説明

レーダ装置

【課題】 自身が動作中に電磁波を送出していることを自己診断可能なレーダ装置を提供すること。
【解決手段】 レーダ装置は、第1の周波数を有する第1の変調信号と、当該第1の変調信号よりも所定時間だけ遅延が与えられかつ当該第1の周波数帯とは異なる第2の周波数を有する第2の変調信号とを含む合波信号を外部に送出する送信用アンテナ11と、送信用アンテナ11の近傍に設置され、送信用アンテナ11から送出された合波信号が通過するレドーム12とを備える。ここで、レドーム12の厚みdは第1の周波数に基づいて選ばれ、レドーム12は、合波信号に含まれる第1の変調信号の成分を反射し、第2の変調信号の成分を透過する。レーダ装置はさらに、第1の変調信号成分に基づいて、送信用アンテナ11から高周波信号が送出されているか否かを判断する信号処理系1とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ装置に関し、より特定的には、自身が送出した電磁波の反射波を受信し処理して、周囲の物体に関する情報を取得するレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置は、自身が送出した電磁波の反射波を受信し処理して、周囲の物体に関する情報を取得する。ここで、取得される情報としては、レーダ装置から物体までの距離、レーダ装置からみた物体の相対速度、及びレーダ装置からみた物体の方位が典型的である。
【0003】
また、以上のようなレーダ装置の中には、自身が正常に動作しているか否かを判断する自己診断機能を備えるもの(以下、従来のレーダ装置と称する)がある。従来のレーダ装置の第1例は、自身の構成する逓倍器に生じるドレイン電圧を検出し、検出された電圧をモニタリングすることによって、自身の故障を検知する(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、第2例は、予め近距離に障害物があるという前提条件の下で、その障害物からの反射波の大きさの変化に基づいて、自身の故障を検知する(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平5−341032号公報
【特許文献2】特開平5−297110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなレーダ装置では、送出された電磁波の反射波が正しく受信されていることを判断することが重要となる。さもなければ、レーダ装置は正しい情報を取得することができない。
【0006】
しかしながら、上述の第1例では、単に逓倍器のドレイン電圧をモニタリングしているだけであるから、たとえレーダ装置が電磁波を送出していなくとも、例えば他のレーダ装置から送出された電磁波そのもの又はその反射波が受信された場合、レーダ装置が故障していないと判断される可能性がある。従って、第1例では、レーダ装置が電磁波を送出しているか否かを正しく判断できない場合があるという問題点がある。
【0007】
また、電磁波が正しく送出されているか否かについては、レーダ装置が実際に動作している間にも検出される必要がある。しかしながら、上述の第2例では、近くに障害物があるという前提条件が必要となるので、レーダ装置は、実際の動作中に自己診断を行えないことが多いという問題点がある。特に、レーダ装置が車両に搭載される場合、車両は一般的に周囲の物体を避けながら移動するので、上述の第2例では、車両が走行中にレーダ装置が自己診断を実行することはさらに難しい。
【0008】
それ故に、本発明の目的は、自身が動作中に電磁波を送出していることを自己診断可能なレーダ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一局面は、自身が送出した高周波信号の反射波を受信し処理することで、周囲の物体の情報を取得するレーダ装置であって、第1の周波数を有する第1の変調信号と、当該第1の変調信号よりも所定時間だけ遅延が与えられかつ当該第1の周波数帯とは異なる第2の周波数を有する第2の変調信号とを含む合波信号を外部に送出する送信用アンテナと、送信用アンテナの近傍に設置され、送信用アンテナから送出された合波信号が通過するレドームとを備える。ここで、レドームの厚みは第1の周波数に基づいて選ばれ、レドームは、合波信号に含まれる第1の変調信号の成分を反射し、第2の変調信号の成分を透過する。レーダ装置はさらに、第1の変調信号成分に基づいて、送信用アンテナから高周波信号が送出されているか否かを判断する信号処理系とを備える。
【0010】
また、レーダ装置は好ましくは、信号処理系の判断結果を出力する出力器をさらに備える。
また、好ましくは、レドームの厚みは、第2の変調信号の半波長に選ばれる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、レーダ装置は、互いに異なる第1及び第2の周波数成分を含みかつ第2の周波数成分が第1の周波数成分よりも時間軸上で遅れている合波信号を生成し、送信用アンテナから送出する。ここで、レドームは、第1の周波数成分を有する第1の変調信号を反射する。信号処理系は、このようなレドームにより反射された第1の変調信号成分を使って、レーダ装置が正常に動作していると判断する。このように、上述のような合波信号を送出し、レドームを第1の変調信号を反射可能に構成することで、たとえ自身が動作中であっても、正しく電磁波が送出されていることを自己診断可能なレーダ装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るレーダ装置の全体構成を示す模式図である。図1において、レーダ装置は、信号処理系1と、パルス発生器2と、発振器3と、送信側ミキサ4と、分岐器5と、送信側低域通過回路(以下、送信側LPF(Low Pass Filter))6と、高域通過回路(以下、HPF(High Pass Filter)と称する)7と、遅延回路8と、合波器9と、送信側アンプ10と、送信用アンテナ11と、レドーム12と、受信用アンテナ13と、受信側アンプ14と、受信側ミキサ15と、受信側LPF16と、出力器17とを備える。
【0013】
信号処理系1は、本レーダ装置の構成各部を制御する。本信号処理系1の典型的な処理としては、パルス発生器2へパルスの出力を命令する。また、信号処理系1は、後述する受信側LPF15の出力信号から、レーダ装置の周囲の物体に関する情報を取得する。取得される情報としては、レーダ装置から物体までの距離、レーダ装置からみた物体の相対速度、及びレーダ装置からみた物体の方位が典型的である。また、信号処理系1は、LPF15の出力信号から、送信用アンテナ10から電磁波が送出されているか否かを判断する。なお、本実施形態では、送信用アンテナ10から電磁波が送出されていることを、本レーダ装置が正常であると称し、そうでないことを異常と称する。
【0014】
パルス発生器2は、信号処理系1からの命令に従って、ベースバンド帯(周波数f1帯)でパルス幅がTwのパルス信号を生成して、送信側ミキサ4に出力する。
【0015】
発振器3は、予め定められた周波数f2の搬送波を生成し、送信側ミキサ4に出力する。ここで、f2は、f1よりも大きい。
【0016】
送信側ミキサ4は、入力された搬送波とパルス信号とを周波数混合して変調信号を生成し、生成した変調信号を分岐器5に出力する。ここで、変調信号は、|f2+f1|周辺の周波数帯と、|f2−f1|周辺の周波数帯とを占有する。
【0017】
分岐器5は、入力された変調信号を少なくとも2分岐して、第1の変調信号を送信側LPF6に出力し、第2の変調信号をHPF7に出力する。
【0018】
送信側LPF6は、入力された第1の変調信号のうち、|f2−f1|周辺の低周波成分だけを通過させ、それによって得られる低周波信号を合波器9に出力する。
【0019】
HPF7は、入力された第2の変調信号のうち、|f2+f1|周辺の高周波成分だけ通過させ、それによって得られる高周波信号を遅延回路8に出力する。
【0020】
遅延回路8は、入力高周波信号の位相を時間Δtだけ遅らせて、合波器9に出力する。ここでΔtは、少なくともパルス幅Twに相当する時間であるが、これに限らず、パルス幅Twを超える時間であっても構わない。
【0021】
合波器9は、送信側LPF6から出力された低周波信号と、遅延回路8から出力された高周波信号とを合波し、その結果得られる合波信号を送信側アンプ10に出力する。ここで、合波信号において、高周波信号の成分は、低周波信号の成分に対して少なくとも時間Δtだけ実質的に遅れて時間軸上に現れる。
【0022】
以上のような合波信号、つまり電磁波は、送信側アンプ10により増幅された後、送信用アンテナ11から送出される。
【0023】
レドーム12は、少なくとも送信用アンテナ11を外部環境から保護するために覆う誘電体のハウジングであり、図2に示すように送信用アンテナ11の放射面から所定距離だけ離れた位置に、その放射面と対向するように設置される。なお、レドーム12は、受信用アンテナ13を覆っていても良い。この場合、レドーム12はさらに、図2に示すように、受信用アンテナ13の受信面と対向するよう設置される。
【0024】
以上のようなレドーム12の厚みdは、上述の低周波信号よりも上述の高周波信号(周波数|f2+f1|)に対し透過特性が最適になるように、高周波信号の波長の1/2に選ばれることが好ましい。この場合、図2に示すように、送信用アンテナ11から送出された合波信号のうち、|f2+f1|帯の高周波成分のほぼ全てがレドーム12を透過し、|f2−f1|帯の低周波成分は部分的にレドーム12で反射する。
【0025】
次に、図3を参照して、以上のようなレドーム12の具体的な構成の一例について説明する。図3において、送信用アンテナ11から送出された合波信号の電界(以下、初期電界と称する)をE0と仮定する。また、レドーム12の比誘電体εを2、レドーム12の透磁率μを4π×10-7、導電率φを1×10-20 と仮定する。以上のような仮定下において、レドーム12を通過した後の合波信号の電界Eは、合波信号の周波数をfとした場合、次式(1)で表される。
【0026】
E=E0×e[−d√{1/π・f・μ・φ}] …(1)
今、f1を1GHzと、f2=24GHzと仮定すると、|f2+f1|は25GHzであるから、高周波成分の空気中の波長λは、光速をcとすると、λ=c/(|f2+f1|)となり、高周波成分のレドーム12(誘電体)内の波長λgは、λg=λ/√ε≒0.0085mとなる。従って、レドーム12の厚さdは、概ね0.004mとなる。なお、誘電体の厚さを通過させるべき電磁波の半波長にすることで、この電磁波をほとんど減衰させずに誘電体が通過させることは、半波長板としてよく知られている(例えば、電子情報通信学会 レーダ技術 P.142 4.7.1項を参照)。
【0027】
このようなレドーム12を通過した高周波成分の電界をE1とし、さらにレドーム12で反射することなくレドーム12を通過した低周波成分の電界をE2と仮定する。さらに、レドーム12で反射した低周波成分の電界をE2’と仮定する。
【0028】
以上の仮定下では、E1=E0×e[−d√{1/π・|f2+f1|・μ・φ}]=E0となり、高周波成分はレドーム12においてほぼ減衰することなく通過する。
【0029】
次に、E2は、上式(1)おいてE=E2/E1とでき、同式(1)中のE0、d、μ及びφは共通であることから、最終的に高周波成分及び低周波成分の周波数の比率、すなわちE2/E1=|f1−f2|/|f1+f2|=23/25=0.92%だけ、低周波成分はレドーム12を通過する。また、低周波成分の残りの8%は、レドーム12における反射することになる。以下、このような反射波を第1の反射波と称し、第1の反射波は受信用アンテナ13により受信される。
【0030】
また、レーダ装置の検知エリアに物体が存在する場合、レドーム12を通過した合波信号は、その物体に当たって反射する。このようにして生成される反射波(以下、第2の反射波と称する)は、受信用アンテナ13により受信される。
【0031】
以上のことから、受信用アンテナ13の受信信号において、第2の反射波の成分は、第1の反射波の成分に対して時間Δt以上遅れて時間軸上に現れる。また、以上のような受信信号は、受信側アンプ14により増幅された後、受信側ミキサ15に入力される。
【0032】
受信側ミキサ15は、受信側アンプ14の出力信号と、発振器3からの搬送波とを周波数混合して中間信号を生成し、生成した中間信号を受信側LPF16に出力する。
【0033】
また、受信側LPF16は、入力された中間信号のうち、f1以下の周波数成分だけ通過させ、それによって得られるベースバンド信号を信号処理系1に出力する。ここで、ベースバンド信号には、まず、第1の反射波をベースとするf1帯の周波数成分が時間軸上に現れ、それよりも時間Δt以上遅れて第2の反射波をベースとするf1帯の周波数成分が現れる。
【0034】
信号処理系1は、自身がパルス発生器2に命令してから、Tw+αの時間内に、ベースバンド信号の振幅値が予め定められた基準値以上になれば、レーダ装置が正常に動作していると判断する。つまり、信号処理系1は、Tw+αの時間内に、第1の反射波をベースとするf1帯の周波数成分を検出できれば、レーダ装置1が正常に動作していると判断する。また、そうでなければ、信号処理系1は、レーダ装置が正常に動作していないと判断する。
【0035】
また、レーダ装置が正常に動作していると判断した後、信号処理系1は、ベースバンド信号における第2の反射波の成分から、周知のようにして、周囲の物体に関する情報を取得する。
【0036】
出力器17は主として、信号処理系1で取得された物体に関する情報を表示する。また、出力器17は特徴的には、本レーダ装置が正常か異常かを、信号処理系1の判断に従って表示する。
【0037】
次に、図4のフローチャートを参照して、図1に示すレーダ装置の動作を説明する。図4において、信号処理系1は、パルス発生器2に対してパルスを送出するよう命令する。さらに、信号処理系1は、時間カウントを行うタイマを初期値に設定した後、タイマを能動化する(ステップST1)。
【0038】
信号処理系1からの命令に応答して、パルス発生器2は、前述のように、パルス幅Twのパルス信号を生成する。また、発振器3は搬送波を生成する。送信側ミキサ4は、入力された搬送波とパルス信号とから変調信号を生成する。このような変調信号のうち低周波成分は送信側LPF6により選択された後、合波器9に出力される。また、高周波信号は、HPF7により選択された後、時間Δtの遅延が与えられた後、合波器9に出力される。合波器9は、これら2成分からなる合波信号を生成する。このような合波信号は、送信側アンプ10により増幅された後、送信用アンテナ11から送出される。このようにして送出された合波信号のうち、高周波成分はレドーム12をほぼ全透過して外界に送出される。このように外界に送出された合波信号は、レーダ装置の検知エリアに物体が存在する場合、それに当たって反射して、第2の反射波として受信用アンテナ13により受信される。また、合波信号のうち、低周波成分はレドーム12において部分反射して、第1の反射波として受信用アンテナ13により受信される。
【0039】
このような受信側アンテナ13の受信信号は、受信側アンプ14により増幅された後、受信側ミキサ15に入力される。受信側ミキサ15は、入力信号から中間信号を生成し、LPF16は、f1以下の周波数を選択し、これによって、ベースバンド信号が生成される。
【0040】
信号処理系1は、タイマを能動化した後、時間Tw+αの間、第1の反射波の成分が到着することを待機する。ここで、Tw+αは、パルス発生器2に命令を発生してから、第1の反射波の成分が信号処理系1に到着していることが保証される時間である。このようなTw+Δαは、パルス発生器2、送信用アンテナ8、コイル10、信号生成回路11、LPF16及び信号処理系1で構成される伝搬経路の長さに基づいて定められる。
【0041】
信号処理系1は、タイマの能動化後時間Tw+αが経過するまでに、予め定められた値以上の電圧を検出した場合(ステップST2でYes)、第1の反射波の成分が到着したとみなして、レーダ装置が現在正常に動作していると判断する(ステップST3)。この場合、出力器17は、レーダ装置が現在正常に動作していることを出力する。また、信号処理系1は、このような判断の後、ベースバンド信号に含まれる第2の反射波の成分を使って、レーダ装置の周囲の物体に関する情報を取得する。
【0042】
逆に、ステップST2でNoと判断した場合、レーダ装置が現在正常に動作していないと判断する(ステップST4)。この場合、出力器17は、レーダ装置が現在正常に動作していないことを表示する。また、信号処理系1は、このような判断の後、好ましくは、動作を終了する。
【0043】
以上説明したように、レーダ装置は、互いに異なる複数の周波数成分(本実施形態では、|f2+f1|及び|f2−f1|の周波数成分)を含む合波信号を生成し、送信用アンテナ11から送出する。ここで、レドーム12は、いずれか1つの周波数成分(上述の実施形態では|f2−f1|の周波数成分)の一部分を反射するように選ばれた厚さdを有する。信号処理系1は、パルス発生器2がパルスを発生し始めた後、時間Tw+αが経過するまでに、レドーム12で反射された信号成分が到着すれば、レーダ装置が正常に動作していると判断する。このように、上述のような合波信号を送出し、レドーム12を適切な厚さdに設定することで、たとえ自身が動作中であっても、正しく電磁波が送出されていることを自己診断可能なレーダ装置を提供することが可能となる。
【0044】
また、レドーム12の厚みdを調整することにより、付加的な技術的効果として、外観を損ねることなく、レーダ装置は自己診断を行うことが可能となる。
【0045】
なお、以上の説明では、レーダ装置は、1個の受信側LPF16を備えるとして説明した。しかし、これに限らず、レーダ装置は、1個の受信側LPF及び1個の帯域通過回路を受信側ミキサ15及び信号処理系1の間に備えていても構わない。ただし、受信側LPFは、物体の情報取得用に用いられ、f1以下の周波数を通過させる。また、帯域通過回路は、レーダ装置の自己診断用に用いられ、|2×f2−f1|周辺の周波数を通過させる。
【0046】
また、以上の説明では、ステップST2において、信号処理系1は、予め定められた値以上の電圧を検出したか否かを判断していた。しかし、これに限らず、信号処理系1は、|f1|周辺の周波数成分を時間Tw+αの間に検出したか否かに基づいて、レーダ装置が正常に動作しているか否かを判断しても構わない。また、上述のように、1個の受信側LPF及び1個の帯域通過回路を受信側ミキサ15及び信号処理系1の間に備えていて居る場合、信号処理系1は、|2×f2−f1|周辺の周波数成分を時間Tw+αの間に検出したか否かに基づいて、レーダ装置が正常に動作しているか否かを判断しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るレーダ装置は、自身が動作中に電磁波を送出していることを自己診断可能な車載用途等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーダ装置の全体構成を示す模式図
【図2】図1に示すレドーム12の配置例を示す模式図
【図3】図1に示すレドーム12を通過する合波信号を説明するための模式図
【図4】図1に示す信号処理系1の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0049】
1 信号処理系
2 パルス発生器
3 発振器
4 送信側ミキサ
5 分岐器
6 送信側低域通過回路
7 高域通過回路
8 遅延回路
9 合波器
10 送信側アンプ
11 送信用アンテナ
12 レドーム
13 受信用アンテナ
14 受信用アンプ
15 受信用ミキサ
16 受信側低域通過回路
17 出力器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身が送出した高周波信号の反射波を受信し処理することで、周囲の物体の情報を取得するレーダ装置であって、
第1の周波数を有する第1の変調信号と、当該第1の変調信号よりも所定時間だけ遅延が与えられかつ当該第1の周波数帯とは異なる第2の周波数を有する第2の変調信号とを含む合波信号を外部に送出する送信用アンテナと、
前記送信用アンテナの近傍に設置され、前記送信用アンテナから送出された合波信号が通過するレドームとを備え、
前記レドームの厚みは前記第1の周波数に基づいて選ばれ、前記レドームは、前記合波信号に含まれる前記第1の変調信号の成分を反射し、前記第2の変調信号の成分を透過し、
前記レーダ装置はさらに、前記第1の変調信号成分に基づいて、前記送信用アンテナから前記高周波信号が送出されているか否かを判断する信号処理系とを備える、レーダ装置。
【請求項2】
前記信号処理系の判断結果を出力する出力器をさらに備える、請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記レドームの厚みは、前記第2の変調信号の半波長に選ばれる、請求項1に記載のレーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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