説明

ロック機構を有する収納容器

【課題】本発明は、収納容器の両サイド部分を広くするためにマチ部分を設けると共に、また上記マイナス面を補う構造を持つもので、蓋部が押圧等により開口せず、蓋を閉じる動作の中で容易にロックできるようにした衣類等を納める収納容器を提供する。
【解決手段】本発明は、第1面板の一方の端部に貼着片と側部額面板とを設け、他方の端部には縦折れ線を介して側部額面板と第2面板を連設し、前記第1面板の天地には半円形状の横折れ線を介して切り込みと開閉つまみを有する内蓋を設け、前記第2面板の天地には半円形状の横折れ線を介して挿入片を突出させた外蓋を設けた収納容器であって、前記第1及び第2面板を縦折り線から折り曲げ角筒状の容器本体を形成すると共に、前記第1及び第2面板の内蓋及び外蓋の順に角筒状の容器本体の内側方向に折り曲げたロック機構付き収納容器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリスマス、母の日、父の日や誕生日等における紙製のプレゼント用ギフトケースに関し、特に、プレゼントを贈る際、衣類等を収納するロック機構を有する収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ギフト等の際に、プラスチックケースや紙ケース(紙箱)に衣類等を収納して贈呈する化粧箱が多く使用され、また利用されている。この中でも通称「エジソンケース」と呼ばれている紙箱容器が簡単に店頭で組み立てられることもあり、一般的に多用されている。
【0003】
例えば、通称「エジソンケース」と呼ばれている紙箱容器は、図4(A)の斜視図に示すように、連設された胴板(20)を中央部で折り曲げ、一方の端部を貼着して略楕円形状に形成し、前後の端部に設けた半円形状の内蓋(21)と外蓋(22)を折れ線を介して、前記の胴部の内側に向かって折り畳み内側に湾曲して閉じることで、略楕円形状の胴部を保持するものである。また、図4(B)の側面図に示すように、胴部の内側に向かって内蓋(21)と外蓋(22)を折り曲げることで略楕円形状の胴部を維持していることが分かる。さらに、図4(C)の正面図によれば、「エジソンケース」と呼ばれている紙箱容器は、両蓋部が僅かに内側に括れた略方形状の形態を示すものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した通称「エジソンケース」と呼ばれている紙箱容器(カートン)は、例えば贈り物としてポロシャツ、Yシャツ、カーディガン等の衣類を収納した際に、図4に示すように、略楕円形状の胴部(20)の両サイド部分が鋭角になっているために極めて幅狭になっている。従って、収納した衣類等の商品が自然に押圧されて型崩れ等の問題が生じていた。また、図に示すように、側面部に設けた内蓋と外蓋の二枚のフラップを内方に押し込んで、紙の剛性による反発力による閉鎖(閉口)を行っていたが、持ちかえりの際等に、胴部等に不用意に働いた押圧力等により蓋部が外側方向に逆の反発力により開口して衣類等が飛び出す等の問題も生じていた。
【0005】
すなわち、「エジソンケース」と呼称されているカートンの蓋を閉じる場合、構造上特有の力が働き自動的に蓋部を閉じるものになっているが不意に逆の力が働いた場合に開いてしまう場合がある。さらに明確なロック機構を持つていないのでイメージ的にバージン性(一旦開封されていたのではと見られる)に欠けることも挙げられる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、収納容器の両サイド部分を広くするためにマチ部分を設けると共に、また上記マイナス面を補う構造を持つもので、蓋部が押圧等により開口せず、蓋を閉じる動作の中で容易にロックできるようにした衣類等を納める収納容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、収納容器の両サイド部分を広くするためにマチ部分を設けると共に、また従来のカートンのマイナス面を補う構造を持つもので、蓋部が押圧等により開口せず、蓋を閉じる動作の中で容易にロックできるようにした衣類等を納める収納容器を提供する。
【0008】
請求項1に係る発明は、第1面板(11)の一方の端部に縦折れ線(b,b)を介して
貼着片(n)と側部額面板(15)とを設け、他方の端部には縦折れ線(b,b)を介して側部額面板(15)と第2面板(12)を連設し、該側部額面板(15,15)の天地には扇形フラップ(5,5,5,5)と、前記第1面板(11)の天地には半円形状の横折れ線(a,a)を介して切り込み(k,k)と開閉つまみ(3,3)を有する内蓋(16,16)を設け、前記第2面板(12)の天地には半円形状の横折れ線(a,a)を介して挿入片(2,2)を突出させた外蓋(17,17)を設けた収納容器のブランクであって、前記第1及び第2面板の縦折り線(b,b,e,e)から折り曲げ貼着片(n)を第2面板の端部に貼着し角筒状の容器本体を形成すると共に、前記第1及び第2面板の横折れ線(a,a,a,a)から内蓋(16,16)及び外蓋(17,17)の順に角筒状の容器本体の内側方向に折り曲げ、内蓋に設けた切り込みに外蓋の挿入片を差し込む構造を特徴とするロック機構付き収納容器である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のロック機構付き収納容器において、
前記収納容器は、側部額面板(15,15)と縦折れ線(b,b,e,e)を折り曲げることにより多角形状の容器本体となることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載のロック機構付き収納容器において、前記内蓋(16,16)及び外蓋(17,17)の先端面は、小波形に打ち抜かれていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3記載のロック機構付き収納容器において、
前記内蓋及び外蓋をロックすることにより、該両蓋部は容器本体の内方に向かって湾曲して閉じられることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、収納容器の両サイド部分を広くするために側部額面板(マチ部分)を設けると共に、蓋部が押圧等により開口せず、蓋を閉じる動作の中で容易にロックできるようにした衣類等を納める収納容器を提供するものである。
【0013】
すなわち、収納容器の両サイド部分に適宜の高さの側部額面板を設けたことにより、収納部の容量が増加すると共に、収納する商品に対する圧力の減少、余裕を持たせることにより衣類等の型崩れを防止する。また、開閉部となる側面の蓋部にロック機構を設けたことにより、商品輸送時や購入者が持ちかえり時に蓋部が完全にロックされるので、安全性やバージン性を付与することができる等の優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図に基づき本発明の最良の形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施例におけるロック機構付き収納容器を示す平面図である。
【0016】
本発明のロック機構付き収納容器は、先ず図1に示すように、第1面板(11)の一方の端部に縦折れ線(b,b)を介して貼着片(n)と側部額面板(15)を設け、他方の端部には縦折れ線(b,b)を介して側部額面板(15)と第2面板(12)とを連設したものである。また、この両側の側部額面板(15,15)の天地には扇形フラップ(5,5,5,5)と、前記第1面板(11)の天地には半円形状の横折れ線(a,a)を介して切り込み(k,k)と開閉つまみ(3,3)を有する内蓋(16,16)を設け、さらに、前記第2面板(12)の天地には半円形状の横折れ線(a,a)を介して挿入片(2,2)を突出させた外蓋(17,17)を設けた収納容器の構成である。
【0017】
次に、図2は、本発明に係るロック機構付き収納容器の組み立て状態を示す説明図であ
る。図2に示すように、前記収納容器のブランクの第1及び第2面板の縦折り線(b,b,e,e)に沿って内側に折り曲げると同時に、貼着片(n)を第2面板の端部に貼着することで角筒状の容器本体を形成すると共に、前記第1及び第2面板の横折れ線(a,a,a,a)から内蓋(16,16)及び外蓋(17,17)の順に角筒状の容器本体の内側方向に向かって折り曲げ、内蓋に設けた切り込み(k,k)に外蓋の挿入片(2,2)を差し込むことでロックされる構造を特徴とするロック機構付き収納容器である。
【0018】
前記組み立て後の収納容器は、側部額面板(15,15)と縦折れ線(b,b,e,e)を折り曲げることにより偏平多角形状(略偏平八角形状)の容器本体に組み立てられるものであり、少々の押圧に対しても変形しない構造となる。
【0019】
さらに、前記内蓋(16,16)及び外蓋(17,17)の先端面は、小波形に打ち抜かれていることを特徴とするもので、この内外の蓋を閉じた際に蓋同士が密着して開閉に支障を来すことを防止するものである。
【0020】
また、前記内蓋及び外蓋をロックすることにより、この両蓋部は重なり合って容器本体の内方に向かって湾曲して閉じられることになる。さらに、側部額面板の上下端に設けた扇形フラップ(5,5,5,5)は、前記内蓋(16,16)を閉じる際、紙の剛性とこの扇形フラップにより、内側方向に閉じる力が働くと共に、ロックを外して開く際には剛性により開き易くなる。また、蓋部の開閉を繰り返してもこのフラップにより先端部の破れなどを防止するものである。
【0021】
図3は、本発明に係る収納容器の端部を貼着し偏平状態にして納めた後、店頭での組み立て方法を示す説明図である。
【0022】
収納容器の端部を貼着し偏平状態にして納めた後、従業員の人が簡単に組み立てられるようにしたもので、図3(A)に示すように、先ず、収納容器を図のような向きにして持ち、一方側の蓋部コーナーにある小さな扇形フラップ(5,5)を左右同時に指で押し込めながら内蓋(16)を内側に押し倒すと共に、人差し指と中指で外蓋(17)を手前に倒すように内側に向かって折り曲げる。次に、図3(B)に示すように、折り畳まれた内蓋(16)と外蓋(17)を少し押すように両面板側に引き離し、外蓋の挿入片(2)を内蓋の切り込み(k)に差し込むことで、片側の蓋部がロックされる。次に、図3(C)は組み立てられた収納容器を示したもので、図示はしないが閉じていない一方の開口部より所定の商品(衣類等)を詰め込みした後、この蓋部を前記図3(A),(B)と同様にして蓋を閉じる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の収納容器は、衣類等の収納容器としての目的としているが、他の利用可能性として玩具、ゲーム機等、また、容器の形状を換えることでCD等の容器として、さらには、包装紙に替わる包装容器として利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例におけるロック機構付き収納容器を示す平面図である。
【図2】本発明に係るロック機構付き収納容器の組み立て状態を示す説明図である。
【図3】本発明に係る収納容器の端部を貼着し偏平状態にして納めた後、店頭での組み立て方法を示す説明図である。
【図4】従来における収納紙ケース(通称、エジソンケース)を示すもので、(A)は斜視図であり、(B)は側面図であり、(C)は上記正面図を示すものである。
【符号の説明】
【0025】
2……挿入片
3……開閉つまみ
5……扇形フラップ
11……第1面板
12……第2面板
15……側部額面板
16……内蓋
17……外蓋
a……横折れ線
b,e……縦折れ線
n……貼着片
k……切り込み
20……胴板
21……内蓋
22……外蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面板の一方の端部に縦折れ線を介して貼着片と側部額面板とを設け、他方の端部には縦折れ線を介して側部額面板と第2面板を連設し、該側部額面板の天地には扇形フラップと、前記第1面板の天地には半円形状の横折れ線を介して切り込みと開閉つまみを有する内蓋を設け、前記第2面板の天地には半円形状の横折れ線を介して挿入片を突出させた外蓋を設けた収納容器のブランクスであって、前記第1及び第2面板の縦折り線から折り曲げ貼着片を第2面板の端部に貼着し角筒状の容器本体を形成すると共に、前記第1及び第2面板の横折れ線から内蓋及び外蓋の順に角筒状の容器本体の内側方向に折り曲げ、内蓋に設けた切り込みに外蓋の挿入片を差し込む構造を特徴とするロック機能を有する収納容器。
【請求項2】
前記収納容器は、側部額面板と縦折れ線を折り曲げることにより多角形状の容器本体となることを特徴とする請求項1に記載のロック機能を有する収納容器。
【請求項3】
前記内蓋及び外蓋の先端面は、小波形に打ち抜かれていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロック機能を有する収納容器。
【請求項4】
前記内蓋及び外蓋をロックすることにより、該両蓋部は容器本体の内方に向かって湾曲して閉じられることを特徴とする請求項1〜3に記載のロック機能を有する収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−51998(P2006−51998A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236380(P2004−236380)
【出願日】平成16年8月16日(2004.8.16)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】