説明

ローパスフィルタ及びその製造方法

【課題】光学性能を容易に且つ精度良く制御することができ、また、製造が容易で安価且つ安定した品質で製造することができる量産性に適したローパスフィルタを提供する。
【解決手段】基材11上に凸状のレンズ体13が略一定のピッチPで二次元状に配列された構造体10Aと、構造体10Aのレンズ体13間の溝14を埋めた状態で溝14に配置された中間体15と、を備えたローパスフィルタ10であって、レンズ体13は第1物質で形成され、中間体15は第2物質で形成され、溝の深さをd(μm)とし、第1物質の屈折率と第2物質の屈折率との差をΔnとしたとき、d・Δn(μm)の値が0.20〜0.60の範囲であり、レンズ体のピッチが1.0μm〜100μmの範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローパスフィルタに係り、特に樹脂で形成されたフィルム状のローパスフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
規則的な繰り返しパターンをデジタルカメラ等の撮像装置で撮像した場合、この繰り返しパターンがイメージセンサの画素(撮像素子)ピッチに重なると、実在しない縞模様であるモアレ像が現れる。このモアレ像を防ぐため、撮像装置にはイメージセンサの手前にローパスフィルタが配置される。
従来、このようなローパスフィルタとして、光反応性高分子を用いて格子パターンを形成したフィルム状のローパスフィルタが提案されている(非特許文献1参照)。
【0003】
このフィルム状のローパスフィルタを製造するには、先ず、ベンゾイルベンゾフェノン(BBP)を含有する光反応性高分子を作製し、これをトルエン溶媒に溶解し、ガラスプレートにスピンコートして乾燥させる。次いで、ガラスプレート上に格子状パターンを有するフォトマスクを配置し、フォトマスクを介してガラスプレートに向けてUV照射し、BBPをポリマーマトリックスに反応ベーキングする。その後、未反応BBPを真空下で昇華させる。
【0004】
この方法で製造したローパスフィルタは、露光部分(反応部分)が非露光部分(非反応部分)よりも盛り上がった状態となり凹凸構造が形成され、また、露光部分と非露光部分の屈折率に差が生じるため、ローパスフィルタとして機能させることができる。
【0005】
【非特許文献1】Jpn. J. Appl. Phys. Vol.35(1996) pp.1768-1776
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記ローパスフィルタの製造方法は、多くの工程を有しており、極めて煩雑であって、製造時間が掛かり、コスト高となるという問題があった。
また、上記ローパスフィルタでは、凹凸構造に起因するポリマーと空気との屈折率差を利用しているため、凹凸構造をサブμm以下(場合によっては0.1μm以下)で制御することが必要となる。しかしながら、上記製法は光反応による自己組織化を利用しているため、微細な構造制御を精度よく行うことが困難であり、再現性よく安定的に製造することが困難であるという問題があった。
【0007】
そして、上記ローパスフィルタでは、微細な構造制御が難しいため、画像に与えるコントラストと、これとトレードオフの関係にあるモアレ除去特性とのバランスを正確に制御して、ユーザの種々の要求通りの光学性能を有するローパスフィルタを安定的に製造することが困難であった。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、光学性能を容易に且つ精度良く制御することができ、また、製造が容易で安価且つ安定した品質で製造することができる量産性に適したローパスフィルタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、基材上に凸状のレンズ体が略一定のピッチで二次元状に配列された構造体と、構造体のレンズ体間の溝を埋めた状態で溝に配置された中間体と、を備えたローパスフィルタであって、レンズ体は第1物質で形成され、中間体は第2物質で形成され、溝の深さをd(μm)とし、第1物質の屈折率と第2物質の屈折率との差をΔnとしたとき、d・Δn(μm)の値が0.20〜0.60の範囲であり、レンズ体のピッチが1.0μm〜100μmの範囲にあることを特徴としている。
【0010】
このように構成された本発明のローパスフィルタは、基材上に、二次元状に配列された凸状のレンズ体配列と、このレンズ体配列の溝を埋めるように配置された中間体とが形成された構成を有しているので、レンズ体と中間体との物質界面で光の散乱を生じさせ、ラマン・ナス回折格子として機能させることができる。
そして、レンズ体を第1物質で形成し、中間体を第2物質で形成しているので、製造時に、溝の深さdと、第1物質と第2物質の屈折率差(Δn)との積(d・Δn)を0.20〜0.60の範囲で容易に種々の小さな値に設定することが可能である。前記範囲は、より好ましくは0.30〜0.50であり、さらに好ましくは0.35〜0.45である。屈折率差をこの範囲で制御することにより、ラマン・ナス回折格子としての十分な機能を確保すると共に、強い高次項の回折光の発生を抑制して画像のコントラストの低下を防止することができる。
【0011】
さらに、本発明では、d・Δnを小さく設定することにより、レンズ体のピッチを1.0μm〜100μmの範囲としつつ、レンズ体の高さを高く設定することが可能となるので、容易に且つ精度よく、しかも再現性よくローパスフィルタを製造することが可能となる。また、レンズ体のピッチを上記範囲とすることで、撮像装置のコンパクト化を阻害することなく、撮像素子近傍にローパスフィルタとして機能するように配置することが可能となる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、第1物質の屈折率と第2物質の屈折率との差Δnが、0.004〜0.020の範囲にある。このように第1物質と第2物質の屈折率差(Δn)を小さく設定することにより、レンズ体の高さ、すなわち溝の深さ(d)を大きく設定することができる。
【0013】
また、本発明において好ましくは、レンズ体が、略正四角錐の形状を有する。このように構成された本発明では、高い回折効率を有するローパスフィルタを得ることができる。
さらに、本発明において好ましくは、レンズ体の頂角が20度〜140度の範囲にある。このように構成された本発明では、レンズ体の高いアスペクト比を確保することができると共に、レンズ体の製造を容易とすることができる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、レンズ体のピッチに対する前記溝の深さの比であるアスペクト比が、0.1〜4の範囲にある。このように構成された本発明では、この範囲でレンズ体のアスペクト比を変更することにより、容易にローパスフィルタの光学性能を制御することができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、第1物質及び/又は第2物質が紫外線硬化性樹脂である。このように構成された本発明では、基材上にレンズ体及び中間体からなる配列を容易且つ安価に形成することができる。
【0016】
また、本発明において好ましくは、基材が、アクリルフィルム,PETフィルム及びTACフィルムを含む透明樹脂フィルムであり、厚みが100μm以下である。このように構成された本発明では、安価に製造できると共に、ローパスフィルタの厚みを薄く構成することができる。
【0017】
また、上記ローパスフィルタは、略一定のピッチで二次元状に配列された凸状のレンズ体のレンズ列を形成するための型面を備えた金型を準備する工程と、金型の型面に第1のエネルギー線硬化性樹脂を介して基材フィルムを接触させる工程と、エネルギー線硬化により第1のエネルギー線硬化性樹脂を硬化させて、基材フィルム上にレンズ体が配置された構造体を形成する工程と、構造体のレンズ体間を埋めるように、第1のエネルギー線硬化性樹脂とは屈折率の異なる第2のエネルギー線硬化性樹脂をコーティングする工程と、第2のエネルギー硬化性樹脂をエネルギー線硬化させる工程と、を備えた製造方法により製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光学性能を容易に且つ精度良く制御することができ、また、製造が容易で安価且つ安定した品質で製造することができる量産性に適したローパスフィルタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態によるローパスフィルタの斜視図、図2はローパスフィルタの構造体の平面図、図3はローパスフィルタの断面図、図4はローパスフィルタの製造工程の説明図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のローパスフィルタ10は、基材11と、基材11上に二次元状に配列された同形の複数のレンズ体13と、レンズ体13間の溝14を完全に埋めるようにレンズ体13間に設けられた中間体15とを備えている。基材11とレンズ体13により凹凸形状の構造体10Aが形成されている。
【0021】
基材11は、厚さ30μmの透明(又は半透明)なアクリルフィルムである。なお、本明細書で、「透明」とは「半透明」を含む。
ローパスフィルタ10はイメージセンサ近傍に配置する場合に薄い方が好ましいため、基材11も薄い方が好ましい。このため、基材11の厚みは、100μm以下が好ましいが、より好ましくは75μm、さらに好ましくは50μm以下、最も好ましくは30μm以下である。また、基材11の材料は、透明なフィルム状材料であればよく、アクリルフィルム以外にも、例えば、PETフィルム,TACフィルム等を使用することができる。
【0022】
また、ローパスフィルタの実装においては、赤外線カットフィルタがコートされたガラス基材を使用し、これとローパスフィルタを張り合わせ一体化してもよい。また、赤外線カットフィルタがコートされたガラス基材を基材11として用いて、ローパスフィルタ10を形成してもよい。
また、基材11の表面のうち、レンズ体13が設けられていない面(図1では下側の面)、すなわち空気と接する面に、反射防止処理を施してもよい。例えば、使用光線に対する反射防止膜を形成することができる。このように空気と接触する面に反射防止処理を施すことにより、光学素子内部で多重反射光や映り込みを減らすことができ、ローパスフィルタの機能を高性能に発現させることが可能となる。
【0023】
レンズ体13は、紫外線硬化性樹脂材料で形成されたものであり、基材11と接着する底部が略正四角形で側面が略二等辺三角形をなす略正四角錘の形状を有する凸状体である。レンズ体13は、基材11の表面に略一定のピッチPで二次元状に多数配列されており、多数のレンズ体13により二次元レンズ列を構成している(図2参照)。すなわち、レンズ体13は、基材11の表面上において、略直交する2軸方向にそれぞれピッチPで配列されている。
【0024】
図2は、基材11上に配列されたレンズ体13のみの平面図、すなわち構造体10Aの平面図である。また、図3は、図2のIII−III線に相当するローパスフィルタ10の断面図である。
本実施形態では、レンズ体13の底部の一辺の長さはピッチPと等しく、隣接するレンズ体13は、基材11上で互いに底部の辺同士を当接させた状態で、正方格子状に配列されている。また、レンズ体13は、底部から頂部までの高さdを有し、したがって、レンズ体13の周囲には、深さdの溝14が形成されている。レンズ体13の高さdは、溝14を形成する部分の高さを意味する。また、レンズ体13の基材11側にレンズ体13の一部をなす底上げ用の一定厚の層を設けてもよい。この層は光重合時における重合収縮によるレンズ体13の形状変形を抑えることができる。なお、この層の厚さは深さdには含まれない。
【0025】
本実施形態では、レンズ体13が略正四角錘形状に形成されることにより、ローパスフィルタ10に入射した光が、進行方向を変更されることなく素通りしてしまうことを低減することができ、高い回折効率を得ることができる。
なお、本実施形態では、レンズ体13が略正四角錘の形状を有するが、これは、底面と頂部を繋ぐ側面が凹曲面又は凸曲面である場合や、頂部が曲面又は平面等である場合を含むものである。また、レンズ体13は、基材11表面に対して凸状であればよく、例えば、ドーム形状,円錐形状,円柱形状、角柱形状,多角錘形状等の種々の形状であってもよい。
【0026】
また、本実施形態では、レンズ列によって基材11表面全体が略完全に覆われた状態となっているが、これに限らず、回折効率の低下の許容範囲内で、レンズ体13の底部の辺同士を基材11の平面方向に離間した状態、すなわちレンズ体13によって基材11が完全には覆われない状態で配列してもよい。また、レンズ体13の基部同士が連結されていてもよい。
【0027】
また、本実施形態では、レンズ体13が正方格子状に配列されているが、これに限らず、撮像素子の配列に合わせて、三角格子状,四方格子状等の二次元状に一定の規則性を有するように配列してもよい。
【0028】
本実施形態では、ピッチPが32μm、高さdが56μmであり、ピッチPに対する高さdの比であるアスペクト比(d/P)が1.75に設定されている。
アスペクト比は、0.1〜4の範囲に設定するのが好ましく、より好ましくは0.3〜3の範囲、さらに好ましくは0.5〜2の範囲にある。アスペクト比が0.1よりも小さいと、ローパスフィルタ10の回折効率が低下し、ローパスフィルタとしての機能が著しく低減してしまう。一方、アスペクト比が4よりも大きいと、レンズ体13による凹凸構造を形成することが製造上困難となり好ましくない。
【0029】
また、レンズ体13の断面の頂角は30度に設定されている。頂角は、レンズ体13の対向する側面がなす角度である。レンズ体13の頂角は、20度〜140度の範囲が好ましく、より好ましくは25度〜100度の範囲であり、さらに好ましくは30度〜60度の範囲にある。頂角が20度より小さいと、高いアスペクト比を確保することができるが、製造過程において先端の構造が倒れ易く、バリ状になり、安定した凹凸構造を形成するのが困難となる。また、頂角が140度より大きいと、有効なアスペクト比を確保するのが難しくなる。
【0030】
中間体15は、隣接するレンズ体13間の溝14を略完全に埋めるように形成されている。本実施形態では、中間体15は、紫外線硬化性樹脂材料で形成されており、基材11からレンズ体13の頂部をわずかに越えた高さまで埋められ、レンズ体13と一体に連結し、基材11表面と略平行な平面である上面15aを形成している。
【0031】
レンズ体13と中間体15は、共に透明な紫外線硬化性樹脂材料で形成されているが、これらは異なる屈折率を有する樹脂材料が選択されている。本実施形態では、このような樹脂材料として、多官能ウレタンアクリレート系紫外線硬化性組成物と多官能アクリレート系紫外線硬化性組成物との混合物を用いている。また、これ以外にも、種々の樹脂材料を使用してもよい。すなわち、レンズ体13と中間体15は、所定の屈折率差を有していればよく、紫外線や他の波長域の光を含む任意の波長の光(エネルギー線)により硬化する種々のエネルギー線硬化性材料で形成することができる。また、これに限らず、レンズ体13及び中間体15をエネルギー硬化性樹脂材料ではない樹脂材料で形成してもよいし、いずれか一方のみをエネルギー硬化性樹脂材料で形成してもよい。
【0032】
本実施形態では、レンズ体13の屈折率n1と中間体15と屈折率n2との屈折率差Δn(「n2−n1」の絶対値)が0.004〜0.020の範囲であり、且つ、ピッチPが1.0〜100μmの範囲となるように設定されている。なお、屈折率差Δnは、より好ましくは0.005〜0.017の範囲、さらに好ましくは0.010〜0.017の範囲であり、ピッチPは、より好ましくは5〜50μmの範囲、さらに好ましくは10〜30μmの範囲にある。
【0033】
屈折率差Δnが0.004より小さいと、レンズ体13と中間体15の物質界面での光の散乱が不十分となり、ラマン・ナス回折格子としての機能を充分に果たさない。すなわち、0次項の光が極端に強くなり、1次回折光の回折強度が極端に低下してしまう。
一方、屈折率差Δnが0.020より大きいと、0次項の回折光の回折強度が極端に小さくなり、多次項の回折光の強い回折パターンが発生し、ローパスフィルタ10を用いた時の映像のコントラストが著しく低下してしまう。すなわち、多くの強い高次回折光が発生し画像のコントラストを著しく低下させてしまう。
【0034】
回折効率の変化は、おおよそ前記深さd(μm)と屈折率差Δn(d線で測定)との積であるd・Δn(μm)の値に左右され、この値が0.20〜0.60の範囲にあることが好ましい。この値が0.20より小さいと充分なモアレ除去効果が得られず、一方、0.60より大きいと高次項が増え、且つそれらの強度が大きくなり、画像のコントラストを低下させる傾向にある。この値は、さらに好ましくは0.30〜0.50の範囲の値であり、さらに好ましくは0.35〜0.45の範囲の値である。
【0035】
また、ピッチPが100μmより大きいと、0次〜2次回折光パターンの間隔が著しく狭くなってしまうので、撮像素子ピッチに対して回折パターンを等価に設定しようとすると、撮像素子とローパスフィルタ10との間隔を必要以上に大きくしなければならず、撮像装置のコンパクト化に支障を来たし好ましくない。一方、ピッチPが1.0μmよりも小さいと、ローパスフィルタ10又は基材11自体の厚みが、ローパスフィルタ10と撮像素子との接近を阻害してしまい、撮像素子ピッチに対して回折パターンを等価に設定する前に、ローパスフィルタ10が撮像素子と当接してしまうおそれが生じる。
【0036】
次に、以上のような構成の本実施形態のローパスフィルタ10の製造方法を説明する。
本実施形態のローパスフィルタ10は、図4に示すフィルタ製造装置20により構造体10Aを製造する工程と、構造体10Aに中間体15を追加形成してローパスフィルタ10を製造する工程とを有する。
【0037】
まず、図4により、構造体10Aを製造する工程について説明する。図4に示すフィルタ製造装置20は、原反フィルム巻き出し部21と、重合賦型部23と、送りローラ27と、切断部28とを備えている。
原反フィルム巻き出し部21は、長尺状の透明基材フィルム11A(基材11)がロール状に巻かれた原反フィルムロール22を備え、この原反フィルムロール22から巻き出された基材フィルム11Aを、重合賦型部23へ送るように構成されている。
【0038】
重合賦型部23は、略円筒形状のレンズ金型24と、樹脂供給ノズル25と、紫外線照射装置26とを備えている。この重合賦型部23では、透明フィルムシートである基材フィルム11Aの一方の面に複数のレンズ体13からなるレンズ列が賦型される。
【0039】
レンズ金型24は、その外周面の全体に透明フィルムシートに賦型されるレンズ体13の形状と相補的な形状(中間体15又は溝14の形状)の金型形状が、連続的に形成された回転式金型であり、一定の回転速度で回転する。
なお、相補的な形状を有する型面は、銅めっきしたロール状のレンズ金型24の表面をダイヤモンドバイトで切削することにより形成することができる。また、レンズ金型24の表面には、種々のピッチP及び高さdの組合せの設定に応じて、相補形状の連続配列からなる型面を切削により容易に形成することができる。
【0040】
重合賦型部23に送られた基材フィルム11Aは、回転するレンズ金型24の外周面に接触して送り出される。基材フィルム11Aがレンズ金型24と接触する位置より上流側に樹脂供給ノズル25が配置され、基材フィルム11Aとレンズ金型24の間に、樹脂供給ノズル25から紫外線硬化性樹脂材料13Aが供給される。基材フィルム11Aとレンズ金型24の型面との間に供給された樹脂材料13Aは、レンズ金型24と基材フィルム11Aとの間で挟持され、レンズ金型24の表面の凸形状に対応した形状とされる。
【0041】
樹脂供給ノズル25よりレンズ金型24の回転方向下流側の外方位置に紫外線照射装置26が設けられている。レンズ金型24の型面の凸形状に沿った形状とされた紫外線硬化性樹脂材料13Aは、レンズ金型24の回転によって紫外線照射装置26の前を通過し、紫外線照射を受け硬化する。この結果、基材フィルム11Aは、一方の面に紫外線硬化性樹脂材料13Aが硬化したレンズ体13が形成される。
【0042】
レンズ体13が形成された基材フィルム11Aはレンズ金型24から離型され、送りローラ27を介して、切断部28に送り出される。基材フィルム11Aは、切断部28でカッター29によって切断され、これにより所定長の構造体10Aが製造される。
この構造体10Aは、レンズ体13の頂角が30度,ピッチPが32μm,高さdが56μm,アスペクト比が1.75となるように設定されており、光学顕微鏡により良好な断面形状のレンズ体13が転写されていることが確認された。
【0043】
次に、構造体10Aに中間体15を追加形成してローパスフィルタ10を製造する工程について説明する。
この工程では、所定長の構造体10A上に、中間体15を形成するための紫外線硬化性樹脂材料をコーティングし、レンズ体13間の溝14を埋めるようにローラで均した状態で、紫外線照射装置から紫外線を照射することにより、樹脂材料を硬化させる。これにより、構造体10Aに中間体15が付加されたローパスフィルタ10が製造される。
なお、本実施形態では、レンズ体13を基材フィルム11Aに形成するために、略円筒形状のレンズ金型24を使用していたが、これに限らず、平金型を使用してもよい。
【0044】
次に、ローパスフィルタについての評価方法について説明する。
(CZPによるローパスフィルタの特性評価方法)
作製したローパスフィルタを、カメラモジュール内のCMOS固体撮像素子上に配置して、ローパスフィルタ機能評価のために用いられるサーキュラーゾーンプレート(ISO−12233解像度テストチャート)を撮影することで、ローパスフィルタとしての特性評価を行う。
【0045】
CMOS固体撮像素子は、エレコム社製USB接続Webカメラ UCAM−P1C30に内蔵されている1/4インチCMOS固体撮像素子(最大解像度:640×480ピクセル)である。
レンズは、エドモンドオプティクス社製μ−VIDEOレンズ 高解像度タイプ(焦点距離12.5mm,Fナンバー2.5)である。
そして、上記CMOS固体撮像素子と、ローパスフィルタと、レンズを同一軸上に配置し、CMOS固体撮像素子とローパスフィルタとの間の距離は任意の値に設定できるような構成とする。
その他の撮影に関わる条件は、カメラ映像機器工業会規格 CIPA DC−003−2003「デジタルカメラの解像度測定方法」に従う。
【0046】
(ローパスフィルタのレーザ回折強度比の測定方法)
図5に示すように、暗室内で、レーザポインタ40と、減光フィルタ41と、作製したローパスフィルタ10と、スクリーン42とを同一軸上(x軸上)に配置し、スクリーン42上に投影される回折パターンを、CCDカメラ43により取り込み、画像解析ソフト(三谷商事製:商品名「WinRoof」)を用いて、0次、±1次の回折光強度をそれぞれ求め、±1次の回折光強度の和を0次の回折光強度で除した値({(+1次)+(−1次)}/(0次))を計算する。各回折強度の測定は前記「WinRoof」ソフト上の“計測”モ−ドから“濃度特徴”モ−ドを選択し、次いで“合計”のコマンドを選択し、1個の回折スポット面積全体の積分強度を算出する。ただし、各回折スポットの解析領域は全て同一形状の長方形“ROI”(解析エリアを設定する枠のこと)で囲って行う。ROIが同じものであれば、各回折スポットの積分強度は常に正確に評価できる。
ただし、予め暗室内におけるレーザ発信しない状態でのバックグランド画像をデータとして取り込んでおき、バックグラウンド画像の値を、回折画像データから差し引いたマイナス演算画像を用いて、回折強度を正確に求める。
【0047】
レーザポインタ40は、株式会社高知豊中技研製のレーザポインタ(商品名「グリーンレーザーポインタ」,品番:GLP−TR)であり、出力波長が532nm(出力:1mW未満)である。
CCDカメラ43は、ソニー株式会社製のCCDカメラ(商品名「3CCDカラービデオカメラ」,品番:DXC−390)である。
スクリーン42は、レーザポインタ40側から方眼紙,黒画用紙,アクリル板を積層させたものである。
【0048】
レーザポインタ40と減光フィルタ41間の距離x1は26cm、減光フィルタ41とローパスフィルタ10間の距離x2は6cm、ローパスフィルタ10とスクリーン42との距離x3は100cm、CCDカメラ43とスクリーン42間の距離x4は121cmとした。また、CCDカメラ43とレーザポインタ40とのy軸方向の距離y1は8.5cmとした。
【0049】
図6にレーザ回折パターンの一例を示す。中心に位置するスポットSaが0次回折光であり、その上下及び左右に1次回折光,2次回折光・・・が観察される。図中、スポットSbがy軸方向の+1次回折光、スポットScがy軸方向の−1次回折光である。また、スポットSdがx軸方向の+1次回折光、スポットSeがx軸方向の−1次回折光である。
【0050】
本実施形態のローパスフィルタ10では、回折光が現れる2軸方向において、レーザ光による0次回折光に対する1次回折光の回折強度比({(+1次)+(−1次)}/(0次))が1.20〜2.80の範囲に設定されている(1次及び−1次回折光は、x軸またはy軸方向の和)。回折強度比は、好ましくは1.60〜2.50の範囲に設定され、さらに好ましくは1.80〜2.30の範囲に設定される。
【0051】
回折強度比が1.20より小さいと、ローパスフィルタによる充分なモアレ除去効果が発現せず、回折強度比が2.80より大きいと、2次以上の高次回折光強度が強くなり、画像のコントラストを低下させてしまう。
【0052】
本発明の二次元ローパスフィルタは、レンズ体のピッチ,高さ及び断面形状、レンズ体及び中間体に用いる樹脂材料の屈折率等を、それぞれ上述の所定範囲に設定することにより、使用に即した光学性能を備えたものとすることができる。
以下に、レンズ体の構成,及び,レンズ体と中間体の樹脂材料の屈折率差を異ならせた実施例を示す。
【0053】
(実施例1)
図1と同様の形状のローパスフィルタを作製した。レンズ体の形状が頂角30度、ピッチ32μm、高さ56μm、アスペクト比1.75の略正四角錘形状となるように、銅めっきしたロール状のレンズ金型にダイヤモンドバイトで切削して相補的形状の型面を作製した。このレンズ金型に屈折率n1が1.4980の光硬化性樹脂材料を滴下塗布して、50μm厚のPETフィルムを接触させ、高圧水銀ランプでUV硬化させることで凹凸構造を有するフィルムを作製した。
【0054】
次いで、このフィルムの凹凸面上に、屈折率n2が1.4910の光硬化性樹脂材料を用いて凹凸の溝を埋めるように均し、高圧水銀ランプでUV硬化させることにより二次元ローパスフィルタを作製した。
実施例1での屈折率差Δn(「n1−n2」の絶対値)は、0.007である。なお、屈折率はアッベの屈折計で測定した。また、屈折率差は、以下の実施例及び比較例ともに、23℃においてD線(波長589nm)により測定したものである。また、d・Δnは0.392である。
【0055】
(実施例2)
屈折率n1が1.4980、屈折率n2が1.4930の光硬化性樹脂を用いて、実施例1と同様な方法により、同じ構成及び形状の二次元ローパスフィルタを作製した(屈折率は23℃におけるD線(波長589nm)によるもの)。
実施例2での屈折率差Δnは、0.0050である。また、d・Δnは0.280である。
【0056】
(実施例3)
屈折率n1が1.5226、屈折率n2が1.5096の光硬化性樹脂を用いて、実施例1と同様な方法により、略正四角錘形状のレンズ体が略直交方向に二次元状に配列された二次元ローパスフィルタを作製した(屈折率は23℃におけるD線(波長589nm)によるもの)。実施例3のレンズ体は、ピッチ20μm,高さ28.2μm,アスペクト比1.41である。また、実施例3での屈折率差Δnは、0.013である。また、d・Δnは0.3666(μm)である。
【0057】
(実施例4)
屈折率n1が1.5226、屈折率n2が1.5076の光硬化性樹脂を用いて、実施例3と同様な方法により、同じ構成及び形状の二次元ローパスフィルタを作製した(屈折率は23℃におけるD線(波長589nm)によるもの)。実施例4のレンズ体は、ピッチ20μm,高さ28.2μm,アスペクト比1.41である。また、実施例4での屈折率差Δnは、0.015である。また、d・Δnは0.4230(μm)である。
【0058】
(実施例5)
屈折率n1が1.5226、屈折率n2が1.5056の光硬化性樹脂を用いて、実施例3と同様な方法により、同じ構成及び形状の二次元ローパスフィルタを作製した(屈折率は23℃におけるD線(波長589nm)によるもの)。実施例5のレンズ体は、ピッチ20μm,高さ28.2μm,アスペクト比1.41である。また、実施例5での屈折率差Δnは、0.017である。また、d・Δnは0.4794(μm)である。
【0059】
(比較例1)
屈折率n1が1.5226、屈折率n2が1.5156の光硬化性樹脂を用いて、実施例3と同様な方法により、同じ構成及び形状の二次元ローパスフィルタを作製した(屈折率は23℃におけるD線(波長589nm)によるもの)。比較例1のレンズ体は、ピッチ20μm,高さ28.2μm,アスペクト比1.41である。また、比較例1での屈折率差Δnは、0.007である。また、d・Δnは0.1974(μm)である。
【0060】
(比較例2)
屈折率n1が1.5226、屈折率n2が1.4996の光硬化性樹脂を用いて、実施例3と同様な方法により、同じ構成及び形状の二次元ローパスフィルタを作製した(屈折率は23℃におけるD線(波長589nm)によるもの)。比較例2のレンズ体は、ピッチ20μm,高さ28.2μm,アスペクト比1.41である。また、比較例2での屈折率差Δnは、0.023である。また、d・Δnは0.6486(μm)である。
【0061】
実施例1〜5、比較例1及び2のローパスフィルタのレーザ回折強度比を測定した。図7(A)〜(C)にそれぞれ実施例3〜5で得られたレーザ回折パターンを示し、図8(A),(B)にそれぞれ比較例1,2で得られたレーザ回折パターンを示す。
その結果、実施例1のローパスフィルタの回折強度比{(+1次)+(−1次)}/(0次)は2.59であった。また、実施例2では2.78、実施例3では1.30、実施例4では1.91、実施例5では2.24であるのに対し、比較例1では0.13、比較例2では2.88であった。比較例1では、0次回折光に対して1次回折光が0.06倍及び0.07倍、2次回折光が0.03倍及び0.03倍、3次回折光が0.00倍及び0.00倍となり、1次項以上の回折光が0次項回折光に比べて非常に小さい。一方、比較例2では、0次回折光に対して1次回折光が1.14倍及び1.74倍、2次回折光が2.11倍及び1.57倍、3次回折光が1.88倍及び1.44倍となり、1次項以上の回折光が0次項回折光に比べて顕著に大きい。
【0062】
なお、実施例3では、0次回折光に対して1次回折光が0.63倍及び0.67倍、2次回折光が0.14倍及び0.14倍、3次回折光が0.03倍及び0.03倍であった。また、実施例4では、0次回折光に対して1次回折光が0.86倍及び1.05倍、2次回折光が0.72倍及び0.72倍、3次回折光が0.60倍及び0.57倍であった。また、実施例5では、0次回折光に対して1次回折光が1.19倍及び1.05倍、2次回折光が1.31倍及び1.04倍、3次回折光が0.70倍及び0.77倍であった。
【0063】
このように、d・Δnが0.20〜0.60(μm)の範囲となる実施例1〜5では、回折強度比が1.20〜2.80の範囲となり、良好な特性を有するローパスフィルタを得ることができた。一方、d・Δnが上記範囲を超えた比較例1(d・Δnが0.1974)及び比較例2(d・Δnが0.6486)では、それぞれ回折強度比が0.13,2.88となり、適度な回折強度比を得ることができず、充分なモアレ除去効果を得られないか、2次以上の高次回折光強度が強くなり画像のコントラストが低下してしまった。
【0064】
また、CZPによる特性評価を、実施例1〜5、比較例1及び2のローパスフィルタに対して行った。図9はローパスフィルタを使用しないで上述のCZPを撮像した画像である。図10は実施例1のローパスフィルタを配置してCZPを撮像した画像であり、図11は実施例2のローパスフィルタを配置してCZPを撮像した画像である。
【0065】
ローパスフィルタを使用しない場合(図9)、画像には多数のモアレ像が確認された。一方、実施例1のローパスフィルタを使用した場合(図10)、図9で観察されたモアレ像の多くが消失した。さらに、実施例2のローパスフィルタを使用した場合(図11)、実施例1のローパスフィルタよりもさらに多くのモアレ像が消失しており、モアレ除去機能が向上していることが確認された。
また、実施例3〜5でも良好なモアレ除去機能が確認された。一方、比較例1では充分なモアレ除去効果が得られなかった。
【0066】
一方、CZPにおける低周波数領域よりのリングパターンのコントラストが、図9,図10,図11の順に徐々に低下していくことが確認された。また、比較例2では0次回折光が1次以上の回折光と比べて相対的に低下し、高次回折光が強くCZPのコントラストが著しく低下した。
このように、実施例1〜5において、モアレ除去レベルと画像コントラストの異なるローパスフィルタを得ることができた。これにより、屈折率差Δn又はd・Δnを制御することで、モアレ除去レベル及び画像コントラストを容易に制御することができることが明らかとなった。
【0067】
以上のように、本発明の二次元ローパスフィルタは、従来のように光反応性高分子の光反応による自己組織化を利用するのではなく、金型により基材上に透明材料からなるレンズ列を形成し、屈折率の異なる透明材料を用いて、レンズ列間の溝を埋めるように中間体を形成している。
【0068】
本発明のローパスフィルタでは、従来のように空気とレンズとの屈折率差を利用して回折を生じさせるのではなく、レンズ体と中間体との屈折率差を利用して回折を生じさせているため、レンズ体及び中間体を形成する透明材料を変更することにより、両者の屈折率差を容易に制御することができる。
【0069】
そして、従来、空気とレンズとの屈折率差を利用する場合、この屈折率差は非常に大きな値となってしまうため、凹凸構造の高さをサブμmオーダー以下で微細に制御しなければならなかった。
しかしながら、本発明では、レンズ体及び中間体の屈折率差を利用しているので、この屈折率差を非常に小さく設定することができる。このため、本発明では、レンズ体の高さ及びピッチをサブμm以下で微細に制御しなくてもすむ。
【0070】
したがって、本発明のローパスフィルタでは、レンズ列を金型により容易に精度よく且つ再現性よく形成することができる。また、金型を変更することにより、レンズ列のピッチや高さを変更することが可能となる。
さらに、本発明のローパスフィルタは、金型で製造することができるため、製造工程が従来よりも単純化され、しかも安定した品質で極めて安価に製造することができ、量産化が可能となる。またモアレ除去効果やコントラストなどのバランスに優れた高性能なローパスフィルタを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態によるローパスフィルタの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態によるローパスフィルタの構造体の平面図である。
【図3】本発明の実施形態によるローパスフィルタの断面図である。
【図4】本発明の実施形態によるローパスフィルタの製造工程の説明図である。
【図5】レーザ回折強度比の測定方法の説明図である。
【図6】レーザ回折パターンを示す説明図である。
【図7】本発明の実施例のレーザ回折パターンである。
【図8】比較例のレーザ回折パターンである。
【図9】本発明のローパスフィルタを使用しなかった場合のCZP評価画像である。
【図10】本発明の実施例1のローパスフィルタを使用した場合のCZP評価画像である。
【図11】本発明の実施例2のローパスフィルタを使用した場合のCZP評価画像である。
【符号の説明】
【0072】
10 ローパスフィルタ
10A 構造体
11 基材
11A 基材フィルム
13 レンズ体
13A 紫外線硬化性樹脂材料
14 溝
15 中間体
15a 上面
20 フィルタ製造装置
21 原反フィルム巻き出し部
22 原反フィルムロール
23 重合賦型部
24 レンズ金型
25 樹脂供給ノズル
26 紫外線照射装置
27 送りローラ
28 切断部
29 カッター
40 レーザポインタ
41 減光フィルタ
42 スクリーン
43 CCDカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に凸状のレンズ体が略一定のピッチで二次元状に配列された構造体と、
前記構造体のレンズ体間の溝を埋めた状態で前記溝に配置された中間体と、を備えたローパスフィルタであって、
前記レンズ体は第1物質で形成され、前記中間体は第2物質で形成され、
前記溝の深さをd(μm)とし、前記第1物質の屈折率と前記第2物質の屈折率との差をΔnとしたとき、d・Δn(μm)の値が0.20〜0.60の範囲であり、前記レンズ体のピッチが1.0μm〜100μmの範囲にあることを特徴とするローパスフィルタ。
【請求項2】
前記第1物質の屈折率と前記第2物質の屈折率との差Δnが、0.004〜0.020の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のローパスフィルタ。
【請求項3】
前記レンズ体が、略正四角錐の形状を有することを特徴とする請求項1に記載のローパスフィルタ。
【請求項4】
前記レンズ体の頂角が20度〜140度の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載のローパスフィルタ。
【請求項5】
前記レンズ体のピッチに対する前記溝の深さの比であるアスペクト比が、0.1〜4の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のローパスフィルタ。
【請求項6】
前記第1物質及び/又は前記第2物質が紫外線硬化性樹脂である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のローパスフィルタ。
【請求項7】
前記基材が、アクリルフィルム,PETフィルム及びTACフィルムを含む透明樹脂フィルムであり、厚みが100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のローパスフィルタ。
【請求項8】
前記基材は、前記レンズ体が設けられていない側の面に反射防止処理が施されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のローパスフィルタ。
【請求項9】
略一定のピッチで二次元状に配列された凸状のレンズ体のレンズ列を形成するための型面を備えた金型を準備する工程と、
前記金型の型面に第1のエネルギー線硬化性樹脂を介して基材フィルムを接触させる工程と、
エネルギー線硬化により前記第1のエネルギー線硬化性樹脂を硬化させて、前記基材フィルム上に前記レンズ体が配置された構造体を形成する工程と、
前記構造体のレンズ体間を埋めるように、前記第1のエネルギー線硬化性樹脂とは屈折率の異なる第2のエネルギー線硬化性樹脂をコーティングする工程と、
前記第2のエネルギー硬化性樹脂をエネルギー線硬化させる工程と、を備えたことを特徴とするローパスフィルタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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