説明

ロードキャリア脚

本発明は、少なくとも1つのロードキャリアを自動車の第1面(2)に組み付けるためのロードキャリア脚(1)に関する。ロードキャリア脚(1)は、第1面(2)に当接するように配置された支持部材(3)と、支持部材(3)から所定の距離で自動車に当接するように配置された第1部分(16)を備えたグリップ部材(5)と、支持部材(3)とグリップ部材(5)の第2部分(17)との間の中間部材(9)と、中間部材(9)を作用させて支持部材(3)とグリップ部材(5)の第1部分(16)との間のクランプ力を調節する調節部材(7)と、を具備している。中間部材(9)は第1作用点(10)においてグリップ部材(5)の第2部分(17)と協働し、且つ中間部材は第1作用点(10)から所定の距離(D)に配置された第2作用点(11)において支持部材(3)と協働する。第1作用点(10)と第2作用点(11)との間の距離(D)は、調節部材(7)を介して中間部材(9)の少なくとも一部分の移動によって変化することが可能であり、これによってグリップ部材(5)の第1部分(16)と支持部材(3)との間のクランプ力を変化させる。本発明は、装置の空間の節約および改良された安全面を備えた装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリップ部材と支持部材との間のグリップ力を利用して自動車の第1面にロードキャリアの少なくとも一部を組み付けるためのロードキャリア脚に関する。
【背景技術】
【0002】
ロードキャリア脚は特許文献1から周知であり、特許文献1は自動車のルーフ上に横方向に延在し且つ各々の対向した側端部領域においてロードキャリア脚を利用して固定されたロードキャリアバーを開示している。ロードキャリア脚は自動車のルーフに対して当接するための支持部と、ルーフの端部に対してクランプするためのクランプ部と、を備えている。ロードキャリアバーの端部領域に配置された回転シャフトは、組み立てられた後に支持部とクランプ部との間にクランプ力を伝えるために回転される。
【0003】
クランプ部を操作するために、脚はロードキャリアバーの長手方向および揺動部のピンを収容した横に延在したスロット内において移動可能な操作機構を含んでいる。揺動部はロードキャリア脚内において軸を介して回動される。揺動部は金属シートから形成された三角形状を示し、軸はその角部の一つに配置されている。揺動部の第2および第3の角部の各々はピンを具備している。1つの角部のピンは揺動部をクランプ部と回動可能に接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,516,985号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作機構が回転シャフトを利用してロードキャリアの長手方向に変位された場合、揺動部は軸に関して回動し、それによってクランプ部は自動車のロードキャリアを維持するためにクランプ力を伝える。ロードキャリア脚は常用荷重において十分なものである。しかしながら、ロードキャリア脚のクランプ装置は、例えば制動または衝突のような自動車の突然の減速によって伝えられるような荷重ピークが負荷された場合、不都合である。さらに、装置はかなり場所をとる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の欠点は本発明によって、より具体的には、自動車の第1面にロードキャリアの少なくとも一部を組み付けるためのロードキャリア脚によって少なくとも部分的に解決され、または最小化されている。ロードキャリア脚は、第1面に当接するように配置された支持部材と、支持部材から所定の距離で自動車に当接するように配置された第1部分を備えたグリップ部材と、支持部材とグリップ部材の第2部分との間に配置された中間部材と、中間部材を作用させて支持部材とグリップ部材の第1部分との間のクランプ力を調節する調節部材と、を具備している。中間部材は第1作用点においてグリップ部材の第2部分と協働し、且つ中間部材は第1作用点から所定の距離に配置された第2作用点において支持部材と協働する。
【0007】
第1作用点と第2作用点との間の距離は変化することが可能である。より具体的には、第1作用点と第2作用点との間の距離は、調節部材を介して中間部材の少なくとも一部分の移動によって変化することが可能であり、これによってグリップ部材の第1部分と支持部材との間の距離および/またはクランプ力を変化させる。実施形態によっては、調節部材が締められたときに、距離は増大するか、または減少するかのいずれかである。
【0008】
本発明はロードキャリア脚を提供しており、それはクランプ装置に関して比較的小さい体積を必要とし、作用点間の距離が変化することが可能である一方で、適切なクランプ力を維持しているためである。さらに、ロードキャリア脚は組み付けおよび締め付けが容易である。例えば、本発明によるロードキャリア脚を使用する自動車が突然減速した場合、ロードキャリア脚のクランプ力は一時的に増大する。それは、ロードキャリア脚に負荷された瞬間的な荷重の増大が自動車の減速の際に一時的に増大するためである。
【0009】
本発明による実施形態において、中間部材は、第2作用点において支持部材に回動可能に接続されている。これは、調節部材を利用した中間部材の調節の際の中間部材の保留動作を可能にしており、中間部材を介した調節部材からグリップ部材への良好な力の遷移を提供している。
【0010】
本発明による実施形態において、第1作用点はスライド可能なパスを提供するショルダを備えている。ショルダは中間部材に配置されている。上述のように、ショルダは例えばグリップ部材の面に沿ったパスを形成しており、それはグリップ部材の第2部分の少なくとも一部が、中間部材の少なくとも一部分の移動によってパスに沿ってスライドすることが可能であるように配置されている。上述のショルダは例えば端部フランジとすることができる。上述のグリップ部材の第2部分はピンとすることができる。
【0011】
本発明による実施形態において、調節部材は回動点において前記中間部材に回動可能に組み付けられている。回動点はショルダと支持部材との間に配置されている。追加的に、調節部材は回動点において中間部材に組み付けられており、第1作用点は支持部材と第2作用点との間に配置されている。
【0012】
本発明による実施形態において、中間部材は第1側端部および第2側端部を具備し、第1側端部はグリップ部材に面し、第2側端部は前記グリップ部材から離れる向きに面している。ショルダは、概略前記第1側端部と第2側端部との間に延在した傾斜面を示している。傾斜面は、中間部材の第1側端部と第2側端部との間の全長において延在している必要はなく、ショルダが傾斜するために必要なスライド可能な距離の作動長さのみでよいことが理解されるべきである。傾斜面は、所望のクランプ特性に依存して、例えば凸型もしくは凹型の弓形面または平坦面である。傾斜面には小さい突起が設けられることも可能であり、それは例えば鋸歯状の突起であり、対向した方向における動作からの対応したグリップ部材の第2部分の一時的な段階的固定を可能にしている。
【0013】
ショルダの傾斜面は、中間部材の少なくとも一部がグリップ部材に向かう方向に移動された場合に、第1作用点と第2作用点との間の距離が増大するように傾斜するように構成されている。この形態は、中間部材とグリップ部材と調節部材との間に伝えられた力の容易で効果的な遷移を可能にしている。
【0014】
本発明による実施形態において、調節部材は、少なくとも中間部材とグリップ部材との間に延在している。これは、中間部材とグリップ部材との間のレバー効果を提供している。調節部材は、調節部材の回転動作を利用して、中間部材の少なくとも一部分を移動するように配置されることがさらに可能である。これは、調節部材がネジ切りされたピン、例えばネジまたはボルトを具備した場合に達成され得る。
【0015】
調節部材はグリップ部材の開口部を通じて延在するように形成されることが可能である。調節部材はグリップ部材の開口部と協働することがさらに可能であり、例えば、開口部もしくは開口部の少なくとも一部、または開口部を取り囲んだ面の少なくとも一部が調節部材の回動機能を提供するために使用されることが可能である。そのようにして、調節部材はグリップ部材に回動可能に組み付けられている。そのような回動機能は、中間部材とグリップ部材とが互いに対して相対動作を伝える場合に有利となり得る。
【0016】
本発明による実施形態において、調節部材は例えばネジ切りされたナットを利用して中間部材に回動可能に接続されることが可能であり、ナットはロードキャリア脚の組み付けの際に調節部材のネジ切りされたピンと協働する。中間部材は調節部材に回動可能に組み付けられ、グリップ部材は調節部材に回動可能に接続されることももちろん可能である。調節部材がグリップ部材または中間部材と一体化されることもさらに可能である。
【0017】
さらにまたは追加的に、本体はロードキャリアバーの接続のために支持部材からブラケットまで延在するように配置されることが可能である。本体には、グリップ部材を幾何学的に正確にパスに沿ってガイドするためのピンと協働するトラックが設けられることが可能である。本発明のこの実施形態は追加的な安全装置を提供している。
【0018】
本発明による実施形態において、第2作用点は支持部材と第1作用点との間に配置されている。第1作用点と第2作用点との間の距離は、中間部材の少なくとも一部分が調節部材を介して移動したときに増大し、支持部材とグリップ部材との間のクランプ力を増大することが可能である。
【0019】
実施形態において、第1作用点は、支持部材と第2作用点との間に配置されている。第1作用点と第2作用点との間の距離は、中間部材の少なくとも一部分が調節部材を介して移動したときに減少し、支持部材とグリップ部材との間のクランプ力を増大するが可能である。
【0020】
この実施形態において、第2作用点は有利に可能な限り支持部材から離れて配置されており、すなわち、組み立てた後に可能な限りロードキャリアバーに近接している。
【0021】
本発明による実施形態において、中間部材は第1側端部および第2側端部を具備し、第1側端部はグリップ部材に面し、第2側端部は前記グリップ部材から離れる向きに面している。中間部材は第1端部および第2端部をさらに具備し、第1端部は支持部材から離れる向きに面し、第2端部は支持部材に向かう向きに面しており、ショルダは、概略第1端部と第2端部との間、または概略第1側端部と第2側端部との間に延在した傾斜面を示している。
【0022】
「作用点」との語は、2つの要素が当接する点、領域または空間を意味している。2つの作用点の間の距離は、それらの間の最短距離を意味している。
【0023】
本発明の上述のならびに追加の目的、特徴および利点は、以下の本発明の図解的且つ非限定的な記載を通じてよりよく理解されるだろう。それは添付図を参照しており、同一の参照符号は類似の要素に使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるロードキャリア脚の概略的な断面を示した図であり、ロードキャリアを自動車のルーフに締結するための第1位置の状態である。
【図2】図1のロードキャリア脚の概略的な断面を示した図であり、ロードキャリア脚がクランプ位置にある第2位置の状態である。
【図3】本発明の一実施形態によるロードキャリア脚の概略的な断面を示した図であり、代替的な中間部材を備えており、第1位置の状態である。
【図4】本発明の第2実施形態によるロードキャリア脚の概略的な断面を示した図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるロードキャリア脚の概略的な断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1〜5は、ロードキャリア(図示略)の少なくとも一部を自動車の第1面2に取り付けるためのロードキャリア脚1を示している。第1面は図示された実施例においては自動車のルーフ2として描かれている。しかしながら、例えばピックアップトラックの荷台、自動車の貨物輸送領域、貨物車のプラットフォーム、船舶のプラットフォーム、航空機の貨物輸送領域またはそのようなものの、自動車の任意の面に使用することが本発明の限界である。
【0026】
以下の実施例の目的のために、車両は自動車として使用され、自動車(図示略)は第1および第2長手側ならびに前側および後側を示している。一般的に、ロードキャリア脚1は自動車の各長手側に組み付けられて、それらの間にロードキャリアバーを担持且つ維持している。ロードキャリアバー(図示略)は通常は自動車の長手側の間においてルーフ2の上に延在しており、例えば手荷物、スキーまたはそのような適切な積荷を運搬するように適応されている。
【0027】
図1は、ルーフ2、例えば自動車のルーフ2の端部領域4に直接的にまたは間接的に当接するように配置された支持部材3を具備したロードキャリア脚1を示している。支持部材3はプラスチックシートから形成されており、ゴムパッド8または類似の材料から形成されたパッドが設けられている。支持部材3はさらに、第2作用点11において中間部材9の第1部分に回動可能に接続されている。本体19はロードキャリアバーを維持するための配置を保持し、自動車に向かった重量を坦持しており、それは以下により詳細に記載されている。
【0028】
グリップ部材5は支持部材3と協働するように配置されており、ボディ折り曲げ部6または追加的に類似の突起/溝において自動車に当接するように配置された第1部分16を具備している。この場合、ボディ折り曲げ部6はルーフ2の端部領域4の下に配置されていると言うことが可能である。グリップ部材5は調節部材7を利用して支持部材3に対して移動可能であり、それは支持部材3とグリップ部材5の第1部分16との間でクランプ力を伝えるためである。伝えられたクランプ力は自動車に対してロードキャリア脚1を保持する。したがって、各ロードキャリア脚はルーフ2の接触面とボディ折り曲げ部6とにおいてクランプしている。
【0029】
グリップ部材5は略剛性であり、金属シート、プラスチックシートまたは他の剛体材料を具備し、長手方向に延在している。グリップ部材5は、第1作用点10において中間部材9と協働する第2部分17を具備している。したがって、中間部材9は、支持部材3とグリップ部材5の第2部分17との間でリンク部材のようになっている。グリップ部材5、中間部材9および調節部材7は、グリップ部材5の位置が支持部材3に対して調節され、これによって自動車のルーフ2に組み付けられた後でそれらの間に所望のクランプ力を伝えるように配置されている。
【0030】
図示された本発明による実施形態において、グリップ部材5には第1部分16にクランプジョーが設けられており、ボディ折り曲げ部6の形状に合わされている。クランプジョーは交換可能であり、ネジまたはそれに類似したものによってグリップ部材5に追加的に締結されている。これによって、ロードキャリア脚1は、適切なクランプジョーを使用することによって自動車の面または形態の異なった形状に適合するように形成されてもよい。もちろん、グリップ部材5の第1部分16はある種の取付装置に取り付けられ、本発明に照らして、これは自動車の面に当接すると考えられる。支持部材3の固有の形態および形状は任意の適切な形態に変化されることも可能である。
【0031】
図1〜3に示された実施形態において、中間部材9は第1作用点10および第2作用点11において且つこの実施形態においては中間部材9の各端部9cおよび9dにおいて、グリップ部材5および支持部材3と協働している。第1作用点10および第2作用点11は互いに異なってまたは同一に形成されることが可能である。
【0032】
図1において、図示された本発明による実施形態は、第1および第2側端部9a,9bならびに第1および第2端部9c,9dを備えた、略縦長に延在した中間部材9を具備している。中間部材9の第1端部9cは第1作用点10から成り、グリップ部材5の第2部分17の当接のためのパス12を形成した、フランジ端部18の形状のショルダを具備している。この場合、グリップ部材5の第2部分17は、グリップ部材5の面から延出した円筒ピンの形状である。
【0033】
パス12はフランジ端部18の面18aによって形成されており、面18aはこの場合平坦な面である。パス12と面18aとは、例えば適切な溝のベベリング、ベンディングもしくはカッティング、または中間部材9内のトレースによって、異なった方法において形成されることが可能である。パス12は、例えば図3に示されたような凸形状、凹形状、波形状または追加的に例えば鋸歯の突起のような突起を備えたショルダの湾曲面18aによって形成され、適切な進歩的方法において結果として生じるクランプ力を増大させることが可能である。
【0034】
図1〜3に示されたように、中間部材9の第2端部9dは第2作用点11から成り、ピン20を利用して支持部材3に回動可能に接続されている。ピン20は中間部材9を本体19にさらに接続している。そのようにして、第1作用点10と第2作用点11との間の矢印Dで示された距離は変化することが可能であり、グリップ部材5の第1部分16と支持部材3との間の距離および/またはクランプ力は変化することが可能である。もちろん、ロードキャリア脚1が自動車に組み付けられていない場合、グリップ部材5の第1部分16と支持部材3との間の距離のみが変化可能であり、それらの間の相対動作を受け入れる対象物は無い。
【0035】
第2作用点11すなわち中間部材9の第2端部9dは支持部材3に回動可能に接続され、且つ第1作用点10は移動可能であるので、中間部材9は保留動作と共に回動可能である。この動作の際に、中間部材9の第1端部9cは、横への動作をグリップ部材5の第2端部17への上向きの動作へと遷移させ、この場合ピンである第2端部17はパス12に沿ってフランジ端部18上をスライドする。したがって、第1作用点10と第2作用点11との間の距離Dは変化することが可能である。
【0036】
したがって、一般的に調節部材7は、第1作用点10と第2作用点11との間の距離Dが中間部材9の移動によって変化し、これによってグリップ部材5の第1部分16と支持部材3との間の距離および/またはクランプ力を変化させることが可能であるように配置されている。
【0037】
調節部材7はグリップ部材5と中間部材9とのあいだの距離を調節するために配置されている。調節部材7は中間部材9からグリップ部材5まで延在し、中間部材9においてナット15にねじ込まれ、グリップ部材5と旋回可能に接続されている。図示された本発明による実施形態において、調節部材7は、グリップ部材の開口部14またはブッシュを通じて延在し且つ中間部材9において回動可能なナットにねじ込まれたネジ13を具備している。ネジ13には開口部14を取り囲んだ面に接触する湾曲した接触面が設けられており、動作の際にネジ13を傾斜させて中間部材9の動作に追従することが可能である。したがって、調節部材7は回動点7aにおいて中間部材9に回動可能に組み付けられている。
【0038】
ネジ13を回転させた場合、グリップ部材5と中間部材9との間の距離は減少し、第1作用点10と第2作用点11との間の距離Dは増加する。しかしながら、第1作用点10と第2作用点11とは上述の通り異なることが可能であり、第1作用点10と第2作用点11とは追加的に類似のタイプとすることが可能である。第1作用点10と第2作用点11とは双方とも第1作用点10に関する上述のタイプ、すなわち、例えば中間部材9の第1および第2端部9c、9dの双方に配置されたショルダである。この場合、中間部材9は支持部材3とグリップ部材5との間に挟まれて形成されており、動作の際にグリップ部材5の垂直動作に帰結する。追加的に、中間部材9の第1端部9cはグリップ部材5の第2部分17に回動可能に接続されており、中間部材9の第2端部9dはショルダおよび支持部材3に対応した部分を具備しており、それは上述の通りである。
【0039】
ロードキャリア脚1の機能は図1および2を参照して以下により詳細に記載されている。調節部材7が回転する場合、中間部材9とグリップ部材5との間の距離は減少し、第1作用点10と第2作用点11との間の距離Dは増大する。この操作の際に、グリップ部材5は上向きにガイドされ、すなわちグリップ部材5の第2端部17がルーフ2から離れるように移動し、支持部材3とグリップ部材5の第1部分16との間に増大されたクランプ力を付与する。図2に見られているように、グリップ部材5の第2端部17のピンは、中間部材9の第1端部9cの傾斜したフランジ端部18によって形成されたパス12の約50%を移動し、ロードキャリア脚1は自動車に堅固に取り付けられ且つ組み付けられていることを示している。したがって、本発明はロードキャリア脚1のルーフ2への頑丈な取り付けを提供しており、それはクランプ力が第1作用点10と第2作用点11との間の距離Dの増大に直接依存しているためである。
【0040】
中間部材9は上述のピン20を利用して本体19に対して回動される。調節部材7の回転の際に、中間部材9はピン20に関して回転し、パス12に沿ってグリップ部材の第2端部17のピンに揚力を負荷することによって、グリップ部材5を上向に移動させる。それと同時に、調節部材7はグリップ部材5を中間部材9に向かって強制的に移動させ、双方がグリップ部材の第1部分16の水平および垂直動作を生じさせる。これによって、十分なクランプ力が達成されて、ロードキャリア脚1を自動車のルーフ2に組み付ける。
【0041】
ロードキャリア脚1のさらなる改良のために、例えば本体19内の細長い湾曲トレース21は、幾何学的に正確なパスに沿ってグリップ部材5をガイドするために、グリップ部材5の第2部分と協働する。
【0042】
本体19は下部において支持部材3と接触しており、ロードキャリアバー(図示略)への接続のために上部においてブラケット22に接続されている。偏心レバー23がロードキャリアバーをロードキャリア脚1にクランプするために設けられている。
【0043】
すでに示したとおり、支持部材3は使用の際にロードキャリアバーを取り付け且つ本体19上に静止させることを目的としたブラケット22に接続されている。ロードキャリア脚1はたとえば傾斜されており、例えば衝突または予定通りの減速の際に、支持部材3はロードキャリアバーに担持された任意の荷重の慣性によって揚力を伝えられる。中間部材9は揚力をグリップ部材5の第2部分17に伝える。グリップ部材5が揚力を伝えられるため、ロードキャリア脚1はグリップ部材5と支持部材3との間の増大されたクランプ力を示し、ロードキャリア脚1の自動車への改良された取り付けを生じる。調節部材7はもちろんグリップ部材5から所定の距離だけ離れて中間部材9を維持している。
【0044】
図4〜5は本発明の実施形態を示しており、これまでの図と同一の参照符号は類似のまたは同一の特徴を参照している。図4および5は支持部材3を具備したロードキャリア脚1を示しており、その支持部材は例えば自動車のルーフ2の端部領域4において、ルーフ2に直接的または間接的に当接するように配置されている。支持部材3はプラスチックシートから形成されており、ゴムパッド8または類似の材料から形成されたパッドが設けられている。本体419はロードキャリアバーを維持するための配置を保持し、自動車に向かった荷重を受けており、それは以下により詳細に記載されている。
【0045】
グリップ部材5は支持部材3と協働するように配置されており、ボディ折り曲げ部6または追加的に類似の突起/溝において自動車に当接するように配置された第1部分16を具備している。この場合、ボディ折り曲げ部6はルーフ2の端部領域4の下に位置されたと言うことが可能である。グリップ部材5は調節部材7を利用して支持部材3に対して移動可能とされており、調節部材は支持部材3とグリップ部材5の第1部分16との間のクランプ力を伝えるために、中間部材9と協働するように配置されている。伝えられたクランプ力はロードキャリア脚1を自動車に対して保持している。したがって、各ロードキャリア脚はルーフ2の接触面およびボディ折り曲げ部6においてクランプしている。
【0046】
グリップ部材5は略剛体とすることが可能であり、金属シート、プラスチックシートまたは他の剛体材料を具備し、縦長に延在することが可能である。グリップ部材5は第1作用点10において中間部剤9と協働する第2部分17を具備している。したがって、中間部材9は、ある意味では本体419とグリップ部材5の第2部分との間の連結部材であるが、支持部材と協働する。グリップ部材5、中間部材9および調節部材7は、支持部材3に対するグリップ部材5の位置が調節され、これによって自動車のルーフ2に組み付けられた後にそれらの間の所望のクランプ力を伝えることを可能にするように配置されている。本体19は少なくともロードキャリア脚の部品を概略封入したハウジングによって形成されるか、またはハウジングはグリップ部材と支持部材との部品以外のロードキャリア脚を封入することが可能である。
【0047】
図4および5に示された実施形態において、中間部材9はグリップ部材5および本体419、したがって支持部材ならびに第1作用点10および第2作用点411と協働している。
【0048】
図4〜5において、図示された本発明による実施形態は、第1および第2側端部9a,9bならびに第1および第2端部9c,9dを備えた略縦長に延在した中間部材9を具備している。中間部材9の第1側端部9aは第1作用点10と協働し、グリップ部材5の第2部分17の当接のためのパス12を形成した、フランジ端部18の形状のショルダを具備している。この場合、グリップ部材5の第2部分17は、グリップ部材5の面から延出した円筒ピンの形状である。
【0049】
パス12はフランジ端部18の面18aによって形成されており、面18aはこの場合平坦な面である。パス12と面18aとは、例えば適切な溝のベベリング、ベンディングもしくはカッティング、または中間部材9内のトレースによって、異なった方法において形成されることが可能である。パス12はショルダの湾曲面18aによって形成されている。図4〜5において、湾曲面は中間部材に対して窪んでいるが、例えば凸形状、波形状または追加的に例えば鋸歯の突起のような突起などの他の形状が適切であり、適切な進歩的方法において結果として生じるクランプ力を増大させる
【0050】
図4〜5に示された実施形態において、中間部材9の第1端部9cは第2作用点411を示している。中間部材9の第1端部9cはピン20によって回動可能に本体419に接続されている。支持部材3と本体419とは一部品に統合されるか、または相互接続された部品によって形成されてもよい。
【0051】
第1作用点10と第2作用点第2作用点411との間の矢印Dによって示された距離は変化することが可能であり、グリップ部材5の第1部分16と支持部材3との間の距離および/またはクランプ力は変化することが可能である。もちろん、ロードキャリア脚1が自動車に組みつけられていない場合、グリップ部材5の第1部分16と支持部材3との間の距離のみが変化可能であり、それらの間の挿体動作を受け入れる対象物は無い。
【0052】
中間部材9は、上述の通り、ピン20を利用して本体419に対して回動され得る。しかしながら、本実施形態において、中間部材9は第1端部9cすなわち中間部材の端部に関して回動可能であり、中間部材は図4〜5において参照符号420で示された位置に最も近接しており、その位置においてロードキャリアバーが組み付けられる。
【0053】
調節部材7の回転の際に、中間部材9はピン20に関して回転し、パス12に沿ってグリップ部材の第2端部17のピンに揚力を負荷することによって、グリップ部材5を上向に移動させる。それと同時に、調節部材7はグリップ部材5を中間部材9に向かって強制的に移動させ、双方がグリップ部材の第1部分16の水平および垂直動作を生じさせる。これによって、十分なクランプ力が達成されて、ロードキャリア脚1を自動車のルーフ2に組み付ける。
【0054】
調節部材7が回動軸、すなわち、中間部材9の第2端部9dとしての作用点11に関して反時計回りの動作を伝える、図1〜3に示された実施形態に対して、図4〜5に示された実施形態は回動軸、すなわち、中間部材9の第1端部9cとしての作用点411に関して時計回りの動作を伝えている。第1作用点10と第2作用点411との間の距離dは、図1〜3に示された実施形態に対してさらに減少されており、調節部材7が締められたとき、距離dは増大する。
【0055】
開示された実施形態において、上述の通り調節部材7は時計回りまたは反時計回りの動作を1つの作用点11、411に関して中間部材に伝えている。
【符号の説明】
【0056】
1 ・・・ロードキャリア脚、 2 ・・・第1面、 3 ・・・支持部材、 4 ・・・端部領域、 5 ・・・グリップ部材、 6 ・・・ボディ折り曲げ部、 7 ・・・調節部材、 8 ・・・ゴムパッド、 9 ・・・中間部材、 10 ・・・第1作用点、 11,411 ・・・第2作用点、 12 ・・・パス、 13 ・・・ネジ、 14 ・・・開口部、 15 ・・・ナット、 19,419 ・・・本体、 20 ・・・ピン、 21 ・・・湾曲トレース、 22 ・・・ブラケット、 23 ・・・偏心レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのロードキャリアを自動車の第1面(2)に組み付けるためのロードキャリア脚(1)であって、該ロードキャリア脚(1)は、
前記第1面(2)に当接するように配置された支持部材(3)と、
該支持部材(3)から所定の距離で前記自動車に当接するように配置された第1部分(16)を備えたグリップ部材(5)と、
前記支持部材(3)と前記グリップ部材(5)の第2部分(17)との間の中間部材(9)と、
該中間部材(9)を作用させて前記支持部材(3)と前記グリップ部材(5)の第1部分(16)との間のクランプ力を調節する調節部材(7)と、
を具備し、
前記中間部材(9)は第1作用点(10)において前記グリップ部材(5)の第2部分(17)と協働し、且つ前記中間部材は前記第1作用点(10)から所定の距離(D)に配置された第2作用点(11)において前記支持部材(3)と協働するロードキャリア脚(1)において、
前記第1作用点(10)と第2作用点(11)との間の距離(D)は、前記調節部材(7)を介して前記中間部材(9)の少なくとも一部分の移動によって変化することが可能であり、これによって前記グリップ部材(5)の前記第1部分(16)と前記支持部材(3)との間の距離および/またはクランプ力を変化させることを特徴とするロードキャリア脚(1)。
【請求項2】
前記中間部材(9)は、前記第2作用点(11)において前記ロードキャリア脚(1)に回動可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項3】
前記中間部材(9)は、前記第2作用点(11)において前記支持部材(3)に回動可能に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項4】
前記第1作用点(10)は前記中間部材(9)上にショルダ(18)を具備し、該ショルダ(18)はパス(12)を形成し、前記グリップ部材(5)の第2部分(17)は前記中間部材(9)の少なくとも一部分の移動により前記パス(12)に沿ってスライドすることが可能であるように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項5】
前記ショルダ(18)はフランジ端部(18)であることを特徴とする請求項3に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項6】
前記調節部材(7)は回動点(7a)において前記中間部材(9)に回動可能に組み付けられており、前記回動点(7a)は前記ショルダ(18)と前記支持部材(3)との間に配置されていることを特徴とする請求項4または5に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項7】
前記調節部材(7)は回動点(7a)において前記中間部材(9)に組み付けられており、前記第1作用点(10)は前記支持部材(3)と前記第2作用点(411)との間に配置されていることを特徴とする請求項4または5に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項8】
前記第2作用点(11)は前記支持部材(3)と前記第1作用点(10)との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項9】
前記第1作用点(10)と第2作用点(11)との間の前記距離(D)は、前記中間部材(9)の少なくとも一部分が前記調節部材(7)を介して移動したときに増大し、これによって前記クランプ力が増大することを特徴とする請求項8に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項10】
前記第1作用点(11)は、前記支持部材(3)と前記第2作用点(10)との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項11】
前記第1作用点(10)と第2作用点(11)との間の前記距離(D)は、前記中間部材(9)の少なくとも一部分が前記調節部材(7)を介して移動したときに減少し、これによって前記クランプ力が増大することを特徴とする請求項10に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項12】
前記中間部材(9)は第1側端部(9a)および第2側端部(9b)を具備し、該第1側端部(9a)は前記グリップ部材(5)に面し、該第2側端部(9b)は前記グリップ部材(5)から離れる向きに面しており、
前記中間部材(9)は第1端部(9c)および第2端部(9d)をさらに具備し、該第1端部(9c)は前記支持部材(3)から離れる向きに面し、該第2端部(9d)は前記支持部材(3)に向かう向きに面し、
前記ショルダ(18)は、概略前記第1端部(9c)と第2端部(9d)との間、または概略前記第1側端部(9a)と第2側端部(9b)との間に延在した傾斜面(18a)を示していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項13】
前記傾斜面(18a)は弓形面または平坦面であることを特徴とする請求項12に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項14】
前記傾斜面は、前記中間部材(9)の少なくとも一部が前記グリップ部材(5)に向かう方向に移動された場合に、前記第1作用点(10)と第2作用点(11)との間の前記距離(D)が増大するように傾斜されていることを特徴とする請求項12または13に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項15】
前記第2部分はピンを具備していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項16】
前記調節部材(7)は、少なくとも前記中間部材(9)と前記グリップ部材(5)との間に延在していることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項17】
前記調節部材(7)は前記グリップ部材(5)の開口部(14)を通じて延在し、前記調節部材(7)は前記グリップ部材(5)の開口部(14)と協働することを特徴とする請求項16に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項18】
前記調節部材(7)は前記中間部材(9)に回動可能に接続されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項19】
前記調節部材(7)は前記グリップ部材(5)に回動可能に組み付けられていることを特徴とする請求項17または18に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項20】
前記調節部材(7)は、該調節部材(7)の回転動作を利用して少なくとも前記中間部材(9)の一部分を移動するように配置されていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載のロードキャリア脚(1)。
【請求項21】
本体(19,419)がロードキャリアバーの接続のために前記支持部材(3)からブラケットまで延在し、前記グリップ部材(5)を幾何学的に正確に前記パスに沿ってガイドするために、前記本体(19,419)には前記ピン(17)と協働するガイドトラック(21)が設けられていることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載のロードキャリア脚(1)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−515111(P2012−515111A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545722(P2011−545722)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050282
【国際公開番号】WO2010/081799
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(502308561)スーリー スウェーデン アーベー (4)
【Fターム(参考)】