説明

レーダ画像生成装置及びレーダ画像生成方法

【課題】レーダ画像を生成する際にGPUの負荷を抑えることが可能なレーダ画像生成装置を提供する。
【解決手段】レーダ画像生成装置は、インタフェース部、位置データ生成処理部、テクスチャ変換処理部、頂点バッファ、テクスチャバッファ、レーダ画像生成部、出力部及び背景用テクスチャ更新部を具備する。位置データ生成処理部は、インタフェース部で受信されたデジタル信号に基づいて位置データを生成する。テクスチャ変換処理部は、デジタル信号に含まれる目標情報をテクスチャデータに変換する。レーダ画像生成部は、第1の周期で頂点バッファ及びテクスチャバッファに記憶される位置データ及びテクスチャデータから第1の表示画面データを作成し、既定位置データ及び背景用テクスチャデータから第2の表示画面データを作成し、これらからレーダ画像データを生成する。背景用テクスチャ更新部は、第2の周期で、背景用テクスチャデータを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レーダ信号が目標で反射された反射信号を受信し、表示部にレーダ画像を表示させるレーダ画像生成装置及びこの装置で用いられるレーダ画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPU(Graphics Processing Unit)の高速化により、レーダ画像生成装置は、レーダ画像をソフトウェア処理により高速に生成することが可能となっている。GPUが搭載されるグラフィックチップには、レーダ波が送信されるアジマス方向毎にデータ信号が供給される。グラフィックチップに搭載されるメモリは、データ信号が供給される度に、レーダ波の送信方向に応じた位置データと、レーダ波の反射波に基づいて得られるテクスチャデータとを記憶する。GPUは、レーダ画像生成装置が接続される表示部の更新レートに従い、メモリに記憶される全てのアジマス方向の位置データ、及び、これらの位置データと対応する全てのテクスチャデータに基づいてレーダ画像を生成し、生成したレーダ画像を表示部へ出力する。
【0003】
しかしながら、更新レートに達する度に、メモリに記憶される全てのアジマス方向の位置データ、及び、これらの位置データに対応する全てのテクスチャデータに基づいてレーダ画像を生成しようとすると、GPUに大きな負荷がかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−129123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、従来のレーダ画像生成装置では、更新レートの度に、メモリに記憶される全ての位置データ及び全てのテクスチャデータに基づいてレーダ画像を生成するため、GPUに大きな負荷がかかるという問題がある。
【0006】
そこで目的は、レーダ画像を生成する際にGPUの負荷を抑えることが可能なレーダ画像生成装置及びこの装置に用いられるレーダ画像生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、表示部にレーダ画像を表示させるレーダ画像生成装置は、インタフェース部、位置データ生成処理部、テクスチャ変換処理部、頂点バッファ、テクスチャバッファ、レーダ画像生成部、出力部及び背景用テクスチャ更新部を具備する。インタフェース部は、予め設定された範囲毎のアジマス方向の目標情報を含むデジタル信号を受信する。位置データ生成処理部は、前記受信されたデジタル信号について、前記予め設定された範囲のアジマス方向に応じた位置データを生成する。テクスチャ変換処理部は、前記受信されたデジタル信号に含まれる目標情報を、前記表示部の表示形式に応じたテクスチャデータに変換する。頂点バッファは、前記位置データと、前記表示部のサイズに応じて設定される既定位置データとを記憶する。テクスチャバッファは、前記テクスチャデータと、前記表示部に表示されるレーダ画像に基づく背景用テクスチャデータとを記憶する。レーダ画像生成部は、予め設定された第1の周期で、前記第1の周期の間に前記頂点バッファに記憶された位置データとこの位置データと対応するテクスチャデータとから第1の表示画面データを作成し、前記頂点バッファに記憶される既定位置データと前記テクスチャバッファに記憶される背景用テクスチャデータとから第2の表示画面データを作成し、前記第1及び第2の表示画面データからレーダ画像データを生成する。出力部は、前記レーダ画像データを前記表示部へ出力する。背景用テクスチャ更新部は、予め設定された第2の周期で、前記生成されたレーダ画像データにより、前記テクスチャバッファに記憶される背景用テクスチャデータを更新する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係るレーダ画像生成装置を備えるレーダシステムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すCPUの機能構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すグラフィックチップに搭載されたメモリの機能構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すGPUの機能構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示すGPUによるレーダ画像データ生成処理及び背景用テクスチャ更新処理のフローチャートを示す図である。
【図6】図1に示すGPUによるレーダ画像データ生成処理を示す図である。
【図7】表示中心が移動する際に、図1に示すGPUによるレーダ画像データ生成処理を示す図である。
【図8】レーダ画像における共有領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係るレーダ画像生成装置10を備えるレーダシステムの機能構成を示すブロック図である。図1に示すレーダシステムは、アンテナ20、受信処理部30、レーダ画像生成装置10及び表示部40を具備する。
【0011】
アンテナ20は、送信装置(図示せず)から送信されたレーダ信号が目標等で反射された反射信号を受信する。レーダシステムは、所定の方向にレーダ信号を送信し、反射信号を受信する動作を、アジマス方向に予め設定した角度毎に実施する。アンテナ20は、レーダ信号が送信された方向毎に反射信号を受信する。
【0012】
受信処理部30は、アンテナ20で受信された信号を所定の周波数帯のベースバンド信号に変換する。受信処理部30は、ベースバンド信号をアナログ−デジタル変換し、デジタル信号を生成する。受信処理部30は、デジタル信号を表示部40の解像度に応じて圧縮し、レーダ画像生成部10へ出力する。レーダ画像生成部10へ出力されるデジタル信号には、レーダ信号が送信されたアジマス方向に関する情報、及び、このアジマス方向における目標情報が含まれる。なお、ここでは、受信処理部30が受信信号をベースバンド信号に変換する場合を示したが、受信信号をIF(Intermediate Frequency)帯のIF信号へ変換しても構わない。
【0013】
レーダ画像生成部10は、インタフェース部11、CPU(Central Processing Unit)12、メモリ13及びグラフィックボード14を備える。インタフェース部11、CPU12、メモリ13及びグラフィックボード14は、バスにより接続される。
【0014】
インタフェース部11は、受信処理部30とのインタフェースとなるもので、受信処理部30から出力されるデジタル信号を受信する。
【0015】
CPU12は、レーダ画像生成装置10内の処理を制御するものである。CPU12は、インタフェース部11でデジタル信号が受信されると、メモリ13に予め記録されるプログラムを読み出し、位置データ生成処理及びテクスチャ変換処理を実行する。すなわち、CPU12は、図2に示すように、位置データ生成処理部121及びテクスチャ変換処理部122を備える。メモリ13は、位置データ生成処理及びテクスチャ変換処理の実行中には、受信されたデジタル信号を一時的に保持する。
【0016】
位置データ生成処理部121は、受信されたデジタル信号がいずれのアジマス方向に関するものかを特定し、その方向に所定の領域を有するポリゴンを設定する。ここで、ポリゴンとは、レーダ信号の送信角度に応じた角度の扇状の領域であり、距離成分は予め設定されている。位置データ生成処理部121は、設定したポリゴンの頂点を指定する位置データを生成する。
【0017】
テクスチャ変換処理部122は、受信されたデジタル信号の目標情報を、表示部40の表示形式に応じたテクスチャデータに変換する。テクスチャデータとは、デジタル信号に含まれる目標情報を表示部40に表示させるため、レーダ信号の一つの送信方向に含まれる領域内の強度分布を判別可能なように、デジタル信号を画像の色情報に変換したデータである。例えば、デジタル信号は、表示色の設定と信号の値とにより、色情報に変換される。
【0018】
また、CPU12は、表示部40の表示レートに従い、メモリ13に予め記憶されるプログラムを読み出し、グラフィックボード14に搭載されるグラフィックチップ141に対してレーダ画像生成指示を与える。すなわち、CPU12は、図2に示すように、更新レートに従ってグラフィックチップ141に対してレーダ画像生成指示を与えるレーダ画像生成指示部123を備える。
【0019】
グラフィックボード14に搭載されるグラフィックチップ141は、GPU1411、メモリ1412及び計時部1413を備える。
【0020】
メモリ1412は、図3に示すように、頂点バッファ14121及びテクスチャバッファ14122を備える。
【0021】
頂点バッファ14121は、位置データ生成処理部121で生成された位置データを受信し、受信した位置データを記憶する。このとき、頂点バッファ14121は、計時部1413で計時される位置データの受信時の時刻情報を含めて位置データを記憶する。また、頂点バッファ14121は、表示部40の画面サイズに従って定義された四角形のポリゴンの既定位置データを予め記憶している。
【0022】
テクスチャバッファ14122は、テクスチャ変換処理部122で生成されたテクスチャデータを受信し、受信したテクスチャデータを記憶する。このとき、テクスチャバッファ14122は、計時部1413で計時されるテクスチャデータの受信時の時刻情報を含めてテクスチャデータを記憶する。また、テクスチャバッファ14122は、所定の期間前に表示部40に表示されたレーダ画像についての背景用テクスチャデータを記憶している。背景用テクスチャデータとは、表示部40に表示されるレーダ画像を、画面内の色調を維持するように記憶したデータである。例えば、レーダ画像は、32ビットの色情報のデータとして記憶される。テクスチャバッファ14122に記憶される背景用テクスチャデータは、表示部40に表示されるレーダ画像に基づいて、GPU1411の指示により更新される。
【0023】
GPU1411は、グラフィックチップ141内の処理を制御するものである。GPU1411は、CPU12のレーダ画像生成指示部123からレーダ画像生成指示を受けると、メモリ1412に予め記憶されるプログラムを読み出し、レーダ画像データ生成処理を実行する。すなわち、GPU1411は、図4に示すレーダ画像生成部14111を備える。
【0024】
レーダ画像生成部14111は、レーダ画像生成指示を受けると、前回のレーダ画像データの生成以降、頂点バッファ14121に記憶された位置データに、これらの位置データに対応するテクスチャデータを貼り付け、第1の表示画面データを作成する。レーダ画像生成部14111は、頂点バッファ14121に記憶される既定位置データにテクスチャバッファ14122に記憶される背景用テクスチャデータを貼り付け、第2の表示画面データを作成する。レーダ画像生成部14111は、第1及び第2の表示画面データからレーダ画像データを生成する。生成されたレーダ画像データには、計時部1413で計時されるレーダ画像データの生成時の時刻情報が含まれる。レーダ画像生成部14111は、生成したレーダ画像データを、コネクタ142を介し、例えば、DVI出力により表示部40へ出力する。
【0025】
また、GPU1411は、予め設定された周期に従い、メモリ1412に予め記憶されるプログラムを読み出し、背景用テクスチャ更新処理を実行する。すなわち、GPU1411は、図4に示す背景用テクスチャ更新部14112を備える。予め設定された周期としては、例えば、予め設定された回数だけデジタル信号を受信する周期、及び、予め設定された回数だけレーダ画像データを表示部40へ出力する周期が設定される。
【0026】
背景用テクスチャ更新部14112は、予め設定された周期に従い、テクスチャバッファ14122に記憶される背景用テクスチャデータを、レーダ画像生成部14111で新たに生成されたレーダ画像データにより更新する。背景用テクスチャデータには、この背景用テクスチャデータの元となったレーダ画像データが生成された時刻情報が含まれる。背景用テクスチャ更新部14112は、背景用テクスチャデータに含まれる時刻情報と現時刻とから経過時間を算出し、算出した経過時間に応じた数値をレーダ画像データに掛け合わせる。これにより、背景用テクスチャ更新部14112は、経過時間に応じた分だけ強度を弱くして背景用テクスチャデータを更新する。
【0027】
なお、テクスチャバッファ14122に背景用テクスチャデータが記憶されていない場合、背景用テクスチャ更新部14112は、レーダ画像生成部14111で生成されたレーダ画像データを、背景用テクスチャデータとしてテクスチャバッファ14122へ記憶する。
【0028】
次に、以上のように構成されたレーダ画像生成装置10の処理を、GPU1411の処理手順に従い説明する。図5は、本実施形態に係るレーダ画像生成装置10のGPU1411によるレーダ画像データ生成処理及び背景用テクスチャ更新処理のフローチャートを示す。
【0029】
まず、GPU1411は、位置データ生成処理部121で生成された位置データと、テクスチャ変換処理部122で生成されたテクスチャデータとを受信すると、位置データを頂点バッファ14121に記憶させ、テクスチャデータをテクスチャバッファ14122に記憶させる(ステップS51)。
【0030】
GPU1411は、CPU12からのレーダ画像生成指示があるか否かを判断し(ステップS52)、指示がある場合(ステップS52のYes)、指示に応じてレーダ画像データ生成処理を実行する。GPU1411は、第1及び第2の表示画面データを作成し、作成した第1及び第2の表示画面データからレーダ画像データを生成する(ステップS53)。図6は、GPU1411が第1及び第2の表示画面データを作成し、作成した第1及び第2の表示画面データからレーダ画像データを生成する際の模式図を示す。図6によれば、4方向の位置データ及びテクスチャデータが記憶されると、表示部40の更新レートに達し、新たなレーダ画像データが生成される。
【0031】
レーダ画像生成指示がない場合(ステップS52のNo)、GPU1411は、処理をステップS51に移行する。
【0032】
続いて、GPU1411は、予め設定された周期に達したか否かを判断する(ステップS54)。予め設定された周期に達していない場合(ステップS54のNo)、GPU1411は、生成したレーダ画像データを表示部40へ出力する(ステップS55)。予め設定された周期に達した場合(ステップS54のYes)、GPU1411は、背景用テクスチャ更新処理を実行する。GPU1411は、テクスチャバッファ14122に記憶される背景用テクスチャデータを、レーダ画像生成部14111で新たに生成されたレーダ画像データにより更新し(ステップS56)、処理をステップS55へ移行する。
【0033】
以上のように、上記実施形態では、表示部40に表示されるレーダ画像を背景用テクスチャデータとして記憶し、更新レートに達すると、新たに測定したデータの測定エリアについての第1の表示画面データと、背景用テクスチャデータに基づく第2の表示画面データとからレーダ画像データを生成するようにしている。これにより、頂点バッファ14121及びテクスチャバッファ14122には、既定位置データ及び背景用テクスチャデータと、背景用テクスチャデータの更新後から現時刻までの位置データ及びテクスチャデータとを記憶すれば良いこととなり、従来のように、全てのアジマス方向のデータを記憶しておく必要がなくなる。また、GPU1411は、背景用テクスチャデータに対する差分となる第1の表示画面データを作成すれば良いため、従来のように、頂点バッファ14121及びテクスチャバッファ14122に記憶されている全てのアジマス方向のデータに基づいてレーダ画像を生成する必要がなくなる。
【0034】
したがって、本実施形態に係るレーダ画像生成装置によれば、オフスクリーンレンダリングを利用することで、描画頂点数を大幅に減少させることが可能であるため、レーダ画像を生成する際にGPUの負荷を抑えることができる。さらに、本実施形態に係るレーダ画像生成装置によれば、描画性能を大幅に向上させることができる。また、本実施形態によれば、オフスクリーンレンダリングを利用することで、描画頂点数を大幅に減少させることが可能であるため、レーダ画像を生成する際にGPUの負荷を抑えることが可能なレーダ画像生成方法を提供することができる。
【0035】
また、上記実施形態では、背景用テクスチャデータを更新する際に、経過時間に応じて数値をレーダ画像データに掛け合わせるようにしている。これにより、経過時間に応じた分だけ強度が弱くなり、計時変化に対応させることが可能となる。
【0036】
なお、上記実施形態では、表示中心が停止している場合を例に説明したが、これに限定される訳ではない。例えば、表示中心が移動する場合であっても実施可能である。
【0037】
表示中心が移動する場合、従来の方式では、予め設定された残光時間が経過するまで、移動中を含む全てのアジマス方向の位置データ、及び、これらの位置データに応じる全てのテクスチャデータをメモリに記憶しておかなければならなかった。また、更新レートに達する度に、メモリに記憶される全てのアジマス方向の位置データ、及び、これらの位置データに応じる全てのテクスチャデータに基づいてレーダ画像を生成する必要があった。
【0038】
本実施形態に係るレーダ画像生成装置10によれば、頂点バッファ14121及びテクスチャバッファ14122に、既定位置データ及び背景用テクスチャデータと、背景用テクスチャデータの更新後から現時刻までの位置データ及びテクスチャデータとを記憶すれば良いため、従来と比較してメモリ1412の記憶容量を大幅に減らすことが可能となる。また、背景用テクスチャデータに対する差分となる第1の表示画面データを作成すれば良いため、従来と比較してGPU1411の処理を大幅に軽減することが可能となる。
【0039】
図7は、表示中心が移動する際に、GPU1411が第1及び第2の表示画面データを作成し、作成した第1及び第2の表示画面データからレーダ画像データを生成する際の模式図を示す。
【0040】
また、レーダ画像生成部14111は、第1の表示画面データを作成する際に、第1の表示画面データにより表示される領域と、第2の表示画面データにより表示される領域とが同一の領域を含むか否かを判断する。レーダ画像生成部14111は、同一の領域を含む場合、この共有領域内におけるテクスチャデータの強度と、背景用テクスチャデータの強度とを比較し、強度の大きい方を共有領域におけるテクスチャデータとする。レーダ画像生成部14111は、頂点バッファ14121に記憶される位置データと、共有領域におけるデータを更新したテクスチャデータとから第1の表示画面データを作成する。図8は、共有領域におけるデータを更新する場合のレーダ画像の模式図を示す。図8の網掛け部においては、テクスチャデータの強度と、背景用テクスチャデータの強度とが比較され、強度の大きい方が共有領域におけるテクスチャデータとなる。
【0041】
第1及び第2の表示画面データからレーダ画像データを生成する際、レーダ画像生成部14111は、第2の表示画面データと第1の表示画面データとを合わせる処理を行う。ここで、第1及び第2の表示画面データに共有領域が存在する場合、その領域においては、第2の表示画面データに第1の表示画面データが上書きされる。そのため、第2の表示画面データに残光による消え残りのデータがある場合であっても、第2の表示画面データよりも第1の表示画面データが表示されてしまう。本実施形態によれば、共有領域内におけるテクスチャデータの強度と、背景用テクスチャデータの強度とを比較し、強度の大きい方が共有領域におけるテクスチャデータとすることで、第2の表示画面データに残光による消え残りのデータがある場合であっても、正確なレーダ画像が生成されることとなる。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0043】
10…レーダ画像生成装置、11…インタフェース部、12…CPU、121…位置データ生成処理部、122…テクスチャ変換処理部、123…レーダ画像生成指示部、13…メモリ、14…グラフィックボード、141…グラフィックチップ、1411…GPU、14111…レーダ画像生成部、14112…背景用テクスチャ更新部、1412…メモリ、14121…頂点バッファ、14122…テクスチャバッファ、1413…計時部、142…コネクタ、20…アンテナ、30…受信処理部、40…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部にレーダ画像を表示させるレーダ画像生成装置において、
予め設定された範囲毎のアジマス方向の目標情報を含むデジタル信号を受信するインタフェース部と、
前記受信されたデジタル信号について、前記予め設定された範囲のアジマス方向に応じた位置データを生成する位置データ生成処理部と、
前記受信されたデジタル信号に含まれる目標情報を、前記表示部の表示形式に応じたテクスチャデータに変換するテクスチャ変換処理部と、
前記位置データと、前記表示部のサイズに応じて設定される既定位置データとを記憶する頂点バッファと、
前記テクスチャデータと、前記表示部に表示されるレーダ画像に基づく背景用テクスチャデータとを記憶するテクスチャバッファと、
予め設定された第1の周期で、前記第1の周期の間に前記頂点バッファに記憶された位置データとこの位置データと対応するテクスチャデータとから第1の表示画面データを作成し、前記頂点バッファに記憶される既定位置データと前記テクスチャバッファに記憶される背景用テクスチャデータとから第2の表示画面データを作成し、前記第1及び第2の表示画面データからレーダ画像データを生成するレーダ画像生成部と、
前記レーダ画像データを前記表示部へ出力する出力部と、
予め設定された第2の周期で、前記生成されたレーダ画像データにより、前記テクスチャバッファに記憶される背景用テクスチャデータを更新する背景用テクスチャ更新部と
を具備することを特徴とするレーダ画像生成装置。
【請求項2】
前記レーダ画像生成部は、前記生成したレーダ画像データに、前記レーダ画像データを生成した時刻情報を付与し、
前記テクスチャバッファに記憶される背景用テクスチャデータは、この背景用テクスチャデータの元となったレーダ画像データの時刻情報を含み、
前記背景用テクスチャ更新部は、前記背景用テクスチャデータを更新する際に、前記背景用テクスチャデータが含む時刻情報と更新時刻とから経過時間を算出し、前記経過時間に応じて前記更新するレーダ画像データの強度を予め設定された分だけ弱くすることを特徴とする請求項1記載のレーダ画像生成装置。
【請求項3】
前記レーダ画像の表示中心位置は移動することを特徴とする請求項1又は2記載のレーダ画像生成装置。
【請求項4】
前記レーダ画像生成部は、前記第1及び第2の表示画面データが、同一の領域を含む場合、前記領域におけるテクスチャデータ及び背景用テクスチャデータの強度を比較し、強度の大きい一方のデータを前記領域におけるテクスチャデータとして前記第1の表示画面データを作成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレーダ画像生成装置。
【請求項5】
表示部にレーダ画像を表示させるレーダ画像生成装置で用いられるレーダ画像生成方法において、
予め設定された範囲毎のアジマス方向の目標情報を含むデジタル信号を受信し、
前記受信されたデジタル信号について、前記予め設定された範囲のアジマス方向に応じた位置データを生成し、
前記位置データと、前記表示部のサイズに応じて設定される既定位置データとを記憶し、
前記受信されたデジタル信号に含まれる目標情報を、前記表示部の表示形式に応じたテクスチャデータに変換し、
前記テクスチャデータと、前記表示部に表示されるレーダ画像に基づく背景用テクスチャデータとを記憶し、
予め設定された第1の周期で、前記第1の周期の間に記憶した位置データとこの位置データと対応するテクスチャデータとから第1の表示画面データを作成し、
前記第1の周期で、前記既定位置データと前記背景用テクスチャデータとから第2の表示画面データを作成し、
前記作成した第1及び第2の表示画面データからレーダ画像データを生成し、
予め設定された第2の周期で、前記生成したレーダ画像データにより、前記背景用テクスチャデータを更新し、
前記生成したレーダ画像データを前記表示部へ出力することを特徴とするレーダ画像生成方法。
【請求項6】
前記生成したレーダ画像データに、前記レーダ画像データを生成した時刻情報を付与し、
前記背景用テクスチャデータは、この背景用テクスチャデータの元となったレーダ画像データの時刻情報を含み、
前記背景用テクスチャデータを更新する際に、前記背景用テクスチャデータが含む時刻情報と更新時刻とから経過時間を算出し、前記経過時間に応じて前記更新するレーダ画像データの強度を予め設定された分だけ弱くすることを特徴とする請求項5記載のレーダ画像生成方法。
【請求項7】
前記レーダ画像の表示中心位置は移動することを特徴とする請求項5又は6記載のレーダ画像生成方法。
【請求項8】
前記第1及び第2の表示画面データが、同一の領域を含む場合、前記領域におけるテクスチャデータ及び背景用テクスチャデータの強度を比較し、強度の大きい一方のデータを前記領域におけるテクスチャデータとして前記第1の表示画面データを作成することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のレーダ画像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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