説明

ロボットシステム

【課題】ロボットにはロボットの最大動作領域を全て含む安全防護柵(安全柵)が必要であるため、稼動範囲が狭くても広い領域の柵が必要となり柔軟な設備構築に支障がある。
【解決手段】ロボットの動作領域の監視をロボットの制御部と独立して設けることで制御部の異常(ノイズ、バグなど)においても確実にロボットの動作範囲の監視を行うことができ、また、独立が故にロボットの制御部の改良、改善を行っても動作領域の監視を行う機能に影響がないロボットシステムを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの動作範囲を多重監視し、確実に制限するロボット制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットの可動範囲の制限を少なくして動作範囲を大きくすることは、ロボットを適用した設備への柔軟性が高くなるため、その可動範囲を広く大きくする努力が各ロボット製造メーカで行なわれ、実施されている。しかし、ロボットの可動範囲を拡大化すると、作業者の操作の誤りや外来の電気ノイズ等のために誤動作すると、ロボットの周辺の作業者への干渉や接触等で作業者に障害を与えるような危険な状態となることが考えられる。また、ロボットの周辺機器への干渉や衝突などでロボット本体又は周辺機器の破損を招くことも考えられる。
そのため、特に作業者を危険に曝さないために、ロボットの稼動中では、ロボットの可動範囲を含む領域を安全防護柵で囲い、作業者の故意又は過失でロボットの可動範囲に入らないような立ち入り制限を行なっている。また、ロボットの動作手順の教示中ではロボットの動作速度の制限や、操作しているときだけロボットが動作することができるイネーブル装置が備わる教示装置を備え、作業者が危険に曝される機会の削減が各規格で要請され、また実施されている。
【0003】
図6は、一般的なロボットの動作する領域を説明する図である。図において、ロボットの可動部分によって掃引することができる、製造業者によって定められた領域に、エンドエフェクタ110及びワークによって掃引することができる領域を加えたものが最大領域112である。また、最大領域の一部で、ロボットシステムにどんな故障・誤動作が生じても越えることがない限界を設定するリミット装置(機構的な動作制限装置など)によって制限されたものが制限領域111である。また、最大領域112を含む安全防護装置114(安全防護柵など)によって、囲まれた領域を安全防護領域113という。(最大領域112、制限領域111及び安全防護領域113の各用語定義はJIS B8433−1993より抜粋。)
安全防護領域113を安全防護装置114(安全防護柵)などで囲い、ロボット101が稼動中には作業者がロボットの近傍に接近できなくすることと、教示中では作業者がロボットに接近するため、イネーブル装置が作動している時だけロボットの動作が許可され、かつ、誤動作など作業者の意図しないロボットの動作が生じても、作業者がイネーブル装置を非作動ととしてロボットの動作を停止する又は危険回避行動をとることのできる安全運転速度以下で動作するようになっている。
【0004】
ロボットは、予め教示設定したプログラム(作業プログラム)に従ってロボットを動かすための軌道計算を行い、この計算に基づき動作予測位置(先読み位置)を算出し、ロボットが駆動制御されるものである。このような、ロボットの軌道計算及び動作の構成では、軌道計算及び動作予測位置計算の間違い(制御プログラムのバグ)や、作業プログラムが格納されるメモリの不良及び計算が行なわれるCPU等の演算装置の不良(製造不良)また、電気機器及び電気素子の偶発故障では、作業者に対する安全のために、例えば電源投入時又は定期的に自己診断を行ない、異常が検出されると即時ロボットの動作を停止するようにしている。また、CPU等の半導体素子の不良(設計不良:エラッタ)並びにCPUの制御プログラム作成時に利用されるコンパイラなどの制御プログラム開発環境の不良(開発用プログラムのバグ)に対しては、開発時に各種試験を実施し、可能の限りの間違いを排除しているが全ての場合についての試験(カバレッジ率100%)は不可能である。よって、間違いや異常を検出する診断のタイミングによっては、ロボットがこれらを原因として異常な動作をする可能性を否定することは出来ない。
また、作業者により教示設定される作業プログラムの間違いによるロボットの動作では、これを間違いとして検出又は回避することは困難である。
【0005】
以下に、ロボットの可動範囲を作業に必要とする領域(稼動範囲又は最大動作範囲)に制限しつつ、作業者の保護について説明する。
ロボットの稼動範囲を制限するものとして、複数の光電センサを利用して、検出信号に基づいてロボットの可動範囲を部分的に制限を行なう制御装置を備え、ロボットの設置スペースに合わせて可動範囲を任意に変更することができるロボットの可動範囲制限装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、この提案では光電センサを使用しているため、設備設置時には動作領域を分割するために光軸調整が必要となり、使用中に光学系のズレが起こらないような確実な設置が必要とされ、また定期的に光学系の確認が必要となると共に、粉塵及びオイルミストの多い製品の生産工場雰囲気では、発行部及び受光部のレンズ等の集光器が汚れるための、定期的な清掃等の保守が必要となる。このように、光を利用する検出器はクリーンルームなどの特殊な環境以外には適していない。
【0006】
光学系検出器ような定期的な保守点検の負荷を軽減するものとして、ロボットの可動範囲を制限する仮想安全柵を制御装置のメモリーに定義し、ツールを含むロボットの動作予測位置が該仮想安全柵を越えると判定されるとロボットアームの移動を停止制御するロボット動作規制装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、特許文献2の動作予測位置の代りにロボットの各軸毎の位置を検出し、該検出した位置データが動作可能範囲にあるかを判定し、動作範囲より外れていると判定されるとロボットの動作を停止させるか警報を発するロボットの暴走防止装置の提案もある(例えば、特許文献3)。
【0007】
ロボットの制御を行なうCPUの他にロボットの状態を常に監視するCPUを設け、特許文献2又は特許文献3で行なう動作可能範囲の監視を、この監視用CPUで行ない、ロボット制御CPU及び監視用CPUの相互間で必要最低限の通信を行ない、異常が検出されるとロボットを停止させることが行なわれている(例えば、特許文献4)。このような構成では、ロボット制御CPUと監視用CPUの双方でロボット及び他方のCPUの監視をすることができるので、ロボットの状態を、単一の部品故障などの発生があってもロボットを停止する安全方向にすることができるようになっている。
【0008】
従来のロボット制御装置は、特許文献1乃至3の構成で、動作制限をより確かなものとする努力がなされている。しかし、ロボットの一般的設計要求事項として、「すべての構成要素(電気、電子、機械、空気圧及び油圧)の中でいずれか1個の部品が予測可能な範囲で故障しても、安全機能を影響を受けず、また、影響を受けた場合でもロボットシステムは安全な状態に保たれるように、ロボットシステムを設計、製作及び据付けすること」(日本工業規格B843−1993より抜粋)が要請されている。この要請に応えるために、構成要素の偶発故障及び不良(製造不良、動作不良、エラッタ等)並びに制御プログラム開発環境に潜む不良及び間違いを可能な限り排除しなければならない問題に対し、複数個所で監視を行なうことでこれらの問題を解決している。
【0009】
【特許文献1】特開2000−6083号公報
【特許文献2】特開2004−322244号公報
【特許文献3】特開昭63−102892号公報
【特許文献4】特開昭60−25693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図7は、設置されたロボットの動作領域を説明する図である。ロボット101は、ペンダント103から作業者によって稼動前に作業プログラムが作られ、ロボット制御装置102に記憶されている。作業プログラムは、ロボット101の手首部に装着された作業ツール104でワーク105に対して所定の作業を行なうようになっている。このようにワーク105形状が小型であれば、ロボット101がワーク105に対する作業のときにロボット101の動作領域106は、ロボット101の最大領域内に納まり、動作領域106を安全防護柵で囲うことで、ロボット101の稼動中に作業者がロボット101の動作領域106内に立ち入ることを制限して作業者の安全を確保している。しかし、外来の電気的ノイズやロボット又はロボット制御装置の部品の故障によって動作領域106を越えて動作してしまうことが考えられる。
【0011】
ロボットを導入する顧客及びロボットの供給者としては、ロボットを安心して使用することができるように、ロボットの安全性の証明手段として、第三者機関による認証を取得するものもある。この認証は取得には長期間を要し、また、例えば制御プログラムの改正やハードウェアの改良の度にも認証の更新に係る手続が面倒で、機能の確認等のための時間も要するので、早急な改版、改良が困難である問題がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、構成要素の偶発故障及び不良(製造不良、動作不良、エラッタ等)並びに制御プログラム開発環境に潜む不良及び間違いを可能な限り排除するとともに第三者機関による認証を更新に係る手間と時間を削減することができるロボット制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、回転位置を検出するエンコーダを有する複数のモータ軸で駆動されるロボットの制御点が、予め設定された前記ロボットの動作領域からの逸脱を検出すると前記ロボットの動作を禁止する手段を備えたロボット制御装置を備えるロボットシステムにおいて、 前記エンコーダからの位置信号が接続され、前記ロボットの動作領域に基づいて予め設定された動作領域データと前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダからの位置データに基づいて算出する前記ロボットの制御点の現在位置とを比較し、前記現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出すると、前記ロボットの動作を禁止する位置監視部を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記ロボットの動作の禁止は、前記ロボットの駆動電源を遮断することを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、回転位置を検出するエンコーダを有する複数のモータ軸で駆動されるロボットの制御点が、予め設定された前記ロボットの動作領域からの逸脱を検出すると前記ロボットの動作を禁止する手段を備えたロボット制御装置を備えるロボットシステムにおいて、前記ロボット制御装置は、前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの制御点の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第1動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第1動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第1遮断手段とを備えた第1監視部と、前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの制御点の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第2動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第2動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第2遮断手段とを備えた第2監視部と、を有する位置監部を備え、前記各モータ軸の駆動電源は、電源から前記第1遮断手段と第2遮断手段とを直列接続されたラインを介して供給されることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、回転位置を検出するエンコーダを有する複数のモータ軸で駆動されるロボットであって、前記ロボットは、設置された基部と、前記基部に回動自在に設けられモータで駆動する第1関節と、第1関節に取り付けられた第1アームと、前記第1アームの端部に回動自在に設けられモータで駆動する第2関節と、前記第2関節に垂直に取り付けられた第2アームと、前記第2アームの端部に回動自在に設けられモータで駆動する第3関節と、前記第3関節に取り付けられた第3アームと、前記第3アームの端部に取り付けられた2つ以上の関節からなり、前記ロボットを制御するロボット制御装置を備えるロボットシステムにおいて、前記ロボット制御装置は、前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの第3関節の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第1動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第1動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第1遮断手段とを備えた第1監視部と、前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの第3関節の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第2動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第2動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第2遮断手段とを備えた第2監視部と、を有する位置監部を備え、前記各モータ軸の駆動電源は、電源から前記第1遮断手段と第2遮断手段とを直列接続されたラインを介して供給されることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、回転位置を検出するエンコーダを有する複数のモータ軸で駆動されるロボットであって、前記ロボットは、設置された基部と、前記基部に回動自在に設けられモータで駆動する第1関節と、第1関節に取り付けられた第1アームと、前記第1アームの端部に回動自在に設けられモータで駆動する第2関節と、前記第2関節に垂直に取り付けられた第2アームと、前記第2アームの端部に回動自在に設けられモータで駆動する第3関節と、前記第3関節に取り付けられた第3アームと、前記第3アームの端部に取り付けられた2つ以上の関節からなり、前記ロボットを制御するロボット制御装置を備えるロボットシステムにおいて、前記ロボット制御装置は、前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの第4関節の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第1動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第1動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第1遮断手段とを備えた第1監視部と、前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの第4関節の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第2動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第2動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第2遮断手段とを備えた第2監視部と、を有する位置監部を備え、前記各モータ軸の駆動電源は、電源から前記第1遮断手段と第2遮断手段とを直列接続されたラインを介して供給されることを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、前記第1監視部が駆動する前記第1遮断手段又は前記第2監視部が駆動する第2遮断手段は電磁接触器であることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、前記第1監視部又は前記第2監視部が駆動する前記電磁接触器は、少なくとも2つの常開主接点と少なくとも1つの常閉補助接点とを備え、前記電磁接触を駆動して前記常開主接点を閉路するときは、該常閉補助接点が閉路していることが検出された後であることを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の発明は、前記第1監視手段又は前記第2監視手段はCPUを備え、前記CPUは、エンコーダ選択信号を出力し、前記ロボットの複数の前記エンコーダからの位置信号を選択して該当する前記位置データを取得し、前記エンコーダ選択信号を切換え、前記ロボットに備わる複数のエンコーダの位置データを取得し、前記ロボットの制御点の現在位置を求めることを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、前記第1監視手段及び前記第2監視手段は各々CPUを備え、前記第1監視装置に備わるCPUと前記第2監視装置に備わるCPUとは、異なるアーキテクチャのCPUであることを特徴とするものである。
また、請求項10に記載の発明は、前記ロボット制御装置は表示手段を備え、前記第1監視手段及び前記第2監視手段は、各々の状態を前記ロボット制御装置に出力し、前記ロボット制御装置は前記第1監視手段又は前記第2監視手段の状態を前記表示手段に表示することを特徴とするものである。
また、請求項11に記載の発明は、前記第1監視手段は、第1動作領域監視手段を無効化又は第1遮断手段を接続状態とする無効入力を備え、前記第2監視手段第2動作領域監視手段を無効化又は第2遮断手段を接続状態とする無効入力を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1乃至6に記載の発明によると、ロボットの制御とは独立した2つの監視部でロボットの制御点の監視を行ない、ロボットが動作領域を逸脱すると電磁接触器を開路して駆動部への電源供給を遮断するので、ロボットの制御上の問題でロボットが誤動作や暴走などで動作範囲を逸脱することを確実に検出し、その時には駆動電源を遮断し停止することができる。特に請求項4及び5に記載の発明では、垂直多関節ロボットにおいて、ロボットの姿勢により、最も動作領域が広い場合として第3関節又は第4関節となることがある。このような場合に、最も動作領域の広い部位が動作領域から逸脱すれば、ロボットの動作を禁止する。
また、請求項7に記載の発明によると、駆動部への電源供給をおこなう電磁接触器の接点が溶着していれば、動作範囲を逸脱していなくても電磁接触器接点の閉路をおこなわないので、接点溶着を検出することができる。
また、請求項8に記載の発明によると、ロボットの位置を検出する複数のエンコーダに対し、位置信号を順じスキャンして位置データを取得するようになっているので、位置信号を位置データへの変換する回路又は素子の数を削減でき、位置監視部の形状の縮小化ができ、またコストダウンもできる。
また、請求項9に記載の発明によると、2つの監視部に備わるCPUのアーキテクチャが異なるので、CPUに固有のエラッタや制御プログラム開発装置の誤りが両監視部に入り込む事がなくなるので、位置監視の確実性が向上する。
また、請求項10に記載の発明によると、監視部で検出した状態をロボット制御装置に接続されたペンダントに備わる表示手段に表示することができるので、ロボットが動作領域を逸脱した時の原因究明を支援することができ、原因解決までの時間の短縮に貢献することができる。
また、請求項11に記載の発明によると、何らかの原因でロボットが動作領域を逸脱しても、無効入力へ入信している間は駆動電源を投入することができるので、ロボット制御部及び駆動部でロボットを正規の位置(動作領域内)に戻すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明を適用したロボットシステムのブロック図である。図において、1はロボットであり、複数のモータ10とエンコーダ11の組みで、複数の関節を駆動しアームを動作させ、作業ツール104を目的の位置に動作させる(図では1組のみを記載している)。3はペンダントであり、教示のときには作業者が操作することでロボット1を目的の位置に動作させ位置の登録を行ない、ワーク105に対する作業プログラムを登録又は編集を行なう。また、ロボットの機構情報の入力や動作範囲106の設定を行なう。また、ペンダント3は図示しない表示器を備え、作業プログラムのリスト表示、機構情報である機構部データの表示、動作領域データの表示、異常表示その他のロボットの設置時に必要なデータの表示やロボットの状態表示を行なう。2はロボット制御装置であり、ロボット動作の制御を行なう制御部20、制御部20によって求められたモータ10の動作司令に基づきモータ10を駆動する駆動部21、作業プログラム、機構部データ、動作領域データその他のロボット制御に必要な諸データまたはプログラムが格納される記憶部22を主な要素として構成されている。本発明では、位置監視部23が備わっている。
【0021】
ロボット10を動作するための駆動電源は、商用の電源25から、制御部20で開閉制御される電磁接触器24−1及び位置監視部23で開閉制御される電磁接触器24−2、24−3の各接点が直列接続され、駆動部21へ接続されている。すなわち、制御部20及び位置監視部23の双方がロボット10の動作を許可するときに電磁接触器24−1、24−2、24−3の接点が閉じ、駆動部23へ電源25が供給され、ロボット10の動作が許可されないときには、いずれかの電磁接触器24−1、24−2、24−3の接点が開路して駆動部23への電源供給が遮断されるようになっている。尚、電源25と駆動部23との間には電磁接触器24−1、24−2、24−3の接点以外に、例えば非常停止の接点やその他のロボットの動作を禁止する要因となる接点が挿入されるが、本図では省略している。
【0022】
制御部20と位置監視部23とはシリアル通信等の情報伝達路で接続されているが、機構部データ、動作領域データを位置監視部23への設定と位置監視部23の状態及び異常情報を制御部20へ伝えることで、設備導入時及び異常時の復旧を速やかに行なうための情報伝達を目的としていて、ロボット10の通常の稼動時(作業プログラムの再生時)にはロボットの動作制御に関する情報伝達の必要性はないようになっている。
【0023】
図2は位置監視部23のブロック図である。図において、31は第1監視部、41は第2監視部である。第1監視部31と第2監視部41とは同様の構成であるため第1監視部について説明する。尚、第1監視部31と第2監視部41とは異なるアーキテクチャのCPUを採用することで、CPUのエラッタや制御プログラム開発装置の不具合(コンパイラのバグ等)を、双方の監視部の同一個所に入り込む機会をなくし、相互に独立して監視を行なうようにしている。また、第1監視部31と第2監視部41の各々は電磁接触器24−2と24−3の操作コイルを駆動するようになっている。
【0024】
ロボット10の各関節はモータ10に備わるエンコーダ11からの複数軸の位置信号は、駆動部21に入力されサーボ制御されると共に、位置制御部23へ並列接続されていて、第1監視部及び第2監視部にさらに並列分岐して入力される。
第1監視部31に入力された複数のエンコーダ11からの位置信号は、レシーバ32を介してCPU33に読み込まれる。CPU33は記憶部34に記憶されているロボット1の機構部データ37に基づいて、エンコーダ11〜入力されるロボット1の各関節の位置データからロボット1の座標系の位置データへ順変換35を行なう。この順変換でロボット1の制御点の座標系での位置データが求められる。
尚、制御点とは、作業ツールが取り付けられるエンドエフェクタの代表点(図5参照)又は取り付けられた作業ツーツの代表点(例えば、アーク溶接ではエンドエフェクタに取り付けられた溶接トーチのワイヤ先端(作業点))をいう。
尚、本図のレシーバ32は、エンコーダからの位置信号を受け、位置データとしてカウンタ又はレジスタ等への一時格納を行なうインターフェース回路又は素子であるが、位置信号を受けるインターフェース回路又は素子とし、各軸の位置データをCPU33で取得する構成であってもよい。
【0025】
求められた座標系の位置データは、記憶部34に記憶されている動作領域データ38と比較され、位置データが動作領域データの内部であるなら電磁接触器24−2の操作コイルを駆動して接点を閉路し、動作領域データの外部であるなら接点を開路する。
図3は、電磁接触器24−2の駆動回路図である。電磁接触器は、操作コイル24−5へ電流の通流と遮断を行なうことで、2つの常開主接点24−6の開路/閉路と1つの常閉補助接点24−7の閉路/開路が連動して動作する。第1監視部31のCPU33は、位置データが動作領域データの外部であると判断すると、出力インターフェース40−1を介して操作コイル24−5への通電を遮断し、主接点24−6を開路する。主接点24−6が開路している状態から、位置データが動作領域データの内部であると判断すると、出力インターフェース40−1を介して操作コイル24−5への通電を行ない、主接点24−6の閉路と補助接点24−7の開路を行うが、操作コイル24−5への通電の前に補助接点24−7の状態を入力インターフェース40−2を介して読み込み、閉路していることを確認する。この補助接点24−7の状態確認は、主接点24−6に接点溶着が発生していないことの確認に相当する。
【0026】
ロボットが稼動中に、何らかの原因でロボットが動作領域106から逸脱してしまったときのために、第1監視部は無効入力39を備えている。この無効入力がアクティブになると、第1監視部は動作領域の監視を無効とし主接点24−6を閉路とする又は監視を行っていても電磁接触器24−2の主接点24−6を閉路するようになっている。すなわち、ロボットが動作領域106から逸脱した位置から動作領域106の内部の位置に、ペンダントの操作で動作させるときに、この無効入力39をアクティブとすると、動作領域106を逸脱していてもロボットの駆動電源を投入することができるようになっている。この無効入力39は、例えばモーメンタリ型のスイッチで入力される。無効入力は制御部20からの情報伝達路で状態を伝えられていてもかまわない。
【0027】
第2監視部41は、第1監視部31と構成は同じであるため詳細な説明は省略する。
尚、動作領域データは、例えばロボット座標系の上で直方体を形成する。すなわち、X、Y及びZの各軸に対し各々最大値と最小値を予め情報伝達路を介して設定しておく。現在位置がX、Y及びZの各軸で最大値と最小値の間であれば動作領域の内部であると判定し、最大値と最小値の間から出ればロボットの動作領域を逸脱と判定する。
【0028】
このようにロボット制御装置2の位置制御部23は制御部20及び駆動部21から独立してロボットの位置を監視し、予め設定された動作領域106から逸脱すると、電磁接触器24−2、24−3の接点を開路して駆動部21への電源を遮断することでロボット1の動作を禁止する。そして、この時の状態データを制御部20に送り、制御部ではペンダント3に備わる図示しない表示器に状態データを適宜表示、又は図示しない出力部からロボット制御装置2の外部に出力することで、異常となった原因究明や保守作業に供する。
【0029】
ロボット制御装置2では、制御部20でロボット1の制御点の動作軌道を制御周期毎に求め、ロボット1を該動作軌道に沿って動作制御を行なっているが、求めた動作軌道が動作領域106の範囲内であることの確認が行なわれているため、例えば、記憶部22の誤動作や故障で記憶されている作業プログラムの一部データに障害があるときには、この段階でロボット1の動作前に動作領域106の逸脱を検出することができ、電磁接触器24−1の接点を開路する等でロボット1を動作禁止とすることができる。
【0030】
このような構成であるため、特許文献2乃至4とは大きく異なり、制御部20並びに位置監視部23の第1監視部31及び第2監視部41で、ロボットの動作領域を3重に監視し確実に制限することができる。そして、位置監視部23は制御部20から独立しているのでロボットの動作制御に影響されずに位置監視を行うことができるので、確実なロボットの動作領域逸脱監視を行うことができる。そのため、特に、小型のワークへの作業等でロボットの動作領域が狭いときに、動作領域に見合う安全防護柵の設置を行なうことができ、また、例えば安全防護柵に代えてロープなどで動作領域を明示することも可能である。
【0031】
位置監視部23は制御部20及び駆動部21とは独立して位置監視を行なうため、第三者機関による認証を取得後に、制御部20又は駆動部21の改良事項があっても、位置監視部23に影響しないので、認証の更新が不要となる。
【実施例2】
【0032】
図4は第2実施例の第1監視部の構成を示す図である。図において、51は第1監視部であって、図2の第1監視部31に代わるものである。複数のエンコーダ11からの位置信号は、第1監視部51に導かれ、セレクタ52に入力される。CPU33はセレクタにエンコーダ選択信号53を出力して、複数のエンコーダ11からの位置信号から1軸を選択してレシーバ32に出力される。レシーバ32は、選択されたエンコーダ11の位置信号を入力して、該当する軸の位置データとし、CPUはこの位置データを取得し、次の軸のエンコーダ11からの位置データを得るためにエンコーダ選択信号53を歩進する。
この様にして、ロボット1の全軸の位置データを取得の後、ロボット1の座標系の位置データへ順変換35を行なう。この順変換でロボット1の制御点の座標系での位置データが求められ、求められた座標系の位置データは、記憶部34に記憶されている動作領域データ38と比較され、位置データが動作領域データの内部であるなら電磁接触器24−2の操作コイルを駆動して接点を閉路し、動作領域データの外部であるなら接点を開路する。
【0033】
第2監視部も同様であるので、図示及び説明は省いている。尚、第2監視部の構成は第2実施例の構成に限定するものではなく、第1実施例の構成であってもかまわない。
尚、第2実施例の構成では、レシーバ32では単軸単位で位置を得るために、このエンコーダ信号はエンコーダ11からシリアル通信で送られるものである。
また、各々の軸についての位置データの取得タイミングが異なるが、位置データの取得が例えば100マイクロ秒の違いは、ロボットの最大速度を2メートル/秒と仮定してもロボットの制御点で0.2ミリメートル程度の差異であるので、実質上問題とはならない。
【0034】
このように、各々の軸の位置データを順じ取得するような構成をしているので、ロボットの制御点位置計算では実質上問題とならない範囲で、レシーバの数を削減することができるので、監視部形状の小型化の効果を奏し、更にはコストダウンの効果も期待することができる。
【実施例3】
【0035】
図5は第3実施例の垂直多関節型のロボット200の構成図である。図において、
ロボットアームは、水平面内で回転(旋回)する第1関節201と、この第1関節に接続された第1アーム202と、第1アーム202の端部に第2関節203が取り付けられている。
第2関節203に接続された第2アーム204と、第2アーム204の端部に第3関節205が取り付けられている。第3アーム206の端部には第4関節207を介して手首部208が取り付けられている。
このとき、水平面をXY平面とし、上空方向を+Z方向とすると、第3アーム205は、ロボットの姿勢、動作によっては、この第3アーム205の端部が、もっとも動作領域が広い場合がある。
つまり、第3関節205または第4関節207の現在位置と動作領域を比較する必要がある。
第3関節205または第4関節207の現在位置は、順変換から求めることは可能であるので、詳述はしない。また、制御点209の位置から第4関節207または第3関節205までの逆変換によって求めることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
ロボットの制御とは独立して行なうようになっているので、ロボットの動作範囲の監視に関する第三者認定機関の認定が受けやすく、更にはロボットの動作制御に関する改善や改良を実施しても、取得済みの認定範囲に干渉しないので認定更新が不要となる。
本発明は、使用者を危険に曝さない有効なものであり、モータ等の駆動源で動作を行なう例えば数値制御機械等の自動機械に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を適用したロボットシステムのブロック図
【図2】第1実施例の位置監視部のブロック図
【図3】電磁接触器の駆動回路図
【図4】第2実施例の第1監視部のブロック図
【図5】第3実施例の垂直多関節型のロボットの構成図
【図6】一般的なロボットの動作する領域を説明する図
【図7】設置されたロボットの動作領域を説明する図
【符号の説明】
【0038】
1、101、200 ロボット
2、102 ロボット制御装置
3、103 ペンダント
10 モータ
11 エンコーダ
20 制御部
21 駆動部
22 記憶部
23 位置監視部
24 電磁接触器
31、51 第1監視部
32 レシーバ
33 CPU
34 記憶部
35 順変換
36 比較
37 機構部データ
38 動作領域データ
41 第2監視部
52 セレクタ
53 エンコーダ選択信号
104 作業ツール
105 ワーク
106 動作領域
111 制限領域
112 最大領域
113 安全防護領域
114 安全防護装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転位置を検出するエンコーダを有する複数のモータ軸で駆動されるロボットの制御点が、予め設定された前記ロボットの動作領域からの逸脱を検出すると前記ロボットの動作を禁止する手段を備えたロボット制御装置を備えるロボットシステムにおいて、
前記エンコーダからの位置信号が接続され、前記ロボットの動作領域に基づいて予め設定された動作領域データと前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダからの位置データに基づいて算出する前記ロボットの制御点の現在位置とを比較し、
前記現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出すると、前記ロボットの動作を禁止する位置監視部を備えたことを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記ロボットの動作の禁止は、前記ロボットの駆動電源を遮断することを特徴とする請求項1記載のロボットシステム。
【請求項3】
回転位置を検出するエンコーダを有する複数のモータ軸で駆動されるロボットの制御点が、予め設定された前記ロボットの動作領域からの逸脱を検出すると前記ロボットの動作を禁止する手段を備えたロボット制御装置を備えるロボットシステムにおいて、
前記ロボット制御装置は、
前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの制御点の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第1動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第1動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第1遮断手段とを備えた第1監視部と、
前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの制御点の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第2動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第2動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第2遮断手段とを備えた第2監視部と、を有する位置監部を備え、
前記各モータ軸の駆動電源は、電源から前記第1遮断手段と第2遮断手段とを直列接続されたラインを介して供給されることを特徴とするロボットシステム。
【請求項4】
回転位置を検出するエンコーダを有する複数のモータ軸で駆動されるロボットであって、前記ロボットは、設置された基部と、前記基部に回動自在に設けられモータで駆動する第1関節と、第1関節に取り付けられた第1アームと、前記第1アームの端部に回動自在に設けられモータで駆動する第2関節と、前記第2関節に垂直に取り付けられた第2アームと、前記第2アームの端部に回動自在に設けられモータで駆動する第3関節と、前記第3関節に取り付けられた第3アームと、前記第3アームの端部に取り付けられた2つ以上の関節からなり、前記ロボットを制御するロボット制御装置を備えるロボットシステムにおいて、
前記ロボット制御装置は、
前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの第3関節の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第1動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第1動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第1遮断手段とを備えた第1監視部と、
前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの第3関節の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第2動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第2動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第2遮断手段とを備えた第2監視部と、を有する位置監部を備え、
前記各モータ軸の駆動電源は、電源から前記第1遮断手段と第2遮断手段とを直列接続されたラインを介して供給されることを特徴とするロボットシステム。
【請求項5】
回転位置を検出するエンコーダを有する複数のモータ軸で駆動されるロボットであって、前記ロボットは、設置された基部と、前記基部に回動自在に設けられモータで駆動する第1関節と、第1関節に取り付けられた第1アームと、前記第1アームの端部に回動自在に設けられモータで駆動する第2関節と、前記第2関節に垂直に取り付けられた第2アームと、前記第2アームの端部に回動自在に設けられモータで駆動する第3関節と、前記第3関節に取り付けられた第3アームと、前記第3アームの端部に取り付けられた2つ以上の関節からなり、前記ロボットを制御するロボット制御装置を備えるロボットシステムにおいて、
前記ロボット制御装置は、
前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの第4関節の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第1動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第1動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第1遮断手段とを備えた第1監視部と、
前記ロボットの各軸の位置を検出するエンコーダの位置データに基づいて、前記ロボットの第4関節の現在位置を求め、該現在位置が前記ロボットの動作領域の逸脱を検出する第2動作領域監視手段と、前記現在位置が前記ロボットの動作領域を逸脱を検出すると前記第2動作領域監視手段の出力に基づいて前記ロボットの駆動電源を遮断する第2遮断手段とを備えた第2監視部と、を有する位置監部を備え、
前記各モータ軸の駆動電源は、電源から前記第1遮断手段と第2遮断手段とを直列接続されたラインを介して供給されることを特徴とするロボットシステム。
【請求項6】
前記第1監視部が駆動する前記第1遮断手段又は前記第2監視部が駆動する第2遮断手段は電磁接触器であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記第1監視部又は前記第2監視部が駆動する前記電磁接触器は、少なくとも2つの常開主接点と少なくとも1つの常閉補助接点とを備え、前記電磁接触を駆動して前記常開主接点を閉路するときは、該常閉補助接点が閉路していることが検出された後であることを特徴とする請求項6記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記第1監視手段又は前記第2監視手段はCPUを備え、前記CPUは、エンコーダ選択信号を出力し、前記ロボットの複数の前記エンコーダからの位置信号を選択して該当する前記位置データを取得し、前記エンコーダ選択信号を切換え、前記ロボットに備わる複数のエンコーダの位置データを取得し、前記ロボットの制御点の現在位置を求めることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記第1監視手段及び前記第2監視手段は各々CPUを備え、前記第1監視装置に備わるCPUと前記第2監視装置に備わるCPUとは、異なるアーキテクチャのCPUであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記ロボット制御装置は表示手段を備え、前記第1監視手段及び前記第2監視手段は、各々の状態を前記ロボット制御装置に出力し、前記ロボット制御装置は前記第1監視手段又は前記第2監視手段の状態を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のロボットシステム。
【請求項11】
前記第1監視手段は、第1動作領域監視手段を無効化又は第1遮断手段を接続状態とする無効入力を備え、前記第2監視手段第2動作領域監視手段を無効化又は第2遮断手段を接続状態とする無効入力を備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のロボットシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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