説明

ロボットアーム

【課題】2軸駆動と無限旋回が可能で、かつ構成の簡素なロボットアームを提供する。
【解決手段】同軸配置された第1および第2の駆動軸と、第1の駆動軸に連結され、第1の駆動軸から2方向に延びる第1および第2のアームと、第1および第2のアームの先端部に、回動可能にそれぞれ連結された第1および第2の回動出力部材と、第1のアームに対する第1の回動出力部材の回動姿勢を制御する第1の姿勢制御機構と、第2のアームに対する第2の回動出力部材の回動姿勢を制御する第2の姿勢制御機構と、第2の駆動軸に連結された操作用アームと、第1および第2の姿勢制御機構をそれぞれ操作する第1および第2の操作機構とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対的な角度(挟角)を変化させる一対のアームを備えたロボットアームおよびそれを備えたロボットに関し、特に駆動アームの先端側に従動側アームを装着する場合に好適なロボットアームおよびロボットに係る。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハや精密部品等のワーク(被処理物)をその製造工程に従って移送したり、所定の作業台上にローディングしたりする場合、その搬送用ロボットには、屈曲により伸縮動作をするようなロボットアームが多用されている。
【0003】
この種のロボットアームとしては、例えば特許第2808826号公報や特開平10−156770号公報等に記載されるように、平行な複数のリンクで構成したロボットアームの関節部に、これらハンド側の複数のリンクを互いに平行姿勢に保ちつつ同期回転させる歯車を設けて、ハンドを前後に直線的に移動させるようにしたものがある。
【0004】
特許第2808826号公報に記載されたものでは、伸縮する一対の屈曲式の移し換えアームをそれぞれ2組の平行リンクと関節部の同期歯車機構とで構成するとともに、両移し換えアームの基端部を旋回台に支持させており、この旋回台に一対の移し換えアームを伸縮駆動するための2組のモータ、カップリングおよび伝動軸などが設けられている。また、旋回台の外周には歯車が形成されており、これに噛合する歯車を介し、旋回台に隣接する旋回用駆動モータによって旋回駆動されるようになっている。
【0005】
また、特開平10−156770号公報に記載されたものでは、駆動側平行リンク機構に同期歯車を有する関節を介して従動側平行リンクを装着して、それぞれ出没動作する一対のロボットアームを構成しており、両アームの駆動側平行リンク機構と駆動用モータとの間に、両アームの駆動回転角がアーム突出時には大きく、アーム没入時には小さくなるよう、すなわち、トランスファチャンバに接近する後退時の移動量を抑えるように、モータ回転角に対し回転伝達量が変化する伝達リンク機構が設けられている。
【0006】
さらに、特公平7−73833号公報に記載されるいわゆるフロッグ-レッグ型のように、左右の屈曲アームの先端側アーム部分に同期歯車機構を設けるとともに両アームに跨がるキャリアハンドを装着し、両屈曲アームの基端側アーム部分を同期させながら伸縮駆動するものも知られている。このものでは、基端側のアーム部分に対し、前記先端側アーム部分とキャリアハンドが逆向きに2組装着され、キャリアハンドの一方が前に進むと他方がこれと同方向に移動しながら後退するというように、逆向きの一対のキャリアハンドによって逆位相の動作がなされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2808826号公報
【特許文献2】特開平10−156770号公報
【特許文献3】特公平7−73833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、平行リンクおよび同期歯車機構を備えた従来のロボットアームにあっては、特許第2808826号公報に記載されたもののように、2つの移し換えアームを伸縮および旋回させるために、3つもの駆動モータが必要となり、搬送ロボットが大型化するばかりか、コスト高になるという問題があった。
【0009】
特開平10−156770号公報に記載のものでは、駆動モータが2つで済むものの、支持台が無限旋回できないという問題があった。また、駆動モータを旋回台に収納する構成であることから、支持台を無限旋回させるためにはモータの電気配線接続のためにブラシリングのような機構が必要となり、構成が複雑にならざるを得なかった。
【0010】
一方、特公平7−73833号公報に記載のものでは、没入する搬送台は中央の回転軸線に接近し得るが、中央の回転軸線を越えることができないため、搬送ロボットが旋回する場合の最外周の半径を小さくすることができないという問題があった。
【0011】
そこで本発明は、2軸駆動と無限旋回が可能で、かつ構成の簡素なロボットアームおよびロボットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、互いに回動可能な一方のアームおよび他方のアームと、前記一方又は他方のアームに支持された回動出力部材と、前記アームに対する該回動出力部材の回動姿勢を制御する姿勢制御機構とを備えたロボットアームにおいて、該姿勢制御機構を操作するよう前記一方のアームに回動可能に支持されたクランク部、および、一端側で該クランク部に一体に連結されて前記一方のアームに回動可能に支持されるとともに他端側で前記クランク部の回動中心から所定回動半径の節点を形成するリンク部を有するてこ部材と、該てこ部材のリンク部を前記他方のアームに回動可能に連結する連結リンクとを設け、前記一方のアームおよび前記他方のアームの相対回動により前記姿勢制御機構を操作することを特徴とするものである。
【0013】
このロボットアームでは、一方および他方のアームが相対的に回動すると、てこ部材および連結リンクを介して姿勢制御機構が操作され、一方又は他方のアームに対する回動出力部材の回動姿勢が制御される。また、両アームの同方向および同速度の回動により、ロボットアーム全体が旋回する。この構成では、一方および他方のアームの駆動モータを旋回台に支持させたり、旋回台を旋回させるモータを別に設けたりする必要がなく、2軸駆動と無限旋回が可能で、かつ構成の簡素なロボットアームとなる。
【0014】
また、本発明は、互いに回動可能な一方のアームおよび他方のアームと、前記アームに支持された一対の回動出力部材と、前記アームに対する該一対の回動出力部材の回動姿勢を制御する姿勢制御機構とを備えたロボットアームにおいて、該姿勢制御機構を操作するよう前記一方のアームに回動可能に支持されたクランク部、および、一端側で該クランク部に一体に連結されて前記一方のアームに回動可能に支持されるとともに他端側で前記クランク部の回動中心から所定回動半径の節点を形成するリンク部を有するてこ部材と、該てこ部材のリンク部を前記他方のアームに回動可能に連結する連結リンクとを設け、前記一方のアームおよび前記他方のアームの相対回動により前記姿勢制御機構を操作し、前記一方のアームおよび前記他方のアームの同方向および同速度の回動により旋回することを特徴とするものである。
【0015】
このロボットアームでは、一方および他方のアームが相対的に回動すると、てこ部材および連結リンクを介して一対の姿勢制御機構が操作され、両アームに対する一対の回動出力部材の回動姿勢が制御される。また、両アームの同方向および同速度の回動により、ロボットアーム全体が旋回する。この構成では、一方および他方のアームの駆動モータを旋回台に支持させたり、旋回台を旋回させるモータを別に設けたりする必要がなく、2軸駆動と無限旋回が可能で、かつ構成の簡素なロボットアームとなる。
【0016】
また、本発明のロボットアームにおいては、前記姿勢制御機構が、前記一対の回動出力部材の回動姿勢を制御するよう前記一方のアームおよび前記他方のアームにそれぞれ支持された一対の姿勢制御部で構成され、該一対の姿勢制御部を操作する一対のてこ部材と、各てこ部材を前記一方又は他方のアームに回動可能に連結する一対の連結リンクとが設けられたものであるのが好ましい。この構成では、一方および他方のアームの駆動モータを旋回台に支持させたり、旋回台を旋回させるモータを別に設けたりすることなく、一対のてこ部材および連結リンクによって、一対の姿勢制御部の操作と旋回とが可能となる。
【0017】
本発明のロボットアームにおいては、あるいは、前記姿勢制御機構が、前記一対の回動出力部材の回動姿勢を制御するよう前記一方のアームおよび前記他方のアームにそれぞれ支持された一対の姿勢制御部で構成されるとともに、前記てこ部材が、該一対の姿勢制御部のうち片方の姿勢制御部を操作し、該片方の姿勢制御部への前記てこ部材の回動操作を前記一対の姿勢制御部のうち残りの姿勢制御部に伝達する操作伝達機構が設けられたものであるのが好ましい。この構成では、一方および他方のアームの駆動モータを旋回台に支持させたり、旋回台を旋回させるモータを別に設けたりすることなく、一方の姿勢制御部を操作するてこ部材の回転操作が、操作伝達機構を介して他方の姿勢制御部に伝達されることで、2軸駆動と無限旋回が可能で、構成の簡素なロボットアームとなる。
【0018】
本発明のロボットアームにおいては、さらに、前記てこ部材のリンク部の長さと前記連結リンクの長さとの和が、前記一方のアームの回動中心から前記てこ部材のクランク部が支持された支持点までの半径方向距離と、前記他方のアームの回動中心から前記連結リンクが支持された支持点までの半径方向距離との和よりも大きいことが好ましい。この構成により、思案点を生じさせることなく、回動出力部材側の安定した姿勢制御を行うことができる。
【0019】
本発明のロボットアームにおいては、前記てこ部材のクランク部を支持する支持点を、前記アームの回動中心から所定半径の位置に配置したものであるのが好ましい。この構成では、一方および他方のアーム回動半径の範囲内にてこ部材および連結リンクを容易に配置できる。
【0020】
あるいは、前記てこ部材のクランク部を支持する支持点を、前記一方のアームおよび前記他方のアームの回動中心位置に配置するとともに、両アームに支持された前記一対の姿勢制御部にそれぞれ連結することもできる。このようにすると、一対の姿勢制御部の間において、片方の姿勢制御部における回転操作がその片方の姿勢制御部に連結されたてこ部材を介して残りの姿勢制御部にも伝達されることになり、両姿勢制御部の間における操作伝達機構がきわめて簡素に構成されることとなる。
【0021】
また、前記てこ部材のクランク部を支持する支持点を、前記一方のアームおよび前記他方のアームの回動中心位置に配置するとともに、両アームに支持された前記一対の姿勢制御部にそれぞれ連結すると、片方の姿勢制御部に連結されたてこ部材により、もしくはこれと近接するてこ部材を介して残りの姿勢制御部にも容易に操作力を伝達することができ、両姿勢制御部の間における操作伝達機構をきわめて簡素に構成することができる。
【0022】
本発明のロボットは、上記ロボットアームと、前記ロボットアームの前記一方のアームおよび他方のアームをそれぞれ回動させる2軸の駆動手段と、を備えたことを特徴とする。このロボットは、2軸駆動と無限旋回が可能で、かつ構成の簡素なものとなる。
【0023】
また、本発明のロボットにおいては、前記一方のアームに対する片方の前記回動出力部材の回動に従動する一方の従動側アームと、前記他方のアームに対する残りの片方の前記回動出力部材の回動に従動する他方の従動側アームと、を備え、前記一方のアームおよび他方のアームの回動によって伸縮するロボットアームを構成したものであるのがよい。この構成では、駆動手段によって駆動されるアームの先端側に回動出力部材に従動する従動側アームが装着され、屈曲によって伸縮する構成の簡素な2軸駆動のロボットが実現できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、一方および他方のアームの相対回動によって、てこ部材および連結リンクを介して姿勢制御機構を操作し、両アームに対する一対の回動出力部材の回動姿勢を制御するようにし、更に、両アームの同方向および同速度の回動により、全体の旋回ができるようにしているので、一方および他方のアームの駆動モータを旋回台に支持させたり、旋回台を旋回させるモータを別に設けたりする必要をなくし、2軸駆動と無限旋回が可能で、かつ構成の簡素なロボットアームおよびロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るロボットアームの第1実施形態を示すその概略構成図である。
【図2】本発明に係るロボットアームの一実施形態の要部の概略構成図であり、(a)はその平面図、(b)はその回動中心軸線に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明に係るロボットアームの一実施形態を示すその概略構成図で、図1の状態からアームを互いに逆方向に所定角度回動させた状態を示している。
【図4】本発明に係るロボットアームの一実施形態におけるてこ部材側のアームの回転角度θに対する連結リンク側のアームの回転角度φの変化を示すグラフである。
【図5】本発明に係るロボットアームの第2実施形態を示すその概略構成図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】本発明に係るロボットアームの第2実施形態のを示すその概略構成図で、図6の状態からアーム基端部を互いに逆の向きに所定角度回動させた状態を示している。
【図8】本発明に係るロボットアームの第2実施形態を示すその関節部の概略構成図である。
【図9】本発明に係るロボットアームの第2実施形態を示すその関節部の概略構成図で、図8の状態から基端側アーム部分を互いに逆向きに所定角度回動させた状態を示している。
【図10】本発明に係るロボットアームの第3実施形態を示すその要部概略構成図である。
【図11】本発明に係るロボットアームの第4実施形態を示すその要部概略構成図である。
【図12】本発明に係るロボットアームの第5実施形態を示すその要部概略構成図である。
【図13】本発明に係るロボットアームの第6実施形態を示すその要部概略構成図で、一方のアームを伸張させた状態を示している。
【図14】第6実施形態のロボットアームの要部説明図である。
【図15】本発明に係るロボットアームの第6実施形態を示すその要部概略構成図で、一方および他方のアームを収縮させた状態を示している。
【図16】本発明に係るロボットアームの第6実施形態を示すその要部概略構成図で、他方のアームを伸張させた状態を示している。
【図17】第6実施形態のロボットアームの要部変形態様の説明図である。
【図18】本発明に係るロボットアームの第7実施形態を示すその要部概略構成図で、一方のアームを伸張させた状態を示している。
【図19】本発明に係るロボットアームの第7実施形態を示すその要部概略構成図で、一方および他方のアームを収縮させた状態を示している。
【図20】本発明に係るロボットアームの第7実施形態を示すその要部概略構成図で、他方のアームを伸張させた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4は本発明に係るロボットアームおよびロボットの第1実施形態を示す図であり、本発明を半導体ウエハ等のハンドリング用ロボットに適用した例を示している。
【0027】
これらの図に示すように、本実施形態のロボット10は、図中左右に位置するアーム11、12を有している。両アーム11、12の先端部には一対のハンド13L、13Rが装着されており、これらハンド13L、13Rは、搬送対象物(ワーク)である半導体ウエハ等をハンドリング可能なように、例えばそのワークの被把持部形状に対応する凹部13aを有している。なお、ここでハンドとは、把持のみならず、載置台のようなものをも含み、ハンドの作業内容に応じて公知の各種タイプのものを任意に使用できる(以下の実施例についても同様である)。ハンド13L、13Rが同一形状でも異なる形状でもよいことはいうまでもない。
【0028】
アーム11、12は、同軸配置された2軸の駆動軸21、22に連結された基端部を有し、これら駆動軸21、22によって回動可能に支持されている。また、これら駆動軸21、22を介して、アーム11、12は図示しないそれぞれの駆動モータにより、互いに独立して駆動される。
【0029】
また、アーム11、12の先端側には一対の回動出力部材14A、14Bが回動可能に支持されており、アーム11、12の基端側には駆動軸21、22と同軸な連結軸15が設けられている。そして、一対の回動出力部材14A、14Bのうち片方の回動出力部材14Aは、片方の姿勢保持リンク16Aを介して、連結軸15に一体結合された中間支点リンク17の一端部17aに、残りの片方の回動出力部材14Bは残りの片方の姿勢保持リンク16Bを介して中間支点リンク17の他端部17bに、それぞれ連結されている。
【0030】
前記アーム11、12、ハンド13L、13R、回動出力部材14A、14Bおよび中間支点リンク17は、中間支点リンク17の一端側(連結軸15の中心から姿勢保持リンク16Aとの連結点まで)を一辺とする平行四辺形をなす片方の姿勢制御部31と、中間支点リンク17の他端側(連結軸15の中心から姿勢保持リンク16Bとの連結点まで)を一辺とする平行四辺形をなす残りの片方の姿勢制御部32とを構成しており、これら双方の姿勢制御部31、32によって、両回動出力部材14A、14Bおよびハンド13L、13Rのアーム11、12に対する回動姿勢を制御する姿勢制御機構30が構成されている。
【0031】
この姿勢制御機構30は、てこ部材41および連結リンク42からなる操作機構40によって操作される。操作機構40のてこ部材41は、アーム12(一方のアーム)に回動可能に支持されたクランク部41aと、一端側でこのクランク部41aに一体に連結されてアーム12に回動可能に支持されたリンク部41bとを有するベルクランク状となっており、リンク部41bはその他端側でクランク部41aの回動中心から所定回動半径の節点41cを形成している。また、操作機構40の連結リンク42は、てこ部材41のリンク部41bをアーム11に回動可能に連結するものである。
【0032】
ここで、てこ部材41のリンク部41bの長さと連結リンク42の長さとの和は、アーム12の回動中心からてこ部材41のクランク部41aが支持された支持点までの半径方向距離Lbと、アーム11の回動中心から連結リンク42が支持された支持点までの半径方向距離Laとの和よりも大きくなっており、思案点が生じない機構、すなわち、操作機構40による操作範囲で、てこ部材41のリンク部41b、連結リンク42およびアーム11、12が一直線状に重なり、姿勢が不安定となる状態が生じない機構となっている。
【0033】
また、てこ部材41は一対の姿勢制御部31、32のうち片方の姿勢制御部32を操作するが、本実施形態の姿勢保持リンク16Bはてこ部材41のクランク部41aの先端に回動可能に連結された一対のリンク23、24からなり、クランク部41aと連動する一対の平行クランク機構を形成している。また、この片方の姿勢制御部32へのてこ部材41の回動操作は、中間支点リンク17によって、一対の姿勢制御部31、32のうち残りの姿勢制御部31に伝達されるようになっており、中間支点リンク17は操作伝達機構を構成している。
【0034】
図2に示すように、アーム11、12、中間支点リンク17、てこ部材41のリンク部41bおよび連結リンク42は、相互の回動が干渉しないように、これらを駆動軸21、22の軸方向に適宜ずらしたり、複数の回動部材を同一回動中心で結合したりして構成されている。
【0035】
次に、その動作について説明する。
【0036】
このように構成された本実施形態のロボットにおいては、一対のアーム11、12が独立して駆動されながら相対的に回動する。具体的には、例えばアーム11、12が図3に示す回動位置から図1に示すような回動位置に回動する場合、駆動軸22によって一方のハンド13Rを伸張させるためにアーム12が回転方向一方側(この場合、図3中で左回転)に駆動されるとともに、アーム11が回転方向他方側(この場合、図3中で右回転)に駆動される。
【0037】
このような動作状態においては、アーム11、12の回動に応じ、てこ部材41と連結リンク42が両アーム11、12に対して回動するが、てこ部材41のクランク部41aと回動出力部材14A、14Bおよび中間支点リンク17との回動姿勢が常時平行に保たれることから、一対の回動出力部材14A、14Bおよびハンド13L、13Rの回動姿勢は、常時互いに平行に保たれる。すなわち、アーム11、12のなす角度(挟角)の変化により、てこ部材41がアーム12に対して回動すると、姿勢制御機構30の片方の姿勢制御部32がてこ部材41によって操作されるが、これと同時に、その姿勢制御部32への回動操作が、姿勢制御部32の一部を構成する中間支点リンク17の他端部17bから、操作伝達機構である中間支点リンク17を介して、他の片方の姿勢制御部31にも伝達される。したがって、片方の姿勢制御部32において、てこ部材41のクランク部41aと回動出力部材14Bおよび中間支点リンク17の他端部17bとの回動姿勢が常時平行に保たれるのと同時に、他の片方の姿勢制御部31において、中間支点リンク17の一端部17aと回動出力部材14Aとの回動姿勢が常時てこ部材41のクランク部41aに対し平行に保たれることになる。
【0038】
また、このような動作状態においては、駆動軸22によるアーム12の回動角をθとし、駆動軸21によるアーム11の回動角をφとすると、回動出力部材14A、14B等の回動姿勢を保ち得るように、回転角φが回転角θより小さい角度に制御される。具体的には、このφの値は回転角θに対して所定の計算式で計算された値となり、図4に示すようなグラフで表されるが、その回転角φのデータを予めデータテーブルとしてメモリに記憶させておくこともできる。
【0039】
このようにして、図3に示すような動作開始位置への復帰状態から図1に示すような搬送状態へと動作するときには、前進する側のハンド13Rは大きく前進動作するが、後退するハンド13L側の引き戻しの動作量は小さく抑えられる。したがって、狭い作業空間内においても、所要のワーク搬送動作を行うことができる。また、図3に示すような動作開始位置への復帰状態から、図1とは逆の動作をするときには、前進する側のハンド13Lは大きく前進動作するが、後退するハンド13R側の引き戻しの動作量は同様に小さく抑えられる。
【0040】
一方、アーム11、12が、駆動軸21、22によって駆動され、同方向に同速度で回動すると、アーム11、12を含む可動部分全体が、駆動軸21、22の回動中心軸線回りに旋回する。このとき、アーム11、12は相対的に回動しないので、姿勢制御機構30の姿勢制御部32へのてこ部材41からの回転操作はなされない。したがって、両アーム11、12に対する一対の回動出力部材14A、14Bおよびハンド13L、13Rの回動姿勢が保持されることになる。
【0041】
このような本実施形態のロボットでは、全体の旋回動作のためにアーム11、12の駆動モータを従来のように旋回台に支持させたり、その旋回台を旋回させたりする必要がなくなり、しかも、アーム11、12を駆動軸21、22の軸回りに無限に旋回させることができる。
【0042】
また、本実施形態は、簡素なロボットアーム11、12の間にてこ部材41と連結リンク42からなる非常に簡素な操作機構40を構成して、2軸駆動としながらも、ハンド側の姿勢制御と全体の無限旋回を両立させているので、構成がきわめて簡素なロボットとなる。
【0043】
さらに、本実施形態においては、てこ部材41のリンク部41bの長さと連結リンク42の長さとの和が、アーム12の回動中心からてこ部材41のクランク部41aの支持点までの半径方向距離Lbと、アーム11の回動中心から連結リンク42の支持点までの半径方向距離Laとの和よりも大きいので、思案点が生じることがなく、回動出力部材14A、14Bおよびハンド13L、13Rの安定した姿勢制御を行うことができる。
(第2実施形態)
図5〜図9は本発明に係るロボットアームおよびロボットの第2実施形態を示す図であり、本発明を伸縮可能なロボットアームを用いた半導体ウエハ等のハンドリングロボットに適用した例を示している。
【0044】
なお、本実施形態のロボットは、上述した第1実施形態の姿勢制御機構30、操作機構40および操作伝達機構を有しているので、これらに関しては図1〜3と同様の符号を付し、第1実施形態と相違する構成について説明する。
【0045】
図5〜図7に示すように、本実施形態のハンドリングロボットは、それぞれ関節部51a、52aにおいて逆方向に「く」の字形状に屈曲するアーム形状をなし、その屈曲形状の変化により伸縮する平行リンク機構からなる伸縮アーム51、52を備えており、更に、両アーム51、52の先端部に装着された所定形状のハンド53A、53Bと、伸縮アーム51、52を駆動する2軸の駆動軸21、22と、を備えている。
【0046】
平行リンクで構成された伸縮アーム51、52の関節構造やアーム構造は従来の構成と共通するものであってもよいので、ここでは詳述はしないが、伸縮アーム51、52は共に、一方の駆動軸21で駆動されるアーム11と、このアーム11に対する片方の回動出力部材14Aの回動に従動する一方の従動側アーム61と、他方の駆動軸22で駆動されるアーム12と、このアーム12に対する残りの片方の回動出力部材14Bの回動に従動する他方の従動側アーム62とを備えており、両アーム51、52の回動によって伸縮するロボットアームが構成されている。
【0047】
また、従動側アーム61、62の先端側には、リンク54A、54Bを介してハンド53A、53Bが装着されており、ハンド53A、53Bは、所定のワークWをハンドリング可能な形状、例えばワークWの被把持部形状に対応するU字形で、凹部を有している。さらに、図7に示すような作動開始位置への復帰状態において、駆動軸21、22上にリンク54A、54Bが重ならないように構成されている。
【0048】
アーム51、52の関節部には、基端側と先端側のアームを連動させる同期回転機構が装着されている。この同期回転機構は公知の同期歯車やタイミングプーリ等であってもよいが、例えば図8に示すように、回動出力部材14Aに一体に連結する第1リンク71aおよびこれと同一長さの第1リンク71bを、これらより長い第2リンク72aの両端部に連結し、両第1リンク71a、71bを第2リンク72aと交差する連結用の第2リンク72bで連結して構成された一方の両クランク機構70を具備している。この一方の両クランク機構70は、第2リンク72aに対し、一対の第1リンク71a、71bを互いに逆方向に連動して回動させるようになっている。
【0049】
また、第1リンク71aの一端部に揺動自在に連結された一対の第3リンク73a、73bのうち、一方の第3リンク73aを第2リンク72aと一体に、他方の第3リンク73bを一方の従動側アーム61の片側のリンク61aと一体に結合して、更に第3リンク73a、73b同士を第4リンク74で連結することで、一方のクランク機構70と相似形状をとり得る他方の両クランク機構80が構成されている。この両クランク機構80は、第1リンク71aに対して、第2リンク72aの一部である第3リンク73aと第3リンク73bとを互いに逆方向に連動して回動させるようになっている。この他方のクランク機構80は、図8から明らかなように、一部のリンク間の挟角αを形成する構成要素(リンク)が一方のクランク機構70と共通している。
【0050】
すなわち、両クランク機構70、80は、リンク72aと一つのリンク間挟角αが等しい二つの三角形状をなし、逆クランクとして作用する四節リンク機構となっており、これによってアーム51、52に対する回動出力部材14A、14Bの回動に連動して従動側アーム61、62が回動できるようになっている。
【0051】
本実施形態においては、駆動軸21、22(駆動手段)によって駆動されるアーム51、52の先端側に回動出力部材14A、14Bに従動する従動側アーム61、62が装着され、屈曲によって伸縮するロボットアームが構成され、構成の簡素な2軸駆動のロボットが実現できる。
【0052】
その他の作用効果は、上述の実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図10は本発明に係るロボットアームの第3実施形態を示す図である。
【0053】
なお、本実施形態のロボットは、上述した第1実施形態における操作伝達機構に代えて、第1実施形態の操作機構40と同様な操作機構40A、40Bを一対のアーム11、12を挟んで左右逆の向きに装着し、操作機構40A、40Bが全体として平行四辺形をなす4節リンク機構を構成するようにしたものである。
【0054】
すなわち、操作機構40Aのてこ部材41による片方の姿勢制御部32への回動操作と同様の操作を、操作機構40Aとは左右の向きが異なる操作機構40Bによって、残りの片方の姿勢制御部31にも加えるようにして、左右一対のクランク部41aが絶えず平行になるようにしている。
【0055】
このようにしても、上述の実施形態と同様な効果が期待できる。
(第4実施形態)
図11は本発明に係るロボットアームの第4実施形態を示す図である。
【0056】
なお、本実施形態のロボットは、上述した第3実施形態の操作機構40A、40Bの連結リンク42とアーム11、12とは異なる支持部91a、92aを有するアーム91、92に支持させ、両アーム91、92のなす角度や可動範囲を支持部91a、92aの形状によって適宜変更できるようにしたものである。
【0057】
このようにしても、上述の実施形態と同様な効果が期待できる。
【0058】
さらに、本実施形態においては、一対の連結リンク42のアーム91、92への連結点が、一対のてこ部材41のアーム11、12への支持点から離れた支持部91a、92a上になるように、複数のリンク連結点が分散して配置されているので、駆動軸21、22付近でアーム11、12、てこ部材41およびリンク42を多層に配置する必要がなく、構成が簡素となる。
【0059】
なお、支持部91a、92aはアームの長手方向に対し直交するよう突出したものであってもよい。
(第5実施形態)
図12は本発明に係るロボットアームの第5実施形態を示す図である。
【0060】
この実施形態は図10に示した第3実施形態において、ベルクランク状のてこ部材に代えて、そのクランク部をプーリ141p(あるいはタイミングギア、他の伝動歯車でもよい)に変更したてこ部材141A、141Bを採用し、それに対応してワイヤ又はベルト136A、136B等を用いた姿勢制御機構131、132を構成したものである。このようにして、スカラー型ロボットにも適用できる。
【0061】
本実施形態においても、上述の実施形態と同様な効果が期待できる。
【0062】
なお、上述の各実施形態は2つの駆動軸が同軸配置され、一方および他方のアームの回動中心も駆動軸線と一致するものとしていたが、駆動軸とアームの回動中心をずらして配置することもできる。また、てこ部材のリンク長さと連結リンクの長さの比や、てこ部材のアームへの連結位置は任意である。
(第6実施形態)
図13〜図17は本発明に係るロボットアームの第6実施形態を示す図である。
【0063】
本実施形態のロボットは、姿勢制御機構および操作機構がそれぞれ上述の実施形態とは異なる。
【0064】
本実施形態においては、図13および図14に示すように、てこ部材141が、クランク部141a、リンク部141bおよびこれらを連結して駆動軸22に回動自在に支持された支点部141cで構成され、この支点部141cの中心(支持点)を一方および他方のアーム111、112の回動中心位置に配置したものとなっており、そのクランク部141aは両アーム111、112に支持された一対の姿勢制御部131、132の平行リンク136A、136Bにそれぞれ連結されている。ここで、アーム111、112は駆動軸21、22によって互いに独立して駆動され、駆動軸21、22が相対回転するときてこ部材141のリンク部141bと各アーム111、112とのなす角度が変化し得るよう、てこ部材141が回動操作されるようになっている。なお、図13は一方のハンド13Lを装着した先端側のアーム115Aおよび基端側のアーム111を伸張させた状態を、図16は他方のハンド13Rを装着した先端側のアーム115Bおよび基端側のアーム112を伸張させた状態を、それぞれ示しており、図15はハンド13L、13Rをホームポジションに位置させた待機状態を示している。
【0065】
姿勢制御部131、132は、てこ部材141のクランク部141aに連結する平行リンク136A、136Bと、アーム111、112、てこ部材141および回動出力部材114とで平行クランク機構を構成したもので、各アーム111、112に対するてこ部材141のクランク部141aの傾きが、各アーム111、112に対する回動出力部材114の傾きと常に同一になるようになっている。また、回動出力部材114は、アーム111、112の先端に固定された姿勢保持用の固定歯車113に噛合すると共に先端側のアーム115A、115Bを駆動する可動歯車114aと、可動歯車114aを支持する可動キャリア114bとを有するもので、そのキャリア114bは各アーム111、112の先端に回動可能に支持されている。
【0066】
てこ部材141は姿勢制御部131、132を操作する一対のてこ部材を一体化したものである。そして、そのてこ部材141を操作する操作機構140は、アーム111、112又は駆動軸21、22に一体に連結された操作部111a、112aと、リンク142A、142BおよびT字形の連結リンク143を含んで構成されており、アーム111、112がこの操作機構140を介してそれぞれてこ部材141のリンク部141bに連結されている。なお、図13において、116A、116Bは、先端側のアーム115A、115Bに対しそれぞれ平行に配置された平行リンクである。また、本実施形態においては、図13中の右側のハンド13Rおよびアーム115B、116Bが左側のハンド13Lおよびアーム115A、116Aよりも上側に配置されており、この上下の配置によって、両ハンド13L、13Rはホームポジションにおいて上下に重なるようになっている。
【0067】
本実施形態においては、一対の姿勢制御部131、132のうち一方の姿勢制御部131に連結されたてこ部材141を近接する他方のてこ部材と兼用しているので、一方の姿勢制御部131への操作入力を他方の姿勢制御部132にも容易に伝達でき、両姿勢制御部131、132の間の操作伝達機構をきわめて簡素に構成することができる。
【0068】
なお、上述のてこ部材に代えて、てこ部材141のクランク部141aを2つのクランク部としたてこ部材を採用することもできる。例えば、図17に示すように、一方のクランク部141aにリンク136Aが連結され、このクランク部141aに対し角度ψをなす他方のクランク部141dにリンク136Bが連結されたものが考えられる。なお、図17において、支点部141cは駆動軸21の外側に両駆動軸21、22と同軸に配置されている。
【0069】
このように構成することにより、アーム111、112の向き(相対角度)や、2つのハンド13L、13Rのそれぞれの姿勢(回動角度)を任意に設定することができる。
(第7実施形態)
図18〜図20は本発明に係るロボットアームの第7実施形態を示す図である。なお、図18は一方のハンド13Lを装着した先端側アーム115Aおよび基端側アーム111を伸張させた状態を、図20は他方のハンド13Rを装着した先端側アーム115Bおよび基端側アーム112を伸張させた状態を、それぞれ示しており、図19はハンド13L、13Rをホームポジションに位置させた待機状態を示している。
【0070】
本実施形態のロボットは、ロボットアームの基本構成が上述の実施形態とは異なり、駆動軸21で駆動される基端側アーム111は略同長の第1アーム部111fと第2アーム部111sとを一直線に配置したものとなっている。ただし、これら基端側の第1アーム部111fおよび第2アーム部111sの先端側には、上述の実施形態と同様に、それぞれ姿勢保持用の固定歯車113と、この固定歯車113に噛合する可動歯車114aを可動キャリア114bで保持した回動出力部材114とが装着されており、可動歯車113と一体的に回動するようこの歯車113にそれぞれ一端側で連結された先端側のアーム部材115A、115Bと、このアーム部材115A、115Bの他端側に支持されたハンド13L、13Rとがそれぞれ設けられている。
【0071】
一方、駆動軸22で駆動される操作用のアーム112は一対のアーム部112a、112bを所定交差角をなして連結した「く」の字形の屈曲形状になっており、この操作用のアーム112にはリンク121L、121Rを介して、姿勢制御機構131、132が連結されている。
【0072】
各姿勢制御機構131、132は、上述のてこ部材と同様なベルクランク状のてこ部材141L、141Rと、アーム111の第1アーム部111fおよび第2アーム部111sに対し平行に配置された平行リンク142A、142Bと、先端側アーム部材115A、115Bに対し平行に配置された平行リンク116A、116Bとを含んで構成されており、基端側のアーム部111f、111sと、先端側アーム部材115と、姿勢制御機構131、132とは、全体として左右一対の「く」の字形の屈曲アームを構成している。
【0073】
また、てこ部材141L、141Rは第1アーム部111fおよび第2アーム部111sにそれぞれ回動中心軸線から所定距離を隔てた支持点で回動可能に支持されており、図19に示すように、各てこ部材141L、141Rは、姿勢制御機構131、132を操作するよう一方のアーム111に回動可能に支持されたクランク部141aと、一端側でそのクランク部141aに一体に連結されてアーム111に回動可能に支持されるとともに、他端側でクランク部141aの回動中心から所定回動半径の位置にリンク121との連結をなす節点を形成するリンク部141bとを有している。
【0074】
本実施形態においても、上述の実施形態と同様な効果が期待できる。すなわち、基端側のアーム111と操作用のアーム112とが相対的に回動すると、てこ部材141および連結リンク121を介して姿勢制御機構131、132が操作され、両アーム111、112に対する一対の回動出力部材114およびこれと一体的に回動する先端側アーム部材115A、115Bとの回動姿勢が制御される。また、両アーム111、112の同方向および同速度の回動により、ロボットアーム全体が旋回する。この構成では、一方および他方のアーム111、112の駆動モータを旋回台に支持させたり、旋回台を旋回させるモータを別に設けたりする必要がないのに加え、2軸駆動と無限旋回が可能で、かつ構成の簡素なロボットアームとなるものである。
【0075】
なお、上述の各実施形態は2つの駆動軸が同軸配置され、一方および他方のアームの回動中心も駆動軸線と一致するものとしていたが、駆動軸とアームの回動中心をずらして配置することもできる。また、てこ部材のリンク長さと連結リンクの長さの比や、てこ部材のアームへの連結位置は任意である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明のロボットアームは、半導体ウエハや精密部品等のワーク(被処理物)をその製造工程に従って移送したり、所定の作業台上にローディングしたりする場合に、利用することができる。
【符号の説明】
【0077】
11、12、91、92、111、112 アーム
13L、13R ハンド
13a 凹部
14A、14B 回動出力部材
16A、16B 姿勢保持リンク
17 中間支点リンク(連結リンク)
17a 一端部
17b 他端部
21、22 駆動軸
23、24 リンク
30、130 姿勢制御機構
31、32、131、132 一対の姿勢制御部
40、40A、40B 操作機構
41、141、141A、141B、141L、141R てこ部材
41a、141a クランク部
41b、141b リンク部
41c 節点
42、142 連結リンク
51、52 伸縮アーム
53A、53B ハンド
53a 凹部
54A、54B リンク
61、62 従動側アーム
61a リンク
62 従動側アーム
70、80 両クランク機構
91a、92a 支持部
111、112 アーム
111a、112a 操作部
111f 第1アーム部
111s 第2アーム部
112a、112b アーム部
113 固定歯車
114 回動出力部材
121L、121R リンク
131、132 姿勢制御機構
140 操作機構
141c 支点部
142A、142B リンク
143 連結リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸配置された第1および第2の駆動軸と、
第1の駆動軸に連結され、第1の駆動軸から2方向に延びる第1および第2のアームと、
第1および第2のアームの先端部に、回動可能にそれぞれ連結された第1および第2の回動出力部材と、
第1のアームと、第1のアームに平行な第1の平行アームと、第1の回動出力部材とを含んで平行四辺形構造を構成し、第1のアームに対する第1の回動出力部材の回動姿勢を制御する第1の姿勢制御機構と、
第2のアームと、第2のアームに平行な第2の平行アームと、第2の回動出力部材とを含んで平行四辺形構造を構成し、第2のアームに対する第2の回動出力部材の回動姿勢を制御する第2の姿勢制御機構と、
第2の駆動軸に連結された操作用アームと、
前記操作用アームの先端部に回動可能にそれぞれ連結され、第1および第2の姿勢制御機構をそれぞれ操作する第1および第2の操作機構とを備えることを特徴とするロボットアーム。
【請求項2】
第1の操作機構は、
一端側で第1のアームに回動可能に連結され、他端側で第1の平行リンクに回動可能に連結されたリンクよりなる第1のクランク部と、一端側で第1のクランク部の一端に一体に連結されて第1のアームに回動可能に連結された第1のリンク部とを有する第1のてこ部材と、
一端側で第1のリンク部の他端に回動可能に連結され、他端側で前記操作用アームに回動可能に連結された第1の連結リンクとを有し、
第2の操作機構は、
一端側で第2のアームに回動可能に連結され、他端側で第2の平行リンクに回動可能に連結されたリンクよりなる第2のクランク部と、一端側で第2のクランク部の一端に一体に連結されて第2のアームに回動可能に連結された第2のリンク部とを有する第2のてこ部材と、
一端側で第2のリンク部の他端に回動可能に連結され、他端側で前記操作用アームに回動可能に連結された第2の連結リンクとを有することを特徴とする請求項1に記載のロボットアーム。
【請求項3】
第1のてこ部材の第1のクランク部が第1のアームに回動可能に連結された連結点を、第1の駆動軸の回動中心から所定半径の位置に配置し、
第2のてこ部材の第2のクランク部が第2のアームに回動可能に連結された連結点を、第1の駆動軸の回動中心から前記所定半径の位置に配置したことを特徴とする請求項2に記載のロボットアーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−142952(P2010−142952A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50458(P2010−50458)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【分割の表示】特願2001−222488(P2001−222488)の分割
【原出願日】平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】