説明

レーダ探査装置

【課題】 地中の埋設物を検知するレーダユニットを具備するレーダ探査装置において、レーダユニットにおける演算処理を簡素化でき、コスト低減が可能となると共に、埋設物が地雷の場合には、不慮の地雷作動を回避することのできるレーダ探査装置を提供する。
【解決手段】 地中に対して電波を送信し、送信された電波の反射波を受信して埋設物の探査を行うレーダ探査装置100であって、埋設物の検知システムを有するレーダユニット1と、前記レーダユニット1をブラケット部3を介して支持する棒状のアーム部材2と、前記アーム部材2に設けられ、操作者Wがアーム部材2を保持するためのハンドル部6と、前記ハンドル部6に設けられた操作部7,8とを備え、前記ブラケット部3は回動機構を有し、操作者Wが前記操作部7,8を操作することにより前記回動機構が作動し、前記レーダユニット1が前記アーム部材2に対し傾斜する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋設物を検知するレーダユニットを具備するレーダ探査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地中への埋設物を検知する装置として、例えば地雷探査装置がある。この地雷探査装置については、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に開示された探査装置のセンサは、レーダセンサであって、送信アンテナからレーダを地表(地中)に向けて照射し、受信アンテナで受信した反射波を解析することにより探査対象物を検知するというものである。このようなレーダセンサは、金属しか検知できない金属探知機のセンサに比べ、プラスチック等も検知することができ、埋設物を検知し易いという特徴がある。
【0003】
ところで、特許文献1に開示された地雷探査装置は、棒状のアーム(支持アーム)の先端にレーダセンサ部が取り付けられた構成とされ、作業者は支持アームに設けられたハンドルを持って、レーダセンサ部を地表に向けて探査するようになされている。
このレーダセンサが取り付けられた支持アームを作業者が携帯して探査を行う場合、地表面の凹凸形状や手振れにより、どうしてもエアギャップ長(アンテナ面と地表面との距離)が変動する。このエアギャップ長が変動すると、レーダセンサの送信アンテナと探査対象物との間の距離変動や電波伝播経路長の変動に起因し、測定ポイントごとの測定波形が大きくばらつくという問題があった。
【0004】
この問題を解決するためのレーダ探査装置が、特許文献2に開示されている。特許文献2に示されるレーダ探査装置では、予め決められたエアギャップ長での受信波形をテンプレート波形とし、そのテンプレートを用いて、各測定ポイントにおける受信波形の中から地表反射成分をそれぞれ特定するようになされている。このような方法により、各測定ポイントによりエアギャップ長が異なっても、探査対象の高精度な位置特定を行うことができるとされている。
【特許文献1】特開平9−33194号公報
【特許文献2】特開2002−131424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで前記した特許文献2のレーダ探査装置では、各測定ポイントにおけるエアギャップ長の変動や手振れの問題に対応するために多大な演算処理を要し、その結果、システムの負荷が大きくなり、コスト高になるという問題がある。
また、従来のレーダ探査装置においては、支持アームに取り付けられたレーダ送受信アンテナの角度が、アームに対し固定されているため、傾斜面等においては地表面にアンテナが接触するおそれがあり、接触箇所に地雷が埋設されていた場合には、地雷が作動するという危険性もあった。
【0006】
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、地中の埋設物を検知するレーダユニットを具備するレーダ探査装置において、レーダユニットにおける演算処理を簡素化でき、コスト低減が可能となると共に、埋設物が地雷の場合には、不慮の地雷作動を回避することのできるレーダ探査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかるレーダ探査装置は、地中に対して電波を送信し、送信された電波の反射波を受信して埋設物の探査を行うレーダ探査装置であって、埋設物の検知システムを有するレーダユニットと、前記レーダユニットをブラケット部を介して支持する棒状のアーム部材と、前記アーム部材に設けられ、操作者がアーム部材を保持するためのハンドル部と、前記ハンドル部に設けられた操作部とを備え、前記ブラケット部は回動機構を有し、操作者が前記操作部を操作することにより前記回動機構が作動し、前記レーダユニットが前記アーム部材に対し傾斜することに特徴を有する。
【0008】
このように構成することにより、地表が傾斜面であっても操作者は操作部を操作することによりレーダユニットを傾斜させ、エアギャップを一定に維持することができる。このためエアギャップ長の変動に対応するための複雑な演算処理を要せず、レーダユニットの構造を簡素化でき、コストを低減することができる。
【0009】
また、前記アーム部材に接続され、操作者に装着されることにより、操作者に対するアーム部材の垂直方向の荷重を支えるアーム支持手段を備えることが望ましい。
また、前記アーム支持手段が操作者に装着された状態で、アーム部材における操作者への当接部には、操作者に対する前記アーム部材の水平方向の向きを規制する規制手段が設けられていることが望ましい。
このようにすることにより、操作者に対しレーダ探査装置を固定することができ、手振れによるギャップの変動を抑制することができる。したがって、エアギャップ長の変動に対応するための複雑な演算処理を要せず、レーダユニットの構造を簡素化でき、コストを低減することができる。
【0010】
また、前記アーム部材に設けられ、少なくとも前記レーダユニットに対する制御情報及び、レーダユニットの出力情報を表示するモニタ部を備えることが望ましい。
このようにすることにより、操作者は常にレーダユニットの状況を把握することができる。
【0011】
また、前記アーム部材の後端に設けられ、前記レーダユニットに駆動電圧を供給する電圧源を備えることが望ましい。
このように構成すれば、アーム部材の先端に取り付けられたレーダユニットによる荷重をアーム後方に分散することができ、操作者によるレーダ探査装置の携帯をより容易にすることができる。
【0012】
また、前記ブラケット部は、前記アーム部材に固定されたアーム側ブラケットと、前記レーダユニットに固定されたレーダ側ブラケットとを有し、前記ブラケット部の回動機構は、前記アーム側ブラケットと前記レーダ側ブラケットにそれぞれ形成された軸穴に、共通の回転軸が貫装されることにより構成されることが望ましい。
また、前記ハンドル部に設けられた操作部は、第一のワイヤの一端が接続された第一のレバーと、第二のワイヤの一端が接続された第二のレバーとを有し、前記第一のワイヤと第二のワイヤの他端は、前記ブラケット部の回動機構の回動方向に沿って前記回転軸の前後にそれぞれ分けて配線され、前記レーダ側ブラケットにそれぞれ接続されていることが望ましい。
このように構成することにより、ブラケット部に回動機構を持たせることができ、また、その回動機構をレバーからなる操作部で操作し、回動させることができる。
【0013】
また、前記ブラケット部の回動機構の回動方向に沿って前記回転軸の前後には、それぞれ前記アーム側ブラケットと前記レーダ側ブラケットに荷重を付加する弾性部材が設けられていることが望ましい。
また、前記二つの弾性部材のいずれかの弾性定数を変化させる弾性可変手段が設けられていることが望ましい。
このように構成することにより、ブラケット部の回動方向のバランスを保つことができ、地表面が水平のときには、レーダユニットの水平状態を維持することができる。また、弾性部材により、回動機構に戻る力が生じるため、ワイヤが弛むことがなく、ワイヤを用いた操作部の操作を正確に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、地中への埋設物を検知するレーダユニットを具備するレーダ探査装置において、レーダユニットにおける演算処理を簡素化でき、コスト低減が可能となると共に、埋設物が地雷の場合には、不慮の地雷作動を回避することのできるレーダ探査装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明に係る実施の形態について、図に基づいて説明する。図1は、本発明に係るレーダ探査装置の全体を示す正面図、図2は側面図である。なお、本発明にかかるレーダ探査装置は、図示するように操作者Wが携帯して探査作業を行うものとして提供される。
【0016】
図1、図2に示すレーダ探査装置100は、地雷等の地中への埋設物を検知するためのレーダユニット1と、このレーダユニット1を支持するための棒状のアーム部材2とを備えている。アーム部材2の先端には、回動機構を有するブラケット部3が設けられており、このブラケット部3を介してレーダユニット1が支持されている。
【0017】
また、アーム部材2には、アーム支持手段としての吊下げベルト4が接続され、この吊下げベルト4を操作者Wが肩に掛けて装着することにより、アーム部材2及びそれに設けられた部材による垂直方向の荷重を操作者Wの肩で受けとめ、操作者Wが容易に支持できるようになされている。
また、吊下げベルト4が操作者Wに装着されると、アーム部材2の一部が操作者Wの太腿に当接するようになっている。そして、アーム部材2における操作者Wへの当接部には、操作者Wに対するアーム部材2の水平方向の向きを規制するための規制手段として、固定パッド5が設けられている。
【0018】
このように、吊下げベルト3及び固定パッド5によって、レーダユニット1を支持するアーム部材2を操作者Wが容易に保持できると共に、操作者Wに対するアーム部材2の位置を略固定できるように構成されている。
【0019】
また、アーム部材2には、操作者Wがレーダユニット1の水平方向の移動を操作するためのハンドル部6が設けられ、ハンドル部6の左右両端には、それぞれ操作部としての第一のレバー7と第二のレバー8が設けられている。また、レバー7には第一のワイヤ部材9の一端が接続され、レバー8には第二のワイヤ部材10の一端が接続されている。そして、ワイヤ部材9、10の他端は、ブラケット部3に向けてそれぞれ配線されている。
【0020】
さらにアーム部材2には、レーダユニット1に対する制御情報や、レーダユニット1による出力情報を表示するためのモニタ部11が設けられ、アーム部材2の後端には、レーダユニット1やモニタ部11に駆動電圧を供給するための電圧源としてバッテリ12が装着されている。このように、バッテリ12がアーム部材2の後端に装着されることにより、アーム部材2の先端に取り付けられたレーダユニット1による荷重とアーム後方のバッテリの荷重によりレーダ探知装置のバランスを保つ構造となっている。
【0021】
続いて、図3及び図4に基き、レーダユニット1及びブラケット部3についてさらに説明する。図3は、レーダユニット1及びブラケット部3の平面図、図4は図3のA−A断面図である。図3、図4に示すように、レーダユニット1の上面にはブラケット部3がボルト等により固定され、ブラケット3の上面とアーム部材2とが継手部材15により接続固定されている。図4に示すように、継手部材15は、垂直方向に対し傾斜してアーム部材2を保持するように形成されている。
【0022】
ブラケット部3は、アーム部材2に固定されたアーム側ブラケット3aと、レーダユニット1に固定されたレーダ側ブラケット3bとを有し、それぞれに形成された軸穴に共通の回転軸としてシャフト16が貫装されることにより、それぞれのブラケットが相対的に回動する回動機構を有するように構成されている。この回動機構により、操作者Wに固定されたアーム部材2に対しレーザユニット1の傾斜が可能になされている。
【0023】
また、図4に示すように、ブラケットの回動方向に沿って、シャフト16の前後には、それぞれ弾性部材としてのスプリング17、18が設けられている。このスプリング17、18は、アーム側ブラケット3aとレーダ側ブラケット3bのそれぞれに(上下に)荷重を付加するように圧縮状態で取り付けられている。そして、一方のスプリングであるスプリング17の上方には、アーム側ブラケット3aを介しスプリング17の弾性定数を変化させるためのスプリング調整ねじ19(弾性可変手段)が設けられている。すなわち、このねじ19を締め付けることにより、スプリング17がさらに圧縮され、ねじ19を緩めることにより、スプリング17が伸長するように構成されている。したがって、ねじ19の締め付け具合により、スプリング17とスプリング18との荷重バランスが調整され、操作者Wの身長等の個体差によるアーム部材2の傾斜のばらつきに対し、レーダユニット1の水平バランスをとることが可能になされている。
【0024】
また、レーダユニット1は、図4の断面図に示すように、信号処理を行うセンサシステム本体1aと、キャビティアンテナからなる送受信アンテナ1bとを有している。なお、送受信アンテナ1bは、複数個設けられており、形状は略同一であるが、それぞれが送信アンテナと受信アンテナのいずれかとして割り当てられている。
【0025】
このように構成されたレーダユニット1では、センサシステム本体1aで波形整形された信号が、送信アンテナから例えば地雷を検出するための周波数帯域(900MHz〜2600MHz)Hzの電磁波として地中に対し送信される。そして、その反射波は受信アンテナで受信され、再びセンサシステム本体1aで解析される。また、探査結果は、操作者Wがリアルタイムに確認できるようモニタ部11に表示されるようになされている。
【0026】
続いて、図5、図6、図7に基いてレバー7、8の操作によるレーダユニット1の回動構造について説明する。図5はハンドル部6の拡大図である。図6は図3のB−B断面図、図7は図6の他の状態を示す図である。
図5に示すように、ハンドル部6は、アーム部材2に対して固定部材20により固定されている。そして、ハンドル部6の両端には、操作者Wが手で握ったときの滑りを抑制するためのグリップ21が装着され、操作者Wがハンドル部6を保持しやすいようになされている。既に図1、図2に示したように、操作者Wはハンドル部6の両端が手前となるようにハンドル部6を保持する。このとき、操作者Wに対しグリップ21の手前には、レバー7、8が取り付けられており、操作者Wがグリップ21を握ったまま、レバー7、8の操作ができるようになされている。
【0027】
また、前記したようにレバー7にはワイヤ部材9の一端が接続され、レバー8にはワイヤ部材10の一端が接続されている。そして、それらの他端はブラケット部3に向けて配線されている。なお、ワイヤ部材9は、芯線としてのインナーワイヤ9aと、インナーワイヤ9aを被覆するビニル材等により形成されたアウターワイヤ9bとを有し、レバー7の動作によってインナーワイヤ9aがアウターワイヤ9bの中を摺動するように構成されている。また、ワイヤ部材10も同様に、芯線としてのインナーワイヤ10aと、インナーワイヤ10aを被覆するアウターワイヤ10bとを有し、レバー8の動作によってインナーワイヤ10aがアウターワイヤ10bの中を摺動するように構成されている。
【0028】
また、ブラケット部3に向けて配線されたワイヤ部材9,10は、そのアウターワイヤ9b、10bが、それぞれアーム側ブラケット3aの前後に接続固定され、インナーワイヤ9a、10aが、それぞれブラケット部3に対し貫装されている。そして、インナーワイヤ9a、10aの先端は、それぞれレーダユニット1に対し接続固定されている。
このようにワイヤ部材9,10が設けられた構造においては、前記したようにブラケット部3においてスプリング17、18が設けられているため、ブラケット部3の回動機構に戻る力が生じ、インナーワイヤ9a、10aが弛むことがない。その結果、操作者Wは、ワイヤを用いた操作部(レバー7,8)の操作を正確に行うことができる。
【0029】
このように構成されたレーダ探査装置100において、例えば、操作者Wがハンドル部6に向かって右側のレバー8を最大限に引くと(図5のP1のレバー位置)、それに伴いインナーワイヤ10aが引かれてレーダ側ブラケット3bが回動し、図7に示すように操作者Wから見てレーダユニット1の前方が引き上げられる。これによりレーダユニット1は、前方が上がり後方が下がる形で傾斜する。また、レーダユニット1の後方が下がるため、ワイヤ部材9のインナーワイヤ9aが下方に引き下げられ、これに伴いレバー7は図5のP1の位置に強制的に移動される。
【0030】
一方、操作者Wがハンドル部6に向かって左側のレバー7を最大限に引くと(図5のP3のレバー位置)、それに伴いインナーワイヤ9aが引かれてレーダ側ブラケット3bが回動し、操作者Wから見てレーダユニット1の後方が引き上げられる(図示なし)。これにより、レーダユニット1は、後方が上がり前方が下がる形で傾斜する。また、レーダユニット1の前方が下がるため、ワイヤ部材10のインナーワイヤ10aが下方に引き下げられ、これに伴いレバー8は図5のP3の位置に強制的に移動される。
なお、操作者Wがハンドル部6に向かってレバー7またはレバー8を図5のP2の位置まで引くことにより、レーダユニット1を水平面に対し水平にすることができる。
【0031】
以上のように、本発明にかかる実施の形態によれば、吊下げベルト3及び固定パッド5により操作者Wに対しレーダ探査装置100を固定することができ、手振れによるギャップの変動を抑制することができる。
また、本発明のレーダ探査装置100によれば、操作者Wはハンドル部6のレバー7、8を操作することにより、容易にレーダユニット1を傾斜させることができる。したがって、地表面が傾斜していても、地表の傾斜に合わせてレーダユニット1を傾斜させることができるため、測定地点に因らずエアギャップを略一定に維持することができる。その結果、エアギャップ長の変動や手振れの問題に対応するための複雑な演算処理を要せず、レーダユニット1の構造を簡素化でき、コストを低減することができる。
また、レーダユニット1を傾斜させることで、レーダユニット1の地表への接触を回避することができるため、ユニット先端が地表に接触することによる地雷作動の危険を回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明にかかるレーダ探査装置は、地中への埋設物を検出する目的において好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明に係るレーダ探査装置の全体を示す正面図である。
【図2】図2は、本発明に係るレーダ探査装置の全体を示す側面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示すレーダユニット及びブラケット部の平面図である。
【図4】図4は、図3のA−A断面図である。
【図5】図5は、図1及び図2に示すハンドル部の拡大図である。
【図6】図6は、図3のB−B断面図である。
【図7】図7は、図6の他の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 レーダユニット
1a センサシステム本体
1b 送受信アンテナ
2 アーム部材
3 ブラケット部
3a アーム側ブラケット
3b レーダ側ブラケット
4 吊下げベルト
5 固定パッド
6 ハンドル部
7 レバー(操作部、第一のレバー)
8 レバー(操作部、第二のレバー)
9 ワイヤ部材(第一のワイヤ)
9a インナーワイヤ
9b アウターワイヤ
10 ワイヤ部材(第二のワイヤ)
10a インナーワイヤ
10b アウターワイヤ
11 モニタ部
12 バッテリ(電圧源)
15 継手部材
16 シャフト(回転軸)
17 スプリング(弾性部材)
18 スプリング(弾性部材)
19 ねじ(弾性可変手段)
100 レーダ探査装置
W 操作者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に対して電波を送信し、送信された電波の反射波を受信して埋設物の探査を行うレーダ探査装置であって、
埋設物の検知システムを有するレーダユニットと、前記レーダユニットをブラケット部を介して支持する棒状のアーム部材と、前記アーム部材に設けられ、操作者がアーム部材を保持するためのハンドル部と、前記ハンドル部に設けられた操作部とを備え、
前記ブラケット部は回動機構を有し、操作者が前記操作部を操作することにより前記回動機構が作動し、前記レーダユニットが前記アーム部材に対し傾斜することを特徴とするレーダ探査装置。
【請求項2】
前記アーム部材に接続され、操作者に装着されることにより、操作者に対するアーム部材の垂直方向の荷重を支えるアーム支持手段を備えることを特徴とする請求項1に記載されたレーダ探査装置。
【請求項3】
前記アーム支持手段が操作者に装着された状態で、アーム部材における操作者への当接部には、操作者に対する前記アーム部材の水平方向の向きを規制する規制手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載されたレーダ探査装置。
【請求項4】
前記アーム部材に設けられ、少なくとも前記レーダユニットに対する制御情報及び、レーダユニットの出力情報を表示するモニタ部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたレーダ探査装置。
【請求項5】
前記アーム部材の後端に設けられ、前記レーダユニットに駆動電圧を供給する電圧源を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたレーダ探査装置。
【請求項6】
前記ブラケット部は、前記アーム部材に固定されたアーム側ブラケットと、前記レーダユニットに固定されたレーダ側ブラケットとを有し、
前記ブラケット部の回動機構は、前記アーム側ブラケットと前記レーダ側ブラケットにそれぞれ形成された軸穴に、共通の回転軸が貫装されることにより構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載されたレーダ探査装置。
【請求項7】
前記ハンドル部に設けられた操作部は、第一のワイヤの一端が接続された第一のレバーと、第二のワイヤの一端が接続された第二のレバーとを有し、
前記第一のワイヤと第二のワイヤの他端は、前記ブラケット部の回動機構の回動方向に沿って前記回転軸の前後にそれぞれ分けて配線され、前記レーダ側ブラケットにそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項6に記載されたレーダ探査装置。
【請求項8】
前記ブラケット部の回動機構の回動方向に沿って前記回転軸の前後には、それぞれ前記アーム側ブラケットと前記レーダ側ブラケットに荷重を付加する弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載されたレーダ探査装置。
【請求項9】
前記二つの弾性部材のいずれかの弾性定数を変化させる弾性可変手段が設けられていることを特徴とする請求項8に記載されたレーダ探査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−250451(P2006−250451A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−68407(P2005−68407)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】