説明

レールフロー補修方法、レールフロー削正装置、及び補助具

【課題】レールフローを削正して補修した部分の耐久性を向上させること。
【解決手段】継目面11cからレールフロー11dの幅以上の厚さの回転型のカッタを用いて、レール11のない位置にて、カッタの下端をレール11の頭部上面からレールフロー11dの深さ以上の深さに設定し、かつ、カッタの側壁面を継目面11cと同一面に設定し、カッタの下端を一定高さに保ちながら継目面11cに沿ってレール11の頭部を横断するようにカッタを送ることによってレールフロー11dないし絶縁材12を削除して削正溝13を形成する削正工程と、補修プレート14を削正溝13に挿入して、接着剤15を用いて補修プレート14を削正溝13に接着して補修する補修工程と、を含む。補修工程では、接着後、レール11からはみ出した補修プレ−ト14の不要部14aを削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁接着レールにおけるレールと絶縁材の継目面に発生したレールフローを削正して補修するレールフロー補修方法、レールフローを削正する際に用いるレールフロー削正装置、及び、レールフロー削正装置のカッタの位置合わせの際に用いる補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の線路に敷設されたレールには、レールの継目部で絶縁材を介装して接着した絶縁接着レールがある。絶縁接着レールでは、車両の荷重や、車輪の回転によってレール頭部が摩耗すると、レール頭部近傍の継目面にレールフローと呼ばれるレールの延展部が発生し、次第に成長する。レールフローが発生すると、隣接するレールの端部が互いに接近し、レールに流れる電気信号が短絡して、例えば、遮断機が降下したままになる等、自動制御動作に狂いが生じて交通機関が混乱するという事態を招くおそれがある。
【0003】
そこで、従来においては、レールフローを削正して補修している。このような補修では、レールフローの削正工程と、削正によって形成された削正溝の補修工程の2つの工程があり、以下のように行われている。
【0004】
レールフローの削正工程では、特許文献1や特許文献2に示されるようなレールフロー削正装置(図示せず)のカッタ23(回転刃)をレール11と絶縁材12の継目面に位置決めし、カッタ23によってレール頭部表面から3mm程度の深さで切り込んだ後、レールフロー削正機を操作してレール頭部の外周面に倣ってカッタ23を移動してレールフロー11dを削正している(図15(a)、図15(b)、図16(a)、図16(b)参照)。なお、レールフロー11dの削正工程では、レールフロー11dの削除とともに継目面近傍の絶縁材12の部分も削除された削正溝93が形成され、削正溝93の深さは3mm程度で一定である。
【0005】
削正溝の補修工程では、削正溝93に絶縁材を含む液状の充填剤94(補修剤)を充填して硬化させた後、レール11の頭部の外周からはみ出した充填剤94の不要部94aを削除している(図15(c)、図15(d)、図16(c)、図16(d)参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平8−269904号公報
【特許文献2】特開平11−81205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、発明者らの調査によれば、レールフロー11dについてレール11頭部上面からの深さは、図17(b)の絶縁接着レールに示すように、レールフロー11dがレール端面(レールフローが発生してないレール端面)からレール長手方向(図17(b)の左右方向)に約1.5mmに成長したときに、レール頭部上面からレール短手方向(図17(b)の上下方向)に約7mmの深さまでレールフローが発生していることが観察された。
【0008】
これに対し、従来のレールフローの削正工程では、レール11の頭部表面から3mm程度の深さまでしか削除されておらず、それ以上の深さに発生したレールフロー11dが残ったままになるおそれがある。そのため、従来のレールフロー補修方法では、充填剤94の劣化、荷重、熱膨張等により充填剤94が削正溝93から剥離するおそれが大きく、耐久性が低くなり、補修部分の信頼性に問題がある。
【0009】
また、充填剤94が削正溝93から短期間で剥離してしまうと、レール11と絶縁材12の継目部に隙間が生じ、レール11上を走行する車輪によって絶縁材12が叩かれて潰れて絶縁不良を惹き起し、遂には絶縁接着レールを交換しなければならない事態が生じ、修繕コストが増大するおそれがある。
【0010】
また、レールフロー11dはレール11と絶縁材12の継目面を覆い隠すように発生するので、従来のレールフローの削正工程では、継目面を想定したカッタ23の位置でレールフロー11dの削正を行い、レールフロー11dの削除が不十分であればカッタ23の位置を修正して、再度、レールフロー11dの削正を繰り返したため、作業性が低いという問題があった。
【0011】
本発明の第1の課題は、レールフローを削正して補修した部分の耐久性を向上させることである。
【0012】
本発明の第2の課題は、レールの継目面に発生するレールフローを効率よく完全に削除できるようにすることである。
【0013】
本発明の第3の課題は、レールフローの削正工程でのカッタの位置合わせを正確に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の視点においては、絶縁接着レールにおけるレールと絶縁材の継目面に発生したレールフローを削正して補修するレールフロー補修方法であって、前記継目面から前記レールフローの幅以上の厚さのカッタを用いて、前記レールのない位置にて、前記カッタの下端を前記レールの頭部上面から前記レールフローの深さ以上の深さに設定し、かつ、前記カッタの側壁面を前記継目面と同一面に設定し、前記カッタの下端を一定高さに保ちながら前記継目面に沿って前記レールの頭部を横断するように前記カッタを送ることで前記レールフローないし前記絶縁材を削除して削正溝を形成する削正工程と、補修プレートを前記削正溝に挿入して、前記補修プレートを前記削正溝に接着して補修する補修工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の前記レールフロー補修方法において、前記補修工程では、接着剤を用いて前記補修プレートを前記削正溝に接着することが好ましい。
【0016】
本発明の前記レールフロー補修方法において、前記補修工程では、接着後、前記レールからはみ出した前記補修プレ−トの不要部を削除することが好ましい。
【0017】
本発明の前記レールフロー補修方法において、前記削正溝は、前記レール頭部上面に開口部を有し、前記レールの側壁面と前記絶縁材の側壁面が平行になるように対向し、かつ、底面が絶縁材のみの面となった矩形状の溝であることが好ましい。
【0018】
本発明の前記レールフロー補修方法において、前記補修プレートは、前記絶縁材と同一材質であることが好ましい。
【0019】
本発明の前記レールフロー補修方法において、前記補修プレートの厚さは、前記接着剤に応じて選択されることが好ましい。
【0020】
本発明の前記レールフロー補修方法において、前記補修プレートは、前記削正溝内に配置される部位に切欠き又は貫通孔を有することが好ましい。
【0021】
本発明の第2の視点においては、絶縁接着レールにおけるレールと絶縁材の継目面に発生したレールフローを削正するレールフロー削正装置であって、前記レールの短手方向の両外側から把持することによって装置全体を前記レールに着脱自在に固定するクランプ機構と、電動モータによって回転するディスク状のカッタと、前記カッタの回転軸を前記レール長手方向に平行に保ちながら前記カッタをXYZ軸の3方向に移動可能にする移動機構と、を備え、前記移動機構は、前記レールのない位置にて、前記カッタの下端を前記レールの頭部上面から所定深さに設定可能であり、かつ、前記カッタの側壁面を前記レールの継目面と同一面に設定可能であり、前記カッタの下端を一定高さに保ちながら前記継目面に沿って前記レールの頭部を横断するように前記カッタを送ることが可能であることを特徴とする。
【0022】
本発明の第3の視点においては、絶縁接着レールにおけるレールと絶縁材の継目面を計測する補助具であって、ケースの外面に配された計測基準面と、前記ケースの外部に延在するとともに前記継目面を検出するセンサと、前記ケース内に配されるとともに前記センサが前記継目面を検出したときに報知する電気回路とを有する検出部と、前記検出部を前記レール長手方向に摺動自在に取付可能な位置合わせ用フレームと、前記フレームを前記レールの頭部の両側面から把持可能なクランプ機構と、前記検出部の位置を前記レール長手方向に調整可能にする調整機構とを有する位置合わせ具と、を備えることを特徴とする。
【0023】
本発明の前記補助具において、前記検出部を一方向に摺動自在に取付可能な治具用フレームと、前記治具用フレームの端面に接着された治具用絶縁材と、前記検出部の位置を前記一方向に調整可能にする調整機構と、前記治具用フレームの外面に形成されるとともに前記治具用フレームと前記治具用絶縁材の接着面となるダミー継目面と同一面の治具基準面とを有する測定治具を備え、前記センサは、前記ダミー継目面を検出し、前記電気回路は、前記センサが前記ダミー継目面を検出したときに報知することが好ましい。
【0024】
本発明の前記補助具において、前記検出部は、前記ケースを取り付けられるとともに開口部を有する検出部用フレームと、前記開口部にて前記レール長手方向に摺動可能に配された突当部材と、前記突当部材を前記レール長手方向に付勢するばねとを有し、前記位置合わせ用フレームは、前記検出部が取り付けられたときに前記突当部材と係合する突当受け面を有することが好ましい。
【0025】
本発明の前記補助具において、前記治具用フレームは、前記検出部が取り付けられたときに前記突当部材と係合する突当受け面を有することが好ましい。
【0026】
本発明の前記補助具において、前記検出部を取り付けた前記測定治具で前記ダミー継目面を検出したときの前記治具基準面から前記計測基準面までの第1距離と、同じ前記検出部を載替えて取り付けた前記位置合わせ具で前記継目面を検出したときの前記計測基準面からカッタの側面までの第2距離との差に基づいて、前記カッタの位置を補正する用途に用いられることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明(請求項1−7)によれば、レールの継目面に発生する垂直方向のレールフローまで完全に削除できるレールフローの削正深さを採用しているので、レールの継目面にレールフローが残存することがなく、補修は補修プレートを接着して行うので補修部が剥離することがなく、新品の絶縁接着レールと同等の耐久性を得ることができる。
【0028】
本発明(請求項8−13)によれば、計測値に基づいてカッタの位置合わせを行うので、未熟練者でも正確かつ容易にカッタの位置合わせを行うことができ、レールフロー削正作業を繰り返す無駄を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るレールフロー補修方法について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るレールフロー補修方法の工程を模式的に示した断面図である。図2は、本発明の実施形態1に係るレールフロー補修方法の工程を模式的に示した図1の矢視Xの平面図である。図3は、本発明の実施形態1に係るレールフロー補修方法で用いる補修プレートの一例を模式的に示した斜視図である。
【0030】
なお、図1(a)及び図2(a)は補修前の状態を示しており、図1(b)及び図2(b)は削正後の状態を示しており、図1(c)及び図2(c)は削正溝に補修プレートを装着した状態を示しており、図1(d)及び図2(d)は補修プレートの不要部を削除した状態を示している。
【0031】
図1及び図2に示したレールフロー補修方法は、レール11の継目部で絶縁材12を介装して接着した絶縁接着レールの補修方法であり、大きく分けて、レール11と絶縁材12の継目面に発生するレールフロー11aの削正工程と、削正によって形成された削正溝の補修工程との2つの工程を含む。
【0032】
まず、レールフロー11aの削正工程では、図1(a)及び図2(a)のようにレール11と絶縁材12の継目面に発生しているレールフロー11aを完全に削除できる所定の溝幅及び深さの削正溝13を形成する(図1(b)及び図2(b)参照)。
【0033】
ここで、削正溝13の形成では、継目面11c(レールフロー11aが発生していないレール11の端面)からレールフローの幅以上の厚さ(幅)の回転型のカッタ23を用いて、レール11のない位置にて、カッタ23のレール11側の側壁面を継目面11cと同一面に設定し、かつ、カッタ23の下端(先端)をレール11の頭部上面からレールフローの深さ以上の深さ(図2(b)のde)に設定し、カッタ23の下端を一定高さに保ちながら継目面11cに沿ってレール11の頭部を横断するようにカッタ23を送ることで、レールフロー11aないし絶縁材12を削除して削正溝13の形成する。
【0034】
また、削正溝13は、レール頭部上面に開口部13aを有し、レール11の側壁面と絶縁材12の側壁面が互いに平行になるように対向し、かつ、底面が絶縁材12のみの面となった矩形状の溝であることが好ましい。また、削正溝13は、レールフロー11aの大きさに応じて溝幅及び深さが設定されるが、図17(b)の調査結果に示す例では溝幅1.5mm以上かつ深さ7mm以上に設定される。
【0035】
また、削正溝13を形成する際に用いるカッタ23は、レール11及び絶縁材12の材質に応じて選択されるが、例えば、側フライスやダイヤモンド砥石等を用いることができる。
【0036】
次に、削正溝の補修工程では、削正溝13に挿入した補修プレート14を接着剤15によって継目面11cおよび絶縁材12に接着し(図1(c)及び図2(c)参照)、接着剤15が硬化した後、レール11からはみ出した補修プレ−ト14の不要部14a(接着剤15の不要部があればその不要部)を削除する(図1(d)及び図2(d)参照)。不要部14aの削除の際、レール11の表面と補修プレ−ト14の表面が平坦になるように削除する。
【0037】
ここで、補修プレート14は、絶縁材12と同一の材質よりなることが好ましい。また、補修プレート14は、削正溝13の溝幅に合わせた厚さに形成され、削正溝13の深さよりも大きくなるように形成されている。補修プレート14の厚さは、数式『(削正溝の溝幅)−2×(接着剤メーカーの推奨する接着膜厚)』とすることが好ましい。また、補修プレート14は、接着剤15との接着強度を増強したり、補修プレート14の剥離を防止するために、削正溝13内に配置される部位に図3に示すような逆台形の切欠き14bや、貫通孔(図示せず)等を設けてもよい。なお、補修プレート14に形成される切欠きや貫通孔等の形状については、補修プレート14の剥離を防止できるものとし、補修プレート14をレール11の上面側に引き上げようとした時に接着剤15に引っ掛かるような形状とすることが好ましい。
【0038】
また、接着剤15は、レール11と絶縁材12の接着に使用した接着剤と同じとすることが望ましい。また、接着剤15の硬化時間は接着剤メーカーの推奨する時間とする。また、接着剤15は、液状の接着剤とし、補修プレート14を削正溝13に挿入する前に削正溝13に注入しておき、接着剤15が固化する前に補修プレート14を削正溝13に挿入する。また、接着剤15は、補修プレート14を削正溝13に挿入したときに削正溝13から少量溢れ出てもよい。
【0039】
実施形態1によれば、レール11の継目面に発生するレールフロー11dを完全に削除できる深さの削正溝13を採用しているので、レール11の継目面にレールフロー11dが残存することがない。また、削正溝13の補修は補修プレート14を接着して行うので補修部が剥離することがない。よって、実施形態1に係るレールフロー補修方法により補修された絶縁接着レールは、新品の絶縁接着レールと同等の耐久性を得ることができる。
【0040】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係るレールフロー削正装置及び補助具について図面を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態2に係るレールフロー削正装置及び補助具の構成を模式的に示した斜視図である。図5、図6は、本発明の実施形態2に係る補助具の構成を模式的に示した図面である。図7〜図10は、本発明の実施形態2に係る補助具における検出部の構成を模式的に示した図面である。図11、図12は、本発明の実施形態2に係る補助具における検出部を治具に搭載した状態の構成を模式的に示した図面である。図13は、本発明の実施形態2に係る補助具における検出部を治具に搭載した構成と電子回路の構成を模式的に示した図面である。図14は、本発明の実施形態2に係る補助具における検出部を位置合わせ具に搭載した構成と電子回路の構成を模式的に示した図面である。
【0041】
図4を参照すると、レールフロー削正装置2及び補助具3は、実施形態1に係るレールフロー補修方法のレールフローの削正工程において用いるのに適したものである。
【0042】
レールフロー削正装置2は、レールフローを削正する際に用いる装置である(図4参照)。レールフロー削正装置2は、削正しようとするレールフロー(図11(a)の11d)が発生しているレール11Aではなく、その隣のレール11Bに装着して用いる。レールフロー削正装置2は、クランプ機構28によってレール11Bの短手方向の両外側から把持(クランプ)することによってレール11Bに着脱自在に固定される。クランプ機構28は、クランプハンドル27を回動させることによって着脱自在にレール11Bを把持する。レールフロー削正装置2は、カッタ23の回転軸をレール長手方向に平行に保ちながら切削ヘッド21を上下、左右、前後(XYZ軸)の3方向に移動可能とする移動機構を有し、切削ヘッド21のレール11A側の部分に電動モータ(図示せず)によって回転するディスク状のカッタ23が装着されている。カッタ23は、回転刃であり、その回転軸がレール長手方向と平行になっている。切り込みハンドル24は、回動させることによって切削ヘッド21をレール頭部上面に対し直角方向(垂直方向;Z方向)に移動可能にするハンドルである。切削送りハンドル25は、回動させることによって切削ヘッド21をレール11Bの短手方向(Y軸方向)に移動可能にするハンドルである。カッタ位置決めハンドル26は、回動させることによって切削ヘッド21をレール11Bの長手方向(X軸方向)に移動可能にするハンドルである。なお、ここでは切削ヘッド21の移動を手動式としているが、電動式でもよく、電動式と手動式の組み合わせでもよい。
【0043】
レールフロー削正装置2の操作手順として、レール11のない位置にて切り込みハンドル24を調節することによりカッタ23の刃先(下端)をレール頭部上面から一定の深さ(図2(b)のde)になるように設定する。そして、補助具3を用いてカッタ位置決めハンドル26を調整し、カッタ23のレール11A側の面をレール11Aと絶縁材12の継目面(図1(c)の11cに相当;レールフロー11aが発生していないレール11の端面)の位置に合わせるように設定する。そして、切削送りハンドル25を調整することによりレール11Aと絶縁材12の継目面に沿ってレール11Aの頭部を横断するように、回転しているカッタ23を送る。これにより、図1(b)の削正溝13と同様な削正溝を形成することができる。なお、補助具3を用いたカッタ23の位置合せの手順については、後述する。
【0044】
補助具3は、レールフロー削正装置2のカッタ23の側面(レール11A側の面)をレール11Aと絶縁材12の継目面に正確に位置合わせするための補助具であり、レールフロー(図1(a)の11d)の削正の繰り返しを防止するための手段である(図4参照)。補助具3は、検出部31(図4〜図14参照)と、位置合わせ具32(図4〜図6、図14参照)と、測定治具33(図11〜図13参照)と、を有する。補助具3は、測定治具33を用いてダミー継目面333に検出部31を合わせて計測基準面312から治具基準面335までの距離δを計測し(図13参照)、その後、検出部31を位置合わせ具32に載置替えてレール11Aの継目面11cに検出部31を合わせて計測基準面312からカッタ23までの距離δを計測し(図14参照)、距離δと距離δの差から継目面11cに対するカッタ23の位置ずれ量を算出するために用いる。この位置ずれ量に基づいて、図4のカッタ位置決めハンドル26を調整して、カッタ23を目的の位置に移動させることになる。
【0045】
検出部31は、レール11Aと絶縁材12の継目面11c(側定治具33についてはダミー継目面333)を電気的に検出する構成部である(図4〜図14参照)。検出部31は、センサ311と、計測基準面312と、ケース313と、絶縁部314と、フレーム315と、電気回路34と、を有する。
【0046】
センサ311は、レール11Aと絶縁材12の継目面11c(レールフローが発生してないレール端面)を検出するセンサである。センサ311は、レール11Aの頭部の側面にて、電池343の電力が供給されたレール11Aと接触することにより継目面11cを検出する。なお、センサ311は、検出部31を測定治具33に装着した場合には、電池343の電圧が供給されたフレーム331と接触することによりダミー継目面333を検出する。センサ311は、金属板(例えば、銅)を所定の形状に形成されており、接触部分となる先端部が円弧形状となっている。センサ311の末端部は、絶縁部314で覆われており、絶縁部314を介してケース313に取り付けられている。センサ311は、電気回路34のNOT回路344と電気的に接続されている
【0047】
計測基準面312は、継目面11c又はダミー継目面333との距離を計測するための基準面である。計測基準面312は、ケース313のセンサ311が延在する側の面に形成されている。計測基準面312は、レール11Aの短手方向と平行な面となっている。
【0048】
ケース313は、主に電気回路34を収納するケースである。ケース313には、センサ311の末端部が絶縁部314を介して取り付けられている。ケース313のセンサ311が延在する側の面には、計測基準面312が形成されている。ケース313は、外部から見やすい位置に、検出ランプ341及びスイッチ342が取り付けられている。ケース313は、フレーム315に固定されている。
【0049】
絶縁部314は、センサ311の末端部を絶縁しつつケース313に取り付ける部分である。
【0050】
フレーム315は、ケース313を取り付けられたフレームである。フレーム315は、位置合わせ具32のフレーム321に摺動可能に取り付けられる。フレーム315は、フレーム本体3151と、突当部材3152と、ばね3153と、押え板3154と、受板3155と、を有する。
【0051】
フレーム本体3151には、ケース313が取り付けられている。フレーム本体3151は、突当部材3152を摺動可能にするとともに底面側に突当部材3152の突当部3152aを外部に出すための開口部3151aを有する。開口部3151aには、突当部材3152の一部とばね3153が収容されている。フレーム本体3151は、上面側にてケース313と係合させるための係合溝3151bを有する。フレーム本体3151は、左右の両壁面に位置合わせ具32のフレーム321の案内部321dに沿って摺動する摺動面3151cを有する。なお、摺動面3151cは、検出部31を測定治具33に装着した場合には、測定治具33のフレーム331の案内部331dに沿って摺動する。
【0052】
突当部材3152は、一端をフレーム321の突当受面321b(又はフレーム331の突当受面331b)に当接させ、他端をばね3153に当接させる部材である。突当部材3152は、フレーム本体3151の摺動面3151cにて摺動可能に配されており、底面の一部が押え板3154によって摺動可能に支持されている。突当部材3152は、フレーム321の突当受面321b又はフレーム331の突当受面331bと当接させるための突当部3152aを有する。突当部3152aは、突当面が傾斜しており、底面側側から見たときの輪郭が円弧形状となっている。突当部材3152は、ばね3153の一端を係止する係止部3152bを有する。
【0053】
ばね3153は、突当部材3152をレール11Aの長手方向に付勢するばねである。ばね3153は、ケース313と押え板3154の間に配されている。ばね3153は、一端が開口部3151aの壁面に当接し、多端が突当部材3152の係止部3152bと当接する。ばね3153には、コイルスプリングや波型板ばねを用いることができる。
【0054】
押え板3154は、突当部材3152及びばね3153をフレーム本体3151に押さえつけるための板状部材であり、フレーム本体3151の底面に取り付けられている。
【0055】
受板3155は、調節ネジ322又は調節ネジ332の先端部を受けるための板状部材である。受板3155は、フレーム本体3151に取り付けられている。受板3155は、ネジを回転しやすくするために、調節ネジ322又は調節ネジ332と当接する部分が傾斜した傾斜面3155aを有する。
【0056】
電気回路34は、センサ311にてレール11Aと絶縁材12の継目面11cを検出したことを報知する電気回路である(図13、図14参照)。電気回路34は、一例として、検出ランプ341と、スイッチ342と、電池343と、NOT回路344と、NAND回路345と、を有する。
【0057】
検出ランプ341は、継目面11c(又はダミー継目面333)を検出したことを発光することにより報知するランプであり、一端が電池343の+極に電気的に接続されており、他端がNAND回路345の出力端子に電気的に接続されている。なお、発光による報知手段だけでなく、音声による報知手段であってもよい。
【0058】
スイッチ342は、電気回路34のON/OFFを切替えるスイッチであり、ケース313の外面に配設されたONボタン342aとOFFボタン342bを有する。スイッチ342は、一端が電池343の−極に電気的に接続されており、他端がNAND回路345の入力端子に電気的に接続されている。
【0059】
電池343は、電気回路34における電力源であり、−極がフレーム321及び座り部材324を介してレール11Aに電気的に接続されており、+極が検出ランプ341の一端に電気的に接続されている。なお、電池343は、検出部31を測定治具33に装着した場合には、−極がフレーム331に電気的に接続されることになる。
【0060】
NOT回路344は、0が入力されれば1を出力し、1が入力されれば0を出力する論理回路であり、入力端子がセンサ311と電気的に接続されており、出力端子がNAND回路345の入力端子に電気的に接続されている。
【0061】
NAND回路345は、すべての入力端子に1が入力されたときのみ0を出力する論理回路であり、出力端子が検出ランプ341の他端と電気的に接続されており、第1の入力端子がスイッチ342の他端と電気的に接続されており、第2の入力端子がNOT回路344の出力端子と電気的に接続されている。
【0062】
位置合わせ具32は、検出部31をレール11Aと絶縁材12の継目面11cに位置合せするための補助具である(図4〜図6、図14参照)。位置合わせ具32は、レール11Aの頭部上面側から跨ぐようにして配置され、レール11Aの頭部の両側面から把持することによって、レール11Aに固定される。位置合わせ具32は、フレーム321と、調整ネジ322と、レールクランプ323と、座り部材324と、を有する。
【0063】
フレーム321は、レール11Aの頭部を跨いで取付可能な跨座型のフレームである。フレーム321は、レール短手方向の側面の外側の片側の部分に検出部31を摺動可能に装着するための凹部321aを有する。凹部321aは、レール11Aの絶縁材12側に検出部31の突当部材3152の突当部3152aと係合する突当受け面321bを有する。凹部321aの底面は、検出部31のフレーム本体3151を載置する載置面321cとなっている。凹部321aの両側壁面は、検出部31の摺動面3151cと当接するとともに、検出部31をレール長手方向に対して平行に案内する案内部321dとなっている。フレーム321は、導電材料よりなる。
【0064】
調整ネジ322は、検出部31の位置をレール長手方向に調整可能にする調整機構である。調整ネジ322は、フレーム321における絶縁材12の反対側の部分からレール短手方向に延在した部分で螺合する。調整ネジ322の先端部は、検出部31の受板3155と当接する。調整ネジ322の先端部の反対側には、鍔状のつまみ部を有する。
【0065】
レールクランプ323は、フレーム321をレール11Aの頭部の両側面から把持するクランプ機構である。レールクランプ323は、フレーム321における凹部321aの反対側の側面部分で螺合する。レールクランプ323の先端部は、レール11Aの頭部の側面と当接する。レールクランプ323の先端部の反対側には、鍔状のつまみ部を有する。
【0066】
座り部材324は、位置合わせ具32をレール11Aの頭部に安定的に固定するための部材である。座り部材324は、レール11Aの頭部表面と対向するフレーム321の内面の所定の位置に配設され、先端面がレール11Aの頭部と当接する。座り部材324は、導電材料よりなる。
【0067】
測定治具33は、計測基準面312から治具基準面335(継目面11cに相当する面)までの距離δを測定する治具である(図11〜図13参照)。測定治具33を用いて距離δを測定するのは、検出部31のセンサ311の先端部と計測基準面312の距離が使用回数や気温などの条件によって常に一定になるとは限らないからである。測定治具33は、フレーム331と、調整ネジ332と、ダミー継目面333と、絶縁材334と、治具基準面335と、を有する。
【0068】
フレーム331は、位置合わせ具32のフレーム322とレール11Aを擬似的に一体化したものを想定したフレームである。フレーム331は、フレーム321の凹部321aと同様に、検出部31を摺動可能に装着するための凹部331aを有する。凹部331aは、フレーム331の絶縁材334側に検出部31の突当部材3152の突当部3152aと係合する突当受け面331bを有する。凹部331aの底面は、検出部31のフレーム本体3151を載置する載置面331cとなっている。凹部331aの両側壁面は、検出部31の摺動面3151cと当接するとともに、検出部31をレール長手方向に対して平行に案内する案内部331dとなっている。フレーム331は、検出部31の載置する部分の横側にて突出した横突出部331eを有する。フレーム331は、検出部31の載置する部分の後側にて突出した後突出部331fを有する。後突出部331fには、調整ネジ332と螺合するネジ穴331gを有する。フレーム331は、レール11Aと同一な導電材料よりなる。
【0069】
調整ネジ332は、検出部31の位置をレール長手方向に相当する方向に調整するためのネジである。調整ネジ332は、ネジ穴331gと螺合する。調整ネジ332の先端部は、検出部31の受板3155と当接する。調整ネジ332の先端部の反対側には、鍔状のつまみ部を有する。
【0070】
ダミー継目面333は、フレーム331と絶縁材334の継目面であり、レール11Aと絶縁材12の継目面11cを擬似的に形成したものである。ダミー継目面333は、フレーム331における調整ネジ332の反対側の端面であり、案内部331dの面と直角な面となっている。
【0071】
絶縁材334は、フレーム331のダミー継目面333に接着固定された絶縁材であり、レール11Aの継目面11cに接着固定された絶縁材12を想定したものである。絶縁材334は、絶縁材12と同一の材料よりなる。
【0072】
治具基準面335は、横突出部331eの端面であってダミー継目面333から延設して設けた基準面である。
【0073】
次に、補助具3を用いたカッタ23の位置合せの操作手順について説明する。
【0074】
補助具3の使用にあたって、まず、検出部31を測定治具33に載置する(図11参照)。ここでは、検出部31の突当部3152aを測定治具33の突当受け面331bに係合して検出部31のばね3153を圧縮しながら検出部31を測定治具33に載置する。また、センサ311の先端部はフレーム331のみに接触した状態とする。さらに、検出部31を測定治具33に載置した状態でスイッチ342をONにする。なお、この状態では、検出ランプ341は消灯している。
【0075】
次に、測定治具33の調整ネジ332を操作して、センサ311をフレーム331から絶縁材334側に移動し、センサ311の先端部がダミー継目面333に到達するまで移動する(図11参照)。ここで、センサ311の先端部がダミー継目面333に到達すると、センサ311の先端部が絶縁材334に接触することでダミー継目面333を検出し、検出ランプ341が点灯する。つまり、検出ランプ341が点灯した瞬間で調整ネジ332の操作をやめる。
【0076】
次に、検出位置で治具基準面335から計測基準面312までの距離δを計測する(図13参照)。計測した距離δは、記録しておく。
【0077】
次に、測定治具33と同一要領で、検出部31をフレーム32に載置替えし、フレーム32をレール11Aにクランプする(図5参照)。ここでは、センサ311の先端部はレール11Aのみに接触した状態とする。さらに、フレーム32をレール11Aにクランプした状態でスイッチ342をONにする。なお、この状態では、検出ランプ341は消灯している。
【0078】
次に、調整ネジ322を操作して、センサ311をレール11Aから絶縁材12側に移動し、センサ311の先端部が継目面11cに到達するまで移動する(図5参照)。ここで、センサ311の先端部が継目面11cに到達すると、センサ311の先端部が絶縁材12に接触することで継目面11cを検出し、検出ランプ341が点灯する。つまり、検出ランプ341が点灯した瞬間で調整ネジ322の操作をやめる。
【0079】
次に、検出位置で検出部31の計測基準面312からカッタ23のレール11A側の面までの距離δを計測する(図14参照)。計測した距離δは、記録しておく。
【0080】
次に、計測した距離δと距離δの差から継目面11cに対するカッタ23の位置ずれ量を算出する。
【0081】
次に、算出した位置ずれ量に基づいて、図4のカッタ位置決めハンドル26を調整して、カッタ23を目的の位置に補正する。
【0082】
その後、図4の切削送りハンドル25を調整することによりレール11Aと絶縁材12の継目面に沿ってレール11Aの頭部を横断するように、回転しているカッタ23を送る。これにより、図1(b)の削正溝13と同様な削正溝を形成することができる。
【0083】
実施形態2によれば、計測値に基づいて工具位置合わせを行うので、未熟練者でも正確且つ容易にカッタ23の位置合わせを行うことができ、レールフロー削正作業を繰り返す無駄を省くことができる。また、既存のレールフロー削正装置にも適用可能で作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態1に係るレールフロー補修方法の工程を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るレールフロー補修方法の工程を模式的に示した図1の矢視Xの平面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るレールフロー補修方法で用いる補修プレートの一例を模式的に示した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態2に係るレールフロー削正装置及び補助具の構成を模式的に示した斜視図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る補助具の構成を模式的に示した平面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る補助具の構成を模式的に示した左側面図(図5の矢視Aから見た図)である。
【図7】本発明の実施形態2に係る補助具における検出部の構成を模式的に示した部分切欠き正面図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る補助具における検出部の構成を模式的に示した底面図(図7の矢視Bから見た図)である。
【図9】本発明の実施形態2に係る補助具における検出部の構成を模式的に示した上面図(図7の矢視Cから見た図)である。
【図10】本発明の実施形態2に係る補助具における検出部の構成を模式的に示した左側面図(図7の矢視Dから見た図)である。
【図11】本発明の実施形態2に係る補助具における検出部を治具に搭載した状態の構成を模式的に示した部分切欠き正面図である。
【図12】本発明の実施形態2に係る補助具における検出部を治具に搭載した状態の構成を模式的に示した左側面図(図11の矢視Eから見た図)である。
【図13】本発明の実施形態2に係る補助具における検出部を治具に搭載した構成と電子回路の構成を模式的に示した図面である。
【図14】本発明の実施形態2に係る補助具における検出部を位置合わせ具に搭載した構成と電子回路の構成を模式的に示した図面である。
【図15】従来例に係るレールフロー補修方法の工程を模式的に示した断面図である。
【図16】従来例に係るレールフロー補修方法の工程を模式的に示した平面図である。
【図17】絶縁接着レールにおいて発生したレールフローの形態の調査結果の一例を示した写真であり、(a)はレールと絶縁材の継目面の切断面を示した写真であり、(b)は(a)におけるレールフロー発生領域αを拡大した写真である。
【符号の説明】
【0085】
11、11A、11B レール
11c 継目面
11d レールフロー
12 絶縁材
13 削正溝
13a 開口部
14 補修プレート
14a 不要部
14b 切欠き
15 接着剤
2 レールフロー削正装置
21 切削ヘッド
23 カッタ(回転刃)
24 切り込みハンドル
25 切削送りハンドル
26 カッタ位置決めハンドル
27 クランプハンドル
28 クランプ機構
3 補助具
31 検出部
311 センサ
311a 先端部
312 計測基準面
313 ケース
314 絶縁部
315 フレーム
3151 フレーム本体
3151a 開口部
3151b 係合溝
3151c 摺動面
3152 突当部材
3152a 突当部
3152b 係止部
3153 ばね
3154 押え板
3155 受板
3155a 傾斜面
32 位置合わせ具
321 フレーム(位置合わせ用フレーム)
321a 凹部
321b 突当受面
321c 載置面
321d 案内部
322 調整ネジ
323 レールクランプ
324 座り部材
33 測定治具
331 フレーム(治具用フレーム)
331a 凹部
331b 突当受面
331c 載置面
331d 案内部
331e 横突出部
331f 後突出部
331g ネジ穴
332 調整ネジ
333 ダミー継目面
334 絶縁材(治具用絶縁材)
335 治具基準面
34 電気回路
341 検出ランプ
342 スイッチ
342a ONボタン
342b OFFボタン
343 電池
344 NOT回路
345 NAND回路
93 削正溝
94 充填剤(補修剤)
94a 不要部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁接着レールにおけるレールと絶縁材の継目面に発生したレールフローを削正して補修するレールフロー補修方法であって、
前記継目面から前記レールフローの幅以上の厚さのカッタを用いて、前記レールのない位置にて、前記カッタの下端を前記レールの頭部上面から前記レールフローの深さ以上の深さに設定し、かつ、前記カッタの側壁面を前記継目面と同一面に設定し、前記カッタの下端を一定高さに保ちながら前記継目面に沿って前記レールの頭部を横断するように前記カッタを送ることにより前記レールフローないし前記絶縁材を削除して削正溝を形成する削正工程と、
補修プレートを前記削正溝に挿入して、前記補修プレートを前記削正溝に接着して補修する補修工程と、
を含むことを特徴とするレールフロー補修方法。
【請求項2】
前記補修工程では、接着剤を用いて前記補修プレートを前記削正溝に接着することを特徴とする請求項1記載のレールフロー補修方法。
【請求項3】
前記補修工程では、接着後、前記レールからはみ出した前記補修プレ−トの不要部を削除することを特徴とする請求項1又は2記載のレールフロー補修方法。
【請求項4】
前記削正溝は、前記レール頭部上面に開口部を有し、前記レールの側壁面と前記絶縁材の側壁面が平行になるように対向し、かつ、底面が絶縁材のみの面となった矩形状の溝であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のレールフロー補修方法。
【請求項5】
前記補修プレートは、前記絶縁材と同一材質であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のレールフロー補修方法。
【請求項6】
前記補修プレートの厚さは、前記接着剤に応じて選択されることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一に記載のレールフロー補修方法。
【請求項7】
前記補修プレートは、前記削正溝内に配置される部位に切欠き又は貫通孔を有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一に記載のレールフロー補修方法。
【請求項8】
絶縁接着レールにおけるレールと絶縁材の継目面に発生したレールフローを削正するレールフロー削正装置であって、
前記レールの短手方向の両外側から把持することによって装置全体を前記レールに着脱自在に固定するクランプ機構と、
電動モータによって回転するディスク状のカッタと、
前記カッタの回転軸を前記レール長手方向に平行に保ちながら前記カッタをXYZ軸の3方向に移動可能にする移動機構と、
を備え、
前記移動機構は、前記レールのない位置にて、前記カッタの下端を前記レールの頭部上面から所定深さに設定可能であり、かつ、前記カッタの側壁面を前記レールの継目面と同一面に設定可能であり、前記カッタの下端を一定高さに保ちながら前記継目面に沿って前記レールの頭部を横断するように前記カッタを送ることが可能であることを特徴とするレールフロー削正装置。
【請求項9】
絶縁接着レールにおけるレールと絶縁材の継目面を計測する補助具であって、
ケースの外面に配された計測基準面と、前記ケースの外部に延在するとともに前記継目面を検出するセンサと、前記ケース内に配されるとともに前記センサが前記継目面を検出したときに報知する電気回路とを有する検出部と、
前記検出部を前記レール長手方向に摺動自在に取付可能な位置合わせ用フレームと、前記フレームを前記レールの頭部の両側面から把持可能なクランプ機構と、前記検出部の位置を前記レール長手方向に調整可能にする調整機構とを有する位置合わせ具と、
を備えることを特徴とする補助具。
【請求項10】
前記検出部を一方向に摺動自在に取付可能な治具用フレームと、前記治具用フレームの端面に接着された治具用絶縁材と、前記検出部の位置を前記一方向に調整可能にする調整機構と、前記治具用フレームの外面に形成されるとともに前記治具用フレームと前記治具用絶縁材の接着面となるダミー継目面と同一面の治具基準面とを有する測定治具を備え、
前記センサは、前記ダミー継目面を検出し、
前記電気回路は、前記センサが前記ダミー継目面を検出したときに報知することを特徴とする請求項9記載の補助具。
【請求項11】
前記検出部は、前記ケースを取り付けられるとともに開口部を有する検出部用フレームと、前記開口部にて前記レール長手方向に摺動可能に配された突当部材と、前記突当部材を前記レール長手方向に付勢するばねとを有し、
前記位置合わせ用フレームは、前記検出部が取り付けられたときに前記突当部材と係合する突当受け面を有することを特徴とする請求項9又は10記載の補助具。
【請求項12】
前記治具用フレームは、前記検出部が取り付けられたときに前記突当部材と係合する突当受け面を有することを特徴とする請求項11記載の補助具。
【請求項13】
前記検出部を取り付けた前記測定治具で前記ダミー継目面を検出したときの前記治具基準面から前記計測基準面までの第1距離と、同じ前記検出部を載替えて取り付けた前記位置合わせ具で前記継目面を検出したときの前記計測基準面からカッタの側面までの第2距離との差に基づいて、前記カッタの位置を補正する用途に用いられることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一に記載の補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−266915(P2008−266915A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108372(P2007−108372)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り ▲1▼研究集会名 (社)日本鉄道施設協会第21回総合技術講演会 ▲2▼主催者名 社団法人日本鉄道施設協会 ▲3▼開催日 平成18年(2006年)10月18〜20日
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(390041379)株式会社山崎歯車製作所 (4)
【Fターム(参考)】