクロ−リアリティ・レーシング(英国のマイクロリアリティ・エンタティンメントシステムとしても知られる)はレーストラックのフィニッシュラインの下にワイヤループを埋設する製品を販売している。各車には異なる周波数で送信する無線周波数エミッタが具備されている。ループはアンテナとして作用して各車から信号を受信する。スコアボードはこれらの信号を受信してレースにおけるラップをカウントする。この方法は比較的費用のかかる送信および受信無線電子装置を利用するため高価である。
【0006】
英国ミドルセックスのKO Propo社はレースコース用ループアンテナが車内の電子無線信号送信回路内のクリスタルの振動を検出するのに十分敏感なシステムを製作している。各車は幾分異なる周波数を有する。ループアンテナに取り付けられた電子感知回路が信号を解析して、どの車がループアンテナを通過しているかに関する情報をコンピュータプログラムに送る。コンピュータプログラムはレースを追跡してラップ結果および時間を表示する。これらの微弱信号を受信して処理する電子モジュールは製作に費用がかかり時間を消費する。
【0007】
カナダ、ブリティッシュコロンビアのトラックメート社製システムはフィニッシュラインを通過する時に車に取り付けられたフラグにより遮断されるレーザ光線を使用する。レース中の異なる車が高さの異なるフラグを有する。レーザビームを検出する電子回路からの情報がコンピュータに送られて結果を表示する。この装置の受信光学装置および電子装置はやはり高価である。
【0008】
もう1つのシステムは、フィニッシュラインの上に吊下げられて車がラップを記録するために通過しなければならないフィニッシュラインにおいて光のカーテンを形成する一列のLED(発光ダイオード)を使用する。各車上には光を感知しかつ受光するとスコアボードに信号を送る検出器がある。これらのLEDを吊下げる構造は比較的大きく費用がかかる。
【0009】
アリマ等の米国特許第5,435,553号はレースコース周りに配置された位置表示マーカを有する、ゴーカート等の、オペレータ駆動レース車用レースコースを開示している。レース車上のセンサがマーカを検出してマーカ検出を固定搭載第2送信機へ送り、次に、それが位置およびランキング等の情報をホストコンピュータに送信する。米国特許第5,435,553号の開示はその全体が本開示の一部としてここに組み入れられている。マーカおよび第2の送信機の固定により、このシステムではレースコースの迅速な再構成が容易ではなく、予め定められた同じ競走路を数回走り回った後でドライバは退屈してしまうことがある。また、第2の送信機により全体システムの費用が付加される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記した従来技術の制約がない、予め定められた競走路に沿って複数のレーシング車両を追跡するシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の概要)
したがって、予め定められた競走路を縦走する車両の速度および位置を監視して表示する方法を提供することが本発明の目的である。本発明の第2の目的は予め定められた競走路を容易に変更できるようにすることである。
【0012】
本発明の特徴の中で、車両に関する情報を監視する方法が車両の運転に及ぼす影響は、たとえあっても、最小限であり情報は遠隔場所において容易に表示される。この特徴はセンサおよび一意的識別子の組合せにより達成され、その一方は車両上に配置され他方は車両が横断するゲート上に配置される。センサまたは一意的識別子のいずれか一方は給電され他方は受動性とすることができる。本発明のもう1つの特徴は、予め定められたレースコースに沿って走行する数台のレーシング無線制御車両の速度および相対位置を監視しかつ速度およびランキングに関する情報を表示するのに特に適していることである。
【0013】
本発明の利点は、限定はしないが、アスファルトおよび土を含む表面上にR/C車用レースサーキットを屋内および屋外で容易かつ低廉に作り出すことを含んでいる。本発明のもう1つの利点はレース中のR/C車の位置およびレース時間を追跡して表示する比較的低廉なラップカウンタを提供することである。本発明のもう1つの利点は識別マークのために車で運ばなければならない重量を最小限に抑えることである。
【0014】
本発明の第1の実施例では、レースコースと複数台のレーシング車両の組合せが提供される。この組合せは少なくとも1つのゲートにより画定される予め定められた競走路を有するレースコースを含み、少なくとも1つのゲートの各々が一意的識別子を含んでいる。複数台のレーシング車両の各々が一意的識別子を検出できるセンサを有する。センサは論理回路および送信機に接続されている。スコアボードは送信機から情報を受信し所望のフォーマットに従って情報を表示する受信機を含んでいる。
【0015】
本発明の第2の実施例では、レースコースと複数台のレーシング車両の組合せが提供される。この組合せは一意的識別子を有する複数台のレーシング車両の各々および少なくとも1つのゲートにより画定される予め定められた競走路を有するレースコースを含んでいる。少なくとも1つのゲートの各々が一意的識別子を検出できるセンサを含んでいる。スコアボードは送信機から情報を受信し所望のフォーマットに従って表示する受信機を含んでいる。
【0016】
本発明の第3の実施例では、予め定められた競走路に沿って走行する移動物体の位置を検出する方法が提供される。この方法は複数のゲートにより競走路を画定することを含んでいる。各ゲートは一意的識別子を含んでいる。移動物体には一意的識別子を検出してセンサの識別を移動物体により支持される論理回路に伝えることができるセンサが設けられる。次に、この情報は論理回路からディスプレイに送信されて所望のフォーマットで表示される。
【実施例】
【0017】
(発明の詳細な説明)
前記した利点は下記の明細書および図面から一層明らかとなる。
本発明に従って、レースコースと複数台のレーシング車両の組合せが提供される。図1について、レースコース10は少なくとも1つのマーカすなわちゲート14により画定される予め定められた競走路12を有する。競走路を画定するのに永久固定を必要とする従来技術のレースコースとは異なり、本競走路は後述するように好ましくは容易に移動されるゲート14により画定される。車両がコースを通り抜けなければならない順序は番号マーカ16により与えられる。このようにして、予め定められた競走路12はこの順序で画定される。好ましくは、スタート/フィニッシュ・ゲート17で終結する適切な順序で車両が全ゲートを横断した時に、コースの1ラップが完了する。
【0018】
コースを画定する従来の木またはプラスチック壁はもはや必要ではないが、レースに対する視覚的興味を付加するために、レースサーキットのボーダ18を任意の簡便な方法で形成することができる。一つの単純な方法はアスファルトその他の硬い表面上にトラックの形で描かれたチョークの線である。もう1つの単純な方法はサーキットを完了するために車、または他のレーシング車両、が通過しなければならない地上にコーンを配置することである。より精巧なトラックのために、本発明は壁付き木製プラットホームを作る等の従来のR/Cコース建設技術を使用していくつかの要素を内蔵することができる。土トラックに対しては、土を動かしてレースサーキットの道路を形成することができ、これらの道路のサイドウォールは典型的に木またはプラスチック製の機械的バリアにより画定される。
【0019】
レーシング車両20はレースコース10周りを1もしくは数サーキット(通常、ラップと呼ばれる)走行する。レーシング車両は、R/C車のように無線制御されたり、ゴーカートやモトクロスのように運転されたり、レーシングボートのように水路に沿って走行したり、予め定められた競走路に沿って走行するように制御することができる任意他の車両とすることができる。後述するように、一方は車両上に配置され他方はゲート上に配置された、センサと一意的識別子の組合せは情報をスコアボード22に転送し、そこで情報は所望のフォーマットで表示される。このような情報は完了したラップ数、車両速度および車両ランキングを含むことができる。
【0020】
典型的にスタート/フィニッシュ・ポイントを画定する単一ゲート14の場合もあり、1回または多数回横断することができる複数ゲートの場合もある。典型的に、ゲート14は2台以上のレーシング車両が同時にゲートを横断するのに十分な広さである。ゲートはレースコースを横切るストリップ、マーカコーン、高くした構造またはレーシング車両が従う競走路を画定する任意他の構造とすることができる。ゲートは番号付けられ16、車両は適切な順序(たとえば、コースマーカの番号順)でゲートを横断して1サーキットのラップを完了する。ゲートは典型的にラップの完了へ向かってカウントするために車両が移動しなければならない方向を示す、矢印等の、視覚インジケータを含んでいる。一実施例では、ゲートは受動的であり、電力を必要とせず任意の構成で屋内または屋外に配置することができる。たとえば、ゲートに交差しなければならない順序で任意の比較的平坦な表面上に複雑なレースサーキットを画定することができる。楽しみを付加するために、コーンおよびフラグをコースに付加してR/C車がとるべきルートをさらに明確にすることができる。
【0021】
本発明の第1の実施例では、各レーシング車両20に一意的識別子を検出できるセンサが取り付けられ、各ゲート14は一意的識別子を含んでいる。図2は発光器の形のセンサ24を有する、特に、R/C車である車両20の下側を略示している。この実施例では、ゲートは一意的識別子として一意的反射性ストリップを含んでいる。反射性ストリップの一意性は色、パターン(バーコード等)その他の一意的識別子によるものとすることができる。各車両はゲートをうまく交差したことの視覚または聴覚帰還をレース参加者に与える車両に搭載されたインジケータを有することもできる。
【0022】
図3は発光器の内部作用を略示している。発光ダイオード28等からの光26は一般的に凹面鏡30へ向けられ、それはこの光をゲート14の反射性目標部を有する受動コースマーカへ向け直す。コースマーカ/目標からの反射光26’は凹面鏡30内の開口32を通過し、さらにミラー34により反射されレンズ36により集められて開口窓38を通って光検出器40上に集束される。光検出器40は一意的識別子に関する情報を車両内に含まれる論理回路に送信する。この論理回路は車両の位置および車両速度をこの情報に基づいて決定し、その情報をスコアボードへ送信する。
【0023】
各コースマーカは各車内に組み込まれた小型バーコードリーダにより読み出されるバーコード等の光学パターンを含んでいる。一実施例では、各車両はバーコード信号を解析してR/C車が通過したコースマーカの、マーカ番号等の、識別を決定するマイクロプロセッサを含んでいる。マイクロプロセッサ回路は、さらに、各R/C車が通過するコースマーカ数をカウントするメモリレジスタその他の適切なメモリ装置を含んでいる。最後のコースマーカを通過すると、R/C車はスコアボードに無線信号(ラップ信号)を送る。次に、スコアボードはレース中の各車のラップ位置および時間を示す。
【0024】
図4aはバーコードの形のゲートの一意的識別子部の平面図を示し、図4bは断面図を示す。ベース部42はプラスチックまたは他の適切な材料で形成されプリズム表面44によりパターン化されている。バーパターンはぴかぴか光る材料46の反射性コートを選択的に塗布して形成される。プリズム表面44は戻り光線の信号強度を高める逆反射体として作用する。トップコート昼光フィルタ48は発光ダイオード28(図3)により発せられた光以外の全周波数の光を阻止することができる。好ましい実施例では、このLEDは赤外スペクトルを発光する。
【0025】
ある実施例では、土および泥が多すぎてバーコード方式が確実に働かないことがある。そのような場合、図5に示すような能動的に給電されたゲート14を使用することができる。ここでは、ワイヤ61のループがゲート長の両端間に延びていてレーシング車両に一意的識別子信号を送信するアンテナとして機能する。バッテリ67がゲート電極65に給電する。システムが十分な昼光または明るい部屋で使用される場合、太陽電池を使用してゲート電子装置に給電することができる。
【0026】
この実施例では、一意的ゲート識別子信号はクリスタル63により決定され、それはゲート電子装置65内の部品である。クリスタルの振動特性はゲート14がブロードキャストする無線信号の周波数を決定する。ワイヤループ61の長い平行構成および比較的弱いエネルギレベルがブロードキャスト信号をゲートの一般的に近隣にとどめる。各ゲート内に異なるクリスタルを配置することにより、車両センサは送信された異なる周波数により各ゲートを区別することができる。
【0027】
ここで、ゲートへの車両の接近を感知し一方を他方に対して一意的に識別する2つの方法について記述してきたが、当業者ならば、小売り製品セキュリティ応用に使用されるようなLED発光および検出、磁気ストリップの存在感知、または料金徴収所で使用されるような受動再送信機等の、限定はしないが、任意の同様な方法を使用することができる。
【0028】
レース参加者は最終的に車両がゲートをうまく通過しているという情報をそのイベントが生じたらすぐに受信しなければならない。これはいくつかの方法で参加者に伝えることができる。好ましい実施例では、上下するフラグ等のインジケータが車両に搭載されてこれを示す。あるいは、車両通過の存在を感知するように設定されれば、スコアボードは表示する信号を車両またはゲートから受信することができる。
【0029】
サーキット上でレーシングする車両は各々が異なる周波数で送信するように構成することができる。各車両は送信されるさまざまな周波数の信号を受信するスコアボードにその信号を送信することができる。同様に、ゲートは各々が異なる周波数で送信することができる。スコアボードに送信する替わりに、図11に示すように、信号は受信電子装置22により構成されたハンドヘルド無線コントローラ25に送ることができる。ゲートは車両により交差されているというこの信号表示をコントローラ25が受信すると、この情報はグラフィックディスプレイ21または可聴性であるか参加者の手の中で感じられるコントローラ25内の振動要素27によりレース参加者に伝えることができる。
【0030】
しかしながら、屋外レースコースの大きなエリアにわたっていくつかの異なる周波数を送信するとシステムに費用および複雑さが付加される。このシステムの望ましい特徴は、一つの好ましい実施例において、単一周波数および低電力信号を使用してラップ進行をスコアボードに伝えるより低廉な方法がここに開示されることである。図6に略示するように、車両電子装置モジュール51内のマイクロプロセッサ50は、ゲート14のすぐ近くにセンサを接近させる時に車両に搭載されたセンサ40から信号を受信する。車両電子装置51は交差されたゲートに対する一意的識別子をマイクロプロセッサ50が決定できるようにセンサからの信号を復号する。マイクロプロセッサ50は交差されているゲート数を適切な順序でカウントする。レース参加者が狂った若しくは不適切な順序でゲートを通過したりゲートを見失ったりしたら、その参加者は戻ってそのゲートを通過し直しそこからレースを継続することができ、マイクロプロセッサはそれを考慮してその車両に対してそのポイントからゲートを適切にカウントする。
【0031】
車両がスタート/フィニッシュ・ゲート17に達すると(図1)、マイクロプロセッサはスコアボード受信機54へ信号を送るよう低電力単一周波数送信機52に命令する。この信号は車両がうまく完了したゲート数および一意的車両識別子を含んでいる。この識別子は典型的に車番号である。それはe−prom55等の非揮発性メモリにより車両電子装置51内に設定される。小型押釦53を使用して車両識別子番号を設定することができる。ディップスイッチまたは他の永久識別子コードもここで使用することができる。e−prom方法が採られる場合、送信機52はこの番号が設定されている間に識別子番号を表示するためにスコアボードへ送信しなければならない。
【0032】
受信機54からの信号はスコアボードマイクロプロセッサ56により復号され、車両がレースに対して適切な数のラップを完了している限りスコアボードディスプレイ60はその車両に対して更新されたラップ情報を示す。2台以上の車が同時にフィニッシュライン(最後のコースマーカ)を交差する場合には、車により送信されたコードは各々がその車が完了したばかりのラップに関する同じ基本的情報を含んでいるが既知の時間間隔だけ離されている一連の短いバーストにより構成することができる。各バーストは車番号および時間間隔情報により符号化される。任意の2つのバーストが重なり合う場合には、スコアボードは電子信号解析モジュールを含みそれはそのデータを無視して前後の他のバーストに目を向けて重なり合うバーストにより混同されたデータを得る。
【0033】
より大型の施設に対して、スコアボードはレースの観客が見ることができる壁その他の場所に搭載することができる独立したディスプレイモジュールを有することができる。
【0034】
車両がコースマーカを通過する時にセンサ40からの信号は車マイクロプロセッサ50により復号される。ラップ信号および/または他の情報が送信機52によりスコアボード受信機54へ送られる。受信機54からの信号はスコアボードマイクロプロセッサ56により復号され、結果はスピーカ58からの音響、ディスプレイ60上の数字およびスコアボード22上の光62の形でスコアボード上に表示される。
【0035】
さらにリアリズムおよび楽しみをシステムに付加するために、マイクロプロセッサはイベント適合音響をスピーカ58に送る。スコアボード・スピーカはレースコース・アナウンサを装って「レディー、セット、ゴー」等のアナウンスメントおよびレース中の車両のさまざまな位置に関する他のアナウンスメントを行うことができる。たとえば、「24番車はまだ2ラップリードしている」。エンジンおよび群集のとどろき等のレースコースの他の音響も作り出すことができる。たとえば、人気のあるよく知られたプロフェッショナル・レースドライバの場合、車両電子装置のe−prom55内に設定された車両識別子がよく知られたレーサの車番号と一致すればそのプロフェッショナル・レーサに関する特定のアナウンスメントを作ることができる。
【0036】
ドラッグレーシングも非常に人気がある。ドラッグレーシングで勝利する鍵は良いスタートを得ることであり、競争相手は「軽率なスタート」に対してスタートゲートをしばしば「飛び越す」ことが知られている。ドラッグレーシングを容易にするために、スタートラインに対して一つの正規のゲートを使用しフィニッシュラインに対してスタート/フィニッシュ・ゲートを使用する。「ドラッグ」モードでは、スコアボード22はレースのスタートをスピーカ・アナウンスメントおよび伝統的な「クリスマスツリー」カウントダウン・ライト62により表示する。レースのスタート時に、タイマ67がカウント開始する。ドラッグレーシング車両がスタートラインとして使用されるゲートを交差すると、その電子装置モジュール51内のタイマ57がカウント開始する。車両がフィニッシュゲートを交差すると、その送信機が通常の信号をスコアボード受信機54に送るが、レース開始後の経過時間もこの信号に加えられる。スコアボード・マイクロプロセッサ56はそれ自体のタイマ67からこの車両に対するフィニッシュ時間を記録する。2つの時間の記録において、車両のタイマはスコアボードの内部タイマよりも少ないことをスコアボード・マイクロプロセッサ56が見つける場合には、その車両に対して軽率スタート・メッセージがスコアボード・ディスプレイ60上に示される。
【0037】
ゲートを通過する時の車両の速度を計算するために、車両マイクロプロセッサ50はタイマ57を使用して前のゲート以来の経過時間を記録することができる。車両マイクロプロセッサ50はこの情報をスコアボード22に送信することができる。ゲート間の距離がスコアボード・マイクロプロセッサ56に知らされれば、ゲート間の速度が計算されて表示される。この距離はユーザによりスコアボード内に符号化することができ、あるいは固定距離として適切なゲートを固定距離だけ離すようユーザに要求することができる。
【0038】
バーコードゲート方法が使用される場合には、定められたゲートに対する最初および最後のバー間距離が知られている。次に、車両電子装置51内のタイマ回路57がこの距離を横断するのに要する時間をカウントするために呼び出され、この情報はスコアボードに送信される。
【0039】
車両に付加されたセンサは非常に小型軽量であるが、代替実施例はこの重量を無視できる量まで減少させる。この代替実施例では、バーコードまたは反射性カラーストリップ等の、一意的識別子が各車両の底部に貼り付けられる。この目標は、たとえば、重量を無視できる貼付けラベルである。各コースゲートはある車がコースマーカ上を通過していることを示す無線信号をスコアボードに送る送信機を含んでいる。
【0040】
図7について、この実施例を達成する1つの方法は一般的に平坦で液晶ディスプレイ用側面照明拡散バックライトと同様に動作する光導管64のシングルストリップをゲートの長さに沿って配置することを含んでいる。入力側でLED28はストリップに向けて白色光を投射する。ストリップは投射光を分散させ一般的にそれをコースマーカの長さに沿って上へ向ける。車両20が投射光を通過すると、投射光の一部はカラーフィルタ68を通過して車両上のミラー70により反射され導管内へ下向きに戻る。カラーフィルタ68は一意的識別子として働き、各車両が異なるカラーフィルタを有する。次に、導管64は反射光72を導管から外へかつ/または光検出器40へ向ける。電子回路が光検出器により受信された信号を解析してどの車両がコースマーカを交差したかを決定する。
【0041】
カラーマーカの場合、プリズム74、回折格子、個別のカラーフィルタその他のカラー分散装置が光をその構成色に分解して拡散カラースペクトルを2つ以上の光センサにわたって指向させそれらの色から車を区別する。
【0042】
1つのコースマーカしか使われない実施例では、そのコースマーカはフィニッシュラインに配置される。コースマーカ内の電子回路は直接スコアボードに配線することができる。あるいは、これらの能動コースマーカのいくつかを使用してレースサーキットを形成することができる。各コースマーカはいくつかのまたは他の識別手段およびその上の方向インジケータを有する。車両は適切なすなわち予め定められた順序および方向で各コースマーカ上を通過することによりラップを完了する。各車両が通過すると、車両およびマーカ番号すなわち識別子を識別する情報を含む無線信号がスコアボードに送られる。次に、スコアボードはレース中の各車両に対するラップに関する情報およびレース時間情報を表示する。もう1つの実施例は車両内に配置されたLEDを含み、好ましくは、下向きとされ車番号を示すコードをコースマーカに送信する。この実施例におけるコースマーカは検出信号を復号してこの情報をスコアボード20に中継するように作用する。
【0043】
前記した両方の実施例において、光信号を使用して車がコースマーカ上を通過していることが確認される。しかしながら、屋外環境やトラックが主に土で作られている場合には、光学的方法には問題がある。同じ基本的原理を前記した実施例で使用することができるが、光周波数信号の替わりに無線周波数信号が使用される。この代替実施例として、コースマーカ内に配置されたワイヤが通過車の番号を示す通過車からの符号化された無線周波数信号を感知する。この実施例の新規性は無線信号を介してスコアボードに情報を送るコースマーカ内の電子回路を含んでいる。この方法はレースサーキットを画定するのに使用される電子回路のある2つ以上のこれらのコースマーカを有することもできる。
【0044】
これはコースマーカがその番号を示すように符号化された無線信号の送信機としてワイヤループを使用する前記した実施例とは逆である。車両は通過する時にコースマーカの番号すなわち識別子を記録する。最後のコースマーカにおいて、車両は通過したコースマーカの記録をスコアボードに送る。スコアボードは一般的にスタートライン17の近く(たとえば、およそ6.096m(20フィート)内)に配置することができるため、それにより送信機の電力使用は非常に低くすることができる。しかしながら、より大掛かりなシステムに対しては、通過したコースマーカの記録は当業者ならば決定することができる他の時間にスコアボードに送ることができる。さらに、このような時間はレースサーキットのユーザが設定することができる。
【0045】
レースゲームのコストをさらに低減するために、他の市販されているまたは適切な技術または通過車のラップを追跡するここに記述されている方法を使用して単一コースマーカ(フィニッシュライン)をスコアボードにハードワイヤすることができる。ここでは、2つの薄い平行ストリップ(好ましくは、プラスチック)を使用してコースのいずれかのサイドウォールを画定することができる。これらのストリップは表面に応じて多様な手段により一般的にレーシング表面に垂直に保持される。テーブル上でこれらのストリップを上方に支持するトップポストは、好ましい実施例では、吸盤を使用してストリップをテーブルに固定する。カーペットやざらざらした床やアスファルト上の屋外では、ポストを有する重みの付いたベースを使用して薄いストリップをレースサーキット内に配置することができる。屋外で、草や土の上で、杭をハンマで地中に打ち込むことができる。杭は大地から突き出てストリップを受け止め保持してレースサーキットのサイドウォールを画定する手段を端部に有して構成することができる。
【0046】
レースをより面白いものとするために、橋、ジャンプ障害物、陸橋、障害物、4路交差点その他同様な道路特徴を、典型的には薄いストリップを受け止めてレースサーキットに接続する手段を有するプラスチックから、モデル規模で作り出すことができる。さらに、薄いストリップは押出しプロセスで製作して非常に低コストで比較的長いロールとすることができる。しかしながら、他の適切な製作方法も使用することができる。
【0047】
卓上のマイクロレーサに対して特に良好な方法が図8a−8dおよび9に例示されている。図8a−8dは一部フレクシブルストリップ76により画定されるレースサーキットの一部を示す。フレクシブルストリップ76はクイックリリース・アタッチメント80付きスタンション78により支持される。スタンションは、一実施例ではべたつく粘着性プラスチックにより構成される、ベース82により正しい位置に保持される。このようにして、接着方法では接着しないプラスチックはインターロッキングリブ84によりスタンションに対して正しい位置に保持される。代替搭載方法は吸盤ベース86等の吸着装置を含む。図9はレースサーキットを画定する一対のフレクシブルストリップ76を例示している。ストリップ76は一連のスタンション78により正しい位置に保持される。ストリップ76はレースサーキットの一部としてのジャンプ88に接続される。
【0048】
オーディオ帰還を与えるために、スコアボードはコースマーカを通過する時に各車に対して一意的すなわち異なる音を発するスピーカを含むことができる。もう1つの実施例では、コースマーカを通過する時に各車に対して一意的すなわち異なる音を発するスピーカを各コースマーカが有することができる。スピーカは、限定はしないが、リアリスティックなレース音響、音声アナウンスメント、および群集騒音を含む音響をブロードキャストするのにも使用することができる。スコアボード22の一実施例が図10に示されており、ディスプレイ90インジケータライト92、スピーカ94および制御釦96を含んでいる。ポータブル応用に対しては、スコアボード22はベース98内に入れられたバッテリにより給電することができる。
【0049】
R/C車または他の遠隔駆動車のレーシングを行う時に、自分の車をドライブするために各参加者により使用される個別の遠隔制御装置は、主スコアボードまたは参加者の車から情報を受信して自分のラップ時間、レース位置、その他の関連情報を参加者に表示するLCDディスプレイまたは他の適切なディスプレイを有する。
【0050】
パーソナルコンピュータ(PC)は一般的に従来技術のラップカウントシステムで使用される。図6に開示されたスコアボードはPCに接続して、レース中およびレース後に、レースデータを保存して表示することができる出力65を有する。PCに無線周波数受信機が適合されると、それは所要マイクロプロセッサおよびタイマ回路を有しかつレースデータを表示できるため、適切にプログラムされればスコアボードとして作用することができる。
【0051】
レーシング車両の進行追跡に関して本発明を記述してきたが、それは移動物体の他の物体に対する位置を知らなければならない他の応用、たとえば、各ゲートが一意的識別子を含む複数のゲートにより競走路を画定するステップに従って予め定められた競走路に沿って走行する移動物体の位置を検出し、移動物体に一意的識別子を検出できるセンサを設けてその識別を移動物体により支持される論理回路に伝えさせ、論理回路からディスプレイに情報を送信して所望のフォーマットで情報を表示する方法を必要とする自動化された製作においても同等に応用することができる。
【0052】
したがって、添付特許請求の範囲に記載された本発明は前記した構造の精密な詳細に限定されるものではなく、このようなバリエーションおよび当業者ならば自明の他のバリエーションおよび修正は特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に従ったレースコースの平面図である。
【図2】本発明に従ったセンサを含む車両の底面図である。
【図3】本発明に従った光情報を感知する方法を示す略図である。
【図4a】一意的識別子としてのバーコードの平面図である。
【図4b】一意的識別子としてのバーコードの断面図である。
【図5】本発明の実施例に従った能動的に給電されるゲートを示す図である。
【図6】レーシング車両からスコアボードへの情報の送信を示す略図である。
【図7】一意的識別子としてのレーシング車両上のカラーフィルタを示す略図である。
【図8a】ポータブル・レーストラックの部品を示す図である。
【図8b】ポータブル・レーストラックの部品を示す図である。
【図8c】ポータブル・レーストラックの部品を示す図である。
【図8d】ポータブル・レーストラックの部品を示す図である。
【図9】図8a−8dの部品を使用する組立てレーストラックの一部を示す図である。
【図10】ポータブル・スコアボードの斜視図である。
【図11】レースコース情報を受信し表示するためのハンドヘルド無線コントローラを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レースコースと複数台のレーシング車両の組合せであって、
各々が一意的識別子を含む少なくとも1つのゲートにより画定される予め定められた競走路を有する前記レースコースと、
論理回路および送信機に接続されて前記一意的識別子を検出できるセンサを有する前記複数台のレーシング車両の各々と、
前記送信機から情報を受信し所望のフォーマットに従って表示することができる受信機を有するスコアボードと、
を含む組合せ。
【請求項2】
請求項1に記載の組合せであって、前記少なくとも1つのゲートの中の1つが前記予め定められた競走路のフィニッシュ・ポイントを画定する組合せ。
【請求項3】
請求項2に記載の組合せであって、複数のゲートがある組合せ。
【請求項4】
請求項3に記載の組合せであって、前記レーシング車両により決定されるゲート間を走行する時間(T)は前記スコアボードにより決定されるゲート間を走行する前記時間(T)と比較され、TがTよりも短ければ軽率なスタートを表示する組合せ。
【請求項5】
請求項3に記載の組合せであって、前記複数のゲートの各々が前記複数台のレーシング車両の中の少なくとも2台を同時に受け入れるのに有効なサイズである組合せ。
【請求項6】
請求項5に記載の組合せであって、前記複数のゲートの少なくともいくつかはポータブルであって前記予め定められた競走路の変更を容易にする組合せ。
【請求項7】
請求項6に記載の組合せであって、前記複数台のレーシング車両の各々が前記一意的識別子の1つが検出されていることを確認するインジケータを有する組合せ。
【請求項8】
請求項2に記載の組合せであって、前記一意的識別子はバーコードであり前記センサは光学式走査器である組合せ。
【請求項9】
請求項2に記載の組合せであって、前記一意的識別子は色であり前記センサは光スペクトル検出器である組合せ。
【請求項10】
請求項2に記載の組合せであって、前記一意的識別子は無線信号を一意的周波数で送信するワイヤループであり、前記センサは誘導アンテナである組合せ。
【請求項11】
請求項2に記載の組合せであって、前記情報は前記複数台のレーシング車両に対する速度、相対位置およびラップカウントの1つ以上として表示される組合せ。
【請求項12】
請求項1に記載の組合せであって、前記情報は前記スコアボードと組み合わせてまたはその替わりにハンドヘルド無線コントローラ上に表示される組合せ。
【請求項13】
請求項1に記載の組合せであって、前記情報は前記スコアボードと組み合わせてまたはその替わりに前記レーシング車両上に表示される組合せ。
【請求項14】
レースコースと複数台のレーシング車両の組合せであって、
一意的識別子を有する前記複数台のレーシング車両の各々と、
各々が前記一意的識別子を検出できるセンサ含む少なくとも1つのゲートにより画定される予め定められた競走路を有する前記レースコースと、
前記センサから情報を受信し所望のフォーマットに従って表示することができる受信機を有する前記スコアボードと、
を含む組合せ。
【請求項15】
請求項14に記載の組合せであって、前記少なくとも1つのゲートの中の1つが前記予め定められた競走路のフィニッシュ・ポイントを画定する組合せ。
【請求項16】
請求項15に記載の組合せであって、複数のゲートがある組合せ。
【請求項17】
請求項16に記載の組合せであって、前記ゲートにより決定されるゲート間を走行する時間(T)は前記スコアボードにより決定されるゲート間を走行する前記時間(T)と比較され、TがTよりも短ければ軽率なスタートを表示する組合せ。
【請求項18】
請求項16に記載の組合せであって、前記複数のゲートの各々が前記複数台のレーシング車両の中の少なくとも2台を同時に受け入れるのに有効なサイズである組合せ。
【請求項19】
請求項18に記載の組合せであって、前記複数のゲートの少なくともいくつかはポータブルであって前記予め定められた競走路の変更を容易にする組合せ。
【請求項20】
請求項19に記載の組合せであって、前記複数台のレーシング車両の各々が前記一意的識別子の1つが検出されていることを確認するインジケータを有する組合せ。
【請求項21】
請求項14に記載の組合せであって、前記一意的識別子は前記複数台のレーシング車両の外面に付加された反射性材料である組合せ。
【請求項22】
請求項21に記載の組合せであって、光導管が前記予め定められた競走路に隣接していて前記少なくとも1つのゲートに光線を通し、前記光線の一部が前記外面から反射される組合せ。
【請求項23】
請求項22に記載の組合せであって、光検出器が前記反射部分の源を決定して前記部分に関する情報を前記スコアボードに送信する組合せ。
【請求項24】
請求項14に記載の組合せであって、前記情報は前記スコアボードと組み合わせてまたはその替わりにハンドヘルド無線コントローラ上に表示される組合せ。
【請求項25】
請求項14に記載の組合せであって、前記情報は前記スコアボードと組み合わせてまたはその替わりに前記レーシング車両上に表示される組合せ。
【請求項26】
予め定められた通路に沿って走行する移動物体の位置を検出する方法であって、
各々が一意的識別子を含む複数のゲートにより前記通路を画定するステップと、
前記一意的識別子を検出できるセンサを前記移動物体に設け、前記センサにその識別を前記移動物体により支持される論理回路に伝えさせるステップと、
前記論理回路からディスプレイに情報を送信するステップと、
前記情報を所望のフォーマットで表示するステップと、
を含む方法。
【請求項27】
レースサーキットであって、
複数のスタンションにより解除可能に支持され前記レースサーキットの境界を画定する少なくとも1つのフレクシブルストリップを含み、
前記スタンションは前記レースサーキットの表面に非永久的に固着されるレースサーキット。
【請求項28】
請求項27に記載のレースサーキットであって、前記非永久的固着は粘着性プラスチック、吸着、重みおよび杭からなるグループから選択されるレースサーキット。
【請求項29】
請求項28に記載のレースサーキットであって、さらに、橋、陸橋、障害物および4路交差点の1つ以上を含むレースサーキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−513746(P2006−513746A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564017(P2004−564017)
【出願日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/041143
【国際公開番号】WO2004/059444
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(505240983)
【Fターム(参考)】