説明

ロバストなマンダウンアラームのためのシステムおよび方法

【課題】少なくとも1つの検出器と、検出器と双方向通信する中央局とを含むシステムを提供する。
【解決手段】検出器は、周囲条件検知要素、動きセンサ、制御回路、および、双方向通信ハードウェアを含むことができる。制御回路は、周囲条件検知要素から受信された第1の信号に基づいて、アラームイベントを判定することができ、アラーム信号を通信ハードウェアへ、アラームイベント中に送信することができる。制御回路はまた、動きセンサから受信された第2の信号に基づいて、マンダウンイベントを判定し、マンダウンアラーム信号を通信ハードウェアへ、マンダウンイベント中に送信することもできる。双方向通信ハードウェアは、アラーム信号およびマンダウンアラーム信号のうち少なくとも1つをリモート位置へ送信することができ、双方向通信ハードウェアは、リモート位置から状況問い合わせを受信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は一般に、アラーム通報に関する。より詳細には、本発明は、ロバストなマンダウンアラームを検出、生成かつ通報するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ガス検出器は一般に、ガス有害性が存在する場合のある、潜在的に危険なエリアで作業中である作業員によって使用される。これらのようなガス検出器は、有害ガスが検出されたとき、しかし、有害ガス濃度がまだ、ユーザが行動を取るために十分低い間に、検出器のユーザに警告するように設計されうる。こうして、ユーザは、差し迫った有害性を識別し、ユーザがガスにより無能力にされる前に、有害性が高まるエリアから移動することができる。
【0003】
[0003]しかし、場合によっては、作業員は、自力で有害エリアから移動することができない。例えば、作業員は、有害ガスの急速な放出にさらされ、有害エリアから移動する前に無能力にされる場合がある。これらのような場合、作業員が無能力にされることを、救助隊または他の機関に警告することが望ましいであろう。
【0004】
[0004]マンダウンアラームを通報するためのいくつかのシステムおよび方法が当技術分野で知られるが、これらの既知のシステムおよび方法は著しい制限を有する。例えば、当技術分野で知られるいくつかの産業用無線機は、ユーザが窮地にあるとき、ユーザが無線機のボタンを押す、マンダウンアラームを組み込む。このシステムは、作業員が助けを求める信号を送ること、および、本社が救助を手配することを可能にする。しかし、このシステムは、少なくとも3つの著しい制限を示す。
【0005】
[0005]第1に、作業員が既に意識不明であるか、またはそうでなければ無能力にされるとき、このシステムは機能しない。第2に、このシステムは、誰がアラームを引き起こしたかを示さない。そして、第3に、このシステムは、アラートボタンが不注意に押されるとき、誤アラームを生じやすい。
【0006】
[0006]当技術分野で知られるいくつかのガス検出器は、動き検出器およびアラーム機能を共に含む。使用可能にされるとき、ガス検出器は、少なくとも所定の期間、例えば、30秒に渡って検出器が動かなかった場合、アラームを生成する。こうして、これらのような検出器では、動作不足は、無能力にされたユーザを示し、アラームが生成される。しかし、このシステムは、少なくとも2つの制限を示す。
【0007】
[0007]第1に、ユーザが所定の期間に渡って動かなかったが、意識不明ではなく、またはそうでなければ無能力にされない場合がありうる。これらの場合、検出器は誤アラームを生成することになる。そして、第2に、このシステムによって生成されたマンダウンアラームは、厳密にはローカルとなり、リモートへの援助の要請は送信されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0008]よって、ロバストなマンダウンアラームを検出、生成かつ通報するための改善されたシステムおよび方法に対する、継続的な必要性が続いている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
好ましくは、これらのシステムおよび方法は、誤アラームを減らし、マンダウンイベント発生の可能性を判定し、リモートアラームを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】[0009]本発明による、ロバストなマンダウンアラームを検出、生成かつ通報するためのシステムの全体図である。
【図2】[0010]本発明による検出器のブロック図である。
【図3】[0011]本発明による中央局のブロック図である。
【図4】[0012]本発明による、ロバストなマンダウンアラームを検出、生成かつ通報する方法の流れ図である。
【図5】[0013]本発明によるアラーム信号を追跡かつ監視する方法の流れ図である。
【図6】[0014]本発明による誤アラームを検出する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0015]本発明は、多数の異なる形式における実施形態が可能であるが、本開示が本発明の原理の例示とみなされるべきであるという理解のもとに、その具体的な実施形態が図面に示され、本明細書で詳細に説明される。本発明を具体的な例示された実施形態に限定することは意図されない。
【0012】
[0016]本発明の実施形態は、ロバストなマンダウン(man-down)アラームを検出、生成かつ通報するための改善されたシステムおよび方法を含む。このようなシステムおよび方法は、誤アラームを減らし、マンダウンイベント発生の可能性を判定し、リモートアラームを生成することができる。
【0013】
[0017]誤アラームは、少なくとも2つの方法で減らされうる。第1に、本発明の実施形態では、いくつかのソースからの情報が相関されうる。例えば、動きセンサからの情報は、ガスおよび/または温度センサからの情報と相関されうる。この情報が相関されるとき、本発明によるシステムおよび方法は、アラームを生成する前に、マンダウンイベントが発生した可能性が高いかどうかを判定することができる。
【0014】
[0018]第2に、本発明の実施形態では、検出器は双方向通信機能を含むことができる。検出器で動作不足が検出されるとき、本発明のシステムおよび方法は、動作不足アラートをリモート位置へ送信することができる。次いで、リモート位置は、検出器のユーザの健康について問い合わせるために、検出器にメッセージを返信することができる。ユーザが危険な状態または危機にはないことを示す応答を、アラート位置が受信する場合、本発明によるシステムおよび方法は、誤アラームが検出されたと判定することができる。しかし、ユーザが危険な状態または危機にはないことを示す応答を、アラート位置が受信しない場合、本発明によるシステムおよび方法は、マンダウンイベントの可能性が高いと判定することができ、緊急対応隊に対し、ユーザを救助するように指示することができる。
【0015】
[0019]本発明によれば、マンダウンアラーム発生の可能性が判定されうる。例えば、同じエリア内の複数の検出器からの情報が相関されて、真のマンダウンイベント発生の可能性が判定されうる。複数の検出器が同じエリア内にあるとき、それらの検出器のうち少なくとも1つが所定の期間に渡る動作不足を検出するとき、かつ、それらの検出器のすべて、実質的にすべて、大多数、または1つでも、高レベルの有害ガスを検出するとき、本発明によるシステムおよび方法は、真のマンダウンイベントの可能性が高いと判定することができる。
【0016】
[0020]同様に、単一の検出器が、所定の期間に渡る動作不足を検出し、かつ、同じエリア内の他の検出器のすべてが正常な動作を検出中であるが、有害ガスが検出されなかったとき、本発明によるシステムおよび方法は、単一の検出器のユーザが単にじっと座っているだけであり、意識不明ではなく、またはそうでなければ無能力にされないと判定することができる。これらの状況では、本発明のシステムおよび方法は、マンダウンアラームが適切ではないと判定することができる。
【0017】
[0021]本発明によれば、リモートアラームもまた生成されうる。例えば、本発明による検出器は、中央局と通信することができる。中央局が、検出器のユーザが意識不明であるか、またはそうでなければ無能力にされるという通信を受信するとき、かつ、中央局が、誤アラームがないと判定するとき、中央局は、ユーザを援助するために、緊急救助隊へ通信を送信することができる。同様に、中央局が、マンダウンイベントの可能性が高いという通信を受信するとき、中央局は、緊急対応隊へ通信を送信することができる。
【0018】
[0022]図1は、本発明による、ロバストなマンダウンアラームを検出、生成かつ通報するためのシステム100の全体図である。図1に見られるように、本発明によるシステム100は、少なくとも1つの検出器110および中央局140を含むことができる。
【0019】
[0023]このシステムは、1つまたは複数の検出器110、例えば、110aおよび110bを含むことができる。本発明の実施形態では、検出器110は、ガス検出器、または、当業者に知られ、望まれるような任意の他の検出器であってもよい。例えば、検出器110は、煙または火災検出器を含むことができる。
【0020】
[0024]本発明のさらなる実施形態では、検出器110は、無線または有線であってもよい。例えば、図1に見られるように、検出器110、110a、110bが無線であるとき、検出器110、110a、110bは、無線ネットワークインフラストラクチャを介して中央局140と通信することができ、無線ネットワークインフラストラクチャは、アクセスポイント120、120a、120b、および、広域ネットワーク(WAN)、または、例えば、イーサネットネットワーク130など、ローカルエリアネットワーク(LAN)を含む。無線検出器110、110a、110bは、例えば、無線信号を介して、無線アクセスポイント120、120a、120bと通信することができる。
【0021】
[0025]中央局140は、ホストコンピュータ、例えば、パーソナルコンピュータを含むことができ、検出器110、110a、110bから通報された情報を受信することができる。本発明の実施形態では、中央局140は、当業者によって理解されるように、ローカルのコンピュータ可読媒体上に格納されたソフトウェアを実行するための、プログラマブルプロセッサおよび関連する制御回路を含むことができる。
【0022】
[0026]図2は、本発明による検出器200のブロック図である。図2に見られるように、検出器200は無線ガス検出器である。しかし、以上で説明されたように、本発明による検出器はそのように限定されない。
【0023】
[0027]検出器200は、ガスセンサ要素210、センサ駆動回路および信号調節回路220、マイクロコントローラ230、ディスプレイ、押しボタンおよびアラームサブシステム240、加速度計または動きセンサ250、無線モジュール260、および、アンテナ270を含むことができる。無線モジュール260は、例えば、Wi−Fi、ISA100、GPRS、EDGE、3G、4G、900MHzポイントトゥポイント、WANなど、任意の数の無線通信をサポートすることができる。これらのコンポーネントの各々は、ハウジング280に収められうる。いくつかの実施形態では、アンテナ270の少なくとも一部がハウジング280から突出することができる。
【0024】
[0028]本発明によれば、ガスセンサ要素210は、周囲大気(周囲雰囲気、ambient atmosphere)内の所定の1つまたは複数のガスの存在を検出することができる。例えば、ガスセンサ要素210は、周囲大気内の有害ガスの量が所定の閾値に達したことを検出することができる。
【0025】
[0029]条件が満たされるとき、ガスセンサ要素210は、信号をセンサ駆動回路および信号調節回路220へ送信することができ、センサ駆動回路および信号調節回路220は、信号をマイクロコントローラ230へ送信することができる。受信された信号が周囲大気内の所定のガスの存在を示すか、または、周囲大気内の有害ガスの量が所定の閾値に達したことを示すとき、マイクロコントローラ230は、ガスアラーム信号を生成することができる。マイクロコントローラ230は次いで、ガスアラーム信号を無線モジュール260へ送信することができ、ガスアラーム信号はアンテナ270を介して送信されうる。例えば、アンテナ270は、ガスアラーム信号を中央監視局へ送信することができる。ディスプレイ、押しボタンおよびアラームサブシステム240は、検出器200のユーザからの入力を受信することができる。
【0026】
[0030]本発明の実施形態では、加速度計または動きセンサ250は、検出器200の動作、および、したがって、検出器200に関連付けられたユーザの動作を判定することができる。センサ250が、ユーザが所定の期間に渡って動かなかったと判定するとき、センサ250は、信号をマイクロコントローラ230へ送信することができ、マイクロコントローラ230は、マンダウン信号を生成することができる。マイクロコントローラ230は次いで、マンダウン信号を無線モジュール260へ送信することができ、マンダウン信号はアンテナ270を介して送信されうる。例えば、アンテナ270は、マンダウン信号を中央監視局へ送信することができる。
【0027】
[0031]図3は、本発明による中央局300のブロック図である。中央局300は、リモート検出器と通信し、リモート検出器から情報を受信することができる。
[0032]図3に見られるように、中央局300は、広域ネットワーク(WAN)またはローカルエリアネットワーク(例えば、イーサネットネットワークなど、LAN)を介して、検出器と有線または無線通信することができる、制御部310を含むことができる。制御部310は、当業者によって理解されるように、1つまたは複数のプログラムされたプロセッサ310−1および実行可能制御ソフトウェア310−2により実装されうる。
【0028】
[0033]中央局300はまた、コンピュータ駆動表示部320a、ならびに、1つまたは複数の入力デバイス320bを含むこともでき、入力デバイス320bは、すべて限定なしに、キーボード、トラックボールなどを含むことができる。制御部310は、状況情報をユーザに提供し、かつ、ユーザから情報を受信することができる、表示部320aおよびグラフィカルユーザインタフェースを介して、中央局300のユーザと通信することができる。
【0029】
[0034]中央局300は、検出器から受信された情報を、いくつかの方法で使用することができる。例えば、中央局300は、中央局300のローカルにいるユーザに、検出器のアラーム、例えば、ガスアラームまたはマンダウンアラームが発生したことを通知することができる。中央局300のユーザは次いで、検出器のリモートユーザに連絡して、ユーザが窮地にあるかどうかを判定するか、または、救助作業を開始することが適切であるかどうかを判定するように、試みることができる。本発明の実施形態では、検出器のリモートユーザは、ユーザが救助されるためのいかなる行動を意識する必要も、そのような行動が可能である必要もない。
【0030】
[0035]中央局300はまた、検出器から受信された情報を使用して、アラームを示す検出器の位置を決定することもできる。リモートデバイスの位置を決定するためのシステムおよび方法は、当技術分野で知られており、そのため、本明細書で詳細に説明されない。しかし、中央局300は、検出器によって中央局300へ送信された情報から、検出器の位置を決定することができることを理解されたい。
【0031】
[0036]さらに、中央局300は、検出器から受信された情報を使用して、状況を考慮して適切な行動の方針を決定することができる。例えば、中央局300は、位置情報、ならびに、ガスアラームおよびマンダウンアラームに関連する情報を、検出器から受信することができる。中央局300は、この情報を使用して、有害ガスの存在の可能性、および、検出器のユーザが意識不明である可能性を判定することができる。中央局300はまた、この情報を使用して、ガスアラームおよび/またはマンダウンアラームを生成すること、および、誤アラームを判定することもできる。これらの判定を行う方法は図5および図6に示され、本明細書でより詳細に説明される。
【0032】
[0037]図4は、本発明による、ロバストなマンダウンアラームを検出、生成かつ通報する方法400の流れ図である。本発明の実施形態では、検出器、例えば、図2に示された検出器200が、方法400を実行することができる。
【0033】
[0038]方法400は、有害ガスの存在を検出するために、必要に応じて、所定の一定の間隔を置いて実行されうる。例えば、方法400は、1秒に1回実行されうる。
[0039]方法400は、410のように、アラームチェックおよび通報サイクルを開始することができ、420のように、ガスレベルがガスセンサおよび調節回路から読み取られうる。次いで、方法400は、430のように、ガスレベルがアラーム閾値を超えるかどうかを判定することができる。例えば、アラーム閾値は、10ppmのH2Sとなりうる。ガスレベルがアラーム閾値を超えない場合、460のように、加速度計が読み取られ、動きがチェックされうる。
【0034】
[0040]しかし、ガスレベルがアラーム閾値をまさに超える場合、440のように、ローカルのガスアラームが生成可能であり、450のように、ガスアラームが中央局に通報されうる。例えば、ガスアラームは、位置を監視かつ追跡するリモートパーソナルコンピュータに通報されうる。本発明の実施形態では、ガスアラームは、無線信号を介して検出器から通報されうる。
【0035】
[0041]450のように、ガスアラームが中央局に通報された後、460のように、加速度計が読み取られ、動きがチェックされうる。次いで、方法400は、470のように、ユーザが所定の期間内に動いたかどうかを判定することができる。例えば、所定の期間は120秒となりうる。ユーザが所定の期間内に動いた場合、方法400は、495のように、アラームチェックおよび通報サイクルを終了することができる。
【0036】
[0042]しかし、ユーザが所定の期間内に動かなかった場合、480のように、ローカルのマンダウンアラームが生成可能であり、490のように、マンダウンアラームが中央局に通報されうる。例えば、マンダウンアラームは、位置を監視かつ追跡するリモートパーソナルコンピュータに通報されうる。本発明の実施形態では、マンダウンアラームは、無線信号を介して検出器から通報されうる。
【0037】
[0043]マンダウンアラームが通報された後、方法400は、495のように、アラームチェックおよび通報サイクルを終了し、410のように、新たにアラームチェックおよび通報サイクルを開始することができる。
【0038】
[0044]図5は、本発明によるアラーム信号を追跡かつ監視する方法500の流れ図である。本発明の実施形態では、中央局、例えば、図1に示された中央局140、または、図3に示された中央局300が、方法500を実行することができる。
【0039】
[0045]以上で説明されたように、中央局140または300は、プログラムされたプロセッサおよび実行可能制御ソフトウェアを含むことができる。本発明の実施形態では、プロセッサ、ソフトウェア、および、任意の関連する制御回路は、関連する検出器、例えば、無線ガス検出器の位置を追跡し、その検出器から通報された情報を監視することができる。
【0040】
[0046]方法500は、510のように、マンダウンアラームおよびガスアラーム処理を開始することができ、520のように、アラームイベントパケットがガス検出器から取り出されうる。次いで、方法500は、530のように、アラームパケットがガスアラームを含むかどうかを判定することができる。
【0041】
[0047]方法500が、530のように、アラームパケットがガスアラームをまさに含むと判定する場合、方法500は続けて、540のように、アラームパケットがマンダウンアラームを含むかどうかを判定することができる。しかし、方法500が、530のように、アラームパケットがガスアラームを含まないと判定する場合、方法500は続けて、550のように、アラームパケットがマンダウンアラームを含むかどうかを判定することができる。方法500によって行われる後続の判定のために、540のようにアラームパケットがマンダウンアラームを含むかどうかを判定することは、550のようにアラームパケットがマンダウンアラームを含むかどうかを判定することとは異なる。
【0042】
[0048]方法500が、540のように、アラームパケットがマンダウンアラームを含まないと判定する場合、方法500は、560のように、ガス暴露が発生したが、ユーザは意識不明ではなく、またはそうでなければ無能力にされないと判定することができる。方法500はまた、560のように、自己救助が発生した可能性が高いと判定することもでき、560のように、有害ガスの存在を示す、アラームが生成されうる。次いで、この方法は、595のように、マンダウンアラームおよびガスアラーム処理を終了することができる。
【0043】
[0049]方法500が、540のように、アラームパケットがマンダウンアラームをまさに含むと判定する場合、方法500は、570のように、ガス暴露が発生しており、ユーザが意識不明であるか、またはそうでなければ無能力にされると判定することができる。570のように、有害ガスが存在すること、および、ユーザが無能力にされることを示す、1つまたは複数のアラームもまた生成されうる。次いで、この方法は、595のように、マンダウンアラームおよびガスアラーム処理を終了することができる。
【0044】
[0050]この方法が、550のように、アラームパケットがマンダウンアラームを含むと判定する場合。方法500は、580のように、有害ガスは存在しないが、ユーザが意識不明であるか、またはそうでなければ無能力にされると判定することができる。580のように、ユーザが無能力にされることを示すアラームもまた生成されうる。次いで、この方法は、595のように、マンダウンアラームおよびガスアラーム処理を終了することができる。
【0045】
[0051]この方法が、550のように、アラームパケットがマンダウンアラームを含まないと判定する場合、方法500は、590のように、ある他のアラームイベントが発生したと判定することができる。次いで、この方法は、595のように、マンダウンアラームおよびガスアラーム処理を終了することができる。
【0046】
[0052]図6は、本発明による誤アラームを検出する方法600の流れ図である。本発明の実施形態では、中央局、例えば、図1に示された中央局140、または、図3に示された中央局300が、方法600を実行することができる。
【0047】
[0053]方法600は、610のように、誤アラーム検出処理を開始することができ、620のように、マンダウンアラームが、第1の検出器から受信されうる。次いで、方法600は、630のように、第1の検出器からのアラームパケットがガスアラームを含むかどうかを判定することができる。
【0048】
[0054]方法600が、630のように、第1の検出器からのアラームパケットがガスアラームを含むと判定する場合、680のように、アラームが生成可能であり、方法600は、690のように、誤アラーム検出処理を終了することができる。
【0049】
[0055]しかし、方法600が、630のように、第1の検出器からのアラームパケットがガスアラームを含まないと判定する場合、640のように、第1の検出器の近くにある複数の他の検出器がチェックされうる。次いで、方法600は、650のように、複数の他の検出器から受信されたアラームパケット内にガスアラームが存在するかどうかを判定することができる。
【0050】
[0056]方法600が、650のように、複数の他の検出器から受信されたアラームパケット内にガスアラームが存在すると判定する場合、680のように、アラームが生成可能であり、方法600は、690のように、誤アラーム検出処理を終了することができる。しかし、方法600が、650のように、複数の他の検出器から受信されたアラームパケット内にガスアラームが存在しないと判定する場合、方法600は、660のように、複数の他の検出器から受信されたアラームパケット内にマンダウンアラームが存在するかどうかを判定することができる。
【0051】
[0057]方法600が、660のように、複数の他の検出器から受信されたアラームパケット内にマンダウンアラームが存在すると判定する場合、680のように、アラームが生成可能であり、方法600は、690のように、誤アラーム検出処理を終了することができる。しかし、方法600が、660のように、複数の他の検出器から受信されたアラームパケット内にマンダウンアラームが存在しないと判定する場合、方法600は、620のように第1の検出器から受信されたマンダウンアラームが誤りであると判定することができる。この方法は、670のように、誤アラームに関する警告を発するか、または、単に、誤アラームを無視することができる。次いで、方法600は、690のように、誤アラーム検出処理を終了することができる。
【0052】
[0058]本発明の実施形態では、図6に示された方法600は、マンダウンアラームが検出器から受信されるときは常に実行されうる。例えば、中央局140がマンダウンアラームをシステム100内のいずれかの検出器110、110a、110bから受信するとき、中央局140は、方法600を実行して、そのアラームが誤アラームであるかどうかを判定することができる。
【0053】
[0059]640、650および660のように、第1の検出器の近くにある複数の他の検出器からのアラームパケットを評価するとき、近くにある複数の他の検出器の一部または全部が評価されうる。例えば、本発明の実施形態では、複数の他の検出器のすべて、実質的にすべて、大多数、または1つさえも評価されうる。
【0054】
[0060]いくつかの実施形態では、複数の他の検出器のすべて、実質的にすべて、大多数、または1つのみが、650のように、方法600が複数の他の検出器からのガスアラームの存在を判定するためのガスアラームを含む、アラームパケットを送信しなければならない。同様に、いくつかの実施形態では、複数の他の検出器のすべて、実質的にすべて、大多数、または1つのみが、660のように、方法600が複数の他の検出器からのマンダウンアラームの存在を判定するためのマンダウンアラームを含む、アラームパケットを送信しなければならない。
【0055】
[0061]少数の実施形態が詳細に上述されたが、他の修正は可能である。例えば、図に示された論理の流れは、望ましい結果を達成するために、図示された特定の順序、または逐次的な順序を必要としない。他のステップが提供されてもよく、または、ステップが、記載された流れから除かれてもよく、他のコンポーネントが、記載されたシステムに追加されてもよく、または、記載されたシステムから除去されてもよい。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内でありうる。
【0056】
[0062]前述から、多数の変形形態および修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく実施されうることが認められるであろう。本明細書に例示された具体的なシステムまたは方法についての限定は意図されず、または暗示されるべきではないことを理解されたい。言うまでもなく、添付の特許請求の範囲によって、特許請求の範囲の精神および範囲内に入るようなすべての修正を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0057】
100 システム
110、110a、110b 検出器、無線検出器
120、120a、120b アクセスポイント、無線アクセスポイント
130 イーサネットネットワーク
140、300 中央局
200 検出器
210 ガスセンサ要素
220 センサ駆動回路および信号調節回路
230 マイクロコントローラ
240 ディスプレイ、押しボタンおよびアラームサブシステム
250 加速度計または動きセンサ
260 無線モジュール
270 アンテナ
280 ハウジング
310 制御部
310−1 プログラムされたプロセッサ
310−2 実行可能制御ソフトウェア
320a コンピュータ駆動表示部、表示部
320b 入力デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器であって、
周囲条件検知要素と、
動きセンサと、
制御回路と、
双方向通信ハードウェアとを備え、
前記制御回路は、前記周囲条件検知要素から受信された第1の信号に基づいて、アラームイベントを判定し、アラーム信号を前記通信ハードウェアへ、前記アラームイベント中に送信し、
前記制御回路は、前記動きセンサから受信された第2の信号に基づいて、マンダウンイベントを判定し、マンダウンアラーム信号を前記通信ハードウェアへ、前記マンダウンイベント中に送信し、
前記双方向通信ハードウェアは、前記アラーム信号および前記マンダウンアラーム信号のうち少なくとも1つをリモート位置へ送信し、
前記双方向通信ハードウェアは、前記リモート位置から状況問い合わせを受信する検出器。
【請求項2】
前記周囲条件検知要素はガスセンサ要素を含む請求項1に記載の検出器。
【請求項3】
前記動きセンサは加速度計を含む請求項1に記載の検出器。
【請求項4】
前記制御回路は、マイクロコントローラ、センサ駆動回路、および、信号調節回路のうち少なくとも1つを含む請求項1に記載の検出器。
【請求項5】
前記双方向通信ハードウェアは、無線モジュールおよびアンテナのうち少なくとも1つを含む請求項1に記載の検出器。
【請求項6】
前記周囲条件検知要素は、周囲雰囲気内の有害ガスの所定の閾値が検知されるとき、前記第1の信号を前記制御回路へ送信する請求項1に記載の検出器。
【請求項7】
前記動きセンサは、前記動きセンサが所定の期間に渡って動作を検出しないとき、前記第2の信号を前記制御回路へ送信する請求項1に記載の検出器。
【請求項8】
前記双方向通信ハードウェアは、前記リモート位置と無線で通信する請求項1に記載の検出器。
【請求項9】
少なくとも1つの検出器と、
前記少なくとも1つの検出器と双方向通信する中央局とを備えるシステムであって、前記検出器は、周囲条件アラーム信号およびマンダウンアラーム信号のうち少なくとも1つを前記中央局へ送信し、前記検出器から受信された信号に基づいて、前記中央局は、周囲条件アラームを示す第1のアラーム、周囲条件アラームおよびマンダウンアラームを示す第2のアラーム、マンダウンアラームを示す第3のアラーム、または、様々なアラームを示す第4のアラームのうち1つを開始するシステム。
【請求項10】
前記中央局と双方向通信する複数の検出器をさらに備える請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の検出器のうち少なくとも1つはガス検出器を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の検出器のうち少なくとも1つは、前記中央局と無線で双方向通信する請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記中央局は、前記複数の検出器の各々から受信された信号を相関させ、前記複数の検出器の各々から受信された前記信号に基づいて、前記中央局は、前記第1のアラーム、前記第2のアラーム、前記第3のアラーム、および、前記第4のアラームのうち1つを開始する請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の検出器のうち第1の検出器からマンダウン信号を受信すると、前記中央局は、前記複数の検出器の各々から受信された前記信号を相関させて、前記第1の検出器から受信された前記マンダウン信号が誤アラームであるかどうかを判定する請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記中央局はホストコンピュータを含む請求項9に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−155724(P2012−155724A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−11221(P2012−11221)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】