説明

ローカルネットワークの構築方法

【課題】交通状況に係る情報を伝送し合わすローカルネットワークの構築する上で、多数林立する照明柱の特徴を生かしきることと、照明柱に引き込まれている電源ケーブルを利用すること、赤外線通信を用いることである。
【解決手段】道路上を監視できる位置にある複数の公的沿道施設に交通情報解析装置及び赤外線送受信機を搭載して、当該解析装置からの信号を赤外線送受信機で伝送し合わせたり、解析装置からの信号を前記通信装置で電源ケーブルを介して伝送し合わす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単独照明柱(灯具のみ)、単独信号柱(信号機のみ)、多目的柱(灯具及び信号機)、門型柱及びその他道路上を監視できる位置にある公的沿道施設に、交通情報解析装置(車両速度・車両の長さ・通過台数・車両の高さを自動解析する装置)を設置し、当該交通情報解析装置が解析した信号を、赤外線送受信機又は信号を電力線に重畳できる通信装置にて伝送し合わせるというローカルネットワークの構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術として、照明柱にただのCCDカメラを設置して交通状況を監視するだけの技術が知られている。また、そのCCDカメラの映像をパソコンやTVに伝送する画像伝送システム(通信回線及び光伝送装置を用いたシステム)が知られている。
【0003】
しかし、背景技術は、ただ単に交通状況をモニターするだけの極めて単純なCCDカメラに対して、極めて複雑で込み入った装置の構成を必要とする画像伝送システムを起用し、両者の関係は全く不釣り合いで低コストと合理化を追求する今日の現状にそぐわない。交通状況を単にモニターしたところで、その効用はモニターを監視する者の主観に任されっぱなしであって、そのモニター監視に係る役立ち度について外部から客観的な判断や評価を下せないのが現状である。
【0004】
背景技術に係るCCDカメラは、道路上の遠景を撮影するだけであって、車両速度・車両の長さ・通過台数・車両の高さを解析するものではない。
背景技術の伝送システムは、多数林立する照明柱の特徴を活かしきったものではなく、通信回線及び光伝送装置をただ単に照明柱に利用しただけである。
【0005】
本発明は交通状況を解析できる方法(移動物体の解析方法:特願2002−382902)と照明柱用交通監視情報収集装置(照明柱用交通監視情報収集装置:実用新案登録第3105574号)を利用して、多数林立する照明柱(公的沿道施設)で軽快かつ安価なネットワークを構築しようとするものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、多数林立する照明柱の特徴を生かしきることと、照明柱に引き込まれている電源ケーブルを利用すること、赤外線通信を用いることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、
道路上を監視できる位置にある複数の公的沿道施設に交通情報解析装置及び赤外線送受信機を搭載して、当該解析装置からの信号を赤外線送受信機で伝送し合わすことを特徴とするローカルネットワークの構築方法と;
道路上を監視できる位置にある公的沿道施設に交通情報解析装置及び当該装置からの信号を変調した搬送波を電力線に重畳できる通信装置を搭載して、当該解析装置からの信号を前記通信装置で電源ケーブルを介して伝送し合わすことを特徴とするローカルネットワークの構築方法とをそれぞれ提供しようとするものである。
【発明の効果】
【0008】
これにより、林立する照明柱(公的沿道施設)を生かしきったローカルネットワークを安価に構築できる。照明柱に引き込まれている電源ケーブルを使用するので新たなケーブルの敷設を必要としないで済み経済的である。林立する照明柱を生かしきることができる。このローカルネットワークから得られる情報は、交通状況を科学的かつ自動的に解析した情報であり、客観的にも妥当性の裏付けになり得る情報であり、上位通信回線に接続し中央監視・指令を含めたリアルタイムな指令・対処にとどまらず予報的な指令・対処に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図3はローカルネットワークの構築方法を実施するためのブロック図である。センサ部は従来技術の構成であるが、このセンサ部を多目的柱(公的沿道施設)でいうところの灯具又は灯具周辺に設置し、制御部はポールに付設する制御ボックスの中か、ポール本体内部又はポールに備わっている開口部の中に設置する。赤外線送受信機は、頭飾り、灯具、ポール本体、信号機、アーム等の適所に設置する。尚、図中1点鎖線で示すブロックは背景技術である。
【実施例1】
【0010】
図1は、多目的柱(公的沿道施設)等に赤外線送受信機を設置するに適した場所(点線丸囲いで図示)を一括して示した斜視図である。図中、8は赤外線送受信機設置部であり、9はセンサ部であり、10は制御部である。
多目的柱や単独照明柱に設置した赤外線送受信機を介して、林立する公的沿道施設間で信号を伝送し合える技術思想を創作している。
図2は、多目的柱(公的沿道施設)等に引き込まれている電源ケーブルとその利用例を示した斜視図である。図中、8は赤外線送受信機設置部であり、9はセンサ部であり、10は制御部であり、1が赤外線通信軌道線である。
多目的柱や単独照明柱に引き込まれている電源ケーブルに制御部からの信号を変調した搬送波を重畳することで、林立する公的沿道施設間で信号を伝送し合える技術思想を創作している。
【産業上の利用可能性】
【0011】
小型のセンサ部、小型のCCDカメラユニットで本発明を実施できるので、公的沿道施設に簡単に設置でき、同時にローカルネットワークを構築できるので、交通情報測定に欠くことの出来ない技術となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】多目的柱(公的沿道施設)等の斜視図である。
【図2】多目的柱(公的沿道施設)等の斜視図である。
【図3】ブロック図である。
【符号の説明】
【0013】
1 赤外線通信軌道線
2 電源ケーブル
3 頭飾り
4 灯具
5 ポール本体
6 信号機
7 アーム
8 赤外線送受信機設置部
9 センサ部
10 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上を監視できる位置にある複数の公的沿道施設に交通情報解析装置及び赤外線送受信機を搭載して、当該解析装置からの信号を赤外線送受信機で伝送し合わすことを特徴とするローカルネットワークの構築方法。
【請求項2】
道路上を監視できる位置にある公的沿道施設に交通情報解析装置及び当該装置からの信号を変調した搬送波を電力線に重畳できる通信装置を搭載して、当該解析装置からの信号を前記通信装置で電源ケーブルを介して伝送し合わすことを特徴とするローカルネットワークの構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−121638(P2006−121638A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355983(P2004−355983)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(592208091)シグマー電機工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】