説明

ロータリダンパ

【課題】大きな減衰力の発生と小型化とを両立することが可能なロータリダンパを提供することである。
【解決手段】ロータリダンパR1を、中空なケース1と、ケース1内に回転自在に挿通されるシャフト2と、ケース1内に収容されるとともにシャフト2の一端に連結される少なくとも一枚以上のプレート3と、シャフト2の他端の外周側に配置されるコイル4とで構成して、ケース2内に磁気粘性流体を充填したので、磁界作用面積を大きくすることができ、大きな減衰力の発生が可能となるとともにロータリダンパR1を小型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、磁気粘性流体を使用したロータリダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
この種磁気粘性流体を使用したロータリダンパにあっては、たとえば、図5に示すように、外周側に環状溝41を形成した環状のコア40と当該環状溝41内に巻回したコイル42とからなるステータSと、ステータS内にボールベアリング43,44を介して回転自在に挿入されるシャフト45と、シャフト45に連結されてステータSの外周に対向する筒部47を備えたフライホイール46と、フライホイール46における筒部47の開口端とステータSとの間を封止するシール48とを備え、フライホイール46とステータSとの間の空隙に磁気粘性流体(Magnetorheological Fluid)が充填されているものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、このロータリダンパにあっては、ステータSを固定側とすると、フライホイール46がシャフト45とともに回転するようになっている。また、ステータSとフライホイール46の筒部47とが、ステータSの外周の環状溝41を境にして上下と上記筒部47との間の二箇所の空隙を介して磁路を形成しており、コイルを励磁することで上記空隙における磁気粘性流体の粘度を高めることによって、ステータSに対するフライホイール46の回転運動に抵抗を与え、減衰力を発生するようになっている。
【特許文献1】米国特許公報US6186290B1(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したロータリダンパでは、磁路が上述のようにステータSとステータSの外周に対向する筒部47とで構成されているので、磁気粘性流体に磁気を作用させる面積が小さく、大きな減衰力を得がたい。それゆえ、大きな減衰力の発生とロータリダンパの小型化とを両立させることが困難である。
【0005】
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、大きな減衰力の発生と小型化とを両立することが可能なロータリダンパを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、本発明のロータリダンパは、中空なケースと、ケース内に回転自在に挿通されるシャフトと、ケース内に収容されるとともにシャフトの一端に連結される少なくとも一枚以上のプレートと、シャフトの他端の外周側に配置されるコイルとを備え、ケース内に磁気粘性流体を充填してなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のロータリダンパによれば、磁界が作用する面積を従来のロータリダンパに比較して飛躍的に大きくすることができるので、大きな減衰力を発生することができる。また、大きな減衰力を発生させることができるので、従来のロータリダンパと同程度の減衰力を発生するために消費する電力が少なくて済むため省電力となり、さらに、ロータリダンパを小型化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるロータリダンパの斜視断面図である。図2は、一実施の形態におけるロータリダンパの磁路を説明する図である。図3は、一実施の形態の一変形例におけるロータリダンパの断面図である。図4は、他の実施の形態におけるロータリダンパの斜視断面図である。
【0009】
一実施の形態におけるロータリダンパR1は、図1に示すように、中空なケース1と、ケース1内に回転自在に挿通されるシャフト2と、ケース1内に収容されるとともにシャフト2の一端に連結される複数のプレート3と、シャフト2の他端の外周側に配置されるコイル4と、同じくシャフト2の他端外周にコイルに直列して配置される永久磁石5とを備えて構成され、ケース1内には磁気粘性流体を充填してある。
【0010】
以下、各部について詳細に説明すると、ケース1は、環状のケース側プレート11と、内周がプレート3の外周に対向してケース側プレート11に互い違いに積層されてケース側プレート11を上下から挟む環状のスペーサ12と、最上段のスペーサ12に積層される上蓋13と、最下段のスペーサ12に積層される下蓋14とを備えて構成されている。
【0011】
ケース側プレート11は、スペーサ12と外径が同径とされるとともに、内径はシャフト2の挿通を許容する程度の径とされてスペーサ12より小径とされている。他方、スペーサ12の内径は、後述するプレート3のケース1内での回転を邪魔しない程度の径に設定されている。
【0012】
そして、この実施の形態にあっては、ケース側プレート11の図1中上下には、必ず、スペーサ12が積層されており、この場合、2枚の各ケース側プレート11の間および最上段のケース側プレート11の上方と最下段のケース側プレート11の下方にそれぞれスペーサ12が設けられている。
【0013】
さらに、図1中で最上段に配置されるスペーサ12の上方には、環状の上蓋13が積層され、この上蓋13にあっては、外径が上記したケース側プレート11およびスペーサ12の外径と同径とされ、その内周には非磁性体で形成されるベアリング15が固定され、このベアリング15の内周に設けた環状溝内にはシャフト2の外周に摺接するシール16が設けられている。
【0014】
また、下蓋14は、最下段のスペーサ12の下方に積層される環状板部14aと、環状板部14aの内周縁から垂下される有底筒状の筒部14bとを備えており、筒部14bの底部にはシャフト2が挿入される孔14cが設けられるとともに、孔14cの内壁に設けた環状溝内にシャフト2の外周に摺接するシール17が設けられている。さらに、上記筒部14b内には、コイルボビン6に巻回したコイル4と、コイル4より上方に配置される環状の永久磁石5が、ともに、固定され収容されている。
【0015】
また、上記筒部14bには、リード線挿通孔14dが設けられ、コイル4は、リード線挿通孔14dに挿通されるリード線4aを介して外部電源に接続されており、コイル4を外部から印加することが可能なようになっている。
【0016】
そして、これらケース1を構成するケース側プレート11、スペーサ12、上蓋13および下蓋14の各部材は、たとえば、図示はしないが、ボルトとナットとによって固定される。なお、ケース1内には、磁気粘性流体が充填されるため、磁気粘性流体の漏洩防止に万全を期すため、ケース側プレート11、スペーサ12、上蓋13および下蓋14の当接部位にそれぞれOリング等のシールを設けておくようにしてもよい。なお、リード線4aとリード線挿通孔14dとの間から磁気粘性流体が漏洩することを防止するため、シール18が設けられている。
【0017】
つづいて、このように構成されたケース1の中央には、シャフト2が挿通されており、このシャフト2の図1中上端側となる一端がケース1の上蓋13の内周に摺動自在に軸支され、シャフト2の図1中下端側となる他端がケース1の下蓋14の孔14cで摺動自在に軸支されて、ケース1に対し回転可能とされている。
【0018】
なお、シャフト2とケース1との間は、シール16,17によって封止されて、ケース1内は密封状態とされている。
【0019】
また、シャフト2は、途中に段部2aを備えて、段部2aを境にして一端側に小径部2bを、他端側に大径部2cをそれぞれ備え、小径部2bには、環状のプレート3と、スペーサ7が複数互い違いに積層されて、シャフト2の小径部2bに螺着される非磁性体のナット8で固定されている。
【0020】
プレート3は、図示したところでは、環状とされてシャフト2に3枚固定されており、プレート3間にスペーサ7を介装することで、その外周がケース1のスペーサ12の内周に対向するように配置され、それぞれ、上蓋13とケース側プレート11との間、各ケース側プレート11間、ケース側プレート11と下蓋14の環状板部14aとの間に、隙間を介して挿入されている。そして、このように構成されたロータリダンパR1の上記隙間には、磁気粘性流体が充填されている。
【0021】
また、シャフト2の上端となる一端の外周に上蓋13の上面に当接するストップリング9が装着され シャフト2の下端となる他端の外周に下蓋14の筒部14bにおける底部の下面に当接するストップリング10が装着され、これらストップリング9,10によってシャフト2がケース1から脱落する事が防止されている。
【0022】
なお、ケース1にシャフト2およびプレート3を組み付ける場合、たとえば、コイル4と永久磁石5を装着済みのケース1の下蓋14にシャフト2を挿通しておき、ケース1側のスペーサ12を下蓋14に積層するとともにシャフト2の段部2aにプレート3を積層した後に、ケース1のスペーサ12にケース側プレート11を積層するとともにプレート3にスペーサ7を積層する。そして、交互に積層する手順を繰り返して、磁気粘性流体を注入し、最終的に上蓋13を積層することで、ロータリダンパR1を組立てることができ、その組立加工も簡易である。
【0023】
一実施の形態におけるロータリダンパR1は、以上のように構成され、このロータリダンパR1では、ケース1、シャフト2、プレート3の各部は全て磁性体で形成され、図2に示すように、シャフト2、プレート3、ケース側プレート11、スペーサ12、上蓋13および下蓋14の各部材で磁路Mを構成し、上蓋13とプレート3の隙間a、ケース側プレート11とプレート3との間の隙間bおよび下蓋14の環状板部14aとプレート3との間の隙間cの各隙間a,b,cに発生する磁界で当該各隙間a,b,cに存在する磁気粘性流体の粘度を高めるようになっている。
【0024】
したがって、このロータリダンパR1では、磁界が作用する面積は、フライホイール46の筒部47とステータSの外周との間の隙間のみに磁界を作用させる従来のロータリダンパに比較して飛躍的に大きくなるため、大きな減衰力を発生させることができる。また、大きな減衰力を発生させることができるので、従来のロータリダンパと同程度の減衰力を発生するために消費する電力が少なくて済むため省電力となり、さらに、ロータリダンパR1を小型化することが可能となる。
【0025】
また、この実施の形態においては、コイル4がシャフト2の外周に配置されるレイアウトを採用し、コイル4の内蔵を伴わないプレート3とケース側プレート11とで磁路Mを構成して磁界作用面積を確保しているので、プレート3およびケース側プレート11を薄肉板とすることが可能であるとともに、ロータリダンパR1の軸方向への大型化を招く事も無く、さらに、プレート3およびケース側プレート11を複数枚として互い違いに配置するサンドイッチ構造を採用しているので、磁界作用面積を飛躍的に増加させることができ、特に、大きな減衰力の発生に向くことになる。
【0026】
また、コイル4がシャフト2の外周に配置されるレイアウトを採用しているため、たとえば、図3に示すように、下蓋14の筒部14a内に収容されるコイル4の図1中上方にシール19を設けることが可能であり、コイル4が磁気粘性流体に浸される事態を防止することができ、コイル4の保護を確実なものとすることが可能となる。なお、この場合、孔14cの内壁にシャフト2の外周に摺接するシールを設ける必要は無い。
【0027】
つづいて、ロータリダンパR1の作動について説明する。この実施の形態においては、コイル4を励磁しない場合、永久磁石5によって隙間a,b,cに磁界が作用することになり、非通電時にあっても、減衰力を発生することができるようになっている。
【0028】
そして、永久磁石5によって発生する磁束の方向と同方向の磁束を発生させるようにコイル4を励磁する場合には、磁路M中の磁束を増加させてより大きな減衰力をロータリダンパR1に発生させることができる。また、この場合、コイル4へ供給する電流量を変化させることで、隙間a,b,cにおける磁束を変化させることができるので、減衰力を変化させることが可能である。
【0029】
さらに、永久磁石5によって発生する磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるようにコイル4を励磁する場合には、磁路M中の磁束を減少させてロータリダンパR1の発生減衰力を減少させることができる。また、この場合にも、コイル4へ供給する電流量を変化させることで、隙間a,b,cにおける磁束を変化させることができるので、減衰力を変化させることが可能である。
【0030】
したがって、このロータリダンパR1は、コイル4の励磁によって、永久磁石5の磁束を打ち消して減衰力を殆ど発生しない状態から大きな減衰力を発生する状態まで大きく変化させることが可能である。
【0031】
さらに、コイル4を励磁しない非通電時には、ロータリダンパR1は、永久磁石5の作用によって減衰力を発生することが可能であるので、万が一コイル4の励磁が不能となった場合にあっても、全く減衰力を発生できない状態を回避することができ、フェールセーフを実現する。
【0032】
また、磁気粘性流体は、強磁性体粒子をシリコーン油等の分散媒中に高濃度で分散させたスラリーであり、従来のロータリダンパでは、長時間にわたってロータリダンパが駆動されないと、上記強磁性体粒子が沈殿してしまう危惧があるが、本実施の形態におけるロータリダンパR1にあっては、コイル4を励磁しない非通電時にあっても、隙間a,b,cには永久磁石5による磁界が作用することになるため、上蓋13とプレート3との間、ケース側プレート11とプレート3との間および下蓋14の環状板部14aとプレート3との間に強磁性体粒子のクラスター(架橋構造)を形成せしめて、隙間a,b,cに強磁性体粒子を保持して沈殿を防止することができる。したがって、ロータリダンパR1が長期間に渡って不動とされた後に駆動される場合にあっても、その駆動初期から所定の減衰力を発揮することが可能となる。
【0033】
なお、プレート3、上蓋13、ケース側プレート11、下蓋14の環状板部14aは、図示するところでは、平板状とされているが、隙間a,b,cに対向する面に凹凸を設けもよい。
【0034】
つづいて、他の実施の形態におけるロータリダンパR2について説明する。この他の実施の形態におけるロータリダンパR2にあっては、コイル4および永久磁石5がケース20内に収容されているのではなく、ケース20外に取付けられている点で上述の一実施の形態と異なる。なお、その他の構成は一実施の形態のロータリダンパR1と同様であり、以下では異なる点について説明し、同じ部材については同様の符号を付して説明を省略する。
【0035】
他の実施の形態におけるロータリダンパR2では、図4に示したように、ケース20は、一実施の形態と同様の上蓋21、ケース側プレート22、スペーサ23を備えているが、下蓋24の形状が一実施の形態のケース1における下蓋14と異なる。なお、上蓋21の内周には、一実施の形態と同様、ベアリング15が設けられている。
【0036】
この下蓋24は、単なる環板状とされ内周側には、シャフト2の外周に摺接する環状のシール25が装着されており、シャフト2の図4中下端側となる他端はケース20から大きく外方へ突出され、シャフト2の抜け止めとなるストップリング10は下蓋24の下面に当接するようになっている。このように、他の実施の形態においては、磁気粘性流体が充填されるケース20は、コイル4および永久磁石5を収容しないようになっている。
【0037】
そして、このように構成されたシャフト2が組み込まれたケース20の下端側に、内部にコイル4および永久磁石5を直列に配置して収容したコイルケース26を装着する。
【0038】
このコイルケース26は、磁性体で形成されており、シャフト2の他端が挿通される底部26aと、底部26aの外周から立ち上がる筒部26bと、筒部26bの上端外周に連なるフランジ26cとを備えており、フランジ26cを下蓋24の下面に積層して螺子締結等によってケース20に固定されている。また、筒部26b内にコイル4と永久磁石5とが直列に配置されて収容されており、上述のようにコイルケース26をケース20に固定すると、シャフト2の他端外周にコイル4と永久磁石5とが直列に配置されるようになっている。
【0039】
なお、この他の実施の形態においても、コイル4へ外部電源から電流供給可能なように、上記筒部26bにリード線4aの挿通が可能なリード線挿通孔26dが設けられている。
【0040】
さて、このように構成されたロータリダンパR2にあっては、磁路が、シャフト2、プレート3、ケース側プレート22、スペーサ23、上蓋21および下蓋24、コイルケース26の各部材で構成されるので、磁路の構成が一実施の形態と略同様であり、磁界作用面積が一実施の形態と同様に飛躍的に大きくなるため、大きな減衰力を発生させることができる。また、大きな減衰力を発生させることができるので、従来のロータリダンパと同程度の減衰力を発生するために消費する電力が少なくて済むため省電力となり、さらに、ロータリダンパR2を小型化することが可能となるほか、上述の一実施の形態のロータリダンパR1と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0041】
加えて、この実施の形態においては、コイル4がケース20に装着されるコイルケース26内に収容されて磁気粘性流体が充填されるケース20外に配置されているので、コイル4が磁気粘性流体に浸される事態をより確実に防止でき、さらには、ケース20とシャフト2とプレート3とをアッセンブリ化するとともに、コイル4とコイルケース26とをアッセンブリ化することが可能であるので、組立加工も飛躍的に容易となるほか、コイル4側のアッセンブリかケース20側のアッセンブリのいずれかに不具合が生じた場合に不具合が生じたアッセンブリのみを交換することで、ロータリダンパR2の機能復帰が可能となる利点もあり、さらにその交換も容易であり、実用性が向上することになる。
【0042】
なお、上記した各実施の形態の場合、ケース側プレート11,22、プレート3、スペーサ12,23、上蓋13,21および下蓋14,24の外径はともに円形状とされているので、磁界作用面積を他の形状に比較して大きくすることが可能であるが、円形以外の形状としても本発明の効果は失われない。さらに、コイル4を図中下側に永久磁石5を図中上側に配置しているが逆に配置してもかまわない。
【0043】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】一実施の形態におけるロータリダンパの斜視断面図である。
【図2】一実施の形態におけるロータリダンパの磁路を説明する図である。
【図3】一実施の形態の一変形例におけるロータリダンパの斜視断面図である。
【図4】他の実施の形態におけるロータリダンパの斜視断面図である。
【図5】従来のロータリダンパの断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1,20 ケース
2 シャフト
2a 段部
2b 小径部
2c 大径部
3 プレート
4 コイル
4a リード線
5 永久磁石
6 コイルボビン
7 スペーサ
8 ナット
9,10 ストップリング
11,22 ケースにおけるケース側プレート
12,23 ケースにおけるスペーサ
13,21 ケースにおける上蓋
14,24 ケースにおける下蓋
15 ベアリング
16,17,18,19,25 シール
14a 下蓋における環状板部
14b 下蓋における筒部
14c 下蓋における孔
14d 下蓋におけるリード線挿通孔
26 コイルケース
26a コイルケースにおける底部
26b コイルケースにおける筒部
26c コイルケースにおけるフランジ
26d コイルケースにおけるリード線挿通孔
a,b,c 隙間
M 磁路
R1,R2 ロータリダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空なケースと、ケース内に回転自在に挿通されるシャフトと、ケース内に収容されるとともにシャフトの一端に連結される少なくとも一枚以上のプレートと、シャフトの他端の外周側に配置されるコイルとを備え、ケース内に磁気粘性流体を充填してなるロータリダンパ。
【請求項2】
シャフトの他端をケース外へ突出させて、当該突出したシャフトの他端の外周にコイルを配置してなる請求項1に記載のロータリダンパ。
【請求項3】
複数のプレートをシャフトに連結し、ケース側に連結されるとともにシャフトの挿通を許容するケース側プレートを各プレート間に配置してなる請求項1または2に記載のロータリダンパ。
【請求項4】
ケースは、環状のケース側プレートと、内周がプレートの外周に対向してケース側プレートに互い違いに積層されてケース側プレートを上下から挟む環状のスペーサと、最上段のスペーサに積層される上蓋と、最下段のスペーサに積層される下蓋とを備えてなる請求項1から3のいずれかに記載のロータリダンパ。
【請求項5】
シャフトの他端外周に永久磁石をコイルに直列して設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のロータリダンパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−202744(P2008−202744A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42037(P2007−42037)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】