説明

レーダー装置

【課題】 受信信号がミクサーに入る経路上に送信信号が漏れ込むことを防止することにより測定精度の向上の図られたレーダー装置を提供する。
【解決手段】 送信信号の一部を方向性結合器(DC)110において取り出し、可変減衰器(VATT)130及び可変位相器(VPH)150を用いて処理することにより、相殺信号を生成する。この相殺信号を低雑音増幅器(LNA)70の出力に結合器(COMB)160を用いて結合することにより、受信信号に含まれていた送信信号に基づく不要成分を相殺する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動対象物までの相対距離や移動対象物の相対速度などを検知するレーダー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダー装置の中にドップラーレーダー装置がある。ドップラーレーダー装置は、送信信号とそれが対象物にて反射して戻ってきた信号(受信信号)との周波数の差を表す差信号(ドップラーレーダー装置の場合は、差信号を特に「ドップラー信号」という)を解析して、対象物のレーダー装置に対する相対移動速度や対象物までの相対距離を測定するためのものである(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。ここで、ドップラー信号は、送信信号をローカル信号としたミクサーで受信信号を変換することにより生成される。
【0003】
【特許文献1】特表2001−509896
【特許文献2】特開2000−275329
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の発明者らは、ミクサーに入力される受信信号に送信信号の一部が漏れ込むことがあることを見出した。ドップラーレーダー装置には、大別して、送受信でアンテナを共用するタイプ(単一アンテナ−ドップラーレーダー)と送受信で別個のアンテナを使用するタイプ(2アンテナ−ドップラーレーダー)とがある。前者の場合、サーキュレータを介して、送信信号を送信部からアンテナに送る一方で受信信号をアンテナから受信部に送っているが、このサーキュレータを通して送信信号が受信部に混入することがある。後者の場合、送信アンテナから送信された送信信号が受信アンテナにて直接的に受信されてしまうことがある。更には、いずれの場合も、アンテナ設置場所近くにある大きな建物からの反射を避けることは、極めて困難である。
【0005】
上記のように、受信信号に送信信号が漏れ込んでいた場合、送信信号と同じ周波数の信号をローカル信号としたミクサーで上述の受信信号を変換すると、ミクサー出力に直流成分が発生してしまう。この直流成分の電圧は漏れ込み量に比例する上、その位相φに従ってcosφ倍されてしまう。すなわち、条件次第でさまざまな振幅となり、一定ではない。
【0006】
更に、上述の直流電圧の信号振幅は本来のドップラー信号に比べて非常に大きく、この不要信号により、対象物の相対速度や相対距離を正確に測定することが非常に困難になる。
【0007】
特に、ドップラーレーダー装置には、2種類の送信信号を高速に切り替えつつ送信することにより2種類のドップラー信号を得るものがある(以下、「2周波ドップラーレーダー」という。)。2周波ドップラーレーダー装置においても、上述した問題となる直流電圧が送信信号の切り替えと同期してミクサーから出力されることになり、正確な測定は非常に困難である。加えて、2周波ドップラーレーダー装置においては、周波数切替時、すなわち、送信信号切替時に少しの時間差でパルス状の不要信号が発生してしまい、対象物の速度及び距離を正確に測定するのが更に困難になるといった問題もある。
【0008】
上記のような問題は、ドップラーレーダー装置のみならず、他の種類のレーダー装置、例えばFM−CWレーダー装置においても生じる。FM−CWレーダー装置は、周波数を例えば鋸波状に掃引した信号を送信し、対象物から反射して戻ってきた信号の周波数と現在の周波数との差を計測することで、対象物までの距離を計測する装置である。このようなレーダー装置において、送信信号が送信アンテナから受信アンテナに直接潜り込んだり、送受共用アンテナを使用すると、送受共用装置としてのサーキュレータのアイソレーション漏れによる潜り込みにより、受信信号から正規に必要となる情報を含んだ信号の解析が不可能になる場合がある。
【0009】
本発明は、受信信号がミクサーに入る経路上に送信信号が漏れ込むことを防止することにより測定精度の向上が図されたレーダー装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、また、2種類の周波数を使用するレーダー装置において、周波数切替時に発生するパルス状のノイズ信号を抑えることができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるレーダー装置は、送信信号を送信する送信部と、該送信信号が対象物において反射してなる信号を受信信号として受信する受信部と、前記送信信号及び前記受信信号から両者の周波数の差を表す差分信号を生成して該差分信号に基づく解析を行う解析部と、前記送信信号を処理して相殺信号を生成し、前記受信信号に含まれる不要成分であって前記送信信号に基づくものを前記相殺信号を用いて相殺する相殺部とを備えた装置である。送信部は、送信系部品の集合から成り、受信部は受信系部品の集合から成る。
【0012】
特に、本発明によるレーダー装置が、2種類の周波数を使用するレーダー装置である場合には、以下のように構成することが好ましい。
すなわち、本発明による他の構成のレーダー装置は、制御部を更に備えており、前記送信部は前記送信信号の元となる発振信号を生成する発振器であって前記制御部により周波数制御可能な発振器を備えている。前記制御部は、交互に繰り返される第1期間及び第2期間に関し、前記第1期間に第1周波数を有する発振信号を生成する一方、前記第2期間に第2周波数を有する発振信号を生成するように、前記発振器を制御する。ここで、本発明によるレーダー装置は、前記第1期間と前記第2期間との切替時点を跨ぐように定められた送信停止期間の間、前記送信信号の伝達経路を遮断する伝達遮断部を更に備える。
【発明の効果】
【0013】
送信信号の受信信号に対する漏れ込み(送信信号に基づく不要成分)は、固定又は非常にゆっくりとした変化しかしないものであるので、不要成分と同振幅・逆極性の信号を受信信号に加えることにより受信信号中における不要成分を相殺することが可能である。そこで、本発明では、相殺部を設け、送信信号を処理して相殺信号を生成し、受信信号に含まれる不要成分であって送信信号に基づくものを相殺信号を用いて相殺している。これにより、送信信号に基づく不要成分の影響を抑制することができ、測定精度の向上を図ることができる。
【0014】
特に、2種類の周波数を使用するレーダー装置においては、上記に加え、第1期間と第2期間との切替時点(すなわち、周波数切替時)を跨ぐようにして設定された送信停止期間中、送信信号の伝達経路を遮断することができるので、周波数切替時に発生するノイズ信号が送信されてしまうことを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明をドップラーレーダー装置に適用した場合の実施の形態例を、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるドップラーレーダー装置は、図1に示されるように、発振器(OSC)10、電力分割器(DIV)20、逓倍器(xN)30、ミクサー(MIX)40、逓倍器(xN)50、電力増幅器(PA)60、低雑音増幅器(LNA)70、低周波増幅器(LFA)80、アナログデジタル変換器(ADC)90、制御部100、方向性結合器(DC)110、デジタルアナログ変換器(DAC)120、可変減衰器(VATT)130、デジタルアナログ変換器(DAC)140、可変位相器(VPH)150、結合器(COMB)160、及びスイッチ(SW)170を備えている。
【0017】
発振器(OSC)10は、その出力である発振信号の周波数を制御部100により制御可能なものである。制御部100は、交互に繰り返される第1期間及び第2期間(すなわち、第1期間、第2期間、第1期間、第2期間・・・と繰り返される)に関し、第1期間においては第1周波数の発振信号を生成する一方、第2期間においては第1周波数とは異なる第2周波数の発振信号を生成するように、発振器(OSC)10を制御する。
【0018】
電力分割器(DIV)20は、発振信号を電力分割する。逓倍器(xN)30は、電力分割器(DIV)20の一方の出力を逓倍してローカル信号としてミクサー(MIX)40に入力する。一方、逓倍器(xN)50は、電力分割器(DIV)20の他方の出力を逓倍して電力増幅器(PA)60に入力する。電力増幅器(PA)60は、送信に必要とされる電力まで増幅して送信信号を生成し、送信アンテナを介して送信する。
【0019】
受信アンテナで受信された信号は、低雑音増幅器(LNA)70にて増幅された後、ミクサー40に入力される。ミクサー40は、ローカル信号を用いて受信信号をダウンコンバートし、ドップラー信号を生成する。ドップラー信号は低周波増幅器(LFA)80で増幅された後、アナログデジタル変換器(ADC)90にてアナログデジタル変換され、制御部100に入力され、それにより、制御部100による対象物の移動速度などの解析がなされる。
【0020】
ここで、本実施形態においては、方向性結合器(DC)110、デジタルアナログ変換器(DAC)120、可変減衰器(VATT)130、デジタルアナログ変換器(DAC)140、可変位相器(VPH)150、結合器(COMB)160が設けられているので、従来、受信信号に含まれていた送信信号に基づく不要成分を除去することができる。
【0021】
このことを、より具体的に説明する。
方向性結合器(DC)110が送信信号の一部を分岐して取り出すと、制御部100は、デジタルアナログ変換器(DAC)120を介して第1制御信号(電圧信号)を可変減衰器(VATT)130に入力することにより可変減衰器(VATT)130において送信信号の減衰量を制御する。また、制御部100は、デジタルアナログ変換器(DAC)140を介して第2制御信号(電圧信号)を可変位相器(VPH)150に入力することにより可変位相器(VPH)150にて位相量を制御することにより、相殺信号を生成する。
この相殺信号は、結合器(COMB)160によって低雑音増幅器(LNA)70の出力に結合される。これによって、低雑音増幅器(LNA)70中に含まれていた送信信号に基づく不要成分を相殺することができる。よって、結合器(COMB)160からミクサー(MIX)40に入力される信号に送信信号に基づく不要成分が含まれることを抑制することが可能となる。
【0022】
以上の説明から明らかなように、本実施形態において、制御部100、方向性結合器(DC)110、デジタルアナログ変換器(DAC)120、可変減衰器(VATT)130、デジタルアナログ変換器(DAC)140、可変位相器(VPH)150及び結合器(COMB)160は、送信信号を処理して相殺信号を生成し、その相殺信号を用いて、受信信号に含まれる送信信号に基づいた不要成分を相殺する相殺部として機能する。
特に、制御部100、デジタルアナログ変換器(DAC)120、可変減衰器(VATT)130、デジタルアナログ変換器(DAC)140及び可変位相器(VPH)150は、相殺信号を生成する相殺信号生成部としての役割を果たす。
【0023】
詳しくは、制御部100は、次のようにして、可変減衰器(VATT)130及び可変位相器(VPH)150を制御する。
【0024】
すなわち、第1期間の間、ある電圧値の第1制御信号及び第2制御信号を可変減衰器(VATT)130及び可変位相器(VPH)150に供給して相殺信号を生成し、それを受信信号に結合して不要成分の相殺を試みる一方、ドップラー信号の平均値を算出する。この平均値は、次の第1期間(すなわち、先の第1期間の次の第2期間に続く第1期間)における第1制御信号及び第2制御信号の値の決定に用いられる。
【0025】
具体的には、ドップラー信号の平均値(ミクサー(MIX)40の出力の平均値)は、ドップラー信号に含まれた不要成分に基づいた直流成分なので、平均値が下がれば前回の第1期間における可変減衰器(VATT)130及び可変位相器(VPH)150の制御の方向性が適切であったといえる。
よって、同じ方向性による制御を行って更に平均値を下げるようにして第1制御信号及び第2制御信号の値を決定する。一方、平均値が上がってしまった場合には、前回の第1期間における可変減衰器(VATT)130及び可変位相器(VPH)150の制御の方向性が適切でなかったことになるため、異なる方向性による制御を行って平均値を下げるようにして第1制御信号及び第2制御信号の値を決定する。
【0026】
このように、本実施形態においては、各第1期間におけるドップラー信号の平均値をモニタすることによる閉ループ制御を行っている。なお、直前の第1期間のドップラー信号の平均値に代えて、直前の複数回の第1期間のドップラー信号の平均値を用いても良い。特に、第1期間と第2期間との切替を短いサイクルで行っている場合には、直前の第1期間のドップラー信号の平均値よりも直前の複数回の第1期間のドップラー信号の平均値を用いて閉ループ制御を行ったほうがノイズ混入などによる第1制御信号及び第2制御信号の値のバラつきを抑えることができる。
【0027】
第2期間についても、同様の閉ループ制御が行われる。但し、第2期間についての閉ループ制御においては、直前の第2期間におけるドップラー信号の平均値が利用されるため、第1期間に関する閉ループ制御と第2期間に関する閉ループ制御とは別個独立したものとなっている。
【0028】
なお、第1制御信号及び第2制御信号の組み合わせとしては、第1期間及び第2期間の夫々について、4種類ある。すなわち、第1制御信号も第2制御信号もプラスの場合、第1制御信号がプラスであって第2制御信号がマイナスの場合、第1制御信号がマイナスであって第2制御信号がプラスの場合、第1制御信号及び第2制御信号の双方ともマイナスの場合の4パターンである。制御部100にメモリなどの記憶手段を設けておき、第1期間及び第2期間の夫々ごとに、第1制御信号及び第2制御信号のどの組み合わせを用いて制御したかを記憶手段に格納しながら制御することにより、上述した閉ループ制御を別個独立して容易に実行することができる。
【0029】
このようにして、本実施形態においては、ミクサー(MIX)40の出力に含まれるDC成分(すなわち、受信信号に含まれていた送信信号に基づく不要成分)をゼロに近づけることが可能となり、対象物の移動速度や対象物までの距離を正確に測定することが可能となる。なお、本実施形態は上述したことから理解されるように2周波ドップラーレーダー装置を想定したものであるが、上記の閉ループ制御は、これに限定されるものではなく、周波数切替を行わないドップラーレーダーの場合にも適用可能である。
【0030】
更に、本実施形態においては、制御部100により制御可能なスイッチ(SW)170が電力増幅器(PA)60の後段であって方向性結合器(DC)110の前段に設けられている。制御部100は、このスイッチ(SW)170をオン・オフすることにより、送信信号の伝達経路が遮断される送信停止期間を第1期間と第2期間との切替時点を跨ぐようにして設定する。
【0031】
より具体的には、制御部100は、スイッチ(SW)170をオフにして送信信号の伝達経路を遮断してから、第1期間(第2期間)から第2期間(第1期間)への切替を行い(すなわち、発振器(OSC)10における発振周波数の切替を行い)、その後、スイッチ(SW)170をオンにする。次いで、制御部100は、スイッチ(SW)170をオフにして送信信号の伝達経路を遮断してから、第2期間(第1期間)から第1期間(第2期間)への切替を行い(すなわち、発振器(OSC)10における発振周波数の切替を行い)、その後、スイッチ(SW)170をオンにする。このようにすることにより、周波数切替時に発生する恐れのあるパルス状のノイズが送信信号として送信アンテナを介して送信されたり、相殺信号に影響を与えたりすることを防ぐことができる。
【0032】
(第2実施形態)
図2に示されるように、本発明の第2実施形態によるドップラーレーダー装置は、単一アンテナ−ドップラーレーダーである点で、2アンテナ−ドップラーレーダーを対象とした前述の第1実施形態とは異なっているが、その他の点では第1実施形態と同じである。そのため、図2において、第1実施形態の構成要素と同一の構成要素については図1にて用いられていた参照符号と同一の参照符号を付してある。これにより、それら同一構成要素に関する詳細な説明は省略する。
【0033】
第2実施形態によるドップラーレーダー装置は、送受信でアンテナを共用するため、送受信アンテナの前段にサーキュレータ180を備えている。
また、相殺部における方向性結合器(DC)111はサーキュレータ180の前段に設けられている。
これにより、サーキュレータ180において受信信号に送信信号が漏れ込むことがあっても、その漏れ込みによる影響を相殺信号にて抑制することができる。
【0034】
なお、上記の各実施形態では、ドップラーレーダーを対象とした例を示したが、本発明は、送信、受信の周波数差を利用するレーダー装置全般への適用が可能である。例えば、上述したFM−CWレーダー装置において、送信信号が送信アンテナから受信アンテナに直接潜り込んだり、送受共用アンテナを使用する場合であっても、本発明を適用することにより、受信信号から正規に必要となる情報を含んだ信号の解析が可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態によるドップラーレーダー装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態によるドップラーレーダー装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
10 発振器(OSC)
20 電力分割器(DIV)
30 逓倍器(xN)
40 ミクサー(MIX)
50 逓倍器(xN)
60 電力増幅器(PA)
70 低雑音増幅器(LNA)
80 低周波増幅器(LFA)
90 アナログデジタル変換器(ADC)
100 制御部
110 方向性結合器(DC)
120、140 デジタルアナログ変換器(DAC)
130 可変減衰器(VATT)
150 可変位相器(VPH)
160 結合器(COMB)
170 スイッチ(SW)
180 サーキュレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号を送信する送信部と、
該送信信号が対象物において反射してなる信号を受信信号として受信する受信部と、
前記送信信号及び前記受信信号から両者の周波数の差を表す差分信号を生成して該差分信号に基づく解析を行う解析部と、
前記送信信号を処理して相殺信号を生成し、前記受信信号に含まれる不要成分であって前記送信信号に基づくものを前記相殺信号を用いて相殺する相殺部とを備えた、
レーダー装置。
【請求項2】
前記送信部に接続されて前記送信信号を送信する送信アンテナと、前記受信部に接続されて前記受信信号を受信する受信アンテナとを別個に備えており、
前記相殺部は、
前記送信部から前記送信アンテナに入る前の信号を分岐して取り出す分岐部と、
この分岐部の出力から前記相殺信号を生成する相殺信号生成部と、
前記相殺信号を前記受信信号に加える結合器とを備えている、
請求項1記載のレーダー装置。
【請求項3】
サーキュレータと、このサーキュレータを介して前記送信部及び前記受信部に共用される送受信アンテナとを更に備えており、
前記相殺部は、
前記送信部から前記サーキュレータに入る前の信号を分岐して取り出す分岐部と、
この分岐部の出力から前記相殺信号を生成する相殺信号生成部と、
この相殺信号を前記受信信号に加える合成部とを備えている、
請求項1記載のレーダー装置。
【請求項4】
第1制御信号及び第2制御信号を生成する制御部を更に備えており、
前記相殺信号生成部は、前記第1制御信号に従って動作する可変減衰器と前記第2制御信号に従って動作する可変位相器を備えている、
請求項2又は3記載のレーダー装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1制御信号及び前記第2制御信号を所定期間に亘り前記可変減衰器及び前記可変位相器に供給しつつ前記差分信号を監視してこの差分信号の当該所定期間の平均値の変化を測定し、当該平均値が小さくなるように次の所定期間に供給する前記第1制御信号及び前記第2制御信号の値を決定する閉ループ制御を実行する、
請求項4記載のレーダー装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記所定期間の平均値に代えて、直前の複数回の前記所定期間の平均値を用いて前記閉ループ制御を実行する、
請求項5記載のレーダー装置。
【請求項7】
前記送信部は、前記送信信号の元となる発振信号を生成する発振器であって周波数制御可能な発振器を備えており、
前記制御部は、交互に繰り返される第1期間及び第2期間に関し、前記第1期間に第1周波数を有する発振信号を生成する一方、前記第2期間に第2周波数を有する発振信号を生成するように、前記発振器を制御するものであると共に、繰り返される前記第1期間に対して各第1期間を前記所定期間として前記閉ループ制御を行う一方、繰り返される前記第2期間に対して各第2期間を前記所定期間とした前記第1期間に対する閉ループ制御とは別個の閉ループ制御を行う、
請求項5又は請求項6記載のレーダー装置。
【請求項8】
前記第1期間と前記第2期間との切替時点を跨ぐように定められた送信停止期間の間、前記送信信号の伝達経路を遮断する伝達遮断部を更に備えた、
請求項7記載のレーダー装置。
【請求項9】
前記伝達遮断部は、前記分岐部の前段に設けられたスイッチであり、
前記制御部は、前記スイッチをオフにしてから前記第1期間と前記第2期間との相互切替を行い、当該相互切替の後に前記スイッチをオンにする、
請求項8記載のレーダー装置。

【図1】
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【図2】
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