説明

レーダ模擬信号発生器

【課題】 局部発振器のリーク信号の影響を受けることなく模擬信号のダイナミックレンジの拡大を図ることができるレーダ模擬信号発生器を提供する。
【解決手段】 波形データ発生器1はIデータとQデータから得られる最大振幅値を最大振幅検出回路9で検出して出力する。この最大振幅値のデータをミクサ5a,5bで局部発振信号により周波数変換し、混合器6で混合し、帯域通過フィルタ7でろ波し、増幅器8で増幅する。振幅補正演算回路10は最大振幅値とIデータ及びQデータの振幅値とから振幅補正値を演算し、振幅制御回路12はこの振幅補正値に基づいて増幅器8から出力する高周波信号を振幅制御して模擬信号を出力する。高周波信号のレベルを局部発振器のリーク信号のレベルよりも高くでき、模擬信号に対するリーク信号の影響を解消し、模擬信号のダイナミッグレンジを拡大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーダの模擬信号発生器に関し、特に受信エコーの模擬信号発生回路に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置の試験等を行うためのレーダ模擬信号発生器が提案されており、例えば特許文献1にはレーダ装置の一部に模擬信号発生手段を設けておき、発生した模擬信号と受信信号とを信号切替手段によって選択することにより、模擬信号を利用してレーダ装置の試験を行っている。また、特許文献2には、種々のレンジに種々の周波数の信号を模擬し、また同一レンジに複数の目標を模擬し、さらに同一レンジに複数の目標をD/A変換器のダイナミックレンジ以上の信号レベルに対しても模擬できるようにした模擬装置が提案されている。特に、特許文献2では、出力の最大値を検出し、この最大値のときにD/A変換器の入力が最大となるように減衰量変換回路でのシフト量と減衰量を設定することを特徴としている。
【0003】
このようなレーダ模擬信号発生器の一つに、特許文献1,2に記載のものとは異なるレーダ模擬信号発生器として、IデータとQデータを周波数変換した後、混合しかつ増幅してレーダ模擬信号を得る構成のものがある。すなわち、図6はレーダの受信エコーを模擬するレーダ模擬信号発生器であり、レーダの受信エコーを模擬したI信号を保存したIデータ2と、このI信号と直交したQ信号を保存したQデータ3を含み、シーケンス制御信号と共に所望のタイミングで前記IデータとQデータを出力する波形データ発生器1と、前記IデータとQデータを局部発振器4の信号によりそれぞれ周波数変換するミクサ5a,5bと、前記ミクサ5a,5bの出力信号を合成してIQ合成した高周波信号とする混合器6と、混合器6の信号から局部発振器4のリーク信号や倍数波などの不要な高調波信号を抑圧して所望の高周波信号を出力する帯域通過フィルタ7と、このフィルタ7の出力信号を増幅してレーダ模擬信号として出力する増幅器8により構成される。
【特許文献1】特開2003−14837号公報
【特許文献2】特開平4−212083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図6に示したレーダ模擬信号発生器では、レーダ模擬信号のダイナミックレンジが十分に確保できないという問題がある。すなわち、ミクサ5a,5bの出力信号には所望の高周波信号の他に、当該高周波信号の帯域内に局部発振器4のリーク信号が含まれるため、帯域通過フィルタ7を通しても除去することができない。そのため、所望の高周波信号のレベルがリーク信号のレベルよりも大きい場合はレベリング処理によってリーク信号を除去できるが、リーク信号のレベルが高い場合、特に所望の高周波信号のレベルがリーク信号よりも小さい場合にはリーク信号を除去することができず、ダイナミックレンジが狭く、十分に確保できなかった。言い換えれば、レーダ模擬信号発生器のダイナミックレンジは最大信号出力レベルからノイズレベルまでの範囲でなく、最大信号出力レベルからリーク信号レベルまでの範囲に減少することとなる。このため、レーダの受信エコーの模擬信号に信号生成上の制約が生じ、十分な模擬信号が発生できないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、局部発振器のリーク信号の影響を受けることなく模擬信号のダイナミックレンジの拡大を図ることができるレーダ模擬信号発生器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、レーダの受信エコーを模擬するための直交したIデータとQデータを出力する波形データ発生器と、IデータとQデータをそれぞれ局部発振信号により周波数変換するミクサと、ミクサの出力を混合する混合器と、混合した信号から不要な信号をろ波する帯域通過フィルタと、ろ波した信号を増幅して模擬信号として出力する増幅器とを備えるレーダ模擬信号発生器であって、IデータとQデータから得られる振幅値の最大振幅値をデータとしてミクサに出力する手段と、この最大振幅値とIデータ及びQデータから得られる振幅値とで振幅補正値を得る手段と、増幅器から出力される信号に対して振幅補正値に基づいて振幅制御を行う手段とを備える。また、本発明は、さらに、最大振幅値を出力する手段及び振幅補正値を出力する手段での処理遅延を解消するために当該処理遅延時間分だけ遅らせたシーケンス制御信号を出力する手段を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、レーダ模擬信号のダイナミックレンジを拡大することが可能になる。すなわち、波形データ発生器から出力されるIデータとQデータから得られる振幅値から最大振幅値を検出してミクサに出力して周波数変換を行ない、周波数変換した信号を混合し、ろ波し、増幅して高周波信号を得ているので、高周波信号のレベルを局部発振器のリーク信号のレベルよりも高くできる。その上で、Iデータ及びQデータから得られる振幅値と最大振幅値とで振幅補正値を演算し、この振幅補正値に基づいて増幅した高周波信号について振幅制御を行って模擬信号を発生させる。これにより、模擬信号に対するリーク信号の影響を解消し、模擬信号のダイナミッグレンジが拡大できる。また、最大振幅の検出及び振幅補正値の演算に際しての処理遅延に基づいてシーケンス制御信号を遅延させることにより、これらにおける処理遅延を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の第1の形態としては、レーダの受信エコーを模擬したI信号を保存したIデータとI信号と直交したQ信号を保存したQデータを含み、シーケンス制御信号と共に所望のタイミングでIデータ及びQデータを出力する波形データ発生器と、Iデータ及びQデータと局部発振器の信号からそれぞれ周波数変換するミクサと、ミクサの出力信号を合成する混合器と、混合器の信号から所望の高周波信号を伝送し、不要な高調波信号をろ波するための帯域通過フィルタと、フィルタの出力信号を増幅するための増幅器により構成されるレーダ模擬信号発生器において、波形データ発生器から出力されるIデータとQデータから得られる振幅値から最大振幅値を検出するための最大振幅検出回路と、ここで得られた最大振幅値とIデータ及びQデータから得られる振幅値とで振幅補正値を算出する振幅補正演算回路と、最大振幅検出回路及び振幅補正演算装置の処理遅延に基づいて模擬信号発生時間のシーケンスを処理遅延時間分だけ遅らせるためにシーケンス制御信号を遅延させるとともに、Iデータ及びQデータを最大振幅値の一定値として出力し、かつ振幅補正演算回路で得られた振幅補正値を出力するシーケンス遅延回路と、増幅器から出力される高周波信号を振幅補正値に基づいて振幅制御を行う振幅制御回路を備える。
【0009】
本発明の第2の形態としては、レーダの受信エコーを模擬したI信号を保存したIデータと前記I信号と直交したQ信号を保存したQデータを含み、シーケンス制御信号と共に所望のタイミングで前記Iデータ及びQデータを出力する波形データ発生器と、Iデータ及びQデータと局部発振器の信号からそれぞれ周波数変換するミクサと、ミクサの出力信号を合成する混合器と、混合器の信号から所望の高周波信号を伝送し、不要な高調波信号をろ波するための帯域通過フィルタと、フィルタの出力信号を増幅するための増幅器により構成されるレーダ模擬信号発生器において、波形データ発生器は、IデータとQデータから得られる振幅値から演算してミクサに出力する最大振幅値を保存し、かつ演算した最大振幅値とIデータ及びQデータから得られる振幅値とで演算した振幅補正値を保存する振幅制御データを備えており、増幅器から出力される高周波信号を振幅制御データから出力される振幅補正値に基づいて振幅制御を行う振幅制御回路を備える。
【0010】
本発明の第3の形態としては、第1及び第2の形態において、増幅器の出力である高周波信号を増幅することが可能な高電力増幅器と、増幅器の出力を選択して高電力増幅に入力させるRFスイッチを備える。
【実施例1】
【0011】
次に、本発明の実施例1を図1のブロック構成図を参照して説明する。図1において図6に示したレーダ模擬信号発生器と等価な部分には同一符号を付してある。波形データ発生器1は、レーダの受信エコーを模擬したI信号を保存したIデータ2と、このI信号と直交したQ信号を保存したQデータ3を含み、シーケンス制御信号と共に所望のタイミングで前記IデータとQデータを出力する。最大振幅検出回路9は、波形データ発生器1から出力されるIデータ2とQデータ3から得られる振幅値から最大振幅値を検出する。振幅補正演算回路10は、最大振幅検出回路9で得られた最大振幅値とIデータ2及びQデータ3から得られる振幅値の差分を算出する。シーケンス遅延回路11は、前記最大振幅検出回路9及び振幅補正演算装置10での処理遅延を解消するため、模擬信号発生時間を当該処理遅延時間分だけ遅らせてシーケンス制御信号を出力させる処理を行う。また、シーケンス遅延回路11は、前記最大振幅検出回路9で得られた最大振幅値に基づき、一定の最大振幅値のIデータとQデータとしてミクサ5a,5bに出力する。さらに、シーケンス遅延回路11は、前記振幅補正演算回路10で得られた振幅補正値を後述する振幅制御回路12に出力する。
【0012】
一方、局部発振器4、ミクサ5a,5b、混合器6、帯域通過フィルタ7、増幅器8は図6に示した構成と同じである。すなわち、ミクサ5a,5bはシーケンス遅延回路11からのIデータとQデータを局部発振器4の信号によりそれぞれ周波数変換する。混合器6は前記ミクサ5a,5bの出力信号をIQ合成して高周波信号とする。帯域通過フィルタ7は混合器6の信号から局部発振器4のリーク信号や倍数波などの不要な高調波信号を抑圧して所望の高周波信号を出力し、増幅器8は帯域通過フィルタ7の出力信号を増幅してレーダ模擬信号として出力する。そして、実施例1では、前記増幅器8の下段に振幅制御回路12を設けており、前記増幅器8の出力である高周波信号を前記シーケンス遅延回路11からの振幅補正値に基づいて振幅制御を行い、この振幅制御した高周波信号をレーダ模擬信号として出力している。この振幅制御回路12は例えば、電圧制御型の可変減衰器で構成する。
【0013】
以上の構成のレーダ模擬信号発生器の動作を説明する。図2に示すように、波形データ発生器1から出力されるIデータ2及びQデータ3から以下の式によりレーダの模擬信号の振幅Ai及び、位相θを表すことができる。
Ai=√(Ii2 +Qi2
θ=tan-1(Qi/Ii)
【0014】
最大振幅検出回路10ではレーダのスキャンやヒットなどの区切り毎に振幅Aiを算出した上でその振幅Aiが最も大きな最大振幅値Amを算出する。図2では、Iデータ2がIm、Qデータ3がQmのときに最大振幅値Amを得ている。例えば、図3(a)の破線はIデータ2とQデータ3から算出されるレーダ模擬信号の振幅Aiであり、所定の区切り内で図3(a)の実線で示すような振幅Aiの最大振幅値Amを算出して振幅補正演算回路10へ送る。振幅補正演算回路10では送られてきた最大振幅値Amに基づき、振幅補正値AaとIデータ及びQデータを以下の式により算出する。この振幅補正値Aaは最大振幅値Amと振幅Aiとの差分を演算してもよいが、ここでは図3(b)のように、最大振幅値Amと振幅Aiとの比率を演算している。
Aa=Ai/Am
Iデータ=Am×cosθ
Qデータ=Am×sinθ
【0015】
シーケンス遅延回路11では、振幅補正演算回路10からのIデータとQデータをミクサ5a,5bにそれぞれ出力し、これらミクサ5a,5bにおいて局部発振器4からの信号により周波数変換する。このとき、各ミクサ5a,5bの出力信号には局部発振器4からのリーク信号が混入することがあるが、図2に示したように、IデータとQデータの各振幅は一定の最大振幅値Amに固定されているのでリーク信号のレベルに比較して相対レベルが高く、リーク信号の影響を殆ど受けなくなる。また、これと共にシーケンス遅延回路11は振幅補正値Aaを振幅制御回路12に出力し、同時に前段の最大振幅検出回路9と振幅補正演算回路10での処理遅延を解消するため、模擬信号発生時間のシーケンスを予め確認しておいた処理遅延時間分だけ遅らせてシーケンス制御信号を出力する。
【0016】
ミクサ5a,5bで周波数変換されたIデータとQデータは、図6の場合と同様に、混合器6においてIQ合成して高周波信号とし、帯域通過フィルタ7において不要な高調波信号を抑圧して所望の高周波信号を出力し、増幅器8において帯域通過フィルタ7の出力信号を増幅する。増幅した信号は振幅制御回路12において、シーケンス遅延回路11から送られてきた振幅補正値Aaに従って増幅器8の出力を振幅制御する。増幅器8の出力までは図3(a)に実線で示したように最大振幅値Amに対応した一定値であるが、振幅制御回路12において振幅補正値Aaに基づいて振幅制御を行うことにより、振幅制御回路12の出力は図3(c)に示すように波形データ発生器1で発生したIデータとQデータに追従した振幅波形のレーダ模擬信号として出力することになる。振幅制御回路12を前述のように電圧制御型の可変減衰器で構成した場合には、シーケンス遅延回路11からは振幅補正値Aaを電圧として振幅制御回路12に入力することで一定値の最大振幅値Amを振幅補正値Aaに追従した振幅波形に制御することが可能である。
【0017】
このように、実施例1では、ミクサ5a,5bにおける周波数変換に際しては、IデータとQデータは図3(a)の実線に示したように一定値である最大振幅値Amの状態で周波数変換され、その後、増幅器8から出力されるまでは一定値の状態に保たれる。そのため、ミクサ5a,5bにおいて局部発振器4からのリーク信号が混入された場合でも、相対的にレベルの低いリーク信号を抑圧し、リーク信号の影響を受けることがなくなる。これにより、レーダ模擬信号発生器のダイナミックレンジを最大信号出力レベルからノイズレベルまでの範囲にでき、当該ダイナミッグレンジを拡大することができる。
【実施例2】
【0018】
図4は本発明の実施例2のブロック構成図である。実施例2おいては、実施例1の最大振幅検出回路9と振幅補正演算回路10とシーケンス遅延回路11と同等の機能を実行するために波形データ発生器1に振幅制御データ13を保存したことを特徴としている。すなわち、波形データ発生器1に設けた振幅制御データ13は、第1に、波形データ発生器1から出力されるIデータ2とQデータ3から得られる振幅値に基づいて最大振幅値を予め演算し、この最大振幅値を振幅制御データ13の一部として保存している。第2に、最大振幅値とIデータ2及びQデータ3から得られる振幅値の差分である振幅補正値を予め演算し、この振幅補正値を振幅制御データ13の一部として保存している。ミクサ5a,5bから増幅器8、さらに振幅制御回路12までに至る構成は実施例1と同じである。
【0019】
実施例2においては、振幅制御データ13に保存している最大振幅値をIデータ2とQデータ3に反映させることで、ミクサ5a,5bから増幅器8までにおいては実施例1と同様に最大振幅値での処理が実行される。そして、増幅器8出力について振幅制御回路12において振幅制御データ13に保存している振幅補正値を反映させることでIデータ2とQデータ3に追従した振幅のレーダ模擬信号を得ることができる。実施例2によれば、実施例1の最大振幅検出回路9と振幅補正演算回路10が不要になる。また、これら最大振幅検出回路9と振幅補正演算回路10における処理が無くなるので処理遅延が生じることはなく、シーケンス遅延回路11も不要になる。これにより、レーダ模擬信号発生器の構成を簡略化することができる。
【実施例3】
【0020】
図5は本発明の実施例3のブロック構成図である。実施例1と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。実施例3では、実施例1の構成に加えて、増幅器8と振幅制御回路12との間に高電力増幅器15と、増幅器8の出力をそのまま振幅制御回路12に出力する第1の系統と、増幅器8の出力を高電力増幅器15に入力しその出力を振幅制御回路12に出力する第2の系統とに切り替える一対のRFスイッチ14a,14bを介挿したことを特徴としている。これらのRFスイッチ14a,14bはシーケンス遅延回路11からの振幅補正値Aaの信号に基づいて切り替え動作されるようになっており、ここでは振幅補正値Aaの値が所定値以上の値を含むときにはRFスイッチ14a,14bを第2の系統に切り替えるように構成されている。
【0021】
実施例3においては、基本的には実施例1と同様にしてレーダ模擬信号を発生することができる。そして、振幅補正演算回路10において算出される振幅補正値が所定値以上の値を含むとき、すなわち最大振幅値に対して低レベルの振幅を含む信号の場合には、当該信号と局部発振器4からのリーク信号とのレベル差が小さいことが予測されるので高電力増幅器15において電力増幅を行うことにより、より高出力のレーダ模擬信号が出力できるため、さらにダイナミックレンジを拡大することができる。なお、実施例3において、RFスイッチを14a,14bを複数設けるとともに高電力増幅器15以外の出力電力の増幅器を増やすことによりさらにダイナミックレンジを拡大することも可能である。
【0022】
ここで、実施例3の高電力増幅器は実施例2の模擬信号発生器に適用することも可能である。また、実施例1,3においては、便宜上最大振幅検出回路、振幅補正演算回路、シーケンス遅延回路、振幅制御回路をそれぞれ独立した構成として示しているが、これらを一体化した回路として構成することが可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1のブロック構成図である。
【図2】Iデータ,Qデータと振幅及び最大振幅の相関を示す概念図である。
【図3】レーダ模擬信号と最大振幅値の波形図である。
【図4】実施例2のブロック構成図である。
【図5】実施例3のブロック構成図である。
【図6】先に提案されているレーダ模擬信号発生器のブロック構成図である。
【符号の説明】
【0024】
1 波形データ発生器
2 Iデータ
3 Qデータ
4 局部発振器
5a,5b ミクサ
6 混合器
7 帯域通過フィルタ
8 増幅器
9 最大振幅検出回路
10 振幅補正演算回路
11 シーケンス遅延回路
12 振幅制御回路
13 振幅制御データ
14a,14b RFスイッチ
15 高電力増幅器



【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダの受信エコーを模擬するための直交したIデータとQデータを出力する波形データ発生器と、前記IデータとQデータをそれぞれ局部発振信号により周波数変換するミクサと、前記ミクサの出力を混合する混合器と、前記混合された信号から不要な信号をろ波する帯域通過フィルタと、ろ波した信号を増幅して模擬信号として出力する増幅器とを備えるレーダ模擬信号発生器であって、前記IデータとQデータから得られる振幅値の最大振幅値をデータとして前記ミクサに出力する手段と、この最大振幅値と前記Iデータ及びQデータから得られる振幅値とで振幅補正値を得る手段と、前記増幅器から出力される信号に対して前記振幅補正値に基づいて振幅制御を行う手段とを備えることを特徴とするレーダ模擬信号発生器。
【請求項2】
前記最大振幅値を出力する手段及び前記振幅補正値を出力する手段での処理遅延を解消するために当該処理遅延時間分だけ遅らせたシーケンス制御信号を出力する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーダ模擬信号発生器。
【請求項3】
レーダの受信エコーを模擬したI信号を保存したIデータと前記I信号と直交したQ信号を保存したQデータを含み、シーケンス制御信号と共に所望のタイミングで前記Iデータ及びQデータを出力する波形データ発生器と、前記Iデータ及びQデータと局部発振器の信号からそれぞれ周波数変換するミクサと、前記ミクサの出力信号を合成する混合器と、前記混合器の信号から所望の高周波信号を伝送し、不要な高調波信号を抑圧するための帯域通過フィルタと、前記フィルタの出力信号を増幅するための増幅器により構成されるレーダ模擬信号発生器において、前記波形データ発生器から出力されるIデータとQデータから得られる振幅値から最大振幅値を検出するための最大振幅検出回路と、ここで得られた最大振幅値とIデータ及びQデータから得られる振幅値とで振幅補正値を算出する振幅補正演算回路と、前記最大振幅検出回路及び振幅補正演算装置の処理遅延に基づいて模擬信号発生時間のシーケンスを処理遅延時間分だけ遅らせるために前記シーケンス制御信号を遅延させるとともに、前記Iデータ及びQデータを前記最大振幅値の一定値として出力し、かつ前記振幅補正演算回路で得られた振幅補正値を出力するシーケンス遅延回路と、前記増幅器から出力される高周波信号を前記振幅補正値に基づいて振幅制御を行う振幅制御回路を備えることを特徴とするレーダ模擬信号発生器。
【請求項4】
レーダの受信エコーを模擬したI信号を保存したIデータと前記I信号と直交したQ信号を保存したQデータを含み、シーケンス制御信号と共に所望のタイミングで前記Iデータ及びQデータを出力する波形データ発生器と、前記Iデータ及びQデータと局部発振器の信号からそれぞれ周波数変換するミクサと、前記ミクサの出力信号を合成する混合器と、前記混合器の信号から所望の高周波信号を伝送し、不要な高調波信号を抑圧するための帯域通過フィルタと、前記フィルタの出力信号を増幅するための増幅器により構成されるレーダ模擬信号発生器において、前記波形データ発生器は、前記IデータとQデータから得られる振幅値から演算して前記ミクサに出力する最大振幅値を保存し、かつ演算した最大振幅値とIデータ及びQデータから得られる振幅値とで演算した振幅補正値を保存する振幅制御データを備えており、前記増幅器から出力される高周波信号を前記振幅制御データから出力される振幅補正値に基づいて振幅制御を行う振幅制御回路を備えることを特徴とするレーダ模擬信号発生器。
【請求項5】
前記増幅器の出力である高周波信号を増幅することが可能な高電力増幅器と、前記増幅器の出力を選択して前記高電力増幅に入力させるRFスイッチを備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のレーダ模擬信号発生器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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